JPH0811271A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JPH0811271A
JPH0811271A JP15103094A JP15103094A JPH0811271A JP H0811271 A JPH0811271 A JP H0811271A JP 15103094 A JP15103094 A JP 15103094A JP 15103094 A JP15103094 A JP 15103094A JP H0811271 A JPH0811271 A JP H0811271A
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ethylene
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】低温ヒートシール性及び透明性に優れ、食品
用、医療用を始めとする各種包装フィルム等の用途に好
適に使用できる多層フィルムを得る。 【構成】下記(a)層の少なくとも一方の表面に下記
(b)層が積層されてなり、(b)層の厚みは、一層に
つき(a)層の厚みの1〜50%であることを特徴とす
る多層フィルム。 (a)厚み20μmにおけるヘイズ値が5%以下であ
り、エチレンに基づく単量体単位が4重量%以下である
結晶性ポリプロピレンよりなる樹脂層。 (b)ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及びプロ
ピレン−エチレンランダム共重合成分を含むブロック共
重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜5重量
%、ポリプロピレン成分が1〜35重量%、プロピレン
−エチレンランダム共重合体成分が60〜98.99重
量%である樹脂層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層フィルムに関し、
詳しくは、透明性と低温ヒートシール性に優れた多層フ
ィルムに関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、結
晶性ポリプロピレン樹脂は、その透明性等の光学的性質
や、剛性及び引張強さ等の機械的性質、無臭性や無毒性
等の安全性、化学的安定性に優れているため、各種包装
用途に広く利用されている。
【0003】しかしながら、ポリプロピレンフィルム単
体では、ヒートシール可能な温度が高いといった欠点を
有している。このような欠点を改良するため、(1)易
ヒートシール性樹脂を溶液若しくはエマルジョンにてポ
リプロピレンフィルムに塗布した後溶媒を除去する方
法、(2)ポリプロピレンと易ヒートシール性樹脂を共
押出しするかまたは押出し後ラミネートする方法があ
る。(1)の方法では、乾燥及び溶媒回収工程を必要と
するため生産性が悪く、コストと物性の両面で問題があ
る。このため、現在ではヒートシール性の改良は後者の
方法が採用されている。
【0004】ところが、後者の方法においても、ヒート
シール層としてエチレン−プロピレン共重合体を用いる
と、透明性を大きく損なったり、フィルムの厚み精度の
低下やブロッキングの発生等の問題があった。また、例
えば特開昭52−11281号公報や、特開昭57−1
4605号公報では、いずれもプロピレン−ブテン−エ
チレン三元共重合体をヒートシール層として用いている
が、透明性は改良されているものの、低温ヒートシール
性については十分とはいえない。そこで、透明性を保持
しつつ更なる低温ヒートシール性を有したフィルムの開
発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
の無いフィルムを得るべく鋭意検討した結果、ポリブテ
ン成分、ポリプロピレン成分、及びプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体よりな
る樹脂をヒートシール層に用いることが効果的であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記(a)層の少な
くとも一方の表面に下記(b)層が積層されてなり、
(b)層の厚みは、一層につき(a)層の厚みの1〜5
0%であることを特徴とする多層フィルムである。
【0007】(a)厚み20μmにおけるヘイズ値が5
%以下であり、エチレンに基づく単量体単位が4重量%
以下である結晶性ポリプロピレンよりなる樹脂層。
【0008】(b)ポリブテン成分、ポリプロピレン成
分、及びプロピレン−エチレンランダム共重合成分を含
むブロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.0
1〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜35重量%、
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が60〜9
8.99重量%であり、該プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜
60モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜4
0モル%含むブロック共重合体よりなる樹脂層。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明における多層フィルムの(a)層に
用いられる樹脂は、20μm厚みにおけるヘイズ値が5
%以下であり、エチレンに基づく単量体単位が4重量%
以下の結晶性ポリプロピレンである。結晶性ポリプロピ
レンのヘイズ値が5%を越える場合には、得られる多層
フィルムは透明にはならないために好ましくない。さら
に、(a)層を形成する結晶性ポリプロピレンのエチレ
ンに基づく単量体単位が4重量%を越える場合には、多
層フィルムの機械物性が劣るため好ましくない。(a)
層を形成する結晶性ポリプロピレンは、エチレンに基づ
く単量体単位を全く含まないもの、即ち、プロピレン単
独重合体であってもよい。
【0011】フィルムに加工する際の成形性や得られる
フィルムの物性等から勘案して、結晶性ポリプロピレン
のメルトフローインデックスは0.1〜20g/10分
であることが好ましい。延伸性や物性の改良を行なう目
的で2種類以上の結晶性ポリプロピレンを混合すること
もできる。
【0012】本発明において、(b)層を形成するブロ
ック共重合体は、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分
及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分よりな
る。ポリブテン成分が他の成分、例えば、ポリエチレン
成分で代わると重合により得られたブロック共重合体の
重合体粒子の固結性、高温時の流動性が乏しく、製造が
困難となる。
【0013】本発明で使用するブロック共重合体におけ
るポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分それぞれの成分割合
は、ポリブテン成分が0.01〜5重量%、ポリプロピ
レン成分が1〜35重量%、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体成分が60〜98.99重量%である。
【0014】本発明においてポリブテン成分はブロック
共重合体の共重合体粒子の粒子性状を良好とするために
必須である。特に、ポリプロピレン成分の含量が少ない
とき、例えば、30重量%以下のときには得られる重合
体粒子が粘着しやすくなるが、そのようなときにもポリ
ブテン成分の存在により、良好な流動性の重合体粒子と
することができる。ポリブテン成分が0.01重量%未
満である場合、重合により得られた重合体粒子が堆積放
置されたときに、その荷重により固結し、更に重合体粒
子が50〜70℃となった場合に著しく流動性に劣るた
めに好ましくない。一方、ポリブテン成分が5重量%を
越える場合、却って重合体粒子の流動性が低下し好まし
くない。ポリブテン成分の割合は、重合体粒子のより良
好な流動性を勘案すると0.04〜3重量%の範囲が好
ましい。
【0015】また、ポリプロピレン成分が1重量%未満
である場合、ブロック共重合体の流動性が不良となるた
め押出しによるフィルム成形が困難となる。一方、35
重量%を越える場合は、得られる多層フィルムの透明性
が失われる上、低温ヒートシール性も十分ではないこと
から好ましくない。ポリプロピレン成分は、成形加工性
や柔軟性を勘案すると、3〜30重量%の範囲であるこ
とが好ましい。
【0016】さらに、エチレン−プロピレンランダム共
重合体成分は60〜98.99重量%である。上記成分
が60重量%未満のとき、および、98.99重量%を
越えると成形加工性が劣り好ましくない。エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体成分は成形加工性を勘案する
と、70〜97重量%の範囲であることが好ましい。
【0017】前記のプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプ
ロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの含有割合は、
エチレンに基づく単量体単位10〜60モル%、好まし
くは15〜55モル%、より好ましくは20〜50モル
%である。プロピレンに基づく単量体単位は90〜40
モル%、好ましくは85〜45モル%、より好ましくは
85〜50モル%である。エチレンに基づく単量体単位
の含有割合が10モル%未満であり、プロピレンに基づ
く単量体単位の含有割合が90モル%を超える場合、多
層フィルムの低温ヒートシール性が十分でなくなり好ま
しくない。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割
合が60モル%を超え、プロピレンに基づく単量体単位
の含有割合が40モル%未満である場合には、重合によ
り得られたブロック共重合体粒子が固結しやすい上、多
層フィルムのブロッキングが起こるため好ましくない。
【0018】本発明で使用するブロック共重合体には、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、
ブロック共重合体の物性を阻害しない限り、他のα−オ
レフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合さ
れて含まれていてもよい。
【0019】本発明で使用するブロック共重合体は、ポ
リブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一
分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖
と、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独より
なる分子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミ
クロに混合しているものと考えられる。
【0020】本発明で使用するブロック共重合体中のポ
リブテン成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、
高温時の流動性を良好にするためには、アイソタクティ
シティが0.90以上であることが好ましい。ポリ1−
ブテンのアイソタクティシティは13C−NMRにより測
定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer
J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基づ
いて帰属を行ったときのmmの値である。
【0021】本発明で使用するブロック共重合体は、重
合により流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本
発明で使用するブロック共重合体と同様のエチレン含量
である従来のプロピレン−エチレンランダム共重合体が
粒子同士の粘着により、塊状で得られることを考えると
驚異的なことである。
【0022】本発明で使用するブロック共重合体は、表
面を平滑かつ精度良く積層して透明性の良好な多層フィ
ルムを得るために、重合により高分子量で得られ、有機
過酸化物により減成されて、メルトフローインデックス
が0.1〜30g/10分に調整されていることが好ま
しい。
【0023】本発明で使用するブロック共重合体は、公
知の方法によって得ることが出来る。また、重合により
得られたブロック共重合体の有機過酸化物による減成
は、公知の方法を採用できる。
【0024】また、透明性を損なわない限り、ヒートシ
ール性の制御や付加的性能の付与のために、上記ブロッ
ク共重合体100重量部に対して30重量部以下のポリ
オレフィンを混合してもよい。ポリオレフィンは、ブロ
ック共重合体との相溶性や屈折率の近いことを勘案し
て、エチレン若しくはプロピレンを主体とした単独重合
体若しくはこれらの共重合体が適する。
【0025】本発明の多層フィルムにおいては、積層す
る(b)層の厚みは、一層につき(a)層の厚みの1〜
50%でなければならず、好ましくは5〜30%であ
る。積層する(b)層の厚みが(a)層の厚みの50%
を超える場合には、多層フィルムは基層となる結晶性ポ
リプロピレンの性質を反映しなくなり、多層フィルムの
物性制御が困難となる。一方、積層する(b)層の厚み
が(a)層の厚みの1%に満たない場合には、(b)層
を均一に積層することが難しい上、十分な低温ヒートシ
ール性の向上はみられない。
【0026】加えて、本発明の多層フィルムの厚みは、
得られる多層フィルムのヒートシール性と透明性のため
には、5〜500μmであることが好ましい。
【0027】本発明においては、製造される多層フィル
ムの各層に目的に応じて、公知の添加剤をどの層にも添
加することができる。例えば、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の耐候剤、結晶核剤、アンチブロッキング剤、難燃
剤、防曇剤、着色剤、艶消し剤、帯電防止剤、酵素、消
臭剤、香料、農薬等が挙げられる。このほかにも、本発
明の特徴を損なわない限り、必要に応じて別の成分を添
加してよい。
【0028】多層フィルムの製造方法は、特に制限され
ないが、次のような方法を好適に採用できる。必要に応
じて造粒した各層樹脂を、それぞれ個別の押出機によ
り、各層の樹脂の融点以上で押出し、多層ダイス内で積
層させ、フィルム上に押出す。フィルム成膜の工程は、
混練工程と成膜工程に分けて押出機を通す必要は無く、
混練の押出機の先端にダイスをつけて直接成形してもよ
い。こうして得られた多層フィルムは、未延伸であって
も、成膜後一軸若しくは二軸に延伸してもかまわない。
延伸倍率は、面積倍率で40倍以下の範囲にすることが
好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明の多層フィルムは、低温ヒートシ
ール性及び透明性に優れている。本発明の多層フィルム
は、以上のような優れた性質を持っているため、低温ヒ
ートシール性及び透明性を必要とする用途に最適であ
る。例えば、食品用、医療用を始めとする各種包装フィ
ルムや、トレイ、容器、蓋等ヒートシールを必要とする
もの、シュリンクフィルム、梱包用フィルム、農業用フ
ィルム等が挙げられる。
【0030】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例になんら限
定されるものではない。
【0031】(1)測定方法 (a)重量平均分子量、分子量1万以下の割合 GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー)法
により測定した。ウォーターズ社製GPC−150Cに
よりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃で行っ
た。用いたカラムは、東ソー製TSK gel GMH
6−HT、ゲルサイズ10〜15μmである。較正曲線
は標準試料として重量平均分子量が950、2900、
1万、5万、49.8万、270万、675万のポリス
チレンを用いて作成した。
【0032】(b)プロピレン−エチレンランダム共重
合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロ
ピレンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定方法及
びポリブテン成分の割合の測定方法13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(P
olymer)第29巻(1988年)1848頁に記
載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマク
ロモレキュールズ(Macromolecules)第
10巻(1977年)773頁に記載された方法によ
り、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
【0033】次いで,プロピレンに基づいて単量体単位
中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中
のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリ
ブテン成分の重量と割合を算出した。
【0034】(c)ポリ1−ブテンのアイソタクティシ
ィティーの測定13 C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル
(Polymer J.)第16巻(1984年)71
6〜726頁に基づいて行った。
【0035】(d)固結性の評価 重合終了後、モノマー分離された重合体粒子約100g
を直径8cm、高さ15cmの500ccビーカーにと
り、室温で1週間放置させた後の状態を観察した。判定
基準は下記の5ランクによった。
【0036】A:放置前とほとんど変化がなく固結は全
くない B:底部が固結した状態にあるが衝撃を加えるとほぐれ
る状態 C:全体的に固結しているが衝撃を加えると全部がほぐ
れる状態 D:全体的に固結しており、衝撃を加えても全部がほぐ
れない状態 E:著しく固結しており、塊状となって動かない状態。
【0037】(e)メルトインデックス JIS K7210に準じて測定した。
【0038】(f)ヒートシール開始温度 幅5mmのヒートシールバーにより、ヒートシール圧力
1kgf/cm2、ヒートシール時間1秒のヒートシー
ル条件でヒートシールした試料から15mm幅の試験片
を引張速度50mm/分で剥離強度を測定した。ヒート
シール温度を種々に変化させ、各温度における剥離強度
が500kgf/cm2となる最低温度を求めてヒート
シール開始温度とした。
【0039】(g)ヘイズ ASTM−D−1003−61に準じてヘイズメーター
にて測定した。
【0040】(2)ブロック共重合体の重合 重合例a (予備重合)攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス
製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した
後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を2
0℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル
0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジ
エチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び
三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−1
7」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩
化チタン1g当たり3gとなるように30分間連続的に
反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持
した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素
ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレ
ンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化
チタン1g当たり2.9gのプロピレンが重合されてい
た。
【0041】(本重合) 工程1:1−ブテンの重合 攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オート
クレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタ
ン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保
ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmo
l、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18m
mol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして
22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタ
ン1g当たり15gとなるように2時間連続的に反応器
に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。
1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで
置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析
の結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが
重合されていた。
【0042】工程2:プロピレンの重合及びプロピレン
−エチレンの共重合 N置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体プ
ロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライ
ド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を7
0℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を三
塩化チタンとして0.087mmol加え、70℃で6
0分間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用い
なかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃
に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシ
ド(EtAl(OEt))0.50mmol及びメタク
リル酸メチル0.014mmolの混合溶液を加え、エ
チレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が、15m
ol%となるようにし、55℃で120分間のプロピレ
ンとエチレンの共重合を行った。この間のエチレンガス
濃度はガスクロマトグラフで確認しながら15mol%
を保持した。この間水素は用いなかった。重合終了後、
未反応モノマーをパージし、粒子状の重合体を得た。重
合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められなかった。
収量は140gであり、全重合体の重合倍率は7370
g−ポリマー/g−三塩化チタンであった。
【0043】重合例b 重合例aの本重合工程2に於いて、プロピレンの重合を
1.5倍の触媒量で55℃で30分間、プロピレンとエ
チレンの共重合を気相中のエチレン濃度7mol%と
0.7倍の有機アルミニウム量及び4倍のメタクリル酸
メチル量で行なった以外は重合例aと同様に行なった。
別途の重合実験でこの時のプロピレンの重合倍率は13
8g−PP/g−TiClであった。結果を表1に示し
た。
【0044】重合例c 重合例aのプロピレンを70℃で5時間重合し、エチレ
ンプロピレンの重合を55℃で15時間行った以外は重
合例aと同様の操作を行った。得られたブロック共重合
体のポリプロピレン成分は、84%であった。その他の
結果を表1に示した。
【0045】重合例d 重合例aのエチレンとプロピレンの共重合を、気相中の
エチレン濃度50mol%になるようにし、40℃で行
った以外は重合例aと同様に行なった。得られたブロッ
ク共重合体のエチレン−プロピレンランダム共重合成分
のエチレンに基づく単量体単位は73%であった。ま
た、得られたブロック共重合体は、きわめて固着し易
く、重合層への付着と重合体粒子の固結により、塊状物
として得た。その他の結果を表1に示した。
【0046】重合例e,f 重合例aの本重合に於いて、1−ブテンの重合を三塩化
チタン1gあたり600gとした以外は重合例aと同様
の操作を行った。得られたブロック共重合体のポリブテ
ン成分は0および,8.2重量%であった。また、得ら
れたブロック共重合体は、きわめて固着し易く、重合層
への付着と重合体粒子の固結により、塊状物として得
た。その他の結果を表1に示した。
【0047】(3)ブロック共重合体の減成 重合例a〜fで得られたブロック共重合体30kgに
1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼンを0.02PHR添加し、さらに酸化防止材を
0.1PHR添加しヘンシェルミキサーで混合した後、
φ40mmに軸押出機で270℃にて溶融混練し、スト
ランド状に押出し、ペレット状にカットした。結果を表
2に示した。
【0048】なお、表中の記号は以下のとおりである。
【0049】PP1:プロピレン−エチレンランダム共
重合体(株式会社トクヤマ製徳山ポリプロFB540,
エチレン量3.3重量%,メルトインデックス7.5g
/10分、厚み20μmでのヘイズ1.4%) PP2:プロピレン−エチレンランダム共重合体(株式
会社トクヤマ製徳山ポリプロFA445,エチレン量
1.5重量%,メルトインデックス8.0g/10分、
厚み20μmでのヘイズ1.6%) PP3:プロピレン−エチレン共重合体(株式会社トク
ヤマ製徳山ポリプロFB226,エチレン量0.4重量
%,メルトインデックス2.4g/10分、厚み20μ
mでのヘイズ1.7%) a:重合例aのブロック共重合体の減成物 b:重合例bのブロック共重合体の減成物 c:重合例cのブロック共重合体の減成物 d:重合例dのブロック共重合体の減成物 e:重合例eのブロック共重合体の減成物 f:重合例fのブロック共重合体の減成物
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】実施例1 重合例bで得られたブロック共重合体減成物(b)を第
一層及び第三層の押出機から、エチレン量3.3重量
%、メルトインデックス7.5g/分のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体(PP1)を第二層の押出機か
ら、第一層:第二層:第三層=1:8:1の吐出量で環
状多層ダイスに押出し、220℃で環状多層ダイス内で
積層して、フィルム状に押出した。次いで、溶融円筒状
フィルムの内部にエアーを吹き込み、冷却水をオーバー
フローさせたマンドレルに接触させて水冷固化させ、ド
ラフト20・ブロウアップ2・引取り速度20m/mで
引取り、厚さ20μmの積層体を得た。
【0053】実施例2 実施例1において、第一層及び第三層の押出機吐出量と
第二層の押出機吐出量の比を、第一層:第二層:第三層
=1:4:1とした以外は実施例1と同様に行った。
【0054】実施例3 実施例1において、第一層及び第三層の構成樹脂を重合
例aで得られたブロック共重合体減成物(a)とした以
外は実施例1と同様に行った。
【0055】実施例4 実施例1において、第三層の押出機吐出量を0kg/h
とした以外は実施例1と同様に行った。
【0056】実施例5 実施例1において、第二層の構成樹脂をエチレン量1.
5重量%、メルトインデックス8g/10分のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体(PP2)とした以外
は、実施例1と同様に行った。
【0057】実施例6 実施例1において、第二層の構成樹脂をエチレン量0.
4重量%、メルトインデックス2.4g/10分のプロ
ピレン−エチレン共重合体(PP3)とした以外は、実
施例1と同様に行った。
【0058】比較例1 実施例1において、第一層及び第三層の構成樹脂を重合
例cで得られたブロック共重合体減成物(c)とした以
外は実施例1と同様に行った。
【0059】比較例2 実施例1において、第一層及び第三層の構成樹脂を重合
例dで得られたブロック共重合体減成物(d)とした以
外は実施例1と同様に行った。得られたチューブ状フィ
ルムは口開きせず、また、紙管に巻き付けて巻き取った
場合には、ブロッキングを起こしてフィルムとすること
ができなかった。
【0060】比較例3 実施例1において、第一層及び第三層の構成樹脂を重合
例eで得られたブロック共重合体減成物(e)とした以
外は実施例1と同様に行った。得られたチューブ状フィ
ルムは口開きし難く、また、紙管に巻き付けて巻き取っ
た場合には、ブロッキングを起こした。
【0061】比較例4 実施例1において、第一層及び第三層の構成樹脂を重合
例fで得られたブロック共重合体減成物(f)とした以
外は実施例1と同様に行った。得られたチューブ状フィ
ルムは口開きせず、また、紙管に巻き付けて巻き取った
場合には、ブロッキングを起こしてフィルムとすること
ができなかった。
【0062】比較例5 実施例1において、第一層及び第三層の押出機吐出量と
第二層の押出機吐出量の比を、第一層:第二層:第三層
=1:200:1とした以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0063】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)層の少なくとも一方の表面に下
    記(b)層が積層されてなり、(b)層の厚みは、一層
    につき(a)層の厚みの1〜50%であることを特徴と
    する多層フィルム。 (a)厚み20μmにおけるヘイズ値が5%以下であ
    り、エチレンに基づく単量体単位が4重量%以下である
    結晶性ポリプロピレンよりなる樹脂層。 (b)ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及びプロ
    ピレン−エチレンランダム共重合成分を含むブロック共
    重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜5重量
    %、ポリプロピレン成分が1〜35重量%、プロピレン
    −エチレンランダム共重合体成分が60〜98.99重
    量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合体
    成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜60モル
    %、プロピレンに基づく単量体単位を90〜40モル%
    含むブロック共重合体よりなる樹脂層。
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