JPH08121399A - 消音ボックス付ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消音ボックスの空気通路に空気の渦や旋回流
が発生することなく、ファンの性能が低下することな
く、且つファン等の音源から発生する騒音が外部に漏れ
ない消音ボックス付ファンを提供すること。 【構成】 消音ボックス１と、消音ボックス１内に設け
られたファン２を具備し、消音ボックス１の吸込口３ａ
から吸い込んだ空気を消音ボックス１内に形成された通
路６を通って該ファン２の吸込口２ａに導き、該ファン
２で加圧し、消音ボックス１の吐出口４ａから吐き出す
ように構成した消音ボックス付ファンにおいて、消音ボ
ックス１の吸込口３ａからファン２の吸込口２ａまでの
通路を、その断面積及び断面形状が吸込口３ａからファ
ン２の吸込口２ａまで急激な変化がないように強音材で
形成すると共に、吸込口３ａから該ファン２の吸込口２
ａまでの通路を少なくとも２個所で該消音ボックスの中
心線より片寄らせた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は消音ボックスを具備し、
該消音ボックスでファン等の音源から発する騒音を消す
消音ボックス付ファンに関するものである。

【０００２】

【従来技術】従来この種の消音ボックス付ファンは、消
音ボックスの内側に板状の吸音材を取り付け、ファンか
らの音を吸音する構造とし、消音ボックス内を通る空気
の渦や旋回を防止するための旋回防止板や風向変更板を
取り付ける構造を採用している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の消音ボックス付ファンにおいては、消音ボック
スの吸込口からファンの吸込口までの空気が通る通路の
断面積や断面形状に該吸込口からファンの吸込口までの
間で急激な変化があるため、該通路を流れる空気流に渦
が発生する場合があり、この渦による消音ボックス内の
圧力損失が大きく、空気の旋回流によるファンの性能低
下、渦により騒音が発生するという問題があった。ま
た、ファンから発する音が該通路を通って外部に漏れ、
これが騒音となるという問題もあった。

【０００４】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去し、消音ボックスの空気通路に空
気の渦や旋回流が発生することなく、ファンの性能が低
下することなく、且つファン等の音源から発生する騒音
が外部に漏れない消音ボックス付ファンを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、消音ボックスと、該消音ボックス内に設けら
れたファンを具備し、該消音ボックスの吸込口から吸い
込んだ空気を該消音ボックス内に形成された通路を通っ
て該ファンの吸込口に導き、該ファンで加圧し、該消音
ボックスの吐出口から吐き出すように構成した消音ボッ
クス付ファンにおいて、消音ボックスの吸込口からファ
ンの吸込口までの通路を、その断面積及び断面形状が吸
込口からファンの吸込口まで急激な変化がないように形
成したことを特徴とする。

【０００６】また、上記消音ボックスの吸込口からファ
ンの吸込口までの通路を吸音材で形成することを特徴と
する。

【０００７】また、ファンの音が直接消音ボックスの吸
込口に伝播しないよう上記消音ボックスの吸込口から該
ファンの吸込口までの通路を少なくとも２個所で該消音
ボックスの中心線より片寄らせたことを特徴とする。

【０００８】また、消音ボックス内に吸音材を透過して
伝播する音を反射する反射板を設けたことを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】本発明は上記のように消音ボックスの吸込口か
らファンの吸込口までの通路を、その断面積及び断面形
状が吸込口からファンの吸込口まで急激な変化がないよ
う略同一に形成したので、該通路内で空気流の渦が発生
することなく、消音ボックス内の圧力損失を小さくで
き、空気の旋回流によるファンの性能低下を防止し且つ
騒音の発生がない。

【００１０】また、消音ボックスの吸込口からファンの
吸込口までの通路を吸音材で形成するので、空気が該通
路を通るとき発生する音及びファンから発生する音等は
該吸音材で吸音される。

【００１１】また、ファンの音が直接が消音ボックスの
吸込口に伝わらないように上記通路を少なくとも２個所
で該消音ボックスの中心線より片寄らせたので、ファン
からの音はこの片寄らせた部分及びそれを接続する部分
の通路内面に当たり、ここで吸音されるから、吸込口に
は直接伝播しない。

【００１２】また、消音ボックス内に吸音材を透過する
音を反射する反射板を設けたので、音源から吸音材を透
過して該反射板に到達する音は該反射板により音源側に
反射するから、消音作用が更に向上する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明の消音ボックス付ファンの構造を示
す図である。図１において、１は消音ボックス本体であ
り、該消音ボックス１内にファン２が設けられている。

【００１４】消音ボックス１は両端に吸込板３及び吐出
板４を有し、該吸込板３には吸込口３ａ、吐出板４には
吐出口４ａが設けられている。消音ボックス１の内部に
は吸音材５で吸込口３ａから吐出口４ａに通じる空気の
通路６が設けられている。前記ファン２は該通路６の吐
出口４ａの近傍に設けられている。

【００１５】ファン２は電動機８と羽根車９を具備し、
該羽根車９は電動機８の主軸８ａに固定され、前記空気
の通路６に設けられたケーシング７内に配置されてい
る。吸込口３ａからファン２の吸込口２ａまでの空気の
通路６は、該吸込板３の吸込口３ａに接近する部分６ａ
とファン２の吸込口２ａに接近する部分６ｃではその中
心線ｌ１、ｌ２が互に反対側に消音ボックスの中心線Ｌ
より片寄らせて配置されており、該部分６ａと部分６ｃ
は部分６ｂで接続されている。

【００１６】ここで、空気の通路６に連通する吸込板３
の吸込口３ａの断面をＡ、通路６の部分６ａの断面を
Ｂ、通路６の部分６ｂの断面をＣ、通路６の部分６ｃの
断面をＤ、ファン２の吸込口２ａの断面をＥとすると、
断面Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅの面積及び形状は略同一となる
ように、即ち通路の断面積及び断面形状が吸込口３ａか
らファンの吸込口２ａまで急激な変化がないように形成
している。

【００１７】また、消音ボックス１の通路６の部分６ａ
と部分６ｂの境界部Ｆ及び通路６の部分６ｂと部分６ｃ
の境界部Ｇに鉄板等の反射板１０、１１を設けている。
なお、図１中の１２、１３はそれぞれ吸込口側及び吐出
口側の相フランジを示す。

【００１８】上記構造の消音ボックス付ファンにおい
て、電動機８を起動してファン２を起動すると、羽根車
９が回転し、消音ボックス１の吸込口３ａから吸い込ま
れた空気は通路６の部分６ａ、６ｂ、６ｃを通り、更に
ファン２の吸込口２ａ、吐出口２ｂを通って、消音ボッ
クス１の吐出口４ａから送り出される。

【００１９】この時、上記のように通路６の断面Ａ、
Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅの面積及び形状は略同一となるように、
即ち通路の断面積及び断面形状は吸込口３ａからファン
の吸込口２ａまで急激な変化がないように形成している
ので、該通路を通る空気流に渦や旋回流を生じることが
なく、消音ボックス１の圧力損失を小さくできると共
に、旋回によるファン２の性能低下を防ぐことができ、
更に渦により発生する渦音がなくなる。

【００２０】また、ファン２の羽根車９を音源とする騒
音はファン２の吸込口２ａから図２の矢印Ｈに示すよう
に放射されるが、それらは吸音材５からなる通路６の部
分６ｃの内壁面で吸音され、更に通路６の部分６ｂ、６
ａの内壁面で吸音されるので、消音ボックス１の吸込口
３ａからの騒音は大幅に低減される。

【００２１】また、上記のように吸込口３ａからファン
２の吸込口２ａまでの空気の通路６は、吸込口３ａに接
近する部分６ａと吸込口２ａに近い部分６ｃでは、その
中心線ｌ１、ｌ２が消音ボックス１の中心線Ｌより互に
反対側になるように片寄らせて配置しているから、ファ
ン２の羽根車９から吸込口３ａの方向に伝播する騒音
は、通路６の部分６ａと部分６ｃを接続する部分６ｂの
内壁面で遮断されるから、吸込口３ａに直接伝播するこ
とはない。

【００２２】また、消音ボックス１の通路６の部分６ａ
と部分６ｂの境界部Ｆ及び部分６ｂと部分６ｃの境界部
Ｇに鉄板等の反射板１０、１１を設けているので、吸音
材５を透過して浸入した騒音は該反射板１０、１１で騒
音源側に反射され、吸音材５で吸音される。

【００２３】なお、上記消音ボックス付ファンの構造は
一例であり、本発明の消音ボックス付ファンはこれに限
定されるものではなく、要は吸込口３ａからファンの吸
込口２ａまでの通路６を、その断面積及び断面形状が吸
込口からファンの吸込口まで急激な変化がないよう略同
一に形成し、且つ該通路を吸音材で形成するものであれ
ばよい。また、ファン２からの音が直接消音ボックスの
吸込口３ａに伝わらないよう該通路を少なくとも２個所
で該消音ボックスの中心線より互いに反対側に片寄らせ
た構造であれば、通路の形状も図１に示すような形状に
限定されるものではない。

【００２４】また、消音ボックス１内に設ける反射板１
０、１１も上記のように通路６の部分６ａと部分６ｂの
境界部Ｆ及び部分６ｂと部分６ｃの境界部Ｇに限定され
るものではなく、要は吸音材５を透過する音を効果的に
音源側に反射できる位置に配置すればよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば下記
のような優れた効果が得られる。 （１）消音ボックスの吸込口からファンの吸込口までの
通路を、その断面積及び断面形状が吸込口からファンの
吸込口まで急激な変化がないよう略同一に形成したの
で、該通路内で空気流の渦が発生することがなく、消音
ボックスの圧力損失を小さくでき、空気流の旋回による
ファンの性能低下を防止できると共に、渦による騒音の
発生がない。

【００２６】（２）また、消音ボックスの吸込口からフ
ァンの吸込口までの通路を吸音材で形成するので、空気
が該通路を通るとき発生する音及びファンから発生する
音は該吸音材で吸音され、騒音の低減を図ることができ
る。

【００２７】（３）また、ファンの音が直接消音ボック
スの吸込口に伝わらないように上記通路を少なくとも２
個所で該消音ボックスの中心線より互に反対側に片寄ら
せたので、ファンからの音は、特に該片寄らせた通路部
分を接続する通路部分の内面に当たり、ここで吸音され
るから、吸込口に直接伝播することなく、該吸込口から
の騒音の低減を図ることができる。

【００２８】（４）また、吸音材を透過する音を反射す
る反射板を設けたので、音源から吸音材を透過して該反
射板に到達する音は該反射板により音源側に反射するか
ら、消音作用が更に向上し騒音の低減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の消音ボックス付ファンの構造を示す図
である。

【図２】本発明の消音ボックス付ファンの消音作用を説
明するための図である。

【符号の説明】

１ 消音ボックス ２ ファン ３ 吸込板 ４ 吐出板 ５ 吸音材 ６ 通路 ７ ケーシング ８ 電動機 ９ 羽根車 １０ 反射板 １１ 反射板 １２ 相フランジ １３ 相フランジ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 消音ボックスと、該消音ボックス内に設
   けられたファンを具備し、該消音ボックスの吸込口から
   吸い込んだ空気を該消音ボックス内に形成された通路を
   通って該ファンの吸込口に導き、該ファンで加圧し、該
   消音ボックスの吐出口から吐き出すように構成した消音
   ボックス付ファンにおいて、 前記消音ボックスの吸込口からファンの吸込口までの通
   路を、その断面積及び断面形状が吸込口からファンの吸
   込口まで急激な変化がないように形成したことを特徴と
   する消音ボックス付ファン。
2. 【請求項２】 前記消音ボックスの吸込口からファンの
   吸込口までの通路を吸音材で形成することを特徴とする
   消音ボックス付ファン。
3. 【請求項３】 前記ファンの音が直接が前記消音ボック
   スの吸込口に伝播しないように該消音ボックスの吸込口
   から該ファンの吸込口までの通路を少なくとも２個所で
   該消音ボックスの中心線より片寄らせたことを特徴とす
   る請求項１又は２に記載の消音ボックス付ファン。
4. 【請求項４】 前記消音ボックス内に吸音材を透過して
   伝播する音を反射する反射板を設けたことを特徴とする
   請求項１又は２又は３に記載の消音ボックス付ファン。