JPH038189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、口紅等棒状の化粧料の容器として好
適な棒状化粧料容器に関し、とくに身筒と袴筒が
一体に成形された棒状化粧料容器に関する。

［従来の技術］ 従来の棒状化粧料容器は、別体に成形された身
筒と袴筒を強制的に嵌合することにより組立てる
形式の容器が圧倒的に多かつた。しかし、かかる
形式の容器は、身筒と袴筒の中心が正確に合致さ
れないと、繰出し繰下げ回動時に袴筒と中蓋が擦
れ合うため、使用感が不良であり、また中蓋の外
周壁が損傷されるので製品の不良率が高くなると
いう欠点があつた。

そこで、最近身筒と袴筒をプラスチツクスによ
り一体に成形する形式の容が登場し、コストを低
減にすることができることと相まつて一般的にな
つてきた。しかし、従来のこの種の棒状化粧料容
器は、成形技術上の制約から、口紅等の化粧料が
収納される中皿が摺嵌される身筒と回動つまみと
なる袴筒が上下に一体に成形されていた。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、化粧料容器は、ハンドバツク等に収
納されることが多いため、小型化が強く要請され
るところである。しかしながら、容器が小型化さ
れると、袴筒の分だけ中皿のストローク長も小と
なり、化粧料の収納量が減少するという矛盾が生
ずる。

即ち、従来の棒状化粧料容器は、口紅等の化粧
料が収納される中皿が摺嵌される身筒が袴筒の上
部に設けられており、袴筒には化粧料が収納でき
ないため、この部分がデツドスペースとなつてい
たのである。これは、容器全体としてみれば、袴
筒の分だけ容器が大型化する欠点となつていた。

また袴筒は軽量化のため中空となつているの
で、とくに身筒との境界部が強度的に弱い。この
ため、容器の落下時にこの部分から容器が折損し
たり、強いねじれに対して簡単に折損するという
欠点があつた。

さらに身筒と袴筒は上下に一体に形成されてい
たため、容器が相的に大型化、長大化し、容器の
座り安定性が悪いという欠点があつた。

本考案は、上記欠点を解決した棒状化粧料容器
を供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的達成のため、本考案は、周壁に摺動孔
をけた身筒と、該身筒に一体に形成された袴筒
と、化粧料を収納する中皿が上記摺動孔を介して
昇降自在に摺嵌される中蓋とからなる化粧料容器
において、袴筒が身筒の外側に摺動孔の一部を被
覆するよう設けられたことを特徴とする棒状化粧
料容器を供する。

［実施例］ 次に、本考案にかかる棒状化粧料容器を図面に
示す実施例に基ずいて説明する。

身筒１は、適宜のプラスチツクスにより、中空
円筒状に成形される。の周壁２の対向部には、両
端部方向に向かつて、長孔からなる摺動孔３，３
ａ，３ｂが設けられる。摺動孔３は中皿１３の底
部に仕切壁１４が設けられる場合には、周壁２い
つぱいに長孔を設けることができる（第３図）。
第１図及第２図は周壁２の中途まで摺動孔が設け
られる場合である。該摺動孔３の上下端部は夫々
反対方向に屈曲され、ストツパ孔４ａ，４ｂが形
成される。一方の摺動孔３ａの上端は、身筒１の
頂上部に設けられた切欠５と連続される。該切欠
５は化粧料を収納する時の拡開調節をする。身筒
１の頂上部には、中蓋１１の内壁１１ａが係止さ
れる環状の鍔６が突設される。袴筒７は、身筒１
の外側に若干の間隙８をあけて、射出成形等によ
り身筒１と一体に成形される。袴筒７の上部ａ
は、摺動孔３の下部を被覆する。袴筒７の下は、
環状の補強環７ｂを設ける場合（第１図）、これ
を設けない場合（第２図）、間隙８の要所に複数
の補強リブ（図示省略）を設ける場合等、いずれ
でもよい。袴筒７の内形状は身筒１に合わせ断面
円形に形成されるが、外形状は任意である。９は
上記身筒１及び袴筒７の共通の底部である。底部
９の中央部に容器の組立て時に使用される孔１０
が設けられる。

１１は、身筒１と袴筒７の間に形成された上記
間隙８に挿嵌される中蓋である。該中蓋１１の内
壁１１ａには螺旋孔からなる摺動孔１２が設けら
れ、身筒１と摺動孔３との間で中皿１３の摺動路
が形成される。身筒１と中蓋１１に形成される摺
動孔につき、いずれを長孔とし、いずれを螺旋孔
とするかは任意である。中皿１３は中空円筒状に
成形され、中間部には化粧料の一部が収納される
仕切壁１４が形成される。該仕切壁１４の外側に
は摺動突起１５が設けられ、身筒１の摺動孔３を
介て、中蓋１１の摺動孔１２に昇降自在に摺嵌さ
れる。中皿１３の底部は、第１図のように通常は
開放されているが、閉塞されて形成されてもよい
（第３図）。１６は袴筒７の外段部７ｃに嵌合され
るキヤツプである。

［使用方法及び作用］ 本考案にかかる棒状化粧料容器に収納された化
粧料は次のようにして使用する。キヤツプ１６を
取り、中蓋１１を握つて袴筒７を回動すると、中
皿１３の摺動突起１５が摺動孔３及び摺動孔１２
からなる摺動路に沿つて上昇するので、口紅等の
化粧料が外部に繰出される。使用後、袴筒７を反
対方向に回動させれば、化粧料は下降し、身筒１
に収納される。

上記繰出し繰下げ回動時において、身筒１の摺
動孔３に摺嵌される中皿１３の昇降について考え
る。今、中皿１３のストローク長を従来と同長に
設定すれば、身筒１が袴筒７の内側に設けられて
いるから、摺動孔３の下端により袴筒７の上端ま
での距離ａだけ容器全体の長さが短小化される。
また容器の全長を従と同長にすれば、距離ａのス
ペース分だけ化粧料の収納量が増大されるのであ
る。また、繰出し繰下げ時の回動操作を円滑に行
なうために必要な袴筒７の長さも容器の短小化及
び化粧料の収納量に関係なく、必要長をとること
ができ、操作性に影響を与えない。

次に、身筒１の下部は袴筒７にて被覆されてお
り、身筒１、袴筒７間の間隙８には中蓋１１が嵌
着されているため、容器下部がいわば二重構造と
なつている。したがつて、強度が増大され、ねじ
れあるいは落下時の衝撃に対しても強い。

また、上記容の短小化及び二重構造のため、容
器の座り安定性が良好となる。

なお、化粧料の繰出し回動時において、ストツ
パ孔４ａがあるため、摺動突起１５の過度の移動
が阻止される。またストツパ孔４ｂにより摺動突
起１５がロツクされるため、ハンドバツク等に収
納時あるいは出荷輸送中の不測の化粧料の繰出
し、いわゆる頭突きが防止される。

また容器の組立てにおいて、身筒１と袴筒７は
一体に成形されているから、中心合わせをする必
要がない。したがつて、容器の組立ては簡単迅速
であり、かつ不良率が低減される。

［考案の効果］ このように、本考案にかかる棒状化粧料容器に
よれば、袴筒が身筒の外側に摺動孔の一を被覆す
るように設けられているので、容器スペースの有
効利用を図ることができ、容器の短小化を図るこ
とができるととに、化粧料の収納量を増大させる
ことができる。かかる効果は容器の操作性維持に
影響を与えない。

容器の下部が二重構造となつているため、容器
強度が増大し、折損を防止する効果があり、また
容器の座り安定性も良好となる効がある。

さらにまた、容器の組立ても簡単迅速にかつ正
確に行なうことができる等の効がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる棒状化粧料容器の実施
例を示す正面断面図で、その右半分が繰出し時、
左半分が収納時を示す。第２図は本考案にかかる
棒状化粧料容器の他の実施例を示す要部正面断面
図、第３図は本考案にかかる棒状化粧料容器のさ
らに他の実施例を示す正面断面図である。 １……身筒、２……周壁、３……摺動孔、４…
…ストツパ孔、５……切欠、６……鍔、７……袴
筒、８……間隙、９……底部、１０……孔、１１
……中蓋、１２……摺動孔、１３……中皿、１４
……仕切壁、１５……摺動突起、１６……キヤツ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁に摺動孔を設けた身筒と、該身筒に一体に
   成形された袴筒と、化粧料を収納する中皿が上記
   摺動孔を介して昇降自在に摺嵌される中蓋とから
   なる化粧料容器において、袴筒が身筒の外側に摺
   動孔の一部を被覆するよう設けられたことを特徴
   とする棒状化粧料容器。