JP4769394B2 - 表面処理合成樹脂シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、合成樹脂シート自体の耐久性を損なうことなく、優れた防汚性及び密着性が付与された表面処理合成樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂は、その種類と特徴に応じて、押出成形、射出成形、ブロー成形、積層成形等の種々の方法により、シート状、フィルム状、プレート状、パイプ状等の形状に成形されて土木建築用材料、農業用材料、産業機械向け等の用途に供され、また、種々の固有の形状に成形されて土木建築部品、車両部品、電気製品や照明器具の部品、タンク等の大型容器やボトル等の小型容器等の用途に供される等、極めて多くの分野で用いられている。
【0003】
そして、このような合成樹脂は、一般に非導電性であってその表面が疎水性であり、このために帯電し易くて塵埃や汚れが付着し易いほか、特に使用中の温度や紫外線等の影響により合成樹脂中に含まれる可塑剤等が成形品表面に移行してこの成形品表面がべとつく等のいわゆるブリード現象が生じると、この合成樹脂表面に更に汚れが付着し易くなり、この汚れが油性汚れの場合には表面に強固に付着して取れなくなるほか、時にはこの油性汚れが合成樹脂の劣化を促進する原因にもなり、耐久性をも損なうという問題がある。
【0004】
この問題は、例えばテント倉庫、中型・大型テント等の膜構造建築物等の用途に用いられる塩化ビニル樹脂等の軟質樹脂製の合成樹脂シートにおいて特に重大な問題になっており、従来においても、この汚れ防止対策として、合成樹脂シートの表面にアクリル樹脂やフッ素樹脂を塗装することや、フッ素樹脂フィルム等をラミネートすること等が行われているが、これらの方法では、使用環境等により汚れの付着を充分に防止できない場合が多々発生していた。
【0005】
そこで、従来においては、このような問題を解決するための手段として、例えば、アルキルシリケートを熱可塑性樹脂に直接塗布するか、又は、原料樹脂に練り込んだ後にシート状に成形することにより、熱可塑性樹脂に防汚性を付与する試みが行われている(特開昭61-221,282号公報参照)。しかしながら、このような方法によって得られる合成樹脂シートにおいては、アルキルシリケートが本来親油性の液体であり、合成樹脂シートの表面に塗布した場合に、このアルキルシリケートが容易には乾燥硬化しないでかえって表面がべとつき、塗装直後にはかえって汚れが付着し易くなってむしろ汚染が促進されるほか、造膜性が悪くて屋外に曝された際に、形成された被膜が降雨、紫外線等の影響で合成樹脂シートの表面から容易に剥がれ落ち、効果が失われる場合も多々あり、また、原料樹脂に練り込んだ後にシート状に成形すると、練り込まれたアルキルシリケートが乾燥硬化し、シート表面を必要な親水性にして所望の防汚性を発揮するまでにかなりの長時間を必要とし、初期の防汚性が得られないという問題がある。
【0006】
また、建築物や屋外構造物等の屋外基材について、その基材表面を汚れ難くするために、疎水性のフッ素樹脂塗料にアルキルシリケート又はその縮合物を添加したフッ素系コーティング剤が提案されている(特開平8-120,211号、特開平8-120,212号、特開平8-176,304号の各公報)。しかしながら、このフッ素系コーティング剤は、アルキルシリケート又はその縮合物が添加されてある程度の防汚性は改善されるが、フッ素樹脂塗料が強い疎水性を示すので、表面が親水性を呈するまでに長期間を要し、塗膜形成後の初期における防汚性に乏しく、極初期において雨筋汚れが付着し易く、基材表面の汚染を完全には防止することができず、一時的にも本来の汚染防止の期待を裏切るものであるといわざるを得ない。
【0007】
そこで、従来においても、このような屋外基材を汚れ難くするために、これまでの考え方とは全く反対に、基材表面を水に馴染み易くする方がかえって有効であるとの考え方も明らかにされている(月刊建築材ニュース1995年2月10日)。そして、その主たる理由としては、▲1▼親水性樹脂は、電気抵抗が低く、従って帯電し難いので、塵埃等の汚れが付着し難い、▲2▼仮に塵埃等の汚れが付着しても、被膜との馴染みが悪いので、被膜の中に入り込み難い、▲3▼雨水が当たった時、付着した汚れは雨水と置換されて流れ落ちる、等の点が挙げられている。
【0008】
そして、このような親水性被膜を形成せしめる方法として、屋外基材の表面に下塗りコーティング層を形成し、その上にアルコキシシラン系親水性コーティング剤を上塗りする方法が提案されている(特開平7-136,584号公報及び特許第2,869,443号掲載公報参照)。しかしながら、この方法においては、上塗りコーティング剤に親水性を付与するため、塗布後の硬化被膜の表面を酸処理する必要があり、塗装直後の初期より親水性を付与して防汚性を発揮せしめることが困難である。
【0009】
また、上塗り被膜表面に生じる塵埃や油性成分等に起因する汚れを防止する方法として、オルガノシリケートを加水分解触媒の存在下に所定量(オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して3〜70重量部)の水で加水分解して得られた加水分解物を塗布することも提案されている(特開平7-136,583号公報参照)。しかしながら、この方法においては、加水分解に使用する水の量が化学量論的に少なく、得られた加水分解物中にアルコキシ基が残留し、このために、塗布後に時間の経過と共に空気中の水分で加水分解されて親水性が向上することはあっても、塗布直後には所望の親水性が得られず、結果として十分な防汚効果が得られない。
【0010】
また、最近では、光触媒機能を有する酸化チタンとシリコーン系材料とを組み合わせて使用し、油性汚れが付着した際にこの油性汚れを紫外線を含む太陽光により分解して水に馴染み易いあるいは溶解し易い物質に変え、雨水が当った際にこの雨水と共に汚れを洗い落とすことができる光触媒機能を有するコーティング剤が提案されている。しかしながら、この種のコーティング剤は、合成樹脂シートの表面に塗布して用いられた場合、このシート表面に親水性を付与して防汚性を発現せしめるものの、光触媒機能を有する酸化チタンの特性に影響されて合成樹脂シート自体が冒されて劣化し易くなり、合成樹脂シート自体の耐久性に問題が生じるほか、透明性が要求される合成樹脂シートには適用できないという別の問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、合成樹脂シート自体の耐久性に悪影響を及ぼすことがなく、密着性に優れ、しかも、塗布直後から優れた防汚性を発揮し得る表面処理合成樹脂シートの開発について鋭意検討した結果、合成樹脂シートの表面に、塗料用樹脂とオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物(オルガノシリケート化合物)とを含むプライマー組成物によりプライマー層を形成し、次いでこのプライマー層の上に、オルガノシリケートの加水分解物を含むコーティング組成物により表面防汚層を形成せしめることにより、目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
従って、本発明の目的は、合成樹脂シート本来の耐久性を損なうことなく、密着性に優れ、しかも、塗布直後から優れた防汚性を発揮する表面処理合成樹脂シートを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、合成樹脂シートのシート表面に、
(A)少なくとも塗料用樹脂とオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物からなるオルガノシリケート化合物とを含むプライマー組成物を上記シート表面に塗布して形成されたプライマー層と、
(B)下記一般式(1)
【0014】
【化2】
【0015】
(但し、式中、R1〜R4は、炭素数1〜10のアルキル基又はアリル基若しくは炭素数6〜24のアリール基であり、互いに同じであっても異なっていてもよく、また、nは1以上の整数である)で表わされるオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物からなるオルガノシリケート化合物を加水分解触媒の存在下に加水分解して得られたオルガノシリケートの加水分解物を含むコーティング組成物を上記プライマー層の上に塗布して形成された表面防汚層とを有し、
コーティング組成物を構成するオルガノシリケートの加水分解物が、オルガノシリケート化合物を加水分解触媒の存在下にオルガノシリケート中Si原子のSiO 2 換算100重量部に対して60〜600重量部の加水分解水分量の水で加水分解し、次いで得られた加水分解反応物に水含有希釈剤を添加して調整後水分量がオルガノシリケート中Si原子のSiO 2 換算100重量部に対して600〜4000重量部となるように水分調整して得られたものである表面処理合成樹脂シートである。
【0016】
本発明において、上記プライマー組成物を構成する塗料用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビリニデン樹脂等の樹脂を挙げることができ、また、形成される被膜の密着性や乾燥性などの性能向上を目的に、これらの樹脂の1種又は2種以上に、他の樹脂及び共重合樹脂から選ばれた1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
【0017】
また、プライマー組成物を構成するオルガノシリケート化合物は、上記一般式(1)で表されるオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物であり、合成樹脂シートの表面と表面防汚層との間の密着性を発現せしめるものであればよく、具体的には、置換基R1〜R4が、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、iso-ヘキシル基、ビニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、1,5-ジメチルナフチル基等から選ばれた1種又は2種以上のアルキル基、アリル基及び/又はアリール基を有する化合物を挙げることができる。
【0018】
これらのオルガノシリケート化合物としては、好ましくはその置換基R1〜R4が炭素数1〜4のアルキル基であるものがよく、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトラ-2-メトキシエトキシシラン、テトラ-2-エチルヘキシロキシラン等や、これらのオルガノシリケートに水、酸及び溶剤を加えて部分的に加水分解縮合させて得られる部分加水分解物を挙げることができる。この部分加水分解物については縮合度、構造、アルコキシ基の異なる各種のものが市販されており、具体的には、有効シリカ分を28〜51重量%の範囲で含有するエチルシリケート40、エチルシリケート45、及びメチルシリケート51や、テトラエトキシシランをエタノールやイソプロピルアルコールに溶解し加水分解して得られたHAS−6、及びHAS−10(いずれもコルコート社製商品名)等が挙げられる。
【0019】
本発明のプライマー組成物を構成する塗料基材樹脂とオルガノシリケート化合物との配合割合は、塗料用樹脂100重量部当りオルガノシリケート化合物が0.2〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。この際にオルガノシリケート化合物の配合割合が0.2重量部より少ないと、コーティング組成物によって形成される表面防汚層との間の密着性が不充分になり、また、40重量部を超えると、硬化が不十分になり、ブリード現象が生じ、透明性が損なわれ、外観の低下を招くという問題がある。
【0020】
本発明のプライマー組成物については、上記塗料基材樹脂及びオルガノシリケート化合物に加えて、通常の塗料の場合と同様に、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、レベリング剤、艶消し剤、断熱フィラー、密着付与剤等を必要に応じて適宜選択して添加することができる。
【0021】
この目的で添加される紫外線吸収剤としては、有機系及び無機系のいずれであってもよく、例えば透明なプライマー層を形成するためには、透明性を確保するために、有機系の紫外線吸収剤を使用するのが好ましく、中でもベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤が好適に用いられる。
【0022】
また、光安定剤としては、ベンゾエート系やヒンダートアミン系のもの、好ましくはヒンダートアミン系のものを挙げることができ、また、顔料としては、例えば耐候性のよい無機顔料や有機顔料あるいはこれらの混合物等を選択して使用することができる。
【0023】
更に、本発明のプライマー組成物中には、形成されたプライマー層中に含まれるオルガノシリケート化合物の加水分解反応を促進し、なお一層の硬化性を向上させたい場合には、加水分解性シリル基の加水分解作用、そして縮合作用を促進する触媒を添加してもよい。この反応を促進する触媒としては、例えば、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属類にアルコキシド基が結合した金属アルコキシド化合物や、これらの金属類にキレート化合物が配位したキレート化合物や、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物等の金属化合物触媒、エチルアミン等の有機アミン化合物を挙げることができ、その1種又は2種以上が10重量部以下、好ましくは0.02〜5重量部の範囲で添加される。
【0024】
また、本発明において、コーティング組成物を構成するオルガノシリケートの加水分解物は、上記プライマー組成物を構成する上記一般式(1)と同じ一般式で表わされるオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物からなるオルガノシリケート化合物を加水分解触媒の存在下に加水分解して得られるものである。ここで、プライマー組成物を構成するオルガノシリケート化合物とこのコーティング組成物を構成するオルガノシリケート化合物とは、互いに同じであっても、また、異なっていてもよい。
【0025】
そして、このオルガノシリケート化合物の加水分解反応については、結果的にオルガノシリケート化合物を略完全に加水分解できればよく、加水分解触媒の存在下に、オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して60重量部以上600重量部以下、好ましくは120重量部以上400重量部以下の加水分解水分量の水で加水分解し、次いで得られた加水分解反応物に水含有希釈剤を添加して調整後水分量がオルガノシリケート中のSi原子のSiO2換算100重量部に対して600重量部以上4000重量部以下、好ましくは1000重量部以上3500重量部以下となるように水分調整する。加水分解水分量が60重量部より少ないと加水分解が十分に進まず、所望の親水性が得られず初期からの防汚性が得られず、反対に、600重量部より多くなると加水分解物がゲル化し易くなる。また、調整後水分量が600重量部より少ないと最終的にアルコキシ基が残存して所望の親水性が得られず、反対に、4000重量部より多くなると貯蔵安定性が低下して製品ライフが短くなる。
【0026】
ここで、上記の加水分解水分量とは、オルガノシリケートを加水分解する際にその反応系に存在して加水分解反応に関与する全水分の量をいい、加水分解反応系に反応剤として添加される水に限らず、この加水分解反応系に加水分解触媒と共に、あるいは反応溶剤とともに導入される水を含む全ての水分量をいう。
また、この水分調整に用いる水含有希釈剤は、加水分解反応物と水とを互いに溶かし合うものであれば特に制限はないが、有機溶剤−水系のものを使用するのがよく、この有機溶剤としては、塗装後の塗膜の乾燥状態を考慮に入れると反応溶剤の場合と同様に、アルコール類、特にエチルアルコール、iso-プロピルアルコール、ブチルアルコール等が好ましい。
【0027】
また、この加水分解反応に用いられる加水分解触媒としては、特に制限はないが、好ましくは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸類や蟻酸、酢酸等の有機酸類等の酸触媒が挙げられる。この加水分解触媒の使用量は、例えば酸触媒を用いた場合、反応系中に通常0.01重量%以上5重量%以下、好ましくは0.05重量%以上2重量%以下の範囲で存在せしめるのがよく、0.01重量%未満では、加水分解速度が遅くなり、アルコキシ基が残存して所望の親水性が得られず、反対に、5重量%を超えると、合成時にゲル化し易くなる。
【0028】
本発明のコーティング組成物には、このオルガノシリケートの加水分解物に加えて、好ましくは耐磨耗性を付与する目的で、コロイダルシリカを添加することができる。このコロイダルシリカの添加量については、加水分解物100重量部に対して固形分で3重量部以上35重量部以下、好ましくは5重量部以上30重量部以下の範囲であるのがよく、3重量部より少ないとコロイダルシリカ添加により期待する耐磨耗性、耐擦傷性が得られず、反対に、35重量部より多いと密着性、造膜性等が悪くなる。
【0029】
更に、本発明のコーティング組成物には、必要により粘度調整用あるいは塗膜の乾燥速度を調整する目的で、エチルアルコール、iso-プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類や、粘度の高い溶剤、沸点の高い溶剤等の他の溶剤を添加してもよい。
【0030】
本発明において、上記プライマー組成物及びコーティング組成物からなる表面処理剤が適用される合成樹脂シートについては、それがどのような合成樹脂により成形されたものであるかは特に制限はなく、本発明のプライマー組成物を構成する塗料用樹脂との密着性に優れたものであればよい。言い換えれば、プライマー組成物を構成する塗料用樹脂と合成樹脂シートを構成する樹脂とがその組合せにおいて互いに優れた密着性を有すればよく、この合成樹脂シートを構成する合成樹脂として、好適には例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂、又はフッ素樹脂等で形成された合成樹脂シートを挙げることができる。
【0031】
このような合成樹脂シートの表面に上記表面処理剤を適用する方法については、先ず合成樹脂シートの表面にプライマー組成物を塗布し、乾燥させてプライマー層を形成し、次いでこのプライマー層の上にコーティング剤を塗布し、乾燥させて表面防汚層を形成せしめればよく、プライマー組成物やコーティング組成物の塗布方法については特に制限はなく、例えばロールコーター、グラビアコート、リバースコート等の一般的な塗布方法を採用できるほか、刷毛塗り等の手塗りも可能であり、また、乾燥方法については、常温乾燥でも加熱乾燥でもよいが、加熱乾燥の方が短時間で乾燥被膜を得ることができる。
【0032】
上記表面処理剤によって合成樹脂シートの表面に形成されるプライマー層及び表面防汚層の膜厚については、プライマー層が通常1〜50μm、好ましくは2〜10μmであり、また、表面防汚層が通常0.01〜2μm、好ましくは0.05〜1μmである。プライマー層の膜厚が1μmより薄いと合成樹脂シートよりの配合物のブリードが生じる虞があり、反対に、50μmより厚くなると白化の問題が生じる。また、表面防汚層の膜厚が0.01μmより薄いと防汚性が均一になり難いという問題があり、反対に、2μmより厚くなると被膜を形成せずクラックが生じ易いという問題がある。なお、プライマー組成物と同じ組成を有する塗料樹脂組成物からなる表面処理剤によって合成樹脂シートの表面に形成される表面防汚層の膜厚については、プライマー層の場合と同様に、通常1〜50μm、好ましくは2〜10μmである。
【0033】
なお、本発明の表面処理合成樹脂シートにおいては、プライマー組成物が合成樹脂シートの表面にプライマー層を形成し、また、コーティング組成物がこのプライマー層の上に表面防汚層を形成しており、そして、上記プライマー層中に存在するプライマー組成物由来のシリケート化合物が上記表面防汚層中に存在するコーティング組成物由来のシリケート化合物と一部反応して−Si-O-Si−結合を形成するものと考えられ、このために合成樹脂シートの表面に直接コーティング組成物を塗布して表面防汚層を形成する場合より、プライマー層を介して表面防汚層を形成する場合の方がより耐久性が向上するものと考えられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0035】
〔プライマー組成物の調製〕
溶剤揮発型有機樹脂塗料であるアクリル樹脂−二フッ化エチレン共重合樹脂(セイコー化成(株)製商品名:ラックスキンSS92-10)をMEK/トルエン/アノンの混合溶剤(重量比:62/33/5)で固形分濃度が10.5重量%になるように調整して得られた塗料溶液100重量部に、テトラエトキシシランの部分加水分解物(コルコート(株)製商品名:コルコート45)10重量部を添加し、均一に混合してプライマー組成物を得た。
【0036】
〔コーティング組成物の調製〕
(調製例A)
容量1500mlの三口フラスコに、エチルシリケートの平均重合度4〜5のオリゴマー体(多摩化学工業(株)製商品名:ES-40)40gとエタノール88gとを仕込み、均一に混合した後、純水21.6gと触媒として6wt%-硝酸水溶液28gとを添加し、加熱還流下に4時間反応させた後、冷却して加水分解反応物を得た。次いで、得られた加水分解反応物中に、イソプロピルアルコール190gと純水432gとを十分に混合して得られた水含有希釈剤を添加し、攪拌下に十分に混合して調製例Aのコーティング組成物を調製した。
なお、この調製例Aにおける加水分解水分量と水含有希釈剤由来の水分量との合計水分量は、オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して3000重量部である。
【0037】
(調製例B)
エチルシリケートの平均重合度4〜5のオリゴマー体に代えて、メチルシリケートの平均重合度3〜4のオリゴマー体(多摩化学工業(株)製商品名:MS-51)31.4gを用いた以外は、上記調製例Aと同様にして、調製例Bのコーティング組成物を調製した。
なお、この調製例Bにおける加水分解水分量と水含有希釈剤由来の水分量との合計水分量は、オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して3000重量部である。
【0038】
(調製例C)
上記調製例Aで得られたコーティング組成物中に、ナトリウムフリィー及び固形分濃度10重量%のイソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカ分散液(多摩化学工業(株)製商品名:TCSOL-242)をコーティング組成物100重量部当り100重量部の割合で添加し、調製例Cのコーティング組成物を調製した。
なお、この調製例Cにおける加水分解水分量と水含有希釈剤由来の水分量との合計水分量は、オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して3000重量部である。
【0039】
(調製例D)
調製例Aで用いた水含有希釈剤に代えて、イソプロピルアルコール190gを希釈剤として用いた以外は、実施例1と同様にして、調製例Dのコーティング組成物を調製した。
なお、この調製例Dにおける加水分解水分量(合計水分量に相当)は、オルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して300重量部である。
【0040】
(合成樹脂シートの作製)
密度500D×500D、26×28本/インチ、目付け120g/m2を有するテトロン(ポリエステル)繊維基布をヒートセットし、この基布を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体接着剤(大同化成(株)製商品名:ダイカラック587)100重量部、ジオクチル-2-フタレート(DOP)25重量部、及びイソシアネート系架橋剤(ICI社製商品名:S-3240)3重量部からなる接着剤に浸漬処理した後、ディップロールで25g/m2(固形分)に絞り、140℃で予備乾燥した後、更に140℃で2分間熱処理した。更に、ポリ塩化ビニル(PVC)100重量部、ジオクチルフタレート(DOP)60重量部、トリクロロフォスフェート(TCP)5重量部、バリウム(Ba)−亜鉛(Zn)系安定剤3重量部、ヘンゾフェノン系紫外線吸収剤0.5重量部、三酸化アンチモン7重量部及び顔料(酸化チタン)10重量部からなるポリ塩化ビニル樹脂組成物を用い、カレンダー成形によって上記接着剤含侵ポリエステル基布の両面に厚さ140μmのフィルムシートを接着し、三層構造の合成樹脂シートからなる防水シートを作製した。得られた防水シートの厚さは0.50mmであり、また、その重量は650g/m2であった。
【0041】
実施例1〜3
上記防水シートの表面に、80メッシュのグラビアロールを備えたグラビアコーターにより、上記プライマー組成物を塗布し、80℃で1分間の条件で乾燥し、膜厚約4μmのプライマー層を設けた。
【0042】
次に、プライマー層が積層された防水シートには、そのプライマー層の上に、120メッシュのグラビアロールを備えたグラビアコーターにより、上記調製例A〜Cで得られたコーティング組成物を2回塗布し、80℃で30秒間及び150℃で1分間の条件で乾燥し、膜厚約1μmの表面防汚層を積層し、得られた表面処理防水シートからそれぞれ実施例1〜3のシート片を切り出した。
【0043】
このようにして得られた各実施例1〜3のシート片について、その表面処理被膜の初期物性として外観、密着性、及び初期接触角を調べると共に、屋外暴露試験を行い、防汚性の評価を行った。
外観は、目視観察により被膜の性状を◎:雨筋が全く認められない、○:薄い雨筋が一部に認められる、△:明確な雨筋が一部に認められる、×:明確な雨筋が全面に認められる、の4段階で評価した。
【0044】
また、密着性は、各実施例1〜3のシート片をアルミ板に貼り付け、JIS K5400-8.5.1のクロスカットテープ法に準じて、ます目10点満点で評価した。
更に、被膜の接触角については、表面に0.02ccの脱イオン水を滴下し、接触角測定装置(協和化学社製:CONTACT-ANGLEMETER CA-A型)を用い、20℃での水滴の接触角を測定した。接触角が小さくなると親水性が高くなる。
【0045】
屋外暴露試験については、各実施例1〜3のシート片から300mm×2000mmの寸法の試験片を切り出し、地表面に対して45度に傾斜した設置面と垂直状態の設置面とを有する屋外暴露試験用の架台に各試験片をセットし、3年間に亘って屋外暴露を行い、色彩色差計(ミノルタ株式会社製:CR-300)を用いて1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後、2年後、及び3年後における45度面及び垂直面の明度を測定し、暴露前の明度との差(明度差)により汚染状態を評価すると共に、雨筋汚れを目視観察により評価し、表面処理被膜の防汚性を◎:−2以上、○:−2未満−5以上、△:−5未満−8以上、×:−8未満の4段階で評価した。なお、明度差ΔL*は大きな数値程汚れが少ないことを示す。
結果を表1に示す。
【0046】
比較例1
各製造例A〜Cのコーティング組成物を用いて表面防汚層を積層することなく、上記プライマー組成物を表面処理剤として使用し、プライマー層のみからなる表面処理被膜を設けた以外は、上記実施例1〜3と同様にして、比較例1の表面処理済試作片を作製した。得られた比較例1の表面処理済試作片について、上記各実施例1〜3と同様にしてその外観、密着性、初期接触角、及び屋外暴露試験による防汚性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
比較例2
上記製造例A〜Cのコーティング組成物に代えて、製造例Dのコーティング組成物を用いた以外は、上記実施例1〜3と同様にして、比較例2の表面処理済試作片を作製した。得られた比較例2の表面処理済試作片について、上記各実施例1〜3と同様にしてその外観、密着性、初期接触角、及び屋外暴露試験による防汚性の評価を行った。
【0048】
比較例3
溶剤揮発型有機樹脂塗料であるアクリル樹脂−二フッ化エチレン共重合樹脂(セイコー化成(株)製商品名:ラックスキンSS92-10)をMEK/トルエン/アノンの混合溶剤(重量比:62/33/5)で固形分濃度が10.5重量%になるように調整して得られた塗料溶液を表面処理剤として用いた以外は、上記実施例1〜3と同様にして、比較例3の表面処理済試作片を作製した。得られた比較例3の表面処理済試作片について、上記各実施例1〜3と同様にしてその外観、密着性、初期接触角、及び屋外暴露試験による防汚性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
比較例4及び比較例5
表面処理としてポリフッ化ビニリデン(PVDF;クレハ社製商品名:KFCフィルム)又はポリフッ化ビニル(PVF;デュポン社製商品名:テドラーフィルム)によりラミネート処理した以外は、上記実施例1〜3と同様にして、比較例4及び5のシート片を作製した。得られた比較例4及び5のシート片について、上記各実施例1〜3と同様にしてその外観、密着性、初期接触角、及び屋外暴露試験による防汚性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
本発明の表面処理合成樹脂シートは、そのシート表面に、当該合成樹脂シート本来の耐久性に悪影響を及ぼすことがなく、密着性に優れ、しかも、塗布直後から優れた防汚性を発揮し得る表面処理被膜が形成されており、屋外に暴露された状態で使用されても、表面に付着した塵埃や油汚れ等が雨水により洗い流され、長期に亘って防汚性が発揮されて美観が維持されるほか、表面処理被膜の優れた密着性により透光性向上効果や折り曲げ時の被膜追従性等に優れており、特にテントや窓のブラインド、シェード等の用途に好適に用いることができる。
Claims (6)
- 合成樹脂シートのシート表面に、(A)少なくとも塗料用樹脂とオルガノシリケート及び/又はその部分加水分解物からなるオルガノシリケート化合物とを含むプライマー組成物を上記シート表面に塗布して形成されたプライマー層と、(B)下記一般式(1)
コーティング組成物を構成するオルガノシリケートの加水分解物が、オルガノシリケート化合物を加水分解触媒の存在下にオルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して60〜600重量部の加水分解水分量の水で加水分解し、次いで得られた加水分解反応物に水含有希釈剤を添加して調整後水分量がオルガノシリケート中Si原子のSiO2換算100重量部に対して600〜4000重量部となるように水分調整して得られたものであることを特徴とする表面処理合成樹脂シート。 - プライマー組成物を構成する塗料用樹脂が、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、又はポリ塩化ビリニデン樹脂である請求項1に記載の表面処理合成樹脂シート。
- プライマー組成物が、紫外線吸収剤及び光安定剤を含有する請求項1又は2に記載の表面処理合成樹脂シート。
- 加水分解触媒が、酸触媒である請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理合成樹脂シート。
- コーティング組成物が、コロイダルシリカを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理合成樹脂シート。
- 合成樹脂シートが、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂、又はフッ素樹脂のシートである請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理合成樹脂シート。
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