JP3122886B2 - 複合化ポリ尿素エラストマー注型組成物 - Google Patents

複合化ポリ尿素エラストマー注型組成物

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JP3122886B2
JP3122886B2 JP02135639A JP13563990A JP3122886B2 JP 3122886 B2 JP3122886 B2 JP 3122886B2 JP 02135639 A JP02135639 A JP 02135639A JP 13563990 A JP13563990 A JP 13563990A JP 3122886 B2 JP3122886 B2 JP 3122886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、製紙、鉄鋼、事務機用ロール、キャスター
または一般成形品等に有用な所定の硬度で、かつ耐熱性
の優れる複合化ポリ尿素エラストマー注型組成物に関す
るものである。
(従来の技術) 従来、汎用タイプのロール用資材としては、強靱性か
つ高弾性を有するロールが求められており、ポリウレタ
ンウレアエラストマーやポリウレタンエラストマー等を
用いた場合、割れや蓄熱によるバースト等によりロール
が破損し十分なものはなかった。また特開昭63−202612
号公報において、強度、硬度、耐熱性の改良されたポリ
ウレアエラストマーが提案されているものの、弾性率に
おいていまだ十分では無かった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、硬度および強度が高く、耐熱性が優れ、ロ
ール、キャスター、ベルト等の工業部品に使用した場合
長期使用が可能な複合化ポリ尿素エラストマー注型組成
物を提供するものである。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、優れた物性および熱特性を示すポリ尿
素エラストマー組成物を製造するため鋭意研究を重ねた
結果、意外にもミルドファイバーを一般的(I)で表さ
れるアミン化合物および芳香族ジアミンからなるアミン
成分に分散させ、このアミン成分とポリイソシアネート
とを反応させることにより、高硬度で高強靱性を有し、
しかも耐熱性が優れた複合化ポリ尿素エラストマーが得
られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成し
た。
すなわち本発明は、一般式 (式中、Rはn価の平均分子量200以上のポリアルキレ
ンエーテルまたはポリアルキレンポリエステルを示す
が、ポリアルキレンの中に不飽和結合を含んでも良い。
またnは2〜3の整数を示す。)で表わされるアミン化
合物、芳香族ジアミンおよびミルドファイバーからなる
アミン成分と、ポリイソシアネートとを反応させてなる
ことを特徴とする複合化ポリ尿素エラストマー注型組成
物を提供するものである。
尚、例えば特開昭61−254617号公報に開示されている
ように、反応活性の高いポリオールとポリイソシアネー
トとを高圧で衝突混合させて型に注入し、型内で急激に
反応硬化させて得られるポリウレタンRIM(Reaction I
njection Mold)エラストマーについては、反応系内に
ミルドファイバーを含む充填材を加えることが提案され
ているが、いわゆる注型タイプのエラストマー、例えば
本願発明のような、あらかじめアミン成分とポリイソシ
アネートとを混合した後に型に注入し、型内で比較的緩
やかな速度で硬化させるために使用するタイプのポリ尿
素エラストマーに関しては、反応系内にミルドファイバ
ーを含む充填材を加えることについての提案は、一切な
されていない。
本発明で用いられる上記一般式(I)で示されるアミ
ン化合物は特公昭60−32641号公報および特開昭56−135
514号公報記載の方法により合成する事ができる。すな
わち一般式 (式中、Rおよびnは上記と同じ意味を示す。)で表さ
れるポリオール化合物もしくは末端アミノ基含有ポリオ
ール化合物とn等量のo−、m−もしくはp−ニトロベ
ンゾイルクロリドとを脱塩酸剤の存在下反応させて得ら
れたニトロ化合物を通常の方法で還元するか、または上
記一般式(II)で表されるポリオール化合物とn等量の
イサト酸無水物とを反応させることにより得られる。
本発明の方法で使用する上記一般式(I)で表される
アミン化合物を合成するに際して使用される上記一般式
(II)で表されるポリオール化合物としては、例えば脂
肪酸グリコールをジカルボン酸と縮合させ鎖長を延長さ
せて得られるポリエチレンアジペート、ポリブチレンア
ジペート、ポリプロピレンアジペート等の脂肪酸ポリエ
ステルグリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、テトラヒドロフラン等の開環重合によって得られ
るポリプロピレンエーテルグリコール、テトラメチレン
エーテルグリコールなどのポリアルキレンエーテルグリ
コール、ε−カプロラクトンの開環重合によって得られ
るポリエステルグリコールやポリブタジエンの末端基を
水酸基化したもの、2種以上のアルキレンオキシドの共
重合物、2種以上のグリコールとジカルボン酸との共重
合物および芳香族グリコールの混合物などの長鎖状ジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のポリオ
ールと脂肪族グリコールとジカルボン酸とを共重合させ
て得られるポリエステルポリオールあるいはグリセリ
ン、トリメチロール等のポリオールを開環剤として、エ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフ
ラン等の開環重合させて得られるポリエーテルポリオー
ルあるいは、ε−カプロラクトン等とテトラヒドロフラ
ン等を開環重合させることにより得られるポリアルキレ
ンエーテルエステルポリオール等を挙げることができ
る。また本発明では、既存のポリウレタンウレアエラス
トマーの製造におけるプレポリマー法と同様にポリオー
ル成分としてポリエーテルポリオールを使用するのがエ
ラストマーとしての物性に良好な結果を与える。
本発明の方法で使用する上記一般式(I)で表される
アミン化合物としては、例えば次のものが挙げられる。
ポリエチレングリコールビス(4−アミノベンゾエー
ト)、ポリエチレングリコールビス(2−アミノベンゾ
エート)、ポリエチレングリコールビス(3−アミノベ
ンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(4
−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコー
ルビス(2−アミノベンゾエート)、ポリプロピレング
リコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピ
レングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリ
(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールビス
(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシブチレングリ
コールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレ
ンエーテルグリセロールトリス(4−アミノベンゾエー
ト)、等を挙げることができる。これらの化合物は常に
中心部のアルキル基〔一般式(I)中のR〕の平均分子
量は200以上の範囲に入るものである。
本発明で用いられる芳香族ジアミンは、芳香環にハロ
ゲン原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコ
キシカルボニル基等の任意の置換基が導入されても良
い。
芳香族ジアミンの例としては、4,4′−メチレンビス
アニリン、4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリ
ン)、4,4′−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリ
ン)、(TCDAM)4,4′−メチレンビス(2,5−ジクロロ
アニリン)、4,4′−メチレンビス(2−メチルアニリ
ン)、4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン)、
4,4′−メチレンビス(2−イソプロピルアニリン)、
4,4′−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,
4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′
−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、
4,4′−メチレンビス(2−クロロ−6−メチルアニリ
ン)、4,4′−メチレンビス(2−クロロ−6−エチル
アニリン)、4,4′−メチレンビス(3−クロロ−2,6−
ジエチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−トリ
フルオロメチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2
−メトキシカルボニルアニリン)等のジアミノジフェニ
ルメタン系の芳香族ジアミン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフェニルスル
ホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホ
ン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、ビ
ス〔2−(2−アミノフェニルチオ)エチル〕テレフタ
レート等の酸素原子または硫黄原子含有芳香族ジアミ
ン、1,3−プロパンジオールビス(4−アミノベンゾエ
ート)、1,4−ブタンジオール(4−アミノベンゾエー
ト)、ジエチレングリコール(4−アミノベンゾエー
ト)、トリエチレングリコール(4−アミノベンゾエー
ト)、4−クロロ−3,5−ジアミノ安息香酸イソプロピ
ル、4−クロロ−3,5−ジアミノ安息香酸イソブチル等
のアミノ安息香酸エステル系芳香族ジアミン、2,4−ト
ルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチ
ル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−ト
ルエンジアミン、3,5−ジメチルチオール2,4−トルエン
ジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン
等のトルエンジアミン系の芳香族ジアミン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
ミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−アミノ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプ
ロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−
3−エチル−5−メチルフェニル)プロパン等のジアミ
ノジフェニルプロパン系の芳香族ジアミン、3,3′−ジ
アミノベンゾフェノン、m−もしくはp−キシリレンジ
アミン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
これらの芳香族ジアミンは単独であるいは混合物とし
て使用することができる。中でもジアミノジフェニルメ
タン系あるいはアミノ安息香酸エステル系の芳香族ジア
ミン等の使用が好ましい。
またミルドファイバーとしては、例えば、ガラスフィ
ラー、カーボンフィラー、ポリアミド繊維、ボロンフィ
ラーまたはアルミ、酸化チタンなどの金属繊維等が挙げ
られ、またこれらのミルドファイバーは、単独あるいは
混合して使用して差し支え無い。
また本発明において使用されるポリイソシアネート化
合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソ
シアネート(2,6−TDI)、およびこれらの2,4−TDIと2,
6−TDIの混合物、2,4−トリレンジイソシアネートの2
量体、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシ
リレンジイソシアネート(MXDI)、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、4,4′−ビフェニルジイソシアネート、ジフェニル
エーテル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジトルエ
ン−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、ジアニシジン
ジイソシアネート(DADI)、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、液状MDI3,3′−ジメチル−
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタン
トリイソシアネート(TTI)等通常ポリウレタンエラス
トマーの製造に使用されている任意のポリイソシアネー
トを使用することができる。
本発明において用いる芳香族ジアミンの割合は所望の
物性、作業性等によって異なるがアミン成分〔上記一般
式(I)で表されるアミン化合物と芳香族ジアミンの混
合物〕中、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40
重量%である。芳香族ジアミンが5重量%未満では得ら
れる複合化ポリ尿素エラストマーの物性が不十分であ
り、50重量%を越えると一般式(I)で表されるアミン
化合物と芳香族ジアミンとの混合溶液が液状を保ちにく
くなり、たとえ液状を保ったとしても高粘度となり取扱
および成形作業が困難となり、成形時、成形中にポリウ
レアの結晶が析出し均一な樹脂が得られないことがあ
る。
本発明において、アミン成分とミルドファイバーの混
合割合は、アミン成分:ミルドファイバー=100:2〜100
である。尚ミルドファイバーが50重量%を越えるとアミ
ン成分の粘度が上昇し、混合作業が困難となる。またミ
ルドファイバーは均一に分散しているのが好ましく、必
要により3本ロールで塗り込みを行うと良い。
本発明において一般式(I)で表されるアミン化合物
と芳香族ジアミンを含むアミン成分とイソシアネートの
混合割合は、通常アミノ基(−NH2)とイソシアネート
基(−NCO)のモル比−NH2/−NCOモル比が0.9〜1.5好ま
しくは1.0〜1.3である。
本発明の製造方法は次の通りである。すなわち、一般
式(I)で表されるアミン化合物に所定量の芳香族ジア
ミンを混合し、加熱し完全に溶解した後、このアミン成
分に所定量のミルドファイバーを練り込み均一に分散さ
せる。この混合液を10〜20mmHg減圧下で十分脱泡し、室
温まで冷却する。
次いで得られた混合液に所定のポリイソシアネートを
加えて十分混合した後脱泡し、これを予め100〜120℃に
加熱した金型に注入しその温度で数十分間硬化させる。
その後、成形物を金型より脱型し100〜180℃に設定した
オーブン中でアフターキュアーする。さらに室温で1週
間熟成して目的とする複合化ポリ尿素エラストマーを得
る。
本発明においては必要により、触媒を用いることがで
きる。その触媒としては、上記一般式(I)で表される
アミン化合物および芳香族ジアミンの混合液に溶解する
ものが好ましく、例えば次のものが挙げられる。例えば
トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、N−アルキルモルホリン、N−ペンタメチルジエチ
レントリアミン、N−ヘキサメチルトリエチレンテトラ
ミン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルベンジル
アミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチル
ピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N,N′,N′−
テトラメチレンエチルジアミン、N,N,N′,N′−テトラ
メチルプロピルジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル
−1,3−ブタンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン、N,N,N′,N″,N′−ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、N,N′,N″−トリス(ジアルキルアミ
ノアルキル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,8−ジ
アザ−ビシクロ−5,4,0−ウンデセン、1,8−ジアザ−ビ
シクロ−5,4,0−ウンデセン−メチルアンモニウムメト
サルフェイト等の第三級アミン類、アジリジニル化合物
が挙げられる。また、他の触媒として有機金属触媒が挙
げられ、このようなものとしてルイス酸触媒、例えばテ
トラ−n−ブチルスズ、トリ−n−ブチルスズアセテー
ト、n−ブチルスズトリクロライド、トリメチルスズハ
イドロオキサイド、ジメチルスズジクロライド、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキ
ソエート、スタナスオクトエートなどのような有機スズ
化合物、アセチルアセトン亜鉛塩、アセチルアセトンア
ルミニウム塩、アセチルアセトンコバルト塩等のような
アセチルアセトン金属塩、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸
鉛、カプリル酸鉛、ナフテン酸コバルト等のようなナフ
テン酸金属塩、フェニル水銀アセテート、フェニル水銀
オレート、フェニル水銀オクトエート、フェニル水銀ナ
フトエート等のような有機水銀化合物、鉛オクトエー
ト、鉛ナフタネート等のような有機鉛化合物または有機
ボレートエステルの塩基性金属塩および有機硼素化合
物、炭素数2〜12カルボン酸のアルカリ金属塩(酢酸カ
リウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸
カリウム、安息香酸ナトリウム等)、炭素数13以上のカ
ルボン酸のアルカリ金属塩(オレイン酸ナトリウム、リ
ノレン酸カリウム等)、ナトリウムフェノラートのよう
なカルボン酸以外の弱酸のアルカリ金属塩などの塩基性
物質、ナトリウムメトキシド、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド、アルカリ金属水酸化物などの強
塩基性物質、サリチルアルデヒドとカリウムのキレート
化合物で代表されるキレート化号物または助触媒(フェ
ノール類、エポキシド化合物、アルキルカーボネート類
等)。以上の触媒は、単独または混合物としても使用で
きる。触媒を使用する場合の使用量は上記一般式(I)
で表されるアミン化合物と芳香族ジアミンの混合液100
重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重
量部である。
更に本発明の方法においては、通常ポリウレタンエラ
ストマー等に使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、着
色防止剤、加水分解防止剤、防ばい剤、難燃化剤、着色
剤、増量剤などを、その複合化ポリ尿素エラストマーの
用途に応じて適宜添加することができる。
(発明の効果) 本発明は、一般式 (式中、Rはn価の平均分子量200以上のポリアルキレ
ンエーテルまたはポリアルキレンポリエステルを示す
が、ポリアルキレンの中に不飽和結合を含んでも良い。
またnは2〜3の整数を示す。)で表わされるアミン化
合物、芳香族ジアミンおよびミルドファイバーからなる
アミン成分と、ポリイソシアネートとを反応させるよう
にしたので、高硬度、高弾性で強度が高く、かつ温度に
よる弾性率の変化が小さいなどの優れた複合化ポリ尿素
エラストマー組成物が得られたものである。またミルド
ファイバーを選択することにより帯電防止、熱伝導率が
改良され外力によって起こる内部蓄熱の低減などの性能
を持たせることが可能になった。
本発明では、反応性の高いポリイソシアネートではな
く、アミン成分にミルドファイバーを入れて反応させる
ようにしたので、後述する比較例4において示されてい
るような、ポリイソシアネートにミルドファイバーを混
合して反応させる場合に見られる難点がない。
このように本発明の複合化ポリ尿素エラストマー組成
物は優れた性能を有するので、製紙、染色、もしくは鉄
鋼用ロール、プラスチック、合板、事務機用ローラ、キ
ャスター、ベルト等工業部品、簡易成型によるモデル試
作用樹脂などとして最適である。
(実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベン
ゾエート)〔一般式(I)のRに相当する分子量が970
のアミン化合物〕100重量部に対し4,4′−メチレンビス
(2−クロロアニリン)43重量部を混合し、加熱溶解後
室温に冷却した。次いでこのアミン成分にガラスフィラ
ー(RIM用平均カット長約0.1mm)39重量部を3本ロール
にて練り込み、脱泡した。
これに室温で液状MDIを73重量部混合脱泡し、これを1
00℃に予熱しておいた鋳型に注入し、20分で硬化させ脱
型した。次いでさらに強制通風オーブン中でアフターキ
ュアーさせた後室温で1週間熟成して複合化ポリ尿素エ
ラストマーを得た。このようにして得られた複合化ポリ
尿素エラストマーの物性、配合を第1表に示した。な
お、物性はJISK6301、6902の方法にしたがって測定し
た。また得られた複合化ポリ尿素エラストマーの貯蔵弾
性率の温度依存性を測定し、これを第1表に併せて示し
た。この試験方法は次の通りである。
粘弾性スペクトルメーター(岩本製作所製:VES−F II
I)を使用し、昇温速度3℃/分、周波数10Hzの条件で
測定した。貯蔵弾性率(E′)の0℃における値を100
としたときの150℃における値を保持率として示した。
実施例2〜8 ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベン
ゾエート)に対する芳香族ジアミンおよび芳香族ポリイ
ソシアネートあるいはミルドファイバーの種類もしくは
量を変え、他は実施例1と同様にして複合化ポリ尿素エ
ラストマーを製造した。得られた複合化ポリ尿素エラス
トマーの物性、配合を第1表に示した。
比較例1 ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベン
ゾエート)100重量部に対し4,4′−メチレンビス(2−
クロロアニリン)43重量部を混合したアミン成分に、ミ
ルドファイバーを入れずに液状MDIを73重量部混合し、
実施例1と同様にしてポリ尿素エラストマーを得た。こ
のようにして得られた複合ポリ尿素エラストマーの物
性、配合を第1表に示した。
比較例2 ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベン
ゾエート)に対する芳香族ジアミンの量を変え比較例1
と同様にしてポリ尿素エラストマーを得た。このように
して得られた複合化ポリ尿素エラストマーの物性、配合
を第1表に示した。
比較例3 ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベン
ゾエート)100重量部に対し4,4′−メチレンビス(2−
クロロアニリン)43重量部を混合したアミン成分に、カ
ーボンブラックHAF5重量部を三本ロールを使って練り込
んだところ、粘度上昇が大きく、常温粘度測定したとこ
ろ約10万cpsであり成型できなかった。
比較例4 MDIプレポリマー〔MDIとポリテトラメチレングリコー
ルを反応させNCO含有量5.3重量%に調整したもの。〕10
0重量部に対しガラスフィラー(RIM用平均カット長約0.
1mm)20.5重量部を混ぜ込み、4,4′−メチレンビス(2
−クロロアニリン)16重量部で硬化させ実施例1と同様
にしてポリウレタンウレアエラストマーを製造したが、
ガラスフィラーの分散が不十分で全く性能がでなかっ
た。またガラスフィラーを混合したプレポリマーを窒素
パージし密栓して置いたがイソシアネートの、水分によ
る失活が見られた。この様にポリウレタンウレアエラス
トマー等にミルドファイバーを添加しても、十分な性能
を有するエラストマーを得ることはできなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 75/00 - 75/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rはn価の平均分子量200以上のポリアルキレ
    ンエーテルまたはポリアルキレンポリエステルを示す
    が、ポリアルキレンの中に不飽和結合を含んでも良い。
    またnは2〜3の整数を示す。)で表わされるアミン化
    合物、芳香族ジアミンおよびミルドファイバーからなる
    アミン成分と、ポリイソシアネートとを反応させてなる
    ことを特徴とする複合化ポリ尿素エラストマー注型組成
    物。
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