JP2884055B2 - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

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JP2884055B2
JP2884055B2 JP31456695A JP31456695A JP2884055B2 JP 2884055 B2 JP2884055 B2 JP 2884055B2 JP 31456695 A JP31456695 A JP 31456695A JP 31456695 A JP31456695 A JP 31456695A JP 2884055 B2 JP2884055 B2 JP 2884055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯付ベルトに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリウレタン等の液状注型エラスト
マー材料が使用され、ベルト本体および歯部を一体形成
した歯付ベルトに関し、その歯部を覆うように補強布が
装着されたものが提案されている。歯部表面に補強布を
一体成形したウレタンベルトはベルト使用時に補強布が
歯部を保護することにより、剪断および摩耗等に対する
抵抗性が増すので、補強布を装着していないベルトに比
べて耐久性が向上するという利点がある。
【0003】ところで、上記歯付ベルトは次のようにし
て製造していた。先ず、補強布に液状エラストマーを含
浸または塗布し、所定の歯型で加熱加圧して硬化または
半硬化させることにより歯形の型付をする。すなわち補
強布を歯付ベルトの歯形表面部に正確に付着させるた
め、補強布を一対の型付盤により挟持して加熱加圧加工
することにより、予め歯形付き補強布を形成する。そし
てこの歯形付き補強布を円筒状内金型に装着し、注型法
により液状エラストマーを注型加熱することにより歯付
ベルトを得る。
【0004】しかし、補強布を構成する帆布は通常は軟
化温度が高いので、補強布を型付するためには或る程度
高い温度に加熱する必要があり、これが補強布の型付の
作業性を低下させているという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
従来よりも低い温度で補強布の型付作業を行うことがで
きる歯付ベルトを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するため手段】本発明者等は、上記のよう
な状況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、以下の技術的手
段を採用することにより上記課題を解決できることを見
出し、この発明を完成するに至った。
【0007】すなわちこの発明の歯付ベルトは、基材層
とこの基材層の片面に形成した接着剤層と帆布とから成
る補強布を、基材層が外側に位置する態様でエラストマ
ーから成るベルト本体の歯面に有すると共に、前記基材
層及び接着剤層は前記帆布よりも低い温度で軟化するも
のとされ、前記補強布は、基材層及び接着剤層の融点よ
りも低い温度で加熱加圧され前記基材層及び接着剤層が
軟化せしめられて歯型が型付された後に冷却固化せしめ
られたものであることを特徴とする。
【0008】この発明の歯付ベルトによると基材層及び
接着剤層は帆布よりも低い温度で軟化するものとされ、
その補強布は、前記基材層及び接着剤層の融点よりも低
い温度で加熱加圧され前記基材層及び接着剤層が軟化せ
しめられて歯型が型付された後に冷却固化せしめられた
ものであるので、軟化せしめられて歯型が型付された後
に冷却固化せしめられた基材層及び接着剤層の存在によ
り、軟化温度が高い帆布自体を軟化させるよりも低い温
度で補強布への歯型の型付を行うことができる。
【0009】また前記基材層を、接着剤層よりも高融点
とすることもできる。また前記エラストマーが、パラフ
ェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオー
ル、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポ
リオールの1種または2種以上からなるプレポリマーに
硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーとする
こともできる。
【0010】なおこの歯付ベルトは例えば、エラストマ
ー不浸透性樹脂層をもつ補強布を一対の型付盤にて挟持
し、これを加熱加圧加工して歯形付き補強布を形成後、
可撓性があり且つ硬化時間の短い接着剤を前記補強布の
両端部に固化介在させて補強布の両端部を一体的に保形
強化し、周面軸方向に歯形溝群を設けた円筒状内金型の
回りに前記補強布を巻装し、その表面に抗張体をスパイ
ラルに巻着後、同心状に外金型を組み合わせ、両金型間
に注型エラストマーを注入し硬化させたベルト成形体を
輪切りにすることにより製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下この発明の歯付ベルトの構成
を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1において、1は歯付きウレタンベルト
で、該ベルト1は一定間隔毎に噛合歯2を有するウレタ
ンエラストマーよりなるベルト本体3と、該ベルト本体
3内に長さ方向に配置された抗張体4と、歯面に貼着さ
れる補強布5よりなっている。そして、前記補強布5
は、帆布6と不浸透性樹脂層7よりなっている。
【0013】前記ウレタンエラストマーとしては、パラ
フェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオ
ール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系
ポリオールの1種または2種以上からなるプレポリマー
に硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーを用
いた。
【0014】ポリエステル系ポリオールとしては、例え
ば、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとの縮合物で、
分子量500〜10000のものが挙げられる。具体的
には、ポリ(エチレンアジペート)(以下「PEA」と
記す)、ポリ(ジエチレンアジペート)(以下「PD
A」と記す)、ポリ(プロピレンアジペート)(以下
「PPA」と記す)、ポリ(テトラメチレンアジペー
ト)(以下「PBA」と記す)、ポリ(ヘキサメチレン
アジペート)(以下「PHA」と記す)、ポリ(ネオペ
ンチレンアジペート)(以下「PNA」と記す)、ポリ
(ノナンジオールアジペート)、ポリ(ノナンジオール
/メチルオクタンジオールアジペート)、3−メチル−
1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオ
ール、PEAとPDAのランダム共重合体、PEAとP
PAのランダム共重合体、PEAとPBAのランダム共
重合体、PHAとPNAのランダム共重合体、または、
ε−カプロラクトンを開環重合して得たカプロラクトン
ポリオール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレ
ングリコールで開環することにより得られたポリオール
など(これらは、いずれも分子量500〜10000で
あることが好ましい)が挙げられ、それぞれ、単独で使
用されたり、または、複数併用されたりする。さらに、
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、下記の酸
の少なくとも1つとグリコールの少なくとも1つとの共
重合体が挙げられる。
【0015】(酸) テレフタル酸、イソフタル酸、無
水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸(混合物)、パラ
オキシ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラク
トン、β−メチル−δ−バレロラクトン。
【0016】(グリコール) エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ペンタエリスリトール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール。
【0017】ポリエーテル系ポリオールとしては、例え
ば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド)を活性水素化合物である多
価アルコール(例えば、ジエチレングリコール)を開始
剤として開環付加重合により与えられるもの、具体的に
はポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレン
グリコール(PEG)、プロピレンオキサイドとエチレ
ンオキサイドとの共重合体などが挙げられる。また、テ
トラヒドロフランのカチオン重合により与えられ、分子
量500〜5000のものが挙げられる。具体的には、
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)で
あり、また、テトラヒドロフランは他のアルキレンオキ
シドとの共重合体があり、具体的には、テトラヒドロフ
ランとプロピレンオキサイドとの共重合体、テトラヒド
ロフランとエチレンオキサイドとの共重合体など(これ
らはいずれも分子量500〜10000であることが好
ましい)が挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、ま
たは、複数併用されたりする。
【0018】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、
クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジ
アリルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分
子量のものが知られている。このようなポリカーボネー
ト系ポリオールとして特に好ましいものは、ポリオール
として、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、または、1,5−ペンタンジオールを使用したも
のであり、その分子量が約500〜10000の範囲の
ものである。例えば、下記一般式化1で表されるポリカ
ーボネートジオール、
【0019】
【化1】
【0020】が挙げられる。この実施形態で用いられる
ポリカーボネート系ウレタンプレポリマーのポリオール
部分の構造は、上記のようなポリカーボネート系ポリオ
ールをはじめ、ポリカーボネート系ポリオールとポリカ
プロラクトン系ポリオールのランダム共重合体、ポリカ
ーボネート系ポリオールとポリエステル系ポリオールの
ランダム共重合体、あるいは、ポリカーボネート系ポリ
オールとポリカプロラクトン系ポリオールとポリエステ
ル系ポリオールの混合物などが挙げられ、それぞれ、単
独で使用されたり、または、複数併用されたりする。
【0021】前記ポリオールの1種または2種以上をパ
ラフェニレンジイソシアネートと反応させて、ウレタン
プレポリマーを製造するための方法としては、特に限定
されず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等を
含めて公知の方法で行うことができる。
【0022】この実施形態に用いるウレタンエラストマ
ーを得るためには、上述のようにして得られたウレタン
プレポリマーと、硬化剤とを混合して、ウレタンプレポ
リマーを硬化させればよい。
【0023】使用できる硬化剤としては、特に限定され
ず、従来、ウレタンプレポリマーを硬化してウレタンエ
ラストマーを生成させる際に一般的に用いられているも
ので構わない。例えば、ポリオール化合物、ポリアミン
化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、特
に限定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3級
ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的には、エチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタ
ンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキ
サンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−
プロパンジオール等が挙げられる。ポリアミン化合物と
しては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、特に
限定されず、1級アミン、2級アミン、3級アミンのい
ずれも用いることができる。具体的には、ヘキサメチレ
ンジアミン等の脂肪族アミン、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族
アミン、4,4’−メチレンビス−2−クロロアニリ
ン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジ
アミノフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル
等の芳香族アミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール等が挙げられる。これらの硬化剤
は、1種のみを用いてもよいし、あるいは、複数種を併
用してもよい。
【0024】上記の硬化剤と、前述のようにして得られ
たウレタンプレポリマーとを混合して、同ウレタンプレ
ポリマーを硬化させるための方法としては、特に限定さ
れず、例えば、ウレタンプレポリマーに対する硬化剤の
混合割合、硬化温度、硬化時間等を含めて、通常の方法
で行うことができる。
【0025】この実施形態に用いるポリウレタンエラス
トマーは、添加剤等を含有するものとしてもよい。この
実施形態に用いうる添加剤は、可塑剤、難燃剤、充填
剤、安定剤、着色剤等である。
【0026】可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオク
チル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピ
ン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TC
P)、塩素系パラフィンなどが利用できる。
【0027】難燃剤としては、トリス−(β−クロロプ
ロピルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフ
ェート、トリスクロロエチルホスフェート等の燐酸エス
テル類、ジブロムネオペンチルグリコール、トリブロム
ネオペンチルアルコール等のブロム化合物等が利用でき
る。
【0028】充填剤は、例えば、ガラス繊維、カーボン
ブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオラ
イト、硅そう土、パーライト、パーミキュライト、二酸
化チタン、シリコンパウダーおよびシリコンオイル、グ
ラファイト、二硫化モリブデン等が使用できる。
【0029】安定剤としては、従来より使用されている
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤
等が利用できる。
【0030】酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤・過酸
化物分解剤などとして作用し、前者には立体障害を持っ
たフェノール類や芳香族アミン類がある。
【0031】ラジカル連鎖禁止剤として、ブチル化ヒド
ロキシトルエン、テトラキス〔メチレン・3・(3’・
5’−ジ・tブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、n・オクタデシル−βー(4’・ヒド
ロキシ−3’−5’・ジ・tブチルフェニル)プロピオ
ネート、1,3,5トリス(4・tブチル・3ヒドロキ
シ・2,6ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、トリエ
チレングリコールビス3(2−tブチル・4ヒドロキシ
5・メチルフェニル)プロピオネート等が使用可能であ
る。
【0032】過酸化物分解剤として、4,4’チオビス
(6−t−ブチル・m・クレゾール、ジラウリル・チオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオ・ジプロピオネー
ト、チオフェニルホスファイト等が使用可能である。
【0033】紫外線吸収剤として、サリチル酸系のフェ
ニルサリシレート、P−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、ベンゾフェノン系の2,4−ジ−ヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾール系の2(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾ
トリアゾール、シアレアクリレート系のエチル−2−シ
アノ−3,5−ジフェニルアクリレート、2(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール等が使用可能である。
【0034】UVスクリーンとして、カーボンブラック
・亜鉛華などの顔料等が使用可能である。
【0035】光安定剤として、ヒンダードアミンがあ
る。ヒンダードアミンとしては、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)など
が使用可能である。
【0036】加水分解防止剤として、カルボジイミド系
のスタバクゾール・1,PCD(バイエル社)、ヘキサ
メチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t
−ブチルカテコール等が使用可能である。
【0037】前記ヒドロキシル基末端ポリオールとパラ
フェニレンジイソシアネートとを反応させてウレタンプ
レポリマーを製造するための方法としては、特に限定さ
れず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等を含
めて公知の方法で行うこともできる。
【0038】このようにして得られるプレポリマーのイ
ソシアネート基含有量は1重量%〜20重量%になるよ
うに有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物と反
応せしめる必要がある。得られるプレポリマーのイソシ
アネート基含有量が20重量%を越えて大になると遊離
のパラフェニレンジイソシアネートが多くなり、ウレタ
ンプレポリマーの貯蔵安定性が劣るようになる。また、
1重量%よりも小さくなると、ウレタンプレポリマーと
してはイソシアネート基含有量が低くポットライフが長
くなりすぎるため生産性が悪くなる。
【0039】この実施形態の歯付ベルトは、抗張体4と
しては、例えばガラス繊維、スチール繊維、アラミド繊
維よりなるコードが用いられるが、これら例示したもの
に限定されるものではない。本実施形態では、「ケブラ
ー」(デュポン社製アラミド繊維)を用いた。
【0040】帆布6は、ナイロン繊維、ポリエステル繊
維等の合成繊維のウーリー加工糸よりなるたて糸8と、
通常の合成繊維よりなるよこ糸9を織成したものであ
る。なお、たて糸8としては、その単繊維直径dが30
μm(ナイロン繊維の場合で単繊維繊度約6デニール)
以下、特に20μm(ナイロン繊維の場合で単繊維繊度
約2.5デニール)以下が望ましい。
【0041】不浸透性樹脂層7は、基材層10の片面に
前記たて糸8の単繊維直径dに対し、1/2d〜1dの
厚みを有する接着剤層11を形成したものである。すな
わち、たて糸8として単繊維直径dが例えば20μmの
繊維を使用する場合は、接着剤層11の厚みは10〜2
0μmのものを使用する。また、基材層10は、プーリ
ーとの係合ですぐに摩耗してしまうものであり、できる
だけ薄いものを使用することが好ましく、その厚さとし
ては10〜30μmが適当である。
【0042】また、基材層10および接着剤層11の素
材としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンメチルメタア
クリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エ
チレンメタクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、ナイ
ロン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂等の
ベルト本体3を構成するウレタンエラストマーより摩擦
係数の低いものが使用される。そして、基材層10に高
融点の樹脂が使用され、接着剤層11に低融点の樹脂が
使用される。具体的な不浸透性樹脂層7としては、基材
層10に高密度ポリエチレン樹脂(融点約130°C)
を、接着剤層11にエチレンメチルメタアクリレート共
重合体(融点約110°C)を使用し、これらを共押出
しした二層フィルム等がある。しかし、前記二層フィル
ムに限ることなく高融点樹脂フィルムに低融点の接着剤
を塗布したものであってもよい。
【0043】そして、前記帆布6と不浸透性樹脂層7
を、その基材層10が外側に位置するように重ね合わ
せ、これを接着剤層11の融点より高く且つ基材層10
の融点より低い温度で加熱押圧して、前記接着剤層11
を溶融させている。たて糸8の単繊維直径dに対し、接
着剤層11の厚みが1/2d〜1dであるため、溶融し
た樹脂は図3に示したように帆布6表面のたて糸8の単
繊維間より少なくとも単繊維の0.5〜1本分の直径に
相当する深さまで食い込み、また部分的にはそれ以上の
深さまで食い込むことになる。そのため、溶融した樹脂
は帆布6のたて糸8へ必要以上に食い込むことなく、帆
布6と基材層10はたて糸8に食い込んだ樹脂を介して
強固に接着した状態となっている。
【0044】次に、この実施形態の歯付ベルトの製造法
について詳細に説明する。第1工程として、図4に示す
ように、内側当接面にそれぞれ入れ子状の複数の歯形1
4を設けた上下一対の型付盤12、13の間に、たて糸
8方向を下側型付盤13の歯形14と直交状態に配し、
且つ不浸透性樹脂層7を下側型付盤13に接するように
して、補強布5を配置する。この補強布5を接着剤層1
1の樹脂の融点より10〜50°C低い温度で所定時間
加圧加熱後、直ちに冷却すると、不浸透性樹脂層7およ
び接着剤層11が軟化した後、硬化して、図5に示すよ
うな歯形付き補強布5が得られる。
【0045】第2工程は、前記歯形付き補強布5の両端
部に、可撓性があり且つ硬化時間の短いホットメルト接
着剤を固化介在させて、この歯形付き補強布5の両端部
を一体的に強化固定させ、歯形付き補強布5の保形性を
強化する。すなわち、上側型付盤12を外し、歯形付き
補強布5を付着させたまま下側型付盤13の両端部を一
対の端板15、15で閉鎖し、図6に示すように、可撓
性があり且つ硬化時間の短いホットメルト接着剤16を
アプリケータ17により注入して、歯形付き補強布5の
両端部に固化介在させ、この両端部を保形強化する。そ
して、この歯形付き補強布5は、下側型付盤13より取
り外され、図7に示した状態となる。
【0046】第3工程として、前記歯形付き補強布5を
所定の歯数に裁断し、熱プレスによる接着または融着な
どにより筒状にエンドレス加工し、図8に示すように、
外周面軸方向に歯形溝18…を設けた円筒状の内金型1
9に歯形付き補強布5を嵌め込んで装着する。
【0047】この実施形態では、前記第2、3工程で述
べたように、ホットメルト接着剤を固化介在させて両端
部を保形強化した歯形付き補強布5aを筒状にエンドレ
ス加工し、円筒状の内金型19に嵌め込むようにしたた
め、歯形付き補強布5の内金型19への装着は簡易なも
のとなった。
【0048】第4工程として、円筒状の内金型19に装
着された歯形付き補強布5の表面に、抗張体4をスパイ
ラルに巻き付ける。
【0049】前記内金型19に歯形付き補強布5および
抗張体4の装着が完了すれば、図9に示すように、内金
型19を円筒状の外金型20に挿入して、所定の空間2
1ができるように組み合わせ、内金型19の両端部は上
下蓋22、23で封鎖し固定する。そして、内外金型1
9、20を100°Cに加熱した後、注型用容器24内
の液状ウレタンエラストマー25を2Kgf/cm2
下の圧力でピストン26により加圧し、注型用管27を
経て前記空間21内に液状ウレタンエラストマー25を
充填する。空間21内に液状ウレタンエラストマー25
が充満すると、上蓋22の脱気孔28から液状ウレタン
エラストマー25が流出するので、流出した時点で脱気
孔28に開閉ネジ29を螺着し、脱気孔28を密閉し
て、110°C、120分、10〜30Kgf/cm2
で加圧成形する。そして成形後、上下蓋22、23を取
り外し、内外金型19、20を分離した後、成形品を脱
型し、所定幅のベルトに輪切りすることにより、この実
施形態の歯付きウレタンベルトを作成した。
【0050】次に、この実施形態の歯付ベルトの具体例
について、本発明品および比較品の耐熱性を調べるた
め、以下に示す条件下で走行試験を行った。本発明品1〜4 この実施形態の歯付ベルトを、以下に示すようにして作
製した。
【0051】ポリウレタンエラストマーは、次のような
手順により得た。先ず、ポリオール成分(以下、(1) に
示す)にポリイソシアネート成分(以下、(2) に示す)
を加え、窒素気流下において85℃で1時間反応させて
末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを
得る。
【0052】得られたウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基(NCO)含有量(以下、に示す)、およ
び、80℃における粘度(以下、に示す)を測定し
た。プレポリマーの粘度は、ハーケ回転粘度計・ロトビ
スコRV−12を用いて求めた。
【0053】上記のようにして得たウレタンプレポリマ
ー100重量部を80℃に保温し、硬化剤(以下、(3)
に示す)を加え、110℃で120分間、加熱して硬化
反応を完結させた。
【0054】
【実施例】
(本発明品1) (1) ポリオール成分 平均分子量(数平均分子量を指す。以下同様)が2,0
44のポリカーボネートとカプロラクトンとの共重合体
ポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
ニッポラン982R)を100重量部用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 パラフェニレンジイソシアネート(=PPDI、デュポ
ン社製)を15.6重量部用いた。 (3) 硬化剤 2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン(=TCDAM、イハラケミカル工
業株式会社製)を12.9重量部用いた。
【0055】各測定結果、 イソシアネート基(NCO)含有量…3.59%(理
論値3.60%) 80℃における粘度…14,680cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、89であった。 (本発明品2) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が2,087のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールL2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.5重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを12.7重量部用いた。
【0056】各測定結果、 イソシアネート基(NCO)含有量…3.53%(理
論値3.71%) 80℃における粘度…22,930cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、90であった。 (本発明品3) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,908のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,950のポ
リエステル系ポリオール(クラレ株式会社製、商品名ク
ラポールP2010)20重量部とをブレンドして用い
た。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.7重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.3重量部用いた。
【0057】各測定結果、 イソシアネート基(NCO)含有量…3.68%(理
論値3.75%) 80℃における粘度…15,080cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、88であった。 (本発明品4) (1) ポリオール成分 平均分子量が1,996のポリカーボネートポリオール
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン
980R)80重量部と、平均分子量が1,986のポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学工
業株式会社製、商品名PTG2000)20重量部とを
ブレンドして用いた。 (2) ポリイソシアネート成分 PPDIを16.1重量部用いた。 (3) 硬化剤 TCDAMを13.0重量部用いた。
【0058】各測定結果、 イソシアネート基(NCO)含有量…3.60%(理
論値3.63%) 80℃における粘度…23,190cps 上記組成についてシート状成形物を同様の方法で得たと
きの硬さ(JIS A)は、82であった。
【0059】前記各ポリウレタンエラストマーを背部お
よび歯形部に用いて、図1に示すような構成の歯付ベル
トを作製した。なお、この歯付ベルトはRU型で、歯の
ピッチ9.525mm、歯数92、長さ34.5インチ、
幅0.75インチとした。比較品1 水素化ニトリルゴムの含イオウ架橋系組成物を用いた歯
付ベルトを、以下に示すようにして作製した。
【0060】水素化ニトリルゴム組成物は、水素化ニト
リルゴム(ゼットポール:日本ゼオン製)100重量
部、カーボンブラック40重量部、可塑剤10重量部、
亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、老化防止剤2
重量部、加硫促進剤2.5重量部、イオウ0.5重量
部、を配合し、バンバリーミキサー、ロール等を用い適
宜、公知の手段、方法により混練しゴムシートとした。
【0061】補強布は、上記ゴム組成物を、その2〜
3.5倍の溶剤に溶解し、次いでフェノールレジンをゴ
ム組成物の20〜30%添加溶解し、ゴム糊を作製し、
ナイロン布を浸漬後乾燥させた、接着処理ナイロン布を
用いた。なお、抗張体には、前記と同様にケブラーを用
いた。
【0062】前記水素化ニトリルゴム組成物を背部およ
び歯形部に用いて、従来より知られている通常の方法に
より、歯付ベルトを作製した。即ち、前記補強布を歯付
円筒モールドに巻き付けた後、前記抗張体を螺旋状に巻
き、さらに前記ゴムシートを巻き付け、圧力容器内にて
加圧成形加硫を行う。その後、脱型し所定幅に切断し歯
付ベルトを作製した。
【0063】そこで、前記本発明品および比較品を、図
10に示したような装置を用いて、高温環境(150
℃)下で走行試験を行った。
【0064】図10中、31はRU型(歯数=20)の
駆動プーリ、32はRU型(歯数=40)の非駆動プー
リである。そして、これら駆動プーリ31と非駆動プー
リ32の間に掛け渡した歯付ベルト1の初張力をφ52
mmのテンショナープーリ33により15Kgf に調整し、
駆動プーリ31を回転数6000rpm で回転させ、歯付
ベルト1を走行させた。走行開始後、歯付ベルト1の背
部にクラックが生ずるまでの走行時間を測定した。結果
を表1に示す。
【0065】表1から明らかなように、比較品1に示し
た水素化ニトリルゴム組成物を用いた歯付ベルトは短時
間で背部にクラックが生じ、耐熱性に劣るものとなって
いるが、本発明品1〜4に示した前記ポリウレタンエラ
ストマーを用いた歯付ベルトは、短時間で背部にクラッ
クが生じることなく、耐熱性に優れたものとなる。
【0066】
【表1】
【0067】次に、前記本発明品および比較品を、図1
0に示したような装置を用いて、新品、熱老化品(14
0°Cで3日間、7日間、14日間、28日間それぞれ
熱老化させたもの)について耐寒走行試験を行った。
【0068】図10中、駆動プーリ31と非駆動プーリ
32の間に掛け渡した歯付ベルト1の初張力をφ52mm
のテンショナープーリ33により15Kgf に調整し、設
定温度に3時間放置後駆動プーリ31を回転数300rp
m で回転させ、歯付ベルト1を1分間走行させた後10
分間停止させる。これを50サイクル繰り返した後背部
のクラック発生の有無を調べ、ベルトの使用限界温度を
測定した。結果を表2に示す。
【0069】表2から明らかなように、比較品1に示し
た水素化ニトリルゴム組成物を用いた歯付ベルトは、1
40°Cで14日間熱老化させたものから低温特性が急
に落ち、耐寒性に劣るものとなっているが、本発明品1
〜4に示した前記ポリウレタンエラストマーを用いた歯
付ベルトは、140°Cで28日間熱老化させたものも
低温特性が落ちず、耐寒保持特性に優れたものとなる。
【0070】
【表2】
【0071】次に、本発明品および比較品の高負荷伝動
性を調べるため、以下に示す条件下で走行試験を行っ
た。本発明品5 補強布は、次のような手順により得た。
【0072】先ず、たて糸として単繊維繊度が2.06
デニール(直径16μm)の280デニール−ナイロン
糸のウーリ加工糸を78本/inch使用し、よこ糸として
210デニール−ナイロン糸を85本/inch使用して、
2/2綾織組繊で帆布を織成した。次に、基材層として
高密度ポリエチレン樹脂(融点130°C)を使用し、
接着剤層としてエチレンメチルメタアクリレート共重合
体(融点110°C)を使用し、両者の厚みが各々15
μmとなるように二層押し出し成形することにより、二
層の不浸透性樹脂フィルムを得た。そして、この不浸透
性樹脂フィルムを前記帆布に接着剤層が接するように重
ね合わせ、120°Cに加熱して20Kg/cm2 の力
で押圧し、補強布を得た。
【0073】ウレタンエラストマーは、本発明品2と同
様のものを使用した。比較品2 水素添加アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(H−NBR)を用いた歯付ベルトを作製した。なお、
帆布は前記本発明品5と同様のものを使用し、ゴム糊は
比較品1のものを使用した。比較品3 市販のウレタン(アジプレンL−100:ユニロイヤル
社製)を用いた歯付ベルトを作製した。 アジプレンL
−100は、80°Cで真空脱泡後、あらかじめ溶融し
た硬化剤4,4′−メチレンビス−2−クロロアニリン
を11phr加えて攪拌後、注型した。なお、補強布は
前記本発明品5と同様のものを使用した。比較品4 前記本発明品5と同様の帆布を用い、厚さ30μmの高
密度ポリエチレン樹脂製フィルムを加熱押圧してえられ
た補強布を使用した。なお、ウレタンエラストマーは、
本発明品2と同様のものを使用した。
【0074】前記本発明品5、比較品2〜4の歯付ベル
トを、図10に示したような装置を用いて、高温環境
(120°C)下で走行試験を行った。
【0075】図10中、駆動プーリ31と非駆動プーリ
32の間に掛け渡した歯付ベルト1の初張力をφ52mm
のテンショナープーリ33により15Kgf に調整し、駆
動プーリ31を回転数6000rpm で回転させ、歯付ベ
ルト1を走行させた。走行開始後、500時間、100
0時間、2000時間経過時の歯底部の補強布の厚さを
測定し、新品ベルトと比較して摩耗量を算出した。結果
を表3に示す。
【0076】表3から明らかなように、本発明品5は、
高温環境下においてのベルト歯底部の補強布の摩耗量が
比較品2〜4の半分以下になる。
【0077】
【表3】
【0078】本実施形態の歯付ベルトは、補強布と不浸
透性樹脂層とが食い込んだ接着剤層の楔効果により強固
に接着するので、作動温度が高い場合や高負荷伝動に使
用する場合にもベルト歯底部の補強布の摩耗が少なくな
り、しかも長時間使用しても歯底部補強布の剥離が発生
せず、歯剪断も発生し難くなり、耐久性に優れたものと
なる。
【0079】また本実施形態の歯付ベルトの製造法は、
余分な加圧加熱処理を必要としないので、製造工程が簡
略化でき、ベルトの製造コストを低減することができ
る。
【0080】さらに、パラフェニレンジイソシアネート
を用いて得られるプレポリマーからなるウレタンエラス
トマーを用いたこの実施形態の歯付ベルトは、耐熱性お
よび耐寒性により優れたものとなり、例えば自動車分野
におけるタイミングベルトとしての使用により適したも
のとなる。
【0081】
【発明の効果】この発明は、前述のような技術的手段を
講じたものであり、上記各構成要件を採用したことによ
り、次のような効果を有する。
【0082】帆布自体を軟化させるよりも低い温度で補
強布への歯型の型付を行うことができるので、従来より
も低い温度で補強布の型付作業を行うことができる歯付
ベルトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の歯付ベルトの実施形態を説明する部
分破断斜視図である。
【図2】この発明の歯付ベルトの実施形態を説明する不
浸透性樹脂層の部分斜視図である。
【図3】この発明の歯付ベルトの実施形態の部分拡大断
面図である。
【図4】この発明の歯付ベルト製造工程の実施形態にお
いて、補強布を上下一対の型付盤の間に配置した状態を
示す斜視図である。
【図5】この発明の歯付ベルトの実施形態の製造工程で
得られる歯形付き補強布の斜視図である。
【図6】この発明の歯付ベルトの実施形態の製造工程に
おいて、歯形付き補強布の両端部に固化介在させるホッ
トメルト接着剤をアプリケータにより注入している状態
を示す説明図である。
【図7】この発明の歯付ベルトの実施形態の製造工程で
得られる両端部を保形強化した歯付き補強布の斜視図で
ある。
【図8】この発明の歯付ベルトの実施形態の製造工程に
おいて、円筒状の内金型に歯形付き補強布を嵌め込んで
装着した状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の歯付ベルトの実施形態の製造工程に
おいて、内外金型間にできる空間内に液状ウレタンエラ
ストマーを充填している状態を示す断面図である。
【図10】この発明の歯付ベルトの実施形態の走行試験
を行う装置の説明図である。
【符号の説明】
3 ベルト本体 5 補強布 6 帆布 10 基材層 11 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B32B 7/12 B32B 7/12 B29K 21:00 105:06 (72)発明者 河原 伸一郎 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株 式会社奈良工場内 (72)発明者 横山 伸幸 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ 株式会社奈良工場内 (72)発明者 中根 聡司 奈良県大和郡山市池沢町172 ユニッタ 株式会社奈良工場内 (56)参考文献 特開 昭50−54755(JP,A) 特開 昭58−33442(JP,A) 特開 昭63−135631(JP,A) 特開 昭61−65937(JP,A) 特開 昭53−66981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16G 1/00 - 5/20 B29D 29/00 - 29/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層とこの基材層の片面に形成した接
    着剤層と帆布とから成る補強布を、基材層が外側に位置
    する態様でエラストマーから成るベルト本体の歯面に有
    すると共に、前記基材層及び接着剤層は前記帆布よりも
    低い温度で軟化するものとされ、前記補強布は、基材層
    及び接着剤層の融点よりも低い温度で加熱加圧され前記
    基材層及び接着剤層が軟化せしめられて歯型が型付され
    た後に冷却固化せしめられたものであることを特徴とす
    る歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 前記基材層を、接着剤層よりも高融点と
    した請求項1記載の歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 前記エラストマーが、パラフェニレンジ
    イソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエ
    ーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの
    1種または2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配
    合してなるポリウレタンエラストマーである請求項1又
    は2記載の歯付ベルト。
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