JPH11291415A - 膜 材 - Google Patents

膜 材

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JPH11291415A
JPH11291415A JP9731398A JP9731398A JPH11291415A JP H11291415 A JPH11291415 A JP H11291415A JP 9731398 A JP9731398 A JP 9731398A JP 9731398 A JP9731398 A JP 9731398A JP H11291415 A JPH11291415 A JP H11291415A
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JP
Japan
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film material
vinylidene fluoride
adhesive
resin
melting point
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JP9731398A
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Takeo Matsunase
武雄 松名瀬
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防汚性、接合性、防黴び性、耐久性に優れた軟
質塩ビ系膜材を提供すること。 【解決手段】接着剤により塩ビ基材の両面をフッ化ビニ
リデン系樹脂層で被覆したことを徳用とする膜材であ
り、必要に応じ、両表面のフッ化ビニリデン系樹脂の融
点の差を5℃以上としたもの。接着剤には好ましくはフ
ッ素系接着剤を適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外スポーツ用、
娯楽用、アメニティ−用などの膜材やテント倉庫などの
ような産業用膜材などに適当な膜材であって、特に易接
着性、防汚性、耐久性、防黴び性に優れた膜材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の軟質塩ビ膜材は、図1のように合
成繊維やガラス繊維などの各種繊維織物(以下基布と略
す)に軟質塩化ビニル系樹脂(以下塩ビと略す)を含浸
もしくは積層したものである。この軟質塩ビ膜材は柔軟
で、加工し易く、屋外スポーツ用、娯楽用、アメニティ
−用などの膜材や倉庫などのような産業用膜材などの膜
材として幅広く使用されてきた。しかし、軟質塩ビ膜材
は、防汚性が悪く、耐久性および防黴び性などの問題が
あった。
【0003】これらの欠点改善のため、膜材の片面にフ
ッ素系樹脂を積層したフッ素表皮膜材が提案された。し
かし、この膜材の限界は、確かにフッ素表皮面の防汚性
は改善されるものの他面は元のまままである。このた
め、膜構造物として例えば体育館やプールなどに使用し
た場合、内面は結露に曝され、これに伴いゴミ付着や汚
れや黴びの発生などが生じ予想外に汚れが目立つ場合が
生じる。また、屋外に曝露された場合、塩ビに含まれる
可塑剤の蒸発や劣化に伴い膜材が硬化劣化し、耐久性自
体も限界があった。
【0004】別の問題として、膜材の接合性不良の問題
がある。この接合とは、膜構造物など広い膜材が必要と
される場合に膜材同士をつなぐ操作をいう。この接合手
段として各種あるが、一般的には図2のように膜材を重
ね合わせて高周波ウエルダー装置により加熱圧着して接
合する。図5にさらにこの詳細を示してある。図5中、
膜材6は金型5により、内部加熱されつつ圧着される。
しかし、従来の表皮フッ素系膜材は、この接合時に接合
面から塩ビ樹脂がはみだしたり、接着力(剥離強力)が
悪かったりする欠点があり、接合性が極めて悪かった。
このため、膜材同士を接合させる部分だけ表面のフッ素
樹脂を剥がして、塩ビ基材の塩ビを露出させ、両膜材の
塩ビ同志を接合させるなどの工夫をし対処している状況
であった。しかも、この作業自体大変であり、このよう
な煩わしい作業をしなくても容易に接合出来る膜材への
強い要求があった。
【0005】このため、フッ素表皮膜材の裏面にアクリ
ル系などの接着剤を付与し、この接着剤の助けをかりて
接合する方法が提案された。しかし、この場合は、アク
リル系接着剤の本質的欠点のため柔軟性、耐シワ性、耐
熱クリープ性、耐寒性、耐久性、などの特性が十分でな
く、また裏面の防黴び性に劣り、用途的にも極めて限ら
れたものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩ビ系膜材
において、上記のごとく、その欠点である防汚性、耐久
性、易接合性不足を改善した総合的特性に優れた塩ビ系
膜材を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において課題は下
記手段によって達成される。 1.軟質塩化ビニル系樹脂層と繊維基布とを含む塩ビ系
膜材の両面が、接着剤を介し塩ビ基材の両面がフッ化ビ
ニリデン系樹脂により被覆されたことを特徴とする膜
材。 2.一方の表面のフッ化ビニリデン系樹脂の融点と他方
の表面の融点との差が5℃以上とした膜材。 3.低融点のフッ化ビニリデン系樹脂が、フッ化ビニリ
デンとクロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、パーフルオロアルキルビニルエーテルおよびエチ
レンの中から選ばれた1種類以上との共重合体成分であ
る2項の膜材。 4.高融点のフッ化ビニリデン系樹脂が80wt%以上
のフッ化ビニリデン構造単位を含有する1〜3項いずれ
かの膜材。 5.該接着剤が、水酸基、カルボシル基およびアミノ基
から選ばれる1種以上有する官能基含有フッ素系ポリマ
ー成分、「フッ化ビニリデン系ポリマー成分ならびに
「イソシアネート系成分」とからなるフッ素系接着剤を
含有することを特徴とする第1〜4項いずれかの膜材。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の膜材は、図3に示すよう
にフッ化ビニリデン樹脂からなる表面表皮層a、フッ化
ビニリデン樹脂からなる接着剤層b、軟質塩化ビニル系
樹脂層と繊維基布とを含む塩ビ基材c、接着剤層d、裏
面表皮層eの部分から構成される。
【0009】本発明の塩ビ基材は、基本的にはテント倉
庫や中小体育施設などに使用される膜材などの従来の塩
ビ基材全てが含まれる。この基材自体本発明の特定の要
件でない。本発明の要点は、係る塩ビ基材の両表面に表
皮層としてフッ素樹脂層a、eを接着剤b、dで接着し
た点にある。
【0010】本発明においては、この表皮フッ素樹脂と
してフッ化ビニリデン系樹脂を用いることが、接合性、
柔軟性の観点から必要である。本発明ではかかるフッ化
ビニリデン系樹脂を、通常はフィルム状に成型した後に
接着剤を用いて塩ビ基材に接着させるか、接着剤を塗布
した塩ビ基材上に溶液状で塗布し付着させる手段により
加工される。
【0011】本発明のフッ化ビニリデン系樹脂の選定に
当たり留意すべき点は、その融点もしくは軟化点(融点
を示さない場合は軟化点て代表する)である。ここで言
う融点は、熱板法によって測定されるものであり、例え
ば日本分析化学会編集の基礎分析化学講座(共立出版株
式会社発行)に示されている。
【0012】本発明の膜材は、表裏共にフッ化ビニリデ
ン系樹脂で被覆されており、両者ともフッ化ビニリデン
の構造単位を重合体中に含有する。この樹脂は表裏共に
同一のものでもよいが、より好ましい態様は、表裏のフ
ッ化ビニリデン系樹脂が融点を異にする物であって、そ
の融点差が5℃以上、より好ましくは10℃以上あるも
のである(本膜材の場合、表裏の区別は任意的である
が、ここでは以下、高融点側を表面として説明する)。
表裏がかかる融点差を有することにより、接合性がより
容易となるためであり、また、一般に低融点の樹脂の方
が柔軟でであることもあり、膜材自体としての柔軟性、
ひいては加工性および施工性が改善されるためである。
本発明ででは低融点のものとして融点が120℃以上か
つ190℃以下の範囲のものが好ましく使用できる。こ
れに合わせて高融点成分を適宜選択できる。低融点温度
が120℃以下のフッ化ビニリデン系樹脂では耐熱クリ
ープ特性が低下し、190℃以上では接合時の塩ビの劣
化やはみだし、接着力の低下、膜材の寸法安定性の悪
化、収縮によるひきつれなどの傾向がある。本発明の好
ましい態様のようにひとつの面により低い融点のフッ化
ビニリデン系樹脂を用いることにより、ウェルダーによ
る加工温度も低くできるため、塩ビ及び塩ビ中の可塑剤
の劣化も抑えられ、接合部の着色や塩ビのはみだしも少
なく、非常に安定しした接合が可能となる。
【0013】さらに、接着強力のバラツキが小さくなり
接合強力が安定することで、大きなシート加工が容易に
なる。特に、塩ビのはみ出しの消失により、屋外放置後
に、塩ビのはみだし部分の凹凸によってできる黒い帯状
の汚れ、更にその凹凸で発生する雨スジ状汚れがなくな
り、屋外放置初期の汚れが非常に改善することができ
る。
【0014】本発明の膜材に用いる表皮の低融点フッ化
ビニリデン系樹脂は、「フッ化ビニリデン」と、「クロ
ロフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフル
オロアルキールビニールエーテルおよびエチレン中1種
類以上の共重合体成分」との共重合体が好ましく使用さ
れる。
【0015】本発明ではかかる低融点フッ素系樹脂の中
から、接着剤の種類や表皮用フッ素樹脂の種類との接着
性、柔軟性などを考慮して選択すればよい。
【0016】また、本発明における表皮用の高融点フッ
化ビニリデン系樹脂は、80wt%以上のフッ化ビニリ
デン単量体成分を含有するものが好ましく使用できる。
この割合が少ないと防汚性と接合性のバランスが崩れる
傾向がある。
【0017】本発明の特徴は、通常背反する特性である
防汚性と接合性とを同時に達成できることである。即
ち、一般に高融点もしくはフッ化ビニリデン単量体含有
率が高い樹脂とすると、防汚性は上がるが、接合性、柔
軟性は低下する。本発明では、この背反する特性を、そ
れぞれ表面と裏面とに分けて機能分担させ、汚れ易い表
面に防汚性機能の高い樹脂を、やや汚れにくい裏面には
防汚性は多少犠牲いしつつも接合性機能の高い樹脂を用
いることにより、見事にこの矛盾を解決したのである。
【0018】本発明ではかかるフッ化ビニリデン樹脂と
塩ビ基材とを接着剤で結合させる必要がある。この接着
剤としては、すでに公知の接着剤が使用可能だが、本発
明で特に好ましい接着剤は、「水酸基、カルボシル基お
よびアミノ基から選ばれる1種以上を有する官能基含有
フッ素系ポリマー成分」と「フッ化ビニリデン系ポリマ
ー成分」および「イソシアネート系成分」とからなるフ
ッ素系接着剤である。
【0019】本発明で言う接着剤の「官能基含有フッ素
系成分」は、「官能基含有アルキルビニルエーテル成
分」と「テトラフルオロエチレン、6フッ化プロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレンおよびエチレンから選
ばれた1種類以上の成分」との共重合体が好ましく使用
される。
【0020】本発明に用いる該官能基含有アルキルビニ
ルエーテル成分は、− CH2−CHX−の化学構造で
示され、官能基を含有する側鎖Xを有する。ここで、X
は、−ORaOH、−ORb−COOH、−ORc−N
H2、−ORdである。また、Ra、Rb、Rcはアル
キレン基、Rdはアルキル基である。この官能基含有ア
ルキルビニルエーテル成分はXとして、この中から1種
類以上の成分を同じ分子鎖内に組み合わせて含有するこ
とができる。また、Xを含有する各種ポリマーとした
後、混合し系に含ませることもできる。
【0021】このアルキルビニルエーテル系の成分は接
着剤の成分としての役目だけでなく、分子構造的にも柔
軟であるため、膜材全体の柔軟性を向上することができ
る。
【0022】本発明で好ましく使用される接着剤成分の
「フッ化ビニリデン系ポリマー」としては、ポリフッ化
ビニリデンもしくは「フッ化ビニリデン」と「トリフル
オロ系エチレン、クロロフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル、エチレンの中から選ばれた
1種類以上の成分」との共重合体が好ましく使用でき
る。接着性の安定化、接着剤全体に柔軟性やタフ性を付
与する観点から特に共重合体が好ましい。
【0023】本発明で好ましく使用できる接着剤成分の
イソシアネートは、該官能基含有フッ素成分と反応し、
安定な接着剤層を形成する。なかでも多官能イソシアネ
ートが好ましく使用される。本発明には、ジフェニルメ
タン−4,4’ジイソシアネート(MDI)、トリレン
ジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(HMDI)やウレトンイミン変性体、アロファネ
ート変性体、ビュレッット変性体、イソシアヌレート変
性体などのイソシアネートが使用できる。
【0024】「イソシアネート系成分」は、ジフェニル
メタン4、4’ジイソシアネート(MDI)、トリレン
ジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(HMDI)やアロファネート変性体、ビュレット
変性体、イソシアヌレート変性体などのイソシアネート
が使用できる。
【0025】好ましく使用される接着剤における「官能
基含有フッ素系ポリマー成分」:「フッ化ビニリデン系
ポリマー成分」:「イソシアネート系成分」の各成分の
配合割合は、各々重量比で10〜70:10〜80:
0.1〜20が好ましく、更には10〜50:30〜8
0:0.5〜10が好ましい。接着剤の接着強度を向上
するためには、官能基含有フッ素系樹脂やイソシアネー
トの成分割合を多くすれば良いが、この割合が多いと逆
に接着剤の柔軟性、タフ性が低下する。特に、イソシア
ネートによる架橋が3次元的な場合は柔軟性が低下し、
2次元的な場合は耐熱性が低下する。従って、各成分の
配合は、かかる知見を参考に、膜材の用途と目的に応じ
適宜選択すればよい。また、この接着剤中の反応を促進
する触媒として、各種アミン化合物、各種Sn化合物、
Pb化合物を用いるとことも可能である。
【0026】なお本発明の該接着剤において、アクリル
成分をフッ素系ポリマー分子鎖中または別途独立成分ポ
リマーとして含有させることも可能であり、用途によっ
て好ましい場合がある。しかし、該接着剤中のアクリル
成分の含有率としては、多すぎると本発明の効果が損な
われるので、40%以下好ましくは30%以下にに押さ
えるのが良い本発明の膜材においては、図3における接
着剤層b、dの接着剤成分は、同じでも良いが、場合に
よっては異なるものを用いることも可能である。これら
は表皮層のフッ化ビニリデン系樹脂の種類に合わせて、
適正なものを選択することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに発明の構成、効
果を詳細に説明する。
【0028】1.引張試験 JIS L1096(一般織物試験法)6.12.1(1)Aスト
リップ法に準じ、引張速度200mm/分、定速伸張形
試験機で測定した。(n数10個)膜材単体、接合部の
ある膜材とも同じ方法で測定した。
【0029】2.剥離試験 (膜材接合部の剥離試験) フッ素系フィルムと膜材の裏面(裏面材料の最表面、接
着剤)との接着強力を評価する。膜材同士を2枚重ね、
その端をウェルダーに40mm幅の金型を装着し接合
し、幅20mm、長さ150mmの試料をサンプリング
し、引張試験で引張速度20mm/分で、図6Cのよう
に剥離試験を行い剥離強力を測定する。この剥離強力を
接合性の目安とした。 3.防黴び試験 40cm×40cmの膜材を型枠に取り付け、これを日
の当たらない藪の中に放置し、黴び付着状況を観察し
た。 4.耐久性試験 膜材を110℃の乾燥機中に2週間放置後、スーパーU
V紫外線照射装置(大日本プラスチック(株)製;SU
V−F1型を)を用い300時間紫外線を照射した。こ
の照射後の膜材の強度を測定し、初期膜材強度に対する
強度保持率を耐久性指標とした。 実施例1 塩ビ粉末(信越化学製)100部、ジオクチルフタレー
ト可塑剤50部、リン酸系難燃剤5部、ステアリン酸系
種熱安定剤、酸化チタン系紫外線吸収剤、炭酸カルシュ
ームを適量配合した軟質塩ビをポリエステル織物の両面
に積層した塩ビ基材(780μm、850g/m2 )を
作製した。
【0030】次に、接着剤の反応成分として、水酸基含
有アルキルビニールエーテルとクロロトリフルオロエチ
レンとの共重合成分(共重合比1:1)(以下H1成分
という)のMEK溶液と接着剤のフッ化ビニリデン系樹
脂として、フッ化ビニリデン86wt%とヘキサフルオ
ロプロピレン14%の共重合体樹脂(H2)のジメチル
ホルムアミド/メチルエチルケトン溶液とヘキサメチレ
ン系のイソシアネート成分(H3)を樹脂成分比23:
75:2(重量比)で混合した組成からなる接着剤溶液
を作製した。
【0031】この接着剤を該塩ビ基材の両面にコート
し、オーブンで乾燥した。この膜材の表面にフッ化ビニ
リデン単量体が98%以上からなり、耐候剤を添加した
厚さ15μmの高融点(171℃)フッ化ビニリデンフ
ッ素フィルムを積層し、加圧プレスしながら温度175
℃でフッ素フィルムを接着した。
【0032】また膜材の裏面側に、更にフッ化ビニリデ
ン92tw%とクロロトリフルオロエチレン8%との低
融点(164℃)フッ化ビニリデン系共重合樹脂をジメ
チルホルムアミドに溶解し、この液を樹脂固形分として
18g/m2 となるようにコートし、オーブンで乾燥し
て、膜材を得た。
【0033】この膜材を端から50mmづつ2枚重ね合
わせ、嶋倉電子(株)製ウェルダーSD−8Aに40m
m幅の金型を取付け、接合加工を行った。
【0034】接合条件は、ゲージ圧力5kg/cm2
出力−5,電流5A、時間は7秒とした。比較例1の裏
に低融点フッ素樹脂がない場合は9秒かかるのに対して
かなりの時間短縮ができた。
【0035】またこの膜材の、接合部の剥離強力は6.
1kg/2cmと高い値を示した。接着強力の変動率
は、裏面の低融点フッ素樹脂層がない比較例1の場合は
12.6%と大きいのに対し、本発明の膜材は7.4%
と極めて安定した。
【0036】また、この膜材の接合部の塩ビのはみ出し
は、非常に小さくなり、膜材としての見栄えが非常に改
善された。この膜材の屋外曝露試験を行った結果、従来
発生し易かった、膜材接合のはみ出し部分での黒い汚れ
や、はみ出しの凹凸で発生する雨天後の雨スジ状の汚れ
も大幅に改善された。
【0037】さらに、防黴び試験結果も枠の部分に緑状
のうっすらとした黴びがついた程度で極めて良好であっ
た。
【0038】耐久性試験における強度保持率は89%で
極めて良好だった。
【0039】実施例2 実施例1と同じ方法で、高融点表皮フッ素フィルムを塩
ビ基材に接着剤で表に積層した膜材を作製した。
【0040】この膜材裏面に、更に「フッ化ビニリデン
87tw%」と「ヘキサフルオロプロピレン13%」と
の低融点(147℃)フッ化ビニリデン系共重合樹脂を
ジメチルアセトアミドに溶解した液を、樹脂固形分で1
8g/m2 となるようにコートし、オーブンで乾燥し
て、本発明の膜材を得た。
【0041】実施例1と同じ条件で接合を行い、接合時
間は5秒であった。実施例1の低融点フッ素樹脂の融点
164℃に比較し、本実施例の樹脂の融点を147℃に
することによって、接合時間をさらに短時間にすること
ができた。
【0042】この膜材の接合部の剥離強力は5.6kg
/2cmと実施例1と同様に高強力で、かつ、変動率が
更に6.2%まで低下し安定した。
【0043】また、この膜材の接合部の塩ビのはみ出し
は改善され、実施例1に比較し、接合部の見栄え、防汚
性、耐雨スジ状汚れがさらに改善された。
【0044】防黴び試験も実質的黴び付着は認められな
かった。耐久性試験の強度保持率は84%で極めて良好
であった。
【0045】実施例3 表皮の高融点フッ化ビニリデン系フッ素フィルムとし
て、フッ化ビニリデン92tw%とクロロトリフルオロ
エチレン8%との共重合樹脂(融点164℃)を使用
し、その他は実施例2と同じ方法で膜材を作製した(裏
面の低融点フッ素樹脂も実施例2と同じフッ素樹脂(融
点:147℃)を使用した)。
【0046】実施例1と同じ条件で接合を行い、接合時
間は5秒であった。
【0047】この膜材の、接合部の剥離強力は5.9k
g/2cmであったが、変動率が更に4.3%まで低下
し安定した接着状態を示した。
【0048】この膜材の接合部の塩ビのはみ出しは改善
され、接合部の見栄え、防汚性、耐雨スジ状汚れが改善
された。
【0049】防黴び性も良好で、耐久試験の強度保持率
は83%であった。
【0050】比較例1 実施例1と同じ方法で、高融点表皮フッ素フィルムを塩
ビ基材に接着剤で積層した膜材を作製した。しかし、実
施例と異なり、膜材裏面には低融点フッ素樹脂は積層し
なかった。
【0051】実施例1と同様の接合加工を行った結果、
加工時間は9秒とかなり厳しい条件で接合できたが、接
合部の塩ビのはみ出しはかなり大きく、膜材としての見
栄え悪くなった。
【0052】この膜材の接合部の剥離強力は4.8kg
/2cmであったが、接着強力の変動率は、12.6%
と大きかった。
【0053】また、膜材の屋外曝露テスト結果、2ケ月
で接合部のはみ出し部分が黒く汚れたり、接合部はみ出
しの下方膜材表面に雨スジ状汚れが発生し、初期防汚性
が低下し、見栄えが悪くなった。防黴び試験結果、裏面
の一部に緑暗職の黴びの発生が見られた。耐久性試験に
おける強度保持率は73%で膜材の硬化が認められた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成の膜
材とすることにより、従来には無い、良好な接合性、防
汚性、防黴び性、耐久性を合わせ持つ優れた膜材が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来塩ビ基材の構成例を示す断面図
【図2】膜材同士の接合方法のを示す断面図
【図3】本発明膜材の構成を示す断面図
【図4】裏面のフッ素樹脂層がない場合に接合した状態
を示す断面図
【図5】ウェルダー装置の概念図
【図6】ウェルダーで接合加工した試料の剥離テスト用
の試料サンプリングを示す図
【図7】膜材接合部の剥離試験を示す概念図
【図8】高剥離強力で基布面で剥離した場合を示す概念
【符号の説明】
1:繊維基布層 2:軟質塩ビ樹脂層 3:膜材1 4:膜材2 5:金型 6:膜材の接合部 7:アース 8:高周波発生器 a:表皮フッ素系樹脂層:高融点側 b:接着剤層 c:塩ビ基材層 d:接着剤層 e:表皮フッ素系樹脂層:低融点側 f:ウェルダー接合部 g:測定用試料 h:膜材の接合部 i1:剥離部分;塩ビ表面 i2:剥離部分;基布表面 m1,m2:膜材1、膜材2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質塩化ビニル系樹脂層と繊維基布とを含
    む塩化ビニル系膜材の両面が、接着剤を介して塩ビ基材
    の両面がフッ化ビニリデン系樹脂により被覆されたこと
    を特徴とする膜材。
  2. 【請求項2】一方の表面のフッ化ビニリデン系樹脂の融
    点と他方の表面の融点との差が5℃以上あることを特徴
    とする請求項1の膜材。
  3. 【請求項3】低融点のフッ化ビニリデン系樹脂が、フッ
    化ビニリデンと、クロロトリフルオロエチレン、トリフ
    ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフル
    オロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル
    およびエチレンの中から選ばれた1種類以上との共重合
    体成分であることを特徴とする請求項1または2の膜
    材。
  4. 【請求項4】高融点のフッ化ビニリデン系樹脂が80w
    t%以上のフッ化ビニリデン構造単位を含有することを
    特徴とする請求項1〜3いずれかの膜材。
  5. 【請求項5】接着剤が、水酸基、カルボシル基およびア
    ミノ基から選ばれる1種以上有する官能基含有フッ素系
    ポリマー成分とフッ化ビニリデン系ポリマー成分ならび
    にイソシアネート系成分とからなるフッ素系接着剤を含
    有することを特徴とする請求項1〜4いずれかの膜材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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