JPH08127917A - 静電植毛用ポリエステル繊維及びこの繊維を用いた静電植毛加工品 - Google Patents

静電植毛用ポリエステル繊維及びこの繊維を用いた静電植毛加工品

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JPH08127917A
JPH08127917A JP26936894A JP26936894A JPH08127917A JP H08127917 A JPH08127917 A JP H08127917A JP 26936894 A JP26936894 A JP 26936894A JP 26936894 A JP26936894 A JP 26936894A JP H08127917 A JPH08127917 A JP H08127917A
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JP
Japan
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fiber
polyester
dicarboxylic acid
electrostatic flocking
shape
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JP26936894A
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Hiroshi Namikawa
博 並川
Ichiro Sakabe
一郎 酒部
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン
酸成分のモル比が70/30〜95/5であるジカルボ
ン酸成分と1種以上の脂肪族ジオール成分からなるポリ
エステルであって、ガラス転移温度が10〜60℃であ
る形状記憶性ポリエステルからなり、繊度が10デニー
ル以下で、繊維長が30mm以下であるポリエステル短繊
維及びこの短繊維を静電植毛した加工品。 【効果】 従来の設備で容易に製造することができ、こ
の短繊維を用いた静電植毛品は、使用・着用により生じ
た毛倒れを簡単な熱処理により容易に元の立毛状態に回
復させることができ、いつまでも初期の立毛感を保って
使用・着用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電気植毛に用いられ
る繊維及びその静電植毛加工品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フロック加工品とも称される静電植毛製
品は、フロック(植毛用繊維)と基材とを接着する為の
バインダーの改質による植毛強さの向上とビロード調等
高級感のある表面品位と相まって衣料製品をはじめ履
物、袋物、建装インテリア、玩具等の幅広い分野に利用
されており、昨今では自動車用内装材や部品への応用も
定着し、ますますその用途は拡大している。静電気植毛
用繊維としは、レーヨン等の再生繊維やナイロン等の合
成繊維をカットしたものが、易染性、接着性やソフト風
合等の観点から主として用いられているが、耐候性の良
さや安価なことからポリエステル繊維も用途に応じて徐
々に用いられつつある。しかしながら、ポリエステル繊
維を静電気植毛用繊維として用いた静電植毛製品は、一
般に製造直後は優れた立毛性を有しているが、使用・着
用中に立毛部分に長時間連続的なあるいは繰り返しによ
る加圧を受けた場合に、植毛のへたりによっていわゆる
毛倒れが発生し、表面品位を損ね、審美性や高級感を失
してしまうとともに一度毛倒れした植毛を元に復帰させ
ることは非常に困難であり、家庭洗濯等を含め取扱いに
制約を設けざるを得なかった。
【0003】特開平5−59610号公報や特開平5−
86506号公報に記載されているごとく、植毛用繊維
の長さや形状を配慮することによって植毛の直立性や密
度を向上させ、毛倒れを起こりにくくする提案はある
が、一度倒れた植毛を元の立毛状態に復元するには至っ
ていないのが現状である。
【0004】一方、形状記憶性能を有する樹脂材料とし
ては、トランスイソプレン系樹脂(特開昭55−938
06号公報)、ポリノルボルネン系樹脂(特開昭59−
53628号公報)及びその繊維(特開平1−2728
22号公報)、ビニル系樹脂とアクリル酸系樹脂または
合成ゴムとの混合物からなるもの(特開昭63−179
52号公報)、及びボリウレタン系の形状記憶ポリマー
(特開平2−169713号公報)等が知られている。
【0005】しかし、これらの樹脂材料は、形状記憶能
を発現させるためには、著しく高重合度にする必要があ
り、その結果、曳糸性や繊維形成性が悪く、植毛用繊維
としての繊度や強度を維持して製造することは、ほとん
ど不可能であって、例えば、ポリノルボルネン系のポリ
マーにて形状記憶能を発現させるには重合度300万以
上にする必要があり、溶融紡糸は困難で単糸繊度が10
デニール以下の繊維を得ることは不可能である。
【0006】また、ポリエステル系の形状記憶性能を有
する樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレー
トと脂肪族ポリラクトンとのブロック共重合体からなる
樹脂(特開平2−123129号公報)、結晶融解エン
トロピーが3cal/g 以下となるように第3成分を共重合
したポリエチレンテレフタレートからなる樹脂(特開平
3−269735号公報)、ポリブチレンテレフタレー
トとポリエチレングリコールとのブロック共重合体から
なる樹脂(特開平2ー240135号公報)等が提案さ
れている。しかしながら、これらの樹脂はいずれも融点
が低くて植毛用繊維として使用しようとする場合、着色
時の染色工程で繊維が硬化してしまい求める風合が得ら
れず、また、耐光性が劣る等繊維製品としての致命的な
欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑みてなされたものであり、風合に優れ、使用・着用
中に生じた毛倒れを元の立毛状態に容易に回復させるこ
とができる静電植毛用ポリエステル繊維及びその静電植
毛加工品を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記の目的
を達成するものであり、次の構成よりなるものである。
すなわち、本発明は、2種以上のジカルボン酸成分から
なり、かつ芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン
酸成分のモル比が70/30〜95/5であるジカルボ
ン酸成分と1種以上の脂肪族ジオール成分とを主成分と
し、ガラス転移温度が10〜60℃である形状記憶性ポ
リエステルからなり、繊度が10デニール以下で、繊維
長が30mm以下であることを特徴とする静電気植毛用ポ
リエステル繊維及びこの繊維が静電植毛されてなること
を特徴とする静電植毛加工品を要旨とするものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いう「形状記憶性」とは、任意の形状(形状A)に成形
して、その形状を熱処理により記憶させ、次いで、形状
Aとは異なる形状(形状B)に外力により変形させたも
のを、ガラス転移温度より高く、形状を記憶せしめた温
度よりも低い温度で, 無緊張下で加熱することにより元
の形状Aに回復するという機能を有していることを意味
する。
【0010】本発明で用いる形状記憶性ポリエステル
は、2種以上のジカルボン酸成分からなり、かつ芳香族
ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分のモル比が
70/30〜95/5であるジカルボン酸成分と1種以
上の脂肪族ジオール成分とを主たる構成成分とする。
【0011】上記形状記憶性ポリエステルは、形状を記
憶するに際して固定部となる結晶相と形状の変形や回復
に際して可動部となる非晶相を適度に形成することが必
要であり、このポリエステルを得る方法としては、芳香
族ポリエステルセグメント(結晶相)と脂肪族ポリエス
テルセグメント(非晶相)を適度な割合で共重合する方
法が挙げられ、本発明では、2種以上のジカルボン酸成
分を使用し、かつ芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカ
ルボン酸成分のモル比が70/30〜95/5の範囲で
あることが必要である。芳香族ジカルボン酸成分の割合
が70モル%に満たないと、繊維としての十分な強度が
得られず、使用上問題がある。また、芳香族ジカルボン
酸成分の割合が95モル%を超えると、形状の変形およ
び回復のために必要な可動部となる非晶相が少なく、十
分な形状回復性が発揮されない。
【0012】芳香族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェ
ニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等
が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、ヘキサデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられ
る。
【0013】一方、脂肪族ジオール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-プ
ロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサ
ンジオール、1,9-ノナンジオール等が挙げられる。
【0014】また、分子間架橋が可能な構造を有する不
飽和ジカルボン酸、不飽和ジオールあるいは3官能以上
のモノマー成分を共重合してもよい。
【0015】本発明における形状記憶性ポリエステルの
ガラス転移温度は、10〜60℃、好ましくは20〜6
0℃、最適には40〜60℃の範囲のものである。ガラ
ス転移温度が10℃未満のものでは、室温でエラストマ
ー状となり、本発明の目的とする織編物として使用でき
ない。一方、ガラス転移温度が60℃を超えると、形状
を固定及び回復させる際の温度を高くすることが必要に
なり、実用上好ましくない。
【0016】また、形状記憶性ポリエステルの融点は、
150℃以上であることが好ましい。融点が150℃未
満では、熱セットや高温染色がしにくくなり、実用的で
ない。
【0017】上記ポリエステルの極限粘度は、0.3以
上であるのが好ましく、さらに好ましくは0.4〜2.
0、最適には0.5〜1.0の範囲であるのが好まし
い。極限粘度が0.3未満のものでは、繊維として必要
とされている機械的強度が満足されず、極限粘度が2.
0を超えると、溶融時の流動性が低下して加工性が悪く
なり、好ましくない。
【0018】本発明における形状記憶性ポリエステルを
構成する成分およびその共重合割合は広範囲に選択でき
るが、経済性、汎用性、物性等の点で、ジカルボン酸成
分としてテレフタル酸とドデカン二酸とをモル比70/
30〜95/5の割合で用い、ジオール成分としてエチ
レングリコールを用いたポリエステルが最も好ましい。
【0019】なお、形状記憶性を損なわない範囲であれ
ば、上記ポリエステルに安定剤、蛍光剤、顔料等の添加
剤を含有してもよい。
【0020】本発明の静電植毛用ポリエステル繊維の繊
度は、10デニール以下であることが必要である。繊度
が10デニールを超えると、風合が硬化し、チョークマ
ークが生じやすくなるからであり、高級感やソフト風合
を得るには、0.5〜3デニールであることが好まし
い。
【0021】また、その繊維長は、30mm以下であるこ
とが必要であり7mm以下であるのが好ましい。繊維長が
30mmを超える長さであると, 静電植毛時の立毛状態に
不揃いが生じ易くなり, 表面の品位を悪くしたり, 毛倒
れし易くなるからである。
【0022】次に, 本発明の静電植毛用ポリエステル繊
維の製造方法の一例を具体的に説明する。
【0023】テレフタル酸とエチレングリコールのエス
テル化反応により得られたビス(β−ヒドロキシエチル
テレフタレート)及びそのオリゴマーにドデカン二酸及
びエチレングリコールを加え、200〜260℃の温度
で0.5〜5時間、1トール以下の減圧下で重縮合反応
を行なわせ、所望の極限粘度になるまで重縮合した後、
窒素ガスで常圧に戻し、加圧してポリマーをテグス状に
払い出し、冷却後切断してチップ状のコポリエステルを
得る。重縮合反応は、通常、触媒の存在下で行われ重縮
合反応触媒としては、一般にポリエステルの製造に用い
らてれるアンチモン、ゲルマニウム、錫、チタン、コバ
ルト等の金属化合物やフルホサルチル酸、O−スルホ安
息香酸無水物の有機スルホン酸化合物が用いられる。な
お、エステル化工程で予め重縮合反応触媒を添加するこ
ともできる。
【0024】製糸条件は概ね従来のポリエステルの条件
を踏襲できる。すなわち、紡糸は汎用の溶融紡糸装置を
用いればよく、紡糸に際して安定剤、蛍光剤、顔料、強
化剤等を添加してもよい。繊維の断面形状は丸断面、偏
平、異形、中空等いずれであってもよい。紡糸後必要に
応じて延伸・熱処理を施し、数千〜数百万デニールのト
ウを得て、用途に応じて必要な繊維長(0.3〜30m
m) に切断して, 本発明の静電植毛用ポリエステル繊維
が得られる。
【0025】上記の静電植毛用ポリエステル繊維を用い
た本発明の静電植毛加工品は概ね従来の技術を踏襲して
得ることができる。すなわち, 本発明の静電植毛用ポリ
エステル繊維を精練染色し, 静電処理剤を施し乾燥した
後, 接着剤を塗布した織編物や不織布あるいはフィルム
等の基材に, 高電圧の静電気を利用して植毛加工を行う
ことにより得ることができる。
【0026】本発明の静電植毛加工品には, 植毛の立毛
状態を形態記憶させるため熱処理を行う。この際の熱処
理温度は、形状を記憶せしめるための固定点を生じさせ
る必要があり、上記ポリエステル中の結晶部の絡み合い
を引き起こすのに十分な温度である必要があるため、使
用するポリエステル繊維のガラス転移温度より高く、融
点より低い温度である必要がある。
【0027】この植毛製品を使用・着用することにより
毛倒れを生じると, 元の立毛状態に回復させるために熱
処理を行う。この熱処理の温度としては、上記ポリエス
テル中の非晶相を軟化あるいは流動化するのに十分な温
度が必要であり、使用するポリエステルのガラス転移温
度よりも高く、形状を記憶せしめた温度よりも低い温度
である必要がある。熱処理温度がポリエステルのガラス
転移温度より低い場合は、ポリエステル中の非晶相の軟
化あるいは流動化が起こらないため、記憶された形状の
発現がなされず、また、形状を記憶せしめた温度よりも
高い温度で熱処理すると、ポリエステル中の非晶相が軟
化あるいは流動化するだけでなく、形状を記憶した固定
点も消失されてしまうため、記憶された形状の回復は不
可能になる。本発明は、以上の構成よりなるものであ
る。
【0028】
【作用】本発明の2種以上のジカルボン酸成分からな
り、かつ芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸
成分のモル比が70/30〜95/5であるジカルボン
酸成分と1種以上の脂肪族ジオール成分とを主成分と
し、ガラス転移温度が10〜60℃であるポリエステル
からなる繊維を静電植毛用として用いて静電植毛加工し
た後, 立毛状態を固定記憶させておけば, 使用・着用中
に毛倒れしてもそのガラス転移点温度以上の温度で熱処
理することにより元の立毛状態に回復させることがで
き, いつまでも優れた表面品位を維持することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、実施例における特性値および形状記憶性
の測定、評価は、次の方法で行った。
【0030】(1)ガラス転移温度及び融点 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7
型)を用いて、昇温速度20℃/min で測定した。
【0031】(2)繊度 JIS L−1015 7、5、1Aの方法で測定し
た。
【0032】(3)強力及び伸度 JIS L−1015 7、7の方法で測定した。
【0033】(4)風合 官能評価により8段階で判定し、立毛部の柔らかいもの
を8級とし、硬いものを1級として評価した。
【0034】(5)立毛感 加工上がりの初期状態と、次の荷重・熱処理を30回繰
り返し、30回目の荷重除去後と熱処理後の立毛状態
を、官能評価により8段階で判定し、立毛感の良好なも
のを8級とし、立毛感の悪いものを1級として評価し
た。10cm四方の試料に300g/cm2 の荷重をかけ1
0時間放置し、荷重を除去後無緊張下で80℃5分間の
熱処理を行うことを30回繰り返した。
【0035】実施例1 テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応に
より得られたビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ートおよび/またはそのオリゴマー45.0kgに、ド
デカン二酸5.8kg (全ジカルボン酸成分に対して
10モル%)、エチレングリコール6.3kg、触媒とし
てテトラブチルチタネート26gを加え、250℃窒素
ガス制圧下3.6kg/cm2 で2時間エステル化反応した
後、280℃に昇温し、0.4トルで4時間重縮合反応
を行い、ガラス転移点が47℃、融点238℃、極限粘
度0.61の形状記憶性ポリエステル(FM−PET)
を得た。
【0036】得られたポリエステルを減圧乾燥後、通常
の溶融紡糸機を用い、紡糸・延伸後切断し、単繊維繊度
1.5デニール、繊維長2mm、強度5.0g/デニー
ル、伸度45%、乾熱収縮率5%の本発明の静電植毛用
ポリエステル短繊維を得た。
【0037】得られた静電植毛用ポリエステル短繊維を
常法により分散染料で染色した後、珪酸ナトリウム、界
面活性剤、コロイダルシリカよりなる処理液で処理し、
アクリル系接着剤を塗布したポリエステル65%、レー
ヨン35%の混紡糸よりなる平織物(目付125g/
m2)を基布として、アップ法電植マシン(電圧3万V、
電極間距離10cm) で植毛し, 乾燥後, 170℃、10
分間形状記憶のための熱処理を行い、立毛状態を記憶さ
せた本発明の静電植毛加工品を得た。
【0038】実施例2 実施例1における単繊維繊度1.5デニールを9デニー
ルに、繊維長2mmを29mmに替えること以外は, 実施例
1と同様にして本発明の静電植毛用ポリエステル短繊維
を得ると共に、実施例1と同様にして本発明の静電植毛
加工品を得た。
【0039】比較例1 実施例1における繊維長2mmを32mmに替えること以外
は, 実施例1と同様にして比較例の静電植毛用ポリエス
テル短繊維を得ると共に、実施例1と同様にして静電植
毛加工品を得た。
【0040】比較例2 実施例1における単繊維繊度1.5デニールを12デニ
ールに替えること以外は, 実施例1と同様にして比較例
の静電植毛用ポリエステル短繊維を得ると共に、実施例
1と同様にして静電植毛加工品を得た。
【0041】比較例3 ポリエチレンテレフタレート(PET)よりなり単繊維
繊度1.5デニール、繊維長2mm、強度5.1g/デニ
ール、伸度51%、乾熱収縮率5%の短繊維を用いて実
施例1と同様にして静電植毛加工品を得た。
【0042】比較例4 ナイロン6よりなり単繊維繊度1.5デニール、繊維長
2mm、強度4.6g/デニール、伸度41%、乾熱収縮
率6%の短繊維を用いて、常法により酸性染料で染色
後、実施例1と同様にして静電植毛加工品を得た。
【0043】得られた実施例1〜2及び比較例1〜4の
静電植毛加工品の風合及び立毛感の評価結果を表1に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】表1より明らかなごとく、実施例1〜2の
本発明の静電植毛加工品は、優れた風合と立毛感を有す
ると共に毛倒れ回復性も良好なものであった。これに対
し比較例1の繊維長の長い短繊維を用いた静電植毛加工
品は、初期の立毛感が悪く表面品位の劣るものであり、
比較例2の単繊維繊度の大きい短繊維を用いた静電植毛
加工品は、風合が硬く、繰り返し荷重後の立毛感も芳し
いものではなく、比較例3及び4の形状記憶能を有して
いないポリマーからなる短繊維を用いた静電植毛加工品
は、初期は優れた品位を示していたが、繰り返し荷重後
には毛倒れし、熱処理によっても回復しないものであっ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明の形状記憶能を有する静電植毛用
ポリエステル短繊維は、従来の設備で容易に製造するこ
とができ、この短繊維を用いた本発明の静電植毛製品
は、使用・着用により生じた毛倒れを簡単な熱処理によ
り容易に元の立毛状態に回復させることができ、いつま
でも初期の立毛感を保って使用・着用することができ
る。
【0047】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上のジカルボン酸成分からなり、
    かつ芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分
    のモル比が70/30〜95/5であるジカルボン酸成
    分と1種以上の脂肪族ジオール成分とを主成分とし、ガ
    ラス転移温度が10〜60℃である形状記憶性ポリエス
    テルからなり、繊度が10デニール以下で、繊維長が3
    0mm以下であることを特徴とする静電植毛用ポリエステ
    ル繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維が静電植毛されてな
    ることを特徴とする静電植毛加工品。
JP26936894A 1994-11-02 1994-11-02 静電植毛用ポリエステル繊維及びこの繊維を用いた静電植毛加工品 Pending JPH08127917A (ja)

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