JPH08117666A - 円筒体の塗布装置および塗布方法 - Google Patents

円筒体の塗布装置および塗布方法

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JPH08117666A
JPH08117666A JP27723194A JP27723194A JPH08117666A JP H08117666 A JPH08117666 A JP H08117666A JP 27723194 A JP27723194 A JP 27723194A JP 27723194 A JP27723194 A JP 27723194A JP H08117666 A JPH08117666 A JP H08117666A
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coating liquid
cylindrical body
packing
coating
ring
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JP27723194A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Tada
一幸 多田
Mamoru Fujita
護 藤田
Tomomasa Sato
智正 佐藤
Fusashi Katou
房志 加藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 垂直型塗布方法において、スペーサー部材を
使用することなく、円筒体の外周面に、均一かつ良好な
塗膜を形成することのできる塗布装置および塗布方法を
提供する。 【構成】 円筒体の外周面に塗膜を形成させる塗布装置
であって、開口部を有する塗液容器と、円筒体と接触し
て塗液をシールする開口部を有する弾性体パッキング
と、その下方に独立に上下方向に移動可能に配置された
リング状可動部材とから構成されている。また、上記塗
布装置を用いる塗布方法であって、弾性体パッキングを
保持した塗液容器中に塗液を入れ、弾性体パッキングの
開口部とそこに挿入された円筒体とで塗液をシールしな
がら、塗液容器と円筒体とを上下逆方向に移動させて塗
液を塗布し、円筒体の下端部が弾性体パッキングの開口
部を通過する前に、その下方に上下方向に移動可能に配
置されたリング状可動部材を移動させて、弾性体パッキ
ングを押し上げて広げ、塗布作業を終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体ドラム
等に用いられる円筒体を塗液内に通過させることによ
り、円筒体の外周面に塗膜を形成させる垂直型塗布装置
および該装置を用いる塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より円筒体の外周面に感光層形成用
等の塗液を塗布する方法としては、浸漬塗布法および垂
直型塗布方法が知られている。浸漬塗布法は、操作が簡
便であるという利点を有するが、塗布面に均一に塗布さ
せるには、浸漬槽上部の液面を平滑に保持し、浸漬槽内
部の塗液の流れを安定化させるために、円筒体をゆっく
り浸漬する必要があるために、浸漬に時間を要するこ
と、また、被塗布面以外の円筒体内部に塗液が塗布され
るのを防ぐために、円筒体内部を気密に保つ機構が必要
となること、仮に円筒体内部を気密に保つ機構を設けて
も、円筒体内部の一部に塗液が付着することは避けられ
ず、付着した塗液を除去する工程が必要となること、さ
らにまた、円筒体全体を浸漬するために、多量の塗液が
必要となること等の問題がある。一方、垂直型塗布方法
は、開口部を有するリング状液漏れ防止用弾性体パッキ
ングを保持するリング状塗液容器を設け、該弾性体パッ
キング開口部に円筒体を挿入し、円筒体をリング状塗液
容器に対し、相対的に上方に移動させることにより、円
筒体の外周面に塗布する方法であって、上記浸漬塗布方
法と比較して、浸漬過程を省略できるために生産効率が
高いこと、円筒体内面に塗液が付着しないために塗液の
除去工程を要しないこと、少量の塗液で塗布が可能とな
ること、および円筒体をリング状塗液容器の開口部に連
続的に挿入する連続塗布が可能であること等の利点を有
する。
【0003】従来、垂直型塗布方法としては、円筒体を
弾性体パッキングから完全に引き抜いても、塗液が弾性
体パッキング開口部より流出しないように、複数個のス
ペーサー部材により、円筒体を擬似連続体として、弾性
体パッキング開口部に供給する方法(特開平2−115
082号公報)が知られているが、この場合には、円筒
体外周面と共にスペーサー部材の外周面も、リング状塗
液容器を通過する際に塗布されてしまうことから、スペ
ーサー部材外周面に塗布される塗液の無駄が生じるこ
と、また、塗布されたスペーサー部材の洗浄工程が必要
となること、さらに、スペーサー部材の搬送、装脱着等
のハンドリングが煩雑であるという欠点があった。
【0004】この方法を改良するものとして、スペーサ
ーを使用しない垂直型塗布装置(特開平5−20417
1号公報)が提案されている。この装置は、リング状塗
液タンクとは別に、シール機能を有する可とう性パッキ
ングを保持する摺動可能なパッキングホルダーを、リン
グ状塗液容器内部に略同芯でOリングを介して具備し、
該パッキングホルダーは、円筒体がリング状塗液タンク
を通過中には下方に下げることにより、円筒体に塗液を
塗布し、また、円筒体の下端が可とう性パッキングを通
過してしまう以前に、パッキングホルダーを上昇させる
ことにより、円筒体を引き抜いても塗液の液漏れを防止
できるようにしているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した特
開平5−204171号公報に記載の垂直型塗布方法
は、パッキングホルダー外周面に塗液が付着することは
避けられず、この付着した塗液が塗膜となって固化する
ことになる。この塗膜は、パッキングホルダーの上昇、
下降を繰り返す間にOリングとの摩擦等により次第に剥
がれて、塗液内に混入し、その結果、この塗液を用いて
塗布すると、円筒体の外周面に異物による欠陥が生じる
という欠点を有している。本発明は、従来の技術におけ
る上記した欠点を解消するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、スペーサー部材を使用する
ことなく、円筒体の外周面に、均一、かつ、良好な塗膜
を形成することのできる垂直型塗布装置および該装置を
用いる塗布方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒体の外周
面に塗膜を形成させる塗布装置であって、開口部を有す
る塗液容器と、該開口部に保持され、被塗布物である円
筒体と接触して塗液をシールする開口部を有する弾性体
パッキングと、該弾性体パッキングの下方に被塗布物で
ある円筒体とは接触することなく、且つ、該弾性体パッ
キングとは独立に上下方向に移動可能に配設されたリン
グ状可動部材とを有することを特徴とする。また、本発
明は、円筒体の外周面に塗膜を形成させる塗布方法であ
って、弾性体パッキングを保持した塗液容器中に塗液を
入れ、弾性体パッキングの開口部と該開口部に挿入され
た被塗布物である円筒体とで塗液をシールしながら、塗
液容器と円筒体とを相対的に上下逆方向に移動させるこ
とにより円筒体に塗液を塗布する方法において、円筒体
の下端部が弾性体パッキングの開口部を通過する前に、
該弾性体パッキングの下方に被塗布物である円筒体とは
接触することなく、かつ、該弾性体パッキングとは独立
に上下方向に移動可能に配置されたリング状可動部材を
移動させて、該弾性体パッキングを押し上げて広げるこ
とを特徴とする。さらにまた、本発明は、疑似連続体と
した円筒体の外周面のうち円筒体の継ぎ目部分に塗布す
ることなく、塗膜を形成させる塗布方法であって、上記
した方法において、複数の円筒体を疑似連続体として供
給し、一本の円筒体の下端部が弾性体パッキングの開口
部を通過する前に、該弾性体パッキングとは接触するこ
となく、かつ、該弾性体パッキングとは独立に上下方向
に移動可能に配置されたリング状可動部材を移動させ
て、該弾性体パッキングを押し上げて広げ、次の円筒体
上端部が弾性体パッキングの開口部を通過した後に、該
リング状可動部材を移動させることにより該弾性体パッ
キングを円筒体に接触させて連続的に塗布することを特
徴とする
【0007】以下、本発明を図面によって説明する。図
1ないし図5は、本発明の塗布装置およびその使用状態
を説明する図であって、図において、1は被塗布円筒
体、2は円筒体支持部材、3は芯出し治具、4は弾性体
パッキング、5は塗液容器、6はリング状可動部材、7
は塗液である。本発明の塗布装置を図1によって説明す
ると、円筒体1の外周面に塗液の塗布開始時の状態を示
すものであり、芯出し治具3の上に、被塗布物である円
筒体1と、その中に、同心円の円筒体支持部材2が配置
されている。また、塗液7は、塗液容器5内に収容さ
れ、弾性体パッキング4および円筒体1により、塗液が
漏れないように保持している。さらに、弾性体パッキン
グ4の下方には、該弾性体パッキングとは独立に上下方
向に移動可能なリング状可動部材6が、円筒体1の表面
に接触させることなく配置されている。
【0008】本発明におけるリング状可動部材は、円筒
形で弾性体パッキングを押し広げられる形状のものであ
れば、何如なる形状および材質で形成されていてもよ
い。図6は、本発明の塗布装置で用いるリング状可動部
材6の一例を示す斜視図であり、リング状可動部材6の
外径aは、円筒体1の外径に対し、1.05〜2倍の範
囲が好ましく、より好ましくは1.1〜1.5倍の範囲
である。また、その厚さbは、0.5〜5mmが好まし
い。図7は、リング状可動部材6の他の一例を示すもの
であり、円筒形の上方の弾性体パッキングと接触する部
分にテーパーをつけたものである。その他、リング状可
動部材6としては、断面が曲面状や多角形状の形状を有
するものであってもよい。
【0009】本発明に使用する弾性体パッキングの材質
としては、例えば、ポリイソプレン、ブタジエン・スチ
レン共重合体、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、イ
ソブチレン・イソプレン共重合体、ブタジエン・アクリ
ルニトリル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、
クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリシロキサン、6
フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン共重合体、ポリサ
ルファイトなどからなる工業用ゴム製品や、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイ
ミド等の樹脂フィルム等が使用できるが、特に弾性、永
久歪みに対する耐性及び塗液に用いる溶剤に対する耐性
等を考慮して、適宜選択することが好ましい。また、弾
性体パッキングの径については、円筒体の外径に対し、
内径比が0.9〜1.0の範囲のものが好ましく、より
好ましくは、0.95〜0.99の範囲である。さら
に、弾性体パッキングの厚さは、0.5〜5mm程度で
あり、好ましくは、1〜3mmである。
【0010】次に、本発明の上記塗布装置を用いて塗液
を塗布する方法について、図2ないし図5によって説明
する。上記塗布装置において、塗液容器5およびリング
状可動部材6を、円筒体1に対し相対的に下降させるこ
とにより、図2のように、塗液7は円筒体1の外周面上
部から下部に向かって塗布される。円筒体1の外周面の
下端部が弾性体パッキング4の開口部を通過する前(円
筒体1の外周面のほぼ全領域に塗液が塗布されたとき)
に、塗液容器5に対してリング状可動部材6を相対的に
持ち上げるように移動させて、弾性体パッキング4を押
し上げて広げることにより、図3のように、塗液7の漏
れがない状態で塗布を終了させる。その後、図4のよう
に、塗布を終了した円筒体1を、円筒体支持部材により
上方に引上げ、乾燥等の後工程に搬送する。次いで、再
び新たな円筒体1が、円筒体支持部材2により芯出し治
具3に設置され、塗液容器5及びリング状可動部材6
を、図5のように、塗布開始位置まで相対的に上昇させ
て後、図1に見られるように、リング状可動部材6が、
塗液容器5に対し相対的に下降し、塗液7が円筒体1に
塗布できる状態になる。本発明の塗布方法は、以上の工
程を順次繰り返すことにより実施される。
【0011】本発明の塗布装置において、円筒体1の外
周面の下端部が弾性体パッキング4の開口部を通過する
前、すなわち、塗布終了の直前に、塗液容器5に対して
リング状可動部材6を相対的に持ち上げるように移動さ
せるが、リング状可動部材の移動は、駆動装置を用いず
に塗液容器を下降させることによって、相対的に移動さ
せるようにしてもよく、或いは駆動装置を用いて積極的
に移動するようにしてもよい。駆動装置を用いる場合に
は、低粘度液でも塗液が漏れないという利点があるの
で、感光ドラムの下引き層や電荷発生層を形成する場合
に好適である。
【0012】図8は、駆動装置を用いずに、塗液容器を
下降させてリング状可動部材を相対的に移動させる場合
を説明するものであって、図8(a)は塗布開始初期の
状態を示し、図8(b)は塗布終了時の状態を示す図で
ある。リング状可動部材6は芯出し治具3に固定されて
おり、塗液容器5が下降するように構成されている。そ
れにより、円筒体1の周囲に塗液7が塗布される。塗液
容器5が相対的に下降して円筒体1の下端部近くに達す
ると、リング状可動部材6により、弾性体パッキング4
が押し上げて広げられ、円筒体1と塗液7との接触が停
止されて塗布操作が終了する。
【0013】図9および図10は、駆動装置を用いてリ
ング状可動部材を移動させる場合を説明するものであっ
て、図9においては駆動装置としてエアシリンダを用い
た場合を示す。図9(a)に示すように、リング状可動
部材6は、可動部材支持体12に支持され、それが塗液
容器5を支持する塗布ヘッド支持体13にエアシリンダ
14、支持枠15および支柱16等を介して所定の間隔
を保持して固定されている。塗布ヘッドが円筒体1の下
端部に達すると、図示されていないセンサによってエア
シリンダ14の駆動が開始され、リング状可動部材6が
上昇する。図9(b)はその状態を示すものである。こ
の場合、上昇距離はストッパ17により適宜調整するこ
とができる。
【0014】また、図10は、モータおよびボールネジ
によってリング状可動部材が駆動する場合を示す。図に
示すように、リング状可動部材6は、可動部材支持体1
2に支持され、それが支持枠15に螺合するボールネジ
20の一端に連結され、塗液容器5に対して所定の間隔
を保持して固定されている。ボールネジ20の他端は駆
動ベルト19を介してモータ18に連結されている。塗
布ヘッドが円筒体の下端部に達すると、図示されていな
いセンサによってモータ18の駆動が開始され、駆動ベ
ルト19によってボールネジ20が回転し、それによっ
てリング状可動部材6が上昇する。
【0015】本発明に使用する塗液としては、円筒体の
外周面に塗布する場合に使用する公知の塗液が使用でき
るが、特に電子写真用の感光体ドラムに電荷発生層、電
荷輸送層、下引き層および保護層等を形成させるために
塗布される公知の塗液はいずれも使用できる。また、塗
液に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼンン等のハロゲン化炭化水素、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコール等のエーテル類、アセトン、メチル
エチルケトン、アノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げら
れる。塗液の粘度は、0.01〜1000mPas程度
が好ましく、より好ましくは、1〜600mPasの範
囲であるが、塗布膜厚及び塗布速度等によって、適宜選
択することが好ましい。
【0016】図11は、本発明の塗布装置の別の一例を
示すものであり、図11において、8はオーバーフロー
受け、9は塗液供給口、10は塗液排出口、11は塗液
容器上端部であり、1〜7はいずれも図1と同じであ
る。図11においては、塗液7が塗液供給口9から塗液
容器5に常に過剰に供給され、過剰の塗液は塗液容器上
端部11からオーバーフロー受け8を経て塗液排出口1
0より流出させる構成を有している。このオーバーフロ
ー受け8を設置することにより、塗液7の液面レベル
は、塗液容器に対して常に一定に保持されている。流出
する塗液は、図中には示していないが、液受けタンク、
ポンプ、フィルター及び配管等で構成された、いわゆる
循環装置により、再度塗液供給口9に循環することによ
り、塗液の連続的な供給が可能となる。さらに、上記の
循環装置には、公知の塗液粘度調節機構あるいは塗液組
成調節機構等を付加することもでき、この場合、塗液容
器5内の塗液7の粘度または組成を一定に保つことによ
り、円筒体の連続的な塗布を、より安定な状態で行うこ
とができる。
【0017】また、円筒体1の外周面のほぼ全領域に塗
布されたとき、塗液容器5に対してリング状可動部材6
を相対的に上方に持ち上げることにより、弾性体パッキ
ング4を押し上げて広げて、塗布を終了させた時点でも
液面レベルは同じであり、弾性体パッキング4の形状が
変化して塗液容器に実質的な容積変化が生じても、塗液
の液面レベルは一定に保持されるから、均一な塗膜を形
成させることができる。しかし、塗液容器上端部11の
高さは、弾性体パッキング4がリング状可動部材6によ
り押し上げられたとき、塗布終了時に塗液が漏れないよ
うに、弾性体パッキング4の開口端の高さよりも、低く
設定することが必要である。本発明による塗布方法及び
装置は、図1〜図5及び図11の例に限定されるもので
はなく、例えば、円筒体1を上方に移動させる方法も採
用できるし、また、円筒体をスペーサーを用いることな
く、弾性体パッキングの下方から連続的に供給して塗布
する方法にも使用できるものである。
【0018】図13は、本発明の塗布装置の別の一例を
示すものである。図13において、1、1′、1″は円
筒体であり、疑似連続体となるように接続されており、
4〜7は、いずれも図1と同じである。図13において
は、円筒体1、1′、1″は、疑似連続体として塗液容
器5に連続的に供給され、外周面に塗膜が形成される。
このとき、一本の円筒体の下端部が弾性体パッキングの
開口部を通過する前に、リング状可動部材6を移動させ
て、該弾性体パッキング4を押し上げ、該円筒体の下端
部に塗膜が形成されないようにする。次に、直下の円筒
体の上端部が弾性体パッキングの開口部を通過した後に
該リング状可動部材を移動させて該弾性体パッキングを
円筒体に接触させ、円筒体に塗布液が接触するようにす
る。この一連の動作を一定の速度で繰り返すことによ
り、一定の品質の均一な製品が連続的に生産される。円
筒体を疑似連続体とする手段は、図中には示していない
が、円筒体の端部に嵌め合い加工を施すこと等によって
可能となる。さらに、上記の塗布装置には、公知の多関
節ロボットにより塗布が終了した円筒体を連続体から除
去し、乾燥等の次工程へ搬送することも可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 30mmφ×340mmのアルミニウムパイプである被
塗布円筒体1の外周面に、図1〜図5に示す塗布装置を
用いて塗布した。塗液には、粒状三方晶セレン87重量
部と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:ソリュ
ーション・ビニル・VMCH、ユニオン・カーバイド社
製)13重量部とを酢酸n−ブチル200重量部に溶解
した溶液をアトライターで24時間分散処理し、次いで
得られた分散液30重量に酢酸n−ブチル57重量部を
加えて希釈して得た塗液9mlを使用した。弾性体パッ
キング4には、厚さ1mm、外径106mm、内径28
mmの軟質ポリエチレンシートを、また、リング状可動
部材6には、厚さ3mm、外径39.5mmの円筒形状
のものをそれぞれ使用した。
【0020】先ず、図1に示すように、アルミニウムパ
イプ円筒体1の外周面の塗布開始箇所が、液体容器5内
の塗液7上端部と接触するように、塗液容器5に対しリ
ング状可動部材6を相対的に下方に移動させて、塗布開
始時の状態にした。次に、図2に示すように、塗液容器
5とリング状可動部材6とを同時に360mm/分の速
度で引き下げて行くことにより、アルミニウムパイプ円
筒体1の外周面に塗液を塗布して行き、その外周面のほ
ぼ全領域に塗液が塗布されたところでリング状可動部材
6の移動を停止させた。液体容器5は、図12に示すよ
うに、リング状可動部材6と弾性体パッキング4の接触
により、弾性体パッキング4の開口端が7mm押し上げ
られるまで上記速度で移動させた後、停止させた。その
結果、アルミニウムパイプ円筒体1の外周面には、目視
上塗膜表面に欠陥がなく、かつ、均一な塗膜が形成され
た。また、この塗布中には、塗液の漏れは全く見られな
かった。
【0021】実施例2 被塗布円筒体1、塗液7、弾性体パッキング4及びリン
グ状可動部材6は、実施例1と同じものを用いた。ま
ず、図1に示すように、実施例1と同様に、アルミニウ
ムパイプ円筒体1の塗布開始時の状態にした。次に、図
2に示すように、塗液容器5とリング状可動部材6とを
360mm/分の速度で同時に引き下げて行くことによ
り、アルミニウムパイプ円筒体1の外周面に塗液を塗布
して行き、その外周面のほぼ全領域に塗液が塗布された
ところでリング状可動部材6の移動方向を反転させ、リ
ング状可動部材6を720mm/分の速度で上昇させ
た。塗液容器5とリング状可動部材6は、図12に示す
ように、リング状可動部材6と弾性体パッキング4の接
触により、弾性体パッキングの内側が7mm押し上げら
れるまで上記速度で移動を続けた後、センサにより停止
させた。その結果、実施例1と同様に、液漏れを起こさ
ずに、アルミニウムパイプ円筒体1の外周面には、目視
上塗膜表面に欠陥がなく、かつ、均一な塗膜が形成され
た。
【0022】実施例3 図11に示すオーバーフロー機構を備えた装置を用いた
以外は、実施例1と同じ円筒体1、塗液7、弾性体パッ
キング4及びリング状可動部材6を用いて塗布を行っ
た。塗液容器上端部11の高さは、弾性体パッキングの
取り付け面から5mmとし、塗液は塗液供給口9から2
0ml/分の速度で供給し、その他の操作条件は実施例
1と同じであった。その結果、実施例1と同様に、液漏
れを起こさずに、アルミニウムパイプ円筒体1の外周面
には、目視上塗膜表面に欠陥がなく、かつ、均一な塗膜
が形成された。
【0023】
【発明の効果】本発明における円筒体の垂直型塗布装置
は、上記のように、円筒体と接触して塗液をシールする
開口部を有する弾性体パッキングと該弾性体パッキング
の下方に上下方向に移動可能なリング状可動部材とによ
り、塗液の漏れを防止するものであるから、スペーサー
部材を使用する必要がなくなり、したがって、スペーサ
ー部材に塗布されてしまう塗液の無駄がなく、また、ス
ペーサー部材の洗浄工程および繁雑なスペーサー部材の
搬送、装脱着等のハンドリングが不必要となる。また、
本発明は、従来の垂直型塗布方法において塗液中に発生
する異物による塗膜の欠陥がなく、均一、かつ良好な塗
膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗布装置による塗布開始時の状態の
部分断面を示す概略説明図である。
【図2】 本発明の塗布装置による塗布中の状態の部分
断面を示す概略説明図である。
【図3】 本発明の塗布装置による塗布終了直前の状態
の部分断面を示す概略説明図である。
【図4】 本発明の塗布装置による塗布終了後、円筒体
を取り外した状態の部分断面を示す概略説明図である。
【図5】 本発明の塗布装置による塗布開始位置まで塗
液容器を移動している状態の部分断面を示す概略説明図
である。
【図6】 本発明の塗布装置に用いるリング状可動部材
の斜視図である。
【図7】 本発明の塗布装置に用いるリング状可動部材
の他の例の斜視図である。
【図8】 駆動装置を用いずにリング状可動部材を相対
的に移動する場合を説明する説明図で、(a)は塗布開
始初期の状態を示し、(b)は塗布終了時の状態を示
す。
【図9】 駆動装置を用いてリング状可動部材を移動さ
せる実施例を示す説明図で、(a)は駆動開始時の状態
を示し、(b)は駆動終了時の状態を示す。
【図10】 駆動装置を用いてリング状可動部材を移動
させる他の実施例を示す説明図である。
【図11】 本発明の塗布装置の他の一例の構成図であ
る。
【図12】 本発明の実施例1および2の塗布終了時点
の状態を示す説明図である。
【図13】 本発明の塗布方法の他の一例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1、1′、1″…被塗布円筒体、2…円筒体支持部材、
3…芯出し治具、4…弾性体パッキング、5…塗液容
器、6…リング状可動部材、7…塗液、8…オーバーフ
ロー受け、9…塗液供給口、10…塗液排出口、11…
塗液容器上端部、12…可動部材支持体、13…塗布ヘ
ッド支持体、14…エアシリンダ、15…支持枠、16
…支柱、17…ストッパ、18…モータ、19…駆動ベ
ルト、20…ボールネジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 房志 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する塗液容器と、該開口部に
    保持され、被塗布物である円筒体と接触して塗液をシー
    ルする開口部を有する弾性体パッキングと、該弾性体パ
    ッキングの下方に円筒体とは接触することなく、かつ、
    該弾性体パッキングとは独立に上下方向に移動可能に配
    置されたリング状可動部材とを有することを特徴とする
    円筒体の塗布装置。
  2. 【請求項2】 弾性体パッキングを保持した塗液容器中
    に塗液を入れ、弾性体パッキングの開口部と該開口部に
    挿入された被塗布物である円筒体とで塗液をシールしな
    がら、塗液容器と円筒体とを相対的に上下逆方向に移動
    させることにより円筒体に塗液を塗布する方法におい
    て、円筒体の下端部が弾性体パッキングの開口部を通過
    する前に、該弾性体パッキングの下方に円筒体とは接触
    することなく、かつ、該弾性体パッキングとは独立に上
    下方向に移動可能に配置されたリング状可動部材を移動
    させて、該弾性体パッキングを押し上げて広げることを
    特徴とする円筒体の塗布方法。
  3. 【請求項3】 複数の円筒体を疑似連続体として供給
    し、一本の円筒体の下端部が弾性体パッキングの開口部
    を通過する前に、リング状可動部材を移動させて、該弾
    性体パッキングを押し上げて広げ、次の円筒体上端部が
    弾性体パッキングの開口部を通過した後に、該リング状
    可動部材を移動させることにより該弾性体パッキングを
    円筒体に接触させて連続的に塗布することを特徴とする
    請求項2記載の円筒体の塗布方法。
JP27723194A 1994-10-18 1994-10-18 円筒体の塗布装置および塗布方法 Pending JPH08117666A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010100593A (ko) * 2000-05-04 2001-11-14 김현우 일회용 오물수거용기의 방수제 도포장치
JP2022077541A (ja) * 2020-11-10 2022-05-24 九州電力送配電株式会社 塗装装置及び塗装方法

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