JPH08127353A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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Publication number
JPH08127353A
JPH08127353A JP28877994A JP28877994A JPH08127353A JP H08127353 A JPH08127353 A JP H08127353A JP 28877994 A JP28877994 A JP 28877994A JP 28877994 A JP28877994 A JP 28877994A JP H08127353 A JPH08127353 A JP H08127353A
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JP
Japan
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inner race
race
valve
power steering
steering apparatus
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Application number
JP28877994A
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English (en)
Inventor
Mitsuto Tanaka
光人 田中
Shinji Aoyanagi
信司 青柳
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ロータリバルブ38からの戻り油による流体音
を低減する。 【構成】ウオームシャフト22とスタブシャフト26が
トーションバー28によって連結されている。両シャフ
ト22,26の嵌合部にロータリバルブ38が設けられ
ている。ウオームシャフト22の端部にインナーレース
25aが形成され、アウターレース25bとの間にケー
ジベアリング25cを挾持してボールベアリング25が
構成されている。ウオームシャフト22には、インナー
レース25aに隣接してロータリバルブ38からの戻り
穴50が形成されている。インナーレース25aは軸方
向の幅が狭く、その側面とアウターレース25bの側面
との間に段部がある。インナーレース25aの側面にリ
ング60が嵌着され、上記段部をなくすとともに、ボー
ルベアリング25の内部に戻り油が流入しないようにそ
の側面を閉塞している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動力舵取装置に係り、特
に、ロータリタイプのコントロールバルブを介してパワ
ーシリンダへの作動油の給排制御を行なう動力舵取装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のインテグラル型動力舵取装
置の一例を示すもので、ギアハウジング2のシリンダ部
4内に摺動自在に嵌合されてシリンダ4内を2つの圧力
室8(一方は図示を省略)に区画するピストン6と、こ
のピストン6の側面に形成されたラック12に噛合うセ
クタギア14と、ピストン6の軸芯に、多数のボール2
0を循環させるボールねじを介して螺合されたウオーム
シャフト(出力軸)22と、このウオームシャフト22
と同一軸線上に配置され、トーションバー28によって
連結されて所定角度の相対回転が可能なスタブシャフト
(入力軸)26と、上記ウオームシャフト22端部の大
径筒部の内周面に形成されたバルブスリーブ(アウター
バルブ)32およびスタブシャフト26の外面にピン3
4を介して連結されて一体的に回転するバルブロータ
(インナーバルブ)36から成るロータリタイプのコン
トロールバルブ38とを備えている。
【0003】上記ウオームシャフト22のバルブスリー
ブ32が形成されている部分の外周面は、上記ギアハウ
ジング2の端部に固定されたバルブハウジング24の内
周面に摺動自在に嵌合している。そして、ウオームシャ
フト22のバルブスリーブ32側先端部は、外側に径が
拡大されてボールベアリング25のインナーレース25
aが形成されている。また、バルブハウジング24のス
タブシャフトシャフト26側(図の右側)の端部には、
プラグ27が螺合固定されており、上記バルブハウジン
グ24内の段部とこのプラグ27の先端面との間に上記
ボールベアリング25のアウターレース25bが固定さ
れ、このアウターレース25bと上記インナーレース2
5aとの間に多数のボール25dを保持したケージベア
リング25cが挾持されており、これらインナーレース
25a、ケージベアリング25c、ボール25dおよび
アウターレース25bから成るボールベアリング25に
よって上記ウオームシャフト22が回転自在に支持され
ている。このボールベアリング25は通常、図8に示す
ように、インナーレース25aの軸方向(ウオームシャ
フト22およびスタブシャフト26の軸線方向)の幅が
アウターレース25bの軸方向の幅よりも狭くなってお
り、インナーレース25aの側面とアウターレース25
bの側面との間には段部が形成されている。
【0004】ロータリバルブ38を構成するバルブスリ
ーブ32の内面には、複数本の軸方向に延びるバルブ溝
32aが形成され、これらバルブ溝32aのうち1つお
きのバルブ溝32aが、バルブスリーブ32内の通路3
2c、バルブハウジング24の内周面の環状溝24bお
よび内部通路24a等を介してシリンダ4の一方の圧力
室(図示せず)に、また、上記バルブ溝32aの間に位
置する他のバルブ溝32aは、バルブスリーブ32内の
通路32dを介して他方の圧力室8にそれぞれ接続され
ている。バルブロータ36の外周面には、バルブスリー
ブ32と同数のバルブ溝36aが形成され、中立状態で
は、上記バルブスリーブ32のバルブ溝32aと向かい
合って交互に位置するようになっており、そのバルブロ
ータ36の1つおきのバルブ溝36aが、向かい合うバ
ルブスリーブ32に形成された供給穴32b、バルブハ
ウジング24の内面の環状溝24c、内部通路24dお
よびポンプポート等を介して図示しないオイルポンプに
接続され、その間に位置するバルブ溝36aは、バルブ
スリーブ32の、上記インナーレース25a寄りの位置
に半径方向に貫通形成された戻り穴50、バルブハウジ
ング24の環状凹部24eと上記ボールベアリング25
の側面との間の空間40、バルブハウジング24内の通
路24fおよびタンクポート42等を介して図示しない
オイルタンクに接続されている。
【0005】上記構成のインテグラル型動力舵取装置で
は、図示しない舵取ハンドルの操作によりスタブシャフ
ト26とウオームシャフト22(すなわちそれらと一体
的に回転するバルブロータ36とバルブスリーブ32)
とを相対回転させると、オイルポンプから吐出された圧
油が、バルブハウジング24に形成されたポンプポート
を通って上記ロータリバルブ38内に入り、分配制御さ
れてシリンダ4の一方の室内に導入されるとともに、他
方の室内の作動油がコントロールバルブ38内を通り、
バルブスリーブ32に形成された半径方向の戻り穴50
から、バルブハウジング24の環状凹部24eとボール
ベアリング24の側面との間の環状の空間40内を通
り、内部通路24fおよびタンクポート42等を介して
オイルタンクに還流するようになっており、シリンダ4
の両室間の圧力差によって上記ピストン6を作動させて
操舵補助力を発生させるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の動力舵取装
置では、ウオームシャフト22を回転自在に支持するボ
ールベアリング25のインナーレース25aが、アウタ
ーレース25bよりも軸方向の幅が狭くなっているた
め、戻り油の流路となっているバルブハウジング24と
ボールベアリング25との間の空間40の、ボールベア
リング25側に段差ができているので、戻り穴50から
この空間40に流出してくる戻り油の流れが乱され、流
体音が発生するという問題があった。また、戻り穴50
からタンクポート42への流路となっているこの空間4
0は、ボールベアリング25の側面が直接面しているた
め、戻り油がボールベアリング25の内部に入り、図9
および図10に示すように、インナーレース25aとア
ウターレース25bとの間に挾持されているケージベア
リング25cの狭い通路内を出入りして流れるため(図
9および図10の矢印Aはオイルの流れを示す)、流体
音が発生するという問題もあった。
【0007】本発明は上記欠点を除くためになされたも
ので、ロータリバルブ内からバルブスリーブの戻り穴を
通って流出する戻り油が、ボールベアリングの側面の段
差によって流れを乱されることがなく、また、この戻り
穴からの戻り油がボールベアリング内に流入しにくくす
ることにより、流体音を低減することができる動力舵取
装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵取ハンドルの操作によって回転する入力軸と、
この入力軸と同一軸線上に配置され、トーションバーに
よって連結されて相対回転可能な出力軸と、上記入力軸
の外周に設けられて一体回転するバルブロータおよび出
力軸の内面に形成されたバルブスリーブから成るロータ
リバルブと、上記出力軸のバルブスリーブ側端部に形成
されたインナーレースおよびこのインナーレースよりも
軸方向の幅が大きいアウターレースを有するボールベア
リングとを備え、上記ロータリバルブからオイルタンク
に還流する作動油を、バルブスリーブのインナーレース
に隣接する位置に形成した戻り穴および上記ボールベア
リングの側面を通って流出させるようにしており、さら
に、上記ボールベアリングの側面に、インナーレースと
アウターレースとの軸方向の幅の違いから生ずる段差を
なくす部材を設けたものである。
【0009】また、第2の発明に係る動力舵取装置は、
上記第1の発明と同様に入力軸、出力軸、ロータリバル
ブおよびボールベアリングを備えており、上記ロータリ
バルブからオイルタンクに還流する作動油を、バルブス
リーブのインナーレースに隣接する位置に形成した戻り
穴および上記ボールベアリングの側面を通って流出させ
るようにしたものであって、特に、上記ボールベアリン
グの側面に、インナーレースとアウターレースとの間に
挾持されたケージベアリング内にロータリバルブからの
戻り油が流入しないように、両レース間の側面をほぼ閉
塞する部材を設けたものである。
【0010】
【作用】上記第1の発明に係る動力舵取装置では、オイ
ルポンプから吐出されてロータリバルブ内に送られた
後、このロータリバルブ内からバルブスリーブに形成さ
れた戻り穴を通って流出してきた作動油が、ボールベア
リングのインナーレースとアウターレースとの間に設け
られた段差をなくす部材によって、流れが乱されること
がなくスムーズに流出するため、流体音が低減する。
【0011】また、第2の発明に係る動力舵取装置で
は、ロータリバルブ内からバルブスリーブに形成された
戻り穴を通って流出してきた作動油が、ボールベアリン
グのインナーレースとアウターレースの間に挾持されて
いるケージベアリング内に流入することがないため、流
体音が低減する。
【0012】
【実施例】以下、図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るインテグラル型動力舵取
装置の要部の縦断面図である。なお、ギアハウジング2
側(図の左側)の構造は図示および説明を省略する。ギ
アハウジング2内に摺動自在に嵌合されたピストン(図
示せず)の軸芯部の孔内に、ボールねじを介してウオー
ムシャフト(出力軸)22が螺合されている。ウオーム
シャフト22の一端部(図1の右側)は大径の筒状にな
っており、この大径筒部の外周面が、上記ギアハウジン
グ2の端部に固定されたバルブハウジング24の内面に
摺動自在に嵌合している。ウオームシャフト22の大径
筒部の先端には、外周面を拡大してボールベアリング2
5のインナーレース25aが設けられている。上記バル
ブハウジング24の図1の右側の内周面は大径の孔にな
っており、この大径孔の底面と、バルブハウジング24
の大径孔内に螺合されたプラグ27との間にアウターレ
ース25bが固定されている。このアウターレース25
bは、2つに分割された一対の半割りリングから成って
おり、上記インナーレース25aとこのアウターレース
25bとの間に、ケージベアリング25cに保持された
多数のボール25dが挾持されて上記ボールベアリング
25が構成され、このボールベアリング25によってウ
オームシャフト22を回転自在に支持している。
【0013】ウオームシャフト22の大径筒部内には、
図示しない舵取ハンドルによって回転操作されるスタブ
シャフト(入力軸)26の端部が嵌合され、ウオームシ
ャフト22の内部に配置されたベアリング29およびプ
ラグ27内に配置されたベアリング30によって回転自
在に支持されている。これらウオームシャフト22とス
タブシャフト26は、それぞれの軸芯の孔内に挿通され
たトーションバー28によって連結され、所定角度の相
対回転が許容されるようになっている。
【0014】ウオームシャフト22の大径筒部の内周面
にはバルブスリーブ(アウターバルブ)32が形成され
ている。一方、スタブシャフト26の外周面にはバルブ
ロータ(インナーバルブ)36が嵌合されピン34によ
って連結されて一体的に回転するようになっている。こ
れらバルブスリーブ32とバルブロータ36とによりロ
ータリタイプのコントロールバルブ38が構成されてい
る。バルブスリーブ32の内周面には、円周方向等間隔
で複数本(例えば6本)の軸線方向に延びるバルブ溝3
2aが形成され、バルブロータ36の外周面には、バル
ブスリーブ32と同様に円周方向等間隔で複数本(バル
ブスリーブの溝と同数の6本)の軸線方向に延びるバル
ブ溝36aが形成されており、このロータリバルブ38
の中立状態では、バルブスリーブ32のバルブ溝32a
とバルブロータ36のバルブ溝36aとが交互に位置す
るように上記ウオームシャフト22とスタブシャフト2
6とが連結されている。なお、この実施例では、バルブ
スリーブ32およびバルブロータ36に形成されたバル
ブ溝32a,36aの数がそれぞれ6本としたが、6本
に限るものではなく8本等の偶数であれば良い。
【0015】バルブスリーブ32に形成された1つおき
のバルブ溝32aは、バルブスリーブ32の内部を通る
通路32c、バルブハウジング24の内周面に形成され
た環状溝24bおよびバルブハウジング24内部の通路
24a等を介して上記シリンダ4の左方の圧力室(図示
せず)に、そして、上記バルブ溝32aの中間のバルブ
溝32aは、バルブスリーブ32の内部を通る通路32
dを介してシリンダ4の右方の圧力室8にそれぞれ接続
されている。一方、バルブロータ36に形成された1つ
おきのバルブ溝36aは、向かい合うバルブスリーブ3
2のランドに形成された半径方向の供給穴32b、バル
ブハウジング24の内面に形成された環状溝24c、バ
ルブハウジング24の内部通路24dおよびポンプポー
トを介して図示しないオイルポンプに接続されている。
また、バルブロータ36のオイルポンプに接続された上
記3本のバルブ溝36aの中間に位置する各バルブ溝3
6aは、そのバルブ溝36aに向かい合うバルブスリー
ブ32のランドに形成された半径方向の戻り穴50と、
バルブハウジング24の大径孔の底面に形成された環状
の凹部24eと上記ボールベアリング25との間に形成
された環状の空間40、バルブハウジング24に形成さ
れた内部通路24fおよびタンクポート42等を介して
図示しないオイルタンクに接続されている。
【0016】上記ロータリバルブ38の中立位置では、
オイルポンプから吐出された圧油は、バルブハウジング
24のポンプポート、内部通路24d、環状溝24cお
よびバルブスリーブ32に形成された半径方向通路32
b等を介してバルブロータ36のポンプ側バルブ溝36
aに入り、そのポンプ側バルブ溝36aの両側に位置す
るバルブスリーブ32のバルブ溝32aを通ってバルブ
ロータ36の別のタンク側のバルブ溝36aに入り、こ
のタンク側のバルブ溝36aに向かい合ってバルブスリ
ーブ32に形成された戻り穴50から上記環状の空間4
0に流出し、さらに、バルブハウジング24の内部通路
24fおよびタンクポート42等を通ってオイルタンク
に還流して循環している。
【0017】また、舵取ハンドルの操作によってスタブ
シャフト26がいずれかの方向へ回転されてバルブロー
タ36とバルブスリーブ32とが相対的に回転すると、
オイルポンプから吐出された圧油は、上記各通路24
d,24c,32bを通って、バルブロータ36に形成
されたポンプ側バルブ溝36aに入った後、そのポンプ
側バルブ溝36aの両側に向かい合うバルブスリーブ3
2の溝32aのうちの一方のバルブ溝32aを経てシリ
ンダ4の一方の圧力室8(または図示しない他方の圧力
室)に導入され、他方の圧力室8(または図示しない圧
力室)内の作動油は、バルブスリーブ32の他方のバル
ブ溝32aからバルブロータ36のタンク側バルブ溝3
6aに入り、さらに、向かい合うバルブスリーブ32の
戻り穴50および環状の空間40等を通ってオイルタン
クへ還流する。
【0018】上記ウオームシャフト22のスタブシャフ
ト26側先端部に形成されているインナーレース25a
の軸方向の幅(ウオームシャフト22およびスタブシャ
フト26の軸線方向の幅)が、バルブハウジング24と
プラグ27との間に保持されているアウターレース25
bの軸方向の幅よりも狭くなっているので、インナーレ
ース25aの両側面と、その両側に向かい合うバルブハ
ウジング24およびプラグ27との間にはそれぞれ間隙
があり、インナーレース25aの側面とアウターレース
25bの側面との間に段差が形成されている。そして、
本実施例に係る動力舵取装置では、インナーレース25
aの両側の間隙のうち、ギアハウジング2側、すなわ
ち、ロータリバルブ38内から作動油が流出してくる戻
り穴50および環状の空間40に面している側に、スナ
ップリングまたはリテーナリング等のリング60が嵌着
あるいは圧入等により取付けられている。このリング6
0は、ボールベアリング25のインナーレース25aと
アウターレース25bとの段差とほぼ等しい厚さを有し
ており、このリング60を装着することによりボールベ
アリング25の上記戻り穴50および環状の空間40側
の側面はほぼ面一になっている。また、このリング60
の外径は、上記アウターレース25bの内径にほぼ一致
(実際には内径よりも僅かに小さい)しており、インナ
ーレース25aとアウターレース25bとの間のケージ
ベアリング25cが挾持されている間隙をほぼ封止して
いる。
【0019】以上のように構成されているので、上記ロ
ータリバルブ38内からバルブスリーブ32(ウオーム
シャフト22)に形成された半径方向の戻り穴50を通
り、バルブハウジング24の凹部24eとボールベアリ
ング25の戻り穴50側の側面とによって形成される環
状空間40を経てバルブハウジング24の内部通路24
fおよびタンクポート42に流出する作動油は、ボール
ベアリング25の側面がほぼ平坦なので流れを乱される
ことなく円滑に流れ、しかも、リング60によって邪魔
されるためボールベアリング25の内部にはほとんど流
入しないので、流体音の発生を大幅に低減することがで
きる。
【0020】なお、上記第1実施例では、インナーレー
ス25aの側面とアウターレース25bの側面との間の
段差をなくす部材およびレース25a,25b間の側面
をほぼ閉塞する部材として別体のリング60を取付けた
が、以下に述べる第2および第3実施例のように、段差
をなくす部材および側面を閉塞する部材として、ボール
ベアリングを構成するアウターレース等の部材を加工し
て一体的に設けるようにすることもできる。
【0021】次に図2により本発明の第2の実施例につ
いて説明する。ウオームシャフト22を回転自在に支持
しているボールベアリング125の構成を除いて上記第
1実施例の構成と同一であるので、上記実施例と同一の
符号を付してその説明を省略する。この実施例では、イ
ンナーレース125aとアウターレース125bとの間
に挾持されているケージベアリング125cの、上記戻
り穴50および環状空間40側の端部を内周側に折り曲
げて環状のプレート部125eを形成し、この環状プレ
ート部125eによって、インナーレース125aとア
ウターレース125bとの軸方向の幅の違いから生じた
上記段差を埋めている。従って、上記実施例と同様に、
ボールベアリング125の側面の、戻り穴50および環
状の空間40等を通る戻りオイルの流路に段差がなくな
るため、戻りオイルが円滑に流れるので流体音を低減す
ることができる。また、ケージベアリング125cを内
周側に折り曲げて延長しているので、ボールベアリング
125の内部に戻りオイルが流入しにくくなり、この点
からも流体音が低減する。
【0022】図3は第3の実施例を示すものであり、上
記第2実施例と同様にボールベアリング225の部分を
除いて第1実施例の構造と同一であるので、同一の部分
に同一の符号を付してその説明を省略する。この実施例
では、ボールベアリング225のアウターレース225
bの、上記環状空間40側端部の内周側に、インナーレ
ース225a側へ延びる薄い円板状のフランジ部225
fが設けられている。このフランジ部225fの内周縁
部は、上記ウオームシャフト22の外周面付近まで延び
ており、ウオームシャフト22の端部に形成されたイン
ナーレース225aの側面とアウターレース225bの
側面との段差をほぼなくしている。この実施例でも、ウ
オームシャフト22の戻り穴50から環状空間40を経
てオイルタンクへ還流する戻り油の流路に段差がなくな
るので、上記各実施例ど同様に段差によって流れが乱さ
れることがなく、流体音が低減する。また、アウターレ
ース225bの内周側に設けた円板状のフランジ部22
5fをインナーレース225aの側面に沿って延長して
いるので、これら両レース225a,225b間のの間
隙を塞いでおり、両レース225a,225b間に挾持
されているケージベアリング225cの内部に戻り油が
流入してしまうことがなく、流体音が低減する。
【0023】図4は第4の実施例の要部(ボールベアリ
ング325の部分)を示すものである。この実施例で
は、ボールベアリング325のアウターレース325b
の側面に環状のプレートから成るスペーサ370を嵌着
している。このスペーサ370は、アウターレース32
5bの端部外周縁に形成された環状の支持突部325g
内に嵌着されている。この実施例では、軸方向の幅が大
きいアウターレース325bの側面にスペーサ370を
装着しているので、インナーレース325aとの間の段
差は解消されていないが、この段差は環状プレートから
成るスペーサ370内周部によって覆われており、ウオ
ームシャフト22の戻り穴50を通る戻り油の流れは妨
げられることがなく、タンクポート側へ円滑に流出す
る。また、ボールベアリング325の内部に戻り油が流
入することもなく、流体音を低減することができる。
【0024】図5は第5の実施例を示すもので、この実
施例では、上記第4の実施例(図4参照)で設けられた
環状のプレートから成るスペーサ370とほぼ同様のス
ペーサ470の、内径側の部分470a(図5の上方側
の部分)を折曲げてインナーレースの側面側に傾斜させ
ている。この実施例では、戻り油は、このスペーサ47
0に沿ってより円滑に流れるので、第4の実施例よりも
さらに優れた流体音低減の効果を奏することができる。
【0025】図6は第6の実施例を示すもので、この実
施例では、バルブスリーブ32(ウオームシャフト2
2)の端部に形成されたインナーレース525aの上記
戻り穴50側の側面を、外周側に向けて軸方向の幅が次
第に大きくなるように傾斜させ、その傾斜部525hの
外周側の端部525iがアウターレース525bの側面
とほぼ面一になるようにしたものである。この実施例で
は、上記各実施例と同様に、戻り穴50から流出した作
動油の流れを滑らかにして流体音を低減するという効果
を奏することができるとともに、ウオームシャフト22
自体を加工してインナーレース525aとアウターレー
ス525bとの間の段差をなくすようにしたので、リン
グ等の別の部材を取付ける必要がなく、また、この部品
を取付けるために加工工程が増加することもないので、
作業性が良く低コストである。
【0026】図7は第7の実施例を示すものである。こ
の実施例では、上記第6実施例のように、インナーレー
ス625aの戻り穴50側の側面に傾斜部625jを設
け、さらに、その傾斜部625jの外周側端部に薄いプ
レート状の部分625kを設け、アウターレース625
bの側面に沿って延長した。この実施例では、上記第6
実施例と同様の効果を奏することに加えて、薄いプレー
ト状の部分625kによってインナーレース625aと
アウターレース625bとの間に挾持されているケージ
ベアリング625c内に戻り油が流入することがないの
で、より効果的に流体音を低減することができる。
【0027】なお、上記各実施例では、バルブロータ3
6のタンク側バルブ溝36aから直接バルブスリーブ3
2の戻り穴50および環状の空間40を介してオイルタ
ンクへ還流させるようにしたが、このような構造に限ら
ず、バルブロータのタンク側のバルブ溝から、一度バル
ブロータの内部の空間に流入させた後、バルブロータに
形成した別の半径方向通路およびバルブスリーブ32の
戻り穴50を介してオイルタンクへ還流させる構造の場
合にも、同様にして本発明の構成を適用することができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、入
力軸と一体のインナーバルブおよび出力軸と一体のアウ
ターバルブから成るコントロールバルブと、出力軸の端
部に設けられたインナーレースおよびその外周のアウタ
ーレースを有するボールベアリングとを備え、上記コン
トロールバルブからの戻り油を、バルブスリーブのイン
ナーレースに隣接する位置に形成した戻り穴および上記
ボールベアリングの側面を通って流出させるようにした
動力舵取装置において、上記ボールベアリングの側面
に、インナーレースとアウターレースとの軸方向の幅の
違いから生ずる段差をなくす部材を設けたことにより、
ロータリバルブ内から戻り穴を通って流れ出る作動油の
流れを乱す段差をなくすことができるので、流体音を低
減することができる。
【0029】また、上記ボールベアリングの側面に、イ
ンナーレースとアウターレースとの間に挾持されたケー
ジベアリング内にロータリバルブからの戻り油が流入し
ないように、両レース間の側面をほぼ閉塞する部材を設
けたことにより、ロータリバルブ内から戻り穴を通って
流れ出る作動油が、ボールベアリングのインナーレース
とアウターレースとの間に挾持されているケージベアリ
ング内に流入してしまうことがないので、流体音を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る動力舵取装置の縦断面
図である。
【図2】第2の実施例に係る動力舵取装置の要部の縦断
面図である。
【図3】第3の実施例に係る動力舵取装置の要部の縦断
面図である。
【図4】第4の実施例の要部の縦断面図である。
【図5】第5の実施例のスペーサを示す図である。
【図6】第6の実施例の要部の縦断面図である。
【図7】第7の実施例の要部の縦断面図である。
【図8】従来の動力舵取装置の要部の縦断面図である。
【図9】ケージベアリングの側面図である。
【図10】図9に示すケージベアリングの正面図であ
る。
【符号の説明】
4 シリンダ 8 シリンダの一方の室 10 シリンダの一方の室 22 出力軸(ウオームシャフト) 25 ボールベアリング 25a インナーレース 25b アウターレース 25c ケージベアリング 26 入力軸(スタブシャフト) 32 バルブスリーブ 36 バルブロータ 38 コントロールバルブ 50 戻り穴 60 段差をなくす部材であり、かつ、インナーレー
スとアウターレースとの間の側面をほぼ閉塞する部材
(リング)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵取ハンドルの操作によって回転する入
    力軸と、この入力軸と同一軸線上に配置され相対回転可
    能な出力軸と、上記入力軸の外周に設けられて一体回転
    するバルブロータおよび出力軸の内面に形成されたバル
    ブスリーブから成るロータリバルブと、上記出力軸のバ
    ルブスリーブ側端部に形成されたインナーレースおよび
    このインナーレースよりも軸方向の幅が大きいアウター
    レースを有するボールベアリングとを備え、上記ロータ
    リバルブからオイルタンクに還流する作動油を、バルブ
    スリーブのインナーレースに隣接する位置に形成した戻
    り穴および上記ボールベアリングの側面を通って流出さ
    せるようにした動力舵取装置において、上記ボールベア
    リングの側面に、インナーレースとアウターレースとの
    軸方向の幅の違いから生ずる段差をなくす部材を設けた
    ことを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 舵取ハンドルの操作によって回転する入
    力軸と、この入力軸と同一軸線上に配置され相対回転可
    能な出力軸と、上記入力軸の外周に設けられて一体回転
    するバルブロータおよび出力軸の内面に形成されたバル
    ブスリーブから成るロータリバルブと、上記出力軸のバ
    ルブスリーブ側端部に形成されたインナーレースおよび
    このインナーレースよりも軸方向の幅が大きいアウター
    レースを有するボールベアリングとを備え、上記ロータ
    リバルブからオイルタンクに還流する作動油を、バルブ
    スリーブのインナーレースに隣接する位置に形成した戻
    り穴および上記ボールベアリングの側面を通って流出さ
    せるようにした動力舵取装置において、上記ボールベア
    リングの側面に、インナーレースとアウターレースとの
    間に挾持されたケージベアリング内にロータリバルブか
    らの戻り油が流入しないように、両レース間の側面をほ
    ぼ閉塞する部材を設けたことを特徴とする動力舵取装
    置。
  3. 【請求項3】 上記インナーレースとアウターレースと
    の段差をなくす部材によって、インナーレースとアウタ
    ーレースとの間に挾持されたケージベアリング内にロー
    タリバルブからの戻り油が流入しないように、両レース
    間の側面をほぼ閉塞したことを特徴とする請求項1に記
    載の動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 出力軸の外周面の、インナーレースの側
    壁に当接する位置に、アウターレースの内径よりも僅か
    に小さい外径を有するリングを装着したことを特徴とす
    る請求項3に記載の動力舵取装置。
  5. 【請求項5】 インナーレースとアウターレースとの間
    に挾持されたケージベアリングの戻り穴側の端部を、イ
    ンナーレース側に折曲げて上記段差をなくす部材とした
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力舵取装置。
  6. 【請求項6】 アウターレースの戻り穴側端部を、プレ
    ート状にしてインナーレース側に延長し上記段差をなく
    す部材としたことを特徴とする請求項3に記載の動力舵
    取装置。
  7. 【請求項7】 アウターレースの側面に、内径側がイン
    ナーレースの側面まで延びる環状のプレートを固定した
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力舵取装置。
  8. 【請求項8】 上記環状プレートの内周側の部分を、イ
    ンナーレース側へ折曲げて傾斜させたことを特徴とする
    請求項7に記載の動力舵取装置。
  9. 【請求項9】 インナーレースの側面を内周側から外周
    側へ向けて、軸方向幅が次第に拡大する方向に傾斜さ
    せ、インナーレースの外周面側とアウターレースの内周
    面側との段差をなくしたことを特徴とする請求項1に記
    載の動力舵取装置。
  10. 【請求項10】 インナーレースの側面を内周側から外
    周側へ向けて、軸方向幅が次第に拡大する方向に傾斜さ
    せ、さらに、その外周側端部をアウターレースの側面に
    沿って延長して両レース間の側面を閉塞したことを特徴
    とする請求項1に記載の動力舵取装置。
JP28877994A 1994-10-28 1994-10-28 動力舵取装置 Pending JPH08127353A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528914A (ja) * 2007-06-01 2010-08-26 ▲長▼春▲華▼隆汽▲車▼科技▲ふぁ▼展有限公司 自動車パワーステアリング装置用ロータリーバルブ

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JP2010528914A (ja) * 2007-06-01 2010-08-26 ▲長▼春▲華▼隆汽▲車▼科技▲ふぁ▼展有限公司 自動車パワーステアリング装置用ロータリーバルブ

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