JPH08113523A - 加熱蒸散用水性香料組成物 - Google Patents

加熱蒸散用水性香料組成物

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JPH08113523A
JPH08113523A JP24949294A JP24949294A JPH08113523A JP H08113523 A JPH08113523 A JP H08113523A JP 24949294 A JP24949294 A JP 24949294A JP 24949294 A JP24949294 A JP 24949294A JP H08113523 A JPH08113523 A JP H08113523A
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JP
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oil
perfume
aqueous
composition
fragrance
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JP24949294A
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Yasuo Tsunoda
泰男 角田
Aya Kado
亜矢 加百
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Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可溶化助剤を添加することにより、組成物の
経時安定性、取扱性や経済性などが改善され、蒸散に際
して、特別の香料蒸散装置を使用する必要がなく、かつ
加熱蒸散に際して長期にわたり、蒸散途中で目詰まりが
なく、また組成のバランスが崩れ、香料の分離・白濁が
起こることがなく安定した香料の蒸散が得られる加熱蒸
散用香料組成物を提供すること。 【構成】 香料成分を有機溶剤と水と共に含有する加熱
蒸散用水性香料組成物において、沸点が200℃以下の
アルコール類、グリコール類、エーテル類、エステル
類、ケトン類の少なくとも一種を1〜30重量%添加す
ることを特徴とする加熱蒸散用水性香料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により香料を蒸散
させて使用する加熱蒸散用香料組成物において、水を含
有させることにより組成物の経時組成安定性、取扱性や
経済性などを改善し、使用に当たり加熱により香料を蒸
散させる際、長期間にわたり安定した香料を揮散し得る
加熱蒸散用水性香料組成物を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より吸液芯利用の加熱式の薬剤蒸散
装置は種々知られており、装置は適当な容器に薬剤の溶
剤溶液(薬液)を入れ、これをフエルト等の吸液芯を利
用して吸上げつつ該吸液芯上部より加熱蒸散させるべく
したものである。このような吸液芯利用による薬剤蒸散
装置には、薬液として一般に前記の薬剤を有機溶媒に溶
解したものが使用されている。これは、前記の薬剤が一
般に有機化合物であって、有機溶媒に溶解しやすいため
所定濃度の溶液を容易に形成できることと、有機溶媒は
蒸発し易いためその蒸発により薬剤の揮散を容易にする
という利点があることによるものである。薬剤の1例と
して芳香剤(香料)を使用した例も記載されている。
【0003】前記薬液に使用する有機溶媒としては、広
く石油系溶剤、例えば灯油等が使用されている。しか
し、灯油等は香料を可溶化して加熱蒸散用組成物を調製
するに最適の可溶化剤といえず、より良いものが求めら
れているのが現状である。そこで、香料液を水性芳香剤
とすることが考えられている。そのためには、通常例え
ば香料を水中に可溶化させるのを助長する作用を有する
か、あるいはそれ自体が香料を溶解し、その溶液が水中
に可溶化するというような作用を有する添加剤の類を加
えるなどの何らかの手段が必要である。特開平3−72
07号公報には、水性殺虫剤を形成するために、添加剤
として、100〜180℃で加熱温度で蒸散するとい
う、特定の界面活性剤を用いることが示され、そのよう
な界面活性剤としては、例えば非イオン型のポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル系化合物、非イオン型のポ
リオキシアルキレンフェニルエーテル系化合物、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸部
分エステル、多価アルコール部分エステル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピルグリコール等が挙げられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱蒸
散用水性香料組成物としては、(i)水及び香料と有機溶
剤の相溶性、(ii)加熱蒸散時の香料組成物の蒸散性、の
2つ大きな問題点を解決しなければならない。特に(ii)
については、加熱蒸散用香料組成物を吸液芯を使用して
加熱蒸散させた場合に、蒸散開始から20日を過ぎると
急激に有効揮散率が低下する現象を生じるが、これは芯
の目詰まりが起きているものと考えられ、このため吸液
芯を使用する加熱蒸散方法を20日以上の長期にわたり
使用するには適さなかった。加熱蒸散用水性香料組成物
を使用する場合においても、油性有機溶剤を用いている
従来の加熱蒸散用薬剤と同程度の期間、長期にわたって
使用できることが要求される。例えば有機溶剤として沸
点の高いものを用いると、水との沸点に差があるため、
優先的に溶剤が蒸散して水の比率が高くなり、蒸散途中
で液のバランスが崩れ、香料の分離、白濁の原因とな
り、香料の長期にわたる安定な蒸散が得られない。この
ため長期にわたる安定な蒸散が得らるよう可溶化剤、添
加剤などの選択、或いはその組成割合の選定を行うこと
が必要である。
【0005】本発明の目的は、 加熱蒸散に際して、水の比率が高くなり、蒸散途中で
液のバランスが崩れ、香料の分離・白濁が起こることが
なく、長期にわたり安定した香料の蒸散が得られる加熱
蒸散用水性香料組成物を提供すること。 香料組成物に特定の沸点を有する化合物と共に水を含
有させることにより、組成物の経時組成安定性、取扱性
や経済性などを改善した加熱蒸散用水性香料組成物を提
供すること。 特別の香料蒸散装置を使用することなく従来の薬剤蒸
散装置が使用できること。 以上の条件を満足する加熱蒸散用水性香料組成物を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記した目
的を達成するために加熱蒸散用水性香料を種々の水性溶
剤と水との混合物に溶解し、これに安定化のための各種
の助剤を添加し、多くの加熱蒸散用水性香料組成物を調
製し、その蒸散性や吸液芯における目詰まりに及ぼす影
響や長期間一定かつ安定に香料を揮散させ得る特性等を
鋭意研究した結果、本発明の加熱蒸散用水性香料組成物
を提供することに成功し本発明の目的を達成した。すな
わち、 (1)香料成分を有機溶剤と水と共に含有する加熱蒸散
用水性香料組成物において、沸点が200℃以下のアル
コール類、グリコール類、エーテル類、エステル類、ケ
トン類の少なくとも一種を1〜30重量%添加すること
を特徴とする加熱蒸散用水性香料組成物である。本発明
の骨子は、加熱蒸散用水性香料組成物に沸点が200℃
以下、好ましくは100〜200℃のアルコール類、グ
リコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類の少な
くとも一種を1〜30重量%添加することにより、加熱
蒸散装置により水性香料組成物を長期間加熱蒸散せしめ
た時に、蒸散途中でバランスが崩れ、香料の分離・白濁
が起こることがなく、長期にわたり安定した香料の蒸散
が得られることにある。
【0007】本発明において用いる沸点が200℃以下
のアルコール類としては、具体的には、イソプロパノー
ル、n−プロパノール、2−メチル−3−メトキシブタ
ノール、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テルなどが挙げられる。本発明において用いる沸点が2
00℃以下のグリコール類としては、具体的には、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール
などが挙げられる。また、本発明において用いる沸点が
200℃以下のエーテル類としては、具体的には、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチル
エーテル、ジエチリン、1,4−ジオキサンなどが挙げ
られる。本発明において用いる沸点が200℃以下のエ
ステル類としては、具体的には、2−メトキシエチルア
セテート、アセト酢酸メチルなどが挙げられる。本発明
において用いる沸点が200℃以下のケトン類として
は、具体的には、ジアセトンアルコール、アセトインな
どが挙げられる。
【0008】本発明の加熱蒸散用水性香料組成物におい
て、前記沸点が200℃以下のアルコール類、グリコー
ル類、エーテル類、エステル類、ケトン類、あるいはそ
れらの混合液(以下助剤ということもある)は水性香料
組成物中に1〜30重量%配合されている。好ましくは
5〜15重量%配合されている。前記助剤(水性有機溶
剤)は1種又は2種以上を用いることができる。
【0009】本発明の加熱蒸散用水性香料組成物におい
て、前記沸点が200℃以下のアルコール類、グリコー
ル類、エーテル類、エステル類、ケトン類の前記助剤
(水性有機溶剤)の外に、その他の親水性溶剤(可溶化
助剤)を使用することができる。これらの親水性溶剤は
水性香料組成物中に5〜35%配合されることができ
る。これらの親水性溶剤の例としては、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル(BDG)、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル(BTG)、ポリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテルなどを挙げることができる。本発
明の水性香料組成物中の有機溶剤は、水性有機溶剤、本
発明の助剤(すなわち、前記アルコール類、グリコール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類)とその他の前
記親水性溶剤(可溶化助剤)とよりなり、これら有機溶
剤の合計と水との配合割合は3:7〜8:2が好まし
い。
【0010】本発明の加熱蒸散用香料可溶化剤中に含有
される香料としては、前記可溶化剤(すなわち、水性有
機溶剤、水および本発明の助剤からなる)に溶解させて
使用できるものであれば何ら制限を受けるものではな
く、天然香料あるいは合成香料のいずれでも使用可能
で、調合香料であっても構わない。また動物性香料、植
物性香料を問わないが植物性香料が好ましい。天然香料
としては、じゃ香、霊猫香、竜延香などの動物性香料;
アビエス油、アジョクン油、アルモンド油、アンゲリカ
ルート油、ページル油、ペルガモット油、パーチ油、ボ
アバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム
油、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリ
ー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コ
リアンダー油、キュペブ油、クミン油、樟脳油、ジル
油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガー
リック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ
油、ジュニパーペリー油、ローレルリーフ油、レモン
油、レモングラス油、ロページ油、メース油、ナツメグ
油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はつか
油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、セイ
ジ油、スターアニス油、テレピン油、ウォームウッド
油、ワニラ豆エキストラクトなどの植物性香料を含む。
【0011】人造香料は合成又は抽出香料であり、それ
らは例えばピネン、リモネンなどの炭化水素類;リナロ
ール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボ
ルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、
β−フェニルエチルアルコールなどのアルコール類;ア
ネトール、オイゲノールなどのフェノール類;n−ブチ
ルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデ
ヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノ
ナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズア
ルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、
ワニリンなどのアルデヒド類;メチルアミルケトン、メ
チルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニ
ル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、ア
セトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノンな
どのケトン類;アミルブチロラクトン、メチルフェニル
グリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シ
ネオールなどのラクトン又はオキシド類;メチルフォー
メート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォー
メート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メン
チルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセ
テート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪
酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリ
ル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチン
カルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカル
ボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチ
ル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベ
ンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂
皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、ア
ニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベー
ト、エチルα−ブチルブチレートなどのエステル類など
を含む。
【0012】前記天然香料や人造香料と同様に、本発明
において使用できる香料成分としては以下のものがあ
る。すなわち、昆虫、ダニ類の忌避剤として挙げられて
いる、メルカプタン、ジャプノイド(檜、ヒバ類)、シ
トロネラオイル、ペパミアットオイル、ピメオイル、ユ
ウカリプチーソイル、ローズジェラミエムオイル、リナ
ルール、リモネン、ミュートール、カンファーシナモ
ン、リーフオイル、シトロール、メチルアントラニレー
ト、シンナミルアセテート、ジメチルフタレート、リモ
ネン、ゲラニオール、アネトール、n−オクチルアルコ
ール、ペパミントカルブ、シトロール、シネオール、カ
ンファユーカプツオイル、α−ピネン、リーフアルコー
ル、ヘキサノール、トランス−2−オクタノール、トラ
ンス−2−デセナール、メントール、メチルオイゲノー
ル、ミントオイル、シニュアモン、テルペニルアセテー
ト、カンフェン。昆虫、ダニ類の誘引剤として挙げられ
ている、アネトール、アニシックアルデヒド、アニシル
アルコール、イオネン類、リナルール、ネラール、ゲラ
ニオール、シトロール、オイゲノール類、ファルネソー
ル、シベット、バッターフレーバ、正油フレーバ、ラク
トン類、ベルトール、バニリン、ヘキセノール、サンタ
ルール、ボウシルアセテート、ジオクチルフタレート、
ピペロナール、メチルオイゲノール、シトロネロール、
メチルイソオイゲノール、シンナミックアルコール、イ
ソサフロール、カンファ類、ベルトール類、ボウシルア
セテート、ゲラニルホルメート、サフソール、ベーガモ
ット、p−メトキシアセトフェノン、L−カーヴァン、
カンファ、ジメチルフタレート、ナフタリン、ターペン
チンオイル、リモネン、カンフェーン、ピネン類、シン
ナミックアルデヒド、安息香酸。
【0013】抗菌剤として挙げられている、フェナー
ル、チモール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラ
ニオール、シトロネロール、リナルール、テルピネオー
ル、メントール、シトラール、シトネラール、シンナミ
ックアルデヒド、メントール、1−カルヴォン、1,8
−シネオール、アネトール、サフロール、ローズ油、ジ
ャスミン油、パチョウリオイル、セダウッドオイル。医
薬用、アロマテラピール用、アロマセラピール用として
挙げられている、精油(はっか、ユーカリ、レモン、ベ
ルベナ、シトロネラ、カヤブテ、サルビヤ、タイム、ク
ローブ、ローズマリー、ヒソップ、ベージル、ジャスミ
ン、カモミル、ネロリ、ベリラ、マジョラム、ローレ
ル、ジュニパーベリー、ナッツメグ、ジンジャー、ベル
ガモット、オレンジ、ラベンダー、ペパーミント、樟
脳、シナモン、メース、せいようにんじんぼく、アルテ
ミジア、カンファー、ラベンダー、クラリセージ、ロー
ズ、ブチグレン等)、エキス(オニオン、ガーリック
等)、蟻酸、酢酸、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸エ
ステル(エチル、プロピル、ブチル、ヘプチル、ノニ
ル、メンチル、イソメンチル等)、亜硝酸アミル、トリ
メチルシクロヘキサノール、アリルサルファイド、ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、フェニルエチルアル
コール、炭酸メチル、炭酸エチル、よもぎ油、ローズマ
リー油、ユーカリ油、ミル油、フェニル酢酸エステル、
グアヤコール、インドール、クレゾール、チオフェノー
ル、p−ジクロロベンゼン、p−メチルキノリン、イソ
キノリン、ピリジン、有機アミン類、メルカプタン、ア
ンモニア、硫化水素、カルボン、エストラゴール、エレ
モール、メントール、シネオール、オイゲノール、シト
ラール、ヒドロキシシトロネラール、ペパーミント油、
アプシンス油、サンダルウッド油、コスタス油、ラブダ
ナム油、アンバー、ムスク、シトロネラール、ボルネオ
ール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、ロジノー
ル。などである。
【0014】香料は一種類のみでもよいし、二種類以上
を調合した調合香料でもよい。配合香料としては、例え
ば天然香料としてじゃ香、合成香料としてピネンを調合
した調合香料、あるいは天然香料として霊猫香、合成香
料としてリモネンを調合した調合香料などが挙げられ
る。
【0015】前記香料の後記可溶化剤への配合割合は、
加熱蒸散用香料可溶化剤に香料成分を0.5〜30重量
%、好ましくは1〜20重量%であるが、実施可能であ
るかぎり前記配合割合に制限を受けるものではない。ま
た、有機溶剤と水との含有割合は、水性香料組成物中の
割合で規定すると、香料の量などにより変動するので、
前記水性有機溶剤と水との合計量に対するそれぞれの百
分率で示している。上記加熱蒸散用水性香料組成物を調
製するための溶媒としては、前記水性有機溶剤、水と前
記本発明の助剤との混合物が使用される。
【0016】前記香料を用いて水ベースの香料溶液とす
るためには、本発明の可溶化剤(前記水性有機溶剤、水
と前記本発明の助剤の混合物)に香料を用時に添加する
だけで調製できる。その際、香料溶液が液中に安定して
溶解状態が保持されるような後記する可溶化助剤を必要
により添加するすることができる。該可溶化助剤は加熱
蒸散時、芯の目詰まりを防ぐ効果も有する。水ベースの
香料溶液が液中に安定して溶解状態が保持されるように
添加する可溶化助剤(化合物)としては、例えば、 ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン
(以下BHTという) ・3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・メルカプトベンズイミダゾール ・ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
メチルフェノール) ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
エチルフェノール) ・4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール) ・4,4′−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3
−メチルフェノール)
【0017】・4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチ
ル−3−メチルフェノール) ・1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン ・トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン ・テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン ・オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシヒドロシンナメート
【0018】・フェニル−β−ナフチルアミン ・N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン ・2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン
ポリマー ・6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン ・2−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・3−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール ・ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート ・α−トコフェロール ・アスコルビン酸 ・エリソルビン酸 などを挙げることができる。前記可溶化助剤(化合物)
は、その1種を単独で用いてもよく、また2種以上併用
することもできる。その使用量は、水性香料組成物中に
約0.05〜2.0重量%、好ましくは約0.1〜1.
0重量%含有される量とするのが好ましい。もちろん、
実施可能であれば、可溶化助剤の添加は前記割合に制限
されるものではない。
【0019】本発明の加熱蒸散用水性香料組成物は、従
来公知の各種吸液芯を利用した吸上式加熱蒸散装置に適
用して、いずれも前記した所期の優れた効果を奏し得
る。そのような吸上式加熱蒸散装置としては、例えば、
実開昭58−45670号公報等に記載された装置であ
る。
【0020】上記装置に利用される吸液芯としては、通
常用いられている各種素材、例えばフエルト、木綿、パ
ルプ、木、竹、不織布、石綿その他毛細管現象により液
体を流通せしめる素材、さらに、無機質の毛細管集合組
織を有する成型物等のいずれからなるものでもよいが、
中でもフエルト芯、素焼芯、パルプ芯及び無機質成型芯
が好ましい。上記無機質成型芯の具体例としては磁器多
孔質、グラスファイバー、石綿等の無機繊維を石膏やベ
ントナイト等の結合剤で固めたものや、カオリン、活性
白土、タルク、ケイソウ土、クレー、パーライト、ベン
トナイト、モンモリロナイト、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、マグネシア、シリカ、ヒドロキシアパタイト、アル
ミナシリカ、石膏、チタニア、リン酸カルシウムおよび
その無水物、ガラス質火山岩焼成粉末、ガラス質火山灰
焼成粉末等の鉱物質粉末を、単独で又は木粉、炭粉、活
性炭等と共に、結合剤として、例えばポバールを熱処理
(150℃程度の温度で数分加熱)したもの、ポバール
にメラミン樹脂や重クロム酸アンモニウムのような耐水
化剤を1〜10%程度添加したもの、或いは架橋型でん
ぷん、これとα−でんぷんとの混合物、α−グルテンと
カプロラクトンとの混合物のような耐水性結合剤で固め
たものを例示できる。結合剤として前記合成樹脂系のも
のも使用できるが、本発明においては水ベースの組成物
を吸液する関係で、前記のような親水性結合剤を耐水性
にし、かつ吸液芯としては水性組成物に対する水揚げが
良く、芯の目詰まりが起こらないようにした吸液芯が好
ましい。特に好ましい吸液芯は、上記鉱物質粉末100
重量部と木粉又は該木粉等重量までの炭粉及び/又は活
性炭を混合した混合物10〜300重量部とに前記耐水
性結合剤を全吸液芯重量の5〜25重量%となるまで配
合し、更にこれらに水を加えて練合押出し成型後、焼成
することにより製造される。このような成形焼成芯やプ
ラスチック多孔質芯の吸水率は15〜50%のものがよ
く、特に20〜40%のものが好ましい。
【0021】該吸液芯は、吸液速度が1〜40時間、好
ましくは8〜21時間であるのが望ましい。この吸液速
度とは、液温25℃の液中に直径7mm×長さ70mm
の吸液芯をその下部より15mmまで浸漬し、芯頂に水
又は水/BDG(60/40)が達するまでの時間を測
定することにより求められた値を意味する。また上記吸
液芯中には、上記鉱物質粉末、木粉及び糊剤の他更に必
要に応じてマラカイトグリーン等の色素、ソルビン酸及
びその塩類、デヒドロ酢酸等の防カビ剤等を配合するこ
ともできる。
【0022】また、吸液芯の別の実施可能な形態とし
て、吸液芯の中心に多孔質の吸液蒸散層を有し、周囲に
保持材層を有する構造の吸液芯が例示できる。多孔質の
吸液蒸散層としては、前記吸液芯として例示したフェル
ト、木綿、パルプ、不織布、石綿、無機質成型物に加え
ポリエステルなどの合成繊維、吸水性の高い木材が好適
である。そして周囲の保持材層としては、チューブ状の
力学的に十分な強度を有し、本組成物に対して及び熱に
対して十分な耐性を有するものから選択される材料、例
えば、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維、無機繊
維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアクリル、フェノール樹脂などのプラスチック、
銅、真鍮、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金
属、陶磁器、ガラス等から構成される。そして、フェル
ト、木綿、パルプ、不織布、石綿、無機質成型物などに
リン酸バリウムを付着させることで、その殺虫剤吸上げ
性能が長時間安定に維持することができる。 また上記
装置に利用される発熱体としては、通常通電により発熱
する発熱体が汎用されているが、使用する発熱体の種類
は特に限定されない。その発熱体において保持される温
度は、通常約40〜450℃、好ましくは70〜150
℃、より好ましくは85〜145℃の範囲の発熱体表面
温度とされ、これは吸液芯表面温度約30〜440℃、
好ましくは約60〜145℃、より好ましくは約70〜
143℃に相当する。
【0023】
【作用】本発明は、水性有機溶剤と水よりなる加熱蒸散
用水性香料組成物において、沸点が200℃以下、好ま
しくは100℃〜200℃のアルコール類、グリコール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類の少なくとも一
種を助剤として1〜30重量%添加することにより、加
熱蒸散に適した、均一・安定な溶液、すなわち安定な加
熱蒸散用水性香料組成物を得ることができる。また、本
発明の加熱蒸散用水性香料組成物は、加熱蒸散装置によ
り水性香料組成物を長期間加熱蒸散せしめた時に、芯の
目詰まりが起こらず、蒸散途中でバランスが崩れ香料の
分離・白濁が起こることがなく、長期にわたり安定した
香料の蒸散が得られ、香りの変質が起こらず香りの強さ
を一定に保つことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明は、これらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0025】実施例1〜2、比較例1〜2 第1表に示す組成の水・溶剤混合液を調製した。
【0026】
【表1】
【0027】第1表に示す組成の水性溶剤をベースとし
た加熱蒸散用水性香料組成物を4種調製し、香料組成物
中の香料の濃度を1%として、ポリアクリル芯(芯の太
さφ=5mm、気孔率41%)を用いて加熱蒸散装置に
より蒸散を行った。70時間、150時間、170時
間、及び400時間の蒸散経過時間の後、ボトル中に残
存する水性香料組成物中の主溶剤(BDGとBTG)の
含量をガスクロマトグラフ法により分析した結果を第2
表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】ここで、ガスクロマトグラフの分析条件は
以下の通りである。 1:使用カラム : SE−30(2M) 2:カラムサイズ: 2mm 3:キャリアー : 窒素ガス 4:内部標準 : 安息香酸n−ブチル 5:カラム温度 : 120℃ 6:気化温度 : 200℃
【0030】実施例3 本発明の助剤の添加有無による
蒸散量の評価 本発明の助剤として以下の化合物を使用し、主溶剤をB
TGとして水性香料組成物を調製し、前記実施例1〜
2、比較例1〜2と同じ条件で加熱式薬剤蒸散装置によ
り蒸散を行った。助剤の種類及び助剤の有無による蒸散
量の評価結果を第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】沸点が200℃以下のアルコール類、グ
リコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類の少な
くとも一種からなる助剤を添加して加熱蒸散用水性香料
組成物を構成することにより、香料の加熱蒸散に際し
て、香料の揮散が一定・安定して行われ、かつ自然でさ
わやかな香りを、適度に漂わせることが可能である。ま
た、従来の加熱式薬剤蒸散装置により本発明の加熱蒸散
用水性香料組成物の揮散を行うことができる。また、加
熱式薬剤蒸散装置は市販されており安価に入手できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香料成分を有機溶剤と水と共に含有する
    加熱蒸散用水性香料組成物において、沸点が200℃以
    下のアルコール類、グリコール類、エーテル類、エステ
    ル類、ケトン類の少なくとも一種を1〜30重量%添加
    することを特徴とする加熱蒸散用水性香料組成物。
JP24949294A 1994-10-14 1994-10-14 加熱蒸散用水性香料組成物 Pending JPH08113523A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282549A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 芳香液組成物
JP2014201852A (ja) * 2013-04-04 2014-10-27 長谷川香料株式会社 薬剤揮散用繊維構造体

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