JPH0811593B2 - アイスクリーム状製品用容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、アイスクリーム状製品用容器に関するもの
であり、特に複数の筒体が上下方向にテレスコープ状に
嵌合している筒状本体から成るアイスクリーム状製品用
容器に関する。

（従来の技術） 複数の筒体が上下方向にテレスコープ状に嵌合してい
る筒状本体から成るアイスクリーム状製品用容器は、従
来公知である。この種の公知の容器は、最下方の筒体に
内容物取り出し用の開口部が形成されており、最下方の
筒体にスライドベース片が設けられている。即ち、スラ
イドベース片を上方にスライドさせることにより、アイ
スクリーム状の内容物が上部の開口から取り出される。

またスライドベース片が設けられている最下方の筒体
には、２列の周状突起が形成されており、この突起によ
り、スライドベース片の上下動が防止され、一定以上の
力が作用することによって始めてスライドベース片がス
ライドするようになっている。

（発明が解決しようとする課題） 然しながら、上述したタイプの容器においては、収容
する内容物の量に制限がある。即ち、ある長さを有する
筒体において、該筒体の全長にわたってベース片を使用
者の指によって動かすことができないからである。また
この場合、スライドベース片には、そのスライドを行う
ために、適当な長さの垂直要素を設けることが必要であ
るが、この垂直要素は、内容物の充填や貯蔵の妨げとな
る。

さらに、この種の容器では、上部の開口部から内容物
を取り出すために、スライドベース片を下方か押圧して
スライドさせるために、内容物全体が圧縮される。従っ
て、アイスクリーム等の内容物の密度等が変化し、内容
物の均質性が損なわれ、味や外観が望ましくないものと
なるという問題がある。

従って本発明の目的は、上述した問題が有効に解決さ
れたアイスクリーム状製品用容器を提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、複数の筒体が上下方向にテレスコー
プ状に嵌合している筒状本体から成り、各筒体は、上方
に位置するものの内径がその下に位置しているものの外
径に実質的に等しいものであり、最下方の筒体の下方端
部には、スライドベース片によって閉塞された底部が形
成され、最上方の通体の上方端部には、開口部が形成さ
れているアイスクリーム状製品用容器であって、 最上方の筒体をスライド降下させることによって該筒
体に収容されているアイスクリーム状製品が上部開口か
ら取り出され、以下順に、上方の筒体をスライド降下さ
せることによって上方の筒体に収容されているアイスク
リーム状製品の取り出しが行われるることを特徴とする
アイスクリーム状製品用容器が提供される。

本発明の容器においては、容器内に収容されているア
イスクリーム状製品の上部開口からの取り出しが、テレ
スコープ状の筒状本体の上部筒体のスライド降下によっ
て行われる。即ち、内容物の取り出しは、上部筒体を押
し下げる力によって行われるので、内容物の圧縮が防止
され、内容物の均質性が損なわれたり、また外観に変化
をもたらすことがないのである。

本発明において、テレスコープ状の筒状本体を構成す
る各筒体は、可撓性の延性材料で形成されていることが
有利であり、また各筒体は、伸長状態で位置決めされる
ようにロックされていることが好ましい。このために、
各筒体の下方端部には、その内面に、複数の突起を周方
向に分布して設けるか或いは環状リングを形成してお
き、且つ各筒体の上方端部外面に環状溝を形成させてお
くことが望ましい。即ち、これらの突起乃至環状リング
と環状溝との係合により、各筒体同士は伸長状態で位置
決めされる。

また最下方の筒体の下端部内面にも上記のような突起
乃至環状リングを形成しておき、これによりスライドベ
ース片を支持しておくことが望ましい。

スライドベース片は、上部に向かって先細り状の円錐
形状乃至キャップ形状とすることができ、またこのスラ
イドベース片には、最下方筒体の前記突起乃至環状リン
グと係合し得る環状溝を設けておくことが好ましい。

各筒体の胴部は、その下端部において外側に張り出さ
れてカラーを形成していることが好適である。例えば３
つの筒体から成る容器において、頂部の筒体内部が空に
なったとき、頂部の筒体のカラーが、その下の筒体のカ
ラーと係合するため、頂部筒体を下方に押し下げれば、
その下の筒体も一緒になって下方に押し下げられる。

また、スライドベース片の下面に下方に突出している
把手等の垂直要素を設けることができる。即ち、必要に
より、この垂直要素を手で持ってスライドベース片を上
下にスライドさせることができる。さらに最下方の筒体
の下端、即ちスライドベース片のさらに下側にこれとは
別個のベース片を固定して該筒体の下端を閉じた状態に
保持しておくことができる。この場合、スライドベース
片に前記垂直要素が設けられている時には、このベース
片には、該垂直要素が通る様な孔を設けておくのがよ
い。

さらに最下方の筒体の下方端部には、その内面に突起
乃至環状リングを設けることが好ましく、これにより、
下方位置にあるスライドベース片の上下動が防止され
る。

（実施例） 以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づいて説明
する。

第１図は、本発明の容器の伸長状態における側断面図
であり、第２図は、図１の容器が圧縮状態にあるときの
平断面図である。

本発明の容器は、テレスコープ状に勘合した３つの筒
体１乃至３から成っている。上部にある筒体１は、中間
の筒体２よりも大きな径を有しており、また中間の筒体
２は、最下方にある筒体３よりも大きな径を有してい
る。

各筒体の下方端部の内面には、環状リング５が形成さ
れており、これらの環状リング５は、それぞれ対応する
筒体の上方端部外面に設けられている環状溝６とスナッ
プ係合している。尚、上方の筒体１には、上記のような
環状溝６は特に必要ではない。また底部の筒体３の環状
リング５は、キャップ形状のスライドベース片４と係合
している。

全ての筒体は、その下方部分で外側に張り出してカラ
ー７を形成している。即ち、圧縮に際して、筒体１のカ
ラー７と筒体２のカラー７とが係合するため、筒体２は
筒体１により押し下げされて、全体として第２図に示さ
れているような圧縮状態となる。この圧縮状態において
は、スライドベース片４を上方にスライドさせることに
よって、内容物の取り出しを行うことができる。

また容器の上方端部（筒体１の上方端部）には、例え
ば箔等のシール材から成るカバー６によって閉じられて
いる。このカバー６は、上方の筒体１に設けられている
環状溝６との係合によって保持されている。

図面の簡単な説明 第１図は、本発明の容器の伸長状態における側断面
図、 第２図は、図１の容器が圧縮状態にあるときの平断面
図である。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の筒体が上下方向にテレスコープ状に
   嵌合している筒状本体から成り、各筒体は、上方に位置
   するものの内径がその下に位置しているものの外径に実
   質的に等しいものであり、最下方の筒体の下方端部に
   は、スライドベース片によって閉塞された底部が形成さ
   れ、最上方の通体の上方端部には、開口部が形成されて
   いるアイスクリーム状製品用容器であって、 最上方の筒体をスライド降下させることによって該筒体
   に収容されているアイスクリーム状製品が上部開口から
   取り出され、以下順に、上方の筒体をスライド降下させ
   ることによって上方の筒体に収容されているアイスクリ
   ーム状製品の取り出しが行われることを特徴とするアイ
   スクリーム状製品用容器。
2. 【請求項２】筒状本体を構成する各筒体は、伸長状態に
   おいて、互いに隣り合う筒体同士の下方端部と上方端部
   とが嵌合固定されている請求項１に記載の容器。
3. 【請求項３】各筒体は、下方部の内側壁面に周方向に分
   布している突起を有し、上方部外側壁面には、環状溝が
   形成されている請求項１に記載の容器。
4. 【請求項４】前記突起は、互いに連続して環状リング５
   を形成している請求項３に記載の容器。
5. 【請求項５】各筒体は、その下方端部が外側に張り出し
   てカラー７を形成している請求項１乃至４の何れか一項
   に記載の容器。
6. 【請求項６】前記スライドベース片は、キャップ形状を
   有している請求項１乃至５の何れか一項に記載の容器。
7. 【請求項７】前記キャップ形状のスライドベース片は、
   環状溝を有している請求項６に記載の容器。
8. 【請求項８】最下方に位置している筒体は、その下方部
   内側壁面に突起を有しており、該突起と前記環状溝との
   嵌合により、スライドベース片の下方移動が制限されて
   いる請求項７に記載の容器。
9. 【請求項９】前記スライドベース片は、その下面に下方
   に延びている垂直要素を有している請求項１乃至８の何
   れか一項に記載の容器。