JPH11231557A - 円筒体の塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

円筒体の塗布装置及び塗布方法

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JPH11231557A
JPH11231557A JP3642098A JP3642098A JPH11231557A JP H11231557 A JPH11231557 A JP H11231557A JP 3642098 A JP3642098 A JP 3642098A JP 3642098 A JP3642098 A JP 3642098A JP H11231557 A JPH11231557 A JP H11231557A
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JP
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coating
coating liquid
cylindrical body
opening
liquid reservoir
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JP3642098A
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English (en)
Inventor
Kiyokazu Mashita
清和 真下
Fumio Kojima
文夫 小島
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒体の外周面に均一かつ異物の混入のない良
好な塗膜を形成することのでき、また、スペーサー部材
に対する塗布を回避できる非接触垂直型塗布装置及び塗
布方法を提供すること。 【解決手段】被塗布物である円筒体を上下方向に移動さ
せる手段と、前記円筒体が通過可能な開口部を有する塗
布容器であって、前記開口部を取り囲む塗液溜りを有す
る塗布容器と、前記塗布容器の前記開口部に密着して配
設され、前記円筒体を収容する円筒状部材とを備えたこ
とを特徴とする円筒体の塗布装置。塗布容器に設けられ
た開口部を取り囲む塗液溜りに塗液を供給する工程と、
前記開口部から円筒体を上方に引き上げつつ、前記塗液
溜りの一端から塗液を溢流させることにより、前記一端
と前記円筒体との間に塗液ビードを形成して前記円筒体
の外周面に塗液を塗布する工程と、前記塗布工程終了時
に前記塗液溜りから少なくとも一部の塗液を排出する工
程によって円筒体への塗布が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体ド
ラム等に用いられる円筒体を塗液ビード内に通過させる
ことにより、円筒体の外周面に塗膜を形成させる垂直型
の塗布装置及び該装置を用いる塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、円筒体の外周面に感光層形成
用等の塗液を塗布する方法として、浸漬塗布法および垂
直型塗布方法が知られている。浸漬塗布法は、塗布容器
内の塗液に円筒体を浸漬する方法であり、操作が簡便で
あるという利点を有するが、塗布面に均一に塗布させる
には、浸漬槽上部の液面を平滑に保持し、浸漬槽内部の
塗液の流れを安定化させるために、円筒体をゆっくり浸
漬する必要がある。
【0003】そのために、浸漬塗布法においては、浸漬
に時間を要すること、また、被塗布面以外の円筒体内部
に塗液が塗布されるのを防ぐために円筒体内部を気密に
保つ機構が必要となること、そして仮に円筒体内部を気
密に保つ機構を設けても、円筒体内部の一部に塗液が付
着することは避けられず、付着した塗液を除去する工程
が必要となること、さらにまた、円筒体全体を浸漬する
ために、多量の塗液が必要となること等の問題がある。
【0004】一方、非接触垂直型塗布方法は、中央に開
口部を有するリング状塗布容器の該開口部に被塗布物で
ある円筒体の外周面に対向するホッパーエッジを設け、
スライド面を介してホッパーエッジに塗液を供給するこ
とにより円筒体とホッパーエッジの間に塗液ビードを形
成しつつ、該開口部内において円筒体を相対的に上方に
移動させて円筒体の外周面に塗液を塗布する方法(特開
平1−158452号公報)であり、上記浸漬塗布方法
と比較して、浸漬過程を省略できるために生産効率が高
いこと、円筒体内面に塗液が付着しないために塗液の除
去工程を要しないこと、少量の塗液で塗布が可能となる
こと等の利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記垂直型塗布方法で
は、円筒体外周面の塗布終了時及び円筒体の排出時には
ホッパーエッジへの塗液の供給は停止されるので、スラ
イド面には使用されずに残った塗液が付着する。そし
て、前記スライド面は外界に開放されているので、この
付着した塗液が塗膜となって固化することになる。とこ
ろが、従来の特開平1−158452号公報で提案され
ている垂直型塗布装置ではスライド面が塗布容器の外周
部から円筒体方向に向けて下方に傾斜した構造とされて
いるために、塗布作業を繰返すうちに固化塗膜が前記ス
ライド面から次第に剥がれて塗液内に混入し、重力等の
作用によりこの塗膜混入塗液がそのまま円筒体の外周面
に塗布されることがある。このような固化塗膜は円筒体
外周面の異物となるので、該円筒体上から製造された電
子写真感光体を使用した場合に画像欠陥が生じる。
【0006】また、特開平1−158452号公報に記
載の垂直型塗布装置はスライド面上の塗液が常に円筒体
側に供給される構造であるので、塗布工程を任意に中断
し、円筒体への均一な塗膜端を形成することが困難であ
る。したがって、円筒体に連続的に塗布を行う場合には
円筒体を複数個のスペーサー部材により一体に連結した
状態でリング状塗布容器の開口部に連続的に供給する方
法を採用する必要があるが、この場合には円筒体外周面
と共にスぺーサー部材の外周面も、リング状塗布容器を
通過する際に塗布されてしまうことから、スペーサー部
材外周面に塗布される塗液の無駄が生じる上に、塗布さ
れたスペーサー部材の洗浄工程が別途必要となる。さら
に、スペーサー部材の搬送、装脱着等のハンドリングが
煩雑であるという欠点がある。
【0007】本発明は、従来の技術における上記した問
題点を解消することをその目的とするものである。すな
わち、本発明の目的は、円筒体の外周面に均一かつ異物
の混入のない良好な塗膜を形成することのでき、また、
スペーサー部材の使用を不要とする非接触垂直型塗布装
置及び塗布方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被塗布物であ
る円筒体を上下方向に移動させる手段と、前記円筒体が
通過可能な開口部を有する塗布容器であって、前記開口
部を取り囲む塗液溜りを有する塗布容器と、前記塗布容
器の前記開口部に密着して配設され、前記円筒体を収容
する円筒状部材とを備えたことを特徴とする円筒体の塗
布装置によって、上記目的を達成した。
【0009】前記塗液溜りは、前記開口部側の一端から
前記塗布容器の外周方向側の他端に向かって下方に傾斜
した底面を少なくとも一部に有することが好ましい。
【0010】本発明では、塗布容器に設けられた開口部
を取り囲む塗液溜りに塗液を供給する工程と、前記開口
部から円筒体を上方に引き上げつつ、前記塗液溜りの一
端から塗液を溢流させることにより、前記一端と前記円
筒体との間に塗液ビードを形成して前記円筒体の外周面
に塗液を塗布する工程と、前記塗布工程終了時に前記塗
液溜りから少なくとも一部の塗液を排出する工程によっ
て円筒体への塗布が行われる。
【0011】なお、本明細書における「塗液ビード」と
は、塗液溜りの一端と円筒体外周面との小さな隙間に形
成される塗液の帯を指すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって詳細に説明する。ただし、本発明を図面に示す
態様に限定するものではない。図1は、本発明に係る塗
布装置の実施の形態の一例を示す図であり、1は塗液の
被塗布物である円筒体、2は円筒体支持部材、3は芯出
し治具、4は塗布容器、5は開口部、6は塗液溜り、6
aは塗液溜りの一端、6bは塗液溜りの底面、6cは塗
液溜りの他端、7は開口部5を開閉するための蓋、8は
円筒状部材、9は塗液中の溶媒と同一組成の溶媒、10
は塗液の供給ライン、11は供給ポンプ、12は塗液の
排出ライン、13は排出ポンプである。
【0013】図1に示す塗布装置では、芯出し治具3の
一端に円筒体支持部材2を介して円筒体1が連結されて
おり、円筒体1は塗布容器8の開口部5の上方に保持さ
れている。また、芯出し治具3の他端はボールネジ14
と係合するボールナット構造とされており、ボールネジ
14がモータ15の駆動によって回転することにより、
芯出し治具3は上下方向に移動可能となっている。芯出
し治具3の位置はセンサ17、18及び19によって検
知される。
【0014】塗布容器4の下方には、下端が閉塞された
円筒状部材8が、開口部5と円筒状部材8の内部とが連
通するように密着して連結されている。円筒状部材8の
内部には、バルブ16を介して塗液の溶媒と同一組成の
溶媒9が、円筒体1収容時に該円筒体1に接触すること
のない程度に注入されており、また、当初の状態では蓋
7が詳細を図示しない開閉機構の作動により開口部4を
閉塞している。したがって、円筒状部材8の内部はその
溶媒蒸気で飽和された状態となっている。
【0015】図示されるように、塗布容器4の内部には
塗液溜り6が配設されており、この実施の形態において
は、塗液溜り6は開口部5側の一端6aから塗布容器4
の外周側の他端6bに向かって下方に傾斜した底面6c
を備えている。底面6cの傾斜角は、円筒体1の支持軸
と直交する水平軸に対して0゜〜70゜の範囲が好まし
く、5〜40゜の範囲がより好ましい。なお、底面6c
は必ずしも図示されるように一端6aから他端6bまで
の全ての部分において一直線状である必要はなく、塗液
溜り6に所定量の塗液を貯留可能であれば、底面6aは
一端6aから他端6bまでの途中において凹凸構造等を
有していてもよい。塗液溜り6には供給ポンプ11を作
動させることにより供給ライン10を介して所定量の塗
液が供給され、また、排出ポンプ13の作動により排出
ライン12を介して所定量の塗液が排出される。
【0016】図示される実施の形態では、開口部5側に
位置する塗液溜り6の一端6aは、後述する円筒体1の
収容時に一端6aと円筒体1が接触せず、かつ、一端6
aと円筒体1との間に塗液ビードが形成されるように、
円筒体1の径より僅かに大きい径を有する円形孔を構成
している。具体的には、一端6aの径と円筒体1の外径
とのギャップは、0.05〜lmm程度、好ましくは
0.15〜0.5mmの範囲で設定される。
【0017】次に、上記塗布装置を用いた本発明の塗布
方法を、図2及び図3によって説明する。塗布作業開始
時には、図2(a)に示すように、蓋7が開口部5を閉
塞している。ここで、図示しない制御装置からの指令に
よりモータ15を回転させてボールネジ14を所定方向
に回転させると、これと係合する芯出し治具3が下降を
開始する。そこで、図示しない開閉機構を作動させるこ
とにより蓋7を移動させて開口部5を開状態とする。な
お、このときに必要に応じてバルブ16を開いて溶媒9
を円筒状部材8に追加注入してもよい。
【0018】そして、図2(b)に示すように、円筒体
1を開口部5内に挿入し、さらにモータ15を回転させ
て円筒体1を下降させ、円筒状部材8の内部に収容す
る。円筒体1の位置はセンサ(図1)によって検知され
ており、センサが、円筒体1が所定の塗布開始位置に到
達したことを検知するとモータ15が停止し、円筒体1
は塗布開始位置で保持される。
【0019】次いで、図2(c)に示すように、供給ポ
ンプ11を作動させて供給ライン10を介して塗液Pを
塗液溜り6に供給する。塗液の供給速度は、塗液流の作
用により塗液が塗液溜り6から開口部5に飛散すること
のないように小さく抑制される。
【0020】そして、図3(a)に示すように、塗液P
が塗液溜り6の一端6aから僅かにオーバーフローする
状態となったことを確認後、モータ15を逆に回転させ
ることにより円筒体1を円筒状部材8内部から一定速度
で引き上げる。このとき、塗液溜り6の一端6aと円筒
体1外周面との間には塗液ビードが形成される。したが
って、塗液は前記塗液ビードを伝わって円筒体1の外周
面の上部から下方に向けて均一に塗布される。
【0021】図3(b)は円筒体1の外周面のほぼ全領
域に塗液が塗布され、塗布終了位置に円筒体1が到達し
た状態を示す。円筒体1が塗布終了位置に到達したこと
はセンサによって検知され、モータ15は直ちに停止さ
れる。これと同時に、排出ポンプ13が作動して排出ラ
イン12を介して塗液溜り6中の塗液Pが一定量排出さ
れる。したがって、塗液溜り6の一端6aと円筒体1外
周面との間の塗液ビードが切断され、円筒体1に対する
塗布が終了する。残塗液は塗液溜り6に保持される。
【0022】ところで、塗布作業を繰り返すうちに、塗
液溜り6の底面6cには塗液が固化した塗膜が付着し、
何らかの衝撃により底面6cから剥離し、塗液中に混入
することがあるが、底面6cが一端6aから他端6bに
向けて下方に傾斜しているために、該塗膜は他端6b側
に集積され、一端6aを越えて円筒体1に付着すること
がない。したがって、円筒体1外周面に前記塗膜に起因
する異物が付着しない。
【0023】最後に、図3(c)に示すように、塗布容
器4から円筒体1を完全に引き上げ、円筒体1の下端が
開口部5から取り出されたことを確認後に、蓋7を閉め
て塗布容器4内を密閉する。本発明の塗布方法は、以上
の工程を順次繰り返すことにより連続的に実施される。
【0024】本発明においては、塗液溜り6内の塗液を
排出することで容易に上記塗液ビードを切断して、円筒
体1への塗布を中断又は中止することが可能である。し
たがって、図7(a)に示すように円筒体1の塗布端を
直線的に均一に保つことができるので、円筒体1への塗
布を行う場合にスペーサー部材を使用する必要がない。
なお、スペーサを介して円筒体1が複数個連結された疑
似連続体を使用して塗布を行う場合であっても該スペー
サ部分への塗布を確実に防止して塗液の無駄を省くこと
が可能である。これに対し、特開平1−158452号
公報に記載の装置では、塗液ビードを所望のタイミング
で確実に切断することが困難であるために図7(b)の
ように塗膜端が均一とならない。
【0025】また、本発明の塗布装置は、塗布作業以外
は蓋7によって開口部5を閉塞することにより、塗布容
器4内への外気の侵入及び塗布容器4内の乾燥を防止す
ると共に、円筒状部材8内の溶媒9の蒸気により塗布容
器4内を満たすこととしているので、塗液溜り6の底面
6c上の残塗液の固化を最小限にすることができる。本
発明に使用する塗液としては、円筒体の外周面に塗布す
る場合に使用する公知の塗液が使用できるが、特に電子
写真用の感光体ドラムに電荷発生層、電荷輸送層、下引
き層および保護層等を形成させるために塗布される公知
の塗液はいずれも使用できる。
【0026】また、塗液に用いる溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等のアルコール類、ヘキサン、オクタン、シクロ
ヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、卜ルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコール等のエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、アノン等のケトン頬、
酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホル
ムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等が挙げられる。
【0027】塗液の粘度は塗布膜厚及び塗布速度等によ
って、適宜選択することが可能であるが、0.01〜1
000mPas程度が好ましく、1〜600mPasの
範囲がより好ましい。図4は本発明に係る塗布装置の実
施の形態の他の一例を示すものである。図4に示す態様
においては、円筒状部材8の底部にヒーター20を組み
込み、その一方、円筒状部材8内部の温度センサー21
で溶媒9の温度を検知し、温度制御装置22によってそ
の温度を制御するものである。このような機構により溶
媒9を加熱することにより円筒状部材8及び塗布容器4
内の雰囲気を溶媒9の蒸気で早期に飽和させること、ま
た、該雰囲気内の溶剤蒸気濃度を制御することが可能と
なる。
【0028】図5は本発明に係る塗布装置の実施の形態
の更に他の一例を示すものである。図5に示す態様にお
いては、円筒体1の円筒状部材8ヘの挿入時に円筒状部
材8の側面に設置された溶剤蒸気排出口23が開き、余
分の溶剤蒸気を排出し、塗布容器4の開口部5からの溶
剤蒸気の排出を抑制するものである。なお、円筒体引上
げ時には、溶剤蒸気排出口23は再び閉まり、塗布容器
4及び円筒状部材8内は溶剤蒸気で満たされる。このよ
うにすることにより、円筒体1の開口部5への挿入時に
おける溶媒蒸気の影響を少なくすることができる図6
は、塗液の流量を制御して供給及び排出を行う手段とし
ての供給ポンプ11、排出ポンプ13及び流量計24を
示す。供給ポンプ11及び排出ポンプ13としては、プ
ランジャーポンプ、ローラーポンプ等の公知のポンプを
用いることができ、塗液の流量を流量計24でモニター
しながら流量制御装置25によって各ポンプ11、13
の駆動を制御することによって塗液の流量を制御する。
塗液の流量を随時把握することにより塗液溜り6に対し
て正確な量の塗液を供給又は排出することが可能であ
り、塗液ビードの生成又は切断を所望のタイミングで行
うことができる。
【0029】なお、排出ライン12から排出された塗液
は、図示しない、液受けタンク、ポンプ、フィルター及
び配管等で構成された、いわゆる循環装置により、再度
供給ライン10に循環して供給される。このようにする
ことにより、塗液の運続的な供給が可能となる。さら
に、前記循環装置には、公知の塗液粘度調節機構あるい
は塗液組成調節機構等を付加してもよく、この場合、塗
液溜り6内の塗液の粘度または組成を一定に保つことに
より、円筒体の連続的な塗布をより安定な状態で行うこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0031】実施例1:図1に示す塗布装置の円筒状部
材8内の底部にイソプロパノール40部及びブタノール
20部からなる混合溶媒9を入れた状態で、ジルコニウ
ム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツ
モト製薬社製)10部及びシラン化合物(商品名:A1
110、日本ユニカー社製)1部とイソプロパノール4
0部及びブタノール20部からなる塗液を、30mmφ
×340mmのアルミニウムパイプである円筒体1の外
周面に、パイプ引上げ速度250mm/min、塗液供
給量を70μl/minで図3に示すように塗液溜り6
から一端6aを介して塗布し、150℃で10分間加熱
乾燥して膜厚0.1μmの塗布層を形成した。前記塗布
を順次運続して1000回行い、目視により塗膜欠陥を
観察した。その結果を表1に示す。
【0032】実施例2:図1に示す塗布装置の円筒状部
材8内の底部に溶媒9としてシクロヘキサノンを入れた
状態で、X型無金属フタロシアニン結晶1部、ポリビニ
ルブチラール(積水化学、エスレックBM−S)1部及
びシクロヘキサノン100部を混合し、ガラスビーズと
ともにサンドミルで1時間分散した塗液を、30mmφ
×340mmのアルミニウムパイプである円筒体1の外
周面に、パイプ引上げ速度200mm/min、塗液供
給量を40μl/minで図3に示すように塗液溜り6
から一端6aを介して塗布し、100℃で10分間加熱
乾燥して膜厚0.15μmの塗布層を形成した。前記塗
布を順次連続して1000回行い、目視により塗膜欠陥
を観察した。その結果を表1に示す。
【0033】実施例3:図1に示す塗布装置の円筒状部
材8内の底部に溶剤9としてクロロベンゼンを入れた状
態で、下記構造式(a)のベンジジン化合物2部及び構
造式(b)で示されるポリカーボネート樹脂(粘度平均
分子量39,000)3部をクロロベンゼン20部に溶
解させた塗液を、30mmφ×340mmのアルミニウ
ムパイプである円筒体1の外周面に、パイプ引上げ速度
150mm/min、塗液供給量を1.4ml/min
で図3に示すように塗液溜り6から一端6aを介して塗
布し、110℃で40分間加熱乾燥して膜厚25μmの
塗布層を形成した。前記塗布を順次運続して1000回
行い、目視により塗膜欠陥を観察した。その結果を表1
に示す。
【0034】
【化1】 比較例1〜3:図8に示す塗布装置を用いた以外は実施
例1〜3と同様の塗布を順次連続して1000回行い、
目視により塗膜欠陥を観察した。その結果を表1に示
す。
【0035】比較例4〜6:実施例1〜3において、円
筒状部材7内に塗液と同一組成の溶剤を入れなかった以
外は実施例1〜3と同様の塗布を順次連続して1000
回行い、目視により塗膜欠陥を観察した。その結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】 実施例4:30mmφ×340mmのアルミニウムパイ
プである円筒体1の外周面に、実施例1〜3と同様の方
法を用いて所定の塗液の塗布を行い、キャリア発生層及
びキャリア輸送層を積層して電子写真感光体を1000
本得た。次いで、得られた電子写真感光体を富士ゼロッ
クス社製LASER PRESS4161プリンタに装
着し、初期画質を評価した。画質欠陥の発生状況を表2
に示す。
【0037】比較例7:図8に示す塗布装置を用いた以
外は実施例4と同様の塗布を行い、電子写真感光体を1
000本得た。次いで、実施例4の場合と同様に初期画
質を評価した。画質欠陥の発生状況を表2に示す。
【0038】比較例8:実施例4において、円筒状部材
7内に塗液と同一組成の溶剤を入れなかった以外は実施
例4と同様の塗布を行い、電子写真感光体を1000本
得た。次いで、実施例4の場合と同様に初期画質を評価
した。画質欠陥の発生状況を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明における円筒体の塗布装置は、塗
液溜り内に貯留された塗液を円筒体外周面に塗液ビード
を介して塗布するために、塗液が一部固化して塗膜が生
成しても該塗膜が異物となって円筒体に付着することが
ない。さらに、塗布時以外は塗布容器及び円筒状部材内
部の空間を塗液の溶媒と同一組成の溶媒の蒸気で満たし
て、該空間の乾燥を防止しているので、塗液の固化は最
小限に抑制することができる。
【0041】また、塗液ビードの生成及び切断を容易に
制御することが可能であるので、円筒体に塗液を塗布す
る際に塗布端の均一性を良好に保つことができ、したが
って、スペーサ部材を使用する必要がない。なお、塗液
を連続的に塗布するためにスペーサー部材を使用した場
合であっても、誤ってスペーサー部材に塗布を行うこと
がなく、塗液の無駄、スペーサー部材の洗浄工程等が不
要となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る塗布装置の実施の形態の一例を示
す概略図。
【0043】
【図2】本発明の塗布方法を説明するための断面概略
図。
【0044】
【図3】本発明の塗布方法を説明するための断面概略
図。
【0045】
【図4】本発明の塗布装置の実施の形態の他の一例を示
す断面概略図。
【0046】
【図5】本発明の塗布装置の実施の形態の更に他の一例
を示す断面概略図。
【0047】
【図6】本発明の塗布装置ににおける、塗液の流量を制
御して供給及び排出を行う手段の実施の態様を示す断面
概略図。
【0048】
【図7】本発明の塗布方法による円筒体表面の塗布端の
均一性を示すための概略側面図。
【0049】
【図8】比較例において使用した塗布装置の概略構成を
示す断面図。
【0050】
【符号の説明】
1・・・被塗布円筒体、2・・・円筒体支持部材、3・
・・芯出し治具、4・・・塗布容器の開口部端、5・・
・塗布容器の外周端、6・・・塗液溜り、7・・・塗布
容器の蓋、8・・・塗布容器、9・・・円筒状部材、1
0・・・塗液と同一組成の溶剤、11・・・塗液供給
口、12・・・塗液排出口、13・・・塗液、14・・
ヒーター、15・・・温度センサー、16・・・温度制
御装置、17・・・溶剤蒸気排出口、18・・・ポン
プ、19・・・流量計、20・・・流量制御装置。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗布物である円筒体を上下方向に移動さ
    せる手段と、 前記円筒体が通過可能な開口部を有する塗布容器であっ
    て、前記開口部を取り囲む塗液溜りを有する塗布容器
    と、 前記塗布容器の前記開口部に密着して配設され、前記円
    筒体を収容する円筒状部材とを備えたことを特徴とする
    円筒体の塗布装置。
  2. 【請求項2】前記塗液溜りが、前記開口部側の一端から
    前記塗布容器の外周方向側の他端に向かって下方に傾斜
    した底面を少なくとも一部に有することを特徴とする請
    求項1記載の円筒体の塗布装置。
  3. 【請求項3】前記開口部は、前記円筒体の通過時に前記
    塗液溜りの一端と前記円筒体との間に塗液ビードが形成
    可能な径を有することを特徴とする請求項2記載の円筒
    体の塗布装置。
  4. 【請求項4】前記円筒体の非通過時に前記開口部を閉塞
    する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の円筒体の塗布装置。
  5. 【請求項5】前記円筒状部材内に塗液の溶媒と同一組成
    の溶媒が保持されていることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の円筒体の塗布装置。
  6. 【請求項6】前記塗液溜り内の塗液量を制御する手段を
    備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の円筒体の塗布装置。
  7. 【請求項7】前記円筒状部材が、該部材内の前記溶剤の
    温度を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載の円筒体の塗布装置。
  8. 【請求項8】前記円筒状部材が、該部材内の前記溶剤の
    蒸気を排出可能な手段を備えたことを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれかに記載の円筒体の塗布装置。
  9. 【請求項9】塗布容器に設けられた開口部を取り囲む塗
    液溜りに塗液を供給する工程と、 前記開口部から円筒体を上方に引き上げつつ、前記塗液
    溜りの一端から塗液を溢流させることにより、前記一端
    と前記円筒体との間に塗液ビードを形成して前記円筒体
    の外周面に塗液を塗布する工程と、 前記塗布工程終了時に前記塗液溜りから一部の塗液を排
    出する工程とを含むことを特徴とする円筒体の塗布方
    法。
JP3642098A 1998-02-18 1998-02-18 円筒体の塗布装置及び塗布方法 Pending JPH11231557A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009291674A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Denso Corp 釉薬塗布方法および釉薬塗布装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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