JP7229000B2 - 歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルト - Google Patents

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本発明は、複数の歯を備える歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルトに関する。
工場内では、生産工程や組み立て工程などにおいて、各種部品や製品を搬送するための歯付ベルトが広く利用されている。このような歯付ベルトにおいては、品質劣化を抑制するためにベルト表面の摩耗対策が取られている。例えば、ベルト表面に潤滑性の高い油やワックスを塗付する手法やベルト表面に摺動性の高いナイロン系の布を一体的に成形する手法が知られている。しかしながら、前者の場合には、初期効果は高いものの、経時的に効果が低下してしまい、定期的にメンテナンスが必要になってしまう。また、搬送物や用途によっては、油やワックスを使用できない場合がある。後者の場合には、繊維の粉塵が発生するため、クリーンルームなどでは使用することができず、食品などを搬送するような場合にも使用することができない。更に、歯付ベルト自体の材料を低摩擦材料とする対策もあるが、高速かつ高負荷での動作が求められる場合には、十分な効果を期待することができない。なお、上記の2つの対策でも、高速かつ高負荷での動作が求められる場合には、十分な効果を期待することができない。
そこで、ベルト表面に、耐摩耗性に優れたフッ素系の材料からなるシートを一体的に設ける対策が検討されている。しかしながら、フッ素系の材料からなるシートは、伸縮性のある布とは異なり、伸びが殆どなく、歯付ベルトにおける歯が設けられている側の面に一体的に設けるのが難しいという課題を抱えている。
特開2018-31446号公報 特開2013-60986号公報 特開2008-296445号公報
本発明の目的は、複数の歯が設けられている側の表面をフッ素系の材料にすることを可能とする歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルトを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の歯付ベルトの製造方法は、
複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体部における複数の歯が形成される面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトの製造方法であって、
フッ素系の材料からなるフィルムの一方の表面に、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜を一体成形することで前記シート部を成形する第1工程と、
第1工程の後に、前記シート部における前記薄膜側に前記ベルト本体部を一体成形する第2工程と、
を有すると共に、
第1工程においては、前記シート部を前記複数の歯が形成される面に合わせた形状とな
るように成形することを特徴とする。
本発明によれば、フッ素系の材料からなるフィルムと熱可塑性樹脂からなる薄膜とから構成されるシート部が、予め、複数の歯が形成される面に合わせた形状となるように成形されており、当該シート部に対してポリウレタン製のベルト本体部が一体成形される。従って、複数の歯が設けられている側の表面がフッ素系の材料により構成された歯付ベルトを製造することができる。
また、第2工程においては、前記シート部の前記薄膜側に複数の心線を沿わせながらポリウレタン材料を供給することで、該シート部に対して、内部に前記複数の心線を有する前記ベルト本体部を一体成形するとよい。
そして、第1工程により成形された前記シート部のうち、前記歯の形状部分と歯の形状部分との間の歯底となる中央部分に、前記複数の心線を直接接触させた状態で前記ベルト本体部を成形するとよい。
これにより、シート部によって、心線の位置決めが可能となるため、心線の位置決めのためにベルトの一部に凹んだ部分が形成されてしまうことがない。
前記薄膜はポリアミド樹脂やABS樹脂とすることができる。
前記フィルムの厚みは、0.05mm以上1mm以下であるとよい。
前記薄膜の厚みは、20μm以上500μm以下であるとよい。
前記ベルト本体部の内部には複数の心線が設けられており、前記心線の素材は、スチール、ステンレス、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、及びPBO繊維のうちの少なくともいずれか一つであるとよい。
また、本発明の歯付ベルトは、
複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
該ベルト本体における複数の歯が形成された面側に設けられるシート部と、
を備える歯付ベルトであって、
前記シート部は、
フッ素系の材料からなるフィルムと、
前記フィルムにおける前記ベルト本体部側の表面に一体的に設けられ、かつ、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜とから構成されることを特徴とする。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、複数の歯が設けられている側の表面をフッ素系の材料にすることができる。
図1は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの平面図である。 図2は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの裏面図である。 図3は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの側面図である。 図4は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図である。 図5は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図である。 図6は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図である。 図7は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図である。 図8は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図である。 図9は本発明の実施例1に係る第2工程の説明図である。 図10は本発明の実施例1に係る第2工程の説明図である。 図11は本発明の実施例2に係る歯付ベルトの側面図である。 図12は一般的な歯付ベルトの側面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1~図10を参照して、本発明の実施例1に係る歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルトについて説明する。本実施例に係る歯付ベルトは、例えば、工場内において、各種部品や製品を搬送するために用いることができる。
<歯付ベルト>
特に、図1~図6を参照して、本実施例に係る歯付ベルト10の構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの平面図であり、歯付ベルトの一部を示している。図2は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの裏面図であり、歯付ベルトの一部を示している。なお、図1及び図2においては、歯付ベルトの内部に設けられている心線を透視して示している。図3は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの側面図であり、歯付ベルトの一部を示している。図4は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のAA断面図である。図5は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のBB断面図である。図6は本発明の実施例1に係る歯付ベルトの模式的断面図であり、図2中のCC断面図である。
本実施例に係る歯付ベルト10は、外形的には、平板状部11と、平板状部11の裏面側に一定の間隔で設けられる複数の歯12とから構成される。そして、本実施例に係る歯付ベルト10は、内部構造においては、複数の歯12を有するベルト本体部100と、ベルト本体部100における複数の歯12が形成される面側に設けられるシート部200と、ベルト本体部100の内部に設けられる複数の心線300とから構成される。心線300は、歯付ベルト10の長手方向に真っ直ぐに伸びるように配置されている。また、心線300は、歯付ベルト10の短手方向に対して等間隔に複数配置されている。
ベルト本体部100は、熱可塑性のポリウレタン樹脂により構成される。また、シート部200は、フィルム210と薄膜220とから構成される。そして、フィルム210は、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素系の材料から構成される。このフィルム210の厚みは、0.05mm以上1mm以下に設定するとよい。また、薄膜220は、ベルト本体部100との接着性がフィルム210よりも高い熱可塑性樹脂により構成される。この熱可塑性樹脂の融点は、ベルト本体部100を構成するポリウレタン樹脂の融点よりも高い。なお、薄膜220に用いられる熱可塑性樹脂の好適な例としては、PA(ポリアミド樹脂)、ABS樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン-プロピ
レン-ジエン・スチレン)樹脂、ASA樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂を挙げるこ
とができる。そして、薄膜220の厚みは、20μm以上500μm以下に設定するとよい。心線300は、同種または多種類の複数の繊維からなるものを好適に用いることがで
きる。心線300の素材としては、スチール、ステンレス、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、及びPBO繊維のうちの少なくともいずれか一つを好適に用いることができる。
<歯付ベルトの製造方法>
特に、図7~図10を参照して、本実施例に係る歯付ベルト10の製造方法について説明する。図7は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図であり、シート部200の成形方法の一例を説明する図である。なお、図7においては、シート部200を成形する際の成形装置の主要部を側面側からみた概略構成を示している。図8は本発明の実施例1に係る第1工程の説明図であり、シート部200の成形方法の他の一例を説明する図である。なお、図8においては、シート部200を成形する際の成形装置の主要部を側面側からみた概略構成を示している。図9及び図10は本発明の実施例1に係る第2工程の説明図であり、シート部200に対してベルト本体部100を一体成形する際の様子を示している。なお、図9は成形装置の主要部を側面側から見た概略構成を示しており、図10は成形装置の主要部を上面側から見た概略構成を示している。
本実施例に係る歯付ベルト10は、まず、シート部200が成形された後に(第1工程)、成形されたシート部200に対してベルト本体部100が一体成形される。以下、第1工程と第2工程について説明する。
<<第1工程>>
第1工程においては、上記の通り、シート部200が成形される。ここでは、シート部200の成形方法について、2通りの方法を説明する。
<<<第1の成形方法>>>
図7を参照して、シート部200の第1の成形方法について説明する。第1の成形方法に用いられる成形装置は、歯車状の一対の金型510,520と、成形材料を供給する押し出しノズル600とを備えている。一対の金型510,520は、図中矢印方向に同期した状態で回転可能に構成されている。そして、これら一対の金型510,520によって、素材となるフィルム210aが、図中矢印P1方向に送り出されつつ、一対の金型510,520の噛み合い部に、ノズル600から薄膜220の材料である熱可塑性樹脂220aが供給される。フィルム210aは、熱可塑性樹脂220aとの接着性を高めるために、金属ナトリウム溶液に浸漬させるなどすることにより、予め表面処理を施しておくと好適である。そして、一対の金型510,520の噛み合い部においては、所定の温度に加熱されている。この噛み合い部で、熱可塑性樹脂220aが硬化されることにより、フィルム210aに対して薄膜220が一体成形される。なお、フィルム210aの横側にはみ出た熱可塑性樹脂220aの硬化部分は、カッターなどにより切除される。このようにして得られたシート部200は、上述したベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状となる。
<<<第2の成形方法>>>
図8を参照して、シート部200の第2の成形方法について説明する。第2の成形方法に用いられる成形装置は、歯車状の金型530と、ベルト状のダミーベルト540と、ダミーベルト540に張力を付与し、かつ金型530に向かって押圧する押圧ローラ550と、成形材料を供給する押し出しノズル600とを備えている。なお、ダミーベルト540は、押圧ローラ550を含む複数のローラに巻き付くように構成されており、一定の張力が得られた状態で、回転するように構成されている。なお、このダミーベルト540は、テフロン(登録商標)素材などをベルト状に加工したり、製品である歯付ベルト10の周囲にPFA熱収縮チューブを被覆したりすることにより得られる。
金型530と押圧ローラ550は、図中矢印方向に同期した状態で回転可能に構成されている。そして、これら金型530及び押圧ローラ550によって、素材となるフィルム210aとダミーベルト540が、図中矢印P2方向に送り出されつつ、金型530とダミーベルト540の噛み合い部に、ノズル600から薄膜220の材料である熱可塑性樹脂220aが供給される。フィルム210aは、熱可塑性樹脂220aとの接着性を高めるために、金属ナトリウム溶液に浸漬させるなどすることにより、予め表面処理を施しておくと好適である。そして、金型530とダミーベルト540の噛み合い部においては、所定の温度に加熱されている。この噛み合い部で、熱可塑性樹脂220aが硬化されることにより、フィルム210aに対して薄膜220が一体成形される。なお、フィルム210aの横側にはみ出た熱可塑性樹脂220aの硬化部分は、カッターなどにより切除される。このようにして得られたシート部200は、上述したベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状となる。
これら第1の成形方法や第2の成形方法により得られたシート部200は、例えば、巻物状にして保管することが可能である。
<<第2工程>>
図9及び図10を参照して、第2工程について説明する。第2工程に用いられる成形装置は、歯車状の金型710と、複数のローラ720,730,740と、これら複数のローラ720,730,740に巻き付けられるベルト750と、成形材料を供給する押し出しノズル800とを備えている。なお、押し出しノズル800は、成形材料供給装置810に設けられている。ベルト750は、複数のローラ720,730,740に巻き付くように構成されており、一定の張力が得られた状態で、回転するように構成されている。
金型710と、複数のローラ720,730,740は、図中矢印方向に同期した状態で回転可能に構成されている。これにより、金型710とベルト750によって、第1工程により得られたシート部200と複数の心線300が、図中矢印P3方向に送り出される。ここで、複数の心線300は、シート部200に対して、部分的に接触した状態で送り出されるように構成されている。これにより、複数の心線300は、シート部200に対して位置決めされた状態となる。このように、シート部200と複数の心線300が、図中、矢印P3方向に送り出されつつ、金型710とベルト750との間の隙間に、ノズル800からベルト本体部100の材料であるポリウレタン樹脂100aが供給される。
そして、金型710とベルト750との間は、所定温度に加熱されている。この金型710とベルト750との間の部分で、ポリウレタン樹脂100aが硬化されることにより得られたベルト本体部100が、シート部200に対して一体成形される。
以上のように、シート部200の薄膜220側に複数の心線300を沿わせながらポリウレタン材料(ポリウレタン樹脂100a)を供給することで、シート部200に対して、内部に複数の心線300を有するベルト本体部100が成形される。このとき、ベルト本体部100の内部において、複数の心線300がシート部200に対して位置決めされた状態で固定される。この点について、より具体的に説明する。第2工程においては、第1工程により成形されたシート部200のうち、歯12の形状部分と歯12の形状部分との間の中央部分(歯底に相当する部分)に、複数の心線300を直接接触させた状態でベルト本体部100が成形される。これにより、複数の心線300がシート部200に対して位置決めされた状態で固定される。
なお、シート部200の横側にはみ出たポリウレタン樹脂100aの硬化部分は、カッターなどにより切除される。また、ベルト本体部100を成形する際の温度は、ポリウレ
タン樹脂100aの融点よりも高く、熱可塑性樹脂220aの融点よりも低く設定されている。従って、ベルト本体部100の成形時に、シート部200の形状が変形してしまうことはない。以上の工程により、歯付ベルト10を得ることができる。
<本実施例に係る歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルトの優れた点>
本実施例に係る製造方法により、上記の通り、複数の歯12が設けられている側の表面がフッ素系の材料により構成された歯付ベルト10を製造することができる。つまり、フッ素系の材料から構成されるシートは、伸びが殆どなく、かつ、ポリウレタン樹脂との接着性が低いという特性を有している。従って、ベルト本体部100における複数の歯が形成される面側に、当該シートを一体成形するのは難しい。これに対して、本実施例においては、予め、ベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状に成形されたシート部200に、ベルト本体部100を一体成形することにより、上記の課題を解消している。つまり、本実施例に係るシート部200は、フッ素系の材料からなるフィルム210と、ベルト本体部100との接着性に優れた熱可塑性樹脂からなる薄膜220とにより構成される。そして、薄膜220とベルト本体部100とが接着するように構成されるため、接着性の課題を解消することができた。そして、シート部200は、予め、ベルト本体部100における複数の歯12が形成される面に合わせた形状に成形されることによって、フッ素系の材料から構成されるシートは、伸びが殆どなく、歯の形状に合わせて一体成形させるのが困難であるという課題を解消することができた。
以上のように、本実施例に係る歯付ベルト10における歯12が設けられている側の表面は、PFAなどのフッ素系の材料からなるフィルム210により構成されている。従って、耐摩耗性に優れているため、高速かつ高負荷で利用される場合でも、プーリやガイドレールとの摺動時の摩耗を抑制することができる。従って、摩耗による粉塵の発生を抑制でき、かつ、異音の発生も抑制することができる。また、クリーンルーム内での使用や食品搬送用途での使用も可能となる。また、耐久性が高いことで、メンテナンスのコスト低減を図ることもできる。
また、本実施例に係る歯付ベルト10の製造方法においては、第2工程において、第1工程により成形されたシート部200のうち、歯12の形状部分と歯12の形状部分との間の中央部分(歯底に相当する部分)に、複数の心線300を直接接触させた状態でベルト本体部100が成形される。これにより、複数の心線300がシート部200に対して位置決めされた状態で固定され、かつ、歯付ベルト10の耐久性を向上させることができる。この点について、より具体的に説明する。
図12は一般的な歯付ベルトの側面図であり、一部について断面にて示している。この一般的な歯付ベルト900においても、本実施例に係る歯付ベルト10と同様に、平板状部910と、平板状部910の裏面側に一定の間隔で設けられる複数の歯920とから構成される。そして、この歯付ベルト900は、熱可塑性のポリウレタン樹脂により構成されており、かつ、その内部に複数の心線930を備えている。ベルトの歯底面(歯12と歯12の間の中央部分の面)から心線930の中心までの距離(「PLD」と呼ばれる)が、品質上、重要な要素の一つとなっている。そのため、内部に心線930を一体的に備える歯付ベルト900をポリウレタン樹脂によって一体成形する際には、心線930の位置決めをしながら成形を行わなければならない。従って、一体成形により得られる歯付ベルト900には、成形時に心線930を位置決めした際の名残となる溝920Xが形成されてしまう。この歯付ベルト920においては、溝920Xの部分で屈曲されてしまい易い。従って、溝920Xは、心線300の素材の選択の余地が狭くなってしまったり、歯付ベルト900の耐久性が低下したりする原因になっている。これに対し、本実施例の場合には、シート部200の厚み自体により、上記のPLDを規定することができ、上記のような溝920Xが形成されることはない。従って、本実施例に係る歯付ベルト10によ
れば、耐久性を向上させることができる。
(実施例2)
図11には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、歯の形状が側面から見て台形の歯付ベルトの場合を示したが、本実施例では、歯の形状が側面から見て円弧状の歯付ベルトの場合について説明する。なお、基本的な構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は適宜省略する。図11は本発明の実施例2に係る歯付ベルトの側面図であり、一部について断面にて示している。
本実施例に係る歯付ベルト10Xにおいても、上記実施例1の場合と同様に、外形的には、平板状部11Xと、平板状部11Xの裏面側に一定の間隔で設けられる複数の歯12Xとから構成される。そして、本実施例に係る歯付ベルト10Xにおいても、上記実施例1の場合と同様に、内部構造においては、複数の歯12Xを有するベルト本体部100Xと、ベルト本体部100Xにおける複数の歯12Xが形成される面側に設けられるシート部200Xと、ベルト本体部100Xの内部に設けられる複数の心線300とから構成される。
上記実施例に係る歯付ベルト10においては、例えば、図3に示すように、歯12の形状が側面から見て台形であるのに対して、本実施例に係る歯付ベルト10Xにおいては、歯12Xの形状が側面から見て円弧状である点が異なっている。その他、各部材の材料や製造方法については、上記実施例1の場合と同一である。従って、本実施例に係る歯付ベルト10X及びその製造方法においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
10,10X 歯付ベルト
11,11X 平板状部
12,12X 歯
100,100X ベルト本体部
100a ポリウレタン樹脂
200,200X シート部
210,210a フィルム
220 薄膜
220a 熱可塑性樹脂
300 心線
510,520,530 金型
540 ダミーベルト
550 押圧ローラ
600 ノズル
710 金型
720,730,740 ローラ
750 ベルト
800 ノズル
810 成形材料供給装置

Claims (9)

  1. 複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
    該ベルト本体部における複数の歯が形成される面側に設けられるシート部と、
    を備える歯付ベルトの製造方法であって、
    フッ素系の材料からなるフィルムの一方の表面に、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜を一体成形することで前記シート部を成形する第1工程と、
    第1工程の後に、前記シート部における前記薄膜側に前記ベルト本体部を一体成形する第2工程と、
    を有すると共に、
    第1工程においては、前記シート部を前記複数の歯が形成される面に合わせた形状となるように成形することを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
  2. 第2工程においては、前記シート部の前記薄膜側に複数の心線を沿わせながらポリウレタン材料を供給することで、該シート部に対して、内部に前記複数の心線を有する前記ベルト本体部を一体成形することを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルトの製造方法。
  3. 第1工程により成形された前記シート部のうち、前記歯の形状部分と歯の形状部分との間の歯底となる中央部分に、前記複数の心線を直接接触させた状態で前記ベルト本体部を成形することを特徴とする請求項2に記載の歯付ベルトの製造方法。
  4. 前記薄膜はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の歯付ベルトの製造方法。
  5. 前記薄膜はABS樹脂であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の歯付ベルトの製造方法。
  6. 前記フィルムの厚みは、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
  7. 前記薄膜の厚みは、20μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
  8. 前記ベルト本体部の内部には複数の心線が設けられており、前記心線の素材は、スチール、ステンレス、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、及びPBO繊維のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の歯付ベルトの製造方法。
  9. 複数の歯を有するポリウレタン製のベルト本体部と、
    該ベルト本体における複数の歯が形成された面側に設けられるシート部と、
    を備える歯付ベルトであって、
    前記シート部は、
    フッ素系の材料からなるフィルムと、
    前記フィルムにおける前記ベルト本体部側の表面に一体的に設けられ、かつ、前記ベルト本体部との接着性が該フィルムよりも高い熱可塑性樹脂からなる薄膜とから構成されることを特徴とする歯付ベルト。
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