JPH0811427B2 - 耐熱性歯付ベルト - Google Patents

耐熱性歯付ベルト

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JPH0811427B2
JPH0811427B2 JP3198058A JP19805891A JPH0811427B2 JP H0811427 B2 JPH0811427 B2 JP H0811427B2 JP 3198058 A JP3198058 A JP 3198058A JP 19805891 A JP19805891 A JP 19805891A JP H0811427 B2 JPH0811427 B2 JP H0811427B2
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polyol
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glycol
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敏明 笠崎
毅 杉野
伸幸 横山
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Nitta Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、自動車エンジンの周辺ベ
ルトなど、特に高温環境下で使用するのに好適な耐熱性
歯付ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、歯付ベルトは多くの場合、クロロプレンゴムから製
造されているが、例えば、自動車分野においては、近
年、部品のコンパクト化や、伝動伝達の多軸化等に従っ
て、歯付ベルトが用いられる雰囲気温度の上昇が著しく
クロロプレンゴムからなるベルトでは耐熱性が十分でな
い。そこで、例えば、特開昭51−36247号公報や
特開昭60−121341号公報等に記載されているよ
うに近年、背ゴムや歯ゴムにクロロスルフォン化ポリエ
チレンゴムを用いる歯付ベルトや、特開昭60−172
749号公報に記載されているように水素化ニトリルゴ
ムの含イオウ架橋系組成物を用いる歯付ベルトや、特開
昭64−87937号公報に記載されているように水素
化ニトリルゴムのパーオキサイド架橋系組成物を用いる
歯付ベルト等が提案されているがその耐熱性は、尚、十
分であるとはいい難い。
【0003】
【課題を解決するため手段】本発明者等は、上記のよう
な状況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、以下の技術的手
段を採用すると上記課題を解決できることを見出し本発
明を完成するに至った。即ち、本発明の耐熱性歯付ベル
トは、パラフェニレンジイソシアネート(PPD1)
と、ヒドロキシル基末端ポリオールから成るプレポリマ
ーと硬化剤との反応により得られたポリウレタンエラス
トマーを用いた。
【0004】前記ヒドロキシル基末端ポリオールは、ポ
リエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、
ポリカーボネート系ポリオールの1種または2種以上か
らなるものとしている。ポリエステル系ポリオールとし
ては、例えば、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとの
縮合物で、分子量500〜10000のものである。具
体的には、ポリ(エチレンアジペート)(以下「PE
A」と記す)、ポリ(ジエチレンアジペート)(以下
「PDA」と記す)、ポリ(プロピレンアジペート)
(以下「PPA」と記す)、ポリ(テトラメチレンアジ
ペート)(以下「PBA」と記す)、ポリ(ヘキサメチ
レンアジペート)(以下「PHA」と記す)、ポリ(ネ
オペンチレンアジペート)(以下「PNA」と記す)、
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸か
らなるポリオール、PEAとPDAのランダム共重合
体、PEAとPPAのランダム共重合体、PEAとPB
Aのランダム共重合体、PHAとPNAのランダム共重
合体、または、ε−カプロラクトンを開環重合して得た
カプロラクトンポリオール、β−メチル−δ−バレロラ
クトンをエチレングリコールで開環することにより得ら
れたポリオールなど(これらは、いずれも分子量500
〜10000であることが好ましい)が挙げられ、それ
ぞれ、単独で使用されたり、または、複数併用されたり
する。さらに、ポリエステル系ポリオールとしては、例
えば、下記の酸の少なくとも1つとグリコールの少なく
とも1つとの共重合体が挙げられる。
【0005】:テレフタル酸、イソフタル酸、無水フ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸(混合物)、パラオキ
シ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラクト
ン、β−メチル−δ−バレロラクトングリコール :エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタ
エリスリトール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、アルキレ
ンオキシド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド)を活性水素化合物である多価アルコール
(例えば、ジエチレングリコール)を開始剤として開環
付加重合により与えられるもの、具体的にはポリプロピ
レングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール
(PEG)、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイ
ドとの共重合体などが挙げられる。また、テトラヒドロ
フランのカチオン重合により与えられ、分子量500〜
5000のものである。具体的には、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール(PTMG)であり、また、テト
ラヒドロフランは他のアルキレンオキシドとの共重合体
があり、具体的には、テトラヒドロフランとプロピレン
オキサイドとの共重合体、テトラヒドロフランとエチレ
ンオキサイドとの共重合体など(これらはいずれも分子
量500〜10000であることが好ましい)が挙げら
れ、それぞれ単独で使用されたり、または、複数併用さ
れたりする。
【0006】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、
クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジ
アリルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分
子量のものが知られている。このようなポリカーボネー
ト系ポリオールとして特に好ましいものは、ポリオール
として、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、または、1,5−ペンタンジオールを使用したも
のであり、その分子量が約500〜10000の範囲の
ものである。例えば、下記一般式化1で表されるポリカ
ーボネートジオール
【0007】
【化1】
【0008】が挙げられる。本発明で用いられるポリカ
ーボネート系ウレタンプレポリマーのポリオール部分の
構造は、上記のようなポリカーボネート系ポリオールを
はじめ、ポリカーボネート系ポリオールとポリカプロラ
クトン系ポリオールのランダム共重合体、ポリカーボネ
ート系ポリオールとポリエステル系ポリオールのランダ
ム共重合体、あるいは、ポリカーボネート系ポリオール
とポリカプロラクトン系ポリオールとポリエステル系ポ
リオールの混合物などが挙げられ、それぞれ、単独で使
用されたり、または、複数併用されたりする。
【0009】前記ポリオールの1種または2種以上をパ
ラフェニレンジイソシアネートと反応させて、ウレタン
プレポリマーを製造するための方法としては、特に限定
されず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等を
含めて公知の方法で行うこともできる。本発明に用いる
ウレタンエラストマーを得るためには、上述のようにし
て得られたウレタンプレポリマーと、硬化剤とを混合し
て、ウレタンプレポリマーを硬化させればよい。
【0010】使用できる硬化剤としては、特に限定はさ
れず、従来、ウレタンプレポリマーを硬化してウレタン
エラストマーを生成させる際に一般的に用いられている
もので構わない。例えば、ポリオール化合物、ポリアミ
ン化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、
特に限定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3
級ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的には、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペン
タンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘ
キサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−
プロパンジオール等が挙げられる。ポリアミン化合物と
しては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、特に
限定はされず、1級アミン、2級アミン、3級アミンの
いずれも用いることができる。具体的には、ヘキサメチ
レンジアミン等の脂肪族アミン、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族
アミン、4,4’−メチレンビス−2−クロロアニリ
ン、2,2’3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジア
ミノフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル等
の芳香族アミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール等が挙げられる。これらの硬化剤
は、1種のみを用いてもよいし、あるいは、複数種を併
用してもよい。
【0011】上記の硬化剤と、前述のようにして得られ
たウレタンプレポリマーとを混合して、同ウレタンプレ
ポリマーを硬化させるための方法としては、特に限定さ
れず、例えば、ウレタンプレポリマーに対する硬化剤の
混合割合、硬化温度、硬化時間等を含めて、通常の方法
で行うこともできる。本発明に用いるポリウレタンエラ
ストマーは、添加剤等を含有するものとしてもよい。本
発明に用いうる添加剤は、可塑剤、難燃剤、充填剤、安
定剤、着色剤等である。
【0012】可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオク
チル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピ
ン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TC
P)、塩素系パラフィンなどが利用できる。難燃剤とし
ては、トリス−(β−クロロプロピルホスフェート、ト
リス−ジクロロプロピルホスフェート、トリスクロロエ
チルホスフェート等の燐酸エステル類、ジブロムネオペ
ンチルグリコール、トリブロムネオペンチルアルコール
等のブロム化合物等が利用できる。
【0013】充填剤は、例えば、ガラス繊維、カーボン
ブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオラ
イト、硅そう土、パーライト、パーミキュライト、二酸
化チタン等が使用できる。安定剤としては、従来より使
用されている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加
水分解防止剤等が利用できる。
【0014】酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤・過酸
化物分解剤などとして作用し、前者には立体障害を持っ
たフェノール類や芳香族アミン類がある。ラジカル連鎖
禁止剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン、テトラキ
ス〔メチレン・3・(3’・5’−ジ・tブチル−4ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n・オク
タデシル−βー(4’・ヒドロキシ−3’−5’・ジ・
tブチルフェニル)プロピオネート、1,3,5トリス
(4・tブチル・3ヒドロキシ・2,6ジメチルベンジ
ル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコールビス3
(2−tブチル・4ヒドロキシ5・メチルフェニル)プ
ロピオネート等が使用可能である。
【0015】過酸化物分解剤として、4,4’チオビス
(6−t−ブチル・m・クレゾール、ジラウリル・チオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオ・ジプロピオネー
ト、チオフェニルホスファイト等が使用可能である。紫
外線吸収剤として、サリチル酸系のフェニルサリシレー
ト、P−t−ブチルフェニルサリシレート、ベンゾフェ
ノン系の2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、ベンゾトリ
アゾール系の2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、
シアレアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,5−
ジフェニルアクリレート、2(2’−ヒドロキシ−5’
−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が使用
可能である。
【0016】UVスクリーンとして、カーボンブラック
・亜鉛華などの顔料等が使用可能である。光安定剤とし
て、ヒンダードアミンがある。ヒンダードアミンとして
は、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、コハク酸ジメ
チル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕ヘキサメチレン〔〔2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブ
チルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)などが使用可能である。
【0017】加水分解防止剤として、カルボジイミド系
のスタバクゾール・1,PCD(バイエル社)、ヘキサ
メチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t
−ブチルカテコール等が使用可能である。前記ヒドロキ
シル基末端ポリオールとパラフェニレンジイソシアネー
トとを反応させてウレタンプレポリマーを製造するため
の方法としては、特に限定されず、例えば、反応温度、
反応時間、溶媒の有無等を含めて公知の方法で行うこと
もできる。
【0018】このようにして得られるプレポリマーのイ
ソシアネート基含有量は1重量%〜20重量%になるよ
うに有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物と反
応せしめる必要がある。得られるプレポリマーのイソシ
アネート基含有量が20重量%を越えて大になると遊離
のパラフェニレンジイソシアネートが多くなり、ウレタ
ンプレポリマーの貯蔵安定性が劣るようになる。
【0019】また、1重量%よりも小さくなると、ウレ
タンプレポリマーとしてはイソシアネート基含有量が低
くポットライフが長くなりすぎるため生産性が悪くな
る。本発明の耐熱性歯付ベルトの構成は、帆布として、
例えば、ナイロン、アラミド等からなるもの、好ましく
は片面をポリエチレン系樹脂をラミネートしたものが用
いられ、また芯線としては、例えば、ガラス、アラミ
ド、スチール等よりなるものが用いられるが、これら例
示したものに限定されるものでない。
【0020】本発明による耐熱性歯付ベルトは、従来よ
り知られている通常の方法によって製造することができ
る。即ち、片面がポリエチレン系樹脂でラミネートされ
たナイロン布を用い、ポリエチレン系樹脂層が歯付円筒
モールドと接するように巻き付け、その上に「ケブラ
ー」(デュポン製アラミド繊維)の抗張体を螺旋状に巻
き、鋳型に入れ、その鋳型部材と円筒モールドの空間部
に本発明のプレポリマーに硬化剤を添加し、公知の圧入
成型法で圧入充填し、温度110℃×120分加熱し
て、ウレタン樹脂を架橋させ、その後、円筒モールドか
ら歯型成型品を取りはずし、所定巾のベルト状に切断
し、歯付ベルトを作製した。
【0021】
【発明の効果】本発明は、前述のような技術的手段を講
じたものであり、上記各構成要件を採用したことによ
り、耐熱性に優れた歯付ベルトを提供することができ
る。すなわち、ポリイソシアネートとしてパラフェニレ
ンジイソシアネートを用いて得られるプレポリマーから
なるウレタンエラストマーを用いた本発明の耐熱性歯付
ベルトは、高温環境下での走行試験において優れた耐熱
性を示す。これにより、高温となる自動車エンジンルー
ムでのタイミングベルトとしての使用に適している。
【0022】
【実施例】実施例1〜5 本発明の耐熱性歯付ベルトを、以下に示すようにして作
製した。ポリウレタンエラストマーは、次のような手順
により得た。先ず、ポリオール成分(以下、(1) に示
す)にポリイソシアネート成分(以下、(2) に示す)を
加え、窒素気流下において85℃で1時間反応させて末
端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得
る。
【0023】得られたウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基(NCO)含有量(以下、に示す)、及び、
80℃における粘度(以下、に示す)を測定した。プ
レポリマーの粘度は、ハーケ回転粘度計・ロトビスコR
V−12を用いて求めた。上記のようにして得たウレタ
ンプレポリマー100重量部を80℃に保温し、硬化剤
(以下、(3) に示す)を加え、110℃で120分間、
加熱して硬化反応を完結させた。 (実施例1) (1) ポリオール成分 平均分子量(数平均分子量を指す。以下同様)が2,0
44のポリカーボネートとカプロラクトンとの共重合体
ポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
ニッポラン982R)を100重量部用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 パラフェニレンジイソシアネート(=PPDI、デュポ
ン社製)を15.6重量部用いた。 (3) 硬化剤 2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン(=TCDAM、イハラケミカル工
業株式会社製)を12.9重量部用いた。
【0024】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.59%(理
論値3.60%) 80℃における粘度…14,680cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、89であった。 (実施例2) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールL2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。
【0025】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、90であった。 (実施例3) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,950のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールP2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.7重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.3重量部用いた。
【0026】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.68%(理
論値3.75%) 80℃における粘度…15,080cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、88であった。 (実施例4) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,975のポリカプロラクトンポリオー
ル(ダイセル化学工業株式会社製、商品名プラクセル2
20N)を100重量部用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.2重量部用いた。 (3) 硬化剤 1,4−ブタンジオール(=1,4BD、関東化学株式
会社製)3.1重量部と、2−エチル−2−(ヒドロキ
シメチル)−1,3−プロパンジオール(=TMP、関
東化学株式会社製)0.4重量部とをブレンドして用い
た。
【0027】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.66%(理
論値3.66%) 80℃における粘度…2,320cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、90であった。 (実施例5) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,996のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,986のポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学工
業株式会社製、商品名PTG2000)20重量部とを
ブレンドして用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.1重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.0重量部用いた。
【0028】各測定結果 イソシアネート基(NCO)含有量…3.60%(理
論値3.63%) 80℃における粘度…23,190cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、82であった。 前記各ポリウレタンエラストマーを背部および歯形部に
用いて、図1に示すような構成の歯付ベルトを作製し
た。この歯付ベルトは、背部1、歯形部2、これら両者
の間に介在させた芯線3、および歯形部2に被着した帆
布4からなるものとしており、RU型で、歯のピッチ
9.525mm、歯数92、長さ34.5インチ、幅0.
75インチとした。比較例 水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組成物を用いた歯
付ベルトを、以下に示すようにして作製した。
【0029】水素化ニトリルゴム組成物は、水素化ニト
リルゴム(ゼットポール:日本ゼオン製)100重量
部、カーボンブラック40重量部、可塑剤10重量部、
亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、老化防止剤2
重量部、加硫促進剤2.5重量部、イオウ0.5重量
部、を配合し、バンバリーミキサー、ロール等を用い適
宜、公知の手段、方法により混練しゴムシートとした。
【0030】帆布は、上記ゴム組成物を、その2〜3.
5倍の溶剤に溶解し、次いでフェノールレジンをゴム組
成物の20〜30%添加溶解し、ゴム糊を作製し、ナイ
ロン布を浸漬後乾燥させた、接着処理ナイロン布を用い
た。なお、抗張体には、前記と同様にケブラーを用い
た。前記水素化ニトリルゴム組成物を背部および歯形部
に用いて、従来より知られている通常の方法により、図
1に示すような構成の歯付ベルトを作製した。
【0031】即ち、前記帆布を歯付円筒モールドに巻き
付けた後、前記抗張体を螺旋状に巻き、さらに前記ゴム
シートを巻き付け、圧力容器内にて加圧成形加硫を行
う。その後、脱型し所定幅に切断し歯付ベルトを作製し
た。次に、前記本発明の歯付ベルトおよび従来の歯付ベ
ルトを、図2に示したような装置を用いて、高温環境
(150℃)下で走行試験を行った。
【0032】図2中、5はRU型(歯数=20)の駆動
プーリ、6はRU型(歯数=40)の非駆動プーリであ
る。そして、これら駆動プーリ5と非駆動プーリ6の間
に掛け渡した歯付ベルト7の初張力をφ52mmのテンシ
ョナープーリ8により15Kgf に調整し、駆動プーリ5
を回転数6000rpm で回転させ、歯付ベルト7を走行
させた。走行開始後、歯付ベルトの背部にクラックが生
ずるまでの走行時間を測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、比較例として示
した水素化ニトリルゴム組成物を用いた歯付ベルトは、
短時間で背部1にクラックが生じ、耐熱性に劣るが、実
施例1〜5として示した前記ポリウレタンエラストマー
を用いた歯付ベルトは、短時間で背部1にクラックが生
じることなく、耐熱性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性歯付ベルトの具体的構成を示す
説明図である。
【図2】本発明の耐熱性歯付ベルトの高温環境下での走
行試験を行う装置の説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/76 NFH F16G 1/06 // B29K 75:00 (72)発明者 横山 伸幸 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 (72)発明者 中根 聡司 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 (56)参考文献 実開 昭56−84146(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラフェニレンジイソシアネートと、ポ
    リエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、
    ポリカーボネート系ポリオールの1種または2種以上か
    らなるプレポリマーに硬化剤を配合して成るポリウレタ
    ンエラストマーを用いたことを特徴とする耐熱性歯付ベ
    ルト。
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