JP3291593B2 - 導電性ポリ尿素エラストマー - Google Patents

導電性ポリ尿素エラストマー

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JP3291593B2
JP3291593B2 JP10197993A JP10197993A JP3291593B2 JP 3291593 B2 JP3291593 B2 JP 3291593B2 JP 10197993 A JP10197993 A JP 10197993A JP 10197993 A JP10197993 A JP 10197993A JP 3291593 B2 JP3291593 B2 JP 3291593B2
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兼良 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙、鉄鋼、事務機用
ロール、キャスターまたは一般成形品等に有用な、所定
の硬度で、耐熱性があり、かつ導電性も優れる複合化ポ
リ尿素エラストマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに本発明者らは特開平4−31
417号においてカーボンファイバーによる複合化ポリ
尿素エラストマーを、特開平5−125139号におい
て金属粉末および粒状カーボンによる複合化ポリ尿素エ
ラストマーをそれぞれ提案したが、これらの複合化ポリ
尿素エラストマーは、導電性においては未だ不十分であ
り、帯電を嫌う用途に適用する場合、問題を生じること
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬度および
強度が高く、耐熱性があり、ロール、キャスター等の工
業部品に使用した場合に長期使用が可能で、しかも導電
性が改良され、帯電を防止するという性能をも併せ持つ
複合化ポリ尿素エラストマーを提供するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、優れた物
性、熱特性を維持しながら、さらに、優れた導電性をも
有する複合化ポリ尿素エラストマーを製造するため鋭意
研究を重ねた結果、意外にも金属被覆粒状フィラーを、
下記一般式(化2)で表されるアミン化合物および芳香
族ジアミンからなるアミン成分に混合し、分散した後、
ポリイソシアナートと反応させることにより、高硬度で
耐熱性に優れ、しかも導電性にも優れた複合化ポリ尿素
エラストマーが得られることを見出し、この知見に基づ
き本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、一般式
【0006】
【化2】 (式中、Rはn価で、ポリアルキレンの中に不飽和結合
を含んでも良い平均分子量200以上の、ポリアルキレ
ンポリエーテルまたはポリアルキレンポリエステルを表
し、nは2または3を表す。)
【0007】で表されるアミン化合物および芳香族ジア
ミンからなるアミン成分に、金属被覆粒状フィラーを混
合し、ポリイソシアナート成分と反応させることを特徴
とする複合化ポリ尿素エラストマーを提供するものであ
る。
【0008】本発明複合化ポリ尿素エラストマーは、一
般式(化2)で表されるアミン化合物および芳香族ジア
ミンからなるアミン成分に金属被覆粒状フィラーを混合
し、ポリイソシアナートと反応させることにより簡便に
製造でき、高硬度、高弾性で圧縮強度が高く、かつ温度
による弾性率の変化が小さいという優れた物性および熱
特性を維持しながら、さらに優れた導電性をも有してい
る。従って本発明複合化ポリ尿素エラストマーは、製
紙、染色、もしくは鉄鋼用ロール、プラスチック、合
板、事務機用ローラ、キャスター等の工業部品、簡易型
用樹脂などの、帯電を嫌うため導電性の必要な用途に好
適なものである。
【0009】本発明複合化ポリ尿素エラストマーは、例
えば次の方法により製造することができる。
【0010】すなわち、まず、一般式(化2)で表され
るアミン化合物に所定量の芳香族ジアミンを混合し、加
熱して完全に溶解しアミン成分を得る。その後、このア
ミン成分に所定量の金属被覆粒状フィラーを混合し均一
に分散させる。この混合液を10〜20mmHgの減圧下で
十分脱泡し、室温まで冷却する。
【0011】次いで、得られた混合液に所定のポリイソ
シアナートを加えて十分混合したのち脱泡し、これを予
め80〜120℃に加熱した金型に注入し、その温度で
数十分間反応、硬化させる。その後、成形物を金型より
脱型し、100〜180℃に設定したオーブン中でアフ
ターキュアーする。さらに室温で1週間程度熟成するこ
とにより目的とする高硬度、高弾性、高圧縮強度、高耐
熱性で、かつ導電性を有する複合化ポリ尿素エラストマ
ーを得ることができる。
【0012】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において使用するアミン成分は、一般式(化2)で表さ
れるアミン化合物と芳香族ジアミンからなる。
【0013】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において使用するアミン成分を構成する一般式(化2)
で表されるアミン化合物としては、具体的には例えばポ
リエチレンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾ
エート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールビス
(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテル
グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(オ
キシエチレン−オキシプロピレン)グリコールビス(4
−アミノベンゾエート)、ポリオキシブチレングリコー
ルビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレンエ
ーテルグリセロールトリス(4−アミノベンゾエート)
等を挙げることができる。
【0014】これらのアミン化合物は単独で、あるいは
2種以上を混合して使用することができる。
【0015】これらのアミン化合物において、中心部の
ポリアルキレンポリエーテルまたはポリアルキレンポリ
エステル〔一般式(化2)中のRで表わされる部分構
造〕の平均分子量は常に200以上の範囲に入るもので
ある。
【0016】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において使用するアミン成分を構成する芳香族ジアミン
は、その芳香環に例えばハロゲン原子、アルキル基、ト
リフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基等の任意
の置換基が1個以上導入されていても良く、複数の置換
基が導入されている場合の導入されている置換基は同一
または異なっていても良い。
【0017】このような芳香族ジアミンとしては、一般
【0018】
【化3】 (式中、X、Yはそれぞれ独立にハロゲン原子、分岐し
ても良いアルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキ
シカルボニル基,または水素原子を表し、n’,mはそ
れぞれ独立に1から4の整数を表わし、n’および/ま
たはmが2以上のとき,X、Yはそれぞれ独立に同一ま
たは相異なっても良い。)
【0019】で表されるジアミノジフェニルメタン系の
芳香族ジアミン、具体的には4,4’−メチレンビスア
ニリン、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリ
ン)、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニ
リン)(TCDAM)、4,4’−メチレンビス(2,
5−ジクロロアニリン)、4,4’−メチレンビス(2
−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エ
チルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプ
ロピルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−
ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6
−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−
エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビ
ス(2−クロロ−6−メチルアニリン)、4,4’−メ
チレンビス(2−クロロ−6−エチルアニリン)、4,
4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルア
ニリン)、4,4’−メチレンビス(2−トリフルオロ
メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−メト
キシカルボニルアニリン)等のジアミノジフェニルメタ
ン系の芳香族ジアミン、一般式
【0020】
【化4】 {式中、Aは基〔−CO−O−(CH2i−O−CO
−〕または基〔−CO−(OCH2CH2i−O−CO
−〕(ただし iは1から4の整数を表わす。)を表わ
し,X、Y、n’、mは前記と同じ意味を表し、n’お
よび/またはmが2以上のとき,X、Yはそれぞれ独立
に同一または相異なっても良い。}
【0021】または、一般式
【0022】
【化5】 (式中、R’は分岐しても良い低級アルキル基を表わ
し、n”は1から3の整数を表わし、Xは前記と同じ意
味を表す。)
【0023】で表されるアミノ安息香酸エステル系の芳
香族ジアミン、具体的には1,3−プロパンジオールビ
ス(4−アミノベンゾエート)、1,4−ブタンジオー
ル(4−アミノベンゾエート)、ジエチレングリコール
(4−アミノベンゾエート)、トリエチレングリコール
(4−アミノベンゾエート)、4−クロロ−3,5−ジ
アミノ安息香酸イソプロピル、4−クロロ−3,5−ジ
アミノ安息香酸イソブチル等のアミノ安息香酸エステル
系芳香族ジアミンを挙げることができる。
【0024】さらに、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニ
ルスルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ス
ルホン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタ
ン、ビス〔2−(2−アミノフェニルチオ)エチル〕テ
レフタレート等の酸素原子または硫黄原子を含有する芳
香族ジアミン類、2,4−トルエンジアミン、2,6−
トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエ
ンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジア
ミン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミ
ン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン
等のトルエンジアミン系の芳香族ジアミン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−アミノ−3−イソプロピルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチルフ
ェニル)プロパン等のジアミノジフェニルプロパン系の
芳香族ジアミン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
m−もしくはp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミ
ン類も、本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造にお
いて用いられるアミン成分を構成する芳香族ジアミンの
具体例として挙げられる。
【0025】これらの芳香族ジアミンは単独で、あるい
は2種以上を混合して使用することができ、中でもジア
ミノジフェニルメタン系、あるいはアミノ安息香酸エス
テル系の芳香族ジアミン類の使用が好ましい。
【0026】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において使用するアミン成分は、一般式(化2)で表さ
れるアミン化合物と芳香族ジアミンからなり、両者の割
合は所望の物性、作業性等によって異なるが、通常、ア
ミン成分中の芳香族ジアミンの割合が5〜70重量%、
好ましくは10〜60重量%である。
【0027】芳香族ジアミンが5重量%未満では得られ
る複合化ポリ尿素エラストマーの物性が不十分であり、
70重量%を越えると一般式(化2)で表されるアミン
化合物と芳香族ジアミンとの混合溶液(アミン成分)が
液状を保ちにくくなり、たとえ液状を保ったとしても高
粘度となって、取扱および成形作業が困難となり、成形
時、成形中にポリウレアの結晶が析出し均一な樹脂が得
られないことがある。
【0028】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において使用する金属被覆粒状フィラーとしては、例え
ばグラファイト、ガラスビーズ、セラミックバルーン、
ガラスバルーン等の粒状フィラーを、例えば金、銀、ニ
ッケル、パラジウム等の金属を用いて被覆したものを使
用できる。
【0029】このような金属被覆粒状フィラーとして
は、具体的には例えばニッケルコーティンググラファイ
ト、銀コーティングセラミックバルーン等を挙げること
ができる。
【0030】更に、これらの金属被覆粒状フィラーは単
独で、あるいは2種以上を混合して使用して差し支え無
い。
【0031】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において、アミン成分と金属被覆粒状フィラーの混合割
合は、用いるアミン成分および金属被覆粒状フィラーの
種類により異なるが、体積比でアミン成分:金属被覆粒
状フィラー=100:1〜100:100の範囲であれ
ばよい。
【0032】なお、アミン成分と金属被覆粒状フィラー
の混合物中、金属被覆粒状フィラーの割合が50体積%
を越えると、アミン成分の粘度が上昇し、取扱いが困難
となる。
【0033】また、金属被覆粒状フィラーは、通常はア
ミン成分中に均一に分散しているのが好ましいが、逆に
意図的に偏らせる事で、特長を持たせることもできる。
【0034】また本発明複合化ポリ尿素エラストマーの
製造において使用されるポリイソシアナート成分として
は、例えばヘキサメチレンジイソシアナート(HMD
I)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナ
ート、シクロヘキサンジイソシアナート、2,4−トリ
レンジイソシアナート(2,4−TDI)、2,6−ト
リレンジイソシアナート(2,6−TDI)、2,4−
TDIと2,6−TDIとの混合物、2,4−トリレン
ジイソシアナートの2量体、キシリレンジイソシアナー
ト(XDI)、水添XDI、メタキシリレンジイソシア
ナート(MXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシ
アナート、イソホロンジイソシアナート、(IPD
I)、m−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ビ
フェニルジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,
4’−ジイソシアナート、3,3’−ジトルエン−4,
4’−ジイソシアナート(TODI)、ジアニシジンジ
イソシアナート(DADI)、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアナート(MDI)、液状MDI(4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを一部カルボ
ジイミド変性して液状化したもの)、水添MDI、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート(ND
I)、トリフェニルメタントリイソシアナート(TT
I)等の、ポリウレタンエラストマーの製造に通常使用
されている任意のポリイソシアナートを使用することが
できる。
【0035】なお、これらのポリイソシアナートは単独
で、あるいは2種以上を混合して使用して差し支え無
い。
【0036】本発明複合化ポリ尿素エラストマーの製造
において、アミン成分〔一般式(化2)で表されるアミ
ン化合物と芳香族ジアミンからなる〕とイソシアナート
成分との混合割合は、イソシアナート基(−NCO)と
アミノ基(−NH2 )とのモル比、すなわち−NCO/
−NH2 の値が、通常0.9〜1.5、好ましくは1.
0〜1.3であればよい。
【0037】なお、本発明複合化ポリ尿素エラストマー
の製造においては、必要により触媒を用いることができ
る。
【0038】その触媒としては、上記一般式(化2)で
表されるアミン化合物および芳香族ジアミンの混合液
(アミン成分)に溶解するものが好ましい。
【0039】このような触媒としては、具体的には例え
ばトリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、トリブチルアミン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、N−アルキルモルホリン、N−ペンタメチルジエ
チレントリアミン、N−ヘキサメチルトリエチレンテト
ラミン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル
ベンジルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、
N,N−ジメチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラ
ジン、N,N,N’,N’−テトラメチレンエチルジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピルジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブ
タンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキ
サメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペン
タメチルジエチレントリアミン、トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール、N,N’,N”−トリス(ジア
ルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−s−トリアジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−
7−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセン−メチルアンモニウムメトサルフェート等の第三
級アミン類、アジリジニル化合物等が挙げられる。
【0040】また、これらの触媒の他に有機金属触媒も
同様な目的で用いることができる。
【0041】このような有機金属触媒としては例えばテ
トラ−n−ブチルスズ、トリ−n−ブチルスズアセテー
ト、n−ブチルスズトリクロリド、トリメチルスズヒド
ロキシド、ジメチルスズジクロリド、ジブチルスズジラ
ウレート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキソエート、
スタナスオクトエートなどの有機スズ化合物、アセチル
アセトン亜鉛塩、アセチルアセトンアルミニウム塩、ア
セチルアセトンコバルト塩等のようなアセチルアセトン
金属塩、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉛、カプリル酸
鉛、ナフテン酸コバルト等のようなナフテン酸金属塩、
フェニル水銀アセテート、フェニル水銀オレート、フェ
ニル水銀オクトエート、フェニル水銀ナフトエート等の
ような有機水銀化合物、鉛オクトエート、鉛ナフタネー
ト等のような有機鉛化合物、または有機ボレートエステ
ルの塩基性金属塩および有機硼素化合物、炭素数2〜1
2のカルボン酸のアルカリ金属塩(例えば酢酸カリウ
ム、プロピオン酸カリウム、2−エチルヘキサンカリウ
ム、安息香酸ナトリウム等)、炭素数13以上のカルボ
ン酸のアルカリ金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム、
リノール酸カリウム等)、ナトリウムフェノラートのよ
うなカルボン酸以外の弱酸のアルカリ金属塩などの塩基
性物質、ナトリウムメトキシド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシド、アルカリ金属水酸化物などの
強塩基性物質、サルチルアルデヒドとカリウムのキレー
ト化合物で代表されるキレート化合物または助触媒(例
えばフェノール類、エポキシド化合物、アルキルカーボ
ネート類等)等を挙げることができる。
【0042】これらの触媒は、単独で、または2種以上
を混合して使用して差し支えない。
【0043】触媒を使用する場合の使用量は、前記一般
式(化2)で表されるアミン化合物と芳香族ジアミンか
らなるアミン成分100重量部に対し、0.01〜5重
量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0044】さらに本発明複合化ポリ尿素エラストマー
の製造においては、通常ポリウレタンエラストマー等に
使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、加
水分解防止剤、防ばい剤、難燃化剤、着色剤、増量剤な
どを、得られる複合化ポリ尿素エラストマーの用途に応
じて適宜添加することができる。
【0045】なお、本発明複合化ポリ尿素エラストマー
に用いられる前記一般式(化2)で示されるアミン化合
物は、例えば特公昭60−32641号公報および特開
昭56−135514号公報記載の方法により合成する
事ができる。
【0046】すなわち一般式
【0047】
【化6】 (式中、Rおよびnは上記と同じ意味を表す。)
【0048】で表されるポリオ−ル化合物、もしくは末
端アミノ基含有ポリオ−ル化合物とn等量のo−、m−
もしくはp−ニトロベンゾイルクロリドとを脱塩酸剤の
存在下反応させて得られたニトロ化合物を通常の方法で
還元するか、または上記一般式(化6)で表されるポリ
オ−ル化合物とn当量のイサト酸無水物とを反応させる
ことにより得られる。
【0049】また一般式(化6)で表されるポリオ−ル
化合物とn当量のo−、m−もしくはp−アミノ安息香
酸アルキルエステルのエステル交換反応によって得るこ
ともでき、この反応においてはアミノ安息香酸アルキル
エステルの代わりにアミノ安息香酸と脂肪族アルコール
を用いることもできる。
【0050】このようにして製造される前記一般式(化
2)で表されるアミン化合物は、その製造に際して一部
末端基として未反応の水酸基が残る場合もあるが、その
水酸基の量が少量であれば、そのまま使用しても差し支
えない。
【0051】なお、ここで一般式(化6)で表されるポ
リオ−ル化合物としては、例えば脂肪族グリコールをジ
カルボン酸と縮合させ鎖長を延長させて得られるポリエ
チレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリプロ
ピレンアジペート等の脂肪族ポリエステルグリコール
類、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒ
ドロフラン等の、ポリアルキレンオキシドまたはポリア
ルキレン分子内エーテルの開環重合によって得られる、
ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールなどのポリアルキレンエーテルグ
リコール類、ε−カプロラクトンの開環重合によって得
られるポリエステルグリコール類、ポリブタジエンの末
端基を水酸基化したもの、2種以上のアルキレンオキシ
ドの共重合物を2種以上のグリコールとジカルボン酸と
の共重合物類および芳香族グリコールの混合物などの長
鎖状ジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン
等のポリオールと脂肪族グリコールとジカルボン酸とを
共重合させて得られるポリエステルポリオール、あるい
はグリセリン、トリメチロール等のポリオールを開始剤
として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テト
ラヒドロフラン等を開環重合させて得られるポリアルキ
レンポリエーテルポリオール、あるいはε−カプロラク
トン等とテトラヒドロフラン等を開環重合させることに
より得られるポリアルキレンエーテルエステルポリオー
ル等を挙げることができる。
【0052】また本発明では、既存のポリウレタンウレ
アエラストマーの製造におけるプレポリマー法に用いら
れるポリオール類を使用することもできる。
【0053】
【発明の効果】本発明は、一般式(化2)で表されるア
ミン化合物および芳香族ジアミンからなるアミン成分に
金属被覆粒状フィラーを混合し、ポリイソシアナートと
反応させることにより簡便に得られる、高硬度、高弾性
で圧縮強度が高く、かつ温度による弾性率の変化が小さ
いという優れた物性および熱特性を維持しながら、さら
に優れた導電性をも有する複合化ポリ尿素エラストマー
を提供するものである。
【0054】本発明の複合化ポリ尿素エラストマーは上
記のような優れた性能を有するので、帯電を嫌う、製
紙、染色、もしくは鉄鋼用ロール、プラスチック、合
板、事務機用ローラ、キャスター等の工業部品、あるい
は簡易型用樹脂などの、導電性の必要な用途に好適なも
のである。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0056】(製造例)まず以下に一般式(化2)で表
されるアミン化合物の製造について記載する。
【0057】(製造例1)温度計、冷却管、滴下ロート
および攪拌機を備えた5l −四つ口フラスコに、平均分
子量970のポリテトラメチレンエーテルグリコール9
70g (1.0モル)、トリエチルアミン242.5g
(2.4モル)およびトルエン1l を仕込んだ。一方、
p−ニトロベンゾイルクロリド390g (2.1モル)
をトルエン1l に溶解し、滴下溶液を調製した。上記の
反応液を攪拌下、40〜50℃に加熱しておき、上で調
製した滴下溶液を1時間で滴下した。滴下終了後、反応
液を加熱昇温させ、還流下1.5時間熟成反応を行なっ
た。放冷後、反応液を濾過し、析出しているトリエチル
アミンの塩酸塩を除いた。濾液を5%の炭酸カリウム水
溶液および水で水洗し、減圧下濃縮し、黄色透明粘稠液
体のジニトロ中間体を得た。収量は1217.5g 、収
率は96.0%であった。
【0058】次いで、温度計、冷却管、滴下ロートおよ
び攪拌機を備えた10l −四つ口フラスコに、鉄粉61
4g(11.0モル)、触媒の酢酸30g、そして溶剤
のトルエンおよび水を各々2.5l 、1l 仕込んだ。一
方、上記の反応で得たジニトロ中間体の全量をトルエン
1l に溶解し滴下溶液を調製した。反応液をオイルバス
で加熱し攪拌しながら還流下、この滴下溶液を1.5時
間で滴下した。滴下終了後、同温度で5時間熟成し反応
を終了した。次いで得られた反応混合物に炭酸水素ナト
リウムを加えて酢酸を中和した後、熱時濾過して鉄スラ
ッジを除き、さらに分液によって水を分離した。濾液を
水で洗浄し減圧下濃縮し、目的とするポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾエート)
を得た。
【0059】目的物は淡黄褐色透明粘稠液体で、収量は
1078.7g 、収率は93.0%であった。
【0060】このようにして得られた一般式(化2)で
表されるアミン化合物のアミン価は89.0 KOHmg
/g、また、水酸基価は2.3 KOHmg/gであった。
【0061】なお、アミン価は、試料の溶解液を酢酸に
変更した以外はJIS K 7237の方法で、また、
水酸基価は、JIS K 0070の方法でそれぞれ測
定した。
【0062】(製造例2)温度計、冷却管を付けた水分
離器および攪拌機を備えた1l 四つ口フラスコに平均分
子量970のポリテトラメチレンエーテルグリコール1
94g (0.2モル)、p−アミノ安息香酸エチル6
5.9g (0.4モル)、テトラブチルチタネート0.
018gを仕込んだ。反応液を窒素気流下、攪拌しなが
ら200℃まで加熱しエチルアルコールを留出させた。
留出したエチルアルコールは理論量の82%であった。
さらに215℃まで温度を上げ2時間熟成した後、減圧
下で未反応のp−アミノ安息香酸エチルを留去し、目的
とするポリテトラメチレンエーテルグリコールビス(4
−アミノベンゾエート)を得た。
【0063】目的物は褐色粘稠液体で、収量は224.
7g 、収率は93.0%であった。
【0064】なお、製造例1と同様にして測定したアミ
ン価は81.4 KOHmg/g、水酸基価は14.5 K
OHmg/gであった。
【0065】(実施例1)製造例1で得たポリテトラメ
チレンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾエー
ト)100重量部に対し4,4’−メチレンビス(2−
クロロアニリン)43重量部を混合し、次いでこのアミ
ン成分にニッケルコーティンググラファイト〔日興ファ
インプロダクツ(株)製、平均粒径99μm〕72重量
部を混合し、加温状態で脱泡した。これに室温で液状M
DIを73重量部混合脱泡し、これを100℃に予熱し
ておいた鋳型に注入し、20分で硬化させ脱型した。次
いでさらに強制通風オーブン中でアフターキュアーさせ
たのち、室温で1週間熟成して複合化ポリ尿素エラスト
マーを得た。
【0066】このようにして得られた複合化ポリ尿素エ
ラストマーの物性、配合を後記(表1)に示した。
【0067】なお、物性はJIS K 6301、JI
S K 6902、及びASTMD 257の方法にし
たがって測定した。
【0068】また、得られた複合化ポリ尿素エラストマ
ーの圧縮歪みは、500kg/cm2 の荷重が懸かった時の
歪み量の、元の厚さに対する百分率で表した。
【0069】
【表1】
【0070】(実施例2)製造例1で得たポリテトラメ
チレンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾエー
ト)100重量部の代わりに、製造例2で得たポリテト
ラメチレンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾ
エート)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様
にして複合化ポリ尿素エラストマーを得た。
【0071】得られた複合化ポリ尿素エラストマーの物
性、配合を(表1)に示した。
【0072】(実施例3)ニッケルコーティンググラフ
ァイト72重量部の代わりに、METALITESil
ver SF−20(The PQ Corporat
ion 製、銀コーティングセラミックバルーン、粒径
10〜75μm)38重量部を用いた以外は、実施例1
と同様にしてポリ尿素エラストマーを得た。
【0073】得られた複合化ポリ尿素エラストマーの物
性、配合を(表1)に示した。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08K 9/02 C08L 75/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rはn価で、ポリアルキレンの中に不飽和結合
    を含んでも良い平均分子量200以上の、ポリアルキレ
    ンポリエーテルまたはポリアルキレンポリエステルを表
    し、nは2または3を表す。)で表されるアミン化合物
    および芳香族ジアミンからなるアミン成分に、金属被覆
    粒状フィラーを混合し、ポリイソシアナート成分と反応
    させることを特徴とする複合化ポリ尿素エラストマー。
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