JP2898896B2 - ポリウレタン製ベルト - Google Patents

ポリウレタン製ベルト

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JP2898896B2
JP2898896B2 JP220595A JP220595A JP2898896B2 JP 2898896 B2 JP2898896 B2 JP 2898896B2 JP 220595 A JP220595 A JP 220595A JP 220595 A JP220595 A JP 220595A JP 2898896 B2 JP2898896 B2 JP 2898896B2
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    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
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    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/08Processes
    • C08G18/10Prepolymer processes involving reaction of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen in a first reaction step

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐引裂性および耐摩耗
性に優れたポリウレタン製ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは、その特性を熱硬化性か
ら熱可塑性、ソフトからハード、脆弱から強靱まで幅広
く変化させることが可能であるため、従来より広範囲の
用途に使用されている。各種ポリウレタンの中でも、ポ
リウレタンエラストマーは、その優れた機械的特性を生
かして、各種ベルトとして広く利用されている。平ベル
ト、表面特殊形状平ベルト、あるいは丸ベルトなどの形
態で、複写機、ファクシミリ、カードリーダー、券売
機、自動改札機、貨幣処理機、または自動販売機などの
OA機器、あるいは自動化機器などに活発に適用されて
いる。
【0003】ポリウレタンエラストマーは、高分子量ポ
リオールとポリイソシアネートとを反応させ、次いで、
この反応生成物を硬化剤または鎖延長剤で硬化させるこ
とにより得られる。上記硬化剤としては、活性水素を2
個以上分子中に有する低分子化合物が用いられる。ポリ
ウレタンエラストマーの製造方法としては、プレポリマ
ー法が代表的である。このプレポリマー法とは、ポリオ
ールと過剰のポリイソシアネートとを反応させて、末端
にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調
製し、次いで、このプレポリマーに硬化剤を反応させて
製造する方法である。上記プレポリマー法としては、例
えば、(1)トリレンジイソシアネートおよびポリテト
ラメチレンエーテルグリコールより調製したプレポリマ
ーに、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4,4’−ジ
アミノジフェニルメタンを加える方法、あるいは、
(2)トリレンジイソシアネートおよびポリエステルポ
リオールより調製したプレポリマーに、硬化剤として
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメ
タンを加える方法などが従来より知られている。これら
の方法は、いずれも、単独重合体を主鎖とするポリオー
ルを高分子量ポリオールとして用いている。
【0004】ところで、ポリウレタンエラストマーに
は、注型タイプ、熱可塑性タイプおよびミラブルタイプ
がある。これらの中でも、機械的特性、耐摩耗性および
耐油性などが最も優れている注型タイプのポリウレタン
エラストマー、すなわち熱硬化性ポリウレタンエラスト
マーが、従来より特に広く利用されており、上記のよう
なベルトの形態以外にも、ローラーあるいは弾性シート
のような各種成形体として広く利用されている。熱硬化
性ポリウレタンエラストマーは、通常、上記プレポリマ
ー法により得られる。
【0005】しかし、上記のような高分子量ポリオール
を用いる熱硬化性ポリウレタンエラストマーで、丸ベル
ト、平ベルト、Vベルト、あるいは歯付きベルトのよう
なベルトを製造した場合には、ベルトの耐引裂性および
耐摩耗性が共に不十分であるため、種々の問題が生じ
る。特に、ウレタン単体ベルトや、繊維が埋設されてい
ても補強効果の小さいウレタン製ベルトにおいて著し
い。例えば、搬送機に使用する場合には、搬送物により
ベルト表面がキズつき、そのキズが成長しベルトが破断
する。あるいは搬送物によりベルトが摩耗する。従っ
て、ベルト寿命が短い。特に、丸ベルトの形態でコイン
搬送機に使用する場合には、ウレタン単体であるため
に、コインによりベルト外周部にキズが入るとそのキズ
が容易に成長し破断するため、ベルト寿命が著しく短
い。モーターの動力伝達ベルトとして使用する場合に
は、ベルトの摩耗によりベルト断面積が小さくなり、動
力伝達容量が低下する。従って、所望の伝達力が得られ
ない。表面特殊形状平ベルトの場合には、特殊形状部分
に応力が集中するため、キズが成長して特殊形状部分が
破断してしまう。
【0006】また、屈曲性および耐摩耗性を共に有する
ベルトとして、ミラブルウレタンゴムを使用してニット
繊維を心体としたベルトが公知であるが、このようなベ
ルトでは十分な耐引裂性が得られない。
【0007】このように、従来より用いられるポリウレ
タン製ベルトでは、ベルトの特性として重要な耐引裂性
および耐摩耗性を十分に満足しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の課題を解決するためになされたものであり、その目的
とするところは、優れた軸荷重保持率を有し、耐引裂性
および耐摩耗性に優れたポリウレタン製ベルトを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定のポリイソシアネートと特定の脂肪族コ
ポリエステル系ポリオールとを含有する樹脂組成物から
なるポリウレタン製ベルトを用いることにより上記目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】本発明のポリウレタン製ベルトは、パラフ
ェニレンジイソシアネート、脂肪族コポリエステル系ポ
リオールおよび硬化剤を含有する樹脂組成物からなる。
【0011】ここで、上記脂肪族コポリエステル系ポリ
オールは、エチレングリコール、テトラメチレングリコ
ールおよびアジピン酸を共重合して得られるコポリエス
テル系ポリオール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコールおよびアジピン酸を共重合して得ら
れるコポリエステル系ポリオール、および、ヘキサメチ
レングリコール、ネオペンチレングリコールおよびアジ
ピン酸を共重合して得られるコポリエステル系ポリオー
ルからなる群から選択される少なくとも1種である。
発明のポリウレタン製ベルトは、優れた軸荷重保持率を
有し、耐引裂性および耐摩耗性に優れたベルトである。
【0012】好適な実施態様においては、上記ポリウレ
タン製ベルトは、平ベルトであって、その内面側に補強
剤としてニット繊維が埋設されている。
【0013】あるいは、上記ポリウレタン製ベルトは、
ポリウレタン単体からなる丸ベルト、平ベルトである。
【0014】本発明に使用される脂肪族コポリエステル
系ポリオールは、少なくとも2種のグリコールとポリカ
ルボン酸を通常の方法で共重合することにより得られ
る。
【0015】グリコールとしては、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0016】ポリカルボン酸としては、例えば、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカン
二酸、ダイマー酸が挙げられる。これらの中では、アジ
ピン酸が好ましい。
【0017】好ましいポリオールとしては、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコールおよびアジ
ピン酸を共重合して得られるコポリエステル系ポリオー
ル(以下、P(B+H)Aという)、エチレングリコー
ル、テトラメチレングリコールおよびアジピン酸を共重
合して得られるコポリエステル系ポリオール(以下、P
(E+B)という)、ネオペンチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコールおよびアジピン酸を共重合して得
られるコポリエステル系ポリオール(以下、P(NP+
H)という)などが挙げられる。
【0018】上記ポリオールの数平均分子量は、500
〜10,000の範囲が好ましく、500〜3,000
の範囲が特に好ましい。
【0019】本発明に使用される硬化剤としては、従来
よりウレタンエラストマーを生成させる際に一般に用い
られているものが使用され得、例えば、ポリオール化合
物、ポリアミン化合物が挙げられる。
【0020】ポリオール化合物としては、1級ポリオー
ル、2級ポリオール、3級ポリオールのいずれもが使用
され得る。例えば、エチレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ハイドロキ
ノン−ジ−(2−ヒドロキシエチル)エーテル(HQE
E)、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジ
オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメ
チル)−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
【0021】ポリアミン化合物としては、ジアミン、ト
リアミン、テトラアミンのいずれもが使用され得、1級
アミン、2級アミン、3級アミンのいずれもが使用され
得る。例えば、ヘキサメチレンジアミンのような脂肪族
アミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシルメタンのような脂環族アミン、4,4’−
メチレンビス−2−クロロアニリン、2,2’3,3’
−テトラクロロ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルのような芳香族アミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ルが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いられ得る。より好まし
くは、HQEEである。
【0022】本発明で使用される樹脂組成物は、上記パ
ラフェニレンジイソシアネート、上記ポリオールおよび
上記硬化剤を含有し、さらに、必要に応じて添加剤など
が含有され得る。
【0023】そのような添加剤としては、可塑剤、難燃
剤、充填剤、安定剤、触媒、着色剤などが挙げられる。
【0024】可塑剤としては、フタル酸ジオクテル(D
OP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオ
クテル(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)、塩
素系パラフィンなどが使用され得る。
【0025】難燃剤としては、トリス−(β−クロロプ
ロピルホスフェート)、トリス−ジクロロプロピルホス
フェート、トリス−クロロエチルホスフェートのような
燐酸エステル類、ジブロムネオペンチルグリコール、ト
リブロムネオペンチルアルコールのようなブロム化合物
などが使用され得る。
【0026】充填剤としては、ガラス繊維、カーボンブ
ラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、硅そう土、バーライト、バーミキュライト、二酸化
チタン、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、グラ
ファイト、二硫化モリブデンなどが使用され得る。
【0027】安定剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、加水分解防止剤などが使用され得る。
【0028】酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤、過酸
化物分解剤などとして作用する。ラジカル連鎖禁止剤と
しては、立体障害を持ったフェノール類や芳香族アミン
類が挙げられる。例えば、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、ト
リエチレングリコールビス−3−(2−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートが
使用され得る。過酸化物分解剤としては、4、4’−チ
オビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、ジラウリ
ル−チオジプロピオネート、ジステアリルチオ−ジプロ
ピオネート、チオフェニルホスファイトなどが使用され
得る。
【0029】紫外線吸収剤としては、サリチル酸系のフ
ェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、シアレアクリレート系のエ
チル−2−シアノ−3,5−ジフェニルアクリレート、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどが使用され得る。さらに、
UVスクリーンとして、カーボンブラック−亜鉛華のよ
うな顔料などが使用され得る。
【0030】光安定剤としては、ヒンダードアミンが挙
げられる。ヒンダードアミンとしては、2−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−
ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレ
ン〔〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ〕〕、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)などが使用され得る。
【0031】加水分解防止剤としては、カルボジイミド
系のスタバクゾール−1、PCD(バイエル)、ヘキサ
メチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t
−ブチルカテコールなどが使用され得る。
【0032】触媒としては、通常、第三級アミン化合物
や有機金属化合物が使用され得る。
【0033】本発明のポリウレタン製ベルトは、上記樹
脂組成物から通常の方法でベルトに成形され得る。成型
方法の一例として、ベルトなどの成形体を型どった金型
にウレタンプレポリマーと硬化剤との混合物を注ぎ込
み、成形硬化させる方法が挙げられる。より詳細な例と
して、ポリウレタン製ベルトは以下のようにして成形さ
れる。
【0034】外筒と内筒とを備え、この外筒と内筒との
間に形成される空間部を有する円筒状金型に、ウレタン
プレポリマーと硬化剤との混合物を注入し、所定の温
度、所定の圧力下で所定時間硬化させる。硬化終了後、
円筒状成形物を取り出し、この成形物を円周方向に適当
な幅に輪切りにして、平ベルトを得る。この平ベルトを
研磨することにより丸ベルトを得る。この金型の空間部
の形状を適当に変化させることにより、表面特殊形状平
ベルトを製造することができる。上記空間部には、ベル
トの補強のための抗張体が内層されてもよい。
【0035】上記ウレタンプレポリマーは、上記パラフ
ェニレンジイソシアネートおよび上記ポリオールを、公
知の方法で反応させることにより調製される。例えば、
反応温度、反応時間、溶媒の有無を公知の条件で変化さ
せることにより、種々のポリウレタンプレポリマーが調
製される。この場合、パラフェニレンジイソシアネート
およびポリオールの混合割合は、NCO/OH比が1.
4〜2.2の範囲であることが好ましく、1.6〜2.
0の範囲がさらに好ましい。
【0036】上記硬化条件、例えば、ウレタンプレポリ
マーに対する硬化剤の混合割合、硬化温度、硬化時間を
公知の条件で変化させることにより、種々の特性を有す
るポリウレタン製ベルトが得られる。
【0037】さらに、本発明のポリウレタン製ベルト
は、上記パラフェニレンジイソシアネート、上記ポリオ
ールおよび上記硬化剤を一度に混合し、反応および硬化
させることによっても得ることができる。
【0038】本発明のポリウレタン製ベルトの硬度は、
30〜95が好ましく、70〜90がさらに好ましい。
【0039】本発明のポリウレタン製ベルトには、必要
に応じて、コード、帆布、ニット繊維などが補強剤とし
て含有される。例えば、図1に示す平ベルト1は、図2
に示すように、その片面に近い部分にニット繊維2を有
する。このニット繊維2により、ベルトの屈曲性を損な
うことなくベルトの機械的強度が向上する。ニット繊維
として導電糸を用い、この導電糸をベルト面に露出させ
ることにより、ベルトに導電性を付与することができ
る。
【0040】
【作用】本発明のポリウレタン製ベルトは、パラフェニ
レンジイソシアネート、および特定の脂肪族コポリエス
テル系ポリオールおよび硬化剤を含有する樹脂組成物か
らなる。ポリオールとして特定の脂肪族コポリエステル
系ポリオールを用いることにより、ポリウレタンの結晶
性が阻害され、従って、非常に良好な永久伸びを有し、
かつ、耐引裂性および耐摩耗性に優れたベルトが得られ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0042】(実施例1)テトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコールおよびアジピン酸を共重合さ
せて得られた平均分子量(数平均分子量、以下同様であ
る)2,000のコポリエステル系ポリオール(P(B
+H)A、ポリライトOD−X−2108、大日本イン
キ化学工業社製)100重量部を115℃で減圧脱水
し、80℃に冷却した。次いで、このポリオールにパラ
フェニレンジイソシアネート(PPDI)を14.4重
量部添加し、85℃で2時間攪拌し、ウレタンプレポリ
マーを得た。
【0043】ポリオールの重量および分子量からNCO
/OH比が1.8となるように、PPDIの添加量を決
定した。さらに、得られたプレポリマーのNCO%をJ
ISK7301に準じて、自動滴定装置(三菱化成社
製、GT−D5)を使用して測定した。
【0044】次いで、110℃で予熱した上記プレポリ
マーに、予熱し溶解させた後110℃まで冷却したHQ
EE7.5gと触媒(NC−IM、日本乳化剤社製)
0.03gを混合した。1分間攪拌し、110℃のオー
ブン中の厚み2mmの金型に入れて硬化させ、物性試験
用のシートを得た。
【0045】一方、プレポリマーにHQEEおよび触媒
(NC−IM)を混合した混合物を、ベルト用金型に入
れて硬化させ円筒状成形物を得た。この成形物を円周方
向に輪切りにして角ベルトを得、研磨することにより、
直径5mm、外周長さ275mmの丸ベルトを得た。得
られたシートおよび丸ベルトについて下記〜の評価
に供した。評価結果を併せて表1に示す。
【0046】(実施例2〜8)表1に示すポリオールお
よび硬化剤を使用したこと、およびPPDIの添加量
(NCO/OH比)を表1に示すように変更したこと以
外は、実施例1と同様にしてシートおよび丸ベルトを得
た。得られたシートおよび丸ベルトについて実施例1と
同様に下記〜の評価に供した。評価結果を併せて表
1に示す。
【0047】(比較例1〜3、5、6)表1に示すポリ
オールおよび硬化剤を使用したこと、およびPPDIの
添加量(NCO/OH比)を表1に示すように変更した
こと以外は、実施例1と同様にしてシートおよび丸ベル
トを得た。得られたシートおよび丸ベルトについて実施
例1と同様に下記〜の評価に供した。評価結果を併
せて表1に示す。
【0048】(比較例4)トリレンジイソシアネートと
脂肪族ポリエステルポリオールとからなるプレポリマー
であるサイアナプレンA−8(武田薬品工業社製)を使
用したこと、および硬化剤として4,4’−メチレンビ
ス−2−クロロアニリン(MBOCA)を使用したこと
以外は、実施例1と同様にしてシートおよび丸ベルトを
得た。得られたシートおよび丸ベルトについて実施例1
と同様に下記〜の評価に供した。評価結果を併せて
表1に示す。
【0049】(評価項目) 硬度 実施例で得られたシートから試料を作成し、JIS K
6301に準じて、A型試験器を用いて測定した。
【0050】永久伸び JIS K6301に準じて、実施例で得られたシート
から試料を作成し、伸長率100%で永久伸びを測定し
た。
【0051】走行試験 −1耐引裂試験 図3に耐引裂試験に使用する耐久試験機の正面図を、図
4に耐久試験機の側面図を示す。この耐久試験機は、外
径20mmのプーリ3、4を、中心間距離134.53
mmに配置して構成されている。このプーリ3、4のベ
ルト取り付け部分には、プーリの円周方向に沿って直径
6mmの半円状の溝6が形成されている。搬送物による
外周部へのキズを想定して、丸ベルトの円周方向に沿っ
て、0.5mmのキズを入れた。このキズを入れた丸ベ
ルト5を、図3および図4に示すように伸長率5%で耐
久試験機のプーリ3、4間に架け渡して取り付けた。こ
の耐久試験機をベルト速度1.83m/秒で240時間
走行させた後、丸ベルト5のキズの進行状態を目視によ
り観察した。なお、試験は室温23℃、相対湿度60%
の恒温恒湿下で行った。
【0052】−2耐摩耗試験 キズの入っていない丸ベルトを、上記−1と同様の条
件で、上記−1と同様の耐久試験機に取り付けた。こ
の耐久試験機をベルト速度1.83m/秒で48時間走
行させた。走行中、鉄板をベルトに押し当てベルトが2
mm内側に押し込まれるようにした。試験前のベルト重
量と試験後のベルト重量との差を摩耗量、試験前のベル
ト重量に対する摩耗量を摩耗率とした。なお、試験は室
温23℃、相対湿度60%の恒温恒湿下で行った。
【0053】軸荷重保持率 キズの入っていない丸ベルトを、上記−1と同様の条
件で、上記−1と同様の耐久試験機に取り付けた。こ
の耐久試験機をベルト速度1.83m/秒で走行させ、
走行開始30秒後の荷重と48時間後の荷重をロードセ
ルで測定し、下式により軸荷重保持率を算出した。
【0054】
【数1】
【0055】
【表1】
【0056】表1において略記されたポリオールは、以
下のものを使用した:P(B+H)A、ポリライトOD
−X−2108(大日本インキ化学工業社製);P(E
+B)A 2000、ポリライトOD−X−2330
(大日本インキ化学工業社製);P(E+B)A 25
00、ニッポラン163(日本ポリウレタン工業社
製);P(NP+H)A、ニッポラン4070(日本ポ
リウレタン工業社製);PCL、プラクセル220N
(ダイセル化学工業社製);PMPA、クラポールP2
010(クラレ製);サイアナプレンA−8(武田薬品
工業社製);PBA、ニッポラン4010(日本ポリウ
レタン工業社製);PHA、ニッポラン4073(日本
ポリウレタン工業社製)。
【0057】表1に示すように、実施例1では永久伸び
が小さいので軸荷重保持率が良好であり、比較例1では
永久伸びが大いので軸荷重保持率が劣悪である。このよ
うに永久伸びが大きくなると、軸荷重保持率が悪化する
ので、ベルトが伸びたりプーリーでスリップが生じたり
するため、一定速度でベルトが走行しなくなる。軸荷重
保持率は80%以上が必要であり、そのためには永久伸
びが10%以下である必要がある。実施例4と比較例5
および6とを比較すると、特定の脂肪族コポリエステル
系ポリオールを用いる実施例4の永久伸びが、比較例5
および6に比べて非常に小さく顕著に優れていることが
明らかである。さらに、耐摩耗性に関しては、比較例
1、3および4は、摩耗率が実施例に比べて非常に大き
い。摩耗率に優れる比較例2については、耐引裂性が実
施例に比べて顕著に不十分である。また、比較例4は耐
引裂性が不十分である。以上のように、本発明のウレタ
ンベルトは、耐引裂性および耐摩耗性に優れている。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、優れた軸荷重保持率を
有し、耐引裂性および耐摩耗性に優れたポリウレタン製
ベルトが得られる。例えば、本発明のポリウレタン製ベ
ルトを搬送機に使用する場合には、搬送物によるベルト
表面のキズが成長しにくく、かつ、搬送物による摩耗が
少ない。従って、ベルト寿命が長い。このような本発明
のポリウレタン製ベルトは、平ベルト、表面異形平ベル
ト、丸ベルト、Vベルト、あるいは歯付きベルトなどの
形態で、搬送機やモーターの動力伝達ベルトなど広範囲
の用途に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である平ベルトを示す斜視
図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明のウレタンベルトの、耐引裂試験および
耐摩耗試験を行う装置の概略図である。
【図4】図3の装置におけるプーリの形状を示す側面図
である。
【符号の説明】
1 平ベルト 2 ニット繊維 3、4 プーリ 5 丸ベルト 6 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 29/00 - 29/10 F16G 1/14 - 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラフェニレンジイソシアネート、脂肪
    族コポリエステル系ポリオールおよび硬化剤を含有する
    樹脂組成物からなるポリウレタン製ベルトであって、 該脂肪族コポリエステル系ポリオールが、エチレングリ
    コール、テトラメチレングリコールおよびアジピン酸を
    共重合して得られるコポリエステル系ポリオール、テト
    ラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールおよ
    びアジピン酸を共重合して得られるコポリエステル系ポ
    リオール、および、ヘキサメチレングリコール、ネオペ
    ンチレングリコールおよびアジピン酸を共重合して得ら
    れるコポリエステル系ポリオールからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種であり、優れた軸荷重保持率を有
    し、耐引裂性および耐摩耗性に優れた、ポリウレタン製
    ベルト
  2. 【請求項2】 平ベルトであって、その内面側に補強剤
    としてニット繊維が埋設されている、請求項1に記載の
    ポリウレタン製ベルト。
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