JPH08124377A - 強誘電体メモリ装置 - Google Patents

強誘電体メモリ装置

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JPH08124377A
JPH08124377A JP6263751A JP26375194A JPH08124377A JP H08124377 A JPH08124377 A JP H08124377A JP 6263751 A JP6263751 A JP 6263751A JP 26375194 A JP26375194 A JP 26375194A JP H08124377 A JPH08124377 A JP H08124377A
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哲也 大月
Hironori Koike
洋紀 小池
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電源切断時や投入時にもメモリセルの記憶デー
タが破壊されることなく安定した不揮発性記憶動作が保
てるようにする。 【構成】電源電位Vccが予め設定された電位Vjより
低下すると第1のレベルとなる電源電位検知信号Vcd
を出力する電源電位検知回路6を設ける。電源電位検知
信号Vcdが第1のレベルのときには全ワード線WL1
〜WLmを非選択レベルとして全メモリMC11〜MC
nmのトランジスタTrをオフ状態とするキャパシタ電
圧印加防止手段をワード線選択制御回路5内に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電体メモリ装置に関
し、特に強誘電体材料を用いたキャパシタを含むメモリ
セルを配列した構成の強誘電体メモリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ジルコンチタン酸塩(PZT)な
どのヒステリシス特性を有する強誘電体材料をメモリセ
ルに用い、電源を切断しても記憶を保持する機能を持つ
不揮発性メモリが実現されている。このような強誘電体
メモリ装置の例として、特開昭63−201998、特
開平1−158691、1994年2月の固体素子回路
国際会議(International Solid−
State Circuits Conferenc
e,ISSCC)予稿集268ページに報告されている
ものなどがある。
【0003】これらの報告をもとに、従来の強誘電体メ
モリ装置について説明するが、その前に、この強誘電体
メモリ装置に使用される、1つのスイッチング用のトラ
ンジスタと1つの強誘電体材料によるキャパシタとから
なる(以下、1T/1C型という)メモリセルの特性及
び動作について説明する。なお、以下の説明において、
特にことわりのないかぎり、ハイレベル“H”に相当す
るレベルは、強誘電体メモリ装置外部から供給される電
源電位Vcc、または強誘電体メモリ装置内部に設けた
電位発生回路で発生される電位のいずれかであり、ロウ
レベル“L”に相当するレベルは接地電位とする。
【0004】図9は1T/1C型のメモリセルとその接
続を示す回路図である。
【0005】メモリセルMCは、スイッチング用のトラ
ンジスタTrと、一方の電極をこのトランジスタTrの
ソース,ドレインのうちの一方と接続するキャパシタC
とで形成され、キャパシタCの他方の電極はプレート線
PLに接続され、トランジスタTrのゲートはワード線
WLに、ソース,ドレインのうちの他方はビット線BL
にそれぞれ接続されている。
【0006】このメモリセルMCのキャパシタCの両電
極間の電圧Vに対する分極量Pの特性(分極特性)を図
10(A),(B)に示す。
【0007】図10(A),(B)に示すように、キャ
パシタCは両電極間の電圧Vに対しヒステリシス特性を
示し、電圧V=0としたときの分極量Pの相違(a点,
e点)により2値情報を記憶する。例えば、a点を2値
情報の一方のデータ“1”に対応させ、e点を他方のデ
ータ“0”に対応させる(以下の説明はこの対応とす
る)。
【0008】ワード線WLをハイレベルにしてトランジ
スタTrをオン状態にし、ビット線BL,プレートPL
間にキャパシタCの両電極間の電圧Vが−Veとなる電
圧を印加すると、データ“1”(a点)では分極量Pが
a→b→c→dと変化し、この変化に相当する電荷Q1
がビット線BLを介して得られる(図10(A))。ま
たデータ“0”(e点)では分極量Pがe→dと変化
し、この変化に相当する電荷Q0がビット線BLを介し
て得られる(図10(B))。こうして、メモリセルM
Cへのデータの記憶、メモリセルMCからのデータの読
出しができる。
【0009】このようなメモリセルMCを配列した従来
の強誘電体メモリ装置の一例を図11に示す。
【0010】この強誘電体メモリ装置は、行方向,列方
向に配置された上記1T/1C型の複数のメモリセルM
C11〜MCnmを含むメモリセルアレイ1と、これら
メモリセルMC11〜MCnmの各列ごとにそのトラン
ジスタTrのソース,ドレインの他方と接続しこれらメ
モリセルの書込み用のデータ及び読出しデータを伝達す
る対をなす第1及び第2のビット線BL11,BL12
〜BLm1,BLm2と、複数のメモリセルMC11〜
MCnmの各行ごとにそのトランジスタTrのゲートと
接続し選択レベルのときこれらメモリセル及び対応する
ビット線間を接続して選択状態とする複数のワード線W
L1〜WLmと、メモリセルMC11〜MCnmのキャ
パシタCの他方の電極と接続するプレート線PLと、こ
のプレート線PLに所定のタイミングでプレート線電位
Vpを印加するプレート線電位発生回路4と、アドレス
信号ADx及び制御信号XCに従ってワード線WL1〜
WLmのうちの1つを所定のタイミングで選択レベルと
するワード線選択制御回路5cと、プリチャージ制御信
号PCに従ってビット線BL11,BL12〜BLm
1,BLm2を所定のタイミングでプリチャージ電位P
Pとするビット線プリチャージ回路2と、選択状態のメ
モリセルと接続するビット線と対をなすビット線に対し
基準電位発生制御信号RLC1,RLC2に従って所定
のタイミングで基準電位を供給する基準電位発生回路3
と、センス増幅制御信号SACに従って活性化し対をな
す第1及び第2のビット線間(例えばBL11,BL1
2間)に伝達された読出しデータを増幅して出力し、書
込み用のデータを対をなす第1及び第2のビット線に供
給する複数のセンス増幅器SA1〜SAmとを有する構
成となっている。
【0011】次のこの強誘電体メモリ装置の動作につい
て、図12に示された各部の電圧波形図及びメモリセル
MC11の分極状態を示す図を併せて参照して説明す
る。
【0012】はじめに、読出し動作について説明する。
まず期間T1において、プリチャージ制御信号PCをロ
ウレベルにすることにより、ビット線BL11,BL1
2〜BLm1,BLm2のプリチャージを解除する。こ
こでは、ビット線のプリチャージ電位PPは接地電位と
している。
【0013】次に期間T2において、ワード線WL1と
プレート線PLとをそれぞれハイレベルに上げ、メモリ
セルMC11から記憶データに対応する電荷をビット線
BL11に出力する。また、基準電位発生制御信号RL
C2をハイレベルに上げ、基準電位発生回路3によりビ
ット線BL12を基準電位に設定する。基準電位の具体
的な発生方法は、例えば、前述の文献、1994年IS
SCC予稿集268ページ記載のものがあり、その要点
は、メモリセルからデータ“1”に対応する電荷を出力
したときのビット線電位と、データ“0”に対応する電
荷を出力したときのビット線電位との中間の電位を発生
することである。
【0014】その後、期間T3において、センス増幅制
御信号SACをハイレベルとすることにより、差動型増
幅回路のセンス増幅器SA1を活性化し、対をなすビッ
ト線BL11,BL12の差電位をセンス増幅する。こ
のようにして、メモリセルMC11の記憶データが
“1”であるか“0”であるかを判定する。
【0015】ここで、上述の動作と、キャパシタCの分
極特性との関係について説明する。前述の期間T2で、
ワード線WL1をハイレベルとしてメモリセルMC11
のトランジスタTrを導通させ、プレート線PLをハイ
レベルに立ち上げた状態は、キャパシタCに、図10に
おいて−Veの電圧をかけた状態に相当する。このと
き、Q1またはQ0の電荷がビット線BL11に出力さ
れる。ところで、この状態は、データ“1”,“0”い
ずれかが記憶されていた場合でも図10のd点にあっ
て、データ“1”,“0”の区別ができない。そこで、
読出されたデータ“1”,“0”に応じてキャパシタC
に適正な電圧をかけて元のデータをメモリセルMC11
に書き戻す動作が必要となる。期間T1〜T3に続く期
間T4〜T6は、そのデータの書き戻し動作のための期
間である。
【0016】まず、期間T4において、プレート線PL
をロウレベルにする。データ“1”であればビット線B
L11がハイレベルになっているので、キャパシタCの
両電極間には+Veが印加された状態となり、その分極
状態は図10のh点(以下、単にh点という、他の点も
同様)となり、データ“0”であればビット線BL11
はロウレベルになっているので、キャパシタCの両電極
間の電圧は0Vであり、その分極状態はe点となる。次
の期間T5において、センス増幅制御信号SACをロウ
レベルとすることによりセンス増幅器SA1を非活性化
し、さらにプリチャージ制御信号PCをハイレベルとし
て、ビット線BL11のレベルを接地電位とする。こう
することにより、メモリセルMC11のキャパシタCの
分極状態を、データ読出し前の期間T1の状態に戻すこ
とができる。最後に、ワード線WL1をロウレベルに下
げ、メモリセルMC11のトランジスタTrを非導通に
して、メモリセルMC11の読出し動作を完了する。
【0017】次に、書き込み動作について説明する。強
誘電体メモリ装置外部から入力されるデータをメモリセ
ルMC11に書き込む場合、T3の期間に、対をなすビ
ット線対BL11,BL12に所望のデータに対応する
電位をそれぞれ設定してから、期間T4以降の動作を行
う。以上の動作では、メモリセルの記憶データはa点,
e点の分極状態によって保持されており、電源が切断さ
れキャパシタCの両電極間の電圧が0になっても、その
記憶データは保たれる。すなわち、不揮発性記憶動作が
実現できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】この従来の強誘電体メ
モリ装置は、不揮発性記憶動作を実現することができる
ものの、電源切断途中や電源投入途中にメモリセルのキ
ャパシタCの両電極間に電圧が印加されるような状態が
発生すると、メモリセルの記憶データが破壊される危険
性が生じる。以下、電源切断途中におけるメモリセルの
記憶データの破壊について、図13に示された波形図及
びメモリセルの分極状態図を併せて参照し説明する。
【0019】電源切断前の期間T7には、電源は正常に
供給されており、注目するメモリセルMC11にデータ
“1”が記憶されているものとすると、メモリセルMC
11のキャパシタCの分極状態はa点に存在する。
【0020】電源切断途中の期間T8には、電源電位V
ccが低下する。このとき、強誘電体メモリ装置外部か
ら供給される制御信号XCの入力レベルを誤判定するな
どの理由で、ワード線選択制御回路5xが誤動作し、ワ
ード線WL1の電位がメモリセルMC11のトランジス
タTrが導通するような電位になったとする。またこの
とき、プレート線電位Vpが、ビット線BL11の電位
よりもVeだけ高い状態にあったとする。その結果、キ
ャパシタCの両電極間に−Veの電圧がかかるので、分
極状態はb,cを経てd点に移動する。この後、電源が
完全に切断される期間T9には、分極状態はe点に移動
する。これはデータ“0”に対応する。すなわちメモリ
セルMC11の記憶データが破壊されたことになる。
【0021】このように、電源切断途中にメモリセルの
キャパシタの両電極間に電位差が生じると、キャパシタ
の強誘電体の分極が反転しメモリセルの記憶データが破
壊される危険性があった。
【0022】本発明の目的は、電源切断時や投入時にも
メモリセルの記憶データが破壊されることなく安定した
不揮発性記憶動作を保つことができる強誘電体メモリ装
置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体メモリ
装置は、スイッチング用のトランジスタ、及び一方の電
極をこのトランジスタのソース,ドレインのうちの一方
と接続し強誘電体材料で形成されたキャパシタをそれぞ
れ備え行方向,列方向に配置された複数のメモリセルを
含むメモリセルアレイと、前記複数のメモリセルの各列
それぞれと対応して設けられ対応する列の各メモリセル
のトランジスタのソース,ドレインのうちの他方と接続
してこれらメモリセルの書込み用のデータ及び読出しデ
ータを伝達する複数のビット線と、前記複数のメモリセ
ルの各行それぞれと対応して設けられ対応する行の各メ
モリセルのトランジスタのゲートと接続して選択レベル
のときこれらトランジスタを導通状態とする複数のワー
ド線と、前記複数のメモリセルそれぞれのキャパシタの
他方の電極と接続するプレート線と、このプレート線に
所定のタイミングでプレート線電位を印加するプレート
線電位発生回路と、アドレス信号及び制御信号に従って
前記複数のワード線のうち所定のワード線を所定のタイ
ミングで選択レベルとするワード線選択制御回路とを有
する強誘電体メモリ装置において、この強誘電体メモリ
装置の電源電位が予め設定された電位より低下すると第
1のレベルとなる電源電位検知信号を出力する電源電位
検知回路と、前記電源電位検知信号が第1のレベルのと
きには前記複数のメモリセルそれぞれのキャパシタの一
方及び他方の電極間に電圧が印加されるのを防止するキ
ャパシタ電圧印加防止手段とを設けて構成される。
【0024】また、キャパシタ電圧印加防止手段を、電
源電位検知信号が第1のレベルのときには複数のワード
線全てを非選択レベルに固定する回路としてキャパシタ
電圧印加防止手段を、複数のワード線それぞれと対応し
て設けられてソース,ドレインのうちの一方に非選択レ
ベルを受けソース,ドレインのうちの他方を対応するワ
ード線と接続しゲートに電源電位検知信号を受けてこの
電源電位検知信号が第1のレベルのときに導通状態とな
る複数のトランジスタを備えた回路とするか、ワード線
選択制御回路がアドレス信号をデコードして複数のワー
ド線のうちの所定のワード線を選択レベルとする複数の
論理ゲートを備えたデコーダを含み、キャパシタ電圧印
加防止手段を、前記複数の論理ゲートそれぞれに電源電
位検知信号を入力してこの電源電位検知信号が第1のレ
ベルのときに前記複数のワード線全てが非選択レベルと
なる回路とするか、ワード線選択制御回路がアドレス信
号をデコードして複数のワード線のうちの所定のワード
線を選択レベルとする複数の論理ゲートを備えたデコー
ダと、外部からの各種制御信号の状態を判定して所定の
内部制御信号を出力し前記デコーダの機能及び動作を制
御する制御回路とを含み、キャパシタ電圧印加防止手段
を、前記制御回路に設けられ、電源電位検知信号を入力
してこの電源電位検知信号が第1のレベルのときに前記
デコーダからの複数のワード線全てが非選択レベルとな
る内部制御信号を発生する回路とし、非選択レベルを接
地電位として構成される。
【0025】また、キャパシタ電圧印加防止手段を、電
源電位検知信号が第1のレベルのときに複数のビット線
及びプレート線を互いに導通状態としてこれら複数のビ
ット線,プレート線を等電位化する回路として構成され
る。
【0026】
【作用】本発明においては、電源電位が予め設定された
電位より低下すると第1のレベルとなる電源電位検知信
号を出力する電源電位検知回路を設け、この電源電位検
知信号が第1のレベルのときには、全ワード線を非選択
レベルとして全メモリセルのトランジスタをオフ状態と
するか、全ビット線とプレート線とを等電位としてい
る。従って、電源切断途中や電源投入途中において、電
源電位が予め設定された電位より低下して誤動作やノイ
ズの影響を受けやすい状態でも、各メモリセルのキャパ
シタの両電極間に電圧が印加されるのを防止することが
できるので、このキャパシタの強誘電体の分極状態をそ
のまま保つことができ、メモリセルの記憶データが破壊
されることなく安定した不揮発性記憶動作を保つことが
できる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0028】図1は本発明の第1の実施例を示すブロッ
ク図である。
【0029】この実施例が図11に示された従来の強誘
電体メモリ装置と相違する点は、電源電位Vccが予め
設定された電位より低下すると第1のレベル(ロウレベ
ル)となる電源電位検知信号Vcdを出力する電源電位
検知回路6を設け、ワード線選択制御回路5に、電源電
位検知信号Vcdが第1のレベルのときには複数のワー
ド線WL1〜WLm全てを非選択レベルにして全メモリ
セルMC11〜MCnmのトランジスタをオフ状態と
し、キャパシタCの両電極間に電圧が印加されるのを防
止するキャパシタ電圧印加防止手段を設けた点にある。
【0030】次にこの実施例の動作について説明する。
図2はこの実施例の動作を説明するための電源切断,投
入電源時の各部の電圧波形図である。
【0031】図2において、期間T7,T11は、電源
が正常に供給されていて電源電位Vccが規定範囲内に
あるときの状態を示す。この期間では、電源電位検知信
号Vcdはハイレベルとなっており、ワード線選択制御
回路5は従来と同様にデータの読出し,書込みなどのメ
モリアクセス動作を行う。
【0032】期間T8は電源切断途中、T9は電源切断
時、T10は電源投入途中の状態を示す期間である。こ
れらの期間において、電源電位Vccが予め設定された
電位Vj以下になると、電源電位検知信号Vcdはロウ
レベル(第1のレベル)となり、これを受けてワード線
選択制御回路5は、複数のワード線WL1〜WLm全て
を非選択レベルとする。その結果、メモリセルMC11
〜MCnm全てのトランジスタTrが非導通状態とな
り、誤動作等が発生しても、そのキャパシタCの両電極
間に電圧が印加されるのを防止できる。従って、キャパ
シタCの強誘電体の分極状態はそのまま保たれ、メモリ
セルMC11〜MCnmの記憶データが破壊されること
はない。
【0033】次に、各部の具体的な回路例について説明
する。図3(A),(B)はそれぞれ電源電位検知回路
の具体的な回路の第1及び第2の例を示す回路図であ
る。
【0034】図3(A)の第1の例の電源電位検知回路
6は、ソースに電源電位Vccを受けゲート及びドレイ
ンを接続してしきい値電圧Vt1をもつPチャネル型の
トランジスタTr61と、ゲート及びドレインをトラン
ジスタTr61のゲート及びドレインを接続してしきい
値電圧Vt2をもつNチャネル型のトランジスタTr6
2と、ゲートをトランジスタTr62のソースと接続し
ソースを接地電位点と接続してしきい値電圧Vt3をも
つNチャネル型のトランジスタTr63と、このトラン
ジスタのゲート・ソース間に接続されトランジスタTr
61〜Tr63のオン抵抗より十分大きな抵抗値をもつ
抵抗素子R61と、一端に電源電位Vccを受け他端を
トランジスタTr63のドレインと接続して抵抗素子R
61と同様に大きな抵抗値をもつ抵抗素子R62と、ト
ランジスタTr63のドレイン電圧をレベル反転するイ
ンバータIV61とを備えた構成となっている。
【0035】この回路において、トランジスタTr63
が導通する条件は、Vt2≦Tr63のゲート電位=V
cc−Vt1−Vt2、すなわち、 Vcc≧Vt1+Vt2+Vt3 となる。従って、電源電位Vccが(Vt1+Vt2+
Vt3)以下のとき、トランジスタTr63は非導通状
態にあってそのドレイン電圧は電源電位Vccレベルと
なっているので、インバータIV61の出力の電源電位
検知信号Vcdはロウレベル(接地電位)となる。また
電源電位Vccが(Vt1+Vt2+Vt3)より高い
ときは、トランジスタTr63は導通状態にあってその
ドレイン電圧はほぼ接地電位となるので、電源電位検知
信号Vcdはハイレベル(ほぼ電源電位Vcc)とな
る。すなわち、(Vt1+Vt2+Vt3)が前述の予
め設定された電位Vjである。
【0036】また図3(B)の第2の例の電源電位検出
回路6は、ソースに電源電位Vccを受けゲート及びド
レインを接続してしきい値電圧Vt4及び所定のオン抵
抗をもつPチャネル型のトランジスタTr64と、ゲー
トに電源電位Vccを受けソースを接地電位点と接続し
ドレインをトランジスタTr64のゲート及びドレイン
と接続してトランジスタTr64より十分大きなオン抵
抗をもつNチャネル型のトランジスタTr65と、しき
い値電圧Vtiをもちこのしきい値電圧を基準にしてト
ランジスタTr65のドレイン電圧をレベル反転するイ
ンバータIV62と、このインバータIV62の出力電
圧をレベル反転するインバータIV62とを備えた構成
となっている。
【0037】この回路においては、電源電位Vccが
(Vt4+Vti)より低いとき電源電位検知信号Vc
dはロウレベルとなり、高いときハイレベルとなる。す
なわち、Vj=Vt4+Vtiである。
【0038】図4はこの実施例のワード線選択制御回路
5の具体的な回路の一例を示す回路図である。
【0039】このワード線選択制御回路5は、X系
(行)のアドレス信号ADxを保持し出力するアドレス
バッファ回路52と、このアドレスバッファ回路52の
出力信号をデコードして複数のワード線WL1〜WLm
のうち一本を選択レベルとするXデコーダ53と、外部
からの各種制御信号XCに従ってアドレスバッファ回路
52及びXデコーダ53の動作及び機能を制御するX系
制御回路51と、複数のワード線WL1〜WLmそれぞ
れと対応して設けられドレインを対応するワード線と接
続しソースを接地電位点と接続しゲートに電源電位検知
信号Vcdのレベル反転信号を受ける複数のトランジス
タTr51〜Tr5m、及び電源電位検知信号Vcdの
レベル反転信号を発生するインバータIV50を含むキ
ャパシタ電圧印加防止手段の全ワード線非選択制御回路
54とを備えた構成となっている。
【0040】この回路においては、電源電位検知信号V
cdがロウレベルになると、トランジスタTr51〜T
r5mが導通状態となり、これらトランジスタによりワ
ード線WL1〜WLm全てを直接接地電位点に接続し非
選択レベルとしている。
【0041】図5は本発明の第2の実施例のワード線選
択制御回路部分の回路図である。
【0042】この第2の実施例においては、キャパシタ
電圧印加防止手段をワード線選択制御回路5aのXデコ
ーダ53a内に設けたものであり、他の部分は第1の実
施例と同様である。
【0043】この実施例のXデコーダ53aは、出力端
をワード線WL1〜WLmそれぞれと対応接続するCM
OS型のインバータIV51〜IV5mと、出力端をこ
れらインバータIV51〜IV5mの入力端それぞれと
接続し入力端にアドレスバッファ回路52からのアドレ
ス信号,X系制御回路51からの制御信号及び電源電位
検知信号Vcdを受けてこの電源電位検知信号がロウレ
ベルのときアドレス信号をデコードしてワード線WL1
〜WLmのうちの一方を選択レベルとし、ロウレベルの
ときはワード線WL1〜WLm全てを非選択レベル(接
地電位レベル)とする複数の論理ゲートG51〜G5m
とを備えた構成となっている。
【0044】この実施例のXデコーダ53aでは、電源
電位検知信号Vcdがハイレベルのときはアドレスバッ
ファ回路52からのアドレス信号を含む論理ゲートG5
1〜G5mからの入力信号によってワード線WL1〜W
Lmのレベルが制御され、電源電位検知信号Vcdがロ
ウレベルのときはこれにより論理ゲートG51〜G5m
の出力信号全てが強制的にハイレベル、従って、ワード
線WL1〜WLm全てが非選択レベル(接地電位レベ
ル)となる。すなわち、このXデコーダ53aにはキャ
パシタ電圧印加防止手段が含まれている。
【0045】図6は本発明の第3の実施例のワード線選
択制御回路部分の回路図である。
【0046】この第3の実施例は、X系制御回路51a
に外部からの各種制御信号VCのほかに電源電位検知信
号Vcdも入力し、このX系制御回路51aからXデコ
ーダ53に供給される制御信号を、電源電位検知信号V
cdがロウレベルになるとこれに応答してロウレベルに
することにより、ワード線WL1〜WLm全てを非選択
レベルにする構成となっている。
【0047】図5に示された第2の実施例のXデコーダ
53aから分るように、Xデコーダ53aの論理ゲート
G51〜G5mの入力端には、X系制御回路51からの
制御信号が供給されている。従って、この制御信号のレ
ベルを、電源電位検知信号Vcdがロウレベルになると
それに呼応してロウレベルになるように制御することに
より、ワード線WL1〜WLmを非選択レベルとするこ
とができる。
【0048】これら実施例においては、ワード線WL1
の非選択レベルを接地電位レベルとしている。電源切断
途中、電源投入途中においては電源電位Vccが変動す
るが、この場合でも接地電位レベルは変動しないので、
全メモリセルMC11〜MCnmのトランジスタTrを
確実に非導通(オフ)状態に保つことができる。
【0049】図7及び図8はそれぞれ本発明の第4の実
施例を示すブロック図及びそのビット線・プレート線等
電位化回路の具体例を示す回路図である。
【0050】この第4の実施例のキャパシタ電圧印加防
止手段は、ビット線BL11,BL12〜BLm1,B
Lm2それぞれと対応して設けられゲートに電源電位検
知信号Vcdを受けソース・ドレインのうちの一方を対
応するビット線と接続しソース,ドレインのうちの他方
をプレート線PLと接続する複数のトランジスタTr7
1a,Tr71b〜Tr7ma,Tr7mbを備え、電
源電位検知信号Vcdがロウレベルのときにビット線B
L11,BL12〜BLm1,BLm2及びプレート線
PLを等電位化するビット線・プレート線等電位化回路
7によって構成される。
【0051】この第4の実施例においては、電源電位検
知信号Vcdがロウレベルになると全てのビット線及び
プレート線が等電位となるので、電源切断途中や電源投
入途中などにおいて誤動作が発生しメモリセルのトラン
ジスタTrがオン状態になっても、キャパシタCの両電
極間には電圧が印加されることはない。従って、キャパ
シタCの強誘電体の分極状態はそのまま保たれ、メモリ
セルMC11〜MCnmの記憶データが破壊されること
はない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、電源電位
が予め設定された電位より低下すると第1のレベルとな
る電源電位検知信号を出力する電源電位検知回路を設
け、この電源電位検知信号が第1のレベルのときには全
ワード線を非選択レベルとして全メモリセルのトランジ
スタをオン状態とするか、全ビット線とプレート線とを
等電位にするキャパシタ電圧印加防止手段を設けた構成
とすることにより、電源切断途中や電源投入途中におけ
る誤動作の発生やノイズの影響を受けやすい状態でも、
各メモリセルのキャパシタの両電極間に電圧が印加され
るのを防止することができるので、これらキャパシタの
強誘電体の分極状態をそのまま保つことができ、メモリ
セルの記憶データが破壊されることなく安定して不揮発
性記憶動作を保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示された実施例の動作を説明するための
各部の電圧波形図である。
【図3】図1に示された実施例の電源電位検出回路の具
体例を示す回路図である。
【図4】図1に示された実施例のワード線選択制御回路
の具体例を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施例のワード線選択制御回路
部分の回路図である。
【図6】本発明の第3の実施例のワード線選択制御回路
部分の回路図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示すブロック図であ
る。
【図8】図7に示された実施例のビット線・プレート線
等電位化回路の具体例を示す回路図である。
【図9】従来の強誘電体メモリ装置に使用されるメモリ
セルとその周辺の接続状態を示す回路図である。
【図10】図9に示されたメモリセルの動作を説明する
ための分極特性図である。
【図11】従来の強誘電体メモリ装置の一例を示す回路
図である。
【図12】図11に示された強誘電体メモリ装置の動作
を説明するための各部の電圧波形図及び分極特性図であ
る。
【図13】図11に示された強誘電体メモリ装置の課題
を説明するための電源切断経過時の各部の電圧波形図及
び分極特性図である。
【符号の説明】
1 メモリセルアレイ 2 ビット線プリチャージ回路 3 基準電位発生回路 4 プレート線電位発生回路 5,5a〜5c ワード線選択制御回路 6 電源電位検知回路 7 ビット線・プレート線等電位化回路 51,51a X系制御回路 52 アドレスバッファ回路 53,53a Xデコーダ 54 全ワード線非選択制御回路 BL,BL11,BL12〜BLm1,BLm2 ビ
ット線 C キャパシタ MC,MC11〜MCnm メモリセル PL プレート線 SA1〜SAm センス増幅器 Tr トランジスタ WL,WL1〜WLm ワード線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング用のトランジスタ、及び一
    方の電極をこのトランジスタのソース,ドレインのうち
    の一方と接続し強誘電体材料で形成されたキャパシタを
    それぞれ備え行方向,列方向に配置された複数のメモリ
    セルを含むメモリセルアレイと、前記複数のメモリセル
    の各列それぞれと対応して設けられ対応する列の各メモ
    リセルのトランジスタのソース,ドレインのうちの他方
    と接続してこれらメモリセルの書込み用のデータ及び読
    出しデータを伝達する複数のビット線と、前記複数のメ
    モリセルの各行それぞれと対応して設けられ対応する行
    の各メモリセルのトランジスタのゲートと接続して選択
    レベルのときこれらトランジスタを導通状態とする複数
    のワード線と、前記複数のメモリセルそれぞれのキャパ
    シタの他方の電極と接続するプレート線と、このプレー
    ト線に所定のタイミングでプレート線電位を印加するプ
    レート線電位発生回路と、アドレス信号及び制御信号に
    従って前記複数のワード線のうち所定のワード線を所定
    のタイミングで選択レベルとするワード線選択制御回路
    とを有する強誘電体メモリ装置において、この強誘電体
    メモリ装置の電源電位が予め設定された電位より低下す
    ると第1のレベルとなる電源電位検知信号を出力する電
    源電位検知回路と、前記電源電位検知信号が第1のレベ
    ルのときには前記複数のメモリセルそれぞれのキャパシ
    タの一方及び他方の電極間に電圧が印加されるのを防止
    するキャパシタ電圧印加防止手段とを設けたことを特徴
    とする強誘電体メモリ装置。
  2. 【請求項2】 キャパシタ電圧印加防止手段を、電源電
    位検知信号が第1のレベルのときには複数のワード線全
    てを非選択レベルに固定する回路とした請求項1記載の
    強誘電体メモリ装置。
  3. 【請求項3】 キャパシタ電圧印加防止手段を、複数の
    ワード線それぞれと対応して設けられてソース,ドレイ
    ンのうちの一方に非選択レベルを受けソース,ドレイン
    のうちの他方を対応するワード線と接続しゲートに電源
    電位検知信号を受けてこの電源電位検知信号が第1のレ
    ベルのときに導通状態となる複数のトランジスタを備え
    た回路とした請求項2記載の強誘電体メモリ装置。
  4. 【請求項4】 ワード線選択制御回路がアドレス信号を
    デコードして複数のワード線のうちの所定のワード線を
    選択レベルとする複数の論理ゲートを備えたデコーダを
    含み、キャパシタ電圧印加防止手段を、前記複数の論理
    ゲートそれぞれに電源電位検知信号を入力してこの電源
    電位検知信号が第1のレベルのときに前記複数のワード
    線全てが非選択レベルとなる回路とした請求項2記載の
    強誘電体メモリ装置。
  5. 【請求項5】 ワード線選択制御回路がアドレス信号を
    デコードして複数のワード線のうちの所定のワード線を
    選択レベルとする複数の論理ゲートを備えたデコーダ
    と、外部からの各種制御信号の状態を判定して所定の内
    部制御信号を出力し前記デコーダの機能及び動作を制御
    する制御回路とを含み、キャパシタ電圧印加防止手段
    を、前記制御回路に設けられ、電源電位検知信号を入力
    してこの電源電位検知信号が第1のレベルのときに前記
    デコーダからの複数のワード線全てが非選択レベルとな
    る内部制御信号を発生する回路とした請求項2記載の強
    誘電体メモリ装置。
  6. 【請求項6】 非選択レベルを接地電位とした請求項2
    記載の強誘電体メモリ装置。
  7. 【請求項7】 キャパシタ電圧印加防止手段を、電源電
    位検知信号が第1のレベルのときに複数のビット線及び
    プレート線を互いに導通状態としてこれら複数のビット
    線,プレート線を等電位化する回路とした請求項1記載
    の強誘電体メモリ装置。
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