JPH08118470A - 熱収縮性フイルム - Google Patents

熱収縮性フイルム

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JPH08118470A
JPH08118470A JP17753095A JP17753095A JPH08118470A JP H08118470 A JPH08118470 A JP H08118470A JP 17753095 A JP17753095 A JP 17753095A JP 17753095 A JP17753095 A JP 17753095A JP H08118470 A JPH08118470 A JP H08118470A
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JP
Japan
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film
shrinkage
heat
styrene
weight
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Application number
JP17753095A
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English (en)
Inventor
Shuji Kobayashi
修二 小林
Jun Takagi
潤 高木
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢・透明性、収縮仕上がり、耐破断性の優
れた熱収縮性フイルムを得る。 【解決手段】 スチレン系モノマとアクリル(メタクリ
ル)酸エステルよりなるスチレン系共重合体の連続相中
に、分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有
し、損失弾性率(E″)のピーク温度が50〜85℃の
範囲にある樹脂を主体としてなり、一方向の70℃×5
分の熱収縮率が10〜45%の範囲にあり、かつ同方向
の120℃×5分の熱収縮率が40〜70%の範囲にあ
ることを特徴とする熱収縮性フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、収縮包装や収縮ラ
ベル用に使用されるスチレン系熱収縮性フイルムに関す
る。更に詳細には、光沢度、全ヘーズ、収縮仕上がりの
バランスに優れたスチレン系熱収縮性フイルムを提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチツク容器やガラス瓶のラ
ベルあるいは破壊飛散防止用被覆材料として、ポリ塩化
ビニル系の熱収縮性フイルムが多用されてきた。これ
は、機械的強度、収縮特性、透明性等の要求特性を多く
満足するからであった。しかし、焼却時に発生する塩素
ガスに伴う廃棄物処理の問題があることなどから、ポリ
塩化ビニル以外の材料からなる熱収縮性フイルムが要望
されていた。
【0003】その一つとして、スチレンーブタジエンブ
ロック共重合体を含むスチレン系の延伸フイルムも提案
され使用されているが、印刷、製袋などの加工工程中に
フイルムが破断しやすいことや比較的自然収縮が大きい
等の問題が残されており、またその重合方法に起因して
比較的高価な原料となることは避け難い。
【0004】これらの問題を解消すべく、本発明者等
は、スチレン系モノマとアクリル(メタクリル)酸エス
テルよりなるスチレン系共重合体の連続相中に、分散粒
子としてゴム状弾性体を含有した透明性耐衝撃性樹脂に
着目し検討した結果、耐破断性などの特性においては良
好な結果を得ることができたが、熱収縮性フイルムとす
るための延伸の条件により透明性や収縮仕上がり状態が
大きな影響を受け、製品のデイスプレイ効果を低下させ
てしまうことがあったり、熱収縮性フイルムとして好ま
しい低自然収縮性などの面で不十分な点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の諸欠点
を解消するため鋭意検討を重ねた結果、スチレン系モノ
マとアクリル(メタクリル)酸エステルよりなるスチレ
ン系共重合体の連続相中に、分散粒子としてゴム状弾性
体を1〜20重量%含有した樹脂のうち特定のものを選
択し、特定範囲の収縮特性を与えることで、透明性が良
好で収縮仕上がり状態もよく、低自然収縮性をも備えた
フイルムを得ることに成功し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、スチレン系モノマとア
クリル(メタクリル)酸エステルよりなるスチレン系共
重合体の連続相中に、分散粒子としてゴム状弾性体を1
〜20重量%含有し、損失弾性率(E″)のピーク温度
が50〜85℃の範囲にある樹脂を主体としてなり、一
方向の70℃×5分の熱収縮率が10〜45%の範囲に
あり、かつ同方向の120℃×5分の熱収縮率が40〜
70%の範囲にあることを特徴とする熱収縮性フイルム
である。
【0007】以下本発明を詳しく説明する。本発明フイ
ルムの主体となる樹脂は、スチレン系モノマとアクリル
(メタクリル)酸エステルよりなるスチレン系共重合体
連続相中に、分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重
量%含有したものであって、連続相を共重合体とするこ
とにより分散粒子と屈折率を合わせて透明性を維持する
とともに、ゴム状弾性体により耐衝撃性を付与したもの
である。(以下、この樹脂を「ゴム変性スチレン共重合
体」ということがある。)ここで連続相におけるスチレ
ン系モノマは、下記一般式(A)で示される構成単位か
らなり、アクリル(メタクリル)酸エステルは、下記一
般式(B)で示される構成単位からなる。
【0008】
【化1】
【化2】
【0009】具体的には、スチレン系モノマとしては、
スチレン、αーメチルスチレン、pーメチルスチレンな
どを挙げることができる。またアクリル(メタクリル)
酸エステルとしては、ブチルアクリレート、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレートなどを用い得る。スチレン系
モノマとアクリル(メタクリル)酸エステルとの比率
は、この連続相の屈折率が後述のゴム状弾性体の屈折率
に近くなるように設定されるが、この比率は樹脂の特性
の温度依存性にも影響するのでその点からの考慮も必要
となる。
【0010】このスチレン系共重合体からなる連続相中
には、分散粒子としてゴム状弾性体を含有している。こ
こでいうゴム状弾性体としては、常温でゴム的性質を示
すものであればよく、例えばポリブタジエン類、スチレ
ンーブタジエン共重合体、スチレンーブタジエンブロッ
ク共重合体類、イソプレン共重合体類が用いられる。ゴ
ム状弾性体の含有量は、樹脂全体(連続相+分散粒子)
の1〜20重量%、より好ましくは3〜18重量%の範
囲とする。1重量%未満では、得られる熱収縮性フイル
ムの耐衝撃性が低く好ましくない。また20重量%を越
えると、熱収縮性フイルムの剛性が低下し、例えば収縮
ラベルとして瓶などに被覆する工程で所定の位置に被覆
ができない等の不具合が生じる。
【0011】ゴム状弾性体が形成する分散粒子の粒子径
は、0.1〜1.2μmの範囲、より好ましくは0.2
〜0.9μmの範囲が本用途に適している。分散粒子径
が0.1μm未満の時は、耐衝撃強度などの向上効果が
発現しにくい。一方、分散粒子径が1.2μmを越える
場合は、強度向上効果は発現するが、熱収縮性フイルム
としては所望の透明性が得にくくなる。なお粒子径は、
透過型電子顕微鏡を用いた超薄切片法により撮影した写
真から求めた数平均粒子径である。
【0012】本発明の熱収縮性フイルムにおいては、主
原料となるゴム変性スチレン共重合体として、損失弾性
率(E″)のピーク温度が50〜85℃、より好ましく
は60〜82℃の範囲にあるものを選定することが重要
である。損失弾性率(E″)のピーク温度が50℃未満
であると、得られた熱収縮性フイルムの自然収縮(常温
よりもやや高い温度下、例えば夏場においてフイルムが
収縮すること)が非常に大きくなり寸法安定性に欠ける
フイルムとなり実用上好ましくない。また、85℃を越
えると、所定の熱収縮特性を得るための延伸温度域で
は、延伸性に乏しく好ましくない。
【0013】ゴム変性スチレン共重合体の損失弾性率
(E″)のピーク温度は、主に連続相の組成に依存し、
好適に用いられるスチレンーメチルメタクリレートーブ
チルアクリレートの系の例でいうと、剛直なメチルメタ
クリレート成分はピーク温度を高め、柔軟なブチルアク
リレート成分はピーク温度を下げるので、これらの成分
比でピーク温度を調整することができる。また、可塑剤
等の添加によりピーク温度を調整することも可能であ
る。
【0014】上記ゴム変性スチレン共重合体の製造は、
ゴム状弾性体を連続相形成原料溶液中に溶解し、攪拌し
ながら重合する方法によることができる。ゴム状弾性体
の分散粒子径は攪拌数の変化で制御し得る。本発明フイ
ルムの原料としては、上記ゴム変性スチレン共重合体に
特性(特に透明性)を損なわない範囲で他の樹脂を混合
することができる。また、着色剤、滑剤、熱安定剤など
通常使用される各種の添加剤を適量使用することもでき
る。
【0015】次に熱収縮性フイルムの製造方法について
説明する。上記ゴム変性スチレン共重合体は、透明性の
よい樹脂であるが、これを一般的に好ましいとされてい
る高度の熱収縮率を付与すべく延伸すると、非常に透明
性の低下したフイルムとなる。その理由は、延伸時にゴ
ム変性スチレン共重合体中の連続相が軟化して、分散し
ているゴム状弾性体がフイルム表面に突出してくるため
と推定される。
【0016】ここで熱収縮性フイルムは、被覆対象物へ
の熱の影響等の点からできるだけ低い温度で十分熱収縮
することが必要であり、またフイルムが保管中に自然収
縮しない特性が併せて必要となるが、そのためにはゴム
変性スチレン共重合体の損失弾性率(E″)のピーク温
度を50〜85℃とすることが重要となる。一方、延伸
によるフイルムの透明性悪化は、ゴム変性スチレン共重
合体の連続相の軟化と関連していると考えられることか
ら、良好な透明性を維持するには、ゴム変性スチレン共
重合体の損失弾性率(E″)のピーク温度との関連で、
フイルムの延伸程度、すなわちフイルムに付与する熱収
縮特性を特定範囲に調整する必要がある。
【0017】本発明フイルムは、一方向(主収縮方向)
における熱収縮率が、70℃×5分で10〜45%、1
20℃×5分で40〜70%に設定する。70℃×5分
の熱収縮率が10%未満であると、ラベルなどとして使
用した時に収縮が不足してシワが発生したり、透明性が
低下する場合もある。また、45%を越えると、ガラス
瓶やプラスチック容器のラベルとして使用した時、胴部
に横シワが発生する。これは収縮が急激に起こって不均
一になるためと推定される。 また、120℃×5分の
熱収縮率が40%未満の時はやはり収縮不足となり、7
0%を越えるとフイルムの透明性が急激に低下し、また
収縮仕上がりにおいて横シワが発生することもある。
【0018】このようなフイルムを得るには、原料樹脂
を通常の単軸押出機等を用いてシート状に押し出し、常
法により急冷して未延伸シートを得る。そしてこの未延
伸シートを、一方向(通常幅方向)にテンターなどによ
り延伸し、所望により低温で熱処理して得られる。延伸
温度は、樹脂の組成により異なるが一般に前記樹脂の損
失弾性率(E″)のピーク温度よりも5〜50℃高い温
度、さらに好ましくは10〜40℃高い温度が好適であ
る。
【0019】また延伸倍率は、上記の分散ゴム状弾性体
のフイルム表面への突出を抑えるには低倍率が好まし
く、熱収縮性フイルムとして必要な収縮率との兼ね合い
で、一般に1.8〜3.5倍の範囲が好ましい。また、
ゴム状弾性体の突出を抑制するために、ゴム状弾性体を
軟化させる石油樹脂、インデン樹脂、クマロン樹脂、テ
ルペン樹脂あるいはこれらの水素添加物を混合するとさ
らに好ましい。
【0020】本発明フイルムは、主収縮方向が周方向に
なるように円筒状にしてびん等に被覆する収縮ラベルと
して好適な、実質上一軸収縮性のフイルムであって、未
延伸フイルムを幅方向へ一軸延伸して一方向にのみ収縮
するフイルムとすることができる。また、長さ方向にわ
ずかに延伸して、長さ方向にもわずかに収縮するフイル
ムとすることもできる。その場合には、長さ方向の収縮
率は、70℃×5分で5%以下に設定するのが好まし
い。
【0021】
【実施例】以下、実施例でさらに詳しく説明するが、本
発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。なお、本明細書中に表示されるフイルムについて
の種々の測定値または評価は、次のようにして行った。
ここで、フイルムの方向は流れ方向を縦方向、その直交
方向を横方向とよぶ。
【0022】1)熱収縮率 フイルムを、縦100mm、横100mmの大きさに切
り取り、70℃の温水バスと120℃のグリセリンバス
に5分間浸漬し、それぞれの温度での収縮量を測定し
た。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を
%値で表示する。 2)光沢度 JIS K 7105に準拠した。 3)ヘーズ JIS K 7105に準拠した。 4)収縮仕上がり フイルムを、縦40mm、横230mmの大きさに切り
取り、横方向の両端を10mm重ねてヒートシールし、
円筒状にした。この円筒状フイルムを、容量200cc
のガラス瓶にかぶせ、雰囲気温度160℃ないし170
℃となっている大栄化学(株)製の熱処理オーブン内に
1分間入れ、30rpmの速度で回転させた。この一連
の操作によりフイルムの収縮仕上がりを調査した。調査
項目は、入ったシワの本数および大きさにより総合評価
して仕上がりの良好なものから◎、○、△、×で表す。
【0023】5)自然収縮 フイルムを、縦20mm、横200mmの大きさに切り
取り、30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、横方
向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値
で表示した。 6)引張破断伸度 JIS K 6732に準拠して、引張速度100mm
/分で、雰囲気温度0℃におけるフイルムの縦方向の引
張破断伸度を測定した。
【0024】7)剛性 雰囲気温度23℃で、チヤツク間長さ300mmとした
幅5mmのフイルム試験片を、荷重2kg、引張速度5
mm/分で引っ張り、応力が1kgfとなるときの伸量
ΔL(mm)を求め、次式で剛性E(kgf/mm2
を算出した。 E=60/(a・ΔL) a;フイルム試験片の厚さ(mm) Eの数値が、縦、横両方向とも100以上であるものを
○で、未満を×で示す。 8)損失弾性率のピーク温度 粘弾性スペクトロメーターVES−F3(岩本製作所
(株)製)を用い、振動周波数10Hzで測定した。
【0025】(実施例1)ブタジエン7重量%とスチレ
ン5重量%とからなるスチレン−ブタジエン共重合体1
2重量%を分散粒子とし、スチレン46重量%、メチル
メタクリレート30重量%、ブチルアクリレート12重
量%からなる共重合体が連続相となった、損失弾性率の
ピーク温度が75℃である樹脂を原料として、同方向二
軸の混練押出機を用いて、0.18mm厚みのシートを
作成した。
【0026】このシートを105℃の温度の雰囲気のテ
ンター延伸設備内で横方向に3.0倍延伸して、約60
μmのフイルムとした。このフイルムの光沢度は11
4.9%で、全ヘーズは2.3%であった。また収縮仕
上がりの状態は、ほとんどシワは確認されなかった。そ
の他の測定および評価結果も含めて、得られたフイルム
の諸性質を表1に示す。以下の実施例2〜5についても
同じ。
【0027】(実施例2)実施例1において、0.12
mm厚みのシートを作成し、このシートを横方向に2.
0倍延伸した以外は全く同様にしてフイルムを得た。こ
のフイルムの光沢度は141.4%で、全ヘーズは1.
3%であった。また収縮仕上がりの状態は、ほとんどシ
ワは確認されなかった。
【0028】(実施例3)実施例1において、0.21
mm厚みのシートを作成し、このシートを横方向に3.
5倍延伸した以外は全く同様にしてフイルムを得た。こ
のフイルムの光沢度は105.3%で、全ヘーズは2.
4%であった。また収縮仕上がりの状態は、ほとんどシ
ワは確認されなかった。
【0029】(実施例4)実施例1において、100℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は13
5.2%で、全ヘーズは1.8%であった。また収縮仕
上がりの状態は、少し横ジワが確認された。
【0030】(実施例5)実施例1において、120℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は9
0.8%で、全ヘーズは5.6%であった。また収縮仕
上がりの状態は、シワが確認されず非常に良好であっ
た。
【0031】(比較例1)実施例1において、0.09
mm厚みのシートを作成し、横方向に1.5倍延伸した
以外は全く同様にしてフイルムを得た。このフイルムの
光沢度は151.4%で、全ヘーズは1.0%と非常に
良好であったが、収縮仕上がりの状態は、収縮不足を原
因とするシワが確認された。その他の測定および評価結
果も含めて、得られたフイルムの諸性質を表2に示す。
以下の比較例2〜4についても同じ。
【0032】(比較例2)実施例1において、0.25
mm厚みのシートを作成し、横方向に4.2倍延伸した
以外は、全く同様にしてフイルムを得た。このフイルム
の光沢度は101.5%で、全ヘーズは2.8%であっ
た。また収縮仕上がりの状態は、多数の横ジワが確認さ
れた。
【0033】(比較例3)実施例1において、93℃の
雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同様
にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は14
7.8%で、全ヘーズは1.3%であった。また収縮仕
上がりの状態は、多数の横ジワが確認された。
【0034】(比較例4)実施例1において、130℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は8
1.2%、全ヘーズは7.3%と劣っていた。収縮仕上
がりの状態は、横ジワは確認されず非常に良好であっ
た。
【0035】(実施例6)ブタジエン7重量%とスチレ
ン5重量%とからなるスチレン−ブタジエン共重合体1
2重量%を分散粒子とし、スチレン48重量%、メチル
メタクリレート30重量%、ブチルアクリレート10重
量%からなる共重合体が連続相となった、損失弾性率の
ピーク温度が79℃である樹脂を原料とする以外は実施
例1と同様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢
度は147.5%で全ヘーズは1.7%であった。また
収縮仕上がりは、ほとんどシワは確認されなかった。そ
の他の測定および評価結果も含めて、得られたフイルム
の諸性質を表3に示す。以下の実施例7〜11について
も同じ。
【0036】(実施例7)実施例6において、0.12
mm厚みのシートを作成し、横方向に2.0倍延伸した
以外は、全く同様にしてフイルムを得た。このフイルム
の光沢度は145.1%で、全ヘーズは1.7%であっ
た。また収縮仕上がりの状態は、ほとんどシワは確認さ
れなかった。
【0037】(実施例8)実施例6において、0.21
mm厚みのシートを作成し、横方向に3.5倍延伸した
以外は、全く同様にしてフイルムを得た。このフイルム
の光沢度は142.0%で、全ヘーズは1.7%であっ
た。また収縮仕上がりの状態は、少し横ジワが確認され
た。
【0038】(実施例9)実施例6において、100℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は14
7.6%、全ヘーズは1.5%であった。収縮仕上がり
の状態は、少し横ジワが確認された。 (実施例10)実施例6において、115℃の雰囲気の
テンター延伸設備内で延伸する以外は全く同様にしてフ
イルムを得た。このフイルムの光沢度は121.1%
で、全ヘーズは5.4%であった。また収縮仕上がりの
状態は、横ジワは確認されず非常に良好であった。
【0039】(実施例11)実施例6において、95℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は14
8.2%で、全ヘーズは1.2%であった。また収縮仕
上がりの状態は、少し横ジワが確認された。 (比較例5)実施例6において、0.24mm厚みのシ
ートを作成し、横方向に4.0倍延伸した以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は14
0.4%で、全ヘーズは1.6%であった。また収縮仕
上がりの状態は、多数の横ジワが確認された。その他の
測定および評価結果も含め、得られたフイルムの諸性質
を表4に示す。以下の比較例6〜7についても同じ。
【0040】(比較例6)実施例6において、0.09
mm厚みのシートを作成し、横方向に1.5倍延伸した
以外は全く同様にしてフイルムを得た。このフイルムの
光沢度は153.2%で、全ヘーズは1.2%であっ
た。また収縮仕上がりの状態は、収縮不足を原因とする
シワが確認された。
【0041】(比較例7)実施例6において、130℃
の雰囲気のテンター延伸設備内で延伸する以外は全く同
様にしてフイルムを得た。このフイルムの光沢度は9
7.5%で、全ヘーズは6.9%であった。また収縮仕
上がりの状態は、横ジワは確認されず非常に良好であっ
た。
【0042】(比較例8)ブタジエン4重量%とスチレ
ン2.7重量%とからなるスチレン−ブタジエン共重合
体6.7重量%を分散粒子とし、スチレン45.3重量
%、メチルメタクリレート48重量%からなる共重合体
が連続相となった、損失弾性率のピーク温度が103℃
である樹脂を原料として、実施例1と同様にしてシート
を得た。このシートの延伸は、130℃の雰囲気でよう
やく可能となったが、50℃〜100℃での熱収縮率は
全く発現しなかった。
【0043】(比較例9)ブタジエン4重量%とスチレ
ン2.7重量%とからなるスチレン−ブタジエン共重合
体6.7重量%を分散粒子とし、スチレン51.3重量
%、メチルメタクリレート15重量%、ブチルアクリレ
ート27重量%からなる共重合体が連続相となった、損
失弾性率のピーク温度が48℃である樹脂を原料とし
て、実施例1と同様にしてシートを得た。しかしながら
このシートからできた、70℃の熱収縮率が約40%の
フイルムでも自然収縮は10%を越え、寸法安定性のな
い実用上問題のあるフイルムができた。
【0044】(比較例10)スチレンが86重量%で、
ブチルアクリレートが14重量%からなる共重合体で、
損失弾性率のピーク温度が73℃である樹脂を原料とし
て、実施例1と同様にしてフイルムを得た。80℃の熱
収縮率が53%(70℃ではほとんど収縮しない)のフ
イルムで引張破断伸度を測定した結果、5〜7%と非常
に低く脆いフイルムであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表1〜4の結果を集約すると、実施例の本
発明フイルムは、光沢、透明性を維持しながら良好な収
縮仕上がりを示し、バランスのとれた特性を有してい
る。また、剛性も十分あり、引張破断伸度も十分で耐破
断性に優れている。なお、実施例1〜11、比較例1〜
7のフイルムは、いずれも自然収縮率が1%以下で、本
発明によれば低自然収縮性のフイルムが得られることが
わかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、光沢、透明性が優れ、
良好な収縮仕上がり外観が得られ、自然収縮も小さい熱
収縮性フイルムが得られる。また本発明フイルムは、剛
性、耐破断性の点でも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:02 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマとアクリル(メタクリ
    ル)酸エステルよりなるスチレン系共重合体の連続相中
    に、分散粒子としてゴム状弾性体を1〜20重量%含有
    し、損失弾性率(E″)のピーク温度が50〜85℃の
    範囲にある樹脂を主体としてなり、一方向の70℃×5
    分の熱収縮率が10〜45%の範囲にあり、かつ同方向
    の120℃×5分の熱収縮率が40〜70%の範囲にあ
    ることを特徴とする熱収縮性フイルム。
JP17753095A 1994-09-01 1995-07-13 熱収縮性フイルム Pending JPH08118470A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6221447B1 (en) 1996-11-18 2001-04-24 Charles S. Munn Rubber products that shrink due to the application of energy and hypo-allergenic rubbery products

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6221447B1 (en) 1996-11-18 2001-04-24 Charles S. Munn Rubber products that shrink due to the application of energy and hypo-allergenic rubbery products
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