JPH08127605A - 酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法及び接着剤組成物 - Google Patents

酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法及び接着剤組成物

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JPH08127605A
JPH08127605A JP26874594A JP26874594A JPH08127605A JP H08127605 A JPH08127605 A JP H08127605A JP 26874594 A JP26874594 A JP 26874594A JP 26874594 A JP26874594 A JP 26874594A JP H08127605 A JPH08127605 A JP H08127605A
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JP
Japan
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vinyl acetate
acetate resin
resin emulsion
monomer
parts
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JP26874594A
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English (en)
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Tatsuo Hayazaki
達夫 早崎
Nobuyuki Okinaga
信幸 沖永
Junichiro Nakajima
潤一郎 中島
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F218/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an acyloxy radical of a saturated carboxylic acid, of carbonic acid or of a haloformic acid
    • C08F218/02Esters of monocarboxylic acids
    • C08F218/04Vinyl esters
    • C08F218/08Vinyl acetate

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残存モノマー量が少なく低臭気の酢酸ビニル
樹脂系エマルジョンの製造方法、及び該製造方法により
製せられた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを主成分とす
る接着剤組成物を提供することを目的とする。 【構成】 酢酸ビニルモノマー単独、もしくは酢酸ビニ
ルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノ
マーとを、保護コロイドの存在下、重合触媒を用いて乳
化重合する酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法に
おいて、アゾ系触媒、アニオン系もしくはノニオン系乳
化剤、スチレンダイマー、ポリプロピレングリコールメ
タクリレート及び無水マレイン酸から成る群より選ばれ
る1種もしくは2種以上を重合触媒の滴下終了後に添加
することを特徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの
製造方法、及び該製造方法により製せられた酢酸ビニル
樹脂系エマルジョンを主成分とすることを特徴とする接
着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤、塗料、コーテ
ィング剤等として好適な酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
の製造方法、及び該製造方法により製せられた酢酸ビニ
ル樹脂系エマルジョンに関する。
【従来の技術】酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、接着
剤、塗料、コーティング剤等として広範囲の産業分野で
使用されているが、酢酸ビニルモノマーは親水性が高い
ため、未重合の酢酸ビニルモノマーが所謂残存モノマー
として酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中に残存しやす
く、該残存モノマーに起因する臭気が強く作業環境を悪
化させるという問題点がある。
【0002】上記問題点に対応するため、酢酸ビニル樹
脂系エマルジョンを減圧下で長時間加熱し、酢酸ビニル
樹脂系エマルジョン中の残存モノマー量を低減させる方
法が採用されることがあるが、上記方法では酢酸ビニル
樹脂系エマルジョン中の残存モノマー量を充分低減させ
ることが困難であると共に、加熱に長時間を要すため生
産性が悪いという問題点がある。
【0003】又、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに種々
の添加剤を添加して臭気を抑制する方法も試みられてお
り、例えば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、硅酸の
アルカリ金属塩を添加する酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンの低臭気化方法及び硅酸のアルカリ金属塩を含み、低
臭気化された酢酸ビニル樹脂系エマルジョンが提案され
ている(特開平5−287153号公報)。
【0004】しかし、上記提案による方法は、酢酸ビニ
ルモノマーに起因する臭気をある程度隠蔽することは可
能であるが、本質的に残存モノマー量を低減させるもの
ではなく、前記問題点を充分に解決したものとは言えな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するため、残存モノマー量が少なく低臭気の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法、及び該製造方法
により製せられた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを主成
分とする接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョンの製造方法は、酢酸ビニルモノマー単独、もし
くは酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重
合可能なモノマーとを、保護コロイドの存在下、重合触
媒を用いて乳化重合する酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
の製造方法において、アゾ系触媒、アニオン系もしくは
ノニオン系乳化剤、スチレンダイマー、ポリプロピレン
グリコールメタクリレート及び無水マレイン酸から成る
群より選ばれる1種もしくは2種以上を重合触媒の滴下
後に添加することを特徴とし、そのことにより上記目的
が達成される。
【0007】又、請求項2記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による接着剤組成物は、第1発明による製
造方法により製せられた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
を主成分とすることを特徴とし、そのことにより上記目
的が達成される。
【0008】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンの製造方法においては、酢酸ビニルモノマー単独の
みならず、酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマー
(以下、「共重合性モノマー」と記す)も用いられる。
【0009】上記酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモ
ノマーの種類としては、特に限定されるものではない
が、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。尚、ここで言う「(メタ)アクリル」とは「アクリ
ル」又は「メタクリル」を言う。
【0010】上記酢酸ビニルモノマーと共重合性モノマ
ーとの合計量中に占める酢酸ビニルモノマーの割合は、
酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの用途、必要とされる最
低造膜温度やガラス転移温度等に対応して適宜設定すれ
ば良く特に限定されるものではないが、一般的には、モ
ノマー合計量中、酢酸ビニルモノマーが50〜100重
量%であることが好ましく、なかでも70〜100重量
%であることがより好ましい。モノマー合計量中に占め
る酢酸ビニルモノマーの割合が50重量%未満である
と、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとしての特性が失わ
れることがある。
【0011】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンの製造方法に用いられる保護コロイドの種類として
は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシル基変性ボリビニルアルコール、α−
オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体もしくはそ
の誘導体、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分
子の水溶液等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられるが、なかでもポリビニルアルコー
ルが最も一般的に用いられる。
【0012】上記ポリビニルアルコールの平均重合度
は、特に限定されるものではないが、1000〜250
0であることが好ましく、なかでも1500〜2000
であることがより好ましい。ポリビニルアルコールの平
均重合度が1000未満であると、酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョンの乾燥皮膜強度が弱くなることがあり、逆に
2500を超えると、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの
粘度が高くなり過ぎ、塗布作業性や初期接着性が低下す
ることがある。
【0013】上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、特
に限定されるものではないが、80〜99モル%である
ことが好ましく、なかでも90〜98モル%であること
がより好ましい。ポリビニルアルコールの鹸化度が80
モル%未満であると、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの
耐水性が低下することがあり、逆に99モル%を超える
と、乳化重合時の安定性が低下することがある。
【0014】上記ポリビニルアルコールの量は、特に限
定されるものではないが、モノマー合計量100重量部
に対し、ポリビニルアルコールが0.1〜30重量部で
あることが好ましく、なかでも1〜20重量部であるこ
とがより好ましい。モノマー合計量100重量部に対す
るポリビニルアルコールの量が0.1重量部未満である
と、初期重合を起こし難くなることがあり、逆に30重
量部を超えると、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの粘度
が高くなり過ぎ、塗布作業性や初期接着性が低下するこ
とがある。
【0015】又、上記α−オレフィンと不飽和カルボン
酸との共重合体もしくはその誘導体の種類としては、特
に限定されるものではないが、エチレン、プロピレン、
n−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン
等のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸
との共重合体もしくはその誘導体等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかで
もイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体(商品名
「イソバン」、クラレ社製)、もしくは、その誘導体で
あり、より耐水性の優れた「イソバン」の部分イミド化
物がより好適に用いられる。
【0016】上記α−オレフィンと不飽和カルボン酸と
の共重合体もしくはその誘導体の量は、特に限定される
ものではないが、前記ポリビニルアルコール同様、モノ
マー合計量100重量部に対し、α−オレフィンと不飽
和カルボン酸との共重合体もしくはその誘導体が0.1
〜30重量部であることが好ましく、なかでも1〜20
重量部であることがより好ましい。モノマー合計量10
0重量部に対するα−オレフィンと不飽和カルボン酸と
の共重合体もしくはその誘導体の量が0.1重量部未満
であると、初期重合を起こし難くなることがあり、逆に
30重量部を超えると、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
の粘度が高くなり過ぎ、塗布作業性や初期接着性が低下
することがある。
【0017】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンの製造方法に用いられる重合触媒の種類としては、
特に限定されるものではないが、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩や過酸
化水素水等の過酸化物、酒石酸、蟻酸、蓚酸等の還元剤
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられるが、なかでも過酸化水素水と酒石酸の組み合
わせがより好適に用いられる。
【0018】上記重合触媒の量は、特に限定されるもの
ではないが、モノマー合計量100重量部に対し、重合
触媒が0.01〜3重量部であることが好ましく、なか
でも0.05〜2重量部であることがより好ましい。モ
ノマー合計量100重量部に対する重合触媒の量が0.
01重量部未満であると、初期重合を起こし難くなるこ
とがあり、逆に2重量部を超えると、過剰量となり酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンの耐水性や貯蔵安定性が低下
することがある。
【0019】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンの製造方法においては、乳化重合時、上記重合触媒
の滴下終了後に、アゾ系触媒、アニオン系もしくはノニ
オン系乳化剤、スチレンダイマー、ポリプロピレングリ
コールメタクリレート及び無水マレイン酸から成る群よ
り選ばれる1種もしくは2種以上が添加されることが必
要である。
【0020】上記アゾ系触媒の種類としては、特に限定
されるものではないが、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンニ
トリル等のアゾビスニトリル系触媒やベンゼンジアゾチ
オフェニルエーテル、2−(フェニルジアゾメルカプ
ト)ナフタリン等のアゾチオエーテル系触媒等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0021】上記アゾ系触媒は、重合触媒として機能
し、残存モノマーの重合を促進するので、得られる酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンは残存モノマー量の少ないも
のとなる。
【0022】又、上記アニオン系もしくはノニオン系乳
化剤の種類としては、特に限定されるものではないが、
カルボン酸塩型乳化剤、スルホン酸塩型乳化剤、硫酸エ
ステル塩型乳化剤、燐酸エステル塩型乳化剤等のアニオ
ン系乳化剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテ
ル型乳化剤、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等
のエーテルエステル型乳化剤、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のエ
ステル型乳化剤等のノニオン系乳化剤等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0023】上記アニオン系もしくはノニオン系乳化剤
は、保護コロイドとして機能し、残存モノマーの重合を
促進するので、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
は残存モノマー量の少ないものとなる。
【0024】さらに、上記スチレンダイマーの種類とし
ては、特に限定されるものではないが、2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル
−4−メチル−2−ペンテン等のα−メチルスチレンダ
イマー等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。
【0025】さらに又、上記ポリプロピレングリコール
メタクリレートとしては、ポリプロピレングリコールと
メタクリル酸とのエステル化反応により得られるものが
好適に用いられ、又、上記無水マレイン酸としては、ベ
ンゼン法、ブタジエン・ブテン法、ブタン法等により得
られるものが好適に用いられる。
【0026】上記スチレンダイマー、ポリプロピレング
リコールメタクリレート及び無水マレイン酸は、残存モ
ノマーと反応するので、得られる酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョンは残存モノマー量の少ないものとなる。
【0027】上記アゾ系触媒、アニオン系もしくはノニ
オン系乳化剤、スチレンダイマー、ポリプロピレングリ
コールメタクリレート及び無水マレイン酸から成る群よ
り選ばれる1種もしくは2種以上(以下「残存モノマー
低減剤」と記す)の量は、特に限定されるものではない
が、モノマー合計量100重量部に対し、残存モノマー
低減剤が0.05〜10重量部であることが好ましく、
なかでも0.1〜5重量部であることがより好ましい。
【0028】モノマー合計量100重量部に対する上記
残存モノマー低減剤の量が0.05重量部未満である
と、充分な残存モノマー低減効果を得られず、逆に10
重量部を超えると、過剰量となり酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョンの耐水性や貯蔵安定性が低下することがある。
【0029】又、乳化重合工程における上記残存モノマ
ー低減剤の添加時期は、前記重合触媒の滴下終了後であ
ることが必要であり、なかでも重合触媒の滴下終了直
後、もしくは重合触媒の滴下終了後、可及的速やかな時
期であることが好ましい。上記残存モノマー低減剤を重
合触媒の滴下終了前に添加しても、まだモノマーが残存
していないので、充分な残存モノマー低減効果は得られ
ない。
【0030】上記したように残存モノマー低減剤は、残
存モノマーを低減させる為に重合触媒滴下の終了後に添
加されるが、本発明の方法と併用して、他の効果を上げ
る為に残存モノマー低減剤を重合触媒滴下の終了前に添
加しても良い。
【0031】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンの製造方法は、乳化重合工程において、上記残存モ
ノマー低減剤を重合触媒の滴下終了後に添加することを
特徴とし、そのこと以外は常法の乳化重合法により行え
ば良い。
【0032】第2発明による接着剤組成物は、第1発明
による製造方法により製せられた酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョンを主成分としていることが必要である。
【0033】又、第2発明による接着剤組成物は、本発
明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ、粘着付与樹
脂、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、消泡剤、防
腐剤、防黴剤、有機溶剤等の各種添加剤を含有していて
も良い。
【0034】上記第2発明による接着剤組成物は、紙管
用、紙包装用、木工用、一般用等として好適に用いられ
る。
【0035】
【作用】第1発明による酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
の製造方法は、乳化重合工程において、アゾ系触媒、ア
ニオン系もしくはノニオン系乳化剤、スチレンダイマ
ー、ポリプロピレングリコールメタクリレート及び無水
マレイン酸から成る群より選ばれる1種もしくは2種以
上の残存モノマー低減剤を重合触媒の滴下終了後に添加
するので、残存モノマー量が少なく低臭気の酢酸ビニル
樹脂系エマルジョンを容易に得ることが出来る。
【0036】又、第2発明による接着剤組成物は、上記
第1発明による製造方法により製せられた酢酸ビニル樹
脂系エマルジョンを主成分とするので、残存モノマー量
が少なく低臭気である。
【0037】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味する。
【0038】(実施例1)
【0039】(1)酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの重
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた反応
容器に、水137部及びポリビニルアルコール(商品名
「クラレPVA−CST」、平均重合度1700、鹸化
度96モル%、クラレ社製)11部を仕込み、攪拌しな
がら90℃で1時間加熱してポリビニルアルコールの水
溶液を得た。この水溶液を70℃に冷却し、これに酢酸
ビニルモノマー7部と重合触媒(過酸化水素水0.1部
及び酒石酸0.1部)を投入して初期重合を行わせた。
次いで、酢酸ビニルモノマー93部を3時間、重合触媒
(過酸化水素水0.4部及び酒石酸0.4部)を3.5
時間かけて滴下し乳化重合を行った。酢酸ビニルモノマ
ーの滴下終了後、90℃で1時間熟成を行うと共に、重
合触媒の滴下終了後、直ちに残存モノマー低減剤として
アゾ系触媒(商品名「V−50」、和光純薬社製)0.
3部を添加し、熟成を継続して、粘度(30℃)600
0cps、固形分45重量%の酢酸ビニル樹脂系エマル
ジョンを得た。
【0040】(2)評価 得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中の残存モノマ
ー量(重量%)を以下の二つの方法で測定した。その結
果は表1に示すとおりであった。
【0041】臭素−臭化カリウム滴定法 JIS K−6828「酢酸ビニル樹脂エマルジョン試
験方法」に準拠し、臭素−臭化カリウム滴定法により、
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中の残存モノマー量(重
量%)を測定した。
【0042】ガスクロマトグラフィー法 ガスクロマトグラフィーを用いて、酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョン中の残存モノマー量を測定した。
【0043】(実施例2)
【0044】アゾ系触媒「V−50」の添加量を1部と
したこと以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル樹脂系
エマルジョンを得た。
【0045】(実施例3)
【0046】残存モノマー低減剤として、アゾ系触媒
「V−50」の代わりに、アニオン系乳化剤(商品名
「ノイゲンEA−170」、第一工業製薬社製)0.3
部を添加したこと以外は実施例1と同様にして酢酸ビニ
ル樹脂系エマルジョンを得た。
【0047】(実施例4)
【0048】アニオン系乳化剤「ノイゲンEA−17
0」の添加量を1部としたこと以外は実施例3と同様に
して酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
【0049】(実施例5)
【0050】残存モノマー低減剤として、アゾ系触媒
「V−50」の代わりに、α−メチルスチレンダイマー
(商品名「ノフマーMSD」、日本油脂社製)2部を添
加したこと以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル樹脂
系エマルジョンを得た。
【0051】(実施例6)
【0052】重合触媒として、過酸化水素水及び酒石酸
の代わりに、過硫酸アンモニウム1部を用い、残存モノ
マー低減剤として、α−メチルスチレンダイマー「ノフ
マーMSD」0.6部を添加したこと以外は実施例1と
同様にして酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
【0053】(実施例7)
【0054】残存モノマー低減剤として、アゾ系触媒
「V−50」の代わりに、ポリプロピレングリコールメ
タクリレート(商品名「ブレンマーPP1000」、日
本油脂社製)2部を添加したこと以外は実施例1と同様
にして酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
【0055】(実施例8)
【0056】ポリプロピレングリコールメタクリレート
「ブレンマーPP1000」の添加量を5部としたこと
以外は実施例7と同様にして酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンを得た。
【0057】(実施例9)
【0058】残存モノマー低減剤として、アゾ系触媒
「V−50」の代わりに、無水マレイン酸5部を添加し
たこと以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョンを得た。
【0059】(実施例10)
【0060】重合触媒として、過酸化水素水及び酒石酸
の代わりに、過硫酸アンモニウム1部を用い、残存モノ
マー低減剤として、無水マレイン酸2部を添加したこと
以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンを得た。
【0061】(比較例1)
【0062】残存モノマー低減剤を添加しなかったこと
以外は実施例1と同様にして酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンを得た。
【0063】(比較例2)
【0064】残存モノマー低減剤を添加しなかったこと
以外は実施例6と同様にして酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョンを得た。
【0065】(比較例3)
【0066】比較例1で得られた酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョン100部に対し、硅酸ソーダの10重量%水溶
液5部を添加して酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得
た。
【0067】実施例2〜10及び比較例1〜3で得られ
た酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中の残存モノマー量を
実施例1と同様にして測定した結果は表1に示すとおり
であった。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明による酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法は、残存モノマー
量が少なく低臭気の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを容
易に得ることが出来るものである。
【0070】又、上記製造方法で製せらた酢酸ビニル樹
脂系エマルジョンを主成分とする第2発明による接着剤
組成物は、残存モノマー量が少なく低臭気であるので、
作業環境に悪影響を及ぼすことが少なく、紙管用、紙包
装用、木工用、一般用等として好適に用いられるもので
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 131/04 JCX

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニルモノマー単独、もしくは酢酸
    ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能な
    モノマーとを、保護コロイドの存在下、重合触媒を用い
    て乳化重合する酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方
    法において、アゾ系触媒、アニオン系もしくはノニオン
    系乳化剤、スチレンダイマー、ポリプロピレングリコー
    ルメタクリレート及び無水マレイン酸から成る群より選
    ばれる1種もしくは2種以上を重合触媒の滴下終了後に
    添加することを特徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製せられ
    た酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを主成分とすることを
    特徴とする接着剤組成物。
JP26874594A 1994-11-01 1994-11-01 酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの製造方法及び接着剤組成物 Pending JPH08127605A (ja)

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