JPS6139234B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体等の容器に関するものであり、特
に注出口近傍の可撓性体から成る注出部材を押圧
することにより、適量の内容液体を注出すると共
に、注出後は内圧の低下に伴い容器の一部が吸引
される容器に関する。

従来、例えば液体化粧料を充填する容器は、該
化粧料がクリーム状又は水状であつても広口瓶又
は細口瓶であり、その原形は殆んど変ることがな
く、使用者は容器内に指を差し込み、内容化粧料
を取り出すか、又は容器を傾倒するか、これを振
る等に依つて取り出すものであつた。

又、注出容器については、上下に可動するノズ
ルと注出弁を用いて容器内圧を高めて内容物を注
出する容器が知られているが（実開昭51―128841
参照）、可動ノズルを用いるため、部品数が多
く、可動部の気密を保つための構造が複雑にな
り、又ノズルが上下動するため使い難い等の欠点
があつた。

本発明は従来のこの様な容器に変わり、新規な
注出機構を有する容器を提出することを目的とす
るもので、簡単な構造にて安定的に最後迄使用出
来、且つ垂直、倒立又は傾倒の何れの方向に於い
ても使用可能な容器を提供することを目的とする
ものである。

本発明に係る液体用容器の原理は、容器内に内
容液体を空隙のない様収容すると共に、注出口近
傍に設けた可撓性体から成る注出部材を押圧して
内容物を押し出す様に成るもので、シリンダー状
の容器本体にピストンを有する底盤部材を気密的
に嵌挿すると共に該底盤部材をシリンダーに沿つ
て上方にだけ摺動可能に設置し、該容器本体口部
に可撓性体から成る注出部材を設け、該可撓性体
から成る注出部材を押圧することにより内容物が
注出され可撓性体の復帰により容器内圧が降下
し、これに伴なつて上記底盤部材が上方に移動す
る様に構成されるものである。

以下、本発明の一実施例を図面に従つて説明す
るに、第１図は本発明容器の斜視図、第２図は同
縦断面図である。

図面に示す液体用容器はシリンダー部２を有す
る容器本体１の口部３外周に設けた段部４にキヤ
ツプ５が嵌合固着され、上記シリンダー部２の後
端に後盤６が嵌合固着した外形を有する。

上記後盤６には空気の流通する通気孔７が穿設
されると共に、シリンダー部２には底盤部材８が
嵌挿される。

上記底盤部材８は外周段部１０に封緘リング１
１を嵌合し、シリンダー部２に対し気密的に嵌挿
するピストン９と、該ピストン９の下面に突設し
た突起に固着した爪板１３から成り、該爪板１３
は金属又は合成樹脂等の薄発条体から成り、外方
に弾性付勢した放射状の多数の爪１４を上記シリ
ンダー部２内壁に係止し、ピストン９の外方向へ
の摺動を阻止して成る。

前記キヤツプ５の先端部には挿出孔１５、側壁
部には対向位置に窓孔１６，１６がそれぞれ穿設
され、容器本体１口部３の係合部１７と一端１９
を外嵌固着した、ゴム又は合成樹脂等の可撓性体
から成る注出部材１８の膨出部２０，２０が上記
窓孔１６６，１６からそれぞれ突出して位置せら
れ、先端部２１にバルブ２２を嵌挿固定すると共
に、該バルブ２２の導孔２３に連通する側孔２４
近傍の注出部材１８はバルブ２２の側壁２５に密
接すると共に薄肉部２６と成り、注出口２７はキ
ヤツプ５の挿出孔１５より突出して成る。

上記可撓性体から成る注出部材１８は、膨出部
２０，２０を押圧すると、押込まれ、放すと弾性
復帰すると共に、薄肉部２６に於いては内容物が
導孔２３、側孔２４を通つて押出されると拡張
し、内容物を注出口２７へ押出し、押出し後は再
びバルブ２２の側壁２５に密接して逆止弁を構成
するものである。

上記構成に成る本発明容器は容器本体１に水状
又はクリーム状等の液体を充填して使用するもの
で、膨出部２０，２０を押圧すると、底盤部材８
が、爪板１３によりピストン９が後退しない様に
係止されるため、内容物はバルブ２２の導孔２３
及び側孔２４を経て注出部材１８の薄肉部２６を
拡張しながら注出口２７から押出される。

この膨出部２０，２０の押圧を停止すると容器
の内圧は低く成り、上記薄肉部２６が収縮して直
ちにバルブ２２の側壁２５に密接し、側孔２４を
閉塞する。

然るに、膨出部２０，２０は自己の弾性により
復帰するため、容器の内圧が降下し、後盤６に設
けた通気孔７から侵入した大気圧に依つてピスト
ン９が内容物減少量丈吸引される。

このとき爪板１３は爪１４の向きが摺動方向と
逆向きに成るため、シリンダー部２の内壁を摺動
してピストン９と共に移動する。

上記繰返し動作により、ピストン９はシリンダ
ー部２を次第に摺動し、内容物が殆んど注出され
る位置迄移動するものである。

上記構成に於いて、内容物の液体によつてはピ
ストン９とシリンダー部２間に設けた封緘リング
１１を省略することも可能である。

又上記構成のごとく、注出口に逆止弁を設ける
のは流体が水状の場合であり、クリーム状の流体
の場合においては注出口を細径に構成しバルブ２
２を省略しても同様の効果を得ることができる。

即ち、この細径部分での液体の粘性抵抗により
容器内圧降下時において液体の逆流を阻止できる
からである。

尚第４図に示す如く、底盤部材８はピストン９
と爪板１３を一体に構成し、ピストン９の底面に
外周方向後方へ向う多数の爪１４を一体成型して
も良い。

以上説明した様に、本発明の容器は容器口部近
傍に設けた可撓性体から成る注出部１８を押すだ
けで適量の内容物が注出されると同時に、容器の
底盤部材８が内容物の減少量に応じて吸引され、
容器内に空気層を作らないため、可撓性体から成
る注出部材の押圧に応じて内容物が確実に注出さ
れ、使用感が優れているばかりでなく、容器の向
きに関係なく常時安定して注出される特徴を有す
るものである。

又、本発明容器は、構成が極めて簡単であり、
部品数も少く安価に提供できるだけでなく、注出
口も移動せず使い易い外、各種液体の容器として
利用できる等、本発明実施後の実用的効果は極め
て大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので第１図は
容器の斜視図、第２図は同縦断面図、第３図は内
容物注出時の要部断面図であり、第４図は他の実
施例を示す底盤部材の斜視図である。 １……容器本体、２……シリンダー部、５……
キヤツプ、６……後盤、７……通気孔、８……底
盤部材、９……ピストン、１３……爪板、１６…
…窓孔、１８……注出部材、２０……膨出部、２
２……バルブ、２６……薄肉部、２７……注出
口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ａ シリンダー状の容器本体１と、 Ｂ 前記容器本体１内に密接嵌挿されると共に上
   方にのみ摺動可能なピストン９を有する底盤部
   材８と、 Ｃ 前記容器本体１の上端開口部に取付けられる
   ゴム又は合成樹脂製の可撓性体から成る注出部
   材１８と、 Ｄ 前記注出部材１８の先端に形成された注出口
   ２７の近傍に密挿されると共に、 注出部材の薄肉部により閉塞された流体誘導
   孔を有するバルブ２２とから構成され、 前記注出部材１８を押圧することにより容器
   本体１内に充填された流体を、前記薄肉部を拡
   開して注出せしめ得るようにした事を特徴とす
   る流体用容器。 ２ 前記底盤部材８は、ピストン９の下端に爪板
   １３を固着すると共に、前記爪板１３には前記容
   器本体内壁に対し弾性付勢した爪１４を設けたこ
   と特徴とする特許請求の範囲第１項記載の流体用
   容器。