JPH10311376A - 耐熱屈曲疲労性歯付きベルト - Google Patents

耐熱屈曲疲労性歯付きベルト

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JPH10311376A
JPH10311376A JP9122619A JP12261997A JPH10311376A JP H10311376 A JPH10311376 A JP H10311376A JP 9122619 A JP9122619 A JP 9122619A JP 12261997 A JP12261997 A JP 12261997A JP H10311376 A JPH10311376 A JP H10311376A
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JP
Japan
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polyol
weight
parts
toothed belt
bending fatigue
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Pending
Application number
JP9122619A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kasazaki
敏明 笠崎
Makoto Suzuki
信 鈴木
Nobuyuki Yokoyama
伸幸 横山
Soji Nakane
聡司 中根
Toshiyuki Terawaki
利之 寺脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitta Co Ltd
Nitta Corp
Original Assignee
Unitta Co Ltd
Nitta Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れるとともに従来より耐熱屈曲疲
労性能に優れる歯付きベルトを提供しようとするもの。 【解決手段】 パラフェニレンジイソシアネートと、ポ
リエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、
ポリカーボネート系ポリオールの一種又は二種以上から
なるプレポリマーにエーテル・エステル系可塑剤と硬化
剤とを配合して成るポリウレタンエラストマーを用い
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車エ
ンジンの周辺ベルトなど高温環境下で多屈曲伝動に使用
するのに好適な耐熱屈曲疲労性歯付きベルトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯付きベルトは通常クロロプレン
ゴムから製造されている。
【0003】ところで、自動車分野においては近年エン
ジンの高出力化や騒音低減のためにエンジンやエンジン
ルームの密閉性が高められているので、歯付きベルトが
用いられる雰囲気温度の上昇が著しく、歯付きベルトに
高い耐熱性が要求されてきている。また、全体的な軽量
化やコスト低減のために部品のコンパクト化や伝動伝達
の多軸化が図られてきており、歯付きベルトには耐熱性
と共に高い耐熱屈曲疲労性が要求されてきている。さら
に最近では資源問題や環境問題により燃費向上やディー
ゼルエンジンの排気ガスの浄化を目的として多弁化や燃
料噴射圧力の上昇等が図られているので、歯付きベルト
にはより激しい耐熱屈曲疲労性能が要求されつつある。
【0004】このような状況下では、クロロプレンゴム
からなるベルトでは耐熱性や耐熱屈曲疲労性が十分では
ない。したがって、近年背ゴムや歯ゴムにクロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴムを用いる歯付きベルト(特開昭
51−36247号公報や特開昭60−121341号
公報)や、水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組成物
を用いる歯付きベルト(特開昭60−172749号公
報)、水素化ニトリルゴムのパーオキサイド架橋系組成
物を用いる歯付きベルト(特開昭64−87937号公
報)などが提案されている。
【0005】しかし、いずれの歯付きベルトもその耐熱
性や耐熱屈曲疲労性はなおも十分であるとは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
耐熱性に優れるとともに従来より耐熱屈曲疲労性能に優
れる歯付きベルトを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】耐熱性に優れた歯付きベ
ルトとして、ウレタンゴム系のものが開発されつつあ
る。ところで、ゴムの可塑剤としてフタル酸エステル系
のものや安息香酸エステル系のものなど数多くの種類が
あるが、ウレタンゴム系のものに対してはジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート、ジプロピレングリコールジベン
ゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエートなど
が一般的である。
【0008】なお、可塑剤は常温特性(耐クラッキング
性等)を改善することを目的として添加される反面、高
温特性は落ちる方向にいく傾向があるので耐熱用途のも
のには通常用いられない。
【0009】この発明者らは上記のような状況に鑑みて
鋭意研究を重ねた結果、以下の技術的手段を採用すると
上記課題を解決できることを見出し、この発明を完成す
るに至った。
【0010】この発明の耐熱屈曲疲労性歯付きベルト
は、パラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル
系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボ
ネート系ポリオールの一種又は二種以上からなるプレポ
リマーにエーテル・エステル系可塑剤と硬化剤とを配合
して成るポリウレタンエラストマーを用いたことを特徴
とする。
【0011】前記エーテル・エステル系可塑剤は、下記
一般式化1、
【0012】
【化1】
【0013】であることとすることができる。ポリエス
テル系ポリオールとしては、例えば、ポリカルボン酸と
低分子ポリオールとの縮合物で分子量500〜1000
0のものである。
【0014】具体的には、ポリ(エチレンアジペート)
(以下「PEA」と記す)、ポリ(ジエチレンアジペー
ト)(以下「PDA」と記す)、ポリ(プロピレンアジ
ペート)(以下「PPA」と記す)、ポリ(テトラメチ
レンアジペート)(以下「PBA」と記す)、ポリ(ヘ
キサメチレンアジペート)(以下「PHA」と記す)、
ポリ(ネオペンチレンアジペート)(以下「PNA」と
記す)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジ
ピン酸からなるポリオール、PEAとPDAのランダム
共重合体、PEAとPPAのランダム共重合体、PEA
とPBAのランダム共重合体、PHAとPNAのランダ
ム共重合体、又はε−カプロラクトンを開環重合して得
たカプロラクトンポリオール、β−メチル−δ−バレロ
ラクトンをエチレングリコールで開環することにより得
られたポリオールなど(これらは、いずれも分子量50
0〜10000であることが好ましい)が挙げられ、そ
れぞれ単独で使用されたり、複数併用されたりする。
【0015】さらに、ポリエステル系ポリオールとして
は、例えば、下記の酸の少なくとも一つとグリコールの
少なくとも一つとの共重合体が挙げられる。
【0016】酸:テレフタル酸、イソフタル酸、無水フ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸(混合物)、パラオキ
シ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラクト
ン、β−メチル−δ−バレロラクトン。
【0017】グリコール:エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ペンタエリスリトール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール。
【0018】ポリエーテル系ポリオールとしては、例え
ば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド)を活性水素化合物である多
価アルコール(例えば、ジエチレングリコール)を開始
剤として開環付加重合により与えられるもの、具体的に
は、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレ
ングリコール(PEG)、プロピレンオキサイドとエチ
レンオキサイドとの共重合体などが挙げられる。また、
テトラヒドロフランのカチオン重合により与えられ、分
子量500〜5000のものである。
【0019】具体的には、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール(PTMG)であり、またテトラヒドロフラ
ンは他のアルキレンオキシドとの共重合体があり、具体
的には、テトラヒドロフランとプロピレンオキサイドと
の共重合体、テトラヒドロフランとエチレンオキサイド
との共重合体など(これらはいずれも分子量500〜1
0000であることが好ましい)が挙げられ、それぞれ
単独で使用されたり、又は複数併用されたりする。
【0020】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、
クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジア
リルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分子
量のものが知られている。このようなポリカーボネート
系ポリオールとして特に好ましいものは、ポリオールと
して1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、又は、1,5−ペンタンジオールを使用したもので
あり、その分子量が約500〜10000の範囲のもの
である。
【0021】例えば、下記一般式化2で表されるポリカ
ーボネートジオール、
【0022】
【化2】
【0023】が挙げられる。この発明で用いられるポリ
カーボネート系ウレタンプレポリマーのポリオール部分
の構造は、上記のようなポリカーボネート系ポリオール
をはじめ、ポリカーボネート系ポリオールとポリカプロ
ラクトン系ポリオールのランダム共重合体、ポリカーボ
ネート系ポリオールとポリエステル系ポリオールのラン
ダム共重合体、或いはポリカーボネート系ポリオールと
ポリカプロラクトン系ポリオールとポリエステル系ポリ
オールの混合物などが挙げられ、それぞれ単独で使用さ
れたり、又は複数併用されたりする。
【0024】前記ポリオールの一種又は二種以上をパラ
フェニレンジイソシアネートと反応させてウレタンプレ
ポリマーを製造するための方法としては、特に限定され
ず、例えば反応温度、反応時間、溶媒の有無等を含めて
公知の方法で行うこともできる。
【0025】この発明に用いるウレタンエラストマーを
得るためには、上述のようにして得られたウレタンプレ
ポリマーと硬化剤とを混合して、ウレタンプレポリマー
を硬化させればよい。
【0026】なお、この際にウレタンプレポリマーに可
塑剤を入れる方法が一般的であるが、ポリオールと可塑
剤を混合してからパラフェニレンジイソシアネートを反
応させることによってプレポリマーを製造することもで
きる。
【0027】使用できる硬化剤としては、特に限定はさ
れず、従来ウレタンプレポリマーを硬化してウレタンエ
ラストマーを生成させる際に一般的に用いられているも
ので構わない。例えば、ポリオール化合物、ポリアミン
化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、特
に限定されず、一級ポリオール、二級ポリオール、三級
ポリオールのいずれを用いてもよい。
【0028】具体的には、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブ
タンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペ
ンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−
ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒ
ドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ハイド
ロキノン ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテル等が
挙げられる。
【0029】ポリアミン化合物としては、ジアミン、ト
リアミン、テトラアミン等、特に限定はされず、一級ア
ミン、二級アミン、三級アミンのいずれも用いることが
できる。
【0030】具体的には、ヘキサメチレンジアミン等の
脂肪族アミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン等の脂環族アミン、4,4’
−メチレンビス−2−クロロアニリン、2,2’3,
3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニル、トリメチレングリ
コールパラアミノジベンゾエート、1,2−ビス(2−
アミノフェニルチオ)エタン等の芳香族アミン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等
が挙げられる。これらの硬化剤は一種のみを用いてもよ
いし、或いは複数種を併用してもよい。
【0031】上記の硬化剤と前述のようにして得られた
ウレタンプレポリマーとを混合して同ウレタンプレポリ
マーを硬化させるための方法としては、特に限定され
ず、例えばウレタンプレポリマーに対する硬化剤の混合
割合、硬化温度、硬化時間等を含めて通常の方法で行う
こともできる。
【0032】この発明に用いるポリウレタンエラストマ
ーは、添加剤等を含有するものとしてもよい。この発明
に用いうる添加剤は難燃剤、充填剤、安定剤、着色剤等
である。
【0033】難燃剤としては、トリス−(β−クロロプ
ロピルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフ
ェート、トリスクロロエチルホスフェート等の燐酸エス
テル類、ジブロムネオペンチルグリコール、トリブロム
ネオペンチルアルコール等のブロム化合物等が利用でき
る。
【0034】充填剤は、例えばガラス繊維、カーボンブ
ラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、硅そう土、パーライト、パーミキュライト、二酸化
チタン等が使用できる。
【0035】安定剤としては、従来より使用されている
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤
等が利用できる。
【0036】酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤・過酸
化物分解剤などとして作用し、前者には立体障害を持っ
たフェノール類や芳香族アミン類がある。
【0037】ラジカル連鎖禁止剤として、ブチル化ヒド
ロキシトルエン、テトラキス〔メチレン・3・(3’・
5’−ジ・tブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、n・オクタデシル−βー(4’・ヒド
ロキシ−3’−5’・ジ・tブチルフェニル)プロピオ
ネート、1,3,5トリス(4・tブチル・3ヒドロキ
シ・2,6ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、トリエ
チレングリコールビス3(2−tブチル・4ヒドロキシ
5・メチルフェニル)プロピオネート等が使用可能であ
る。
【0038】過酸化物分解剤として、4,4’チオビス
(6−t−ブチル・m・クレゾール、ジラウリル・チオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオ・ジプロピオネー
ト、チオフェニルホスファイト等が使用可能である。
【0039】紫外線吸収剤として、サリチル酸系のフェ
ニルサリシレート、P−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、ベンゾフェノン系の2,4−ジ−ヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾール系の2(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾ
トリアゾール、シアレアクリレート系のエチル−2−シ
アノ−3,5−ジフェニルアクリレート、2(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール等が使用可能である。
【0040】UVスクリーンとして、カーボンブラック
・亜鉛華などの顔料等が使用可能である。
【0041】光安定剤として、ヒンダードアミンがあ
る。ヒンダードアミンとしては2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)など
が使用可能である。
【0042】加水分解防止剤として、カルボジイミド系
のスタバクゾール・1,PCD(バイエル社)、ヘキサ
メチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t
−ブチルカテコール等が使用可能である。
【0043】この耐熱屈曲疲労性歯付きベルトは、ポリ
ウレタンエラストマーより成るベルト本体と、前記ベル
ト本体内に長さ方向に配置された抗張体と、歯面に貼着
される補強布よりなり、前記補強布が、たて糸とよこ糸
を織成した帆布と、基材層の片面に接着剤層を形成した
不浸透性樹脂層とを、その基材層が外側に位置するよう
に重ね合わせ、これを加熱押圧して接着剤層を溶融させ
て帆布に食い込ませたものとすることができる。
【0044】
【発明の効果】この発明は、上記のような構成を採用し
たものであり、耐熱性に優れるとともに従来より耐熱屈
曲疲労性能に優れる歯付きベルトを提供することができ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】ヒドロキシル基末端ポリオールと
パラフェニレンジイソシアネートとを反応させてウレタ
ンプレポリマーを製造するための方法としては、特に限
定されず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等
を含めて公知の方法で行うこともできる。
【0046】このようにして得られるプレポリマーのイ
ソシアネート基含有量は、1重量%〜20重量%になる
ように有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物と
反応せしめることが好ましい。
【0047】得られるプレポリマーのイソシアネート基
含有量が20重量%を越えて大になると、遊離のパラフ
ェニレンジイソシアネートが多くなり、ウレタンプレポ
リマーの貯蔵安定性が劣る傾向がある。
【0048】また、1重量%よりも小さくなると、ウレ
タンプレポリマーとしてはイソシアネート基含有量が低
くポットライフが長くなりすぎるため生産性が悪くなる
傾向がある。
【0049】この発明の耐熱屈曲疲労性歯付きベルトの
構成は、帆布として、例えば、ナイロン、アラミド等か
らなるもの、好ましくは片面をポリエチレン系樹脂をラ
ミネートしたものが用いられ、また芯線としては、例え
ば、ガラス、アラミド、スチール等よりなるものが用い
られるが、これら例示したものに限定されるものでな
い。
【0050】なお可塑剤の添加量は約0.5重量%から
約12重量%の範囲が好ましい。この発明による耐熱屈
曲疲労性歯付きベルトは、従来より知られている通常の
方法によって製造することができる。すなわち、片面が
ポリエチレン系樹脂でラミネートされたナイロン布を用
い、ポリエチレン系樹脂層が歯付円筒モールドと接する
ように巻き付け、その上に「ケブラー」(商標又は登録
商標、デュポン社製アラミド繊維)の抗張体を螺旋状に
巻き、鋳型に入れ、その鋳型部材と円筒モールドの空間
部にこの発明のプレポリマーに硬化剤を添加し、公知の
圧入成型法で圧入充填し、温度110℃×120分加熱
して、ウレタン樹脂を架橋させ、その後、円筒モールド
から歯型成型品を取りはずし、所定巾のベルト状に切断
し、歯付きベルトを作製した。
【0051】
【実施例】耐熱屈曲疲労性歯付きベルトを、以下に示す
ようにして作製した。
【0052】芯線は、次のような構成のものを用いた。 原繊維名:デュポン社製「商品名ケブラー129」15
00デニール 構成 :1500d//3 片撚り(S,Z) 撚り数 :2.6回/inch 処理 :1段目 RFL処理、2段目 イソシアネー
ト処理 打ち込み:22本/inch 帆布は、次のような構成のものを用いた。
【0053】 織組織 :2/2綾織 糸構成 経:ナイロン66 210d−35f/1 緯:ナイロン66 70d−34f/2×3 加工糸 目付 :325〜345g/m2 厚さ :0.91〜0.99mm (不浸透性樹脂層) 基材層 :高密度ポリエチレン樹脂(融点約130
℃)、厚さ15μm 接着剤層:エチレンメチルメタアクリレート共重合体
(融点約110℃)厚さ15μm ポリウレタンエラストマーは、次のような手順により得
た。
【0054】先ず、ポリオール成分(以下、(1) に示
す)にポリイソシアネート成分(以下、(2) に示す)を
加え、窒素気流下において85℃で1時間反応させて末
端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得
る。
【0055】得られたウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基(NCO)含有量(以下、に示す)、及び、
80℃における粘度(以下、に示す)を測定した。プ
レポリマーの粘度は、ハーケ回転粘度計・ロトビスコR
V−12を用いて求めた。
【0056】上記のようにして得たウレタンプレポリマ
ー100重量部を80℃に保温し、硬化剤(以下、(3)
に示す)と可塑剤(以下、(4) に示す)とを加え、11
0℃で120分間、加熱して硬化反応を完結させた。 (実施例1) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン(イハラケミカル工業株式会社製、
商品名TCDAM)を、12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS735)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、86であった。 (実施例2) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS735)を10重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、83であった。 (実施例3) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS1000)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、86であった。 (実施例4) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,950のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールP2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.7重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.3重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS735)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.68%(理
論値3.75%) 80℃における粘度…15,080cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、86であった。 (実施例5) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,950のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールP2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.7重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.3重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS1000)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.68%(理
論値3.75%) 80℃における粘度…15,080cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、86であった。 (実施例6) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,975のポリカプロラクトンポリオー
ル(ダイセル化学工業株式会社製、商品名プラクセル2
20N)を100重量部用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.2重量部用いた。 (3) 硬化剤 1,4−ブタンジオール(=1,4BD、関東化学株式
会社製)3.1重量部と、2−エチル−2−(ヒドロキ
シメチル)−1,3−プロパンジオール(=TMP、関
東化学株式会社製)0.4重量部とをブレンドして用い
た。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS735)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.66%(理
論値3.66%) 80℃における粘度…2,320cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、88であった。 (実施例7) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,996のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,986のポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学工
業株式会社製、商品名PTG2000)20重量部とを
ブレンドして用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.1重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.0重量部用いた。 (4) 可塑剤 エーテル・エステル(旭電化工業社製、商品名アデカサ
イザーRS735)を5重量部用いた。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.60%(理
論値3.63%) 80℃における粘度…23,190cps上記組成に
ついてシート状成形物を同様の方法で得たときの硬さ
(JIS A)は、80であった。
【0057】前記各ポリウレタンエラストマーを背部お
よび歯形部に用いて、図1に示すような構成の歯付きベ
ルトを作製した。この歯付きベルトは、背部1、歯形部
2、これら両者の間に介在させた芯線3、および歯形部
2に被着した帆布4からなるものとしており、RU型
で、歯のピッチ9.525mm、歯数92、長さ34.5
インチ、幅0.75インチとした。 (比較例1) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 添加せず。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、90であった。 (比較例2) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 ジ−2−エチルヘキシルフタレート(三菱ガス化学工業
社製、商品名DOP)を10重量部用いた。これは、フ
タル酸エステル系のものである。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、84であった。 (比較例3) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 ジプロピレングリコールジベンゾエート(Velsicol Che
mical Corporation 社製、商品名Benzoflex 9−88S
G)を10重量部用いた。これも、フタル酸エステル系
のものである。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、85であった。 (比較例4) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 トリクレジルホスフェート(大八化学社製、商品名TC
P)を10重量部用いた。これは、リン酸エステル系の
ものである。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、85であった。 (比較例5) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラレポリオールL2010)20重量部とをブレンドし
て用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。 (4) 可塑剤 トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(三菱ガス化
学工業社製、商品名TOTM)を10重量部用いた。こ
れは、トリメリット酸エステル系のものである。 〔各測定結果〕 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、85であった。 (比較例6)水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組成
物を用いた歯付きベルトを、以下に示すようにして作製
した。
【0058】水素化ニトリルゴム組成物は、水素化ニト
リルゴム(ゼットポール:日本ゼオン製)100重量
部、カーボンブラック40重量部、可塑剤10重量部、
亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、老化防止剤2
重量部、加硫促進剤2.5重量部、イオウ0.5重量
部、を配合し、バンバリーミキサー、ロール等を用い適
宜、公知の手段、方法により混練しゴムシートとした。
【0059】帆布は、上記ゴム組成物を、その2〜3.
5倍の溶剤に溶解し、次いでフェノールレジンをゴム組
成物の20〜30%添加溶解し、ゴム糊を作製し、ナイ
ロン布を浸漬後乾燥させた、接着処理ナイロン布を用い
た。なお、抗張体には、前記と同様にケブラーを用い
た。
【0060】前記水素化ニトリルゴム組成物を背部およ
び歯形部に用いて、従来より知られている通常の方法に
より、図1に示すような構成の歯付きベルトを作製し
た。
【0061】すなわち、前記帆布を歯付円筒モールドに
巻き付けた後、前記抗張体を螺旋状に巻き、さらに前記
ゴムシートを巻き付け、圧力容器内にて加圧成形加硫を
行う。その後、脱型し所定幅に切断し歯付きベルトを作
製した。 (静的接着試験)各実施例及び比較例の歯付きベルトに
ついて次のような静的接着試験を行った。
【0062】 帆布剥離試験 図2に示すように、19mm幅×10ピッチのタンザク
状試験片の一方の端の歯面帆布4(歯ゴム付き)とコー
ド3(背ゴム付き)の界面にカッターで切れ込みを入れ
5ピッチ分連続して切り離し、6ピッチ目の歯底部分の
直前で止め、この切り離した部分の歯面帆布4(歯ゴム
付き)とコード3(背ゴム付き)をそれぞれ引張試験機
のチャックに挟んで引張速度50mm/minで180
°剥離試験を行った。
【0063】 コード引抜き試験 図3に示すように、19mm幅×11ピッチのタンザク
状試験片の端から5ピッチ目の歯元部分を中央の2本の
コード3を残して切断し、さらにそこから3ピッチ目の
歯元部分で先程残した中央の2本のコード3を切断し、
両端をそれぞれ引張試験機のチャックに挟んで引張速度
50mm/minで引張り、コード引抜き試験を行っ
た。
【0064】各実施例及び比較例の歯付きベルトについ
て、これらの静的接着試験の結果を表1に示す。 (耐熱走行試験)各実施例の歯付きベルトおよび各比較
例の歯付きベルトを、図4に示したような装置を用い
て、耐熱走行試験を行った。この試験により、ゴムの耐
熱性と帆布の耐熱屈曲疲労性能を評価した。
【0065】図4中、5はRU型(歯数=20)の駆動
プーリ、6はRU型(歯数=40)の非駆動プーリであ
る。そして、これら駆動プーリ5と非駆動プーリ6の間
に掛け渡した歯付きベルト7の初張力をφ52mmのテン
ショナープーリ8により15Kgf に調整し、駆動プーリ
5を回転数6000rpm で回転させ、歯付きベルト7を
走行させた。
【0066】高温環境(150℃)下で走行開始後、歯
付きベルトに歯欠け又は切断等のベルト寿命に合致する
故障が生ずるまでの走行時間及び帆布クラック発生時間
を測定した。なお、歯付きベルト7に歯欠け又は切断等
のベルト寿命に合致する故障が発生していなくても、歯
底帆布の浮きや剥離等の重大な故障が発生し、早期にベ
ルト寿命に至ると判断した場合は、これらの故障発生時
間で走行試験を終了した。走行時間、帆布クラック発生
時間と故障モードの結果を表2に示す。 (耐熱多屈曲試験)各実施例の歯付きベルトおよび各比
較例の歯付きベルトを、図5に示したような装置を用い
て、耐熱多屈曲の走行試験を行った。この試験により、
芯線の耐熱屈曲疲労性能を評価した。
【0067】図5中、9はRU型(歯数=20)の駆動
プーリ、10,11はRU型(歯数=20)の非駆動プー
リ、12はφ52mmのアイドラープーリ、13はφ52m
mのテンショナープーリである。そして、これら駆動プ
ーリ9と非駆動プーリ10,11、アイドラープーリ12、テ
ンショナープーリ13の間に掛け渡した歯付きベルト7の
初張力をテンショナープーリ13により24kgfに調整
し、駆動プーリ9を回転数6000rpmで回転させ、
歯付きベルトを走行させた。
【0068】高温環境(100℃)下で走行を開始して
から100時間後に走行を停止して、ベルト強度を測定
した。そして走行前のベルト強度に対する保持率を計算
し、結果を表2に示す。
【0069】表1から分かるように、可塑剤無添加の比
較例1に対して、比較例2以下のものは帆布剥離強度及
びコード引抜き強度が全般的に低く接着性能が低下して
いるのに対し、各実施例のものは可塑剤無添加の比較例
1に対して帆布剥離強度及びコード引抜き強度がほぼ同
等であり接着性能はあまり低下していない。
【0070】すなわち、通常であれば可塑剤を添加する
と接着性能が阻害されるのであるが、各実施例のものは
あまり接着性が阻害されていない。
【0071】表2から分かるように、各比較例のものは
耐熱性並びに帆布及び芯線の耐熱屈曲疲労性能は両立し
ていないが、各実施例のものは耐熱性及び帆布の耐熱屈
曲疲労性能に優れる(耐熱走行試験がそれぞれ500h
r以上であった)と共に、従来より芯線の耐熱屈曲疲労
性能に優れていた。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の歯付きベルトの具体的構成
を示す説明図。
【図2】静的接着試験のおける帆布剥離試験を行うため
の試験片の説明図。
【図3】静的接着試験のおけるコード引抜き試験を行う
ための試験片の説明図。
【図4】高温環境下での歯付きベルトの耐熱走行試験を
行う装置の説明図。
【図5】高温環境下での歯付きベルトの耐熱多屈曲試験
を行う装置の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08 B29L 29:00 (72)発明者 横山 伸幸 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 (72)発明者 中根 聡司 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内 (72)発明者 寺脇 利之 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ株 式会社奈良工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラフェニレンジイソシアネートと、ポ
    リエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、
    ポリカーボネート系ポリオールの一種又は二種以上から
    なるプレポリマーにエーテル・エステル系可塑剤と硬化
    剤とを配合して成るポリウレタンエラストマーを用いた
    ことを特徴とする耐熱屈曲疲労性歯付きベルト。
  2. 【請求項2】 前記エーテル・エステル系可塑剤は、下
    記一般式化1、 【化1】 である請求項1記載の耐熱屈曲疲労性歯付きベルト。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンエラストマーより成るベル
    ト本体と、前記ベルト本体内に長さ方向に配置された抗
    張体と、歯面に貼着される補強布よりなり、前記補強布
    が、たて糸とよこ糸を織成した帆布と、基材層の片面に
    接着剤層を形成した不浸透性樹脂層とを、その基材層が
    外側に位置するように重ね合わせ、これを加熱押圧して
    接着剤層を溶融させて帆布に食い込ませたものである請
    求項1又は2記載の耐熱屈曲疲労性歯付きベルト。
JP9122619A 1997-05-13 1997-05-13 耐熱屈曲疲労性歯付きベルト Pending JPH10311376A (ja)

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