JPH08120389A - 耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム合金およびそれを用いたブレージングシート - Google Patents
耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム合金およびそれを用いたブレージングシートInfo
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- JPH08120389A JPH08120389A JP28442994A JP28442994A JPH08120389A JP H08120389 A JPH08120389 A JP H08120389A JP 28442994 A JP28442994 A JP 28442994A JP 28442994 A JP28442994 A JP 28442994A JP H08120389 A JPH08120389 A JP H08120389A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブレージングシートあるいは自動車用ボディ
シート等に使用されるAl−Cu系合金として、耐粒界
腐食性に優れたものを提供する。またそれを芯材として
用いたブレージングシートを提供する。 【構成】 請求項1:Cu1.5%を越え7.0%以
下、Bi0.01〜0.5%を含有し、残部が実質的に
AlよりなるAl−Cu系合金。 請求項2:さらにM
g、Ti、Mn、Cr、Zr、Vの1種以上を添加し
た。 請求項3:Cu0.1〜1.5%、Bi0.01
〜0.5%を含有し、残部が実質的にAlよりなるブレ
ージング用Al−Cu系合金。 請求項4:請求項3の
ブレージング用合金において、さらにTi、Mn、C
r、Zr、Vの1種以上を添加した。 請求項5:さら
にMgを添加するとともにSi量を規制した。 請求項
6:Biの粒径を1〜20μm、密度を40〜2000
個/mm2 とした。 請求項7:上記の各Al−Cu系
合金を芯材とし、皮材としてAl−Si系、Al−Si
−Mg系、Al−Si−Mg−Bi系のろう材を用いて
ブレージングシートを構成した。
シート等に使用されるAl−Cu系合金として、耐粒界
腐食性に優れたものを提供する。またそれを芯材として
用いたブレージングシートを提供する。 【構成】 請求項1:Cu1.5%を越え7.0%以
下、Bi0.01〜0.5%を含有し、残部が実質的に
AlよりなるAl−Cu系合金。 請求項2:さらにM
g、Ti、Mn、Cr、Zr、Vの1種以上を添加し
た。 請求項3:Cu0.1〜1.5%、Bi0.01
〜0.5%を含有し、残部が実質的にAlよりなるブレ
ージング用Al−Cu系合金。 請求項4:請求項3の
ブレージング用合金において、さらにTi、Mn、C
r、Zr、Vの1種以上を添加した。 請求項5:さら
にMgを添加するとともにSi量を規制した。 請求項
6:Biの粒径を1〜20μm、密度を40〜2000
個/mm2 とした。 請求項7:上記の各Al−Cu系
合金を芯材とし、皮材としてAl−Si系、Al−Si
−Mg系、Al−Si−Mg−Bi系のろう材を用いて
ブレージングシートを構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はブレージング(ろう付
け)の用途や自動車のボディシートなどの構造材の用途
に使用されるAl−Cu系アルミニウム合金に関するも
のであり、特に耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系合金
と、それを芯材として用いたブレージングシートに関す
るものである。
け)の用途や自動車のボディシートなどの構造材の用途
に使用されるAl−Cu系アルミニウム合金に関するも
のであり、特に耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系合金
と、それを芯材として用いたブレージングシートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように自動車のクーラーのドロー
ンカップ型エバポレータなどの熱交換器においては、水
等の温度媒体(作動流体)が流通する管体板に、アルミ
ニウム合金製のフィン材をろう付けするのが通常である
が、この場合の管体板材にはブレージングシート、すな
わちアルミニウム合金芯材の両面もしくは片面にアルミ
ニウム合金ろう材からなる皮材を予め被着させた合せ板
を用いる。そしてこのような管体板材用のブレージング
シートの芯材のアルミニウム合金としては、Al−0.
5%Cu合金を使用することがある。またAl−Cu系
合金は、裸材あるいはクラッド材として自動車のボディ
シート、その他車輌、船舶、航空機などの構造材や各種
機械部品などに使用されることも多い。
ンカップ型エバポレータなどの熱交換器においては、水
等の温度媒体(作動流体)が流通する管体板に、アルミ
ニウム合金製のフィン材をろう付けするのが通常である
が、この場合の管体板材にはブレージングシート、すな
わちアルミニウム合金芯材の両面もしくは片面にアルミ
ニウム合金ろう材からなる皮材を予め被着させた合せ板
を用いる。そしてこのような管体板材用のブレージング
シートの芯材のアルミニウム合金としては、Al−0.
5%Cu合金を使用することがある。またAl−Cu系
合金は、裸材あるいはクラッド材として自動車のボディ
シート、その他車輌、船舶、航空機などの構造材や各種
機械部品などに使用されることも多い。
【0003】ところで自動車等に使用される熱交換器と
しては軽量化が強く要請され、またコスト低減の要求も
強く、そこで熱交換器に使用されるブレージングシート
の芯材としても薄肉化が求められるようになり、そこで
ブレージングシート芯材については、薄肉化しても充分
な高い耐久性・信頼性が確保されるように高強度化が強
く求められている。また自動車のボディシート等の用途
においても、同様に軽量化、コスト低減の要請から薄肉
化が求められ、そのためより一層の高強度化が強く要請
されている。しかしながら、一般にAl−Cu系合金に
おいては、高強度化を図ろうとすれば、耐食性、特に耐
粒界腐食性が低下するという問題が生じるのが通常であ
る。
しては軽量化が強く要請され、またコスト低減の要求も
強く、そこで熱交換器に使用されるブレージングシート
の芯材としても薄肉化が求められるようになり、そこで
ブレージングシート芯材については、薄肉化しても充分
な高い耐久性・信頼性が確保されるように高強度化が強
く求められている。また自動車のボディシート等の用途
においても、同様に軽量化、コスト低減の要請から薄肉
化が求められ、そのためより一層の高強度化が強く要請
されている。しかしながら、一般にAl−Cu系合金に
おいては、高強度化を図ろうとすれば、耐食性、特に耐
粒界腐食性が低下するという問題が生じるのが通常であ
る。
【0004】ブレージングシート芯材等に使用されるア
ルミニウム合金について、耐食性を高めるための手法と
しては、従来から、 A:防食のための表面処理を行なう、 B:ブレージングシートの芯材として用いる場合、その
芯材の電位をろう材に対し50〜100mV程度貴にし
て、ろう材を犠牲陽極材として作用させることにより芯
材を防食する、 C:上記AおよびBの手法を組合せる、などの手法が実
用化されもしくは提案されている。
ルミニウム合金について、耐食性を高めるための手法と
しては、従来から、 A:防食のための表面処理を行なう、 B:ブレージングシートの芯材として用いる場合、その
芯材の電位をろう材に対し50〜100mV程度貴にし
て、ろう材を犠牲陽極材として作用させることにより芯
材を防食する、 C:上記AおよびBの手法を組合せる、などの手法が実
用化されもしくは提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の耐
食性向上のためのA〜Cに述べたような手法では、一般
的な耐食性は確かに若干は向上するが、耐粒界腐食性そ
のものを制御して、耐食性のうちでも特に粒界腐食性を
確実に向上させるには至っていないのが実情である。ま
た前述のAもしくはCのように表面処理による防食を期
待する手法では、工程数が増加して製造コストの増大を
招く問題があり、一方BもしくはCのように犠牲防食に
よる場合、電位の制御のために成分組成が制約され、他
の特性を犠牲にせざるを得ない場合も多いという問題も
あった。
食性向上のためのA〜Cに述べたような手法では、一般
的な耐食性は確かに若干は向上するが、耐粒界腐食性そ
のものを制御して、耐食性のうちでも特に粒界腐食性を
確実に向上させるには至っていないのが実情である。ま
た前述のAもしくはCのように表面処理による防食を期
待する手法では、工程数が増加して製造コストの増大を
招く問題があり、一方BもしくはCのように犠牲防食に
よる場合、電位の制御のために成分組成が制約され、他
の特性を犠牲にせざるを得ない場合も多いという問題も
あった。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、ブレージングシートの芯材や自動車のボディ
シート等の構造材、機械部品等として使用されるAl−
Cu系合金について、耐食性のうちでも特に耐粒界腐食
性を確実かつ充分に向上させることを目的としている。
たもので、ブレージングシートの芯材や自動車のボディ
シート等の構造材、機械部品等として使用されるAl−
Cu系合金について、耐食性のうちでも特に耐粒界腐食
性を確実かつ充分に向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するべく本願発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、
Al−Cu系合金に少量のBiを添加することによっ
て、耐粒界腐食性を確実かつ充分に向上させ得ることを
見出し、この発明をなすに至った。
するべく本願発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、
Al−Cu系合金に少量のBiを添加することによっ
て、耐粒界腐食性を確実かつ充分に向上させ得ることを
見出し、この発明をなすに至った。
【0008】具体的には、請求項1の発明のAl−Cu
系アルミニウム合金は、Cuを1.5%(重量%、以下
同じ)を越え7.0%以下、Biを0.01〜0.5%
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とするものである。
系アルミニウム合金は、Cuを1.5%(重量%、以下
同じ)を越え7.0%以下、Biを0.01〜0.5%
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなること
を特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明のAl−Cu系アルミ
ニウム合金は、請求項1に記載のAl−Cu系アルミニ
ウム合金の各成分元素のほか、さらにMg0.1〜2.
0%、Ti0.05〜0.3%、Mn0.1〜1.5
%、Cr0.05〜0.4%、Zr0.05〜0.4
%、V0.05〜0.4%のうちから選ばれた1種また
は2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなることを特徴とするものである。
ニウム合金は、請求項1に記載のAl−Cu系アルミニ
ウム合金の各成分元素のほか、さらにMg0.1〜2.
0%、Ti0.05〜0.3%、Mn0.1〜1.5
%、Cr0.05〜0.4%、Zr0.05〜0.4
%、V0.05〜0.4%のうちから選ばれた1種また
は2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなることを特徴とするものである。
【0010】さらに請求項3の発明のブレージング用A
l−Cu系アルミニウム合金は、Cuを0.1〜1.5
%、Biを0.01〜0.5%含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物よりなることを特徴とするものであ
る。
l−Cu系アルミニウム合金は、Cuを0.1〜1.5
%、Biを0.01〜0.5%含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物よりなることを特徴とするものであ
る。
【0011】そしてまた請求項4の発明のブレージング
用Al−Cu系アルミニウム合金は、請求項3に記載の
Al−Cu系アルミニウム合金の各成分元素のほか、さ
らにTi0.05〜0.3%、Mn0.1%以上0.5
%未満、Cr0.05〜0.4%、Zr0.05〜0.
4%、V0.05〜0.4%のうちから選ばれた1種ま
たは2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純
物よりなることを特徴とするものである。
用Al−Cu系アルミニウム合金は、請求項3に記載の
Al−Cu系アルミニウム合金の各成分元素のほか、さ
らにTi0.05〜0.3%、Mn0.1%以上0.5
%未満、Cr0.05〜0.4%、Zr0.05〜0.
4%、V0.05〜0.4%のうちから選ばれた1種ま
たは2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純
物よりなることを特徴とするものである。
【0012】また請求項5の発明のブレージング用Al
−Cu系アルミニウム合金は、請求項3もしくは請求項
4に記載のAl−Cu系アルミニウム合金の各成分元素
のほか、さらにMg0.1〜1.0%を含有し、かつS
iが0.2%未満に規制され、残部がAlおよび不可避
的不純物よりなることを特徴とするものである。
−Cu系アルミニウム合金は、請求項3もしくは請求項
4に記載のAl−Cu系アルミニウム合金の各成分元素
のほか、さらにMg0.1〜1.0%を含有し、かつS
iが0.2%未満に規制され、残部がAlおよび不可避
的不純物よりなることを特徴とするものである。
【0013】さらに請求項6の発明のAl−Cu系アル
ミニウム合金は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載
のAl−Cu系アルミニウム合金において、合金中に粒
径1〜20μmの金属Biが40〜2000個/mm2
の密度で分散していることを特徴とするものである。
ミニウム合金は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載
のAl−Cu系アルミニウム合金において、合金中に粒
径1〜20μmの金属Biが40〜2000個/mm2
の密度で分散していることを特徴とするものである。
【0014】一方請求項7の発明は、上述のようなAl
−Cu系合金を用いたブレージングシートについてのも
のである。すなわち、請求項7の発明のブレージングシ
ートは、請求項3〜請求項6のいずれかに記載のAl−
Cu系合金が芯材とされ、その芯材の両面もしくは片面
に、Al−Si系合金もしくはAl−Si−Mg系合金
またはAl−Si−Mg−Bi系合金からなるろう材が
皮材として形成されていることを特徴とするものであ
る。
−Cu系合金を用いたブレージングシートについてのも
のである。すなわち、請求項7の発明のブレージングシ
ートは、請求項3〜請求項6のいずれかに記載のAl−
Cu系合金が芯材とされ、その芯材の両面もしくは片面
に、Al−Si系合金もしくはAl−Si−Mg系合金
またはAl−Si−Mg−Bi系合金からなるろう材が
皮材として形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0015】
【作用】請求項1〜請求項2の各発明のAl−Cu系ア
ルミニウム合金、請求項3〜請求項6の各発明のブレー
ジング用Al−Cu系アルミニウム合金、および請求項
7の発明のブレージングシートにおける芯材のAl−C
u系アルミニウム合金においては、いずれも少量のBi
(ビスマス)を積極添加しており、このBiの添加によ
って耐粒界腐食性の確実かつ充分な向上を図ることがで
きた。
ルミニウム合金、請求項3〜請求項6の各発明のブレー
ジング用Al−Cu系アルミニウム合金、および請求項
7の発明のブレージングシートにおける芯材のAl−C
u系アルミニウム合金においては、いずれも少量のBi
(ビスマス)を積極添加しており、このBiの添加によ
って耐粒界腐食性の確実かつ充分な向上を図ることがで
きた。
【0016】このようにBiの添加によって耐粒界腐食
性が向上する理由は、完全には解明されていないが、B
iの析出分散効果によるものと考えられる。
性が向上する理由は、完全には解明されていないが、B
iの析出分散効果によるものと考えられる。
【0017】すなわち、一般にAl−Cu系のアルミニ
ウム合金においては、ろう付け加熱後の冷却過程あるい
は合金材製造過程における熱処理後の冷却過程では、金
属間化合物であるCuAl2 が析出し、かつその析出位
置は線状の粒界に限られるため、析出物が連続化しやす
い。一方粒界の析出物近傍では、Cuの析出によってC
uの欠乏相が出現し、この欠乏相では、その周囲のCu
が相対的に多量に固溶したAl地と比較して電位的に卑
となり、そのためCu欠乏相である粒界の析出物付近が
電気化学的に優先的に腐食され、連続化した粒界腐食に
至るものと考えられる。
ウム合金においては、ろう付け加熱後の冷却過程あるい
は合金材製造過程における熱処理後の冷却過程では、金
属間化合物であるCuAl2 が析出し、かつその析出位
置は線状の粒界に限られるため、析出物が連続化しやす
い。一方粒界の析出物近傍では、Cuの析出によってC
uの欠乏相が出現し、この欠乏相では、その周囲のCu
が相対的に多量に固溶したAl地と比較して電位的に卑
となり、そのためCu欠乏相である粒界の析出物付近が
電気化学的に優先的に腐食され、連続化した粒界腐食に
至るものと考えられる。
【0018】これに対しこの発明で添加しているBi
は、Alに対する固溶限が著しく低いため、鋳造凝固時
に金属Biとして晶出し、かつその後の圧延板中におい
て金属Biの位置は特に粒界に限られず、Al地に広く
分散して存在する。またBiはその融点が約271℃
と、Alに比べてかなり低い融点を有するため、ろう付
け加熱時や熱処理時あるいはその後の冷却過程の高温段
階では、Biは点状の独立した液体で分散していること
になる。そしてろう付け後や熱処理後の冷却過程におけ
る金属間化合物CuAl2 の析出時には、そのCuAl
2 は、粒界の部分よりもむしろ全体的に点状に分散した
液体のBiの部位に優先的に析出しやすくなる。そのた
めCuAl2 析出物は、Al地中に全体的に分散するこ
とになり、その結果、粒界に沿っての連続的な腐食も生
じにくくなり、耐粒界腐食性が向上するものと考えられ
る。
は、Alに対する固溶限が著しく低いため、鋳造凝固時
に金属Biとして晶出し、かつその後の圧延板中におい
て金属Biの位置は特に粒界に限られず、Al地に広く
分散して存在する。またBiはその融点が約271℃
と、Alに比べてかなり低い融点を有するため、ろう付
け加熱時や熱処理時あるいはその後の冷却過程の高温段
階では、Biは点状の独立した液体で分散していること
になる。そしてろう付け後や熱処理後の冷却過程におけ
る金属間化合物CuAl2 の析出時には、そのCuAl
2 は、粒界の部分よりもむしろ全体的に点状に分散した
液体のBiの部位に優先的に析出しやすくなる。そのた
めCuAl2 析出物は、Al地中に全体的に分散するこ
とになり、その結果、粒界に沿っての連続的な腐食も生
じにくくなり、耐粒界腐食性が向上するものと考えられ
る。
【0019】さらにこの発明における合金成分元素の限
定理由について述べる。
定理由について述べる。
【0020】Cu:Cuはこの発明で対象とする系の合
金で基本となる合金元素であり、強度を高める効果を有
すると同時に、電位を高めてブレージング用の材料とし
て耐食性を向上させる効果を有する。Cu量が0.1%
未満ではブレージング用として電位を高める効果が充分
に発揮されず、また1.5%以下では一般的な構造材等
の用途として強度が不足する。一方Cu量が1.5%を
越えれば、融点が低くなるためブレージング用としてろ
う付け性が低下し、さらに7.0%を越えれば一般的な
構造材等の用途において自己耐食性および成形性が低下
する。したがって一般的な構造材の用途を主目的として
いる請求項1、請求項2の発明の場合はCu量を1.5
%越え7.0%以下の範囲内とし、ブレージングシート
用芯材などブレージング用の用途を対象とする請求項3
〜請求項5、請求項7の発明の場合にはCu量を0.1
〜1.5%の範囲内とした。
金で基本となる合金元素であり、強度を高める効果を有
すると同時に、電位を高めてブレージング用の材料とし
て耐食性を向上させる効果を有する。Cu量が0.1%
未満ではブレージング用として電位を高める効果が充分
に発揮されず、また1.5%以下では一般的な構造材等
の用途として強度が不足する。一方Cu量が1.5%を
越えれば、融点が低くなるためブレージング用としてろ
う付け性が低下し、さらに7.0%を越えれば一般的な
構造材等の用途において自己耐食性および成形性が低下
する。したがって一般的な構造材の用途を主目的として
いる請求項1、請求項2の発明の場合はCu量を1.5
%越え7.0%以下の範囲内とし、ブレージングシート
用芯材などブレージング用の用途を対象とする請求項3
〜請求項5、請求項7の発明の場合にはCu量を0.1
〜1.5%の範囲内とした。
【0021】Bi:Biは前述のように耐粒界腐食性を
向上させるに有効である。Bi量が0.01%未満では
その効果が充分に発揮されず、一方0.5%を越えて多
量にBiを添加しても耐粒界腐食性向上効果は飽和し、
経済的に無駄となるだけであるから、Bi量は0.01
〜0.5%の範囲内とした。
向上させるに有効である。Bi量が0.01%未満では
その効果が充分に発揮されず、一方0.5%を越えて多
量にBiを添加しても耐粒界腐食性向上効果は飽和し、
経済的に無駄となるだけであるから、Bi量は0.01
〜0.5%の範囲内とした。
【0022】Mg,Ti,Mn,Cr,Zr,V:これ
らの元素はいずれも強度の向上に寄与するから、一般的
な構造材の用途を主目的とする請求項2の発明のAl−
Cu系合金において、Mg,Ti,Mn,Cr,Zr,
Vのうちのいずれか1種または2種以上を添加すること
とし、またブレージング用を対象とする請求項4の発明
のAl−Cu系合金において、Ti,Mn,Cr,Z
r,Vのうちの1種以上を添加することとし、さらに同
じくブレージング用を対象とする請求項5の発明のAl
−Cu系合金においてMgを添加することとした。これ
らのうち、Mgは強度を高めるために有効であるが、そ
の添加量が0.1%未満では強度向上の効果が充分に発
揮されず、一方Mg添加量が1.0%を越えればろう付
け時におけるろうの浸み込み感受性が高くなり、さらに
2.0%を越えれば成形性が低下する。したがって主に
一般的な構造材の用途を考慮している請求項2の発明の
場合はMg量を0.1〜2.0%の範囲内とし、またブ
レージングを用途とする請求項5の発明の場合はMg量
を0.1〜1.0%の範囲内とした。またTiは結晶粒
の微細化を通じて強度の向上に寄与すると同時に、腐食
形態をピット状から層状に変化させ、これにより最大腐
食深さを小さくして耐食性を向上させるに寄与するが、
その添加量が0.05%未満ではこれらの効果が充分に
発揮されず、一方0.3%を越えればこれらの効果が飽
和し、経済的に無駄となるだけであるから、Tiの添加
量は0.05〜0.3%の範囲内とした。またMnは固
溶により強度を高めるに寄与するが、Mn量が0.1%
未満ではその効果が充分に得られず、一方Mn量が0.
5%以上となれば、Cuとの共存下ではブレージング時
の低歪加工部へのろうの浸み込み性が増してろう付け性
が低下し、さらにMn量が1.5%を越えれば成形性を
劣化させる。そこで一般的な構造材を主用途とする請求
項2の発明のAl−Cu系合金の場合はMn量を0.1
〜1.5%の範囲内とし、一方ブレージング用を対象と
する請求項4の発明のAl−Cu系合金の場合はMn量
を0.1%以上0.5%未満とした。さらにCr,Z
r,Vは、固溶により強度を高めるに寄与するが、いず
れもその添加量が0.05%未満ではその効果が充分に
発揮されず、一方0.4%を越えれば巨大晶出物を形成
して成形性を劣化させるから、Cr,Zr,Vの添加量
はいずれも0.05〜0.4%の範囲内とした。
らの元素はいずれも強度の向上に寄与するから、一般的
な構造材の用途を主目的とする請求項2の発明のAl−
Cu系合金において、Mg,Ti,Mn,Cr,Zr,
Vのうちのいずれか1種または2種以上を添加すること
とし、またブレージング用を対象とする請求項4の発明
のAl−Cu系合金において、Ti,Mn,Cr,Z
r,Vのうちの1種以上を添加することとし、さらに同
じくブレージング用を対象とする請求項5の発明のAl
−Cu系合金においてMgを添加することとした。これ
らのうち、Mgは強度を高めるために有効であるが、そ
の添加量が0.1%未満では強度向上の効果が充分に発
揮されず、一方Mg添加量が1.0%を越えればろう付
け時におけるろうの浸み込み感受性が高くなり、さらに
2.0%を越えれば成形性が低下する。したがって主に
一般的な構造材の用途を考慮している請求項2の発明の
場合はMg量を0.1〜2.0%の範囲内とし、またブ
レージングを用途とする請求項5の発明の場合はMg量
を0.1〜1.0%の範囲内とした。またTiは結晶粒
の微細化を通じて強度の向上に寄与すると同時に、腐食
形態をピット状から層状に変化させ、これにより最大腐
食深さを小さくして耐食性を向上させるに寄与するが、
その添加量が0.05%未満ではこれらの効果が充分に
発揮されず、一方0.3%を越えればこれらの効果が飽
和し、経済的に無駄となるだけであるから、Tiの添加
量は0.05〜0.3%の範囲内とした。またMnは固
溶により強度を高めるに寄与するが、Mn量が0.1%
未満ではその効果が充分に得られず、一方Mn量が0.
5%以上となれば、Cuとの共存下ではブレージング時
の低歪加工部へのろうの浸み込み性が増してろう付け性
が低下し、さらにMn量が1.5%を越えれば成形性を
劣化させる。そこで一般的な構造材を主用途とする請求
項2の発明のAl−Cu系合金の場合はMn量を0.1
〜1.5%の範囲内とし、一方ブレージング用を対象と
する請求項4の発明のAl−Cu系合金の場合はMn量
を0.1%以上0.5%未満とした。さらにCr,Z
r,Vは、固溶により強度を高めるに寄与するが、いず
れもその添加量が0.05%未満ではその効果が充分に
発揮されず、一方0.4%を越えれば巨大晶出物を形成
して成形性を劣化させるから、Cr,Zr,Vの添加量
はいずれも0.05〜0.4%の範囲内とした。
【0023】Si:Siは通常のAl合金において不可
避的不純物として含有され、通常は0.7%程度までは
許容されるが、SiがMgと共存する場合、SiはMg
2 Si化合物を形成し、その化合物が耐粒界腐食性を低
下させる。そこでMgと共存する場合、すなわち請求項
5の発明のAl−Cu系合金の場合には、Si量を0.
2%未満に規制することとした。
避的不純物として含有され、通常は0.7%程度までは
許容されるが、SiがMgと共存する場合、SiはMg
2 Si化合物を形成し、その化合物が耐粒界腐食性を低
下させる。そこでMgと共存する場合、すなわち請求項
5の発明のAl−Cu系合金の場合には、Si量を0.
2%未満に規制することとした。
【0024】以上のほか、不純物としてはFeが含有さ
れるのが通常であり、Fe量は可及的に少ないことが望
まれるが、0.7%程度までは許容される。
れるのが通常であり、Fe量は可及的に少ないことが望
まれるが、0.7%程度までは許容される。
【0025】さらに耐粒界腐食性の効果を充分に発揮さ
せるためには、Al地中に分散するBiの粒径、密度も
重要であり、これを請求項6において規定した。合金中
のBiの粒径(粒子の形状を円形に置き換えた場合の直
径換算)が1μm未満、Bi含有密度が40個/mm2
未満では、Biによる耐粒界腐食性向上効果が充分に得
られず、一方Biの粒径が20μmを越えたりまたBi
の分布密度が2000個/mm2 を越えれば、Biによ
る耐粒界腐食性向上効果が飽和するから、Biの粒径は
1〜20μmの範囲内、Biの分布密度は40〜200
0個/mm2 の範囲内とした。
せるためには、Al地中に分散するBiの粒径、密度も
重要であり、これを請求項6において規定した。合金中
のBiの粒径(粒子の形状を円形に置き換えた場合の直
径換算)が1μm未満、Bi含有密度が40個/mm2
未満では、Biによる耐粒界腐食性向上効果が充分に得
られず、一方Biの粒径が20μmを越えたりまたBi
の分布密度が2000個/mm2 を越えれば、Biによ
る耐粒界腐食性向上効果が飽和するから、Biの粒径は
1〜20μmの範囲内、Biの分布密度は40〜200
0個/mm2 の範囲内とした。
【0026】なおBiの粒径および分布密度を上述のよ
うに制御することは、Biの添加量の調整のみならず、
鋳造法、鋳造条件を適切に選択、調整することによって
可能である。ここで、鋳造法、鋳造条件は特に限定され
ないが、例えばDC鋳造法(半連続鋳造法)であれば凝
固速度10cm/分程度が好ましい。
うに制御することは、Biの添加量の調整のみならず、
鋳造法、鋳造条件を適切に選択、調整することによって
可能である。ここで、鋳造法、鋳造条件は特に限定され
ないが、例えばDC鋳造法(半連続鋳造法)であれば凝
固速度10cm/分程度が好ましい。
【0027】なおまた、この発明のAl−Cu系合金の
製造にあたって、鋳造以外のプロセスおよびその条件
は、常法に従って定めれば良い。
製造にあたって、鋳造以外のプロセスおよびその条件
は、常法に従って定めれば良い。
【0028】さらに請求項7の発明においては、上述の
ようなAl−Cu系合金を芯材とし、その片面もしくは
両面に皮材としてろう材をクラッドしたブレージングシ
ートを提供している。このろう材としては、Al−Si
系合金、Al−Si−Mg系合金、またはAl−Si−
Mg−Bi系合金が使用される。具体的には例えば通常
のろう材用合金である4003合金、4004合金、4
104合金、4005合金、4N04合金、4045合
金、4343合金、4145合金、4047合金等が使
用されるが、これらに限定されるものではない。またろ
う材(皮材)のクラッド率は片面当り5〜20%程度が
通常であるが、特にこの範囲内に限定されるものではな
い。
ようなAl−Cu系合金を芯材とし、その片面もしくは
両面に皮材としてろう材をクラッドしたブレージングシ
ートを提供している。このろう材としては、Al−Si
系合金、Al−Si−Mg系合金、またはAl−Si−
Mg−Bi系合金が使用される。具体的には例えば通常
のろう材用合金である4003合金、4004合金、4
104合金、4005合金、4N04合金、4045合
金、4343合金、4145合金、4047合金等が使
用されるが、これらに限定されるものではない。またろ
う材(皮材)のクラッド率は片面当り5〜20%程度が
通常であるが、特にこの範囲内に限定されるものではな
い。
【0029】さらにこの発明のAl−Cu系アルミニウ
ム合金を用いてのろう付け方法としては、真空ろう付
け、フラックスろう付け、非腐食性フラックスろう付け
等が適用されるが、特にこれらに限定されるものではな
く、いずれのろう付け法の場合にもこの発明の効果を充
分に発揮させることができる。
ム合金を用いてのろう付け方法としては、真空ろう付
け、フラックスろう付け、非腐食性フラックスろう付け
等が適用されるが、特にこれらに限定されるものではな
く、いずれのろう付け法の場合にもこの発明の効果を充
分に発揮させることができる。
【0030】
実施例1 表1の合金No.1〜No.6に示す合金を常法に従っ
て溶製し、DC鋳造法によって凝固速度約10cm/分
で鋳造し、鋳塊を得た。各鋳塊について、面削、均質化
処理を行なった後、常法に従って熱間圧延し、さらに冷
間圧延を行ない焼鈍を加えて、板厚0.6mmの合金板
を得た。その後溶体化処理(550℃×180sec加
熱後冷却)を行ない、さらに自然時効を行ない、腐食試
験用試料を得た。
て溶製し、DC鋳造法によって凝固速度約10cm/分
で鋳造し、鋳塊を得た。各鋳塊について、面削、均質化
処理を行なった後、常法に従って熱間圧延し、さらに冷
間圧延を行ない焼鈍を加えて、板厚0.6mmの合金板
を得た。その後溶体化処理(550℃×180sec加
熱後冷却)を行ない、さらに自然時効を行ない、腐食試
験用試料を得た。
【0031】上記の各腐食試験用試料について、AlC
l3 水溶液中(pH=3)で定電流(1mA/cm2 )
によるアノード溶解を行ない、その後断面観察により粒
界腐食の発生程度を観察評価した。その評価は最大腐食
部断面での3mm2 当りの粒界腐食長さの総計で行なっ
た。その結果を表2中に示す。また各合金板の腐食試験
前におけるBiの分布密度、サイズを断面のミクロ観察
(×500倍)により調べたので、その結果も表2中に
示す。なおBiの分布密度は3断面の平均値を示し、サ
イズは3断面すべての最小値と最大値で示した。
l3 水溶液中(pH=3)で定電流(1mA/cm2 )
によるアノード溶解を行ない、その後断面観察により粒
界腐食の発生程度を観察評価した。その評価は最大腐食
部断面での3mm2 当りの粒界腐食長さの総計で行なっ
た。その結果を表2中に示す。また各合金板の腐食試験
前におけるBiの分布密度、サイズを断面のミクロ観察
(×500倍)により調べたので、その結果も表2中に
示す。なおBiの分布密度は3断面の平均値を示し、サ
イズは3断面すべての最小値と最大値で示した。
【0032】表2から明らかなように、実施例1におけ
るBiを添加した本発明例の合金板ではいずれも粒界腐
食長さがBiを添加していない比較例の合金板と比較し
て格段に短く、耐粒界腐食性が優れていることが確認さ
れた。
るBiを添加した本発明例の合金板ではいずれも粒界腐
食長さがBiを添加していない比較例の合金板と比較し
て格段に短く、耐粒界腐食性が優れていることが確認さ
れた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例2 ブレージングシートの芯材用として表3に示した各合金
No.7〜No.14を、ろう材(皮材)用としてJI
S A4004合金を、それぞれ実施例1と同様に溶解
鋳造して鋳塊を得た。これら鋳塊を面削、均質化処理を
行なった後、芯材用合金は板厚40mmに、ろう材は板
厚5mmにそれぞれ熱間圧延した。次に上記の芯材用合
金板の両面にろう材をそれぞれ重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドした後、冷間圧延を行ない、焼鈍を加えて板
厚0.6mmの両面クラッドブレージングシートを製造
した。その後、真空ろう付け(加熱条件605℃×18
0sec、真空度5×10-3Pa)によりろう付け加熱
を行ない、腐食試験用試料を得、実施例1と同様に腐食
試験を行なった。そしてろう材をエッチング除去して実
施例1と同様にして芯材の粒界腐食を観察評価した。そ
の結果を表4中に示す。また各ブレージングシート芯材
の腐食試験前におけるBiの分布密度、サイズを断面の
ミクロ観察により調べたので、その結果も表4中に示
す。
No.7〜No.14を、ろう材(皮材)用としてJI
S A4004合金を、それぞれ実施例1と同様に溶解
鋳造して鋳塊を得た。これら鋳塊を面削、均質化処理を
行なった後、芯材用合金は板厚40mmに、ろう材は板
厚5mmにそれぞれ熱間圧延した。次に上記の芯材用合
金板の両面にろう材をそれぞれ重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドした後、冷間圧延を行ない、焼鈍を加えて板
厚0.6mmの両面クラッドブレージングシートを製造
した。その後、真空ろう付け(加熱条件605℃×18
0sec、真空度5×10-3Pa)によりろう付け加熱
を行ない、腐食試験用試料を得、実施例1と同様に腐食
試験を行なった。そしてろう材をエッチング除去して実
施例1と同様にして芯材の粒界腐食を観察評価した。そ
の結果を表4中に示す。また各ブレージングシート芯材
の腐食試験前におけるBiの分布密度、サイズを断面の
ミクロ観察により調べたので、その結果も表4中に示
す。
【0036】表4から明らかなように、ブレージングシ
ートとした実施例2の場合においても、本発明例の芯材
用のAl−Cu系合金は耐粒界腐食性が著しく優れてい
ることが確認された。
ートとした実施例2の場合においても、本発明例の芯材
用のAl−Cu系合金は耐粒界腐食性が著しく優れてい
ることが確認された。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】請求項1、請求項3、請求項6の発明の
Al−Cu系アルミニウム合金は、従来のAl−Cu系
合金と比較して耐粒界腐食性が著しく優れており、その
ため熱交換器や自動車用ボディシート等に使用すればそ
の耐久性、信頼性を向上させることができ、また充分な
耐粒界腐食性を確保しつつ高強度化を達成できるため、
熱交換器や自動車用ボディシート等に使用するにあたっ
て薄肉化を図り、熱交換器や自動車等の軽量化、コスト
低減を図ることができる。
Al−Cu系アルミニウム合金は、従来のAl−Cu系
合金と比較して耐粒界腐食性が著しく優れており、その
ため熱交換器や自動車用ボディシート等に使用すればそ
の耐久性、信頼性を向上させることができ、また充分な
耐粒界腐食性を確保しつつ高強度化を達成できるため、
熱交換器や自動車用ボディシート等に使用するにあたっ
て薄肉化を図り、熱交換器や自動車等の軽量化、コスト
低減を図ることができる。
【0040】また請求項2、請求項4、請求項5の発明
のAl−Cu系合金は、前記同様に耐粒界腐食性が優れ
ると同時に、高強度化も達成され、そのため熱交換器の
フィン材あるいは自動車のボディシート等における薄肉
化を実現して、熱交換器や自動車等の軽量化、コスト低
減を実際に図ることができる。
のAl−Cu系合金は、前記同様に耐粒界腐食性が優れ
ると同時に、高強度化も達成され、そのため熱交換器の
フィン材あるいは自動車のボディシート等における薄肉
化を実現して、熱交換器や自動車等の軽量化、コスト低
減を実際に図ることができる。
【0041】そしてまた請求項7の発明のブレージング
シートは、前述のような耐粒界腐食性に著しく優れたA
l−Cu系アルミニウム合金を芯材として用いているた
め、ブレージングシート全体としてその耐食性を従来よ
りも格段に高めることができる。
シートは、前述のような耐粒界腐食性に著しく優れたA
l−Cu系アルミニウム合金を芯材として用いているた
め、ブレージングシート全体としてその耐食性を従来よ
りも格段に高めることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 Cuを1.5%(重量%、以下同じ)を
越え7.0%以下、Biを0.01〜0.5%含有し、
残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴と
する、耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム
合金。 - 【請求項2】 請求項1に記載のAl−Cu系アルミニ
ウム合金の各成分元素のほか、さらにMg0.1〜2.
0%、Ti0.05〜0.3%、Mn0.1〜1.5
%、Cr0.05〜0.4%、Zr0.05〜0.4
%、V0.05〜0.4%のうちから選ばれた1種また
は2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなることを特徴とする、耐粒界腐食性に優れたAl
−Cu系アルミニウム合金。 - 【請求項3】 Cuを0.1〜1.5%、Biを0.0
1〜0.5%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなることを特徴とする、耐粒界腐食性に優れたブレ
ージング用Al−Cu系アルミニウム合金。 - 【請求項4】 請求項3に記載のAl−Cu系アルミニ
ウム合金の各成分元素のほか、さらにTi0.05〜
0.3%、Mn0.1%以上0.5%未満、Cr0.0
5〜0.4%、Zr0.05〜0.4%、V0.05〜
0.4%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有
し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特
徴とする、耐粒界腐食性に優れたブレージング用Al−
Cu系アルミニウム合金。 - 【請求項5】 請求項3もしくは請求項4に記載のAl
−Cu系アルミニウム合金の各成分元素のほか、さらに
Mg0.1〜1.0%を含有し、かつSiが0.2%未
満に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりな
ることを特徴とする、耐粒界腐食性に優れたブレージン
グ用Al−Cu系アルミニウム合金。 - 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
Al−Cu系アルミニウム合金において、合金中に粒径
1〜20μmの金属Biが40〜2000個/mm2 の
密度で分散していることを特徴とする、耐粒界腐食性に
優れたAl−Cu系アルミニウム合金。 - 【請求項7】 請求項3〜請求項6のいずれかに記載の
Al−Cu系合金が芯材とされ、その芯材の両面もしく
は片面に、Al−Si系合金もしくはAl−Si−Mg
系合金またはAl−Si−Mg−Bi系合金からなるろ
う材が皮材として形成されていることを特徴とする、耐
粒界腐食性に優れたブレージングシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28442994A JPH08120389A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム合金およびそれを用いたブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28442994A JPH08120389A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム合金およびそれを用いたブレージングシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120389A true JPH08120389A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17678442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28442994A Pending JPH08120389A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 耐粒界腐食性に優れたAl−Cu系アルミニウム合金およびそれを用いたブレージングシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120389A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8283050B2 (en) * | 2007-03-20 | 2012-10-09 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy material and aluminum alloy brazing sheet |
US8413876B2 (en) | 2003-11-28 | 2013-04-09 | Constellium France | Aluminium alloy strip for brazing |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP28442994A patent/JPH08120389A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8413876B2 (en) | 2003-11-28 | 2013-04-09 | Constellium France | Aluminium alloy strip for brazing |
US8283050B2 (en) * | 2007-03-20 | 2012-10-09 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy material and aluminum alloy brazing sheet |
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