JP7229000B2 - 歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルト - Google Patents
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複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体部における複数の歯が形成される面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトの製造方法であって、
フッ素系の材料からなるフィルムの一方の表面に、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜を一体成形することで前記シート部を成形する第1工程と、
第1工程の後に、前記シート部における前記薄膜側に前記ベルト本体部を一体成形する第2工程と、
を有すると共に、
第1工程においては、前記シート部を前記複数の歯が形成される面に合わせた形状とな
るように成形することを特徴とする。
複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体部における複数の歯が形成された面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトであって、
前記シート部は、
フッ素系の材料からなるフィルムと、
前記フィルムにおける前記ベルト本体部側の表面に一体的に設けられ、かつ、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜とから構成されることを特徴とする。
図1~図10を参照して、本発明の実施例1に係る歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルトについて説明する。本実施例に係る歯付ベルトは、例えば、工場内において、各種部品や製品を搬送するために用いることができる。
特に、図1~図6を参照して、本実施例に係る歯付ベルト10の構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの平面図であり、歯付ベルトの一部を示している。図2は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの裏面図であり、歯付ベルトの一部を示している。なお、図1及び図2においては、歯付ベルトの内部に設けられている心線を透視して示している。図3は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの側面図であり、歯付ベルトの一部を示している。図4は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のAA断面図である。図5は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のBB断面図である。図6は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のCC断面図である。
レン-ジエン・スチレン)樹脂、ASA樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂を挙げるこ
とができる。そして、薄膜220の厚みは、20μm以上500μm以下に設定するとよい。心線300は、同種または多種類の複数の繊維からなるものを好適に用いることがで
きる。心線300の素材としては、スチール、ステンレス、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、及びPBO繊維のうちの少なくともいずれか一つを好適に用いることができる。
特に、図7~図10を参照して、本実施例に係る歯付ベルト10の製造方法について説明する。図7は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図であり、シート部200の成形方法の一例を説明する図である。なお、図7においては、シート部200を成形する際の成形装置の主要部を側面側からみた概略構成を示している。図8は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図であり、シート部200の成形方法の他の一例を説明する図である。なお、図8においては、シート部200を成形する際の成形装置の主要部を側面側からみた概略構成を示している。図9及び図10は本発明の実施例1に係る第2工程の説明図であり、シート部200に対してベルト本体部100を一体成形する際の様子を示している。なお、図9は成形装置の主要部を側面側から見た概略構成を示しており、図10は成形装置の主要部を上面側から見た概略構成を示している。
第1工程においては、上記の通り、シート部200が成形される。ここでは、シート部200の成形方法について、2通りの方法を説明する。
図7を参照して、シート部200の第1の成形方法について説明する。第1の成形方法に用いられる成形装置は、歯車状の一対の金型510,520と、成形材料を供給する押し出しノズル600とを備えている。一対の金型510,520は、図中矢印方向に同期した状態で回転可能に構成されている。そして、これら一対の金型510,520によって、素材となるフィルム210aが、図中矢印P1方向に送り出されつつ、一対の金型510,520の噛み合い部に、ノズル600から薄膜220の材料である熱可塑性樹脂220aが供給される。フィルム210aは、熱可塑性樹脂220aとの接着性を高めるために、金属ナトリウム溶液に浸漬させるなどすることにより、予め表面処理を施しておくと好適である。そして、一対の金型510,520の噛み合い部においては、所定の温度に加熱されている。この噛み合い部で、熱可塑性樹脂220aが硬化されることにより、フィルム210aに対して薄膜220が一体成形される。なお、フィルム210aの横側にはみ出た熱可塑性樹脂220aの硬化部分は、カッターなどにより切除される。このようにして得られたシート部200は、上述したベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状となる。
図8を参照して、シート部200の第2の成形方法について説明する。第2の成形方法に用いられる成形装置は、歯車状の金型530と、ベルト状のダミーベルト540と、ダミーベルト540に張力を付与し、かつ金型530に向かって押圧する押圧ローラ550と、成形材料を供給する押し出しノズル600とを備えている。なお、ダミーベルト540は、押圧ローラ550を含む複数のローラに巻き付くように構成されており、一定の張力が得られた状態で、回転するように構成されている。なお、このダミーベルト540は、テフロン(登録商標)素材などをベルト状に加工したり、製品である歯付ベルト10の周囲にPFA熱収縮チューブを被覆したりすることにより得られる。
図9及び図10を参照して、第2工程について説明する。第2工程に用いられる成形装置は、歯車状の金型710と、複数のローラ720,730,740と、これら複数のローラ720,730,740に巻き付けられるベルト750と、成形材料を供給する押し出しノズル800とを備えている。なお、押し出しノズル800は、成形材料供給装置810に設けられている。ベルト750は、複数のローラ720,730,740に巻き付くように構成されており、一定の張力が得られた状態で、回転するように構成されている。
タン樹脂100aの融点よりも高く、熱可塑性樹脂220aの融点よりも低く設定されている。従って、ベルト本体部100の成形時に、シート部200の形状が変形してしまうことはない。以上の工程により、歯付ベルト10を得ることができる。
本実施例に係る製造方法により、上記の通り、複数の歯12が設けられている側の表面がフッ素系の材料により構成された歯付ベルト10を製造することができる。つまり、フッ素系の材料から構成されるシートは、伸びが殆どなく、かつ、ポリウレタン樹脂との接着性が低いという特性を有している。従って、ベルト本体部100における複数の歯が形成される面側に、当該シートを一体成形するのは難しい。これに対して、本実施例においては、予め、ベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状に成形されたシート部200に、ベルト本体部100を一体成形することにより、上記の課題を解消している。つまり、本実施例に係るシート部200は、フッ素系の材料からなるフィルム210と、ベルト本体部100との接着性に優れた熱可塑性樹脂からなる薄膜220とにより構成される。そして、薄膜220とベルト本体部100とが接着するように構成されるため、接着性の課題を解消することができた。そして、シート部200は、予め、ベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状に成形されることによって、フッ素系の材料から構成されるシートは、伸びが殆どなく、歯の形状に合わせて一体成形させるのが困難であるという課題を解消することができた。
れば、耐久性を向上させることができる。
図11には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、歯の形状が側面から見て台形の歯付ベルトの場合を示したが、本実施例では、歯の形状が側面から見て円弧状の歯付ベルトの場合について説明する。なお、基本的な構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は適宜省略する。図11は本発明の実施例2に係る歯付ベルトの側面図であり、一部について断面にて示している。
11,11X 平板状部
12,12X 歯
100,100X ベルト本体部
100a ポリウレタン樹脂
200,200X シート部
210,210a フィルム
220 薄膜
220a 熱可塑性樹脂
300 心線
510,520,530 金型
540 ダミーベルト
550 押圧ローラ
600 ノズル
710 金型
720,730,740 ローラ
750 ベルト
800 ノズル
810 成形材料供給装置
Claims (9)
- 複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体部における複数の歯が形成される面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトの製造方法であって、
フッ素系の材料からなるフィルムの一方の表面に、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜を一体成形することで前記シート部を成形する第1工程と、
第1工程の後に、前記シート部における前記薄膜側に前記ベルト本体部を一体成形する第2工程と、
を有すると共に、
第1工程においては、前記シート部を前記複数の歯が形成される面に合わせた形状となるように成形することを特徴とする歯付ベルトの製造方法。 - 第2工程においては、前記シート部の前記薄膜側に複数の心線を沿わせながらポリウレタン材料を供給することで、該シート部に対して、内部に前記複数の心線を有する前記ベルト本体部を一体成形することを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 第1工程により成形された前記シート部のうち、前記歯の形状部分と歯の形状部分との間の歯底となる中央部分に、前記複数の心線を直接接触させた状態で前記ベルト本体部を成形することを特徴とする請求項2に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記薄膜はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記薄膜はABS樹脂であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記フィルムの厚みは、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記薄膜の厚みは、20μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記ベルト本体部の内部には複数の心線が設けられており、前記心線の素材は、スチール、ステンレス、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、及びPBO繊維のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
- 複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体部における複数の歯が形成された面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトであって、
前記シート部は、
フッ素系の材料からなるフィルムと、
前記フィルムにおける前記ベルト本体部側の表面に一体的に設けられ、かつ、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜とから構成されることを特徴とする歯付ベルト。
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JPH0527723Y2 (ja) * | 1989-01-18 | 1993-07-15 | ||
JP2884055B2 (ja) * | 1995-12-01 | 1999-04-19 | ニッタ株式会社 | 歯付ベルト |
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