JPH08118547A - 冷媒輸送用ホース及びその製造方法 - Google Patents

冷媒輸送用ホース及びその製造方法

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JPH08118547A
JPH08118547A JP23074895A JP23074895A JPH08118547A JP H08118547 A JPH08118547 A JP H08118547A JP 23074895 A JP23074895 A JP 23074895A JP 23074895 A JP23074895 A JP 23074895A JP H08118547 A JPH08118547 A JP H08118547A
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rubber layer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内管層を形成する内側樹脂層と外側ゴム層と
が強固に接着し、耐熱軟化性、耐熱性、耐永久圧縮歪性
が優れ、かつ冷媒漏れがない冷媒輸送用ホースを得る。 【構成】 内側樹脂層と外側ゴム層とで構成される内管
層を備えた冷媒輸送用ホースにおいて、上記外側ゴム層
がイソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合物でパ
ラメチルスチレンの一部を臭素化した共重合体と下記式
(1)で表されるアルコキシシラン化合物とを配合して
なるゴム組成物で形成する。 【化1】 (但し、式中R1,R2は任意の官能基を示し、R3,R4
は炭化水素基を示す。)上記冷媒輸送用ホースの製造方
法において、上記外側ゴム層を積層する前に上記内側樹
脂層表面にプラズマ処理、コロナ処理又は紫外線照射処
理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用クーラ
ーやエアコン等の配管用ホースとして好適な冷媒輸送用
ホース及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
用クーラー等の配管などに用いられる冷媒輸送用ホース
においては、フロンの漏洩を防ぐ目的で、樹脂からなる
ガスバリア層を内管のゴム層の内側に配置した複合ホー
スが提案されている。この場合、上記冷媒輸送用ホース
において、冷媒としてフロン134aを用いた場合、内
管ゴム層としてはイオウ加硫のブチルゴム又は樹脂加硫
のIIR(イソブチレンイソプレンゴム)が用いられて
いる。これらのゴムが用いられている理由は、NBR
(アクリロニトリルブタジエンゴム)やアクリルゴムと
比較すると耐透水性に優れているので、ホース内に水分
を透過させることがなく、このためシステムに悪影響を
及ぼすことがないからである。
【0003】しかしながら、本発明者らの検討による
と、イオウ加硫ブチルゴムは加熱によって軟化が生じる
ので耐久性に劣り、上記内管ゴム層として長期間使用し
た場合、バーストや吹き抜けが起こるという問題があ
る。また、イオウ加硫ブチルゴムは耐永久圧縮歪性に劣
るので、ゴムの熱老化に伴う熱軟化が加わった場合、冷
媒の漏れが生じるという問題もある。また、樹脂加硫ブ
チルゴムはイオウ加硫ブチルゴムと比較して耐永久圧縮
歪性に優れ、かつ熱軟化も抑えることができるが、加硫
には高温を必要とし、このため加硫に要するエネルギー
消費量が多く、かつ高温での加硫方法には限界があり、
従って、樹脂加硫ブチルゴムは生産性が悪いという問題
がある。たとえ、樹脂加硫ゴムをイオウ加硫ブチルゴム
と同一の加硫条件で加硫したとしても、耐永久圧縮歪性
はイオウ加硫ブチルゴムよりも劣るという問題がある。
【0004】また、イソブチレンとパラメチルスチレン
の共重合物でパラメチルスチレンの一部を臭素化した共
重合体は、優れた耐熱軟化性、耐熱性、耐永久圧縮歪性
を有していることから注目されているが、異種材料との
接着が困難で、他の材料と複合化したホースなどを製造
し難い。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
耐熱軟化性、耐熱性、耐永久圧縮歪性が優れ、かつ樹脂
とゴムとが強固に接着し、冷媒漏れのない冷媒輸送用ホ
ース及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、内側樹
脂層と外側ゴム層とで構成される内管層を備えた冷媒輸
送用ホースにおいて、上記外側ゴム層をイソブチレンと
パラメチルスチレンとの共重合物でパラメチルスチレン
の一部を臭素化した共重合体(以下、臭素化IB−PM
S共重合体という)を主成分とし、かつ下記式(1)で
示されるアルコキシシラン化合物を配合してなるゴム組
成物で形成することにより、内側樹脂層と外側ゴム層と
が容易にかつ堅固に接着し得、耐熱軟化性、耐熱性、耐
永久圧縮歪性が優れ、かつ冷媒漏れがない冷媒輸送用ホ
ースを製造することができることを見い出した。
【0007】またこの場合、上記冷媒輸送用ホースの製
造方法において、上記外側ゴム層を積層する前に上記内
側樹脂層表面をプラズマ処理、コロナ放電処理又は紫外
線照射により改質することがより有効であり、この改質
表面に上記ゴム組成物を貼り合わせることにより、臭素
化IB−PMS共重合体の接着性がより堅固になること
を見い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
【化2】 (但し、式中R1,R2は任意の官能基を示し、R3,R4
は炭化水素基を示す。)
【0009】従って、本発明は、内側樹脂層と外側ゴム
層とで構成される内管層を備えた冷媒輸送用ホースにお
いて、上記外側ゴム層がイソブチレンとパラメチルスチ
レンとの共重合物でパラメチルスチレンの一部を臭素化
した共重合体と上記式(1)で表されるアルコキシシラ
ン化合物とを配合してなるゴム組成物で形成されてなる
ことを特徴とする冷媒輸送用ホース、及び内側樹脂層と
外側ゴム層とで構成される内管層を備えた冷媒輸送用ホ
ースの製造方法において、上記外側ゴム層を積層する前
に上記内側樹脂層表面にプラズマ処理、コロナ処理又は
紫外線照射処理を施すことを特徴とする上記冷媒輸送用
ホースの製造方法を提供する。
【0010】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明に係る冷媒輸送用ホースとしては、例えば図1に示
す構造のものが挙げられる。この冷媒輸送用ホース6
は、最内層が樹脂層1から構成され、その上に外側ゴム
層(内管ゴム層)2が積層されてなる内管層3が、補強
糸及び中間ゴム層4を介して外被ゴム層5で被覆された
ものである。
【0011】本発明の冷媒輸送用ホースは、上述の外側
ゴム層が、臭素化IB−PMS共重合体を主成分とし、
かつアルコキシシラン化合物を配合してなるゴム組成物
で形成されてなるものである。
【0012】ここで、臭素化IB−PMS共重合体は、
特開平2−150408号公報に記載されているよう
に、IB−PMS共重合体のPMSの一部が架橋のため
臭素化されているものである。この場合、臭素化の割合
は共重合されたPMSの10〜80%、特に20〜70
%とすることが好ましい。この割合が10%未満では架
橋効率が悪くなり、また80%を超えると耐熱性が悪く
なる場合がある。
【0013】また、イソブチレンとパラメチルスチレン
の重合割合はPMSが2〜20%(重量%、以下同
じ)、特に5〜10%とすることが好ましい。パラメチ
ルスチレンの重合割合が20%を超えるとTg(ガラス
転移点)が高くなり、ゴムの特性が失われる場合があ
り、また、2%未満では架橋効率が悪くなる場合があ
る。
【0014】次に、アルコキシシラン化合物としては、
下記式(1)で示されるものを使用する。
【0015】
【化3】 (但し、式中R1,R2は任意の官能基を示し、R3,R4
は炭化水素基を示す。)
【0016】ここで、R1,R2はそれぞれ任意の官能基
であり、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アミノ
アルキル基、メルカプトアルキル基、ハロゲン化アルキ
ル基、ビニル基、ビニルアルキル基、メタクリロキシア
ルキル基などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0017】R3,R4はそれぞれ炭化水素基であり、メ
チル基、エチル基等のアルキル基であり、即ち−O
3、−OR4はメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基である。
【0018】式(1)のアルコキシシラン化合物として
は、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン又は両
者の混合物のいずれでもよい。このアルコキシシラン化
合物として具体的には、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
が例示されるが、これらに制限されるものではない。な
お、これらの中でも官能基にアミノ基を含むもの、例え
ばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビ
ニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランが好適に用いられる。
【0019】上記アルコキシシラン化合物の配合量は、
上記臭素化IB−PMS共重合体100重量部に対して
0.05〜5重量部、特に0.05〜1重量部が好まし
く、0.05重量部に満たないと十分な接着力が得られ
ない恐れがあり、5部を超えると材料コストが増大する
上、ゴム練り機での作業性を低下させるといった問題が
生じる場合がある。
【0020】上記式(1)のアルコキシシラン化合物を
ゴム組成物に配合する場合は、通常の方法で添加・混合
することができるが、作業性を良くする目的で一旦シリ
カ等と混ぜ合わせ、その後で臭素化IB−PMS共重合
体と混ぜ合わせてもよい。
【0021】上記ゴム組成物は、臭素化IB−PMS共
重合体及びアルコキシシラン化合物のみから構成しても
よいが、必要によりカーボンブラックやケイ酸などの補
強剤、炭酸カルシウム、マイカなどの充填剤、加硫促進
剤や加硫助剤などを配合することができる。なお、これ
ら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で
通常量とすることができる。
【0022】本発明に係るホースにおいて、内側ガスバ
リア層である樹脂層1を形成する材質に特に制限はない
が、ナイロン6を50〜70%(重量%、以下同じ)、
ナイロン12を15〜40%及びポリオレフィンを5〜
20%含む樹脂で構成することが好ましい。
【0023】ここで、ナイロン6が50%より少ない
か、ナイロン12が40%より多い場合には、フロン透
過量が多くなり、透過により冷房能力が劣るために冷媒
を何度か補充することが必要となる場合がある。また、
ポリオレフィンが20%よりも多い場合には、乾熱老化
後の樹脂の伸びが低下し、ホースが極度に曲げられる状
況では、樹脂層に亀裂が生じる場合がある。ナイロン1
2が15%より少ない場合には、熱水老化後の樹脂の伸
びが低下し、吸湿性の高い潤滑油をホース内に用いた場
合には、樹脂に亀裂が生じる場合がある。ナイロン6が
70%より多いか、ポリオレフィンが5%より少ない場
合には、樹脂に柔軟性が付与されず、ホースの耐久性に
問題が生じる場合がある。
【0024】なお、本発明において、ポリオレフィンは
アイオノマーやα−オレフィン共重合物等の変性オレフ
ィンであってもよい。また、樹脂層を構成する樹脂に
は、必要に応じて耐熱剤、老化防止剤等の添加剤を加え
てもよい。
【0025】樹脂層を構成する好ましい樹脂は、上記配
合組成の樹脂であって、かつナイロン6の海相と、ナイ
ロン12の島相とで主に構成され、全ポリオレフィンの
うち90%以上がナイロン12の島相中に散点状に分散
したものである。
【0026】本発明の冷媒輸送用ホースは、上記した冷
媒輸送用ホースにおいて、内側樹脂層1に上記ゴム組成
物からなる外側ゴム層(内管ゴム層)2を積層すること
が、この場合、本発明においては、内側樹脂層1の表面
をプラズマ放電処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理
などの前処理を行った後、外側ゴム層(内管ゴム層)2
を積層することが、接着性向上の点から推奨される。こ
こで、これらの処理は常法に従って行うことができる
が、プラズマ放電処理の条件としては、圧力1乃至10
0000パスカル、雰囲気ガスとしては、アルゴン、ヘ
リウム、窒素がより好適である。放電周波数、放電出
力、処理時間は、処理装置の形状や大きさによって適宜
調整することが望ましいが、通常は周波数13.56M
Hz、出力10〜1000ワット、処理時間5秒〜10
分間程度が好適である。
【0027】また、コロナ放電処理は、通常、装置の手
軽さから空気中で行われることが多いが、処理効果を向
上させ接着性を高めるためにアルゴンガス等の不活性ガ
スや酸素、窒素などのガス雰囲気で処理を実施してもよ
いし、これらのガスを電極近傍に吹き付けながら処理を
してもよい。特に窒素ガス中でコロナ放電処理を行う
と、処理効果が高く、ランニングコストも比較的低く抑
えられ、更に空気中でコロナ放電処理を実施した場合に
発生するオゾン処理をする必要がないという利点があ
る。
【0028】コロナ放電処理の周波数は、適宜調整し得
るが、処理効果と効率の点から通常は5kHz以上、特
に20〜30kHzが好適である。5kHzより低いと
安定で均一な処理ができ難く、かつ電力消費量も大きく
なってしまうため、電力コストが高くなり、電極の耐久
性も短くなってしまうという場合がある。
【0029】また、放電出力、処理時間は被処理物の材
質、形状、大きさや、電極の形状、大きさ等に応じて適
宜調整するのが良いが、通常は50〜5000ワット、
1〜60秒程度が好適である。
【0030】紫外線照射処理の光源としては、水銀ラン
プ、ハロゲンランプ、エキシマランプ、エキシマレーザ
ー等が用いられる。処理は空気中で行ってもよいが、窒
素ガス雰囲気で行うこともできる。光源出力及び照射時
間に特に制限はなく、光源の種類、特性、処理雰囲気、
被処理物までの距離、被処理物の材質、形状等に応じて
適宜調整するのがよい。
【0031】なお、内側樹脂層と外側ゴム層とを接着さ
せる場合、工程を簡易化できて廃溶液が発生しないとい
う点で、両者の間に接着剤を塗布しないことが望ましい
が、接着剤を使用しても差し支えないし、上記の表面処
理と接着剤塗布を併用しても構わない。ここで用いる接
着剤としては、塩化ゴム系接着剤、塩酸ゴム系接着剤、
フェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤な
ど、一般に用いられているゴム用加硫接着剤であればど
のようなものでもよい。
【0032】本発明に係る冷媒輸送用ホースのその他の
構成については、特に制限はなく、通常の冷媒輸送用ホ
ースの構成を採用することができる。例えば、図1に示
す冷媒輸送用ホース6において、補強糸としては、ビニ
ロン、ポリエステル、ナイロン、アラミド等からなる繊
維を用いることができ、これらをスパイラル状又はブレ
ード状に編んだ構造で被覆することができる。また、中
間ゴム層は、ブチルゴム等の層とすることができ、外被
ゴム5はEPDM、CR、H−NBR(水素添加NB
R)、Cl−IIR(塩素化ブチルゴム)等のゴム層に
より形成することができる。
【0033】上記冷媒輸送用ホースにおいて、内側樹脂
層1は、耐フロン透過性と柔軟性との兼ね合いから0.
05〜0.3mm程度とするのが好ましい。また、外側
ゴム層2は、耐水分透過性と柔軟性との兼ね合いから1
〜4mmとすることが好ましい。
【0034】更に、補強糸及び中間ゴム層4の厚さは
1.4〜2.6mm、外被ゴム層5の厚さは1〜2mm
とすることが好ましい。
【0035】本発明の冷媒輸送用ホースは、例えば樹脂
をチューブ状に押し出して必要に応じて表面処理を行
い、更に必要に応じて樹脂表面に接着剤の塗布及び乾燥
を行い、次いでこのチューブ状樹脂の外側にゴム組成物
を押し出し、更に補強系を含む中間ゴム層、外皮ゴム層
を形成した後、この一体物をホース形状に整えて加硫す
ることで容易に製造することができる。この場合、加硫
条件は、140〜190℃で15〜120分とすること
ができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の冷媒輸送用ホースは、内管層を
形成する内側樹脂層と外側ゴム層とが強固に接着し、冷
媒漏れもなく、耐熱軟化性、耐熱性、耐永久圧縮歪性が
優れ、生産性よく製造することができるもので、本発明
方法によれば、上記冷媒輸送用ホースを生産性よく得る
ことが可能である。従って、本発明の冷媒輸送用ホース
は、自動車用エアコン等の配管などとして極めて有用で
ある。
【0037】
【実施例】以下、実験例及び実施例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0038】〔実験例〕6・66共重合ナイロン(ウベ
興産社製5033)及び12ナイロン(ウベ興産社製3
035)の2種類の樹脂をそれぞれTダイ押し出しにて
150ミクロン厚フィルムとして押し出した。
【0039】次に、表1に示すように上記フィルムに下
記方法で各々プラズマ処理、コロナ処理(1)、コロナ
処理(2)、紫外線照射処理、接着剤塗布を行った。プラズマ処理 :外部電極型の10×25cmで間隔が1
5cmの平行平板電極を備えたガラス製真空容器内で
0.7torrの圧力のアルゴンガス雰囲気にて日本高
周波社製の高周波電源(SKN−05P)及びマッチン
グボックス(MB−500)を使用し、13.56MH
z、出力100Wにて3分間プラズマ処理を施した。コロナ処理(1) :100mm長で4mm幅、表面を厚
さ1mmのテフロン(PTFEのデュポン社商標)で被
覆した電極と、150×150mmの大きさで前記電極
と5mm間隔に配置したアース電極からなるコロナ処理
電極と、TANTEC社製コロナ電源HV05−2を用
いて、空気中にて出力80Wで放電せしめ、この放電内
に前記ナイロンフィルムを1m/分のスピードで通過さ
せた。コロナ処理(2) :前記のコロナ処理電極全体を容積が
180×180×900mmでガスの吸入口と、100
×0.5mmのフィルム出入口が備わった容器中に設置
した。次に、1リットル/minの流量の窒素ガスをガ
ス吸入口から5分間流して容器内の空気を窒素ガスで置
換した。この状態でコロナ処理(1)と同条件で前記ナ
イロンフィルムを処理した。紫外線照射処理 :ウシオ電機社製の誘電バリア型エキシ
マ紫外線ランプ(型番VES20−172)を用い、空
気中で照射窓からの距離5mmの位置にナイロンフィル
ムを置き、5分間紫外線にフィルム表面を露光した。接着剤塗布 :ナイロンフィルムに市販の加硫接着剤(L
ORD社製Chemlok220)を乾燥膜厚が約40
μmになるように刷毛塗りした。未処理 :比較品として全く表面改質処理を施さないもの
を用意した。
【0040】
【表1】
【0041】次に、表2に示す4種類の組成のゴム組成
物(未加硫)を3mm厚さにシーティングし、前述の表
面処理を施したナイロンフィルムを処理面がゴム側にな
るように表3に示すような組み合わせで貼り合わせ、熱
プレスにて圧力5kgf/cm2、温度140℃の条件
で80分間加硫した。
【0042】加硫後の樹脂(ナイロン)−ゴム積層物を
12mm幅にカットし、島津製作所社製オートグラフに
て引張り速度50mm/分でT−剥離法にてナイロン−
ゴム間の接着力を測定した。結果を表3に示す。
【0043】表3に示すように本発明に係わる樹脂(ナ
イロン)−ゴム積層物は接着性に優れていることが確認
された。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】[実施例]図1に示す構造の冷媒輸送用ホ
ースを製造した。まず、60%のナイロン6、30%の
ナイロン12、10%のポリオレフィンからなる組成物
を内径11.0mm、厚み100ミクロンのチューブ状
に押し出した。次に、図2に示すコロナ処理電極を用
い、窒素ガス雰囲気にて25kHz、300Wでコロナ
放電を発生させ、前記ナイロンチューブを5m/分の速
度で通過させた(樹脂チューブI)。この場合、コロナ
処理電極は、絶縁体7がテフロン(PTFE)、電極8
がステンレス、被処理物の樹脂チューブはマンドレル9
の周囲に形成されており、窒素ガスが窒素導入管10か
ら導入されるものである。なお、絶縁体7は、この電極
においてマンドレルを電極中心に位置せしめるためのガ
イドと放電部分を高濃度の窒素雰囲気に保つためのハウ
ジングを兼ねている。
【0047】更に、参考例のゴム組成物(n)と同様の
組成のゴムを上記チューブ状樹脂の外側に押し出し、内
管ゴム層を形成した。この時の内管ゴム層の厚さは1.
5mmであった。
【0048】次に、ポリエステル製の補強糸と表4に示
す配合のゴムを中間層4として配し、更にその上に表5
に示す配合のゴムを外被ゴム層5として,厚さ1.2m
m、外径18.5mmに押し出し、この一体化物をホー
ス形状に整えて150℃で45分間加硫した(ホース
A)。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】次に、ホースAに用いたのと同じコロナ処
理を施した樹脂チューブDの表面に市販のゴム用接着剤
(LORD社製Chemlok220)を塗布し、乾燥
させた(チューブII)。チューブEの外側に参考例の
ゴム組成物(n)と同様の組成のゴムを押し出し、内管
ゴム層を形成した。以下ホースAと全く同じ手順でホー
スを作成した(ホースB)。
【0052】また、比較例として、チューブE(接着剤
塗布したもの)の外側に参考例のゴム組成物(M)と同
様のゴムを押し出し、以下同様にしてホースCを作成し
た。
【0053】ホースA,B,Cを切り開き、樹脂層と内
管ゴム層管の接着性を下記方法で調べた。
【0054】上記各例で製造したホースについて、性能
確認試験を以下の方法で行った。接着力試験 :樹脂層と内管ゴム層との間の接着力を18
0度剥離法で測定し、破壊形態を観察した。
【0055】上記試験結果より、ホースA及びホースB
は接着していたが、ホースCは接着が不十分であり、本
発明に係わるホースは樹脂層と内管ゴム層との間の接着
性が高いことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷媒輸送用ホースの一例を示す斜
視図である。
【図2】実施例で使用したコロナ処理電極を示す斜視図
である。
【図3】実施例で使用したコロナ処理電極を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 内側樹脂層 2 外側ゴム層 3 内管層 4 中間ゴム層 5 外被ゴム層 6 冷媒輸送用ホース
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08K 5/54 KFP C08L 23/26 LDA 25/18 LEK

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側樹脂層と外側ゴム層とで構成される
    内管層を備えた冷媒輸送用ホースにおいて、上記外側ゴ
    ム層がイソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合物
    でパラメチルスチレンの一部を臭素化した共重合体と下
    記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物とを配合
    してなるゴム組成物で形成されてなることを特徴とする
    冷媒輸送用ホース。 【化1】 (但し、式中R1,R2は任意の官能基を示し、R3,R4
    は炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 アルコキシシラン化合物がアミノ基を含
    有するものである請求項1記載の冷媒輸送用ホース。
  3. 【請求項3】 内側樹脂層と外側ゴム層とで構成される
    内管層を備えた冷媒輸送用ホースの製造方法において、
    上記外側ゴム層を積層する前に上記内側樹脂層表面にプ
    ラズマ処理、コロナ処理又は紫外線照射処理を施すこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の冷媒輸送用ホースの
    製造方法。
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