JPH0526300A - 工業用ベルト - Google Patents

工業用ベルト

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JPH0526300A
JPH0526300A JP18133491A JP18133491A JPH0526300A JP H0526300 A JPH0526300 A JP H0526300A JP 18133491 A JP18133491 A JP 18133491A JP 18133491 A JP18133491 A JP 18133491A JP H0526300 A JPH0526300 A JP H0526300A
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Yasuyuki Nakanishi
康之 中西
Susumu Onoe
勧 尾上
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 心糸が挿入された丸打ち組紐で補強体を構成
し、かつ打込み糸条の撚り数、撚り方向、編組角度、打
込み本数および心糸の太さを適切に設定することによ
り、耐屈曲疲労性および寸法安定性の優れた工業用ベル
トを得る。 【構成】 補強体2を中空部に心糸が挿入された4〜8
本の偶数本数の糸条にて円筒状に組まれた丸打ち組紐7
で構成する。糸条の撚り係数Kを194±155に設定
する。丸打ち組紐7を撚り方向がS撚りとZ撚りとに逆
向きに設定された右遷性糸条と左遷性糸条とで構成す
る。編組角度を15°±5°に設定する。丸打ち組紐7
の糸条デニール数に対する心糸のデニール数の割合を丸
打ち組紐7が4本の糸条にて組まれている場合には2.
5〜7.5%に、6本の糸条にて組まれている場合には
7.5〜24.0%に、8本の糸条にて組まれている場
合には14.0〜43.0%に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用ベルトに係り、
特にベルト本体に埋設された補強体(抵張力体)の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば歯付ベルト、Vベル
ト、平ベルトおよびリブ付ベルト等の伝動ベルトや運搬
ベルト等の工業用ベルトには、高強力、高弾性率、高寸
法安定性および高接着性等の特性が要求されることか
ら、これらの特性を満たすべくベルト本体に繊維からな
る補強用コードおよび布状物等の補強体が埋設されてい
る。この補強体としては、一般的には、複数本の糸条を
撚ってなる撚り糸が用いられ、その種類は、撚り方によ
って諸撚り糸、片撚り糸およびラング撚り糸等に分ける
ことができる。そして、上記工業用ベルトの補強体に
は、上記撚り糸のうち諸撚り糸が最も多く用いられてい
るのが現状である。
【0003】ところが、この諸撚り糸で補強体を構成し
た工業用ベルトでは、諸撚り糸内部でモノフィラメント
同士が深い角度をもって強く接触する部分が発生するこ
とから、この強接触部分から早期に摩耗、破断もしくは
強力低下を起こし、耐屈曲疲労性が悪くなるという問題
があった。
【0004】そこで、上述の如き問題点(耐屈曲疲労
性)を改善した工業用ベルトとして、片撚り糸やラング
撚り糸で補強体を構成したものが提案されている(特開
昭59―19744号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如く片
撚り糸やラング撚り糸で補強体を構成した工業用ベルト
では、その構造上、諸撚り糸で補強体を構成したものに
比べて延伸、ディップ処理後の引張り弾性率が小さくな
り易く、寸法安定性が低下し易くなる。
【0006】また、上記片撚り糸やラング撚り糸は、一
方向にしか撚られていないことから、撚り戻しが起こり
易くかつ端部にほつれが生じ易くなって加工し難く、さ
らには、加工時、カット面にフレイが生じ易くなるとい
う問題もある。
【0007】さらには、片撚り糸やラング撚り糸を補強
体として用いた工業用ベルトでは、上述の如く片撚り糸
等に撚りの方向性があることから、ベルトが走行中に一
方向に片寄って片側が偏摩耗し易くなるという問題もあ
る。一方、例えば特開昭56―103008号公報に開
示されているように、補強体としてS撚りおよびZ撚り
の片撚り糸を交互に配列したものを用いることにより、
偏摩耗を解消するようにしたコンベアベルトが提案され
ている。しかし、この場合には、ベルト内に2本のコー
ド(片撚り糸)を並列にかつスパイラルに並べるため、
左右のベルト端面に合計4箇所のコードカット面が生じ
てベルト強力維持率が下がることとなり、採用し難い。
【0008】ところで、古来から組紐なるものが用いら
れている。この組紐のうち丸打ち組紐は、その構造特性
より耐屈曲疲労性が特に優れているという性質を有して
おり、しかも寸法安定性の面においても撚り糸に比べて
良いことから、これを工業用ベルトの補強体として用い
れば耐屈曲疲労性および寸法安定性の両物性を改質でき
て好ましい。
【0009】しかも、丸打ち組紐を工業用ベルトの補強
体として用いる場合、丸打ち組紐を構成する打込み糸条
に撚りをかけると、該打込み糸条の引き揃え状態が良く
なることから、丸打ち組紐の強度が向上し、工業用ベル
トの延命化を図ることができる。そして、この際、上記
丸打ち組紐の左遷性打込み糸条と右遷性打込み糸条との
撚り方向を同一にすると、丸打ち組紐に方向性が生ずる
場合があり、このように方向性が生じた丸打ち組紐を補
強体として用いた工業用ベルトでは、耐屈曲疲労性の面
において十分に満足のいかない場合が起こり得ることか
ら、両左遷性および右遷性打込み糸条の撚り方向を逆向
きにすることが必要である。
【0010】また、丸打ち組紐の打込み糸条の組み角度
(編組角度)を適切な値にしないと、十分な屈曲疲労性
を得られない。つまり、編組角度があまいと引揃えが悪
くなる一方、編組角度が大きいとフィラメント間の摩耗
が大きくなる。
【0011】さらに、打込み糸条の本数が適切でない
と、断面積当たりの強力がでない。
【0012】また、丸打ち組紐の中心部に適切な太さの
心糸を導入することにより、耐屈曲疲労性および寸法安
定性等の面において理想的なコードが得られることも判
った。
【0013】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、撚り糸の替わりに古
来からある丸打ち組紐でもって補強体を構成し、打込み
糸条の撚り数、撚り方向、編組角度、打込み本数および
心糸の太さを適切に設定することにより、十分なる耐屈
曲疲労性と寸法安定性とを供えかつ寿命の長い工業用ベ
ルトを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の解決手段は、ベルト本体に繊維から
なる補強体が埋設された工業用ベルトにおいて、上記補
強体を4〜8本の偶数本数の糸条にて円筒状に組まれた
中空部を有する丸打ち組紐と、該丸打ち組紐の上記中空
部内に設けられた心糸とでもって構成する。さらに、上
記丸打ち組紐を構成する糸条の撚り係数Kを下記の式に
おいて194±155に設定する。
【0015】
【数2】
【0016】T:10cm当たりの撚り回数 D:デニール数 また、丸打ち組紐を撚り方向がS撚りとZ撚りとに逆向
きに設定された右遷性糸条と左遷性糸条とで構成する。
さらに、丸打ち組紐の編組角度を15°±5°に設定す
るように構成したことである。
【0017】本発明の第2の解決手段は、上記の第1の
解決手段において、丸打ち組紐を4本の糸条にて円筒状
に組んで構成し、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニ
ール数に対する心糸のデニール数の割合を2.5〜7.
5%に設定したことである。
【0018】本発明の第3の解決手段は、上記の第1の
解決手段において、丸打ち組紐を6本の糸条にて円筒状
に組んで構成し、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニ
ール数に対する心糸のデニール数の割合を7.5〜2
4.0%に設定したことである。
【0019】本発明の第4の解決手段は、上記の第1の
解決手段において、丸打ち組紐を8本の糸条にて円筒状
に組んで構成し、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニ
ール数に対する心糸のデニール数の割合を14.0〜4
3.0%に設定したことである。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1〜4に係る本発明
では、ベルト本体に埋設された繊維からなる補強体は、
4〜8本の偶数本数の糸条にて円筒状に組まれた中空部
を有する丸打ち組紐と、該丸打ち組紐の中心部に設けら
れた心糸とでもって構成され、上記丸打ち組紐を構成す
る糸条の撚り係数Kが下記の式において194±155
に設定されている。
【0021】
【数3】
【0022】T:10cm当たりの撚り回数 D:デニール数 また、上記丸打ち組紐は撚り方向がS撚りとZ撚りとに
逆向きに設定された右遷性糸条と左遷性糸条とで構成さ
れ、さらに、丸打ち組紐の編組角度が15°±5°に設
定されている。なおかつ、丸打ち組紐を構成する糸条の
デニール数に対する心糸のデニール数の割合が、丸打ち
組紐が4本の糸条にて組まれている場合には2.5〜
7.5%に、6本の糸条にて組まれている場合には7.
5〜24.0%に、8本の糸条にて組まれている場合に
は14.0〜43.0%にそれぞれ設定されている。
【0023】このことから、丸打ち組紐の構造特性とし
て糸条を構成するモノフィラメントに均一な応力がかか
り、しかも打込み糸条の方向性がS撚りとZ撚りとによ
って相殺されてなくなり、さらにはフィラメント間の摩
耗性が低減され、よって耐屈曲疲労性が大幅に向上す
る。
【0024】また、打込み糸条の適切な撚り回数によっ
て糸条の引揃えが良くなり、適切な太さの心糸によって
真円形が保たれることになり、寸法安定性も良くなる。
また、打込み糸条の本数を4〜8本にすることによって
断面積当たりの強力が高くなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】図3は本発明の実施例に係る工業用ベルト
としての歯付ベルトAを示す。該歯付ベルトAは、背ゴ
ム層1と、該背ゴム層1に埋設された繊維からなる補強
体2と、上記背ゴム層1の片側(図3下側)に背ゴム層
1と同一材質のゴムにて一体形成された歯部ゴム層3と
からなるベルト本体4を備えてなり、該ベルト本体4の
歯部ゴム層3表面側には、歯布5が一体的に被着せしめ
られている。
【0027】そして、本発明の特徴として、上記補強体
2は、図1および図2に拡大詳示するように、4〜8本
の偶数本数(本実施例では4本)の糸条6,6,…にて
円筒状に組まれた中空部8を有する複数本の丸打ち組紐
7,7,…と、該各丸打ち組紐7の中心部8に挿入配置
された心糸9とでもって構成されており、上記丸打ち組
紐7を構成する糸条6は、撚り係数Kが下記の式におい
て194±155に設定されている。
【0028】
【数4】
【0029】T:10cm当たりの撚り回数 D:デニール数 また、上記丸打ち組紐7を構成する糸条6は、撚り方向
がS撚りとZ撚りとに逆向きに設定された右遷性糸条と
左遷性糸条とからなり、さらに、丸打ち組紐7の編組角
度が15°±5°に設定されている。また、丸打ち組紐
7を構成する糸条6のデニール数に対する心糸9のデニ
ール数の割合は、丸打ち組紐7が4本の糸条6にて組ま
れている場合には2.5〜7.5%に、6本の糸条6に
て組まれている場合には7.5〜24.0%に、8本の
糸条6にて組まれている場合には14.0〜43.0%
にそれぞれ設定されている。
【0030】上記糸条6の種類としては、無機繊維、有
機繊維および金属繊維等が用いられ、さらには、長繊維
および短繊維からなる紡績糸あるいはこれらの混合糸等
何れであってもよく、要は歯付ベルトAの要求性能に応
じて適宜選定すればよい。また、丸打ち組紐7を構成す
る糸条6の打込み本数としては、4本以上8本以下の偶
数本数であればその本数は問わない。このように、打込
み本数を4本以上8本以下の偶数本数とするのは、断面
積当たりの強力を低くしないためであり、図4のデータ
に示すように、打込み本数が8本を超えると強力が急激
に低下するからである。また、組紐内部にシンメトリッ
クな円筒状の中空部8を形成する必要があるためでもあ
る。なお、図4のデータは、打込み糸条6としてケブラ
ー29(商品名 デュポン社製)1500deを用い、
心糸9を挿入しないで得た値である。さらに、糸条6の
トータルデニール数およびモノフィラメントデニール数
等も歯付ベルトAの要求性能に応じて適宜選定すればよ
い。また、上記心糸9の種類は、上記糸条6と同種ある
いは異種の材料、構成の繊維が用途および目的に応じて
用いられる。
【0031】さらに、丸打ち組紐7を構成する糸条6の
撚り係数Kを194±155に設定したのは、図5のデ
ータに基づくものである。つまり、図5のデータは、打
込み糸条6としてケブラー29(商品名 デュポン社
製)1500deの4本打ちのものを用い、かつ撚り方
向を左遷性糸条にS撚りを、右遷性糸条にZ撚りをそれ
ぞれかけ、さらに、編組角度を20°としたときにおい
て、左遷性および右遷性糸条の撚り回数を各々0〜20
回/10cmの範囲で変量して得た値である。このデータ
から明らかなように、撚り回数が5回/10cmをピーク
としてベルト強力維持率が変化し、撚り回数が5±4回
/10cmにおいて優れたベルト強力維持率が得られた。
この値は、撚り係数K=194±155に相当するもの
である。
【0032】また、丸打ち組紐7の編組角度を15°±
5°に設定したのは、図6のデータに基づくものであ
る。つまり、図6のデータは、打込み糸条6としてケブ
ラー29(商品名 デュポン社製)1500deの4本
打ちのものを用い、かつ撚り方向を左遷性糸条にS撚り
で5回/cm、右遷性糸条にZ撚りで5回/cmそれぞれか
け、さらに、心糸9をテトロン製300deとしたとき
において、編組角度を5〜30°に変量して得た値であ
る。このデータから明らかなように、編組角度が10〜
20°のときに優れたベルト強力維持率が得られた。
【0033】さらに、丸打ち組紐7を構成する糸条6の
デニール数に対する心糸9のデニール数の割合を、丸打
ち組紐7が4本の糸条6にて組まれている場合には2.
5〜7.5%に、6本の糸条6にて組まれている場合に
は7.5〜24.0%に、8本の糸条6にて組まれてい
る場合には14.0〜43.0%にそれぞれ設定したの
は、図7のデータに基づくものである。つまり、図7の
データは、打込み糸条6としてケブラー29(商品名
デュポン社製)1500deの4本打ちのものを用い、
かつ編組角度を5〜30°に設定し、さらに、撚り方向
を左遷性糸条にS撚りで5回/cm、右遷性糸条にZ撚り
で5回/cmそれぞれかけたときにおいて、心糸9のデニ
ール数を0〜1000deの範囲で変量して得た値であ
る。このデータから明らかなように、心糸9のデニール
数が150〜450deのときに優れたベルト強力維持
率が得られた。そして、このときの打込み糸条6のデニ
ール数に対する心糸9のデニール数の割合は2.5〜
7.5%であった。同様に、打込み糸条6が6本の丸打
ち組紐7では心糸9のデニール数が700〜2200d
eのときに優れたベルト強力維持率が得られ、このとき
の打込み糸条6のデニール数に対する心糸9のデニール
数の割合は7.5〜24.0%であった。また、打込み
糸条6が8本の丸打ち組紐7では心糸9のデニール数が
1700〜5200deのときに優れたベルト強力維持
率が得られ、このときの打込み糸条6のデニール数に対
する心糸9のデニール数の割合は14.0〜43.0%
であった。
【0034】また、上述の如くして組まれた丸打ち組紐
7は、背ゴム層1に埋設される前段階で、例えばエポキ
シ樹脂、イソシアネート化合物、エチレン尿素化合物お
よびレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RAL)等
からなる接着剤の組合わせによる接着剤処理や延伸処理
が施される。なお、接着剤処理方法としては、接着剤を
補強体2を構成する丸打ち組紐7の表面から内部に亘っ
て均一に含浸させる必要上、浸漬法が望ましい。
【0035】なお、図5〜7のデータを得るに当たって
の歯付ベルトAの屈曲疲労テストは下記の条件および要
領にて行った。
【0036】[本発明例の歯付ベルトAの構成]補強体
2を構成する丸打ち組紐7として、ケブラー29(商品
名 デュポン社製)1500deの4本打ちのもの(ト
ータルデニール数:6000de)の中空部8にテトロ
ン製の50〜1000deの心糸9を挿入配置し、かつ
丸打ち組紐7を構成する打込み糸条6に0〜20回/1
0cmの撚りをかけ、さらに、編組角度を5〜30°とし
たものを用いた。この丸打ち組紐7を、まず、イソシア
ネート化合物の接着剤に浸漬してサブコート層を形成
し、次いで、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(R
AL)の接着剤に浸漬してセカンドコート層を形成し、
その後、CR糊ゴム中に浸漬してトップコート層を形成
した。接着処理中に延伸処理も同時に施した。この延伸
処理済の複数本の丸打ち組紐7,7,…をCRゴム製の
背ゴム層1の上にスパイラルに並べ、その上に上記丸打
ち組紐7を埋設するようにCRゴム製の歯部ゴム層3を
形成し、該歯部ゴム層3表面にナイロン製の歯布5を被
着した形になるように成形加硫することにより、上記複
数本の丸打ち組紐7,7,…の各中空部8内に心糸9が
挿入配置された補強体2をベルト本体4に埋設せしめた
歯付ベルトAを得た。なお、上記接着剤処理に際して
は、丸打ち組紐7の表面から内部に亘って接着剤が均一
に含浸するようにする。
【0037】[屈曲疲労テストの要領]第8図に示すよ
うに、4つの大プーリ10,10,…と、相隣る大プー
リ10,10間に配置された4つの小プーリ11,1
1,…とを備えたベルト屈曲試験機を用意し、歯付ベル
トを該ベルト屈曲試験機の大小のプーリ10,11に掛
け渡してウエイト12にて歯付ベルトに所定のテンショ
ンをかけた状態で走行させた。なお、上記各小プーリ1
1の直径は30mmである。また、歯付ベルトが一巡して
上記4つの小プーリ11,11,…を各々1回ずつ通過
すること、つまり各小プーリ11によるベルト屈曲回数
4回をもって1サイクルとした。なお、図5〜7のデー
タにおいて、ベルト強力維持率とは屈曲回数が1×10
8 のときのものである。
【0038】このように、本実施例では、丸打ち組紐7
の中心部8に心糸9を挿入し、かつ丸打ち組紐7を構成
する糸条6の撚り係数Kを上述の如く特定するととも
に、該糸条6を右遷性糸条と左遷性糸条とで構成して各
々の撚り方向をS撚りとZ撚りとに逆向きに設定し、か
つ編組角度を15°±5°に設定する。さらに、丸打ち
組紐7を構成する糸条6のデニール数に対する心糸9の
デニール数の割合を、丸打ち組紐7を構成する糸条6の
本数に応じて適切に設定した。
【0039】このことから、丸打ち組紐7の構造特性と
して糸条6を構成するモノフィラメントに均一な応力が
かかり、しかも打込み糸条6の方向性をS撚りとZ撚り
とによって相殺してなくし得、さらにはフィラメント間
の摩耗性を低減でき、これにより耐屈曲疲労性を大幅に
向上させることができる。
【0040】また、打込み糸条6の適切な撚り回数によ
って糸条6の引揃えを良くすることができるとともに、
適切な太さの心糸6によって真円形を保つことができ、
寸法安定性を良くすることができる。また、打込み糸条
6の本数を4〜8本にすることによって断面積当たりの
強力を高くすることができる。
【0041】なお、上記実施例では、工業用ベルトとし
て歯付ベルトAを示したが、これに限らず、例えばVベ
ルト、平ベルトおよびリブ付ベルト等の伝動ベルトや運
搬ベルト等であってもよいことはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4係る
本発明によれば、補強体を4〜8本の偶数本数の糸条に
て円筒状に組まれた丸打ち組紐の中空部内に心糸を設け
て構成し、上記丸打ち組紐を構成する糸条の撚り係数K
を下記の式において194±155に設定し、
【0043】
【数5】
【0044】T:10cm当たりの撚り回数 D:デニール数 かつ丸打ち組紐を構成する糸条を撚り方向がS撚りとZ
撚りとに逆向きに設定された右遷性糸条と左遷性糸条と
で構成し、さらに、丸打ち組紐の編組角度を15°±5
°に設定するとともに、丸打ち組紐を構成する糸条のデ
ニール数に対する心糸のデニール数の割合を、丸打ち組
紐が4本の糸条にて組まれている場合には2.5〜7.
5%に、6本の糸条にて組まれている場合には7.5〜
24.0%に、8本の糸条にて組まれている場合には1
4.0〜43.0%にそれぞれ設定したので、耐屈曲疲
労性の向上に加えて寸法安定性のさらなる向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸打ち組紐の縦断拡大側面図である。
【図2】丸打ち組紐の拡大正面図である。
【図3】歯付ベルトの縦断正面図である。
【図4】丸打ち組紐のコード断面積当たりの強力を示す
データ図である。
【図5】糸条の撚り回数とベルト強力維持率との関係を
示すデータ図である。
【図6】糸条の編組角度とベルト強力維持率との関係を
示すデータ図である。
【図7】心糸のデニール数とベルト強力維持率との関係
を示すデータ図である。
【図8】ベルト屈曲試験機の概略構成図である。
【符号の説明】
2…補強体 4…ベルト本体 6…糸条 7…丸打ち組紐 8…中空部 9…心糸 A…歯付ベルト(工業用ベルト)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト本体に繊維からなる補強体が埋設
    された工業用ベルトであって、上記補強体は、4〜8本
    の偶数本数の糸条にて円筒状に組まれた中空部を有する
    丸打ち組紐と、該丸打ち組紐の上記中空部内に設けられ
    た心糸とでもって構成され、上記丸打ち組紐を構成する
    糸条は、撚り係数Kが下記の式において194±155
    に設定され、 【数1】 T:10cm当たりの撚り回数 D:デニール数 かつ撚り方向がS撚りとZ撚りとに逆向きに設定された
    右遷性糸条と左遷性糸条とからなり、さらに、丸打ち組
    紐の編組角度が15°±5°に設定されていることを特
    徴とする工業用ベルト。
  2. 【請求項2】 丸打ち組紐は、4本の糸条にて円筒状に
    組まれてなり、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニー
    ル数に対する心糸のデニール数の割合が2.5〜7.5
    %に設定されていることを特徴とする請求項1記載の工
    業用ベルト。
  3. 【請求項3】 丸打ち組紐は、6本の糸条にて円筒状に
    組まれてなり、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニー
    ル数に対する心糸のデニール数の割合が7.5〜24.
    0%に設定されていることを特徴とする請求項1記載の
    工業用ベルト。
  4. 【請求項4】 丸打ち組紐は、8本の糸条にて円筒状に
    組まれてなり、かつ丸打ち組紐を構成する糸条のデニー
    ル数に対する心糸のデニール数の割合が14.0〜4
    3.0%に設定されていることを特徴とする請求項1記
    載の工業用ベルト。
JP18133491A 1991-07-22 1991-07-22 工業用ベルト Expired - Lifetime JP2957314B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3022611U (ja) * 1995-09-12 1996-03-26 中興化成工業株式会社 搬送ベルトの蛇行防止用紐

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