JPH08128576A - 吸気ホースの締結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸気ホースと相手パイプとをワンタッチ操作
でしかも常に一定の締結力で確実に締結できるようにす
るとともに、軽量化及び低コスト化を図る。 【構成】 締結構造は、ゴム又はゴム状弾性体により筒
状に形成された吸気ホース１と、その端部４の内周に挿
入される相手パイプ２と、端部４を外周から締め付けて
相手パイプ２に締結するクランプ３とで構成される。ク
ランプ３は、内径が被圧凸部６の包絡線径より大きいリ
ング部１０と、該リング部１０の内周に円周方向に相互
間隔をおいて設けられ、包絡線径が被圧凸部６の包絡線
径より小さい複数の押圧凸部１１とを備え、これらは樹
脂で一体成形されている。押圧凸部１１は円弧状に張り
出した板バネ片となっている。このクランプ３を端部４
の外周において回転させることにより、各々の押圧凸部
１１を被圧凸部６に合致させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用の吸気ホー
スを他部材の相手パイプに締結するための構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図７に示すように、自動車の内燃機関に
用いる一般的な吸気ホース５１はゴム又はゴム状弾性体
により筒状又は蛇腹筒状に形成され、特に端部は一定肉
厚の筒状に形成されている。この吸気ホース５１の端部
の内周には、他部材から延びる相手パイプ５２が挿入さ
れ、周知のワイヤクランプ５３又はバンドクランプ（図
示略）により、吸気ホース５１の端部を外周から締め付
けて相手パイプ５２に締結するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ワイヤ
クランプ５３やバンドクランプでは、まず、締付ネジ５
４を緩めてリング部５５の内径を拡げ、このリング部５
５を吸気ホース５１の端部の外周に遊嵌してから、締付
ネジ５４を締め直してリング部５５の内径を縮める、と
いうネジ回し操作が必要であったため、締結作業に時間
がかかるとともに、締付ネジ５４を締める力のばらつき
により締結力が不十分になるおそれがあった。また、ワ
イヤクランプ５３やバンドクランプは金属製で重量が大
きく、数点の部品で構成され価格も高いため、軽量化及
び低コスト化が求められていた。

【０００４】本発明の目的は、上記課題を解決し、吸気
ホースと相手パイプとをワンタッチ操作でしかも常に一
定の締結力で確実に締結することができ、また、軽量化
及び低コスト化を図ることもできる新規な吸気ホースの
締結構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ゴム又はゴム状弾性体により形成され
た吸気ホースと、吸気ホースの端部の内周に挿入される
相手パイプと、吸気ホースの端部を外周から締め付けて
相手パイプに締結するクランプとを備えた吸気ホースの
締結構造において、吸気ホースの端部の外周面には複数
の被圧凸部が円周方向に相互間隔をおいて設けられ、ク
ランプは、内径が被圧凸部の包絡線径より大きいリング
部と、リング部の内周に円周方向に相互間隔をおいて設
けられ包絡線径が被圧凸部の包絡線径より小さい複数の
押圧凸部とを備え、該クランプを吸気ホースの端部の外
周において回転させることにより、押圧凸部を被圧凸部
に合致させるように構成したことを特徴としている。被
圧凸部の「包絡線径」とは複数の被圧凸部の全てに接す
る包絡線の直径をいい、押圧凸部の「包絡線径」とは複
数の押圧凸部の全てに接する包絡線の直径をいう。

【０００６】ここで、押圧凸部は単なる突起でもよい
が、リング部に両端が支持されてリング部の内周側へ張
り出した板バネ片とすることが好ましい。また、吸気ホ
ースの端部の外周面及びクランプの内周面には、押圧凸
部が被圧凸部に合致したときにクランプの回転を係止す
る係止手段（例えば、係合する凹部と凸部、係合する爪
どうし等）を設けることが好ましい。また、クランプは
樹脂で一体形成されたものが好ましい。

【０００７】

【作用】本発明の締結構造によって吸気ホースを他部材
の相手パイプに締結するには、まず、複数の被圧凸部の
相互間にクランプの複数の押圧凸部が位置するようにし
て、吸気ホースの端部の外周にクランプを遊嵌する。続
いて、吸気ホースの端部の内周に相手パイプを挿入した
後、クランプを吸気ホースの端部の外周において回転さ
せることにより、押圧凸部を被圧凸部に合致させればよ
い。押圧凸部は、包絡線径が被圧凸部の包絡線径より小
さいので、該被圧凸部を外周から押圧して吸気ホースの
端部を相手パイプに締結する。このようなクランプの回
転はワンタッチ操作で行うことができ、しかも押圧凸部
による締結力は前記径差の設定によって決まるので、誰
が作業しても常に一定の締結力で確実に締結することが
できる。また、クランプは構造が簡単なので、軽量化及
び低コスト化を図ることもできる。

【０００８】上記作用に加え、押圧凸部をリング部に両
端が支持されてリング部の内周側へ張り出した板バネ片
とした場合には、前記のように押圧凸部を被圧凸部に合
致させる際に、各板バネ片が弾性的に撓むのでスムーズ
に合致させやすい。

【０００９】また、吸気ホースの端部の外周面及びクラ
ンプの内周面に、押圧凸部が被圧凸部に合致したときに
クランプの回転を係止する係止手段を設けた場合には、
その係止がクランプの前記回転の行過ぎ及び戻りを防止
する。

【００１０】また、クランプを樹脂で一体形成した場合
には、軽量化及び低コスト化を最大限に図ることができ
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を具体化した実施例に係る吸気
ホースの締結構造について、図１〜図６を参照して説明
する。本締結構造は、ゴム又はゴム状弾性体により筒状
に形成された吸気ホース１と、吸気ホース１の端部の内
周に挿入される相手パイプ２と、吸気ホース１の端部を
外周から締め付けて相手パイプ２に締結するクランプ３
とで構成される。

【００１２】吸気ホース１の両方の端部４の外周面には
複数（図示例では１２個）の部分円柱面状の被圧凸部６
が円周方向に相互間隔をおいて一体形成され、端部４以
外の途中部５は単なる筒状に形成されている。さらに、
１８０度離れた二つの被圧凸部６の頂部には、クランプ
係止手段の一方としての断面三角溝状の係止凹部７が形
成されている。端部４の外周面の両縁部には該端部４の
外周に嵌合したクランプ３の抜け落ちを防止する抜止フ
ランジ１３が一体形成されている。また、端部４の内周
面の中央部には相手パイプ２の外周面に密着するシール
突条８が形成され、端部４の内周面の奥部には相手パイ
プ２の端面を係止する係止段部９が形成されている。

【００１３】相手パイプ２は、他部材であるエアクリー
ナ、レゾネータ、スロットルボディ等から延びるもの
で、硬質の樹脂、金属等で形成されている。

【００１４】クランプ３は、内径が被圧凸部６の包絡線
径より０．５〜４．０ｍｍ程度大きいリング部１０と、
該リング部１０の内周に円周方向に相互間隔をおいて設
けられ、包絡線径が被圧凸部６の包絡線径より１．０〜
３．０ｍｍ程度小さい複数（図示例では１０個）の押圧
凸部１１と、該リング部１０の内周に１８０度離れて設
けられたクランプ係止手段の他方としての二つの断面三
角状の係止凸部１２とを備え、これら各部はポリアセタ
ール樹脂で一体成形されている。

【００１５】各々の押圧凸部１１は、リング部１０に両
端が支持されてリング部１０の内周側へ円弧状に張り出
した板バネ片となっている。そして、クランプ３を吸気
ホース１の端部４の外周において回転させることによ
り、各々の押圧凸部１１を被圧凸部６に合致させるよう
になっている。また、この合致時に、係止凸部１２は被
圧凸部６の係止凹部７に係合してクランプ３の回転を係
止するとともに、その被圧凸部６を押圧する作用があ
る。

【００１６】以上のように構成された締結構造によっ
て、吸気ホース１を相手パイプ２に締結するには、ま
ず、図１の右側及び図５に示すように、複数の被圧凸部
６の相互間にクランプ３の複数の押圧凸部１１が位置す
るようにして、吸気ホース１の端部４の外周にクランプ
３を遊嵌する。続いて、端部４の内周に相手パイプ２を
挿入した後、図１の左側及び図６に示すように、クラン
プ３を端部４の外周において約１５度回転させることに
より、押圧凸部１１を被圧凸部６に合致させればよい。
押圧凸部１１は、包絡線径が被圧凸部６の包絡線径より
小さいので、該被圧凸部６を外周から押圧して端部４を
相手パイプ２に締結する。このようなクランプ３の回転
はワンタッチ操作で行うことができ、しかも押圧凸部１
１による締結力は前記径差の設定によって決まるので、
誰が作業しても常に一定の締結力で確実に締結すること
ができる。また、クランプ３は構造が簡単なので、軽量
化及び低コスト化を図ることもできる。

【００１７】さらに、本実施例では、押圧凸部１１を前
記板バネ片としたので、前記のように押圧凸部１１を被
圧凸部６に合致させる際に、板バネ片が弾性的に撓みや
すく、従ってスムーズに合致させやすい。

【００１８】また、押圧凸部１１が被圧凸部６に合致し
たときにクランプ３の回転を係止する係止手段としての
係止凹部７及び係止凸部１２を設けたので、その係止に
よってクランプ３の前記回転の行過ぎ及び戻りを防止す
ることができる。

【００１９】また、クランプ３を樹脂で一体形成したの
で、軽量化及び低コスト化を最大限に図ることができ
る。

【００２０】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない
範囲で適宜変更して具体化することもできる。 （１）クランプを金属で形成すること。 （２）被圧凸部及び押圧凸部の数や形状を変更するこ
と。 （３）係止凹部及び係止凸部の数や形状を変更するこ
と。

【００２１】

【発明の効果】本発明の吸気ホースの締結構造は、上記
の通り構成されているので、次のような優れた効果を奏
する。まず、請求項１の発明によれば、吸気ホースと相
手パイプとをワンタッチ操作でしかも常に一定の締結力
で確実に締結することができ、また、軽量化及び低コス
ト化を図ることもできる。

【００２２】上記効果に加え、請求項２の発明によれ
ば、締結作業をスムーズに行うことができる。

【００２３】また、請求項３の発明によれば、クランプ
による締結の緩みを防止することができる。

【００２４】また、請求項４の発明によれば、軽量化及
び低コスト化を最大限に図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る吸気ホースの締結構造の
正面図である。

【図２】同締結構造の要部断面図である。

【図３】同締結構造の要部斜視図である。

【図４】同締結構造に用いるクランプの側面図である。

【図５】クランプの遊嵌状態を示す図１のＶ−Ｖ線断面
図である。

【図６】クランプによる締結状態を示す図１のＶＩ−Ｖ
Ｉ線断面図である。

【図７】従来の吸気ホースの締結構造の断面図である。

【符号の説明】

１ 吸気ホース ２ 相手パイプ ３ クランプ ４ 端部 ５ 途中部 ６ 被圧凸部 ７ 係止凹部 １０ リング部 １１ 押圧凸部 １２ 係止凸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 秀俊 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 森 浩之 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム又はゴム状弾性体により形成された
   吸気ホースと、前記吸気ホースの端部の内周に挿入され
   る相手パイプと、前記吸気ホースの端部を外周から締め
   付けて前記相手パイプに締結するクランプとを備えた吸
   気ホースの締結構造において、 前記吸気ホースの端部の外周面には複数の被圧凸部が円
   周方向に相互間隔をおいて設けられ、 前記クランプは、内径が前記被圧凸部の包絡線径より大
   きいリング部と、該リング部の内周に円周方向に相互間
   隔をおいて設けられ包絡線径が前記被圧凸部の包絡線径
   より小さい複数の押圧凸部とを備え、該クランプを吸気
   ホースの端部の外周において回転させることにより、前
   記押圧凸部を前記被圧凸部に合致させるように構成した
   ことを特徴とする吸気ホースの締結構造。
2. 【請求項２】 前記押圧凸部は前記リング部に両端が支
   持されて該リング部の内周側へ張り出した板バネ片であ
   る請求項１記載の吸気ホースの締結構造。
3. 【請求項３】 前記吸気ホースの端部の外周面及び前記
   クランプの内周面には、前記押圧凸部が前記被圧凸部に
   合致したときに前記クランプの回転を係止する係止手段
   が設けられた請求項１又は２記載の吸気ホースの締結構
   造。
4. 【請求項４】 前記クランプは樹脂で一体形成されたも
   のである請求項１、２又は３記載の吸気ホースの締結構
   造。