JPH08113955A - 地下構造物用蓋 - Google Patents

地下構造物用蓋

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JPH08113955A
JPH08113955A JP6249819A JP24981994A JPH08113955A JP H08113955 A JPH08113955 A JP H08113955A JP 6249819 A JP6249819 A JP 6249819A JP 24981994 A JP24981994 A JP 24981994A JP H08113955 A JPH08113955 A JP H08113955A
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hinge
lid
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mounting seat
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Eiji Yoshimura
英二 吉村
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HINODE SUIDO KIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地下構造物用蓋において、蓋の設置条件に関
係なく容易に蓋本体の開閉作業を速やかに行えるように
すること。 【構成】 蓋本体の周縁部に蝶番金物を備え、この蝶番
金物の下端に備えた係合爪を受枠の内周に設けた係合突
起に下方から係合可能とした地下構造物用蓋において、
蝶番金物を水平方向に回動不能とし、蓋本体の裏面に
は、蝶番金物を設ける側と半径方向に対向する側の縁に
向けて蓋本体の下面からの突き出し量が次第に小さくな
るガイドリブを設け、このガイドリブを受枠の上縁に載
せてスライドさせながら蓋本体を受枠から引き出して開
蓋可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンホール等の地下構
造物用蓋に係り、特に蓋本体を受枠から簡単に開蓋でき
るようにした蝶番構造に関する。
【0002】なお、本願明細書でいう「地下構造物用
蓋」とは、下水における地下埋設物,地下構造施設等と
地上とを通じる開口部を閉塞する大型鉄蓋,汚水桝蓋,
電力・通信における地下施設機器や地下ケーブル等を保
護する開閉可能な共同溝用鉄蓋,送電用鉄蓋,配電用鉄
蓋,上水道やガス配管における路面下の埋設導管及びそ
の付属機器と地上とを結ぶ開閉扉としての機能を有する
消火栓蓋,制水弁蓋,仕切弁蓋,空気弁蓋,ガス配管用
蓋,量水器蓋等を総称する。
【0003】
【従来の技術】マンホール等の地下構造物用蓋として
は、その蓋本体を受枠に対して開閉可能に連結するため
に、たとえば実公平5−10034号公報に記載されて
いるように、蓋本体と受枠の間に蝶番構造を設けたもの
が一般に使用されている。
【0004】この公報に記載のものも含めて、受枠に蓋
本体を連結する蝶番構造の最も基本的なものは、受枠の
内周面から中央に向けて少し突き出る連接座を設け、蓋
本体の下面にはこの連接座に開けた孔に差し込まれる蝶
番金具を回動自在に備えるというものである。そのほ
か、受枠の開口部分をより広くするため、たとえば連接
座自身も受枠の内周壁に対して上下に回動できるように
したものが知られており、これらは蓋本体を垂直方向へ
の反転や水平方向への旋回等によって開蓋している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、たとえば歩
車道の境界部分であって歩道側の路面が車道側よりも高
くなった段差部に受枠を設置するとき、受枠を車道のレ
ベルに合わせた場合には、歩道側に臨む面が段差によっ
て囲まれてしまう。このような位置にある地下構造物用
蓋については、開蓋するにあたって、蓋本体と受枠との
嵌合及び施錠を解除する操作が可能なように蝶番金物側
が段差部分にくるように設置されている。このとき、段
差に臨む側に蓋本体を途中まで立ち上げることはできる
ものの、段差が邪魔になって蓋本体を受枠の開口部の全
体が開放される姿勢までは反転できない。また、この反
転ができないことから、水平旋回させて開蓋する作業も
不可能である。
【0006】このように、従来の地下構造物用蓋にあっ
ては、段差のない路面に受枠が設置されている場合は、
垂直方向への反転や水平方向への旋回による開蓋が可能
であるが、歩車道との境界部分に受枠を設置した場合等
には、このような垂直反転や水平旋回による操作では開
蓋することができない。
【0007】本発明において解決すべき課題は、地下構
造物の設置条件に関係なく容易に蓋本体の開閉作業を速
やかに行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、受枠に嵌合す
る蓋本体の周縁部に蝶番金物を備え、該蝶番金物の下端
には、前記受枠の内周に設けた係合突起に下方から係合
可能とした係合爪を備え、同蝶番金物の上端には、球体
頭部を設けると共に、該球体頭部をその芯周りに回動可
能に前記蓋本体の裏面に設けた袋状の蝶番取付座内に連
接し、前記蝶番取付座内に前記球体頭部を拘束する蝶番
押えを着脱可能に設け、前記蝶番押えと前記球体頭部と
を、前記蝶番金物が蓋本体に対して水平方向に旋回不能
または少なくとも水平旋回可能とする連接関係としてな
ることを特徴とする。
【0009】また、蓋本体の裏面には、蝶番金物を設け
る側と半径方向に対向する側の縁に向けて蓋本体の下面
からの突き出し量が次第に小さくなるガイドリブを設
け、ガイドリブを開蓋時受枠の上縁に沿って摺動可能に
配設した構成とすることもできる。
【0010】
【作用】蝶番金物と半径方向に対向する側の蓋本体の縁
を引き上げ、この蓋本体の重量を受枠に支持させながら
さらに引き出すようにすれば、引き出した側から蝶番金
物側に向けて下に突き出す長さが大きくなるガイドリブ
が受枠の上縁に沿って移動していく。すなわち、蓋本体
の全重量を受枠に預けた状態でスライドさせながら開蓋
作業することになる。
【0011】また、蝶番押えの使用方法によっては、蝶
番金物が水平方向に旋回不能とする以外に、少なくとも
水平方向に旋回可能とすることで、蝶番金物をたとえば
連接座のような別部材を介して受枠に連接した構造とす
れば、蓋本体の反転や水平旋回による開蓋も可能とな
る。このとき、水平旋回による開蓋にあっては、ガイド
リブが受枠の上縁に沿って移動していくため、蓋本体の
全重量を受枠に預けた状態で旋回させることになる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の地下構造物用蓋の一実施例を
示す縦断面図、図2は図1に示す蝶番構造の要部を示す
分解斜視図である。
【0013】図において、設置された受枠1に対して蓋
本体2がそれぞれのテーパ面1a,2aによって嵌合支
持されている。また、図示の例では、管理作業者以外の
者による地下構造物内への侵入を防ぐため、蓋本体2は
従来周知の施錠具3によって受枠1にロックされ、更に
蓋本体1の下方には外周部に密閉用のパッキング4aを
備えた密閉蓋4を設けている。
【0014】図3は蓋本体2を反転させた状態で示す概
略斜視図である。
【0015】蓋本体2の縁部には、図1に示すように施
錠具3の全体を包囲してこれを保護するためのカバー2
bを設ける。このカバー2bはテーパ面2a側を開放し
た袋状に形成され、その底面を平坦面状としたものであ
る。また、カバー2bと半径方向に対向する位置には、
後述する蝶番金物を連接するための蝶番取付座5を設
け、更に蓋本体2の下面には補強のためのリブ2cを設
ける。
【0016】リブ2cは蓋本体2の中心側に行くに連れ
て下に突き出る長さを漸次大きくした縦断面形状を持っ
て井桁状に配置されたものである。そして、蓋本体2の
中心よりも蝶番取付座5側であってこの蝶番取付座5と
カバー2bとを結ぶ半径方向と直交する向きに走るリブ
2cの一部は、突き出し長さを更に大きくした2本の旋
回用ガイドリブ2dとして形成する。これらの旋回用ガ
イドリブ2dは、下に突き出る長さを最大とした接地部
2eをそれぞれ形成したものであり、接地部2eの下端
面はカバー2bの底面のレベルと等しくしており、蓋本
体2を反転させないで開蓋したとき前記2か所の接地部
2e,2eとカバー2bとで蓋本体2を支持するように
している。
【0017】更に、これらの旋回用ガイドリブ2dとほ
ぼ平行に配置されているリブ2cとの間には、ガイドリ
ブ2fを設ける。これらのガイドリブ2fは、旋回用ガ
イドリブ2dの接地部2eから、カバー2bと蝶番取付
座5とを結ぶ半径方向と平行となるように配置したもの
である。
【0018】図2に戻って、蝶番取付座5には蝶番金物
6とこれを蝶番取付座5内に保持するための蝶番押え7
とが組み込まれる。なお、図4は蝶番取付座5部分の詳
細図であって、同図の(a)は底面図、同図の(b)は
テーパ面2a側から見た正面図である。
【0019】蝶番取付座5は、蓋本体2のテーパ面2a
を利用して中心側に向けて袋状に設けられ、その底部壁
5aには蝶番金物6及び蝶番押え7を挿入可能な装着孔
5bを開けると共に、この装着孔5bから外側へ向けて
スリット5cを切開したものである。そしてこのスリッ
ト5cの開口縁に沿う上面を、蝶番金物6を回動可能に
枢支するための摺動面5dとして形成する。また、蝶番
取付座5の周壁にはスリット5cの切開方向と直交する
向きの開口軸線を持つ通し孔5eを開ける。
【0020】図5は蝶番金物6と蝶番押え7とをその連
接部材と共に分解して示す斜視図である。
【0021】蝶番金物6は、上端に球体頭部6aを備え
ると共に、外径を小さくした円柱状の括れ部6bから下
端に伸びてほぼL字状に突き出した係合爪6cを形成
し、更に係合爪6cの基端側には左右に突き出した一対
の突起6dを備えたものである。球体頭部6aは蓋本体
2の蝶番取付座5の内部で転動自在に連接可能な外径を
持ち、括れ部6bはスリット5cを自由に通過できるよ
うな外径である。また、球体頭部6aには蝶番取付座5
に組み込んだときに蓋本体2の中心側を向く面に切欠6
eを縦方向に刻んでいる。
【0022】蝶番押え7はその上端面を蝶番取付座5の
内周壁に一致する円弧面状とし、下端面には装着孔5b
に嵌まり込む環状座7aをほぼ中央に位置させており、
この環状座7aの周壁には蝶番取付座5の通し孔5eに
整合する開口7bを開けている。蝶番押え7の両端面に
は、蝶番金物6の球体頭部6aの外径に等しい凹曲面と
してこの球体頭部6aを転動自在に摺動支持する受圧面
7dと縦方向に突条7eを設けた受圧面7cとを形成
し、両受圧面7c,7dの下部には蝶番金物6の括れ部
6bに当接する突片7fを設けている。
【0023】突条7eは球体頭部6aの切欠6eの中に
緩く嵌め込まれる程度の幅寸法を持ち、図6の平面図に
示すように、突条7eを切欠6eの中に入り込ませた状
態として球体頭部6aの表面を受圧面7cに突き当てる
ことができる。したがって、蝶番金物6は、蝶番取付座
5の中に固定される蝶番押え7の突条7eが球体頭部6
aに係合しているため水平旋回を拘束され、また突片7
fが括れ部6bに当接すると共に蓋本体2のテーパ面2
aによって上下方向の回動も拘束される。そのため、こ
のように使用される蝶番金物6は施錠具と同様の作用を
持つ。
【0024】一方、蝶番押え7を図6の状態から左右反
転した姿勢として受圧面7dが球体係止部6aに臨むよ
うな組立てとすれば、突条7eによる規制はない。この
ため、蝶番金物6は蝶番金物6周りでの蝶番取付座5内
での回転が可能となり、受枠1に後述する連接座を取り
付けた場合、蝶番金物6を支点として蓋本体2を水平旋
回させることができる。
【0025】蝶番金物6は、図2に示すようにその球体
頭部6aを装着孔5bから差し込んだ後、括れ部6bを
スリット5cの中に挿通させることによって組み込まれ
る。このとき球体頭部6aは摺動面5dに上に支持さ
れ、蝶番取付座5に対して蝶番金物6自身は上下方向へ
の回動及び括れ部6bの中心周りに回転可能である。
【0026】次いで、蝶番押え7をその環状座7aが装
着孔5bにすっぽりと嵌まり込むように差し込み、蝶番
取付座5の通し孔5eと蝶番押え7の開口7bとを整合
させる。そして、ボルト8aを通し孔5e及び開口7b
に通して座金8cを介してナット8bをこのボルト8a
に螺合することにより、蝶番押え7を蝶番取付座5の中
に取り付けることができる。
【0027】この蝶番押え7の組込みは、本発明の地下
構造物用蓋が接地される場所に応じて適宜その向きが決
定されるものであるが、歩車道の境界部分に接地される
場合には、突条7eが球体頭部6aを臨む向きとする。
そして、ボルト8a・ナット8bにより蝶番押え7が蝶
番取付座5内に保持されたときには、図6で示したよう
に、突条7eが切欠6eの中に入り込んだ状態となり、
蝶番押え7によって球体頭部6aはその水平旋回方向の
動きが規制される。
【0028】図7は蝶番金物6及び蝶番押え7を上記の
向きに組み込んだ蓋本体2を受枠1に嵌合させたときの
要部の縦断面図であって、同図の(a)は閉蓋時及び同
図の(b)は地下構造物内からの揚圧Aを受けたときの
蓋本体2の変位時をそれぞれ示す。
【0029】蝶番取付座5の中に球体頭部6aを差し込
んで支持された蝶番金物6は、その自重によって図示の
姿勢をとり、下端の係合爪6cを受枠1の内周側に形成
した凹部1cに臨ませている。そして、受枠1には、係
合爪6cの真上に位置する部分に揚圧による蓋本体2の
浮き上がりを防止するための係合突起1bを設ける。こ
の係合突起1bは図2からも明らかなように、受枠1の
内周壁の一部を下に鉤状に曲げた断面形状を持つ。
【0030】以上の構成において、車道Bと歩道Cとの
境界の段差Dに設置された受枠1から蓋本体2を開く要
領を図8から図10によって説明する。
【0031】まず、施錠具3を専用の治具によって解錠
した後に、この施錠具3側の近傍の蓋本体2の外周縁に
設けた2個のバール孔(図示せず)にバールを差し込ん
で、図8(a)の閉蓋状態から矢印方向に蓋本体2を少
し持ち上げながら引き出す。このとき、図7の(a)で
示したように、蝶番金物6の係合爪6cは係合突起1b
よりも下方にり、蓋本体2は受枠1に連結されていない
ので、引き出し作業は速やかに行われる。
【0032】蓋本体2は、図8の(b)に示すように、
カバー2bの下面を受枠1の上面に当てるようにして斜
めの姿勢とし、更に蓋本体2を受枠1の外側に引き出
す。このとき、受枠1の上端にはカバー2bの底面に代
わってリブ2cが載るようになり、図9の(a)に示す
ように、ガイドリブ2fが受枠1に突き当たるようにな
る。
【0033】ガイドリブ2fは図3で示したように、カ
バー2bから半径方向に向けて下に傾斜した下面を持つ
ので、蓋本体2を図9の(a)の状態から引き出すに連
れて蓋本体2自身が次第に受枠1上に移動していく。し
たがって、蓋本体2を持ち上げながら引き出す必要はな
く、蓋本体2の重量を受枠1に預けながら作業すること
ができ、作業負担が軽減される。
【0034】図9の(a)の状態を経過して更に蓋本体
2を受枠1から引き出すと、同図(b)に示すように、
ガイドリブ2fの一端であって旋回用ガイドリブ2dの
接地部2eが路面上に移る。そして、この接地部2eと
カバー2bの下端のレベルは同じなので、図示のように
蓋本体2は路面上に3点で支持され、水平姿勢とするこ
とができる。この後、図10に示すように、蓋本体2を
受枠1から離れる方向に移すことによって、受枠1の全
体を開いて開蓋することができる。
【0035】また、図10の開蓋状態から蓋本体2を受
枠1に被せて閉蓋する作業は、開蓋作業と逆の手順で行
えばよい。その際、蝶番金具6が凹部1cに収納される
ように注意して作業する必要がある。
【0036】このように、蓋本体2を受枠1に対して上
下方向に反転させたり水平旋回させることなく、一端を
少し持ち上げて受枠1から引き出す作業だけで開蓋でき
る。このため、歩道Cと車道Bとの境界部分の段差Dが
ある部分に受枠1が設置された場合であっても、蓋本体
2の開閉が支障なく行われる。
【0037】更に、蝶番押え7を組み込むとき、図6で
示した姿勢と左右反対とし、球体頭部6aが受圧面7d
と向かい合うようにする据付けとすることもできる。こ
の場合では、球体頭部6aの切欠6eに係合するものは
ないので、球体頭部6aは蝶番押え7によって球面接合
されるだけであるが、突片7fが括れ部6bに当接する
と共にテーパ面2aが当接するため、蝶番金物6は蝶番
取付座5に対して水平旋回のみが可能となる。
【0038】したがって、たとえば本願出願人が先に特
願平6−15578号として提案した蝶番構造におい
て、本発明の蝶番金物6を適用し、受枠1に上下方向に
回動可能に連接した連接座にこの蝶番金物6を連接した
通常の蝶番構造とすれば、蓋本体2の水平旋回の操作も
可能となる。このとき、ガイドリブ2f及び旋回用ガイ
ドリブ2dの傾斜した下面が受枠1の縁に沿って移動し
ていくため、蓋本体2の全重量を受枠1に預けた除隊で
水平旋回させることができる。
【0039】すなわち、蓋本体2を水平旋回させて開蓋
する場合、まず一方の旋回用ガイドリブ2dの外側斜面
を受枠1の縁に当接させながら接地部2e及びガイドリ
ブ2fが受枠1を乗り越えるまで旋回させる。次に、そ
のまま旋回させると受枠1内に位置する蓋本体2側は受
枠1内に落ち込もうとするため、井桁状のリブ2cが受
枠1の縁に当接し、接地部2e及び旋回用ガイドリブ2
dが受枠1を乗り越えるまで旋回させて開蓋する。
【0040】次に、上述した状態から閉蓋する場合、他
方の接地部2eが受枠1内に位置するまで旋回させる
と、受枠1内に位置した蓋本体2の一側が受枠1内に落
ち込もうとするためガイドリブ2fの斜面が受枠1の縁
に当接し、その後井桁状のリブ2cが受枠1の縁に当接
することになる。さらに旋回させると、一方の旋回用ガ
イドリブ2dの外側斜面が受枠1の縁に当接しながら閉
蓋することになる。
【0041】このように、球体頭部6aに対して蝶番押
え7の受圧面7c,7dのいずれかを対向させるかを選
択することによって、蝶番金物6を水平に旋回不能また
は水平旋回可能な動きができるように蓋本体2に取り付
けることができる。したがって、蓋本体2を水平旋回に
よって開蓋できないような場合では、先の実施例で示し
たような蝶番押え7の突条7eを蝶番金物6の切欠6e
に組み込む構造とし、また水平旋回も可能な現場であれ
ば受圧面7dを球体頭部6aに臨ませる姿勢とした組み
込み構造で対応することが可能となる。
【0042】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は前記実施例に限定されるものではない。た
とえば、ガイドリブの下面及び接地部にはローラまたは
ベアリング等の回転体を設けておけば、開蓋時及び閉蓋
時に受枠の縁または車道等の面との干渉を和らげること
ができるため、操作を更に容易に行うことができる。
【0043】蓋本体を引き出して開蓋するた場合の蝶番
金物は、蓋本体に対して水平方向に旋回不能となってい
るめ、実公昭60−32220号公報に記載されている
ように、蓋本体の裏面に蝶番金物支持用平行案内板リブ
を平行に設け、蝶番金物の上部両側面に突設した枢ピン
を前記案内板リブ内に挿通し、この蝶番金物の抜け及び
水平旋回を防止するために揺動防止装置を設けた蝶番金
物であってもよい。
【0044】また、上述した実施例において、蝶番金物
6を水平旋回可能に蓋本体2に取り付けて受枠1に設け
た連接座に連接したとき、蝶番金物6は突片7fとテー
パ2a面によって上下方向に回動不能とされているが、
蓋本体2のスリット5cを延長してテーパ面2aを切欠
した場合、蝶番金物6は上下方向に回動可能となるため
反転による開蓋も可能となる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、反転または水平旋回による
開蓋ができない場合、蝶番金物と半径方向に対向する側
の蓋本体の縁を少し持ち上げて受枠から引き出すように
することで、蓋本体の裏面に形成したガイドリブを利用
して受枠の上縁を滑らすようにして開蓋できる。このた
め、蓋本体の重量を受枠に預けたままでの開蓋が可能と
なり、作業負担の軽減が図られる。
【0046】また、蝶番押えと蝶番金物の球体頭部との
連接手段を変更することにより、蝶番金物を蓋本体に対
して水平旋回可能または水平旋回不能とすることができ
るため、受枠の設置状況に応じて選択することができ
る。
【0047】更に、蝶番金物が少なくも水平旋回可能に
動けるように蓋本体に連接した場合では、受枠との間に
連接座のような別部材を介在させるように構成すれば、
蓋本体の反転や水平旋回も可能となり、現場に応じた開
蓋及び閉蓋操作が可能となる。このとき、水平旋回によ
ると、ガイドリブが受枠の縁に沿って移動していくため
蓋本体の全重量を受枠に預けた状態となるため作業が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下構造物用蓋の一実施例を示す縦断
面図である。
【図2】蝶番構造の要部を示す分解斜視図である。
【図3】蓋本体をその底面側から見た概略斜視図であ
る。
【図4】蓋本体の裏面に設ける蝶番取付座の詳細であっ
て、同図の(a)はその底面図、同図の(a)はテーパ
面側から見た一部切欠図である。
【図5】蝶番金物及び蝶番押えを連接材と共に示す分解
斜視図である。
【図6】蝶番押えと球体係止部との位置関係を示す切欠
平面図である。
【図7】蓋本体に蝶番金物を連結したときの要部のって
断面図であって、同図の(a)は閉蓋時及び同図の
(b)は揚圧による蓋本体の浮き上がりを示す。
【図8】蓋本体の開蓋作業を示す図であって、同図の
(a)は閉蓋時、同図の(b)は蓋本体の一端側を受枠
の上縁に載せた状態を示す。
【図9】図8に続く開蓋作業であって、同図の(a)は
保持リブを受枠の上縁に当てながら引き出している状
態、同図の(b)は蓋本体を路面側に引き上げた状態を
示す。
【図10】蓋本体を受枠から離して受枠の全体を開放し
た状態を示す。
【符号の説明】
A 揚圧 B 車道 C 歩道 D 段差 1 受枠 1a テーパ面 1b 係合突起 2 蓋本体 2a テーパ面 2c リブ 2d 旋回用ガイドリブ(ガイドリブ) 2f ガイドリブ 3 施錠具 5 蝶番取付座 5b 装着孔 5c スリット 5d 摺動面 6 蝶番金物 6a 球体頭部 6c 係合爪 6e 切欠 7 蝶番押え 7c 受圧面 7d 受圧面 7e 突条 8a ボルト 8b ナット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 地下構造物用蓋
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンホール蓋等の地下
構造物用蓋に係り、特に蓋本体を受枠から簡単に開蓋で
きるようにした蝶番構造に関する。
【0002】なお、本願明細書でいう「地下構造物用
蓋」とは、下水における地下埋設物,地下構造施設等と
地上とを通じる開口部を閉塞するマンホール蓋,大型鉄
蓋,汚水桝蓋,電力・通信における地下施設機器や地下
ケーブル等を保護する開閉可能な共同溝用鉄蓋,送電用
鉄蓋,配電用鉄蓋,上水道やガス配管における路面下の
埋設導管及びその付属機器と地上とを結ぶ開閉扉として
の機能を有する消火栓蓋,制水弁蓋,仕切弁蓋,空気弁
蓋,ガス配管用蓋,量水器蓋等を総称する。
【0003】
【従来の技術】マンホール等の地下構造物用蓋として
は、その蓋本体を受枠に対して開閉可能に連結するため
に、たとえば実公平5−10034号公報に記載されて
いるように、蓋本体と受枠の間に蝶番構造を設けたもの
が一般に使用されている。
【0004】この公報に記載のものも含めて、受枠に蓋
本体を連結する蝶番構造の最も基本的なものは、受枠の
内周面から中央に向けて少し突き出る連接座を設け、蓋
本体の下面にはこの連接座に開けた孔に差し込まれる蝶
番金具を回動自在に備えるというものである。そのほ
か、受枠の開口部分をより広くするため、たとえば連接
座自身も受枠の内周壁に対して上下に回動できるように
したものが知られており、これらは蓋本体を垂直方向へ
の反転や水平方向への旋回等によって開蓋している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、たとえば歩
車道の境界部分であって歩道側の路面が車道側よりも高
くなった段差部に受枠を設置するとき、受枠を車道のレ
ベルに合わせた場合には、歩道側に臨む面が段差によっ
て囲まれてしまう。このような位置にある地下構造物用
蓋については、開蓋するにあたって、蓋本体と受枠との
嵌合及び施錠を解除する操作が可能なように蝶番金物側
が段差部分にくるように設置されている。このとき、段
差に臨む側に蓋本体を途中まで立ち上げることはできる
ものの、段差が邪魔になって蓋本体を受枠の開口部の全
体が開放される姿勢までは反転できない。また、この反
転ができないことから、水平旋回させて開蓋する作業も
不可能である。
【0006】このように、従来の地下構造物用蓋にあっ
ては、段差のない路面に受枠が設置されている場合は
転や水平旋回による開蓋が可能であるが、歩車道との
境界部分に受枠を設置した場合等には、このような反
や水平旋回による操作では開蓋することができない。
【0007】本発明において解決すべき課題は、地下構
造物の設置条件に関係なく容易に蓋本体の開閉作業を速
やかに行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、受枠に嵌合す
る蓋本体の周縁部に蝶番金物を備え、該蝶番金物の下端
には、前記受枠の内周に設けた係合突起に下方から係合
可能とした係合爪を備え、同蝶番金物の上端には、球体
頭部を設けると共に、該球体頭部をその芯周りに回動可
能に前記蓋本体の裏面に設けた袋状の蝶番取付座内に連
接し、前記蝶番取付座内に前記球体頭部を拘束する蝶番
押えを着脱可能に設け、前記蝶番押えと前記球体頭部と
を、前記蝶番金物が蓋本体に対して水平旋回不能または
少なくとも水平旋回可能とする連接関係としてなること
を特徴とする。
【0009】また、蓋本体の裏面には、蝶番金物を設け
る側と半径方向に対向する側の縁に向けて蓋本体の下面
からの突き出し量が次第に小さくなるガイドリブを設
け、ガイドリブを開蓋時受枠の上縁に沿って摺動可能に
配設した構成とすることもできる。
【0010】
【作用】蝶番金物と半径方向に対向する側の蓋本体の縁
を引き上げ、この蓋本体の重量を受枠に支持させながら
さらに引き出すようにすれば、引き出した側から蝶番金
物側に向けて下に突き出す長さが大きくなるガイドリブ
が受枠の上縁に沿って移動していく。すなわち、蓋本体
の全重量を受枠に預けた状態でスライドさせながら開蓋
作業することになる。
【0011】また、蝶番押えの使用方法によっては、蝶
番金物が水平旋回不能とする以外に、少なくとも水平旋
回可能とすることで、蝶番金物をたとえば連接座のよう
な別部材を介して受枠に連接した構造とすれば、蓋本体
の反転や水平旋回による開蓋も可能となる。このとき、
水平旋回による開蓋にあっては、ガイドリブが受枠の上
縁に沿って移動していくため、蓋本体の全重量を受枠に
預けた状態で水平旋回させることになる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の地下構造物用蓋の一実施例を
示す縦断面図、図2は図1に示す蝶番構造の要部を示す
分解斜視図である。
【0013】図において、設置された受枠1に対して蓋
本体2がそれぞれのテーパ面1a,2aによって嵌合支
持されている。また、図示の例では、管理作業者以外の
者による地下構造物内への侵入を防ぐため、蓋本体2は
従来周知の施錠具3によって受枠1にロックされ、更に
蓋本体1の下方には外周部に密閉用のパッキング4aを
備えた密閉蓋4を設けている。
【0014】図3は蓋本体2を反転させた状態で示す概
略斜視図である。
【0015】蓋本体2の縁部には、図1に示すように施
錠具3の全体を包囲してこれを保護するためのカバー2
bを設ける。このカバー2bはテーパ面2a側を開放し
た袋状に形成され、その底面を平坦面状としたものであ
る。また、カバー2bと半径方向に対向する位置には、
後述する蝶番金物を連接するための蝶番取付座5を設
け、更に蓋本体2の下面には補強のためのリブ2cを設
ける。
【0016】リブ2cは蓋本体2の中心側に行くに連れ
て下に突き出る長さを漸次大きくした縦断面形状を持っ
て井桁状に配置されたものである。そして、蓋本体2の
中心よりも蝶番取付座5側であってこの蝶番取付座5と
カバー2bとを結ぶ半径方向と直交する向きに走るリブ
2cの一部は、突き出し長さを更に大きくした2本の旋
回用ガイドリブ2dとして形成する。これらの旋回用ガ
イドリブ2dは、下に突き出る長さを最大とした接地部
2eをそれぞれ形成したものであり、接地部2eの下端
面はカバー2bの底面のレベルと等しくしており、蓋本
体2を反転させないで開蓋したとき前記2か所の接地部
2e,2eとカバー2bとで蓋本体2を支持するように
している。
【0017】更に、これらの旋回用ガイドリブ2dとほ
ぼ平行に配置されているリブ2cとの間には、ガイドリ
ブ2fを設ける。これらのガイドリブ2fは、旋回用ガ
イドリブ2dの接地部2eから、カバー2bと蝶番取付
座5とを結ぶ半径方向と平行となるように配置したもの
である。
【0018】図2に戻って、蝶番取付座5には蝶番金物
6とこれを蝶番取付座5内に保持するための蝶番押え7
とが組み込まれる。なお、図4は蝶番取付座5部分の詳
細図であって、同図の(a)は底面図、同図の(b)は
テーパ面2a側から見た正面図である。
【0019】蝶番取付座5は、蓋本体2のテーパ面2a
を利用して中心側に向けて袋状に設けられ、その底部壁
5aには蝶番金物6及び蝶番押え7を挿入可能な装着孔
5bを開けると共に、この装着孔5bから外側へ向けて
スリット5cを切開したものである。そしてこのスリッ
ト5cの開口縁に沿う上面を、蝶番金物6を回動可能に
枢支するための摺動面5dとして形成する。また、蝶番
取付座5の周壁にはスリット5cの切開方向と直交する
向きの開口軸線を持つ通し孔5eを開ける。
【0020】図5は蝶番金物6と蝶番押え7とをその連
接部材と共に分解して示す斜視図である。
【0021】蝶番金物6は、上端に球体頭部6aを備え
ると共に、外径を小さくした円柱状の括れ部6bから下
端に伸びてほぼL字状に突き出した係合爪6cを形成
し、更に係合爪6cの基端側には左右に突き出した一対
の突起6dを備えたものである。球体頭部6aは蓋本体
2の蝶番取付座5の内部で転動自在に連接可能な外径を
持ち、括れ部6bはスリット5cを自由に通過できるよ
うな外径である。また、球体頭部6aには蝶番取付座5
に組み込んだときに蓋本体2の中心側を向く面に切欠6
eを縦方向に刻んでいる。
【0022】蝶番押え7はその上端面を蝶番取付座5の
内周壁に一致する円弧面状とし、下端面には装着孔5b
に嵌まり込む環状座7aをほぼ中央に位置させており、
この環状座7aの周壁には蝶番取付座5の通し孔5eに
整合する開口7bを開けている。蝶番押え7の両面に
は、蝶番金物6の球体頭部6aの外径に等しい凹曲面と
して一方にはこの球体頭部6aを転動自在に摺動支持す
る受圧面7dを、また他方には縦方向に突条7eを設け
た受圧面7cを形成し、両受圧面7c,7dの下部には
蝶番金物6の括れ部6bに当接する突片7fを設けてい
る。
【0023】突条7eは球体頭部6aの切欠6eの中に
緩く嵌め込まれる程度の幅寸法を持ち、図6の平面図に
示すように、突条7eを切欠6eの中に入り込ませた状
態として球体頭部6aの表面を受圧面7cに突き当てる
ことができる。したがって、蝶番金物6は、蝶番取付座
5の中に固定される蝶番押え7の突条7eが球体頭部6
aに係合しているため水平旋回を拘束され、また突片7
fが括れ部6bに当接すると共に蓋本体2のテーパ面2
aによって上下方向の回動も拘束される。そのため、こ
のように使用される蝶番金物6は施錠具と同様の作用を
持つ。
【0024】一方、蝶番押え7を図6の状態から左右反
転した姿勢として受圧面7dが球体係止部6aに臨むよ
うな組立てとすれば、突条7eによる規制はない。この
ため、蝶番金物6は蝶番金物6周りでの蝶番取付座5内
での回転が可能となり、受枠1に後述する連接座を取り
付けた場合、蝶番金物6を支点として蓋本体2を水平旋
回させることができる。
【0025】蝶番金物6は、図2に示すようにその球体
頭部6aを装着孔5bから差し込んだ後、括れ部6bを
スリット5cの中に挿通させることによって組み込まれ
る。このとき球体頭部6aは摺動面5dに上に支持さ
れ、蝶番取付座5に対して蝶番金物6自身は上下方向へ
の回動及び括れ部6bの中心周りに回転可能である。
【0026】次いで、蝶番押え7をその環状座7aが装
着孔5bにすっぽりと嵌まり込むように差し込み、蝶番
取付座5の通し孔5eと蝶番押え7の開口7bとを整合
させる。そして、ボルト8aを通し孔5e及び開口7b
に通して座金8cを介してナット8bをこのボルト8a
に螺合することにより、蝶番押え7を蝶番取付座5の中
に取り付けることができる。
【0027】この蝶番押え7の組込みは、本発明の地下
構造物用蓋が接地される場所に応じて適宜その向きが決
定されるものであるが、歩車道の境界部分に接地される
場合には、突条7eが球体頭部6aを臨む向きとする。
そして、ボルト8a・ナット8bにより蝶番押え7が蝶
番取付座5内に保持されることによって、図6で示した
ように、突条7eが切欠6eの中に入り込んだ状態とな
り、蝶番押え7によって球体頭部6aはその水平旋回方
及び上下方向の動きが規制される。
【0028】図7は蝶番金物6及び蝶番押え7を上記の
向きに組み込んだ蓋本体2を受枠1に嵌合させたときの
要部の縦断面図であって、同図の(a)は閉蓋時及び同
図の(b)は地下構造物内からの揚圧Aを受けたときの
蓋本体2の変位時をそれぞれ示す。
【0029】蝶番取付座5の中に球体頭部6aを差し込
んで支持された蝶番金物6は、その自重によって図示の
姿勢をとり、下端の係合爪6cを受枠1の内周側に形成
した凹部1cに臨ませている。そして、受枠1には、係
合爪6cの真上に位置する部分に揚圧による蓋本体2の
浮き上がりを防止するための係合突起1bを設ける。こ
の係合突起1bは図2からも明らかなように、受枠1の
内周壁の一部を下に鉤状に曲げた断面形状を持つ。
【0030】以上の構成において、車道Bと歩道Cとの
境界の段差Dに設置された受枠1から蓋本体2を開く要
領を図8から図10によって説明する。
【0031】まず、施錠具3を専用の治具によって解錠
した後に、この施錠具3側の近傍の蓋本体2の外周縁に
設けた2個のバール孔(図示せず)にバールを差し込ん
で、図8(a)の閉蓋状態から矢印方向に蓋本体2を少
し持ち上げながら引き出す。このとき、図7の(a)で
示したように、蝶番金物6の係合爪6cは係合突起1b
よりも下方にり、蓋本体2は受枠1に連結されていな
いので、引き出し作業は速やかに行われる。
【0032】蓋本体2は、図8の(b)に示すように、
カバー2bの下面を受枠1の上面に当てるようにして斜
めの姿勢とし、更に蓋本体2を受枠1の外側に引き出
す。このとき、受枠1の上端にはカバー2bの底面に代
わってリブ2cが載るようになり、図9の(a)に示す
ように、ガイドリブ2fが受枠1に突き当たるようにな
る。
【0033】ガイドリブ2fは図3で示したように、カ
バー2bから半径方向に向けて下に傾斜した下面を持つ
ので、蓋本体2を図9の(a)の状態から引き出すに連
れて蓋本体2自身が次第に受枠1上に移動していく。し
たがって、蓋本体2を持ち上げながら引き出す必要はな
く、蓋本体2の重量を受枠1に預けながら作業すること
ができ、作業負担が軽減される。
【0034】図9の(a)の状態を経過して更に蓋本体
2を受枠1から引き出すと、同図(b)に示すように、
ガイドリブ2fの一端であって旋回用ガイドリブ2dの
接地部2eが路面上に移る。そして、この接地部2eと
カバー2bの下端のレベルは同じなので、図示のように
蓋本体2は路面上に3点で支持され、水平姿勢とするこ
とができる。この後、図10に示すように、蓋本体2を
受枠1から離れる方向に移すことによって、受枠1の全
体を開いて開蓋することができる。
【0035】また、図10の開蓋状態から蓋本体2を受
枠1に被せて閉蓋する作業は、開蓋作業と逆の手順で行
えばよい。その際、蝶番金具6が凹部1cに収納される
ように注意して作業する必要がある。
【0036】このように、蓋本体2を受枠1に対して反
転させたり水平旋回させることなく、一端を少し持ち上
げて受枠1から引き出す作業だけで開蓋できる。このた
め、歩道Cと車道Bとの境界部分の段差Dがある部分に
受枠1が設置された場合であっても、蓋本体2の開閉が
支障なく行われる。
【0037】更に、蝶番押え7を組み込むとき、図6で
示した姿勢と左右反対とし、球体頭部6aが受圧面7d
と向かい合うようにする据付けとすることもできる。こ
の場合では、球体頭部6aの切欠6eに係合するものは
ないので、球体頭部6aは蝶番押え7によって球面接合
されるだけであるが、突片7fが括れ部6bに当接する
と共にテーパ面2aが当接するため、蝶番金物6は蝶番
取付座5に対して水平旋回のみが可能となる。
【0038】したがって、たとえば本願出願人が先に特
願平6−15578号として提案した蝶番構造におい
て、本発明の蝶番金物6を適用し、受枠1に上下方向に
回動可能に連接した連接座にこの蝶番金物6を連接した
通常の蝶番構造とすれば、蓋本体2の水平旋回の操作も
可能となる。このとき、ガイドリブ2f及び旋回用ガイ
ドリブ2dの傾斜した下面が受枠1の縁に沿って移動し
ていくため、蓋本体2の全重量を受枠1に預けた状態
水平旋回させることができる。
【0039】すなわち、蓋本体2を水平旋回させて開蓋
する場合、まず一方の旋回用ガイドリブ2dの外側斜面
を受枠1の縁に当接させながら接地部2e及びガイドリ
ブ2fが受枠1を乗り越えるまで旋回させる。次に、そ
のまま旋回させると受枠1内に位置する蓋本体2側は受
枠1内に落ち込もうとするため、井桁状のリブ2cが受
枠1の縁に当接し、接地部2e及び旋回用ガイドリブ2
dが受枠1を乗り越えるまで旋回させて開蓋する。
【0040】次に、上述した状態から閉蓋する場合、他
方の接地部2eが受枠1内に位置するまで旋回させる
と、受枠1内に位置した蓋本体2の一側が受枠1内に落
ち込もうとするためガイドリブ2fの斜面が受枠1の縁
に当接し、その後井桁状のリブ2cが受枠1の縁に当接
することになる。さらに旋回させると、一方の旋回用ガ
イドリブ2dの外側斜面が受枠1の縁に当接しながら閉
蓋することになる。
【0041】このように、球体頭部6aに対して蝶番押
え7の受圧面7c,7dのいずれかを対向させるかを選
択することによって、蝶番金物6を水平旋回不能または
水平旋回可能な動きができるように蓋本体2に取り付け
ることができる。したがって、蓋本体2を水平旋回によ
って開蓋できないような場合では、先の実施例で示した
ような蝶番押え7の突条7eを蝶番金物6の切欠6eに
組み込む構造とし、また水平旋回も可能な現場であれば
受圧面7dを球体頭部6aに臨ませる姿勢とした組み込
み構造で対応することが可能となる。
【0042】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は前記実施例に限定されるものではない。た
とえば、ガイドリブの下面及び接地部にはローラまたは
ベアリング等の転動体を設けておけば、開蓋時及び閉蓋
時に受枠の縁または車道等の面との干渉を和らげること
ができるため、操作を更に容易に行うことができる。
【0043】蓋本体を引き出して開蓋する場合の蝶番金
物は、蓋本体に対して水平旋回不能となっているめ、実
公昭60−32220号公報に記載されているように、
蓋本体の裏面に蝶番金物支持用平行案内板リブを平行に
設け、蝶番金物の上部両側面に突設した枢ピンを前記案
内板リブ内に挿通し、この蝶番金物の抜け及び水平旋回
を防止するために揺動防止装置を設けた蝶番金物であっ
てもよい。
【0044】また、上述した実施例において、蝶番金物
6を水平旋回可能に蓋本体2に取り付けて受枠1に設け
た連接座に連接したとき、蝶番金物6は突片7fとテー
パ2a面によって上下方向に回動不能とされているが、
蓋本体2のスリット5cを延長してテーパ面2aを切欠
した場合、蝶番金物6は上下方向に回動可能となるため
反転による開蓋も可能となる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、反転または水平旋回による
開蓋ができない場合、蝶番金物と半径方向に対向する側
の蓋本体の縁を少し持ち上げて受枠から引き出すように
することで、蓋本体の裏面に形成したガイドリブを利用
して受枠の上縁を滑らすようにして開蓋できる。このた
め、蓋本体の重量を受枠に預けたままでの開蓋が可能と
なり、作業負担の軽減が図られる。
【0046】また、蝶番押えと蝶番金物の球体頭部との
連接手段を変更することにより、蝶番金物を蓋本体に対
して水平旋回可能または水平旋回不能とすることができ
るため、受枠の設置状況に応じて選択することができ
る。
【0047】更に、蝶番金物が少なくも水平旋回可能に
動けるように蓋本体に連接した場合では、受枠との間に
連接座のような別部材を介在させるように構成すれば、
蓋本体の反転や水平旋回も可能となり、現場に応じた開
蓋及び閉蓋操作が可能となる。このとき、水平旋回によ
ると、ガイドリブが受枠の縁に沿って移動していくため
蓋本体の全重量を受枠に預けた状態となるため作業が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下構造物用蓋の一実施例を示す縦断
面図である。
【図2】蝶番構造の要部を示す分解斜視図である。
【図3】蓋本体をその底面側から見た概略斜視図であ
る。
【図4】蓋本体の裏面に設ける蝶番取付座の詳細であっ
て、同図の(a)はその底面図、同図の(a)はテーパ
面側から見た一部切欠図である。
【図5】蝶番金物及び蝶番押えを連接材と共に示す分解
斜視図である。
【図6】蝶番押えと球体係止部との位置関係を示す切欠
平面図である。
【図7】蓋本体に蝶番金物を連結したときの要部のって
断面図であって、同図の(a)は閉蓋時及び同図の
(b)は揚圧による蓋本体の浮き上がりを示す。
【図8】蓋本体の開蓋作業を示す図であって、同図の
(a)は閉蓋時、同図の(b)は蓋本体の一端側を受枠
の上縁に載せた状態を示す。
【図9】図8に続く開蓋作業であって、同図の(a)は
保持リブを受枠の上縁に当てながら引き出している状
態、同図の(b)は蓋本体を路面側に引き上げた状態を
示す。
【図10】蓋本体を受枠から離して受枠の全体を開放し
た状態を示す。
【符号の説明】 A :揚圧 B :車道 C :歩道 D :段差 1 :受枠 1a:テーパ面 1b:係合突起 2 :蓋本体 2a:テーパ面 2c リブ 2d:旋回用ガイドリブ(ガイドリブ) 2f:ガイドリブ 3:施錠具 5 :蝶番取付座 5b:装着孔 5c:スリット 5d:摺動面 6 :蝶番金物 6a:球体頭部 6c:係合爪 6e:切欠 7 :蝶番押え 7c:受圧面 7d:受圧面 7e:突条 8a:ボルト 8b:ナット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受枠に嵌合する蓋本体の周縁部に蝶番金
    物を備え、該蝶番金物の下端には、前記受枠の内周に設
    けた係合突起に下方から係合可能とした係合爪を備え、
    同蝶番金物の上端には、球体頭部を設けると共に、該球
    体頭部をその芯周りに回動可能に前記蓋本体の裏面に設
    けた袋状の蝶番取付座内に連接し、前記蝶番取付座内に
    前記球体頭部を拘束する蝶番押えを着脱可能に設け、前
    記蝶番押えと前記球体頭部とを、前記蝶番金物が蓋本体
    に対して水平方向に旋回不能または少なくとも水平旋回
    可能とする連接関係としてなる地下構造物用蓋構造。
  2. 【請求項2】 前記蓋本体の裏面には、前記蝶番金物を
    設ける側と半径方向に対向する側の縁に向けて前記蓋本
    体の下面からの突き出し量が次第に小さくなるガイドリ
    ブを設け、前記ガイドリブを開蓋時前記受枠の上縁に沿
    って摺動可能に配設してなる請求項1記載の地下構造物
    用蓋。
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