JPH05229755A - エレベータの表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、乗場呼の発生を、カゴ内の
カゴ呼釦の応答灯を使用して表示することのできるエレ
ベータの表示装置を提供することである。 【構成】 エレベータの乗場呼が発生したとき、その乗
場呼びがエレベータの運転方向と同一方向の乗場呼び
で、かつエレベータのカゴの現在位置より前方の乗場呼
びで、かつ、エレベータが応答可能な乗場呼びであるこ
と検手する手段と、この検出手段により検出された乗場
呼びの階と同一の階のカゴ内のカゴ呼釦の応答灯を点灯
する表示手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータのカゴ内に
乗場呼びの有無を表示させる機能を有するエレベータの
表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータの乗場呼びの有無をエレベー
タのカゴ内に表示する方法として、従来は、エレベータ
のカゴ内に設置されている行先階呼釦（以下カゴ呼釦と
いう）、扉の開閉釦、照明スイッチ等のスイッチ類、連
絡装置のインターホンを有するエレベータのカゴ操作盤
上に、乗場呼の上昇呼灯と下降呼灯と同一個数の表示灯
を設けて、乗場呼の発生により点灯させ、エレベータが
その呼に応答して停止すると消灯させていた。

【０００３】これは、どの階の乗場呼びの上昇呼び又は
下降呼びが発生しているか目視にて即判別できるが、す
べての階の上昇呼び下降呼びを表示させる必要がある
為、停止階床の少ない建築物に適用する場合はさほど問
題とならないが、停止階床の多い建築物に適用する場
合、表示灯の取付個数が増大し、それにともなって表示
灯が見づらくなるなど、意匠的にも問題があった。

【０００４】また、専用の表示灯が必要なため、既設の
エレベータに追加適用しようとしてもカゴ操作盤の再製
作、場合によってはカゴ操作盤を取付けているパネルの
再製作及びエレベータ制御回路の改造等が生じ、改造費
用が増大するために既設のエレベータへの適用は難し
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、停止階床数の多い建築物や既設のエレベータに乗場
の上昇呼び、下降呼びの発生を表示する表示灯をエレベ
ータのカゴ内に表示しようとすると、特殊なカゴ操作盤
の製作あるいはエレベータのカゴそのものの変更及び、
エレベータ制御装置の複雑化をまねき、価格も高くなる
などの問題点があった。

【０００６】本発明は以上述べてきた不具合を鑑みてな
されたもので、既設のエレベータへの適用も容易に行え
簡易な構造で安価な乗場の呼びの発生をエレベータのカ
ゴ内に表示を実現できるエレベータの表示装置を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、エレベータの
カゴ呼び及び乗場呼びに応答してエレベータを上昇、下
降させるエレベータにおいて、乗場呼びの発生したこと
をカゴ内に表示することをカゴ内操作盤に取付けられて
いるカゴ呼釦の応答灯を使用して表示可能とならしめる
ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明のエレベータの表示装置では、エレベー
タの乗場呼び釦が押されたことにより、カゴが現在いる
位置及びエレベータの運転方向とにより同一方向の乗場
呼び（最終端階は反対方向の呼び）で且つ、カゴが現在
運行中の前側の乗場呼びのみ検知して、カゴ内操作盤の
カゴ呼釦の応答灯を点灯させて、その階に停止すること
を表示させることが可能である為、今までは乗場呼びを
すべて表示させる表示灯が不用となり、既設のエレベー
タにもエレベータのカゴを改造する必要もなく、エレベ
ータの制御装置のみの改造のみで可能である為、追加工
事が簡単で安価でできる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

【００１０】図１は本発明の一実施例を説明する為の構
成図を示しており、制御装置１には乗場呼釦装置２が接
続されており、乗場呼釦装置２には、上昇乗場呼釦３と
下降乗場呼釦４が組み込まれている。また制御装置１に
はエレベータのカゴ中継箱５を介してカゴ操作盤６が接
続されており、カゴ操作盤６にはカゴ呼釦７が組み込ま
れている。

【００１１】まず乗場呼について説明する。乗場呼釦装
置２に組み込まれている上昇乗場呼釦３又は下降乗場呼
釦４を押すと、接続ケーブルを介して制御装置１に信号
が伝達され、呼が登録されると制御装置１より接続ケー
ブルを介して上昇乗場呼釦３又は下降乗場呼釦４の各々
の応答灯が点灯する。

【００１２】次にカゴ呼について説明する。カゴ操作盤
６に組み込まれたカゴ呼釦７を押すとカゴ中継箱５を介
して接続ケーブルにて制御装置１に信号が伝達され、呼
が登録されると制御装置１より接続ケーブルを介して、
カゴ呼釦７の応答灯が点灯するようになっている。本発
明の構成を詳細に説明する為に図２を用いて説明する。

【００１３】２−１〜２−（ｚ）は乗場呼釦装置を表わ
し、８−１〜８−（ｚ）は乗場呼釦用入出力バッファで
あり、９は乗場呼釦登録用入出力装置、10は乗場呼登録
用マイクロコンピュータ、11はマイクロコンピュータ用
入出力バッファ、12はエレベータ制御用マイクロコンピ
ュータである。13はカゴ呼の登録消去を行なうカゴ呼登
録用マイクロコンピュータであり、14はカゴ呼釦入力用
バッファであり、15はカゴ呼釦応答用出力バッファであ
り、16はカゴ呼釦であり、17はカゴ呼釦の応答灯であ
る。以上述べた各装置にて構成される。次に上記の構成
のエレベータの制御装置の動作について説明する。

【００１４】図３のフローチャート図に示すように、乗
場呼釦装置２−１〜２−（ｚ）に組込まれた上昇呼又は
下降呼の釦を押すと、その信号が乗場呼釦用入出力バッ
ファ８−１〜８−（ｚ）により、乗場呼登録用入出力装
置９に伝達され、乗場呼登録用マイクロコンピュータ10
に乗場呼が発生したことが入力されると乗場呼登録用マ
イクロコンピュータ10は、乗場呼登録用入出力装置９に
乗場呼が登録されたことを伝達すると、乗場呼釦用入出
力バッファ８−１〜８−（ｚ）によりその該当する階の
乗場呼釦装置２−１〜２−（ｚ）に組み込まれた上昇呼
又は下降呼の釦灯を点灯させ、乗場呼びが登録されたこ
とを表示する（ステップ１）。

【００１５】次に乗場呼登録用マイクロコンピュータ10
よりマイクロコンピュータ用入出力バッファ11を介し
て、エレベータ制御用マイクロコンピュータ12に乗場呼
が発生したことを伝達する。伝達された乗場呼が５階の
上昇呼と仮定し以下を説明する。

【００１６】エレベータ制御用マイクロコンピュータ12
は、５階の上昇呼が伝達されると、まずエレベータの運
転方向と同一方向の呼であるか判断し、逆方向の乗場呼
であると、その呼びを記憶装置（図示せず）に記憶する
（ステップ２）。同一方向の乗場呼であると、エレベー
タの現在位置より判断し運転方向より前側の呼びである
か判断し、後側の乗場呼であるとその呼びを記憶装置
（図示せず）に記憶する（ステップ３）。

【００１７】運転方向により前側の乗場呼であると、エ
レベータの現在位置により、その乗場呼に対して正常に
停止可能であるか判断し、停止不可能な乗場呼であると
その呼びを記憶装置（図示せず）に記憶する（ステップ
４）。つまり、エレベータの運転方向と同一方向の乗場
呼でエレベータが停止可能な乗場呼のみ、カゴ呼登録用
マイクロコンピュータ13へマイクロコンピュータ用入出
力バッファ11を介して伝達される。するとカゴ呼登録用
マイクロコンピュータ13は、マイクロコンピュータ用入
出力バッファ11より伝達された５階の呼びを、カゴ呼応
答灯用出力バッファ15を介してカゴ呼応答灯16の内、５
階のカゴ呼応答灯を点灯させる（ステップ５）。他階の
乗場呼も前述と同様の処理を行なう。またエレベータ制
御用マイクロコンピュータ12は最終呼に応答後、エレベ
ータの運転方向を反転したとき、前述の記憶装置（図示
せず）より現在発生している乗場呼びを読み出し、ステ
ップ１〜ステップ５と同じ判断を行ない、該当階のカゴ
呼び応答灯を点灯させるようになっている。

【００１８】また、ここで、終端階（最下階と最上階）
の乗場呼びはエレベータの運転方向と逆方向の乗場呼が
後側の乗場となってしまう為、エレベータが上昇運転中
の最上階の乗場呼（下降呼）及びエレベータが下降運転
中の最下階の乗場呼（上昇呼）はエレベータ運転方向の
前側の乗場呼びとして取扱うことは本構成上当然の事項
である。

【００１９】以上述べたように、乗場呼が発生したとき
に、エレベータのカゴ内にその表示をカゴ呼釦の応答灯
を利用して表示させることにより、カゴ内操作盤の交換
や改造をすることなくエレベータの制御装置の変更（特
にマイクロコンピュータを使用しているシステムではコ
ンピュータのソフトプログラムの変更）のみで処置可能
な為、特に既説のエレベータに適用する場合には、工事
期間の短縮及び工事費用の低減などからも有効なシステ
ムとなる。なお、本発明は上記実施例にのみ限定され
ず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。

【００２０】例えば、上述の実施例では標準のカゴ呼釦
（カゴ呼スイッチと応答灯を組み込んだ釦）を対象にし
て説明したが、図４に示す周知の特殊な釦（カゴ呼応答
灯が２種類の表示灯となっている）を使用し、内側の表
示灯17を乗場呼発生時の表示灯、外側の表示灯16をカゴ
呼釦の応答灯として使用して、カゴ呼釦の応答灯と乗場
呼の発生灯を分割し目視ではっきりとわかる構成として
もよい。また、乗場呼にてカゴ呼応答灯が点灯したとき
ブザー等により聴覚にうったえる構成としてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、乗場呼の
発生をカゴ内に表示する為にカゴ呼釦の応答灯を使用し
て表示を行なう為に、カゴ操作盤を改造する必要もなく
なる為、既設のエレベータに適用する場合でも、カゴ操
作盤のみの改造のみで処置できるので、改造日数の低減
及び費用の軽減化をはかることができる。

【００２２】また、乗場呼が発生した場合、エレベータ
が停止可能な乗場呼のみカゴ呼応答灯を点灯させるの
で、カゴ内のエレベータ利用者にも、エレベータが停止
する階が目視にてわかる。このことにより、予期せぬ階
に停止し心理的にいらいらすることもなくなる為、エレ
ベータの利用者へのサービスも向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明によるエレベータの表示装置の
構成図である。

【図２】図２は、本発明によるエレベータの表示装置の
一実施例のブロック図である。

【図３】図３は、本発明によるエレベータの表示装置の
動作を示すフローチャート図である。

【図４】図４は、本発明におけるカゴ内行先階呼釦の構
成図である。

【符号の説明】

１…制御装置 ２…乗場呼釦装置 ３…上昇乗場呼釦 ４…下降乗場呼釦 ５…エレベータのカゴ中継箱 ６…カゴ操作盤 ７…カゴ呼釦 ８…乗場呼釦用入出力バッファ ９…乗場呼登録用入出力装置 10…乗場呼登録用マイクロコンピュータ 11…マイクロコンピュータ用入出力バッファ 12…エレベータ制御用マイクロコンピュータ 13…カゴ呼登録用マイクロコンピュータ 14…カゴ呼釦用入出力バッファ 15…カゴ呼釦応答灯用出力バッファ 16…カゴ呼釦応答灯 17…乗場呼発生灯

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カゴ内に設けられ、カゴ呼が登録された
   際に点灯するカゴ呼応答灯と、 前記カゴの運転方向と同一方向の登録された乗場呼びを
   検出する第１の手段と、 この第１の手段により検出された乗場呼びのうち前記カ
   ゴの現在位置より前方の呼びを検出する第２の手段と、 この第２の手段により検出された乗場呼びのうち前記カ
   ゴに割付けられた乗場呼びを検出する第３の手段と、 この第３の手段により検出された乗場呼びが発生した階
   と同一階の前記カゴ呼応答灯を点灯させる点灯手段とを
   有するエレベータの表示装置。