JP3022611U - 搬送ベルトの蛇行防止用紐 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】紐がローラ周面の溝から外れやすい。 【解決手段】コンベアベルトを構成する枠体の一端部及
び他端部に夫々配設されたローラ間に卷回され、上記ロ
ーラの駆動によって走行されるベルト基材の裏面の長手
方向に沿って直線的に取り付けられ、前記ベルト基材が
走行する時に前記ローラの周面に形成されているガイド
溝に嵌合することにより、前記ベルト基材が所定の位置
を走行できるように案内するための搬送ベルトの蛇行防
止用紐において、中芯(21)と、この中芯(21)の外周に設
けられた，Ｓより糸とＺより糸を交互に編んでなる編組
体(23)とを具備することを特徴とする搬送ベルトの蛇行
防止用紐。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、搬送ベルトの蛇行防止用紐に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知の如く、食品や電子部品等の品物をある位置から一定距離離れた別な位置 に搬送する場合には、例えば図１（Ａ），（Ｂ）に示すような搬送用コンベアベ ルト１が用いられている。但し、図１（Ａ）はベルトとロ−ラとの位置関係を示 し、図１（Ｂ）はベルトの斜視図を示す。前記ベルト１は、ベルト基材２と、こ のベルト基材の対向する２辺を挟み込む断面コ字型状の補強部材３ａ，３ｂと、 これらの補強部材３ａ，３ｂの長手方向に夫々設けられた蛇行防止紐４ａ，４ｂ とを備えている。蛇行防止紐４ａ，４ｂは、通常ロ−ラ５の表面に設けられた溝 ６に嵌め込まれた状態で使用される。

【０００３】 従来、前記蛇行防止紐４ａ，４ｂとしては、従来、ブチル，クロロプレン，Ｎ ＢＲ等のゴムやポリエステル，ウレタン等の軟質樹脂を山型や台形の形状で押出 ししたもの、あるいは繊維を束ねて編組し紐状にしたものが用いられている。

【０００４】 ところで、搬送用コンベアベルトの搬送工程は、単に搬送物を移動させるだけ ではなく、多くの場合、加熱，冷却，溶液噴霧，薬液処理など特殊な工程を含ん でいる。しかしながら、ゴムや軟質樹脂，繊維編組による紐を利用した従来の蛇 行防止紐は、耐熱不足や溶液による膨潤，分解によって強度を失い変形を起こし たり、逆に熱硬化や溶液の付着，浸透後の硬化によって可撓性を失いベルトの寿 命が著しく短くなるなどの問題点があった。

【０００５】 また、従来、上記蛇行防止紐と同じような働きをするガイド体として実公平６ −１７７７１が知られている。このガイド体は、複数の細い紐を編組して構成し 、その断面形状が主動プーリ及び縦動プーリの周面に形成されたガイド溝に過不 足なく嵌合するような形状に形成された構成になっていることを特徴とする。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記公報のガイド体の場合、ガイド体自身がプーリにより曲げ られる場合、太ったり細ったりすることがあり、ガイド体がプーリの周面に形成 された溝から外れやすい。

【０００７】 この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、耐薬品浸透性，機械的特性，耐 摩耗性に優れ、かつ柔軟性，復帰弾性に優れてローラ周面の溝から外れにくく、 更には取付縫糸への応力を分散して耐久性を向上できる搬送ベルトの蛇行防止用 紐を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、コンベアベルトを構成する枠体の一端部及び他端部に夫々配設さ れたローラ間に卷回され、上記ローラの駆動によって走行されるベルト基材の裏 面の長手方向に沿って直線的に取り付けられ、前記ベルト基材が走行する時に前 記ローラの周面に形成されているガイド溝に嵌合することにより、前記ベルト基 材が所定の位置を走行できるように案内するための搬送ベルトの蛇行防止用紐に おいて、中芯と、この中芯の外周に設けられた，Ｓより糸とＺより糸を交互に編 んでなる編組体とを具備することを特徴とする搬送ベルトの蛇行防止用紐である 。

【０００９】 この考案において、前記中芯としては次の形態が考えられる。

【００１０】 1)．細い糸を複数一方向にそろえた、いわゆる引きそろえ糸。

【００１１】 2)．上記1)の引きそろえ糸を撚ったもの。

【００１２】 3)．細い糸を撚って更にこれを束ねたもの。

【００１３】 4)．細い撚り糸を複数用いたもの。

【００１４】 この考案において、Ｓより糸とはＳよりをかけた糸（図３（Ａ）参照）であり 、 Ｚより糸とはＺよりをかけた糸（図３（Ｂ）参照）である（ＪＩＳ L 0205 参照）。

【００１５】 この考案において、蛇行紡糸用紐の形態としては、例えば円形状あるいは多角 形状が挙げられる。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の一実施例を図２、図３（Ａ），（Ｂ）を参照して説明する。 ここで、図２はこの考案に係る搬送ベルトの蛇行防止用紐の説明図、図３（Ａ） は同紐を構成するＳより糸の説明図、図３（Ｂ）は同紐を構成するＺより糸の説 明図である。

【００１７】 図中の21は、アラミド繊維（商品名：テクノーラ、帝人株式会社製）からなる 細い糸22を複数一方向にそろえた引きそろえ糸（中芯）である。この中芯21の外 周には、図３（Ａ）に示すアラミド繊維（商品名：テクノーラ、帝人株式会社製 ）からなるＳより糸31と図３（Ｂ）に示すアラミド繊維（商品名：テクノーラ、 帝人株式会社製）からなるＺより糸32を交互に編んでなる編組体23が設けられて いる。前記中芯21及び編組体23には、ポリテトラフルオトエチレン（ＰＴＦＥ） 樹脂が塗布，焼成されている。このように中芯21及び編組体23からなる蛇行防止 用紐の断面形状は、コーナー部の角がとれた四角形状となっている。また、ベル ト基材２は、この実施例では耐熱性に富む基材シートに弗素樹脂を含浸して焼成 したものを用いる。また、補強部材３ａ，３ｂもベルト基材と同様に耐熱性に富 むものを用いる。

【００１８】 このような構成の搬送ベルトの蛇行防止用紐は、例えば前述した図１（Ａ）に 示すような状態でベルト基材２の長手方向に沿う両端部の裏面に取り付けられて 使用される。しかるに、この蛇行防止用紐によれば、中芯21の外周に、Ｓより糸 31とＺより糸32を交互に編んでなる編組体22を設けた構成になっているため、ロ ーラ付近で紐を曲げるような場合、中芯21の存在により紐全体の断面積が変化し にくく、柔軟性（寸法安定性）に優れているとともに、復帰弾性が優れ、稼働時 に紐がローラ周面の溝から外れるのを回避できる。また、前記紐は、通常は糸で ベルト基材に縫って取り付けられるが、この考案のように復帰弾性が優れている と、随時同じ形状を保持でき、前記取付縫糸への応力を分散し、耐久性を向上で きる。更に、紐の各構成部材がＰＴＦＥ樹脂でコーティングされているため、耐 薬品浸透性，機械的特性，耐摩耗性に優れている。

【００１９】 なお、上記実施例では、中芯として引きそろえ糸を用いたが、これに限定され ず、前記［課題を解決するするための手段］の欄で述べた「引きそろえ糸を撚っ たもの」等種々のものを用いてもよい。また、この考案に係る蛇行防止用紐は、 図５のような状態でベルト基材に用いられるものに限らず、他の形態で用いられ てもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳述した如くこの考案によれば、耐薬品浸透性，機械的特性，耐摩耗性に 優れ、かつ柔軟性，復帰弾性に優れてローラ周面の溝から外れにく、更には取付 縫糸への応力を分散して耐久性を向上できるい搬送ベルトの蛇行防止用紐を提供 できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】搬送用コンベアベルトの説明図で、図１（Ａ）
は前記ベルトとローラとの位置関係を示す説明図、図１
（Ｂ）は前記ベルトの斜視図。

【図２】この考案の一実施例に係る搬送ベルトの蛇行防
止用紐の説明図。

【図３】図３は図２の紐の編組体に使用される糸の説明
図で、図３（Ａ）はＳより糸の説明図、図３（Ｂ）はＺ
より糸の説明図。

【符号の説明】

21…細い糸、 22…引きそろえ糸（中芯）、23…
編組体、 31…Ｓより糸、32…Ｚより糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンベアベルトを構成する枠体の一端部
   及び他端部に夫々配設されたローラ間に卷回され、上記
   ローラの駆動によって走行されるベルト基材の裏面の長
   手方向に沿って直線的に取り付けられ、前記ベルト基材
   が走行する時に前記ローラの周面に形成されているガイ
   ド溝に嵌合することにより、前記ベルト基材が所定の位
   置を走行できるように案内するための搬送ベルトの蛇行
   防止用紐において、 中芯と、この中芯の外周に設けられた，Ｓより糸とＺよ
   り糸を交互に編んでなる編組体とを具備することを特徴
   とする搬送ベルトの蛇行防止用紐。