JPH0232169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、乳液からペースト状まで各種の粘
性流体の収容が可能であり、収容物の使用および
使用後の保存が衛生的に行われるとともに、誤注
出がなく、かつ収容物の消費如何にかかわらず外
形にも収容物の収容状態にも変化のないような、
しかも簡素な機構をもつ化粧クリーム等の注ぎ出
し手段を提供することがその目的である。

以下、図示した実施例により、この考案を説明
すれば、３は頂壁２をもつ中空筒で、頂壁２には
注出口１が穿たれている。中空筒３の筒内にはピ
ストン４を嵌合する。６はゴム等、軟弾性のダイ
ヤフラムで、通気孔５が穿たれている。注出口１
の出口は一部を固定したゴム等の軟弾性弁蓋７に
よつて覆われている。なお、指先で収容物を取り
出す便宜上、頂壁２の頂面は図示のように凹型に
成型するとともに、取り外し自在なキヤツプ８を
設けるのがのぞましい。

この容器は前記のようにしてなるので、中空筒
３の筒内のピストン４の上方に、たとえば化粧用
乳液やクリームその他、やや粘度のある半流動物
を収容して使用に供する。使用にあたり、指先で
通気孔５を塞ぎながらダイヤフラム６を押圧すれ
ば、ダイヤフラム６が変形し、ピストン４とダイ
ヤフラム６間の空気が加圧されるので、ピストン
４が上昇するとともに、ピストン４によつて加圧
された収容物が軟弾性弁蓋７を押し上げ、第２図
に示すように、注出口１から頂壁２の頂面へと押
し出される。従つて、使用者は押し出されたもの
を指先に取つて使用する。このように、指先に取
る場合、指先によつて軟弾性弁蓋７が押し下げら
れるので、注出口１は再び塞がり、筒内への通路
が断たれ、空気が筒内に侵入しないので、収容物
の粘度が比較的低くてもピストン４は収容物の重
量によつて自然下降することなく、使用後でもそ
のままの位置を保つ。

この考案にかかる注ぎ出し容器は、収容物を使
用する都度、特に配慮または意識しないでも、指
先によつて軟弾性弁蓋７が押し下げられ、注出口
１が閉鎖されるので、筒内の収容物が指先によつ
て汚染されるおそれがなく、同時に収容物の空気
酸化もまた防止される。また、この考案によれ
ば、ピストン４を駆動するダイヤフラム６は中空
筒３の筒底内部に設けられているので、不測の外
力によりピストン４が動作するおそれがない。

従来、容器内の収容物が指先で汚染されたり、
空気酸化されるのを防止できる容器としては押し
出しチユーブ形式のものが普及しているが、チユ
ーブ形式のものは収容物の消費に伴つて外形が変
化したり、置くのに不安定な欠点がある。一方、
チユーブ形式のもののこのような欠点を除去する
ため、容器を硬質筒状に形成するとともに収容物
を容器の上部から吸い上げるポンプを設け、また
は底部から押し上げる工夫も提案されているが、
機構が複雑で不経済であるのみならず、不測の外
力で誤注出されたり、使用期間において収容物の
汚染、酸化が進み、また、保存中収容物の自重で
ピストンが下がり、筒内に侵入した空気による空
所のため、収容物が注出口から離れ、再使用の際
押し出しに手間がかかるなどの欠点があつた。

しかしながら、この考案の容器は、収容物の消
費如何にかかわらず外形も、収容物が注出口に接
している収容状態も変化せず、安定な状態に保た
れるので使いやすく、清潔感を保つ利点があるの
みならず、筒状の容器のほかは、ピストン４、ダ
イヤフラム６および軟弾性弁蓋７と、単純な形状
の僅少な部品によつて構成されているので、生産
のコストが著しく低く、従つて実用性において著
しく優れている。

なお、この考案にかかる容器の収容物として
は、前記した乳液やクリームのみならず、ポマー
ド、軟膏から、事務用ののりなど、その用途は広
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる容器の一実施例にお
いて、分離したキヤツプをともに表示した縦断面
図、第２図は同じくキヤツプを装着した縦断面
図、第３図は同じくキヤツプを除去した平面図、
第４図は使用時の状態を示す要部縦断面図であ
る。 １は注出口、２は頂壁、３は中空筒、４はピス
トン、５は通気孔、６はダイヤフラム、７は軟弾
性弁蓋、８はキヤツプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 注出口１を穿つた頂壁２をもつ中空筒３の筒内
   にピストン４を嵌合するとともに、中空筒３の筒
   底内部に、通気孔５を穿つた軟弾性のダイヤフラ
   ム６を挿嵌し、かつ一部を固定した軟弾性弁蓋７
   により前記注出口１の出口を覆つてなる化粧クリ
   ーム等の注ぎ出し容器。