JPH0811342B2

JPH0811342B2 - Ｖ型エンジンの加工装置

Info

Publication number: JPH0811342B2
Application number: JP25187787A
Authority: JP
Inventors: 保次郎頼本
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1987-10-06
Filing date: 1987-10-06
Publication date: 1996-02-07
Anticipated expiration: 2011-02-07
Also published as: JPH0197535A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、複数のシリンダが一対のシリンダ列を形成
してＶ字状を成すべく配列される、所謂、Ｖ型エンジン
におけるシリンダブロックに対する加工に用いられるＶ
型エンジンの加工装置に関する。

（従来の技術）一般に、複数のシリンダが一直線状に配列された、所
謂、直列型エンジンに比して、一対のシリンダ列を形成
してＶ字状を成すべく配列された、所謂、Ｖ型エンジン
は、クランクシャフトの短縮化が図られてその全長が小
とされるとともに、高い剛性を有するものとなることが
知られている。

ところで、エンジンのシリンダブロックに形成される
複数のシリンダには、通常、その内壁面における耐熱性
及び耐摩耗性等を高めるための表面処理、あるいは、耐
熱性及び耐摩耗性等に優れた円筒部材の圧入等が行われ
る。そのため、一般には、これら表面処理あるいは円筒
部材の圧入等を行う前作業として、鋳造されて得られた
シリンダブロックに設けられたシリンダの内壁面に対す
る研磨等の表面加工が行われる。

このような表面加工が、上述の如くのＶ型エンジンに
おけるシリンダブロックに設けられたシリンダの夫々に
対して行われるに際しては、例えば、先ず、一対のシリ
ンダ列における第１のシリンダ列を成す複数のシリンダ
内に、砥石車等の加工手段が挿入されてシリンダの内壁
面に対する表面加工が行われた後、加工手段が第２のシ
リンダ列に対応する位置に移動せしめられて、第２のシ
リンダ列を成す複数のシリンダ内に挿入されて、シリン
ダの内壁面に対する表面加工が行われる。

しかしながら、上述の如くにしてＶ型エンジンにおけ
るシリンダの内壁面に対する表面加工が行われる場合に
は、加工手段を第１のシリンダ列から第２のシリンダ列
に移動させるための機構が比較的大掛かりなものとな
り、装置全体が大型化してしまうという不都合がある。
また、加工手段の第１及び第２のシリンダ列をなすシリ
ンダに対する位置決めを正確に行うことは容易でなかっ
た。

これに対し、第１及び第２のシリンダ列が設けられた
シリンダブロックに対して加工手段を移動させるのでは
なく、シリンダブロックを保持するワーク保持台を加工
手段に対して移動させて、表面加工されるべきシリンダ
を加工手段に対して位置決めするようになし、装置全体
の小型化を図ることが考えられる。

斯かる場合には、加工されるべきシリンダが形成され
たシリンダブロック、即ち、ワークを加工手段に対して
正確に位置決めすることが要求されることになる。この
ように、ワークを加工手段に対して位置決めすることに
関連して、ワークの位置決めを行うための位置決め治具
装置が、特開昭61−219544号公報に記載されている如く
に提案されている。この従来提案された位置決め治具装
置においては、固定治具台に揺動可能に取り付けられた
基板と、この基板に水平方向及び垂直方向における位置
決めがなされて取り付けられるクランプ部材を有した取
付プレートを備え、基板が固定治具に対して揺動される
ことにより、取付プレートにクランプ部材によって取り
付けられたヲークが固定治具台に対して揺動され、それ
により、加工手段に対するヲークの位置決めが正確に行
われる。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、上述の如く位置決め治具装置において
は、固定治具台に揺動可能に取り付けられた基板に対す
るワークの取り付けが、ワークを把持するクランプ部材
を有した取付プレートを介して行われるようにされてい
るので、ワークが基板に取り付けられるにあたり、ワー
クの種類に応じた取付プレートを基板に取り付ける作業
が伴われ、それにより、作業性の低下をまねくことにな
るという問題がある。

斯かる点に鑑み、本発明は、装置全体の小型化が図ら
れるとともに、加工手段に対するシリンダブロックに設
けられたシリンダの位置決めが正確に行われ、しかも、
加工のための基台に対するシリンダブロックの取り付け
が比較的容易に行われるようにされたＶ型エンジンの加
工装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）上述の目的を達成すべく、本発明に係るＶ型エンジン
の加工装置は、一対のシリンダ列が設けられるＶ型エン
ジンのシリンダブロックを加工位置へと下降させ、ある
いは、加工位置から上昇させるワーク昇降手段と、ワー
ク昇降手段によって加工位置に下降せしめられたシリン
ダブロックを位置決めして保持するワーク保持台と、ワ
ーク保持台を、それにより保持されたシリンダブロック
に配されるものとなるクランクシャフトの中心軸線上に
位置する軸心をもって揺動可能に支持する揺動支持台
と、揺動支持台を、シリンダブロックに配されるものと
なるクランクシャフトの中心軸線に沿う方向に移動可能
に支持する基台とが設置され、ワーク保持台を揺動させ
て、シリンダブロックを、それに設けられた一対のシリ
ンダ列の一方を成す複数のシリンダの方向を予め定めら
れた加工方向に一致させるべく、揺動支持台に対して傾
斜させるワーク揺動手段と、ワーク揺動手段によって揺
動支持台に対して傾斜せしめられたシリンダブロックに
おける一対のシリンダ列の一方を成す複数のシリンダの
うちの少なくとも１つに対する、予め定められた加工方
向をもっての加工を行う加工手段と、揺動支持台を、基
台に対して、ワーク保持台により保持されたシリンダブ
ロックに設けられた一対のシリンダ列の夫々を成す複数
のシリンダにおけるピッチ間隔と等しい距離だけ、クラ
ンクシャフトの中心軸線方向に沿って移動させるワーク
移動手段とが設けられるものとされる。

（作用）上述の如くの構成とされる本発明に係るＶ型エンジン
の加工装置においては、ワーク保持台により保持された
シリンダブロックが、それに設けられた一対のシリンダ
列のうちの第１の列を成す複数のシリンダの方向が予め
定められた加工方向に向けられるべく、ワーク揺動手段
により揺動支持台に対して傾斜せしめられた状態におか
れる。そして、斯かる状態のもとで、第１の列を成す複
数のシリンダのうちの少なくとも１つに対する加工手段
による加工が行われる。次に、シリンダブロックが、そ
れに設けられた一対のシリンダ列の夫々を成す複数のシ
リンダにおけるピッチ間隔に相当する距離だけ、ワーク
移動手段によりクランクシャフトの中心軸線方向に移動
せしめられるとともに、一対のシリンダ列のうちの第２
の列を成す複数のシリンダの方向が、加工方向に向けら
れるべく、ワーク移動手段により揺動支持台に対して傾
斜せしめられる。その後、第２の列を成す複数のシリン
ダのうちの少なくとも１つに対する加工手段による加工
が行われて、シリンダブロックに対する加工が終了され
る。

このようにされることにより、加工装置全体の小型化
が図られ、しかも、シリンダブロックに設けられたシリ
ンダの加工手段に対する位置決めが正確に行われるとと
もに、シリンダブロックの基台に対する取り付けが容易
なものとされるので、作業性が著しく向上せしめられ
る。

（実施例）以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は、本発明に係るＶ型エンジンの加工装置を一
例を、それにより加工される６気筒のＶ型エンジンのシ
リンダブロックとともに示す。

第１図に示されるＶ型エンジンの加工装置は、主とし
て、搬送位置において載置されたシリンダブロックＷ
を、その搬送位置から加工位置へ下降させる、あるい
は、加工位置から搬送位置へ上昇させる昇降テーブル1,
昇降テーブル１上に載置されて加工位置に下降せしめら
れたシリンダブロックＷを位置決めして保持するワーク
保持台2,ワーク保持台２を揺動可能に支持する揺動支持
台4,揺動支持台４を水平方向に移動可能に支持する基台
6,揺動支持台４に取り付けられてワーク保持台２を揺動
させる揺動手段8,基台６に取り付けられて揺動支持台４
を移動させる移動手段９、及び、ワーク保持台２に保持
されるシリンダブロックＷに設けられた一対のシリンダ
列を成す複数のシリンダａ及びｂ（第１図においてシリ
ンダａはあらわれない）の夫々に対する加工を行う加工
手段10等を備えて構成される。

昇降テーブル１は、シリンダブロックＷを、第１図に
おいて矢印Ｆで示される方向（Ｆ方向）に搬送するため
のワーク搬送用ローラ12を備えている。昇降テーブル１
の下面には、昇降シリンダ16から伸びる昇降ロッド18の
上端部が固定されており、昇降テーブル１は、昇降シリ
ンダ16の動作に応じて、第１図において一点鎖線で示さ
れる如くの搬送位置と、実線で示される如くの加工位置
とを選択的にとることができるようにされている。そし
て、Ｆ方向における昇降テーブル１の前後には、ワーク
保持台２に後述される如くにして支持される搬送テーブ
ル22が配置されており、搬送テーブル22は、その上面
が、昇降テーブル１が搬送位置をとるとき昇降テーブル
１の上面に連なるものとされ、シリンダブロックＷを、
Ｆ方向に搬送するためのワーク搬送用ローラ20を備えて
いる。

昇降テーブル１の下方にはワーク保持大台２が配され
ている。ワーク保持台２は、その下面側における中央部
に昇降シリンダ16が固定され、また、昇降シリンダ16に
備えられた昇降ロッド18が貫通する透孔が形成されてい
る。ワーク保持台２におけるＦ方向に沿う両端部には、
相対向する一対の側壁部材３が立設されている。一対の
側壁部材３の夫々の上部中央部分には、ワーク保持台２
が揺動せしめられる際の揺動中心となる軸26を回動自在
に支持する軸受部材28が配されており、この軸受部材28
の夫々の上面に、上述の搬送テーブル22が固定されてい
る。そして、軸26の軸心は、昇降テーブル１が第１図に
おいて実線で示される如くの加工位置をとるとき、昇降
テーブル１上に載置されたシリンダブロックＷにおけ
る、それに挿通されるものとなるクランクシャフトの中
心軸線Ｏ上に位置するものとされている。

そして、第３図に示される如く、ワーク保持台２にお
ける所定の２個所には、昇降テーブル１が加工位置をと
るとき、昇降テーブル１上に載置されたシリンダブロッ
クＷの下面に形成された係合孔に係合して、シリンダブ
ロックＷのワーク保持台２に対する位置決めをなす位置
決めピン30が立設されている。また、ワーク保持台２上
に立設された一対の側壁部材３の夫々の両端部には、Ｆ
方向に沿って伸びるクランプ支持部材32が取り付けられ
ている。クランプ支持部材32には、昇降テーブル１が加
工位置をとるとき、昇降テーブル１上に載置されたシリ
ンダブロックＷを把持してワーク保持台２に固定する、
４個のクランプ部材34が配置されている。

クランプ部材34は、クランプ支持部材32の上面に固定
されたクランプシリンダ36,クランプシリンダ36に備え
られて下方に伸びる伸縮ロッド38、及び、伸縮ロッド38
の先端部に一端部が軸支され、他端部にシリンダブロッ
クＷに係合するフックが形成されたクランプアーム40を
備えている。クランプアーム40は、その中間部がワーク
保持台２上に立設されたブラケット42に軸支され、伸縮
ロッド38が収縮状態とされるときシリンダブロックＷを
把持し、また、伸縮ロッド38が伸長状態とされるときシ
リンダブロックＷを解放するものとされる。

ワーク保持台２の下方には揺動支持台４が配されてい
る。揺動支持台４の中央部には、昇降シリンダ16が貫通
され、Ｆ方向に直交する方向に伸びる開口を形成する開
口部4aが設けられている。また、揺動支持台４上には、
ワーク保持台２上に立設された側壁部材３の夫々に対向
する側壁部材５が立設されている。斯かる側壁部材５の
夫々の上部中央部分には、ワーク保持台２上に立設され
た側壁部材３の夫々の上部中央部分に配された軸受部材
28によって回動自在に支持された軸26を、回動自在に支
持する軸受部材44が配されている。

そして、揺動支持台４の上面部における、一対の側壁
部材５のうちの一方に近接する位置には、ブラケット46
が立設されており、ブラケット46の上部には、揺動手段
８をこ構成する揺動シリンダ48の一端部が軸支されてい
る。揺動シリンダ48には伸縮ロッド50が備えられてお
り、伸縮ロッド50の先端部は、第２図に示される如くワ
ーク保持台２と一対の側壁部材３のうちの一方の上部中
央部分に配された軸受部材28の下面との間に固定された
ブラケット52における、その中間部に固着された軸53に
軸支されている。

揺動支持台４の下方には基台６が配されている。基台
６の中央部には、昇降シリンダ16が貫通され、揺動支持
台４の開口部4aが形成する開口と略同一形状の開口を形
成する開口部6aが設けられている。また、基台６が配置
された床面における、基台６の開口部6aに対向する部分
には、昇降シリンダ16の下端部が収納される凹部54が形
成されている。そして、基台６の上面には、Ｆ方向に沿
って伸びる一対のレール56が敷設されている。レール56
には、揺動支持台４の下面における所定の６個所に配さ
れた係合部材58が係合せしめられており、揺動支持台４
はレール56に案内されてＦ方向に移動するものとされて
いる。

基台６の上面における、揺動支持台４上に立設された
一対の側壁部材５のうちの他方に近接する位置には、ブ
ラケット60が立設されている。ブラケット60には移動手
段９を構成するシフトシリンダ62が固定されており、シ
フトシリンダ62に備えられた伸縮ロッド64の先端部は、
一対の側壁部材５のうちの他方に固定されている。

また、基台６には加工手段10が配設されている。加工
手段10は、基台６上に立設された本体部66,本体部66に
対して昇降可能に配され、その上方部分がシリンダブロ
ックＷに向かって屈曲せしめられた昇降アーム68,昇降
アーム68の先端部に固定された２個のモータ70a及び70
b、及び、モータ70a及び70bの出力軸に固定された砥石
車72a及び72bを備えている。

上述の如くの構成のもとに、シリンダブロックＷに形
成された第１のシリンダ列を成す３個のシリンダａ及び
第２のシリンダ列を成す３個のシリンダｂの内壁面に対
する研削加工が行われるにあたっては、先ず、昇降シリ
ンダ16の作動により、昇降テーブル１が、第１図におい
て一点鎖線で示される如く搬送位置をとる。そして、シ
リンダブロックＷが、昇降テーブル１の後方に位置する
搬送テーブル22上をＦ方向に搬送されて、昇降テーブル
１上に達すると、昇降シリンダ16の作動により、昇降テ
ーブル１がシリンダブロックＷを伴って、第１図及び第
２図において実線で示される如くの加工位置をとる。こ
のとき、ワーク保持台２上に立設された位置決めピン30
が、シリンダブロック図Ｗの下面に設けられた係合孔に
係合することにより、シリンダブロックＷとワーク保持
台２に対する位置決めが行われ、シリンダブロックＷに
配されるものとなるクランクシャフトの中心軸線Ｏが、
側壁部材３に配された軸受部材28によって回動自在に支
持された軸26の軸心上に位置するものとなる。

このようにして、ワーク保持台２に対するシリンダブ
ロックＷの位置決めが行われた後には、ワーク保持台２
に側壁部材３及びクランプ支持部材32を介して取り付け
られたクランプ部材34が作動せしめられ、クランプアー
ム40のフックがシリンダブロックＷに係合してこれを把
持することにより、シリンダブロックＷがワーク保持台
２上に固定される。

シリンダブロックＷがワーク保持台２上に固定される
と、揺動支持台４にブラッケト46を介して取り付けられ
た揺動シリンダ48が作動せしめられ、例えば、伸縮ロッ
ド50が伸長状態とされる。それにより、第３図において
二点鎖線で示される如く、ワーク保持台２が、昇降テー
ブル1,昇降シリンダ16及びシリンダブロックＷを伴っ
て、シリンダブロックＷに設けられた第１のシリンダ列
の方向が加工手段10の砥石車72a及び72bの軸線に沿う方
向、即ち、予め定められた加工方向に一致するものとな
る所定角度だけ、軸26を支軸として揺動せしめられる。
それにより、ワーク保持台２及びシリンダブロックＷ
は、揺動支持台４に対して傾斜せしめられ、ワーク保持
台２が図示されていない係止手段によって係止されるこ
とにより、シリンダブロックＷが揺動支持台４に対して
傾斜せしめられた状態が維持される。

このようにして、シリンダブロックＷが揺動支持台４
に対して傾斜せしめられ、シリンダブロックＷに設けら
れた第１のシリンダ列の方向が、加工方向に一致するも
のとされた状態において、第２図において二点鎖線で示
される如く、加工手段10の昇降アーム68が下降せしめら
れ、昇降アーム68の先端部に固定されたモータ70a及び7
0bの出力軸に固定された砥石車72a及び72bが、シリンダ
ブロックＷに設けられた第１のシリンダ列を成す３個の
シリンダａのうちの２個の内部に挿入される。そして、
モータ70a及び70bが作動せしめられて砥石車72a及び72b
が回転されることにより、２個のシリンダａの内壁面に
対する研削加工が行われる。そして、斯かる研削加工が
終了すると、昇降アーム68が、モータ70a及び70bを伴っ
て上昇せしめられる。

昇降アーム68が上昇せしめられると、係止手段による
ワーク保持台２の係止状態が解除される。そして、揺動
シリンダ48が作動せしめられ、例えば、伸縮ロッド50が
収縮状態とされることにより、ワーク保持台２がシリン
ダブロックＷを伴って、第２図において実線で示される
如くの位置に戻される。

次いで、基台６にブラケット60を介して取り付けられ
たシフトシリンダ62が作動せしめられ、例えば、伸縮ロ
ッド64が収縮状態となれる。それにより、揺動支持台４
がレール56に沿って搬送方向（け）に水平移動せしめら
れ、シリンダブロックＷが、第１図及び第３図において
二点鎖線で示される如く、それに設けられた一対のシリ
ンダ列の夫々を成す複数のシリンダａ及びｂにおけるピ
ッチ間隔Ｓだけ、クランクシャフトの中心軸線方向に沿
って水平移動せしめられる。

このようにして、シリンダブロックＷが水平移動せし
められた後には、揺動シリンダ48が作動せしめられ、伸
縮ロッド50がさらに収縮状態とされる。それにより、第
２図において二点鎖線で示される如く、ワーク保持台２
が、昇降テーブル1,昇降シリンダ16及びシリンダブロッ
クＷを伴って、シリンダブロックＷに設けられた第２の
シリンダ列の方向が予め定められた加工方向に一致する
ものとなる所定角度だけ、上述の角度方向とは反対の方
向に軸26を支軸として揺動せしめられる。そして、ワー
ク保持台２が係止手段によって係止され、シリンダブロ
ックＷが、再び、揺動支持台４に対して傾斜せしめられ
た状態に維持される。

そして、斯かる状態において、昇降アーム68が下降せ
しめられ、昇降アーム68の先端部に固定されたモータ70
a及び70bの出力軸に固定された砥石車72a及び72bが、シ
リンダブロックＷに設けられた第２のシリンダ列を成す
３個のシリンダｂのうちの２個の内部に挿入されて、そ
れらの内壁面に対する研削加工が行われる。そして、斯
かる研削加工が終了すると、昇降アーム68が、モータ70
a及び70bを伴って上昇せしめられる。

上述の如くにして、シリンダブロックＷに設けられた
第１のシリンダ列を成す３個のシリンダａのうちの２
個、及び、第２のシリンダ列を成す３個のシリンダｂの
うちの２個の内壁面に対する研削が終了すると、係止手
段によってワーク保持台２が係止される状態が解除され
るとともに、揺動シリンダ48が作動せしめられて伸縮ロ
ッド50が伸長状態とされ、ワーク保持台２が、シリンダ
ブロックＷを伴って、第１図及び第２図において実線で
示される如くの位置をとるものとされる。斯かる状態に
おいて、クランプ部材34が作動せしめられて、クランプ
アーム40とシリンダブロックＷとの係合状態が解除され
る。その後、昇降シリンダ16が作動せしめられ、昇降テ
ーブル１が、シリンダブロックＷを伴って第１図及び第
２図において一点鎖線で示される如くの搬送位置をと
る。

そして、シリンダブロックＷは、昇降テーブル１及び
昇降テーブル１の前方に位置する搬送テーブル22上を、
第１図において示されるＦ方向にに搬送されて、例え
ば、上述の例と同様の構成を有する加工装置に供給さ
れ、そこで、上述の如くにして、シリンダブロックＷに
設けられた一対のシリンダ列を成す６個のシリンダａ及
びｂのうちの、研削されていない２個のシリンダａ及び
ｂの内壁面に対する研削加工が行われるものとされる。

なお、上述の例においては、シリンダブロックＷに設
けられた一対のシリンダ列を成す複数のシリンダａ及び
ｂの加工を行う加工手段10が、２個の砥石車72a及び72b
を備え、斯かる砥石車72a及び72bによって、シリンダブ
ロックＷに設けられた第１のシリンダ列を成す３個のシ
リンダａのうちの２個、及び、第２のシリンダ列を成す
３個のシリンダｂのうちの２個の内壁面に対する研削加
工が行われるようにされているが、これとは異なり、加
工手段が１個の砥石車を備えるもの、あるいは、３個以
上の砥石車を備えるもとのされてもよい。

（発明の効果）以上の説明から明らかな如く、本発明に係るＶ型エン
ジンの加工装置によれば、Ｖ型エンジンのシリンダブロ
ックにおける、一対のシリンダ列を成す複数のシリンダ
の内壁面に対する表面加工等を行うにあたり、シリンダ
ブロックが加工手段に対して傾斜せしめられて、複数の
シリンダに対する加工手段による加工が行われるように
されるので、加工装置全体の小型化を図ることができ
る。しかも、シリンダブロックに設けられたシリンダの
加工手段に対する位置決めを正確に行うことができ、さ
らに、シリンダブロックの基台に対する取り付けが容易
なものとされるので作業性を著しく向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図及び第３図は本発明に係るＶ型エンジン
の加工装置の一例を、それにより加工されるＶ型エンジ
ンのシリンダブロックとともに示す側面図，正面図及び
平面図である。図中、１は昇降テーブル、２はワーク保持台、４は揺動
支持台、６は基台、８は揺動手段、９は移動手段、10は
加工手段、16は昇降シリンダ、26は軸、30は位置決めピ
ン、34はクランプ部材、48は揺動シリンダ、62はシフト
シリンダ、70a及び70bはモータ、72a及び72bは砥石車、
Ｗはシリンダブロックである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対のシリンダ列が設けられるＶ型エンジ
ンのシリンダブロックを加工位置へと下降させ、あるい
は、上記加工位置から上昇させるワーク昇降手段と、該
ワーク昇降手段によって上記加工位置に下降せしめられ
たシリンダブロックを位置決めして保持するワーク保持
台と、該ワーク保持台を、それにより保持されたシリン
ダブロックに配されるものとなるクランクシャフトの中
心軸線上に位置する軸心をもって揺動可能に支持する揺
動支持台と、該揺動支持台を、上記クランクシャフトの
中心軸線に沿う方向に移動可能に支持する基台と、上記
ワーク保持台を揺動させて、上記シリンダブロックを、
それに設けられた上記一対のシリンダ列の一方を成す複
数のシリンダの方向を予め定められた加工方向に一致さ
せるべく、上記揺動支持台に対して傾斜させるワーク揺
動手段と、該ワーク揺動手段によって上記揺動支持台に
対して傾斜せしめられたシリンダブロックにおける上記
一対のシリンダ列の一方を成す複数のシリンダのうちの
少なくとも１つに対する、上記加工方向をもっての加工
を行う加工手段と、上記揺動支持台を、上記基台に対し
て、上記ワーク保持台により保持されたシリンダブロッ
クに設けられた上記一対のシリンダ列の夫々を成す複数
のシリンダにおけるピッチ間隔と等しい距離だけ、上記
クランクシャフトの中心軸線方向に沿って移動させるワ
ーク移動手段と、を備えて構成されたＶ型エンジンの加
工装置。