JP2019119529A - 歯付きベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低塵環境で用いることができ、かつ騒音の抑制された歯付きベルトの提供を目的とする。【解決手段】本発明は、ゴム又は樹脂を主成分とし、少なくとも一方の面側に長さ方向に等間隔で配設された複数の歯部を有するベルト本体と、このベルト本体の一方の面側の最表面に長さ方向に沿って配設される帯状の帆布とを備え、上記帆布の両端が平面視で上記ベルト本体の両端より内側に位置する歯付きベルトである。上記ベルト本体の平均幅に対する上記帆布の平均幅の比としては、0.5以上が好ましい。上記帆布の側縁と、この帆布の側縁と近接するベルト本体の側縁との平均間隔としては、0.5mm以上が好ましい。上記ベルト本体の一方の面側が、幅方向に面一に形成されているとよい。上記ベルト本体の主成分がウレタンであり、上記帆布がナイロン製であるとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、歯付きベルトに関する。
工場等での物の搬送や、駆動力の伝達に、歯付きベルトが用いられている。近年、搬送速度や駆動速度が向上し、歯付きベルトは高速移動を必要とする環境下で使用されている。歯付きベルトを高速で用いる場合、停止状態からの発進や、移動状態からの停止の加速度が大きくなり、その際歯付きベルトを駆動するプーリー等に接触することで歯付きベルトが発する騒音も大きくなってきている。
この歯付きベルトの騒音を抑止する方法としては、例えば歯部表面を低摩擦化する方法が提案されている(例えば特表2002−542078号公報参照)。この従来の歯付きベルトでは、糸と気孔とが交互に配列された織布カバー要素(帆布)で歯部表面全体を被覆することで歯付きベルトがプーリーと接触する際の摩擦の低減を図り、騒音を抑止している。
さらに、歯付きベルトがフランジやガイドレール等のガイド部材と接触した際のベルト側面の摩擦抵抗を低減することを目的として、歯布(帆布)により歯部の両側面まで被覆された歯付きベルトも提案されている(特開2013−60968号公報参照)。
このように歯部全体を帆布で被覆することで歯付きベルトの騒音は低減される。しかしながら、帆布で歯部全体が被覆された歯付きベルトでは、騒音は低減されるものの、歯付きベルトを高速で用いると、帆布の毛羽立ちが発生し、糸くずが生じ易い。このため、歯部全体を帆布で被覆された歯付きベルトでは、この糸くずが発塵要因となり、低塵環境、例えば工場のクリーンルーム等で使用することが難しい。
特表2002−542078号公報 特開2013−60968号公報
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、低塵環境で用いることができ、かつ騒音の抑制された歯付きベルトの提供を目的とする。
本発明者らが、帆布で歯部が被覆された歯付きベルトについて鋭意検討した結果、帆布の毛羽立ちは主にベルト端部がフランジやガイドレール等のガイド部材と接触することで発生し、騒音はベルトがプーリーと接触することで発生することを知得した。さらに、本発明者らは、騒音はベルトの中央部で主に発生し、ベルトの両端では騒音が比較的低いことを知得した。本発明者らは、騒音がベルト中央部で主に発生する理由は、ベルト中央部が最も強くプーリーと接触するためであると推察している。これらの知見をもとに、本発明者らは従来のように可能な限り帆布で歯部を被覆するのではなく、むしろ歯部の中央部分のみに帆布を配設し、歯部の両端や側面を帆布では被覆しないことで、騒音の抑制と、糸くず等の発塵の抑制とが両立できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、ゴム又は樹脂を主成分とし、少なくとも一方の面側に長さ方向に等間隔で配設された複数の歯部を有するベルト本体と、このベルト本体の一方の面側の最表面に長さ方向に沿って配設される帯状の帆布とを備え、上記帆布の両端が平面視で上記ベルト本体の両端より内側に位置する歯付きベルトである。
当該歯付きベルトは、歯部の最表面に配設される帆布の両端が平面視で上記ベルト本体の両端より内側に位置する。つまり、当該歯付きベルトは、帆布が歯部の中央部分のみに配設され、歯部の両端や側面を被覆していない。このように構成することで、当該歯付きベルトは、歯部の中央部分の帆布により騒音を抑制し、歯部の両端に帆布がないことにより糸くず等の発塵を抑制できる。従って、当該歯付きベルトは、低塵環境で用いることができ、かつ騒音が抑制できる。
上記ベルト本体の平均幅に対する上記帆布の平均幅の比としては、0.5以上が好ましい。上記ベルト本体の平均幅に対する上記帆布の平均幅の比を上記下限以上とすることで、騒音を効果的に抑制することができる。
上記帆布の側縁と、この帆布の側縁と近接するベルト本体の側縁との平均間隔としては、0.5mm以上が好ましい。上記帆布の側縁と、この帆布の側縁と近接するベルト本体の側縁との平均間隔を上記下限以上とすることで、糸くず等の発塵の抑制効果を高めることができる。
上記ベルト本体の一方の面側が、幅方向に面一に形成されているとよい。上記ベルト本体の一方の面側を幅方向に面一に形成することで、騒音が抑制できると共に、ベルト本体の全幅を当該歯付きベルトの有効面として用いることができる。
上記ベルト本体の主成分がウレタンであり、上記帆布がナイロン製であるとよい。上記ベルト本体の主成分をウレタンとし、上記帆布をナイロン製とすることで、当該歯付きベルトを高速で用いる場合においても、騒音及び発塵の抑制効果を高められる。
ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味し、好ましくは含有量が50質量%以上、より好ましくは90質量%以上の成分をいう。「帆布」とは、太撚糸で平織りした厚地の織物を指す。
以上説明したように、本発明の歯付きベルトは、低塵環境で用いることができ、かつ騒音が抑制される。
本発明の実施形態に係る歯付きベルトを示す模式的部分斜視図である。 図1の歯付きベルトの模式的断面図である。
以下、本発明の一実施形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
図1及び図2に示す歯付きベルトは、ベルト本体1と、複数の芯体コード2と、帆布3とを備える。当該歯付きベルトは、低塵環境、いわゆるクリーンルームで好適に用いることができる。
<ベルト本体>
ベルト本体1は、図1に示すようにシート状の基部1aと、この基部1aの一方の面側に長さ方向に等間隔で配設された複数の歯部1bとを有する。
ベルト本体1の主成分は、ゴム又は樹脂である。上記ゴムとしては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)等を挙げることができる。上記ゴムは、これらのうちの1種でもよいが、2種以上をブレンドしたものであってもよい。上記樹脂としては、熱可塑性のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等を挙げることができる。ベルト本体1の主成分としては、低発塵性の観点から樹脂が好ましく、中でも耐摩耗性に優れる熱可塑性ウレタンが好ましい。
ベルト本体1の平均幅は、当該歯付きベルトの用途に応じて適宜決定されるが、例えば25mm以上400mm以下とできる。
ベルト本体1の基部1aの平均厚さは、当該歯付ベルトに要求される強度等により適宜決定されるが、例えば1mm以上10mm以下とできる。
ベルト本体1の長さは、当該歯付きベルトの用途に応じて適宜決定される。また、ベルト本体1の両端を接合して、無端ベルトとして用いられることもある。
歯部1bは、断面が台形、三角形、半円形、山形、波形、正規分布曲線状等の凸条部である。また、歯部1bは、その稜線(軸方向)が基部1aの幅方向と一致するように配設されている。
歯部1bの平均高さ及び歯部1b間のピッチは、当該歯付きベルトの用途に応じて適宜決定される。歯部1bの平均高さは、例えば1.0mm以上10mm以下とできる。また、歯部1b間のピッチは、例えば2mm以上25mm以下とできる。
ベルト本体1は、ワックスを含んでもよい。ベルト本体1がワックスを含むことで、ベルト本体1表面の摩擦係数を低減できる。このため、ベルト本体1のうち帆布3に被覆されていない部分で発生する騒音をさらに低減できる。上記ワックスとしては、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができる。
ベルト本体1における上記ワックスの含有量の下限としては、2質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。一方、上記ワックスの含有量の上限としては、10質量%が好ましく、8質量%がより好ましい。上記ワックスの含有量が上記下限未満であると、ベルト本体1表面の摩擦係数の低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記ワックスの含有量が上記上限を超えると、ベルト本体1の強度が低下するおそれがある。
また、ベルト本体1は、各種添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、防曇剤、難燃剤、表面調整剤、顔料、フィラー等が挙げられる。
<芯体コード>
複数の芯体コード2は、円形断面を有する線状体である。複数の芯体コード2は、ベルト本体1の基部1aに埋設されている。この複数の芯体コード2は、ベルト本体1の長さ方向と平行で、かつベルト本体1の他方の面(歯部1bが配設されていない面)からの距離が一定となるように配設されている。つまり、複数の芯体コード2は平面状に配設され、この芯体コード2が形成する平面は、基部1aの表面と平行である。また、複数の芯体コード2は、等間隔に配設されている。この複数の芯体コード2により当該歯付きベルトの強度、耐久性、駆動の正確性等を向上することができる。
芯体コード2の主成分としては、特に限定されないが、例えばスチール、アラミド、カーボン、ガラス、ポリエステル等を挙げることができる。
芯体コード2の断面直径は、特に限定されないが、一般的には0.2mm以上2.5mm以下である。
芯体コード2間の平均間隔(芯体コード2の中心軸間の距離)の下限としては、0.3mmが好ましい。一方、芯体コード2間の平均間隔の上限としては、4mmが好ましい。芯体コード2間の平均間隔が上記下限未満であると、当該歯付きベルトの可撓性が不十分となるおそれがある。逆に、芯体コード2間の平均間隔が上記上限を超えると、芯体コード2によるベルトの強度、耐久性、駆動の正確性等の向上効果が不十分となるおそれがある。
また、最も外側に配設される芯体コード2の中心軸と、これと近接するベルト本体1の基部1aの側面との平均距離(「芯体コード2と基部1aの側面との平均距離」ともいう)の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記芯体コード2と基部1aとの平均距離の上限としては、1mmが好ましく、0.7mmがより好ましい。上記芯体コード2と基部1aの側面との平均距離が上記下限未満であると、当該歯付きベルトの製造時に、最も外側に配設される芯体コード2が基部1aの側面から露出するおそれがある。逆に、上記芯体コード2と基部1aの側面との平均距離が上記上限を超えると、ベルト本体1の側縁が駆動時にばたつき易くなり、芯体コード2による駆動の正確性の向上効果が不十分となるおそれがある。なお、最も外側に配設される芯体コード2は、ベルト本体1の両側に2本存在する。
芯体コード2の本数は、ベルト本体1の基部1aの平均幅、芯体コード2の平均間隔、及び芯体コード2と基部1aの側面との平均距離により決定されるが、芯体コード2の本数は、通常10本以上100本以下とされる。
<帆布>
帆布3は、帯状であり、ベルト本体1の一方の面側の最表面に長さ方向に沿って配設される。つまり、帆布3は、ベルト本体1の歯部1bの頂面及び側面、並びに基部1aの表面に配設されている。
帆布3の両端は、平面視でベルト本体1の両端より内側に位置する。つまり、ベルト本体1の一方の面側の最表面の両側縁部付近には帆布3がなく、幅方向中央部分にのみ帆布3が配設されている。また、帆布3の中心軸は、平面視でベルト本体1の中心軸と重なるように配設されていることが好ましい。このように帆布3とベルト本体1との中心軸を重ねることで、当該歯付きベルトが中心軸を軸として対称性が向上するので、安定して駆動し易くなる。
また、帆布3は、ベルト本体1の長さ方向の全部に配設されてもよいが、ベルト本体1の長さ方向の一部に配設されていてもよい。例えば当該歯付きベルトが物を搬送する際に往復運動をするような場合であれば、当該歯付きベルトがプーリーに接触する部分は限定的となる。このような場合、ベルト本体1のうちプーリーに接触する部分のみに帆布3が配設されていることが好ましい。このようにベルト本体1のうちプーリーに接触する部分のみに帆布3を配設することで、騒音を効果的に抑制することができる。特に歯付きベルトの停止状態からの発進時や、移動状態からの停止時に騒音が大きくなり易いので、ベルト本体1のうちベルトの停止状態からの発進時や、移動状態からの停止時にプーリーが接触する部分のみに帆布3が配設されていてもよい。
帆布3としては、大麻,亜麻,粗麻,黄麻などの繊維を用いた麻帆布、木綿を用いた綿帆布、ナイロンなどの合成繊維を用いた帆布等を挙げることができる。中でも、帆布3としては、ナイロン製が好ましい。
帆布3の側縁と、この帆布3の側縁と近接するベルト本体1の側縁との平均間隔の下限としては、0.5mmが好ましく、0.7mmがより好ましい。一方、上記帆布3の側縁と近接するベルト本体1の側縁との平均間隔の上限としては、1mmが好ましく、0.9mmがより好ましい。上記帆布3の側縁と近接するベルト本体1の側縁との平均間隔が上記下限未満であると、糸くず等の発塵の抑制効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記帆布3の側縁と近接するベルト本体1の側縁との平均間隔が上記上限を超えると、相対的に帆布3の平均幅が狭くなるため、騒音の抑制効果が不十分となるおそれがある。
ベルト本体1の平均幅に対する帆布3の平均幅の比の下限としては、0.5が好ましく、0.6がより好ましく、0.8がさらに好ましい。一方、ベルト本体1の平均幅に対する帆布3の平均幅の比の上限としては、0.95が好ましく、0.9がより好ましい。ベルト本体1の平均幅に対する帆布3の平均幅の比が上記下限未満であると、騒音の抑制効果が不十分となるおそれがある。逆に、ベルト本体1の平均幅に対する帆布3の平均幅の比が上記上限を超えると、最表面の両側縁部付近の帆布3が配設されていない領域の平均幅が狭くなるため、糸くず等の発塵の抑制効果が不十分となるおそれがある。
また、帆布3の平均幅としては、最も外側に配設される2本の芯体コード2の平均間隔よりも大きいことが好ましく、帆布3が平面視で複数の芯体コード2を覆うように配設されているとよい。歯付きベルトは、芯体コード2が埋設されている領域の表面がプーリーと接触し易いので、この領域を帆布3で覆うことで、騒音の低減効果を高められる。
帆布3の平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.4mmがより好ましい。一方、帆布3の平均厚さの上限としては、1.0mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。帆布3の平均厚さが上記下限未満であると、騒音の抑制効果が不十分となるおそれがある。逆に、帆布3の平均厚さが上記上限を超えると、帆布3が不必要に厚くなり、当該歯付きベルトの取扱い性が低下するおそれや、製造コストが上昇するおそれがある。
帆布3は、図2に示すようにその一部又は全部がベルト本体1に埋設されているとよい。帆布3をベルト本体1に埋設する場合、帆布3の平均厚さに対する埋設深さの比の下限としては、0.5が好ましく、0.8がより好ましい。一方、帆布3の平均厚さに対する埋設深さの比の上限としては、1が好ましく、0.98がより好ましい。帆布3をベルト本体1に埋設する場合、帆布3の平均厚さに対する埋設深さが上記下限未満であると、帆布3がベルト本体1から突出する高さが相対的に高くなる。このため、当該歯付きベルトが帆布3のみでプーリーに当接し、当該歯付きベルトの駆動に寄与する有効幅が減少するおそれがある。逆に、帆布3の平均厚さに対する埋設深さの比が上記上限を超えると、帆布3がプーリーに当接し難くなるため、騒音の抑制効果が不十分となるおそれがある。
帆布3がベルト本体1の表面から突出する突出距離の下限としては、0mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、上記突出距離の上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。上記突出距離の下限が上記下限未満であると、帆布3がプーリーに当接し難くなるため、騒音の抑制効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記突出距離が上記上限を超えると、当該歯付きベルトが帆布3のみでプーリーに当接し、当該歯付きベルトの駆動に寄与する有効幅が減少するおそれがある。
特に、ベルト本体1の一方の面側が、幅方向に面一に形成されていることが好ましい。つまり、帆布3の平均厚さに対する埋設深さの比が1であり、帆布3がベルト本体1の表面から突出する突出距離が0mmであることが特に好ましい。ベルト本体1の一方の面側を幅方向に面一に形成することで、騒音が抑制できると共に、ベルト本体1の全幅を当該歯付きベルトの有効面として用いることができる。
<歯付きベルトの製造方法>
当該歯付きベルトは、例えば押出成形工程と、歯部形成工程と、帆布積層工程とを備える製造方法により製造することができる。
(押出成形工程)
押出成形工程では、押出成形により芯体コード2が埋設されたゴム又は樹脂組成物を主成分とする押出成形体を形成する。
具体的には、複数の芯体コード2を押出機のシリンダ先端に取り付けたクロスヘッドに挿通しながら、その両側を溶融したゴム又は樹脂組成物で被覆するように押出成形する。
あるいは、溶融押出したゴム又は樹脂組成物と複数の芯体コード2とを一対のロールで挟み込み加圧することで、複数の芯体コード2をゴム又は樹脂組成物内に埋め込んでもよい。
押出成形においてゴム又は樹脂組成物を溶融させるための加熱温度は、ゴム又は樹脂の種類や硬化剤の利用の有無等に依存するが、上記加熱温度の下限としては、150℃が好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、250℃が好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、ゴム又は樹脂組成物が十分に溶融せず、押出成形が困難となるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、押出成形体が不要に熱くなるため、冷却時間が不要に長くなり、当該歯付きベルトの製造効率が低下するおそれがある。
(歯部形成工程)
歯部形成工程では、上記押出成形工程後の押出成形体に歯部1bを形成する。これによりベルト本体1を得ることができる。
具体的には、例えば歯部1bに対応した凹部を外周面に有する円筒状の金型ロールを準備し、上記押出成形体の一方の面を加熱しながら上記金型ロールに巻き付けることで、歯部1bを形成できる。
歯部形成工程での加熱温度としては、押出成形体が溶融して一方の面に歯部1bを形成できる温度に応じて適宜決定されるが、上記加熱温度の下限としては、150℃が好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、250℃が好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、押出成形体の軟化が不足し、歯部1bの形成が困難となるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、ベルト本体1全体が熱により変形し易くなるおそれがある。
(帆布積層工程)
帆布積層工程では、上記歯部形成工程で得られるベルト本体1に帆布3を積層する。
具体的には、例えば帆布3をベルト本体1と重ね合わせ、プレス加工を行うことにより帆布3をベルト本体1に積層できる。
上記プレス加工におけるベルト単位幅当たりの加圧の下限としては、5N/mmが好ましい。一方、上記加圧の上限としては、50N/mmが好ましい。上記加圧が上記下限未満であると、帆布3がベルト本体1から剥離し易くなるおそれがある。逆に、上記加圧が上記上限を超えると、例えばベルト本体1の歯部1bが変形し易くなるおそれがある。
<利点>
当該歯付きベルトは、歯部1bの最表面に配設される帆布3の両端が平面視でベルト本体1の両端より内側に位置する。つまり、当該歯付きベルトは、帆布3が歯部1bの中央部分のみに配設され、歯部1bの両端や側面を被覆していない。このように構成することで、当該歯付きベルトは、歯部1bの中央部分の帆布3により騒音を抑制し、歯部1bの両端に帆布3がないことにより糸くず等の発塵を抑制できる。従って、当該歯付きベルトは、低塵環境で用いることができ、かつ騒音が抑制できる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、1枚の帆布がベルト本体の一方の面側に配設される場合を説明したが、配設する帆布の枚数は1枚に限定されるものではない。複数の短冊状の帆布を配設することも可能である。この場合、各帆布の両端が平面視で上記ベルト本体の両端より内側に位置するように各帆布は配設される。また、帆布間には空隙があってもよいが、複数の帆布は空隙を有さず連続して配設されてもよい。
上記実施形態では、ベルト本体が一方の面側のみに歯部を有する場合を説明したが、ベルト本体の両面に歯部が形成されていてもよい。ベルト本体の両面に歯部が形成されている場合、両端が平面視でベルト本体の両端より内側に位置する帆布は、両面に配設してもよいが、一方の面のみに配設されてもよい。両面に歯部を有する歯付きベルトであっても、例えば騒音が主に片面に起因しているような場合であれば、片面のみに上記帆布を配設しても騒音を低減する効果を得ることができる。
上記実施形態では、帆布積層工程を備える製造方法により当該歯付きベルトを製造する方法を説明したが、帆布を押出成形工程でベルト本体の表面に配設することもできる。この場合、当該歯付きベルトの製造方法は、押出成形により芯体コードが埋設され、表面に帆布が配設されたゴム又は樹脂組成物を主成分とする押出成形体を形成する押出成形工程と、上記押出成形工程後の押出成形体に歯部を形成する歯部形成工程とを備える。
本発明の歯付きベルトは、低塵環境で用いることができ、かつ騒音が抑制される。従って、本発明の歯付きベルトは、工場のクリーンルーム等で高速駆動を必要とする歯付きベルトとして好適に用いることができる。
1 ベルト本体
1a 基部
1b 歯部
2 芯体コード
3 帆布

Claims (5)

  1. ゴム又は樹脂を主成分とし、少なくとも一方の面側に長さ方向に等間隔で配設された複数の歯部を有するベルト本体と、
    このベルト本体の一方の面側の最表面に長さ方向に沿って配設される帯状の帆布と
    を備え、
    上記帆布の両端が平面視で上記ベルト本体の両端より内側に位置する歯付きベルト。
  2. 上記ベルト本体の平均幅に対する上記帆布の平均幅の比が0.5以上である請求項1に記載の歯付きベルト。
  3. 上記帆布の側縁と、この帆布の側縁と近接するベルト本体の側縁との平均間隔が0.5mm以上である請求項1又は請求項2に記載の歯付きベルト。
  4. 上記ベルト本体の一方の面側が、幅方向に面一に形成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の歯付きベルト。
  5. 上記ベルト本体の主成分がウレタンであり、上記帆布がナイロン製である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の歯付きベルト。
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