JP2013060986A - 歯付きベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】フランジやガイドレール等のガイド部材と接触した際のベルト側面の摩擦抵抗を軽減し、摩耗粉の発生を効果的に抑制することのできる歯付きベルトを提供すること。
【解決手段】ベルト本体11と、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部12と、歯部12の歯面12aに被覆され、該歯面12aの摩擦抵抗を低減する歯布14とを有する歯付きベルト1Aにおいて、歯布14が、ベルト長手方向の両側面まで被覆されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ベルト本体11と、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部12と、歯部12の歯面12aに被覆され、該歯面12aの摩擦抵抗を低減する歯布14とを有する歯付きベルト1Aにおいて、歯布14が、ベルト長手方向の両側面まで被覆されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、工場の生産・搬送・組立用ライン等の搬送系やタイミングベルト等の伝動系に使用される歯付きベルトに関し、詳しくは、ベルトが片寄ってフランジやガイドレール等のガイド部材に接触した際の摩耗を低減した歯付きベルトに関する。
歯付きベルトは、ベルト本体に所定の強度を付与する目的で、内部に撚り線からなる心線が埋設されている。このような歯付きベルトは、プーリ等に架け渡して回転駆動されると、心線の解撚(撚りが戻される)方向に片寄る性質があるため、一般に、撚り方向が互いに反対となるS撚りの心線とZ撚りの心線とをベルト本体内の幅方向に交互に配列し、心線の解撚による片寄り力を相殺して、ベルト全体としての片寄りの発生が少なくなるように製造されている。
しかしながら、このようにS撚りの心線とZ撚りの心線とを幅方向に交互に配列しても完全に片寄りをなくすことは困難であり、また、ベルト自体の要因以外にも、プーリ側のアライメントずれ等に起因して片寄りが発生する場合がある。ベルトの片寄りが発生すると、ベルトをプーリから脱落しないために設けられているフランジやガイドレール等のガイド部材とベルトの側面とが接触して強く擦りつけられ、大きな摩耗が生じ、摩耗粉が発生して周囲を汚染するばかりでなく、摩耗によって心線が露出して損傷したり、金属製心線の場合は発錆の原因となり、ベルトの強度低下につながる問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1には、歯付きベルトが噛み合うプーリの両端に設けられたフランジの内面側に、同心円状の環状凹溝や環状凸条を形成することで、歯付きベルトとの接触面積を低減することにより、摩耗粉の発生を抑制することが開示されている。
また、特許文献2の図3には、歯付きベルトがフランジに対して、ベルト長手方向と直交する断面視で点接触するように、ベルト側面をベルト背面側と歯部側に行くに従って互いに逆方向に傾斜させ、接触部が最も側方に突出するような形状に形成することが開示されている。
特許文献1に開示の技術は、歯付きベルトとガイド部材との接触面積を低減するためにガイド部材側に環状凹溝や環状凸条の加工を施す必要があるため、既設の搬送系や伝動系に適用する場合には大幅な改修を必要とする問題がある。従って、既設の搬送系や伝動系でも歯付きベルトとガイド部材との接触面積の低減効果を得ることができるようにする観点では、特許文献2の図3に開示の歯付きベルトを用いることが望ましいといえる。
しかしながら、特許文献2の図3に開示のようにベルトとガイド部材との接触が断面視で点接触するように形成しただけでは、ガイド部材との接触による摩耗を完全には防ぐことができず、以下のように、依然として摩耗粉が発生する場合があった。
この特許文献2の図3に開示の歯付きベルトの断面を図14(a)に、その側面図を図14(b)に示す。図中、100は歯付きベルトのベルト本体、101は歯部、102は心線、200はガイド部材としてのフランジ、300はプーリである。
ベルト長手方向に直交する断面でフランジ200と点接触するようにしたベルト本体100の側面は、側方に向けて山型に張り出す凸条103を有する形状となっている。しかし、実際には、この凸条103は、図14(b)に示すように、ベルト本体100の長手方向に沿って連続しているため、フランジ200に対しては線接触することになる。従って、このベルトが片寄って一方のフランジ200と接触した場合、ベルト本体100の側面で面接触する場合に比べて接触面積は低減されているとはいえ、凸条103がフランジ200と接触している間はベルト長手方向に沿ってベルト本体のゴム部分が常に線状に擦れ合うこととなり、摩耗粉の発生を抑えることができなかった。
そこで、本発明の課題は、フランジやガイドレール等のガイド部材と接触した際のベルト側面の摩擦抵抗を軽減し、摩耗粉の発生を効果的に抑制することのできる歯付きベルトを提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
本発明の上記課題は、次の各発明によって解決される。
(請求項1)
ベルト本体と、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、前記歯部の歯面に被覆され、該歯面の摩擦抵抗を低減する歯布とを有する歯付きベルトにおいて、
前記歯布が、ベルト長手方向の両側面まで被覆されていることを特徴とする歯付きベルト。
(請求項2)
前記歯布は、前記歯部の側面を含む前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面の全面に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
(請求項3)
前記歯布は、前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面における隣接する前記歯部の間を避けた該歯部の側面のみに被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
(請求項4)
ベルト長手方向の両側面に、前記歯部側から前記ベルト本体の背面側に向けて延びる多数の凹溝又は多数の凸条が形成され、前記歯布が前記凹溝の内面又は前記凸条の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
(請求項5)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して垂直に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項6)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに直線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項7)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに曲線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項8)
前記曲線状に延びる前記凹溝又は前記凸条は、インボリュート形状であることを特徴とする請求項7記載の歯付きベルト。
(請求項9)
ベルト長手方向の両側面に、該ベルト長手方向に沿って延びると共に前記ベルト本体側よりも前記歯部側が幅狭となるように段部が形成され、前記歯布が前記段部の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
ベルト本体と、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、前記歯部の歯面に被覆され、該歯面の摩擦抵抗を低減する歯布とを有する歯付きベルトにおいて、
前記歯布が、ベルト長手方向の両側面まで被覆されていることを特徴とする歯付きベルト。
(請求項2)
前記歯布は、前記歯部の側面を含む前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面の全面に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
(請求項3)
前記歯布は、前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面における隣接する前記歯部の間を避けた該歯部の側面のみに被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
(請求項4)
ベルト長手方向の両側面に、前記歯部側から前記ベルト本体の背面側に向けて延びる多数の凹溝又は多数の凸条が形成され、前記歯布が前記凹溝の内面又は前記凸条の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
(請求項5)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して垂直に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項6)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに直線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項7)
前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに曲線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
(請求項8)
前記曲線状に延びる前記凹溝又は前記凸条は、インボリュート形状であることを特徴とする請求項7記載の歯付きベルト。
(請求項9)
ベルト長手方向の両側面に、該ベルト長手方向に沿って延びると共に前記ベルト本体側よりも前記歯部側が幅狭となるように段部が形成され、前記歯布が前記段部の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
本発明によれば、フランジやガイドレール等のガイド部材と接触した際の摩擦抵抗を軽減でき、摩耗粉の発生を効果的に抑制できる歯付きベルトを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述する。
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る歯付きベルトの第1の実施形態を示す側面図、図2(a)は図1中の(IIa)−(IIa)線に沿う断面図、(b)は(IIb)−(IIb)線に沿う断面図である。
図1は本発明に係る歯付きベルトの第1の実施形態を示す側面図、図2(a)は図1中の(IIa)−(IIa)線に沿う断面図、(b)は(IIb)−(IIb)線に沿う断面図である。
歯付きベルト1Aは、ベルト長手方向(図1における左右方向)に亘って帯状に延びる所定幅のベルト本体11と、該ベルト本体11の一方の面に設けられた複数の歯部12とを有している。
歯付きベルト1Aを構成するベルト本体11及び歯部12は弾性材によって形成される。この弾性材としてはポリウレタンを好ましく使用することができる。
歯部12は、ベルト本体11の背面11aとは反対側の面に、ベルト長手方向に沿って所定の等間隔で配置されている。各歯部12は、ベルト本体11の幅方向(図2における左右方向)に延び、側面視で台形となるブロック状に形成されている。この歯部12のゴム硬度(JIS−A)は、80〜98の範囲が好ましい。
ベルト本体11内には、複数本の心線13がベルト長手方向に沿って延びるように埋設されている。各心線13は撚り線からなり、互いに平行で等間隔となるように並列している。この心線13には、スチールやステンレス等の金属線の他、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維等の化学繊維からなる線を使用することもできる。
かかる歯付きベルト1Aにおいて、歯部12の歯面12aには、該歯面12aの摩擦抵抗を低減するための歯布14が被覆されている。なお、歯面12aとは、歯付きベルト1Aにおける歯部12の突出方向の面(図1における下面)であり、プーリとの噛み合い面のことである。この歯面12aは、歯部12の表面となる凸部の表面と、隣接する歯部12、12間の凹部の表面とを含む。
歯布14は、線条体を用いて形成された布状体によって形成されている。ここで、布状体とは、線条体を用いて形成されたシート状物のことであり、線条体を経緯糸として用いて平織、綾織、朱子織等に織成されてなる織布、線状体を編組してなる編布、線状体によって形成した不織布が挙げられる。
線条体の具体的な材質としては、ナイロン繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PTFE繊維等が挙げられる。中でも、摺動性や耐摩耗性が優れていることの点で、ナイロン繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維が好ましい。
線条体は、これらを単線又は複数本を束ねた集束線或いは複数本を撚った撚り線として用いることができる。
歯布14の厚みは、300〜800μmとすることが好ましい。
この歯布14は、プーリとの噛み合い時の摩擦抵抗を軽減するために歯面12aの全面に亘って被覆される歯面被覆部14aの他に、歯付きベルト1Aのベルト長手方向の両側面まで延びた側面被覆部14bを一体に有しており、この側面被覆部14bが歯部12の側面12bとベルト本体11の側面11bとに亘ってこれらを被覆している。なお、歯部12の側面12bとは、ベルト長手方向の両側方にそれぞれ向いている面のことである。
側面被覆部14bは、歯付きベルト1Aの両側面の全面に亘って被覆されている。すなわち、歯布14の側面被覆部14bは、歯部12の側面12bの全面を含むベルト本体11の側面11bの全面に亘って被覆するように設けられている。
このような歯面被覆部14aと側面被覆部14bとを有する歯布14は、ベルト成形時に、1枚の大判に形成された布状体により形成し、この歯布14を成形型内に敷設して、成形時に布状体自体の柔軟性、伸縮性を利用して歯部12の凹凸と、該歯部12の側面12bの全面とベルト本体11の側面11bの全面とに沿って被覆するように成形することによって、歯付きベルト1Aの側面全面に一体に設けることができる。
また、歯面被覆部14aと側面被覆部14bとをそれぞれ別体に形成することもできる。この場合は、側面被覆部14bを、歯部12の側面12bを含むベルト本体11の側面と同様の形状となるように形成し、これを歯部12の側面12b及びベルト本体11の側面11bに位置するように成形型内に配置させることによって形成することができる。
歯面被覆部14aと側面被覆部14bとを別体とする場合は、目的に応じて、それぞれを異なる厚みに(例えば側面被覆部14bを歯面被覆部14aよりも薄くあるいは厚く)形成したり、それぞれ異なる線状体を用いて形成したり、それぞれ異なる布状体の形態(例えば平織と綾織、織布と編布)としたりすることもできる。
このように側面被覆部14bを備えた歯布14を有する歯付きベルト1Aによれば、プーリに架け渡されて使用された際、片寄りが発生してフランジやガイドレール等のガイド部材に接触しても、摩擦抵抗が低減された歯布14の側面被覆部14bが接触することにより、摩耗が低減され、摩耗粉の発生が抑制される。
本実施形態では、側面被覆部14bは歯付きベルト1Aの両側面の全面に被覆されるが、歯布14を柔軟で伸縮性の高い布状体によって形成することにより、歯付きベルト1Aの表面の凹凸形状によく馴染み、しかも、歯付きベルト1Aがプーリの外周によって円弧状に屈曲した際の屈曲性への影響を低減することができる。
(第2の実施形態)
図3、図4は本発明に係る歯付きベルトの第2の実施形態を示しており、図3は側面図、図4(a)は図3中の(IVa)−(IVa)線に沿う断面図、(b)は(IVb)−(IVb)線に沿う断面図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
図3、図4は本発明に係る歯付きベルトの第2の実施形態を示しており、図3は側面図、図4(a)は図3中の(IVa)−(IVa)線に沿う断面図、(b)は(IVb)−(IVb)線に沿う断面図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
本実施形態に示す歯付きベルト1Bは、歯布14の側面被覆部14bが、該歯付きベルト1Bの両側面の全面ではなく、部分的に形成されている点で第1の実施形態に示す歯付きベルト1Aとは異なっている。
すなわち、図3に示すように、歯付きベルト1Bを側面から見た場合、側面被覆部14bは、隣接する歯部12、12の間を避けた歯部12の側面12bから背面11aに向けて連続するベルト本体11の側面11bにかけて被覆されている。
これにより、隣接する歯部12、12の間に位置するベルト本体11の側面11bには、側面被覆部14bが存在せずに、該側面11bが露出する領域が、ベルト本体11の厚み方向(図1の上下方向)に連続するように形成されている。従って、歯付きベルト1Bの側面は、ベルト長手方向に沿って、歯布14の側面被覆部14bとベルト本体11の側面11bが露出している領域とが交互となるように配置される。
このような歯面被覆部14aと側面被覆部14bとを有する歯布14は、図5に示すように、大判に形成された布状体から、ベルト長手方向に沿って延びる帯状の歯面被覆部14aの両側部に、側面被覆部14bが歯部12と同間隔で張り出すように一体に切り出すことによって形成することができる。そして、ベルト成形時には、この歯布14を成形型内に敷設して、各側面被覆部14bが歯部12の側面12bに沿うように折り起こした状態で成形すればよい。
また、図示しないが、歯面被覆部14aと側面被覆部14bとをそれぞれ別体に形成することもできる。この場合は、歯面被覆部14aの両側部に、別体に形成された各側面被覆部14bを、図5のように歯部12と同間隔となるように接着又は縫着することによって連結した後、成形型に敷設するようにしてもよいし、接着又は縫着することなく、各側面被覆部14bを歯部12の側面12bに位置するように成形型内に配置させるようにしてもよい。
歯面被覆部14aと側面被覆部14bとを別体とする場合、目的に応じて、それぞれを異なる厚みに(例えば側面被覆部14bを歯面被覆部14aよりも薄くあるいは厚く)形成したり、それぞれ異なる線状体を用いて形成したり、それぞれ異なる布状体の形態(例えば平織と綾織、織布と編布)としたりすることもできる。
このような歯布14を有する歯付きベルト1Bによっても、第1の実施形態に係る歯付きベルト1Aと同様、プーリに架け渡されて使用された際、片寄りが発生してフランジやガイドレール等のガイド部材に接触しても、摩擦抵抗が低減された歯布14の側面被覆部14bが接触することにより、摩耗が低減され、摩耗粉の発生が抑制される。
特に、ベルト本体の側面11には、部分的に側面被覆部14bが設けられるため、歯付きベルト1Bがプーリの外周面で円弧状に変形する際の屈撓性を歯布14の側面被覆部14bが阻害するおそれはない。従って、小さいプーリ径に架け渡されることにより屈曲半径が小さくなることが想定される場合や、歯布14の布状体として柔軟性や伸縮性が比較的低いものを使用する場合に好ましく適用できる。
なお、本実施形態では、側面被覆部14bは隣接する歯部12、12間には形成されていないため、第1の実施形態に係る歯付きベルト1Aに比べて摩耗の低減効果の低下が懸念されるが、実際には、この側面被覆部14bがその厚み分だけ歯付きベルト1Aの側方に突出することになるため、ガイド部材には専らこの側面被覆部14bが接触して擦れ合うことになり、ベルト本体11の側面11bや歯部12の側面12bの全体がベルト長手方向に亘ってガイド部材と直接擦れ合うことが防止されるため、第1の実施形態に係る歯付きベルト1Aに比べて摩耗低減効果が大きく劣るようなことはない。
ここでは側面視で矩形状となる側面被覆部14bを例示したが、側面被覆部14bの側面視形状は特に制限はなく、例えば図6(a)のように、歯部12の歯面12aからベルト本体11の背面11aに向けて次第に狭まる三角形状に形成したり、同図(b)のように、歯部12の側面12bの全面を被覆し、ベルト本体11の側面11bでは背面11aに向けて次第に狭まる五角形状に形成したり、同図(c)のように、歯部12の側面12bの形状に合致した台形状に形成したりというように、矩形状以外の多角形状等の適宜の形状に形成してもよい。
(第3の実施形態)
図7、図8は本発明に係る歯付きベルトの第3の実施形態を示しており、図7は側面図、図8は背面11a側から見た平面図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
図7、図8は本発明に係る歯付きベルトの第3の実施形態を示しており、図7は側面図、図8は背面11a側から見た平面図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
この歯付きベルト1Cは、ベルト長手方向の両側面に多数の凸条15が形成されている点で、第1の実施形態に係る歯付きベルト1Aと異なっている。
ここでは、歯布14の側面被覆部14bを、第2の実施形態と同様に、歯部12の側面12bのみに被覆したものを例示しているが、第1の実施形態と同様に、歯部12の側面12bを含むベルト本体11のベルト長手方向の両側面11bの全面に被覆したものであってもよいことはもちろんである。
凸条15は、歯面12a側からベルト本体11の背面11a側に向けて延びており、該背面11aに対して垂直に延びるようにベルト長手方向に沿って並設されている。そして、歯布14の側面被覆部14bは、この凸条15の表面に沿って凹凸状となるように被覆されている。
この歯付きベルト1Cによれば、側面に多数の凸条15が突出しているので、使用時に片寄りが生じてガイド部材と接触した際、歯布14の側面被覆部14b自体がガイド部材との摩擦抵抗を低減することに加え、側面被覆部14bが凸条15に沿って凹凸状となっているため、第1の実施形態に比べて接触面積をより低減することができ、摩擦抵抗を一層低減することができる。
この凸条15は、本実施形態では歯付きベルト1Cの両側面の全面に設けられているが、ここで図示したように、歯布14の側面被覆部14bが部分的に設けられている場合は、少なくともこの側面被覆部14bの部位にあれば上記の効果を得ることができる。しかし、本実施形態のように歯付きベルト1Cの両側面の全面に形成すれば、万が一、隣接する側面被覆部14b、14bの間に露出するベルト本体11の側面11bがガイド部材と直接接触するようなことがあっても、ガイド部材との接触面積は多数の凸条15によって小さくて済むことと、側面被覆部14bによって側面11bが露出する領域の面積は小さくなっていることとが相俟って、摩擦抵抗を小さくでき、摩耗粉の発生は十分に抑制される。
また、凸条15は、ベルト本体11の背面11aに対して垂直方向に延びるため、この歯付きベルト1Cに片寄りが生じてガイド部材に接触した際、該ガイド部材の周縁部(例えば円板状のフランジの外周縁)と凸条15の延在方向が一致しにくいので、互いに噛み合ってしまう不具合が発生するおそれがない。
以上の説明では、凸条15を歯付きベルト1Bの両側面の全面に形成する場合、該側面から突出するように凸条15を形成するようにしたが、視点を変えれば、隣接する凸条15、15間の凹溝部分を歯付きベルト1Cの両側面の全面に凹設形成したと見ることもできる。従って、この凸条15に代えて凹溝15’を歯付きベルト1Cの両側面の全面に凹設形成するようにしても、図7、図8と同一の形態とすることができ、同様の効果を得ることができる。
また、凸条15は、ベルト本体11の背面11aに垂直方向に形成する態様以外にも、図9に示すように、ベルト本体11の背面11aに対して斜めに直線状に延びるように形成することもでき、図7、図8の態様と同様の効果を得ることができる。
更に、凸条15は、図10に示すように、ベルト本体11の背面11aに対して斜めに曲線状に延びるように形成することもでき、図7、図8の態様と同様の効果を得ることができる。
特に、この凸条15の曲線はインボリュート形状であることが好ましい。インボリュート形状とは、定円に糸を巻きつけ、その定円自体は回転させず固定したまま、ほどかれた部分が直線を保つように張りながらその糸をほどくとき、その糸の先端が描く曲線(インボリュート曲線)のことである。凸条15をこのようなインボリュート形状とすることで、斜めの曲線状に形成した場合でも、ガイド部材との噛み合いを防止することができる。
なお、図9、図10に示す態様においても、歯布14の側面被覆部14bを、第2の実施形態と同様に、歯部12の側面12bのみに被覆したものを例示したが、第1の実施形態と同様に、歯部12の側面12bを含むベルト本体11の側面11bの全面に被覆したものであってもよいことはもちろんである。
更に、この図9、図10のように、歯布14の側面被覆部14bを歯部12の側面12bのみに被覆した場合、凸条15は、歯付きベルト1Cの両側面の全面とするものに限らず、少なくとも側面被覆部14bの部位にあればよい。また、歯付きベルト1Cの側面全面に凸条15を形成する場合、上記同様、斜めの凸条15に代えて斜めの凹溝を形成するようにしてもよい。
以上の各態様に示す凸条15又は凹溝は、図8に示されるように、凸条15又は凹溝の長さ方向に直交する断面形状が三角形状を呈するものを例示したが、断面形状は特に制限はない。例えば図11(a)のように断面矩形状に突出又は凹設されるものであってもよい。また、凸条15とする場合は、同図(b)のように断面半球状(ドーム状)に突出するものであってもよい。
(第4の実施形態)
図12は本発明に係る歯付きベルトの第4の実施形態を示す一部を断面で示す斜視図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
図12は本発明に係る歯付きベルトの第4の実施形態を示す一部を断面で示す斜視図である。第1の実施形態と同一符号の部位は同一構成を示している。
この歯付きベルト1Dは、ベルト長手方向の両側面にそれぞれ一条の段部16が形成されている点で、第1の実施形態に係る歯付きベルト1Aと異なっている。
ここでは、歯布14の側面被覆部14bを、第2の実施形態と同様に、歯部12の側面12bのみに被覆したものを例示しているが、第1の実施形態と同様に、歯部12の側面12bを含むベルト本体11のベルト長手方向の両側面11bの全面に被覆したものであってもよいことはもちろんである。
段部16は、ベルト本体11の側面11bの部位に、ベルト長手方向に沿って延びており、ベルト長手方向の直交する断面で見た場合、ベルト本体11側よりも歯部12側が幅狭となるように形成されている。視点を変えれば、この歯付きベルト1Dは、この段部16よりもベルト本体11の背面11a側が幅広状に側方に張り出すような形状に形成されている。
また、図13に示すように、段部16がベルト本体11の側方に張り出し始める凹角部16aと、側方への張り出しが終了する凸角部16bは、それぞれRがつけられた丸め加工が施されている。そして、歯布14の側面被覆部14bは、歯部12の側面12bから、これら凹角部16a、凸角部16bを経由して段部16の表面に沿い、該段部16bを越えて背面11aまで延びるようにベルト本体11の側面11bにかけて被覆されている。
この歯付きベルト1Dによれば、段部16の部分が側方に張り出しているので、使用時に片寄りが生じてガイド部材と接触した際、この段部16の先端だけがガイド部材と接触するので、第1の実施形態及び第2の実施形態に比べてガイド部材との接触面積を低減させることができ、しかも、その表面の側面被覆部14bがガイド部材と擦れ合うので、摩擦抵抗を低減することができ、摩耗粉の発生が抑制できる。
また、段部16は、ベルト長手方向に沿って延びているが、凹角部16a、凸角部16b共に丸め加工が施されることにより滑らかに連続しているため、ガイド部材との噛み合いも発生しにくい。
段部16における凹角部16a及び凸角部16bの加工は、丸め加工に代えて斜めの傾斜状に連続するように形成してもよい。
1A、1B、1C、1D:歯付きベルト
11:ベルト本体
11a:背面
11b:側面
12:歯部
12a:歯面
12b:側面
13:心線
14:歯布
14a:歯面被覆部
14b:側面被覆部
15:凸条
15’:凹溝
16:段部
16a:凹角部
16b:凸角部
11:ベルト本体
11a:背面
11b:側面
12:歯部
12a:歯面
12b:側面
13:心線
14:歯布
14a:歯面被覆部
14b:側面被覆部
15:凸条
15’:凹溝
16:段部
16a:凹角部
16b:凸角部
Claims (9)
- ベルト本体と、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の歯部と、前記歯部の歯面に被覆され、該歯面の摩擦抵抗を低減する歯布とを有する歯付きベルトにおいて、
前記歯布が、ベルト長手方向の両側面まで被覆されていることを特徴とする歯付きベルト。 - 前記歯布は、前記歯部の側面を含む前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面の全面に被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
- 前記歯布は、前記ベルト本体のベルト長手方向の両側面における隣接する前記歯部の間を避けた該歯部の側面のみに被覆されていることを特徴とする請求項1記載の歯付きベルト。
- ベルト長手方向の両側面に、前記歯部側から前記ベルト本体の背面側に向けて延びる多数の凹溝又は多数の凸条が形成され、前記歯布が前記凹溝の内面又は前記凸条の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
- 前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して垂直に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
- 前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに直線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
- 前記凹溝又は前記凸条は、前記ベルト本体の背面に対して斜めに曲線状に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の歯付きベルト。
- 前記曲線状に延びる前記凹溝又は前記凸条は、インボリュート形状であることを特徴とする請求項7記載の歯付きベルト。
- ベルト長手方向の両側面に、該ベルト長手方向に沿って延びると共に前記ベルト本体側よりも前記歯部側が幅狭となるように段部が形成され、前記歯布が前記段部の表面に沿うように被覆されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯付きベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011198489A JP2013060986A (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 歯付きベルト |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2011198489A JP2013060986A (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 歯付きベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=48185833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011198489A Withdrawn JP2013060986A (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | 歯付きベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013060986A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016211734A (ja) * | 2015-04-28 | 2016-12-15 | 三ツ星ベルト株式会社 | ベルト及びその製造方法 |
JP2020093881A (ja) * | 2018-12-12 | 2020-06-18 | Nok株式会社 | 歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルト |
-
2011
- 2011-09-12 JP JP2011198489A patent/JP2013060986A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016211734A (ja) * | 2015-04-28 | 2016-12-15 | 三ツ星ベルト株式会社 | ベルト及びその製造方法 |
JP2020093881A (ja) * | 2018-12-12 | 2020-06-18 | Nok株式会社 | 歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルト |
JP7229000B2 (ja) | 2018-12-12 | 2023-02-27 | Nok株式会社 | 歯付ベルトの製造方法及び歯付ベルト |
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