JPH0811252A - エンボス化粧シート - Google Patents

エンボス化粧シート

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Publication number
JPH0811252A
JPH0811252A JP16755794A JP16755794A JPH0811252A JP H0811252 A JPH0811252 A JP H0811252A JP 16755794 A JP16755794 A JP 16755794A JP 16755794 A JP16755794 A JP 16755794A JP H0811252 A JPH0811252 A JP H0811252A
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JP
Japan
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decorative sheet
pattern
groove
embossed
thermoplastic resin
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JP16755794A
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Toshitake Kobayashi
利武 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、立体感のある天然木のような照り
が再現され、意匠性に優れたリアル感のある美麗な木目
調の化粧シート及びその製造方法を提供することを目的
とする。 【構成】 透明熱可塑性樹脂フィルム11の表面に、印
刷によって木目柄印刷層12及び光輝性ベタ印刷層13
を設け、次に、この印刷フィルムと着色熱可塑性樹脂フ
ィルム3(着色ポリ塩化ビニルフィルム等)を重ね合わ
せ、正弦波の曲線群からなる溝状凹凸模様を形成したエ
ンボスロールを用いて、ダブリングエンボス方式にて、
両者のフィルムを貼り合わせると同時に着色熱可塑性樹
脂フィルム3側にエンボス14を形成してエンボス化粧
シート1を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンボス加工により木
目柄等の照りを改良した化粧シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】化粧シートに凹凸模様(エンボス)を形
成して、その装飾性を向上させることは従来から行われ
ており、このような化粧シートとして、例えば、熱可塑
性樹脂シートの表面に凹凸模様を形成したものが知られ
ている。その中で特に木目模様、布目模様等の光沢(照
り)を伴った模様を再現する仕様として、特開平4ー6
443号公報では、不透明なポリ塩化ビニルフィルム上
に光輝性ベタ印刷層、絵柄印刷層を設け、印刷側からエ
ンボス加工を施し、そのエンボス面に透明熱可塑性樹脂
フィルムをドライミネートあるいは透明な塗料をコーテ
ィングして化粧シートを作製する方法が提案されてい
る。また、特開平3ー8477号公報では、透明熱可塑
性樹脂フィルムに裏刷りで絵柄層や光輝性ベタ印刷層を
設けてエンボス加工を施す方法も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表面に凹凸模
様を形成した化粧シートは、表面の凹凸にゴミ等の異物
が入り込んで表面の美観を損ねたり、磨耗や傷等によっ
て凹凸形状を損なう虞があった。また、不透明なポリ塩
化ビニルフィルム上に光輝性ベタ印刷層、絵柄印刷層を
設け、印刷側からエンボス加工を施し、そのエンボス面
に透明熱可塑性樹脂フィルムをドライミネート或いは透
明な塗料をコーティングする方法により得られた化粧シ
ートは、絵柄層の直ぐ下に光を反射する光輝性ベタ層が
あるため、意匠的に奥行き感や深みのあるものは得られ
なかった。特に、照りを得るための凹凸模様の凹凸の幅
と深さの関係が明確でなかったため、柄により照りの効
果が十分でなかった。
【0004】本発明は、これらの問題を解決して、従来
の化粧シートでは見られない、意匠性に優れ、天然木の
ような照りが再現され、リアル感のある美麗な木目調の
化粧シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】透明熱可塑性樹脂シート
の片面に溝状凹凸模様を設けたエンボスを有する化粧シ
ートにおいて、該溝状凹凸模様がウェーブ状の線群から
なり、その溝状凹凸模様の凹部及び凸部の幅が60〜1
00μmであり、凹部の深さが20〜35μmであり、
且つ前記ウェーブ状の線群が正弦波であり、該正弦波の
周期が40〜60mmで、振幅が10mm以上であるこ
とを特徴とするエンボス化粧シートとした。また、該溝
状凹凸模様の横断面の透明熱可塑性樹脂シート側の界面
において、角が丸みを帯びた形状となっていることを特
徴とするエンボス化粧シートとした。
【0006】
【作用】本発明によれば、従来の化粧シートでは見られ
ない、意匠性に優れ、立体感のある天然木或いは布帛の
ような照りが再現されるので、リアル感のある美麗な木
目調の化粧シートを得ることができる。
【0007】
【実施例】以下、実施例に基づいて、図面を参照にして
本発明を詳しく説明する。図1は本発明のエンボス化粧
シートの一例を示す断面図である。図2(a)は透明熱
可塑性樹脂フィルムに木目柄の印刷と光輝性インキでベ
タ印刷したフィルムの断面図で、図2(b)は着色熱可
塑性樹脂フィルムの断面図である。図2(c)は波型線
群の凹凸模様を形成したエンボス版の断面図である。図
3は透明な印刷フィルムと着色熱可塑性樹脂フィルムを
エンボス版を使用して、ダブリングエンボスしたときの
模式断面図である。
【0008】図4は正弦波の線群を彫刻したエンボス版
の表面を示した図であり、図5は前記正弦波の線群の凸
部と凹部を示したエンボス版の拡大断面図である。図6
は本発明のエンボス化粧シートにおいて、正弦波の線群
と木目柄印刷の関係を示した図である。図7、図8はエ
ンボス化粧シートのエンボス部分における光の反射を説
明した図である。図9はエンボス化粧シートのエンボス
部分の平面図で、図10はエンボス化粧シートのx軸、
y軸、z軸を示した図である。図11はエンボス化粧シ
ートにおける、入射光と観察者の位置関係を示した図
で、図12は図11における観察者の位置によってエン
ボス化粧シートの明るい部分と暗い部分が変わることを
示した説明図である。
【0009】本発明のエンボス化粧シート1は、図1に
示すように、基本的には透明熱可塑性樹脂フィルム1
1、これに印刷によって形成した木目柄印刷層12、光
輝性ベタ印刷層13、着色熱可塑性樹脂フィルム2(ポ
リ塩化ビニルフィルム等)及びエンボス凹凸模様14か
ら構成される。また、必要に応じて透明フィルムの上
に、表面の耐磨耗性、耐汚染性の向上のために、透明な
保護層を設ける場合がある。
【0010】エンボス化粧シートを作るには、図2
(a)に示すように、透明熱可塑性樹脂フィルム11に
印刷によって木目柄印刷層12を設け、更に光輝性顔料
を含有するインキを用いて光輝性ベタ印刷層13を設け
る。次に、エンボス版4を使用して、図2(a)、
(b)、(c)に示すように、印刷フィルム2、着色熱
可塑性樹脂フィルム3、エンボス版4を配置して、プレ
ス装置により加熱加圧を行うことによって、図3に示す
ように、印刷フィルム2と着色熱可塑性樹脂フィルム3
を熱融着により貼り合わせると同時に、着色熱可塑性樹
脂フィルム3側よりエンボスして、積層シートにエンボ
ス模様を形成する。所定の時間プレス後、冷却してエン
ボス化粧シート1を作製する。
【0011】上記エンボス化粧シートに天然木のような
照りの効果を出すためには、エンボス版の溝状凹凸模様
は、以下のようにして形成される。溝状凹凸模様は、ウ
ェーブ状の線群からなり、各線は平行曲線となっている
必要がある。曲線としては、正弦波、ベッセル関数、サ
イクロイド、楕円関数等が用いられる。例えば、正弦波
の線群により溝状凹凸模様を形成した場合を図4に示
す。正弦波の溝状凹凸模様は、公知の彫刻やケミカルエ
ッチング法等によって、銅、鉄等の版材上に形成するこ
とができる。
【0012】溝状凹凸模様の凸部及び凹部の幅は60〜
100μmとし、好ましくは80μm程度である。そし
て特に熱プレス用のエンボス版の場合は、凹部の深さは
化粧シート上の所望の深さより5μm程度深くすること
が好ましく、25〜40μmが適当である。これは熱プ
レスでは、版深を100%エンボスすることは困難であ
り、通常5μm程エンボスが浅くなるためである。以上
のようにして作製した化粧シートの表面は、図6に示す
ようになり、木目柄の流れ方向に対して、正弦波の溝状
凹凸模様の方向(図9のx軸方向)は略直角に交わる方
向とする。このような方向にすることにより、照りのパ
ターンが木目模様の流れ方向と平行して配列する所謂
「縦照り」を表現することができる。但し表現すべき木
目板が、所謂「縦照り」と呼ばれる照りのパターンが木
目模様の流れ方向と直行して配列する照りをもつ場合に
は、木目模様と溝状凹凸模様の流れ方向とを平行に配置
するようにする。
【0013】凸部及び凹部の幅は、図5におけるd1
びd2 で示され、d1 及びd2 の大きさは、60〜10
0μmの範囲であれば同じでもよいし、また、違う大き
さにしてもよい。エンボス版の凸部の幅が60μm未満
では、化粧シートにエンボスが深く入り込まず照りの効
果が出ない。又、凸部の幅が100μm以上では、化粧
シートの絵柄上にエンボス形状が目視されるため、意匠
性の点で劣るものとなる。
【0014】例えば、凸部及び凹部の幅を80μmと
し、版深を35μmにした場合は、化粧シートに対して
28μmのエンボスが入り十分な照りの効果を示すが、
凸部及び凹部の幅を50μmとし、版深を35μmにし
た場合は、上記積層シートに対して18μmしかエンボ
スが入らず照りの効果は得られなかった。また、正弦波
の溝形状を周期を48mmに固定した場合、振幅10m
mでは照りの効果は大きいが、振幅が5mmでは照りの
効果を示さなかった。
【0015】従って、正弦波の溝形状の場合、照りの効
果を出すためには、周期40〜60mmで、振幅を10
mm以上にする必要がある。特に、振幅10mm未満で
は、曲線が直線に近くなるため、図12に示すような木
目に対応したパターン状の光沢が明瞭に出ず、全面が均
一光沢に近くなってしまう。
【0016】また、凹凸模様の横断面形状は、好ましく
は図1に示すように、透明熱可塑性樹脂シート11から
透視できる界面(層11と層13の界面、或いは層13
と層3の界面)において、角部が滑らかに丸みを帯びる
ように形成するとよい。このようにすると、天然木の光
沢に近い輝きとなる。その理由は、推測するに、天然木
の細胞壁は完全な角柱でなく多少なりとも角が丸くなっ
ており(極端な場合は円柱状)、当然、木目板の表面の
溝状凹凸は天然木の場合も丸みを帯びているためと考え
られる。溝状凹凸の角を丸くするためには、エンボス版
自体の溝形状の角を腐食等により、丸くしてもよいし、
或いは着色樹脂フィルム3を介して溝状凹凸をエンボス
する際、着色フィルム3の厚みをエンボス版の凹凸の深
さの1/2程度まで厚くし、透明熱可塑性樹脂シート1
側の界面に突出する凹凸を滑らかにしてもよい。具体的
には、着色樹脂フィルム3の厚みはエンボス版の凹凸の
1/2〜5倍の範囲が好ましい。着色樹脂フィルムの厚
さが1/2より薄いとエンボス形状の角の丸みが不十分
で、角張ったのものになり、又、5倍より厚いとエンボ
ス版の凹凸が透明シート側の界面迄十分に達しない。
【0017】本発明の特徴である照りの効果を更に詳細
に説明する。既に、植物学において明らかになっている
事実として、天然木目板の表面は、繊維状の細長い細胞
壁及びその切断面であるため、図7(a)に示すよう
に、これらを模型的に示すと相互に平行して走る溝状の
凹凸模様で示される。
【0018】図7(a)に示すように、光源Lから光線
を木目板表面に照射すると、 (1) 入射光線の一つを含む平面Pと溝の走行方向x
とが直行するときは、図7(a)に示すように、光線の
うち凸部に入射するL1 は鏡面反射するが、凹部に入射
するL2 は溝内の面で多重反射して散乱及び減衰するた
め、観察者Mの方向に到達する光量は少なくなり、表面
は暗く見える。特に、非鏡面反射方向(木目板の法線z
に対する入射角θi と反射角θ0 が異なる方向)で観察
した場合は顕著である。
【0019】(2) 図8(a)に示すように、入射光
平面Pと溝の走行方向xとが一致するときは、入射光線
は、凸部に入射した光L1 も凹部に入射した光L2 も共
に鏡面反射するため、観察者Mに達する光量は多く、表
面は明るく見える。(但し一般に木目板表面は完全にな
鏡面ではないので、鏡面反射の他に一部乱反射も存在し
て複雑である)。特に、鏡面反射方向(入射角θi と反
射角θ0 が同じ場合)のとき顕著である。
【0020】従来から、以上のような天然木目板の表面
を近似的に表現するために、光反射性基材の表面にヘア
ライン加工等を施して平行直線群状溝を形成することに
より、照り(光沢)を再現する方法がとられてきた。し
かし、この方法でも、天然木目板の表面の照りを再現す
るには不十分であった。それは、天然木目板の表面光沢
は全面均一ではなく、「光沢のある部分」と「光沢のな
い部分」とが模様状に分布しており、しかも光源入射方
向や観察者の観察方向によって変化する。即ち、天然木
目板の場合、その表面光沢部分の模様形状が変化した
り、又、別の場所に移動するのに対し、従来の化粧シー
トでは、光源や観察者の位置を変えても、表面が一斉に
光るか光らないかのいずれかになる。
【0021】本発明者は、従来の欠点を改良するため、
天然木目板の表面組織及び表面における光沢変化を分析
し、表面の照りに関して鋭意研究したた結果、従来の化
粧シートよりも、より天然木目板の表面光沢を再現でき
る方法を見出し、本発明に至った。本発明は、正弦波曲
線等の波型曲線群の溝を形成することにより、光沢部分
が模様状になり、且つその光沢模様の形状及び位置が光
源からの光線の入射方向や観察者の観察視線方向の違い
に応じて変化することが実現できた。
【0022】更に、光輝性印刷層(光散乱性の二酸化チ
タン被覆雲母等の顔料を添加したインキを用いて印刷し
た印刷層)を設けて、前記波型曲線群の溝からなる凹凸
模様の表面に一部光散乱性を持たせた。以上の構成にす
ることにより、従来の化粧シートより天然木目板の照り
を忠実に再現することが可能となった。その作用効果を
以下に説明する。
【0023】本発明の化粧シートを正弦波曲線よりなる
平行波型曲線群の溝状凹凸模様を形成した場合を例にし
て説明すると、図9は化粧シートの表面を示した図で、
図中のx、yは、図10に示すように、化粧シートの
x、y、z軸におけるx、yを示したものである。波型
曲線群17は溝の凸部であり、18は凹部を示す。
【0024】上記化粧シートの表面に、図11(a)に
示すように、光源Lから入射する光線L1 を照射し、溝
状の凹凸部分から反射する反射光を鏡面反射方向(入射
光と反射光とが同一平面にあり、且つ法線に対する入射
角と反射角が同じ方向)で観察者が観察したとき、前記
図7、図8で説明したように、溝状の凹部から反射する
光は、入射光及び反射光の面と略同じ方向に走行する溝
部分のみ明るく見え、他の部分は暗く見えるので、図1
2(a)に示すようにaの部分が明るく見える。
【0025】次に、入射光と観察者の位置を図11
(b)のように設定すると、波型曲線群の溝からは、図
12(b)に示すように、溝のbの部分のみが明るく見
える。更に、入射光と観測者の位置を図11(c)のよ
うに設定すると、波型曲線群の溝からは、図12(c)
に示すように、溝のcの部分のみが明るく見える。即
ち、以上説明したように、観察者の見る位置によって、
図12(a)、(b)、(c)のように、化粧シートの
明るく見える領域の模様が変化し、更にその領域が移動
していき、ラワン材、マホガニー材の照り(光沢)と非
常に近似したものとなる。また、以上のような照りは木
目柄によく見られるものであるが、その他絹等の布帛に
も見られるものである。よって本発明は布帛の外観を再
現するのにも好適である。
【0026】本発明の化粧シートに使用される透明熱可
塑性樹脂フィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルムが
主に使用されるが、この他に、アクリル、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリア
ミド等が使用できる。フィルムの厚さは50〜200μ
mが好ましい。また、着色熱可塑性樹脂フィルムとして
は、前記熱可塑性樹脂に顔料、染料、充填剤等を混合し
てフィルム化したものを使用する。
【0027】絵柄印刷層は、檜、欅、マホガニー等の木
目柄、或いは布帛等の布目柄が使用され、グラビア印刷
等の印刷法によって形成される。インキのビヒクルとし
てはビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース
樹脂、アミノアルキッド樹脂、ブチラール樹脂等があ
り、これらの樹脂に顔料、染料等インキに必要なものを
配合してインキを作成する。勿論、絵柄印刷層なしで
も、着色熱可塑性樹脂フィルムや光輝性層の色調のみで
木目板や布帛の外観を十分に表現できる場合には、絵柄
印刷層は省略してもよい。
【0028】光輝性層は、一般的には光輝性顔料を添加
したインキを用いて、ベタ印刷、パターン印刷又は柄印
刷により形成する。または、真空蒸着やスパッタリング
などによって金属薄膜を形成して光輝性層とすることも
できる。光輝性顔料としては、二酸化チタン被覆雲母等
の雲母顔料、アルミニウム等の金属箔粉、魚鱗箔等の真
珠光沢を有する顔料が用いられる。
【0029】保護層は、表面の耐磨耗性、耐汚染性を向
上するために設けられるものであり、耐磨耗性、耐汚染
性に優れた透明樹脂でグラビア印刷、コーティング等に
より形成される。主にウレタン系樹脂が使用され、保護
層の厚さは3〜4μmが適当である。
【0030】以下に、具体的な実施例を示す。 (実施例1)厚さ100μmの透明ポリ塩化ビニルシー
ト(理研ビニル(株)製;樹脂100重量部に対して可
塑剤12重量部含有)の表面に、欅柾目の木目柄をグラ
ビア印刷により施し、この上に版深45μmのグラビア
版にて、光輝性顔料を添加したインキ(昭和インク
(株)製 化XPGSパール)を用いてベタ印刷層を形
成し、図2(a)に示すような印刷フィルム2を作製し
た。
【0031】次に、この印刷フィルム2と厚さ60μm
の着色ポリ塩化ビニルフィルム3(理研ビニル(株)
製;樹脂100重量部に対して可塑剤12重量部含有、
黄褐色に着色)を重ね合わせ、正弦波の曲線群からなる
溝状凹凸模様を彫刻したエンボスロールを用いて、シー
ト加熱温度160℃、版面温度60℃、シート送り速度
10m/min.の条件で、ダブリングエンボス方式に
て、図3に示すように、両者のフィルムを貼り合わせる
と同時に着色ポリ塩化ビニルフィルム側にエンボス模様
を形成した。版のエンボス形状は、正弦波の溝状曲線群
で、周期は48mm、振幅10mmとし、溝の幅80μ
m、溝と溝の間隔(凸部の幅)80μm、溝の深さ35
μmとした。
【0032】上記の方法によって得られたエンボス化粧
シート1は、図1に示すような形状となるが、更に、こ
の化粧シート1の透明ポリ塩化ビニル面に、イソシアネ
ート架橋型のウレタン系樹脂をからなるインキ(昭和イ
ンク(株)製OPー81)を用いてグラビア印刷にて、
厚さ3μmの保護層を形成した。木目の印刷絵柄に対す
るエンボス形状は、図6に示すように、木目柄の流れ方
向に対して、溝の平行曲線は略直角に交わる方向とし
た。得られたエンボス化粧シートは、深さ28μmの溝
状の波型曲線群の模様が形成され、化粧シート表面の照
りの効果は非常に優れており、天然木目に近いものであ
った。
【0033】(比較例)比較例として、実施例と同様に
して印刷フィルムを作製し、下記のエンボス版を用い
て、実施例と同様にして、印刷フィルムと着色ポリ塩化
ビニルフィルムを貼り合わせると同時に着色ポリ塩化ビ
ニルフィルム側にエンボスを形成した。エンボス形状は
実施例と同じ正弦波とし、溝の凹部と凸部の幅を55μ
mとし、深さは同じ35μmとした。その結果、化粧シ
ートに対するエンボスは18μmとなり、エンボス深さ
が十分でなく、化粧シートの照り効果は不十分のものと
なった。また、エンボス版の正弦波の振幅を10mmと
した場合も、化粧シートの照りの効果は十分でなかっ
た。
【0034】従って、化粧シートに天然木目に似た照り
の効果を出すためには、エンボス版の正弦波の振幅は1
0mm以上とし、その正弦波曲線群の溝の凹部と凸部の
幅を60〜100μmにする必要があり、本発明の進歩
性が実証された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、従来の化粧シートでは
見られない、意匠性に優れ、立体感のある天然木のよう
な照りが再現されるので、リアル感のある美麗な木目調
の化粧シートを得ることができる。また、エンボス形状
を正弦波とし、その正弦波の流れ方向を、木目の絵柄印
刷の流れ方向と略直角にすることにより、「照り」の移
動が表現でき、より一層深みのある立体的意匠性に優れ
た化粧板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンボス化粧シートの一例を示す断面
図。
【図2】本発明のエンボス化粧シート作製する場合の説
明図で、 (a) 透明シートに木目柄印刷及び光輝性ベタ印刷を
施した印刷シートの断面図。 (b) 着色熱可塑性樹脂フィルムの断面図。 (c) 波形線群の凹凸模様を形成したエンボス版の断
面図。
【図3】図2の印刷シートと着色ポリ塩化ビニルシート
をエンボス版でダブリングエンボスしたときの断面図。
【図4】エンボス版の平面図。
【図5】エンボス版の凹部及び凸部を拡大した断面図。
【図6】エンボス化粧シートの平面図。
【図7】エンボス化粧シートのエンボス部分における光
の反射を説明する図で、 (a) 溝の流れ方向とその凹凸部における入射光及び
反射光を示した拡大斜視図。 (b) (a)図のYーY面における断面図。
【図8】エンボス化粧シートのエンボス部分における光
の反射を説明する図で、 (a) 溝の流れ方向とその凹凸部における入射光及び
反射光を示した拡大斜視図。 (b) (a)図のYーY面における断面図。
【図9】エンボス化粧シートのエンボス部分の平面図。
【図10】エンボス化粧シートのx軸、y軸及びz軸を
示した図。
【図11】エンボス化粧シートにおける入射光と観察者
の位置関係を示した説明図で、 (a) x軸に対して約45°の面で観察した場合の
図。 (b) x軸と同じ面で観察した場合の図。 (c) (a)図と同じ面で、観察者の位置がy軸に対
して対称のときの図。
【図12】エンボス化粧シートにおける観察者の位置に
よって明暗が変わる場合の説明図で、 (a) 図11(a)における明るい部分と暗い部分を
示した図。 (b) 図11(b)における明るい部分と暗い部分を
示した図。 (c) 図11(c)における明るい部分と暗い部分を
示した図。
【符号の説明】 1 エンボス化粧シート 2 印刷シート 3 着色ポリ塩化ビニルシート 4 エンボス版 11 透明プラスチックシート 12 木目柄印刷層 13 光輝性インキ印刷層 14 エンボス部分 15 エンボス版の凹部 16 エンボス版の凸部 17 エンボス化粧シートの凸部 18 エンボス化粧シートの凹部 d1 エンボス版の凸部の幅 d2 エンボス版の凹部の幅 x x軸(横軸)方向 y y軸(縦軸)方向 z z軸(垂直軸)方向 L 光源 M 観察者 P 入射光と観察者の位置を示す面 L1 、L2 入射光 L3 、L 4 反射光 θi 入射光のz軸に対する角度 θo 観察位置のz軸に対する角度 φ エンボスの溝の流れ方向と入射光方向のなす角度 a 溝の波型線群模様において同じ流れ方向を示す模様
群 b 溝の波型線群模様において同じ流れ方向を示す模様
群 c 溝の波型線群模様において同じ流れ方向を示す模様

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明熱可塑性樹脂シートの片面に溝状凹
    凸模様を設けたエンボスを有する化粧シートにおいて、
    該溝状凹凸模様がウェーブ状の線群からなり、その溝状
    凹凸模様の凹部及び凸部の幅が60〜100μmであ
    り、凹部の深さが20〜35μmであり、且つ前記ウェ
    ーブ状の線群が正弦波であり、該正弦波の周期が40〜
    60mmで、振幅が10mm以上であることを特徴とす
    るエンボス化粧シート。
  2. 【請求項2】 該溝状凹凸模様の横断面の透明熱可塑性
    樹脂シート側の界面において、角が丸みを帯びた形状と
    なっていることを特徴とする請求項1に記載のエンボス
    化粧シート。
JP16755794A 1994-06-28 1994-06-28 エンボス化粧シート Pending JPH0811252A (ja)

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JP16755794A JPH0811252A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 エンボス化粧シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187915A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Dainippon Printing Co Ltd 木目の異方性反射面を表現したエンボスシートの製造方法および製造装置
JP2020016117A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 田島ルーフィング株式会社 床タイル

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