JP2770510B2 - 成形用ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

成形用ポリエステル繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形用織編物に使用するポリエステル繊維及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、従来弾性糸
しか使用できなかった深絞り用途での成形が可能な優れ
た成形性を有し、しかも高次加工工程で受ける熱に対し
て良好な寸法安定性を有する成形用ポリエステル繊維、
およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来からポリエステル繊維は衣料用のみならず、産業
資材、建装用などに幅広く用いられている。特に近年で
は自動車や建物のインテリア用の表面材として広く用い
られている。このようなインテリア品には、凹凸を有し
た複雑な形の製品が多いため、この表面材として利用さ
れる織編物も、そのインテリア品の形状に沿って容易に
所望の形に成形加工できることが必要になる。従来、こ
のような用途には、比較的容易に、かつ高倍率に変形す
る未延伸糸や半延伸糸(いわゆるPOY)を用いた織編物
が使用されていた。
例えば、特開昭51−47733号公報には未延伸糸又は半
延伸状態のマルチフィラメント糸を基布に使用し、これ
を自動車用カーペットに成形することが開示されてい
る。また特開昭52−15698号公報には、複屈折率が0.02
〜0.08のポリエステル未延伸糸により構成された織編物
を所望の形に熱成形することが開示されている。さらに
は、特開昭55−80537号公報には、複屈折率0.02〜0.08
の高配向未延伸糸をグランド部に配し、該繊維より高軟
化点を有する繊維をパイル部に配した成形用繊維シート
とすることが開示されている。これらの技術はいずれも
通常の半延伸糸(いわゆるPOY)を使用し、このPOYの高
伸度特性を利用することにより成形加工用の用途に適応
させたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上述のような通常の未延伸糸又は未延伸糸
(POY)を使用する場合には、以下のような問題点があ
る。
1.通常の未延伸糸をグランド部にそのまま用いると、高
次工程で受ける熱により大きく熱収縮したり、高次工程
で受ける張力により伸びてしまうため、品位の高い織編
物を得ることができない。
2.通常の半延伸糸(POY)を用いると、高次工程で受け
る熱により自発伸長するため、織編物にタルミが生じ高
次加工性が悪化する。また、かかる工程通過性を改良す
るためにPOYの配向度を高めると、糸の伸度が低下する
ため成形加工の際の変形性が不十分になってしまう。
したがって、従来提案されている半延伸糸(POY)は
成形時の変形度が小さい用途(中絞り用)に利用される
程度であり、成形時の変形度が大きい深絞り用の用途に
は対応することができなかった。そのため深絞り用には
伸度の大きいスパンデックス糸が利用されているのが現
状である。しかしながら、スパンデックス糸は通常のポ
リエステル繊維と併用した場合にポリエステルの染色温
度に耐えられないため、特殊な常圧可染性のあるポリエ
ステル繊維を必要とするなどの欠点を有する。また、染
色物の耐光堅牢度や強度保持率にも問題があり、高度な
耐光性を要求される自動車の内装材用途には問題があっ
た。
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、深絞
りが要求される成形加工用途へも展開が可能な成形用ポ
リエステル繊維を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記した目的を達成する本発明の成形用ポリエステル
繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位
とするポリエステルからなり、固有粘度[η]、複屈折
Δn、伸度E及び130℃における乾熱収縮率ΔS130が、
それぞれ [η]≧0.76 1.5×10-3≦Δn≦19×10-3 E≧250% 0≦ΔS130≦40% であることを特徴とするものである。
本発明においてポリエステル繊維とは、エチレンテレ
フタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルか
ら形成されるが、そのポリエステルとしては10モル%以
下の量であれば第3成分を共重合していてもよく、また
10重量%以下の量であれば無機粒子等の添加剤を含有し
ていてもよい。
本発明において、ポリエステル繊維の固有粘度[η]
は0.76以上である必要がある。固有粘度が0.76未満で
は、製編織後に受ける熱により容易に結晶化してしまっ
て繊維がもろくなるため、布帛としての伸長性が著しく
低下し、深絞り用途に展開することが困難になる。この
固有粘度[η]としては、さらに好ましくは0.85以上と
するのがよい。
また、ポリエステル繊維の複屈折Δnは19×10-3以下
である必要がある。複屈折は19×10-3を越えると、結晶
化速度が早くなり、高次工程で受ける熱により容易に結
晶化するため、伸度低下が大きくなるからである。ま
た、ポリエステル繊維の複屈折率は1.5×10-3以上であ
る必要がある。複屈折が1.5×10-3未満では、高次加工
で受ける張力により糸が容易に変形してしまい工程通過
性が悪化するからである。かかる観点から、本発明のポ
リエステル繊維の複屈折としては、1.5×10-3〜19×10
-3の範囲とする必要である。
さらに本発明のポリエステル繊維の伸度は、250%以
上であることが必要である。伸度が250%未満では、成
形用布帛にしたときの伸長性が不足し、深絞り用途への
展開が困難になる。この伸度は、さらに好ましくは400
%以上にすることが望ましい。
本発明のポリエステル繊維の乾熱収縮率は、130℃に
おける値ΔS130が0%以上、40%以下である必要があ
る。乾熱収縮率ΔS130が40%を越えると、高次工程で受
ける熱によるポリエステル繊維の収縮が大きいため、高
次工程の通過性が悪化する。また、乾熱収縮が0%未
満、すなわち熱を受けると伸長する場合は、やはり工程
通過性が悪化する。より好ましくは、乾熱収縮率ΔS130
は20%以下とするのがよい。
また、かかる観点から本発明のポリエステル繊維の密
度は1.338g/cm3以上とすることが好ましい。さらに本発
明のポリエステル繊維は、降伏応力が100g以上であるこ
とが好ましい。この降伏応力が100g以上であることによ
って、製織・製編時に受ける張力により永久歪が生ずる
ことがないため、製品の品位を向上することができるか
らである。
上述したような本発明のポリエステル繊維は、例えば
固有粘度[η]が0.76以上、複屈折Δnが3×10-3〜19
×10-3のポリエステル未延伸糸を熱処理することにより
得ることができる。固有粘度[η]が0.76未満である
と、熱処理時に自発伸長してしまうため、高温での熱処
理ができず、そのため低収縮率の糸が得られない。ま
た、未延伸糸の複屈折が19×10-3を越えると、熱処理後
の伸度低下が著しく、また未延伸糸の複屈折が3×10-3
未満では、安定に高温で熱処理することができない。さ
らに好ましくは、上記熱処理に供するときのポリエステ
ル未延伸糸としては、固有粘度[η]が0.85以上、複屈
折が3×10-3〜10×10-3であることがよい。
上記熱処理における熱処理温度としては130℃以上、
さらに好ましくは160℃とすることが望ましく、かかる
温度によって熱収縮率の低下を良好に行なうことができ
る。また、この熱処理時の伸長率としては+10〜−10%
とすることが糸条の走行安定性のために好ましい。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性は次のように測定した。
A.固有粘度 温度25℃においてオルソクロロフェノール(OCP)10m
lに対し試料0.1gを溶解し、オストワールド粘度計を用
いて測定する。
B.降伏点応力、破断伸度 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用
いて試長50mm、引張り速度400mm/分でS−S曲線を求
め、降伏点応力及び破断伸度を求めた。
C.感熱収縮率 試料を検尺機で10回巻きのカセ状にし、そのカセに0.
1g/dの初荷重をかけて原長L1を測定する。次に、無荷重
下で130℃の乾熱オーブン中に投入し15分間処理する。
処理後、再び0.1g/dの荷重をかけて処理後の長さL2を測
定し、下式により乾熱収縮率(ΔS130)を求める。
ΔS130=〔(L1−L2)/L1〕×100(%) D.複屈折(Δn) コンペンセータ法により求めた。
実施例 固有粘度[η]をそれぞれ0.75,0.85,1.03としてポリ
エチレンテレフタレートをエクストルーダ型紡糸機で29
5℃にて紡糸し、表に示した条件で引取ることにより未
延伸糸を得た。この未延伸糸を別工程で熱処理するか、
或いは熱処理しないで、表に示すような物性の130デニ
ール、10フィラメントの未延伸糸を製造した。
上述のようにして得られたNo.1〜11の未延伸糸をグラ
ンド糸(地糸)として用い、またパイル糸にポリエステ
ル延伸糸(75−36セミダル)を用いてトリコットパイル
布帛を製造した。この製造において高次工程の通過性を
評価した。この高次工程の通過性は、全く問題のない水
準を◎、ほとんど問題のない水準を○、生産化に移行す
るには、収率、停機率、布帛品位の面から不可の水準に
なるのを×とすると、表に示すような結果であった。ま
た、上記によって得られた布帛の深絞り成形姓を評価し
た。深絞り成形が極めて良好なものを◎、良好なものを
○、不可のものを×とすると、表に示すような結果であ
った。
表から明らかなように、固有粘度[η]が、0.76未満
である場合、No.12に示す通り未延伸糸は高温での熱処
理ができず、乾熱収率が低くできなかった。また、高次
通過性も悪かった。また、No.10,11の未延伸糸のように
伸度の高い原糸を使用した場合も高次工程で受ける処理
のため伸度が低下してしまい、布帛としての成形性は不
良であった。また、複屈折が19×10-3を越えると、たと
えNo.2の未延伸糸のように伸度が250%以上と高い原糸
であっても成形性は不良であった。また、伸度が250%
未満のNo.1の未延伸糸も、十分満足な成形性は得られな
かった。伸度が400%を越えたNo.7,8,9の未延伸糸は、
もっとも満足な成形性を有していた。さらに、乾熱収縮
率ΔS130が40%を越えたNo.1,2,3,4,6,10,11の未延伸糸
は、全て高次通過性が良好であった。さらに非常に低速
で紡糸して乾収を低くしたNo.5はΔnが1.5×10-3未満
のため高次通過性が悪かった。
以上から高次通過性、成形性とも満足できるのはNo.
7,8,9の未延伸糸のみであった。
〔発明の効果〕 以上説明した通り、本発明のポリエステル繊維は、固
有粘度、複屈折、伸度、乾熱収縮率がそれぞれ前述した
通りとすることにより、従来弾性糸でしかできなかった
深絞り用途での成形が可能になる。特に本発明のポリエ
ステル繊維は、パイル織編物のグランド糸として使用す
ると、顕著な効果を発揮する。
また、本発明の成形用ポリエステル繊維は、本発明の
製造方法によって容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−61509(JP,A) 特開 平1−306611(JP,A) 特開 昭61−28062(JP,A) 特開 昭63−196751(JP,A) 特開 昭57−139554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
    単位とするポリエステルからなり、固有粘度[η]、複
    屈折Δn、伸度E及び130℃における乾熱収縮率ΔS130
    が、それぞれ [η]≧0.76 1.5×10-3≦Δn≦19×10-3 E≧250% 0≦ΔS130≦40% である成形用ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】固有粘度[η]が0.76以上、複屈折Δnが
    3×10-3〜19×10-3のポリエステル未延伸糸を130℃以
    上の温度で熱処理することを特徴とする成形用ポリエス
    テル繊維の製造方法。
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