JPH08119214A - 自動梱包機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄いフィルムに発生する静電気を除去し、フ
ィルムをアーチの全長にわたって送り込むことができる
自動梱包機を提供する。 【構成】 テーブル１上に立設したアーチ２とリール１
２の間に、リール１２からフィルムＸを引き出す引き込
み機構１５と、アーチに対するフィルムＸの送り込みと
引き戻しを行なう引締め送り出し機構４を設け、リール
１２からアーチ２に向かうフィルムＸの移動途中に、フ
ィルムＸに摺接する静電気除去部材２３を設け、送り出
しや引き戻しによってフィルムＸに生じる静電気を除去
部材２３によって除去し、フィルムＸをアーチ２内の全
長にわたって確実に装填することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動梱包機、更に詳
しくは、薄く腰のないフィルムを梱包材として用いるの
に適した自動梱包機に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動梱包機は、テーブル上に立設したア
ーチ内にリールから引き出した熱可塑性の梱包材を送り
込み、始動スイッチのオンにより、梱包材の先端を第１
クランプで固持した後梱包材を引き戻し、アーチ内から
離脱した梱包材で被梱包物を巻き締め、第２クランプで
梱包材の先端と途中をクランプして緩み止めとした状態
で、梱包材途中の切断と梱包材両端の溶着とを行ない、
溶着完了後はアーチ内に梱包材が送り込まれ、次の梱包
に備える構造になっている。

【０００３】このような自動梱包機において、梱包作業
の能率を向上させるため、アーチに対する梱包材の供給
側の位置に、梱包材の供給引締機構を設けると共に、リ
ール寄りの位置に、梱包材の引き出し機構を設け、供給
引締機構では、アーチ内への梱包材の送り込み長さと、
引き締工程時の引き戻し長さを検出して梱包材の使用長
さを算出し、リール側の引き出し機構は、上記使用長さ
に見合った長さの梱包材をリールから引き出し、これに
よって、アーチ内への梱包材の送り込み工程の供給引締
機構に対する立上り時の負荷を少なくし、梱包材の送り
込み速度を向上させることが行なわれている。

【０００４】このような、自動梱包機において、供給引
締機構と引き出し機構の間には、この間に生じた梱包材
の弛んだ部分を収納するプールボックスが設けられ、こ
のボックス内の下部に梱包材に所定量の弛みが生じる
と、これを検出し、引き出し機構のテープ引き出し量を
制御する検出器を設け、プールボックス内での梱包材の
折れ曲りやからまりが発生しないようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な自動梱包機において、梱包材にバンドを使用した場
合、バンドは厚みがあって腰折れがないため、アーチ内
に対する装填が支障なく行なえると共に、プールボック
ス内の検出器はマイクロスイッチの如き接触式のもので
十分に検出することができる。

【０００６】これに対し、梱包材に例えば１０μｍ〜２
０μｍ程度の薄い厚みのフィルムを使用した場合、フィ
ルムは腰がなく曲りやすいため、リールから引き出され
たフィルムが送り出し及び引き締めを繰り返し与えられ
る過程で静電気をおびると、アーチの内周を摺動してい
くときに、静電気でアーチの内周面に吸着し、アーチ内
へのフィルムの送り込みが不可能になるという問題が発
生する。

【０００７】また、プールボックス内でのフィルムの残
量検出において、接触式の検出器では、フィルムが接触
してもこれを確実に作動させることができないという問
題がある。

【０００８】そこで、この発明の課題は、薄いフィルム
でもアーチ内へ確実に装填することができ、フィルムを
用いた梱包が支障なく行なえる自動梱包機を提供するこ
とにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、テーブル上にアーチを立設し、
リールから引き出したフィルムをアーチ内に送り込み、
フィルムの先端を固持した状態でこのフィルムを引き戻
し、アーチ内から離脱したフィルムで被梱包物の外周を
巻き締め、フィルムの両端を溶着するようにした自動梱
包機において、リールからアーチに向かうフィルムの移
動途中に、フィルムに摺接する静電気除去部材を設けた
構成を採用したものである。

【００１０】

【作用】リールから引き出されたフィルムがアーチに到
るまでの移動途中において、このフィルムに静電気除去
部材が摺接しているので、送り出しや引き戻しによって
発生する静電気が除去され、フィルムはアーチ内へ送り
込まれたとき、該アーチの内周面に吸着することはな
く、フィルムをアーチの全長にわたって充填することが
できる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１２】図１は自動梱包機の全体構造を示し、被梱
包物を載置するテーブル１上に下部切り離し状のアーチ
２を立設し、テーブル１内には、アーチ２の下部の切り
離し部分の直下にフィルムＸの切断溶着機構３と、アー
チ２にフィルムＸの送り込みと引き締めを行なうフィル
ム引締め送り出し機構４とが設置されている。

【００１３】上記切断溶着機構３は、第１クランプ５と
加圧器６と第２クランプ７をカム機構８によって上下動
するよう並べて設け、第１クランプ５はスライド板９と
で、引締めのためにフィルムＸの先端側をクランプし、
第２クランプ７は被梱包物の巻締め後におけるフィルム
先端と途中をスライド板９とでクランプし、フィルムＸ
の緩み止を行なう。

【００１４】加圧器６は、上昇動時にフィルムＸを押し
上げ、第１クランプ５との間に設けた切断部によってフ
ィルムＸの途中を切断すると共に、上面に設けたヒータ
でフィルムの重なり部分を溶融させ、該フィルムを加圧
することによりフィルムの溶融した部分を接着させるこ
とになる。

【００１５】引締め送り出し機構４は、モータでの駆動
ロール１０とこれに圧接する従動ロール１１とからな
り、フィルムＸを挾持してアーチ２内に送り出すと共
に、引締工程時は逆転し、アーチ２内から離脱したフィ
ルムで被梱包物の外周を巻締めることになる。

【００１６】前記引締め送り出し機構４と、フィルムＸ
を巻取ったリール１２間のフィルム移動途中に、フィル
ムＸをプールするためのプールボックス１３が設置して
あり、このボックス１３の引締め送り出し機構４に臨む
上部の位置がフィルム出側となり、この出側の位置に、
フィルムの送り出しと引き戻しを行なう一対のローラを
設置するようにしてもよい。なお、リール１２には回転
を止めるための電磁ブレーキ１４が設けられている。

【００１７】また、プールボックス１３のリール１２に
臨む側の上部がフィルム入側となり、この入側の位置
に、リール１２から引き出したフィルムＸをプールボッ
クス１３内に送り込むと共に、送り込み長さを検出する
フィルム引き込み機構１５が設けられている。

【００１８】上記フィルム引締め送り出し機構４は、従
動ロール１１に取付けたパルスリング１６の外周に位置
し、従動ロール１１の回転によりフィルムＸの送り出し
及び引き戻し長さを検出する近接スイッチを用いたセン
サ１７とを備えている。

【００１９】また、フィルム引き込み機構１５も、モー
タで回転する駆動ロール１８と、このロール１８とでフ
ィルムＸを挟む従動ロール１９と、従動ロール１９に取
付けたパルスリング２０の回転によりフィルムＸの引き
込み長さを検出する近接スイッチを用いたセンサ２１と
で構成されている。

【００２０】従って、リール１２から引き出されたフィ
ルムＸは、フィルム引き込み機構１５でプールボックス
１３内に供給され、プールボックス１３内のフィルムＸ
は引締め送り出し機構４により、アーチ２へ向けての送
り出しと、引き戻しとが行なわれ、これら送り出しと引
き戻し及びプールボックス１３内への供給のフィルム長
さが電気的に検出されることになる。

【００２１】前記プールボックス１３の内部には、底部
の位置に、このボックス１３内のフィルムプール量の増
減を検出するセンサ機構２２が設けられている。

【００２２】このセンサ機構２２は、フィルムに対して
照射した光の反射光で作動し、フィルムの接近を非接触
で光学的に検出するものであり、薄く腰のないフィルム
であっても、プールボックス１３内での残量を正確に検
出することができるという利点がある。このセンサは、
フィルム引き込み機構１５と電気的に接填され、フィル
ムＸを検出すると、該機構１５を停止させ、フィルムＸ
の補充を止めるようになっている。

【００２３】前記した自動梱包機において、フィルムＸ
の移動途中で、引き込み機構１５のフィルム出側の位置
及び引き締め送り出し機構４のフィルム入側の位置と
に、移動するフィルムＸに摺接する静電気除去部材２
３、２３が配置されている。

【００２４】この静電気除去部材２３、２３は、図２に
示すように、ＰＰスパンボンド不織布の表面に特殊表面
処理を施した多数の除電バー２４を金属製のホルダー２
５で束ねた構造を有し、除電バー２４が移動するフィル
ムＸに摺接するよう配置され、ホルダー２５がアースに
電気的に接続されている。

【００２５】合成樹脂製のフィルムＸは、送り出しや引
き戻し時において、引締め送り出し機構４とフィルム引
き込み機構１５及びアーチ２等との接触により、静電気
を帯びることになるが、上記静電気除去部材２３、２３
の接触により帯電した静電気が除去され、アーチ２内へ
の送り込み時にフィルムＸがアーチ２の内周面に吸着す
るのを防止でき、薄いフィルムＸであってもアーチ２内
の全長にわたって装填することができる。

【００２６】この発明の自動梱包機は上記のような構成
であり、上記引締め送り出し機構４と引き込み機構１５
及びセンサ機構２２を用い、プールボックス１３内のフ
ィルムプール量を常に適量となるよう引き込み機構１５
を制御する。

【００２７】引締め送り出し機構４において、フィルム
送り出し及び引き戻し時の従動ローラ１１の回転により
発生するパルス量によってフィルム使用長さを検出す
る。例えば、図３に示すように、アーチ２の全長にフィ
ルムを充填するフィルム送り出し量によって生じるパル
ス量を全長Ａとし、フィルム引き戻し量によって生じる
パルス量を引き戻し長さＢとし、全長Ａから引き戻し長
さＢを差し引いた値がフィルム使用量Ｃとなり、引き込
み機構１５によるプールボックス１３内へのフィルム補
充量はこのフィルム使用量Ｃに見合う長さ量にすればよ
いことになるが、実際のフィルム送りにはフィルムとロ
ールとのスリット等により誤差が生じ、引き込み機構１
５によるフィルム補充量を単にフィルム使用量Ｃに一致
するよう設定したのでは、プールボックス１３内におけ
るフィルムプール量に過不足が発生し、梱包作業に支障
をきたすことになる。

【００２８】そこで、フィルム引き込み機構１５の制御
によるプールボックス１３内へのフィルム送り込み長さ
の設定は、プールボックス１３内のセンサ機構２２を用
い、図３上半部の如く、該センサ機構２２がフィルムＸ
を検出しているときのフィルム引き込み長さ量は、前記
全長Ａを基準とし、引き戻し長さＢとフィルム引き込み
長さ量の和が全長Ａよりも短くなるようにフィルム引き
込み機構１５を制御する。

【００２９】また、これとは逆に、センサ機構２２がフ
ィルムＸを検出していないときのフィルム引き込み長さ
量は、図３下半部の如く、前記全長Ａを基準し、引き戻
し長さＢとフィルム引き込み長さ量の和が全長Ａよりも
長くなるようにフィルム引き込み機構１５を制御する。

【００３０】このフィルム引き込み機構１５の上記のよ
うな制御は、フィルム使用量Ｃに一致する理論パルス量
に対し、センサ機構２２が作動しているときはフィルム
引き込み長さ量を予め設定されたパルス量だけ減らし、
逆にセンサ機構２２が不作動のときは、フィルム引き込
み量を設定されたパルス量だけ多く引き込むように、制
御機構を介してフィルム引き込み機構１５を電気的に制
御するようになっている。

【００３１】次に、補正方法を説明する。

【００３２】プールボックス１３内に適量のフィルムＸ
がプールされている状態で、梱包機を作動させると、フ
ィルム引締め送り出し機構４を介してアーチ２の全長に
フィルムＸが充填され、プールボックス１３内から引き
出されたフィルムＸの全長Ａが検出され、次にフィルム
引締め工程時には、フィルム引締め送り出し機構４が逆
転し、プールボックス１３内に戻したフィルム引き戻し
長さＢが検出され、それぞれの検出値が制御機構に入力
される。

【００３３】次に、制御機構の指令により、フィルム引
き込み機構１５が作動し、リール１２から引き出したフ
ィルムＸをプールボックス１３内に引き込んで補充する
が、このとき、リール１２の電磁ブレーキ１４は解放と
なり、センサ機構２２が作動していると、引き戻し長さ
Ｂとの和が全長Ａよりも少し短くなるように、また、セ
ンサ機構２２が不作動のときは、引き戻し長さＢとの和
が全長Ａよりも少し長くなるように、フィルム引き込み
機構１５を引き込みパルス量の検出によって制御すると
共に、引き込み機構１５の停止と同時に電磁ブレーキ１
４を作動させてリール１２を停止する。

【００３４】このように、プールボックス１３内に対す
る一梱包毎のフィルム引き戻し後のフィルムの補充にお
いて、センサ機構２２によるプールボックス内フィルム
量の検出により、プールボックス１３内のフィルム量が
多いときは使用量よりも少なく、また、フィルム量が少
ないときは使用量よりも多い補充を行なうことにより、
プールボックス１３内での一梱包毎のフィルムＸのプー
ル量は常に一定範囲量となり、フィルムプール量の過不
足により発生する問題を解決することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、梱包
機におけるフィルムの移動途中にフィルムに摺接する静
電気除去部材を設けたので、送り出しや引き戻しによっ
て生じるフィルムの静電気を確実に除去することがで
き、薄くて腰のないフィルムであっても、アーチ内への
装填時におけるアーチ内周面への吸着発生を防止でき、
アーチの全長にわたってフィルムを確実に装填すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の自動梱包機を示す縦断面図

【図２】静電気除去部材の斜視図

【図３】フィルムプールボックスのフィルム補充説明図

【符号の説明】

１ テーブル ２ アーチ ４ 引締め送り出し機構 １２ リール １３ プールボックス １４ 電磁ブレーキ １５ フィルム引き込み機構 ２３ 静電気除去部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブル上にアーチを立設し、リールか
   ら引き出したフィルムをアーチ内に送り込み、フィルム
   の先端を固持した状態でこのフィルムを引き戻し、アー
   チ内から離脱したフィルムで被梱包物の外周を巻き締
   め、フィルムの両端を溶着するようにした自動梱包機に
   おいて、リールからアーチに向かうフィルムの移動途中
   に、フィルムに摺接する静電気除去部材を設けたことを
   特徴とする自動梱包機。