JPH115637A - 紙葉類搬送用ロール - Google Patents

紙葉類搬送用ロール

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JPH115637A
JPH115637A JP9156837A JP15683797A JPH115637A JP H115637 A JPH115637 A JP H115637A JP 9156837 A JP9156837 A JP 9156837A JP 15683797 A JP15683797 A JP 15683797A JP H115637 A JPH115637 A JP H115637A
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JP
Japan
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caprolactone
diol
poly
polyol
chain
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JP9156837A
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English (en)
Inventor
Kanichi Okubo
寛一 大久保
Hitoshi Shirasaka
仁 白坂
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Hokushin Industries Corp
Hokushin Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokushin Industries Corp
Hokushin Industry Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2404/00Parts for transporting or guiding the handled material
    • B65H2404/10Rollers

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  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のゴム製造設備を使用して製造すること
ができ、また、可塑剤を自由に添加することにより所望
の低ゴム硬度のロールを容易に得ることができ、その結
果、所望の性能を有して長期に亘って安定して行うこと
ができる紙葉類搬送用ロールを提供する。 【解決手段】 ポリエステルポリオールを主体とするポ
リオールとポリイソシアネートとの反応から得られる混
練型ポリウレタンを架橋・成形してなる、紙葉類を搬送
するための紙葉類搬送用ロールであって、前記ポリオー
ル中のエステル基部分の割合を45重量%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の事務機器、自動改札機、現金預金支払機、両替機、
自動発券機等において、記録用紙、紙幣、磁気カード、
切符等の紙葉類に押圧されて、当該紙葉類を搬送するた
めの紙葉類搬送用ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機、プリンタ等の事務機
器、あるいは自動改札機、現金預金支払機、両替機、自
動発券機等において、記録用紙、紙幣、磁気カード、切
符等は、回転自在に支持されて、必要に応じて回転駆動
されるロールを押圧することにより搬送される。
【0003】この種のロールには、従来、注型タイプの
ポリウレタン材料が使用されている。
【0004】しかしながら、通常のエステル系ポリウレ
タンでは、加水分解による劣化、又は低温時での結晶化
により、長期に亘っての搬送性に不具合が生じるという
問題がある。
【0005】さらに、注型タイプのポリウレタンでは、
通常のゴム設備が使用できず、製造コストが一般のゴム
ロールより高いという問題もある。
【0006】一方、通常のゴム設備が使用できるポリウ
レタンとして、混練型ポリウレタンが知られている。し
かしながら、かかるウレタン材料においては、耐油性が
よいために、可塑剤が、10〜20部程度までしか入り
にくかった。したがって、実際の配合上、可塑剤を多量
に含有させて低硬度ポリウレタンを製造した場合には、
ブリード等が発生することにより、スリップ現象等が発
生し、使用できないことが多々ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこの
ような事情に鑑み、通常のゴム製造設備を使用して製造
することができ、また、可塑剤を自由に添加することに
より所望の低ゴム硬度のロールを容易に得ることがで
き、その結果、所望の性能を有して長期に亘って安定し
て行うことができる紙葉類搬送用ロールを提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成する本発
明の第1の態様は、ポリエステルポリオールを主体とす
るポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られ
る混練型ポリウレタンを架橋・成形してなる、紙葉類を
搬送するための紙葉類搬送用ロールであって、前記ポリ
オール中のエステル基部分の割合が45重量%以下であ
ることを特徴とする紙葉類搬送用ロールにある。
【0009】特に、前記混練型ポリウレタンが、エステ
ル系可塑剤を含有することを特徴とする紙葉類搬送用ロ
ールにある。
【0010】ここで、前記エステル系可塑剤は、例え
ば、20〜50重量%含有させることができる。
【0011】特に、前記ポリエステルポリオールが、下
記式(1)で示されるポリ−ε−カプロラクトン系ジオ
ールであり、当該ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
におけるカプロラクトン連鎖の平均値が所定の範囲に制
御され、当該ポリ−ε−カプロラクトン系ジオールのカ
プロラクトン連鎖部分の分子量分布Mw/Mnが1.0
〜1.5であり、当該ウレタン結合を含むイソシアネー
トユニットと下記式(I)におけるRとの影響により前
記カプロラクトン連鎖の結晶性が阻害されているのが好
ましい。
【0012】
【化2】
【0013】(ここで、[ ]内はカプロラクトン連鎖
部を示し、mおよびnが連鎖の数を示し、Rは重合開始
剤R(OH)2に由来する) また、紙葉類搬送用ロールのゴム硬度は、例えば、JI
S Aで20〜80である。
【0014】本発明で用いる混練型ポリウレタンは、ポ
リオールとポリイソシアネートとを反応することにより
得ることができるものであるが、ポリオールのエステル
結合部分の割合が、45重量%以下のものである。この
ようなポリオールとしては、ポリ−ε−カプロラクトン
系ジオールを主成分としたものがあるが、その他、例え
ば、3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート
系ポリオールで、当該ポリオール中のメチルペンタンジ
オール/アジピン酸の比が70%以上であり、当該ポリ
オールの数平均分子量が1500〜5000の範囲にあ
るものなどを挙げることができる。
【0015】しかしながら、強度、耐摩耗性の点で、ポ
リ−ε−カプロラクトン系ジオールを主成分とするもの
が好適である。しかしながら、ポリカプロラクトンは、
結晶性が強いため、低硬度品に使用することは低温時の
結晶化のため困難である。
【0016】本発明は、ラクトンユニットを維持しなが
ら結晶性を制御することを可能にするものであり、低硬
度、耐摩耗性の実現と、エステル基濃度が39重量%と
少ないことによるエステル系可塑剤との相溶性向上との
両立を図ったものである。
【0017】ここで、エステル系可塑剤としては、ジイ
ソオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジイロ
オクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレートなど
の汎用の可塑剤を挙げることができる。
【0018】また、ポリ−ε−カプロラクトン系ジオー
ルとは、活性水素を有する重合開始剤の存在下に、ε−
カプロラクトンを開環重合して得られるものであり、上
記式(I)で示すことができ、本発明では、その中で、
カプロラクトン連鎖の平均値(下記mおよびnの平均
値)が所定の範囲、すなわち、重合開始剤の種類によっ
て、例えば、3〜6又は4〜8の範囲にあり、且つその
カプロラクトン連鎖部分の分子量分布Mw/Mnが1.
0〜1.5という極めて限定されたのものを用いる。
【0019】すなわち、重合開始剤R(OH)2が、炭
素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグリコ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの炭
素数12以下の側鎖を有するジオール類;および3−ア
リルオキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数1
2以下の不飽和基を有するジオール類からなる群から選
択される少なくとも一種の場合には、前記カプロラクト
ン連鎖の平均値が3〜6の範囲に制御されているのが好
ましい。
【0020】また、重合開始剤R(OH)2が、1,4
−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレン
グリコールなどの芳香族環を含む炭素数12以下のジオ
ール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール等の脂環式ジオール類からなる群から選ばれる
少なくとも一種の場合には、前記カプロラクトン連鎖の
平均値が4〜8の範囲に制御されているのが好ましい。
【0021】このように本発明で用いるポリ−ε−カプ
ロラクトン系ジオールのカプロラクトン連鎖の平均を所
定の範囲、例えば、3〜6または4〜8とするのは、カ
プロラクトン連鎖部とポリウレタン結合とからなる混練
型ポリウレタンにおいて、強いストレスを受けていない
通常状態では、本来結晶性の強いカプロラクトン連鎖部
がウレタン結合を構成するイソシアネートユニットと上
記式におけるRとの影響で非晶質状態となって全体とし
て非晶質状態を維持して弾性を示すが、引張りなどの力
を受け破壊に至る非通常状態では、カプロラクトン連鎖
部が本来の配向結晶性を示して強度に寄与するという可
逆的な状態を維持するためである。また、カプロラクト
ン連鎖部分の分子量分布Mw/Mnを1.0〜1.5と
するのは、カプロラクトン連鎖の数が所定範囲を大きい
方に外れるものの量を制限する趣旨である。すなわち、
カプロラクトン連鎖が、Rによっても異なるが、例え
ば、6または8より大きくなると、ストレスを受けた状
態、特に低温下で保管された状態において結晶化し易く
なり、この部分で結晶化が始まると、カプロラクトン連
鎖が例えば3〜6または3〜8の部分も結晶化し易くな
ってしまうからである。この低温結晶化はエラストマー
としての粘弾性、高摩擦係数等の機能に重大な欠陥とな
り使用環境および保管環境が大幅に制限されるという欠
点を有する。一方、カプロラクトン連鎖が小さい場合に
は結晶性が小さすぎて上述した可逆的な状態が形成でき
ない。この可逆的状態が形成できない範囲は上述した式
のRの種類によっても異なり、Rが例えば脂肪族のジオ
ール類由来の場合には連鎖が2以下になると好ましくな
く、Rが例えば芳香族環等を含むジオール類由来の場合
には連鎖が3以下が好ましくないが、Rがポリマー由来
の場合には連鎖は2でも1でも問題ない。
【0022】本発明ではこのように特定の混練型ポリウ
レタンを用いることにより、耐摩耗性に優れ、低温特性
及び耐加水分解性に優れた紙葉類搬送用ロールが実現し
た。さらに、汎用に使用されるエステル系可塑剤との相
溶性がよく、エステル系可塑剤を50重量%程度の添加
してもブリードを起こさないという利点がある。従っ
て、従来、困難であった、可塑剤による大幅な硬度調整
が可能となった。
【0023】本発明では、ポリ−ε−カプロラクトン系
ジオールを形成する重合開始剤、すなわち上記Rを構成
するもととなる化合物は、活性水素を有して開環重合後
にジオールを形成するものであれば特に限定されず、ジ
オール類、ジアミン類が利用できる。しかしながら、本
発明の効果を顕著に発揮するためには、重合開始剤とし
て分子量分布を有さないもの、すなわち短鎖開始剤を用
いるのが好ましい。かかる短鎖開始剤を用いて形成され
たポリ−ε−カプロラクトン系ジオールは、例えば、R
の分子量が500以下のものとして定義できる。また
は、ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール全体の分子量
が800〜1500のものとして定義できる。
【0024】また、かかる重合開始剤は、上述したよう
にカプロラクトン連鎖部分の結晶性に影響を与える。し
たがって、Rが例えば直鎖の炭化水素の場合には、上述
したカプロラクトン連鎖の平均値を3〜6に制御する必
要があるが、Rが例えば芳香族環、脂肪族環等の立体障
害の大きい開始剤由来のものでありカプロラクトン連鎖
部分の結晶性への影響が大きい場合には、カプロラクト
ン連鎖の平均値を4〜8に制御すればよい。すなわち、
本発明では、重合開始剤の種類に応じてカプロラクトン
連鎖の平均値を適宜、所定の値に制御するようにする。
【0025】本発明で用いることができる短鎖開始剤の
例としては、エチレングリコール、チオジエタノール、
プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの主鎖
の元素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグ
リコール、3−メチル−1,5ペンタンジオールなどの
炭素数12以下の側鎖を有するジオール類;3−アリル
オキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数12以
下の不飽和基を有するジオール類;および、1,4−ビ
ス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキシレングリ
コールなどの芳香族環を含む炭素数12以下のジオール
類、シクロへキサンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環式ジオール類などを挙げることができる。
これらの短鎖開始剤は、勿論、二種以上混合して用いて
もよい。
【0026】また、重合開始剤がある程度分子量分布を
有するもの、すなわち長鎖開始剤を用いても本発明の効
果を発揮できる。かかる長鎖開始剤の例としては、1,
6−ヘキサンカーボネートジオールなどのポリカーボネ
ートジオール;ポリテトラメチレングリコールエーテル
(PTMG)などのポエリエステルジオール;ブチレン
アジペートジオールなどのポリエステルジオールなどを
挙げることができる。
【0027】本発明で用いるポリ−ε−カプロラクトン
系ジオールを形成するためには、ε−カプロラクトンお
よび重合開始剤の他、触媒を用いるのが好ましい。かか
る触媒としては、ハロゲンまたは有機酸根を含有する金
属化合物触媒を用いるのが好ましく、例えば、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン化第一スズ等を例示できる。
【0028】本発明では、ポリオールの主成分として、
長鎖ポリオールである上述した特定のポリ−ε−カプロ
ラクトン系ジオールを用いるが、この他、一般に用いら
れる長鎖ポリオールおよび鎖延長剤を用いることができ
る。一般に用いられる長鎖ポリオールとしては、ポリエ
ステル系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールの
何れを用いてもよく、また、これらをブレンド共重合し
たものあるいは一部を変性したものなどでもよい。ま
た、鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、
チオジエタノール、プロピレングリコール、ブチレング
リコールなどの主鎖の元素数が2〜12の直鎖グリコー
ル;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールなどの炭素数12以下の側鎖を有するジ
オール類;3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオー
ルなどの炭素数12以下の不飽和基を有するジオール
類;および、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、パラキシレングリコールなどの芳香族環を含む炭
素数12以下のジオール類およびこれらの水素添加物な
どを挙げることができ、さらに補助的に、トリメチロー
ルなどのトリオール類、あるいはステアリルアルコー
ル、ヒドロキシエチルアクリレートなども用いることが
できる。なお、本発明の効果を顕著に発揮するために
は、上記特定のポリ−ε−カプロラクトン系ジオールを
主成分とするのが望ましい。
【0029】また、このようなポリオールと反応して本
発明のポリウレタンを形成するためのポリイソシアネー
トとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TD
I)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPD
I)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(ND
I)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソ
シアネート(TODI)等を挙げることができる。特に
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)を含むポリイソシアネートを用いた場合過酸化物架
橋の架橋点として作用することが知られているため好適
である。
【0030】ポリオールとポリイソシアネートとの配合
割合は、一般的なものでよく、例えば、ジオールの水酸
基などの活性水素とイソシアネート基とがほぼ等モルと
なるように配合する。例えば、OHv(水酸基価:KH
Omg/g)112の場合、ジオール100重量部に対
してMDIを25重量部、OHv94の場合、ジオール
100重量部に対してMDIを20.8重量部、OHv
75の場合、ジオール100重量部に対してMDIを1
6.7重量部である。
【0031】本発明のロールを得る場合、混練型ポリウ
レタンに硬化剤を混練して熱硬化(架橋)する。かかる
硬化剤として、一般の合成ゴム用の有機過酸化物、硫
黄、有機含硫黄化合物、イソシアネートなどを挙げるこ
とができる。ここで、一般的には有機過酸化物を用い、
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイ
ド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼンなどを挙げることができる。有機過酸化物
の配合量は、ポリオール及びイソシアネートの合計10
0重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1.
5〜5重量部程度である。また、硫黄、有機含硫黄化合
物を硬化剤として用いることができるのは、上述した重
合開始剤または鎖延長剤が不飽和結合を有している場合
であり、例えば、3−アリルオキシ−1,2−プロパン
ジオールの場合である。ここで、有機含硫黄化合物とし
ては、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィ
ド)、TETD(テトラエチルチウラムジスルフィ
ド)、DPTT(ジペンタメチレンチウラムテトラスル
フィド)などのチウラム系加硫促進剤、4,4’−ジチ
オモルホリンなどを挙げることができる。
【0032】なお、このように混練・硬化する際には、
一般的に用いられている添加剤、すなわち、カーボンブ
ラック、シリカ等の補強材、ワックス等の粘着防止剤な
どを用いる。
【0033】また、本発明で用いるポリウレタンには、
通常通りにポリカルボジイミドなどの加水分解防止剤を
ポリウレタン100重量部に対して、0.2〜3重量%
程度用いてもよい。本発明のポリウレタン部材は、耐加
水分解性が従来の熱硬化性混練型ポリウレタンの2倍程
度に向上しているので、従来と同等に加水分解防止剤を
用いると、その分だけ耐加水分解性が向上するが、従来
と同程度の加水分解性とするためには、その添加量を半
分程度に低下することができる。加水分解防止剤は一般
に高価であるので、コストダウンに大きく寄与すること
ができる。
【0034】なお、混練型ポリウレタンの反応条件は、
一般的には、70℃〜150℃で、10〜120分であ
り、その後、一般的には、60℃〜120℃で、6〜4
8時間程度熟成する。また、熱硬化条件は、硬化剤とし
て有機過酸化物を用いる場合には使用する有機過酸化物
の分解特性により求めるが、通常は150〜180℃で
3〜60分の条件に設定するのが好適である。
【0035】また、本発明のロールの製造には、電熱プ
レス、押出、射出等各種成形方法が採用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0037】(実施例1)以下、具体的な一実施例を説
明するが、本発明はこれに限定されるものでないことは
言うまでもない。
【0038】まず、エチレングリコール62重量部と、
ε−カプロラクトン1140重量部とを、触媒(SnC
2)30ppm存在下で適宜反応することにより、カ
プロラクトン連鎖が5で、分子量Mnが1200のポリ
−ε−カプロラクトン系ジオールを得た。このポリ−ε
−カプロラクトン系ジオール100重量部に、MDI
(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)20
重量部を加え、100℃で6時間反応させてミラブルウ
レタンを得た。
【0039】続いて、このミラブルウレタン100重量
部に過酸化物架橋剤パーブチルP(商品名;日本油脂社
製)5重量部と、加水分解防止剤1重量部とをオープン
ロールにて混合・混練した。
【0040】次いで、この混練型ポリウレタンを電熱プ
レスを用いて、ロールおよび2mm厚の平板を成形し
た。ロールサンプルは、ロールゴム金型に注入し、17
0℃×10分間、圧力200kg/cm2の条件で架橋
させ、外径15mm、内径8mm、長さ8mmを成形し
た。脱型後、金属又は樹脂製のシャフトを圧入し、外径
を所定寸法に研磨して、本実施例の紙葉類搬送用ロール
を得た。
【0041】かかる紙葉類搬送用ロールの概略構造を図
1に示す。図1に示すように、紙葉類搬送用ロール10
は、コアロール11の外周にポリウレタンからなるゴム
層12を有するものである。なお、本実施例では、ゴム
層のゴム硬度は、JIS Aで55°であった。
【0042】(比較例1)注型タイプエステル系ポリウ
レタンとして、コロネート4048/ニッポラン403
8(日本ポリウレタン工業(株)製)等モルを80℃で
混合し、120℃に加熱した金型で1時間硬化させてロ
ールを作製した。
【0043】(比較例2)注型タイプエーテル系ポリウ
レタンとして、QP−203/QH−6001(三井東
圧化学(株)製)等モルを30℃で混合し、60℃に予
熱した金型で1時間硬化させてロールを作製した。
【0044】(比較例3)ポリオールとしてエチレング
リコールブチレングリコールコアジペート(エステル含
有率47%;OHv=56)を100重量部、MDI1
2.5重量部を用いた以外は実施例1と同様にミラブル
ウレタンを合成し、同様にロールを作製した。
【0045】(比較例4)市販ミラブルウレタン(住友
バイエルウレタン社製;スミパン640S)を用いて実
施例1と同様にロールを作製した。
【0046】(試験例1)以上の各ロールについて、摩
耗特性を測定した。この結果を表1に示す。なお、摩耗
特性は、アクロン摩耗試験による摩耗指数によった。ま
た、各ロールのゴム硬度および引張り試験結果を併せて
示す。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例2および比較例5〜8)エステル
系可塑剤を40重量部添加する以外は、それぞれ上記実
施例1及び比較例1〜4と同様にして、実施例2および
比較例5〜8のロールを作製した。
【0049】(試験例2)実施例2および比較例5〜8
について、耐加水分解性を以下のとおり測定した。結果
は下記表2に示す。
【0050】ここで、耐加水分解性は、実施例2の配合
のテストピースと、比較例5〜8と同様の配合のウレタ
ン製テストピースにについて、70℃、95%RHの雰
囲気下で40日後の破断強度保持率によった。
【0051】なお、上述した試験例1と同様に、ゴム硬
度、アクロン摩耗試験、引張り試験の結果を併せて表2
に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表に示す結果より、本発明の紙葉類搬送用
ロールは、摩耗特性が良好であり、且つ加水分解性に優
れるので摩耗に伴う粘着性の発生もなかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の紙葉類搬
送用ロールは、耐摩耗性及び耐加水分解性に優れたもの
であり、長期に亘って安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る紙葉類搬送用ロール
の概略構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10 紙葉類搬送用ロール 11 コアロール 12 ゴム層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルポリオールを主体とするポ
    リオールとポリイソシアネートとの反応から得られる混
    練型ポリウレタンを架橋・成形してなる、紙葉類を搬送
    するための紙葉類搬送用ロールであって、前記ポリオー
    ル中のエステル基部分の割合が45重量%以下であるこ
    とを特徴とする紙葉類搬送用ロール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記混練型ポリウレ
    タンが、エステル系可塑剤を含有することを特徴とする
    紙葉類搬送用ロール。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記エステル系可塑
    剤が、20〜50重量%含まれることを特徴とする紙葉
    類搬送用ロール。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のおいて、前記ポリエステ
    ルポリオールが、ポリ−ε−カプロラクトン系ジオール
    を主体とすることを特徴とする紙葉類搬送用ロール。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記ポリ−ε−カプ
    ロラクトン系ジオールが、下記式(1)で示されるポリ
    −ε−カプロラクトン系ジオールであり、当該ポリ−ε
    −カプロラクトン系ジオールにおけるカプロラクトン連
    鎖の平均値が所定の範囲に制御され、当該ポリ−ε−カ
    プロラクトン系ジオールのカプロラクトン連鎖部分の分
    子量分布Mw/Mnが1.0〜1.5であり、当該ウレ
    タン結合を含むイソシアネートユニットと下記式(I)
    におけるRとの影響により前記カプロラクトン連鎖の結
    晶性が阻害されていることを特徴とする紙葉類搬送用ロ
    ール。 【化1】 (ここで、[ ]内はカプロラクトン連鎖部を示し、m
    およびnが連鎖の数を示し、Rは重合開始剤R(OH)
    2に由来する)
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ポリ−ε−カプ
    ロラクトン系ジオールの重合開始剤R(OH)2が、炭
    素数が2〜12の直鎖グリコール;ネオペンチルグリコ
    ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの炭
    素数12以下の側鎖を有するジオール類;および3−ア
    リルオキシ−1,2−プロパンジオールなどの炭素数1
    2以下の不飽和基を有するジオール類からなる群から選
    択される少なくとも一種であり、前記カプロラクトン連
    鎖の平均値が3〜6の範囲に制御されていることを特徴
    とする紙葉類搬送用ロール。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記ポリ−ε−カプ
    ロラクトン系ジオールの重合開始剤R(OH)2が、
    1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、パラキ
    シレングリコールなどの芳香族環を含む炭素数12以下
    のジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサ
    ンジメタノール等の脂環式ジオール類からなる群から選
    ばれる少なくとも一種であり、前記カプロラクトン連鎖
    の平均値が4〜8の範囲に制御されていることを特徴と
    する紙葉類搬送用ロール。
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