JPH08119543A - エレベーターの呼び登録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベーターの呼び登録装置をテンキー方式
としたときに、特定階の呼び登録を簡便にして操作性の
向上を図ることができるエレベーターの呼び登録装置を
提供する。 【構成】 行先階床登録の操作ボタンを、テンキー１１
とダイレクトボタン（特定階行先階ボタン）１２Ａ，１
２Ｂ，１２Ｃとによって構成し、ダイレクトボタンに割
り当てる行先階は適宜変更可能とし、また、エレベータ
ーの進行方向のみに特定階を限定したり、学習機能によ
り呼び登録回数の多い階に特定階を設定して必要最少限
のダイレクトボタン１２数で、エレベーターの運行に対
処する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベーターの行先階
を指定もしくは登録するエレベーターの呼び登録装置に
係り、特にテンキー方式のボタン操作を簡略化すること
ができるエレベーターの呼び登録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的にかご内操作盤に設ける行先階ボ
タンは、各階床毎に階床を指定するボタンを設ける方式
が採用されている。このような方式では、階床数が多く
なるとそれに比例して行先階ボタンの数が増えるため、
目的のボタンを捜し出すのに手間がかかり、また、多数
のボタンを並べるためのスペースの確保などの問題が生
じてくる。その問題を解決するため、例えば特開昭５９
−１５８７７２号公報に開示されているようなテンキー
方式の呼び登録装置が注目されてきている。しかし、こ
の方式では必ず最低２回、２桁の階では３回ボタンを押
さなければならないため呼び登録に時間がかかる。すな
わち、テンキーで行先階を入力したとき、１桁の階床か
２桁の階床か制御装置にとっては不明のため、必ず登録
完了を制御装置側に通知しなければならない。例えば本
人が２階からエレベーターに乗り込んで４階に行きたい
とすると、テンキーで４を押しただけでは、制御装置側
では４階なのか４０何階なのか確定しないので、エレベ
ーターの行先階の登録はできないことになる。そこで、
４階か、例えば４４階かを登録完了した旨、もしくは登
録を確認した旨をボタンで入力する必要があり、ボタン
を押す操作回数がどうしても増えてしまう。

【０００３】そこで、その改善策として特開平２−３１
０２７２号公報に開示されているように、予め定めた特
定階（例えば隣の階床）については階床表示器に表示し
て、その階へ行きたい乗客は登録ボタンの操作１回のみ
で呼び登録可能とする方式が知られている。又、この公
知例では、特定階を複数設定するときは階床表示器に特
定階を順次表示し、目的の階が表示されたところで登録
ボタンを押す方式としている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、後者の方式で
は、ボタン操作回数が低減された点では、前者の方式よ
りも便利になっているが、階床表示器を見ながら登録ボ
タンの操作をしなければならないため、操作性に難点が
ある。特に特定階が複数の時は目的の階が表示されたと
ころで登録ボタンを押さなければならないため、呼び登
録に時間がかかる。 本発明はこのような従来技術の実
状に鑑みてなされたもので、その目的は、特定階の呼び
登録を簡便にすることができる使用性に優れたエレベー
ターの呼び登録装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エレベーターの行先階を入力する操作ボ
タンを操作し、行先階床を登録してエレベーターを当該
階に停止させるエレベーターの呼び登録装置において、
前記ボタンが、行先階を任意に指定するためのテンキー
と、あらかじめ設定された特定階の行先階ボタンとから
なることを特徴としている。

【０００６】この場合、前記特定階の行先階ボタンに割
り当てる行先階を任意設定する設定手段を設けるとよ
く、設定手段は、さらに、設定する行先階を、エレベー
ターの進行方向のみに限定するように構成することも、
学習により呼び登録回数の多い階に自動的に決定するよ
うに構成することもできる。

【０００７】

【作用】上記手段によれば、特定階の呼び登録は特定階
の行先階ボタンを単に１回押せば良いので、最少限の操
作で済むことになり、操作性が向上する。又、特定階の
行先階ボタンによる呼び登録をエレベーターの進行方向
のみに限定したり、学習により呼び登録回数の多い階に
自動決定することによって、不要なダイレクトボタンが
なくなり、必要最少限のダイレクトボタン個数とするこ
とができる。これによって、操作性が更に向上するとと
もに、表示盤の構造も簡単になる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照し、本発明の実施例につい
て説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例に係るエレベータ
ー装置のかご内操作盤を示す正面図である。同図におい
て、かご内操作盤１には、上方に操作ガイダンス表示部
２，３，４、中段にテンキー１１、下段に特定階の行先
階を示すボタン（以下、「ダイレクトボタン」と称す
る。）１２がそれぞれ設けられている。また、上段と中
段との間には入力階床表示部５，６，７と、階床取消ボ
タン８及び階床確認ボタン９がそれぞれ配設されてい
る。

【００１０】操作ガイダンス表示部２，３，４は、それ
ぞれあらかじめ設定された下記の表示をＬＥＤ等を使用
したランプで点灯させて表示するようになっている。こ
の表示内容は符号２で示されるものが「下のボタンで行
先階を選んでください。」、符号３で示されるものが、
「確認ボタンを押してください。」、符号４で示される
ものが「予約されました。」というものである。入力階
床表示部はランプで地下５と屋上６を表示するランプ
と、階数を表示する１６セグメントＬＥＤ７とからな
り、テンキー１１やダイレクトボタン１２で入力した階
床を表示する。ダイレクトボタン１２は図からもわかる
ように３個（１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ）設けられてい
る。階床取消ボタン８はテンキー１１で入力した階床を
取り消すためのもので、階床確認ボタン９はテンキー１
１で入力した階床をかご呼びとして登録するためのもの
である。なお、階床確認ボタン９上に設けられたＬＥＤ
１０は確認ボタン９を押すことを促すためのものであ
る。

【００１１】図２は本発明の一実施例のソフトウエア構
成を示すブロック図である。同図において、操作盤制御
プログラム２０には、テンキー１１からの入力バッファ
２１及びダイレクトボタン１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃから
の入力バッファ２２からそれぞれテンキー入力及びダイ
レクトボタン入力が入力される。また、テンキー１１及
びダイレクトボタン１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃからの入力
階床を記憶する一時記憶メモリ２３が操作盤制御プログ
ラム２０と入出力可能に接続されている。

【００１２】操作盤制御プログラム２０には、また、ラ
ンプ２〜７，１０（ガイダンス表示部２〜４、入力階床
表示部５〜７、及びＬＥＣ１０）、ダイレクトボタン１
２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの応答灯出力バッファ２４及びか
ご呼びメモリ２５が接続され、操作盤制御プログラム２
０は、テンキー及びダイレクトボタンからの入力信号を
もとに、前記応答灯出力バッファ２４への出力とかご呼
びメモリ２５への出力を行なう。エレベーターは、この
かご呼びメモリ２５に登録されたかご呼びの階に応答す
ることとなる。

【００１３】このように構成される操作盤制御プログラ
ム２０の動作を図３のフローチャートに基づいて説明す
る。

【００１４】この動作では、まずステップＳ１で、操作
ガイダンス表示部ランプ２「下のボタンで行先階を選ん
でください。」を点灯する。次にステップＳ２で、テン
キー１１が押されたかどうか判定し、押されていなけれ
ばステップＳ１５でダイレクトボタン１２のいずれかが
押されたかどうか判定し、押されていなければステップ
Ｓ１へ戻る。

【００１５】ステップＳ２で、テンキー１１が押されて
いれば、ステップＳ３で下記動作を行なう。 （Ｓ３−１）１桁目のテンキー信号を一時記憶メモリ２
３のＭ１に記憶する。 （Ｓ３−２）一時記憶メモリ２３のＭ１の内容を入力階
床表示部７へ出力する。 （Ｓ３−３）操作ガイダンス表示部２の「下のボタンで
行先階を選んでください。」のランプを消灯する。 （Ｓ３−４）操作ガイダンス表示部３の「確認ボタンを
押してください。」のランプを点灯する。 （Ｓ３−５）確認ボタン部９ＬＥＤ１０を点滅させる。

【００１６】ステップＳ３の各処理が終了すると、ステ
ップＳ４で、テンキー１１が押されたかどうか、すなわ
ち２桁目の数字が入力されたかどうか再度判定し、押さ
れていればステップＳ５で下記動作を行なう。 （Ｓ５−１）一時記憶メモリ２３のＭ１の内容（１桁目
の数字）をＭ１０にシフトする。 （Ｓ５−２）テンキー信号を一時記憶メモリＭ１に記憶
する。すなわち、ステップ４で入力された２桁目の数字
をメモリＭ１に記憶する。 （Ｓ５−３）一時記憶メモリ２３のＭ１、Ｍ１０の内容
を入力階床表示部７へ出力する。 したがって、有力階床が２桁の場合、１０の桁の数字が
Ｍ１０に、１の桁の数字がＭ１にそれぞれ記憶される。

【００１７】ステップＳ５の各処理が終了すると、ステ
ップＳ６で取消ボタン８が押されたかどうか判定し、押
されていればステップＳ１７で一時記憶メモリ２３のＭ
１、Ｍ１０の内容を消去しステップＳ１の処理に戻る。
もし取消ボタン８が押されなければ、次のステップＳ７
で確認ボタン９が押されたかどうか判定し、押されなけ
ればステップＳ６へ戻り、押されれば次のステップＳ８
に進む。

【００１８】一方、ステップＳ２でテンキー１１が押さ
れずステップＳ１５でダイレクトボタン１２が押された
場合は、ステップＳ１６でダイレクトボタン１２Ａ，１
２Ｂ，１２Ｃの階床を一時記憶メモリ２３のＭ１、Ｍ１
０に記憶し、ステップＳ８に進む。

【００１９】ステップＳ８では、ステップＳ７から進ん
できた場合においてもステップＳ１６から進んできた場
合においても、一時記憶メモリ２３のＭ１、Ｍ１０に記
憶された登録階が停止階かどうか判定し、停止階でなけ
ればステップＳ１の処理から再度処理を繰り返し、停止
階なら登録を許可し、ステップＳ９で一時記憶メモリ２
３のＭ１、Ｍ１０の内容をかご呼びメモリ２５にコピー
する。これは、高階床エレベーターにおいては、あらか
じめ不停止階を設定しておき、そのエレベーターでは当
該不停止階には停止しないように設定しておく場合があ
ることを考慮してのことである。このように不停止階の
設定は、複数のエレベーターを例えば群制御によって運
行制御する際に、しばしば行われている。

【００２０】次にステップＳ１０で、かご呼びメモリ２
５にコピーされたかご呼び登録階がダイレクトボタン１
２の階床であるか判定し、そうであればステップＳ１１
で、該当するダイレクトボタン１２の応答灯を点灯す
る。この場合、応答灯とは、図においてダイレクトボタ
ン１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの背後にあらかじめ設けられ
た照明灯のことで、いずれかのダイレクトボタン１２
Ａ，１２Ｂ，１２Ｃを押すと、その押されたダイレクト
ボタンが点灯し、押圧操作した特定階が明確にわかるよ
うにした灯のことである。

【００２１】最後に、ステップＳ１２で、操作ガイダン
ス表示部２の「下のボタンで行先階を選んでくださ
い。」のランプ、操作ガイダンス表示部３の「確認ボタ
ンを押してください。」のランプ、及び確認ボタン９の
ＬＥＤ１０が点灯していたなら消灯し、操作ガイダンス
表示部４の「予約されました。」のランプを点灯する。
その後、ステップＳ１３で３秒経過したなら、ステップ
Ｓ１４で操作ガイダンス表示部４の「予約されまし
た。」のランプと、入力階床表示部７の表示を消灯し、
ステップＳ１に戻って操作待機状態となる。

【００２２】このように上記実施例によれば、極めて細
かなガイダンス表示２，３，４と、ダイレクトボタン１
２を装備しているので、比較的単純な構成で操作性の良
いかご内操作盤１を提供できる。なお、上記実施例では
ダイレクトボタン１２に単純な押しボタンを用いたが、
タッチパネルや文字表示（ドットマトリクスＬＥＤ）付
きボタンを用いたり、ダイレクトボタン１２の横に表示
器（ＥＬ，液晶等）を設置すると、ダイレクトボタン１
２に割り当てる特定階を変化させることができる。な
お、全体的にタッチパネルとすることもできるし、特定
の操作部のみタッチパネルとすることも可能である。

【００２３】引き続き、このようにダイレクトボタン１
２の横に表示器を設置した実施例について説明する。

【００２４】図４は、図１のかご内操作盤１のダイレク
トボタン１２部を、３つの押しボタン１４（１４Ａ，１
４Ｂ，１４Ｃ）と表示器（ＥＬ，液晶等）１３で構成し
たものである。この表示器１３により押しボタン１４
Ａ，１４Ｂ，１４Ｃがどの階に該当するか分かるように
し、更にその階の利用案内を表示することができる。
又、この表示器１３を操作ガイダンス表示や入力階床表
示、他の案内メッセージ表示と兼用しても良い。

【００２５】図５は図４に示した実施例のように、表示
器１３を備えた構成のソフトウエア構成図である。この
例は図２のシステム構成に対し、ダイレクトボタン階床
選択プログラム２６、ワークメモリ２７、ダイレクトボ
タン階床メモリ２８、表示制御装置出力バッファ２９を
追加したものである。

【００２６】ダイレクトボタン階床選択プログラム２６
は、かご呼びメモリ２５の内容を監視して登録数の多い
階を学習してダイレクトボタン階床メモリ２８に設定
し、操作盤制御プログラム２０は、そのメモリ２８の内
容を参照して動作させるもので、そのメモリ２８の内容
は表示制御装置出力バッファ２９へ出力し、ダイレクト
ボタン１４（１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃ）の割当て階が表
示器１３に表示される。

【００２７】図６は、図５の構成としたときのダイレク
トボタン階床選択プログラム２６における処理手順を示
すフローチャートである。

【００２８】この処理では、まずステップＳ２１で、か
ご呼びメモリ２５を常時監視して各階のかご呼び登録回
数をカウントする。ステップＳ２２で所定時間経過した
らステップＳ２３でかご呼び登録回数の多い階から順に
ワークメモリ２７へ記憶する。最後にステップＳ２４で
ワークメモリ２７の中からエレベーターの進行方向の階
を上から所定個数取り出しダイレクトボタン階床メモリ
２８へ記憶する。

【００２９】なお、上記実施例では短時間学習による単
純な例を述べたが、各時間帯、各曜日毎のかご呼び登録
回数の統計を取り、時間帯、曜日にあわせてその時最適
なダイレクトボタン階床を選択することもできる。一日
の交通需要パターンがある程度固定化される事務所ビル
などにはこの方法が有効である。また、ダイレクトボタ
ン１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃに割当てる階床は、学習によ
らず外部から設定するように構成することも可能であ
り、管理人などが自由に設定することができる。なお、
上記実施例ではかご内操作盤の場合を示したが、乗り場
側にテンキー式の操作盤を設けた場合も同様の構成とす
ることができる。

【００３０】

【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発
明によれば以下のような効果がある。すなわち、エレベ
ーターの行先階を入力する操作ボタンを操作し、行先階
床を登録してエレベーターを当該階に停止させるエレベ
ーターの呼び登録装置において、前記ボタンを、行先階
を任意に指定するためのテンキーと、あらかじめ設定さ
れた特定階の行先階ボタンとから構成した請求項１記載
の発明によれば、頻繁に登録される特定階の呼び登録
は、特定階行先階ボタン（ダイレクトボタン）を１回だ
け押せばよいので、操作が簡単となり、操作性が向上す
る。

【００３１】特定階行先階ボタンに割り当てる行先階を
任意に設定する設定手段を備えた請求項２記載の発明に
よれば、運行モードや時間帯に応じて最も頻繁に登録さ
れる特定階の呼び登録を適宜変更することが可能とな
り、エレベーターの運行に即した特定階の設定変更が容
易となり、特定階行先階ボタンの個数を増すことなく必
要最小限の個数でエレベーターの運行に対処でき、操作
性が向上する。

【００３２】設定手段によって設定される行先階が、エ
レベーターの進行方向のみに限定された請求項３記載の
発明によれば、進行方向に応じて特定階の設定を行うこ
とができるので、不要な特定階行先階ボタンを省略する
ことが可能となり、必要最小限の特定階行先階ボタン個
数でエレベーターの運行に対処でき、操作性が向上す
る。

【００３３】設定手段によって設定される行先階が、学
習により呼び登録回数の多い階に自動的に決定される請
求項４記載の発明によれば、自動的に頻繁に登録される
階床に特定階が設定されるので、運行モードや時間帯に
応じて必要最小限の特定階行先階ボタン個数で済ますこ
とができ、操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るかご内操作盤の正面図で
ある。

【図２】実施例に係るかご内操作盤のソフトウエア構成
を示すブロック図である。

【図３】図２に示した操作盤制御プログラムの処理手順
を示すフローチャートである。

【図４】本発明の他の実施例におけるかご内操作盤のダ
イレクトボタン部を示す要部正面図である。

【図５】図４に示した他の実施例におけるソフトウエア
構成を示すブロック図である。

【図６】実施例に係るダイレクトボタン階床選択プログ
ラムにおける処理手順を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ かご内操作盤 ２，３，４ 操作ガイダンス表示部 ５，６，７ 入力階床表示部 ８ 階床取消ボタン ９ 階床確認ボタン １０ ＬＥＤ １１ テンキー １２（１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ） ダイレクトボタン
（特定階行先階ボタン） １３ 表示器 １４（１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃ） ダイレクトボタン
（特定階行先階ボタン） ２０ 操作盤制御プログラム ２１ 入力バッファ ２２ ダイレクトボタン入力バッファ ２３ 一時記憶メモリ ２４ 応答灯出力バッファ ２５ かご呼びメモリ ２６ ダイレクトボタン階床選択プログラム ２７ ワークメモリ ２８ ダイレクトボタン階床メモリ ２９ 表示制御装置出力バッファ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベーターの行先階を入力する操作ボ
   タンを操作し、行先階床を登録してエレベーターを当該
   階に停止させるエレベーターの呼び登録装置において、 前記ボタンが、行先階を任意に指定するためのテンキー
   と、あらかじめ設定された特定階の行先階ボタンとから
   なることを特徴とするエレベーターの呼び登録装置。
2. 【請求項２】 前記特定階の行先階ボタンに割り当てる
   行先階を、任意に設定する設定手段を備えていることを
   特徴とする請求項１記載のエレベーターの呼び登録装
   置。
3. 【請求項３】 前記設定手段によって設定される行先階
   が、エレベーターの進行方向のみに限定されていること
   特徴とする請求項２記載のエレベーターの呼び登録装
   置。
4. 【請求項４】 前記設定手段によって設定される行先階
   が、学習により呼び登録回数の多い階に自動的に決定さ
   れることを特徴とする請求項２または３記載のエレベー
   ターの呼び登録装置。