JPH0811156B2 - 洗浄機能付遠心脱水洗濯機の運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は脱水かご内に水を貯め、少量の洗濯物を脱水
かご内にて洗濯できる洗浄機能付遠心脱水洗濯機の運転
方法に関するものである。

従来の技術 脱水かご内にて少量の衣類の洗濯が可能な遠心脱水洗
濯機の構造を第３図および第４図に示し、その電気回路
の構成を第５図に示すとともに、従来の運転方法を第６
図に示す。第３図において、外枠１に洗濯槽（図示せ
ず）および脱水槽２を有する水槽３が装着され、上部に
第４図に示す蓋スイッチ４等を収納するパネルボックス
５およびプリンド基板からなる制御装置６が装着された
操作板７が固着されている。８は回動自在に軸支された
上蓋であり、９は脱水槽２上端の開口部を覆うための脱
水ハッチであり、これは内蓋10が装着されている。11は
鉄板等にて形成された脱水かごであり、側壁には複数個
よりなる小孔12が設けられており、無孔壁よりなる外か
ご13の中に収設されている。一方、外枠１下方に装着さ
れた台座14上の一部に立設されたサスペンション構造15
にて弾性支持された脱水モータ16の回転力はブレーキホ
イール17、脱水軸18、カップリング19を介して外かご1
3、脱水かご11に伝達される。20は脱水軸18のほぼ中間
に位置し、この軸周に摺動可能に密接するシール部21を
有する揺衝ゴムである。22はブレーキ機構であり、23は
脱水モータ16上部に装着されたブレーキ取付板でバネ
（図示せず）にて附勢保持され、ブレーキシュー24を有
するブレーキ板25が回動自在に保持されている。上蓋８
の開閉動作により作動レバー26、インナーワイヤー27を
介してブレーキ板25を運動せしめ、ブレーキホイール17
との間でブレーキをかけるものあり、上蓋８の開閉動作
により同時に蓋スイッチ４による脱水モータ16への通電
を遮断している。28は脱水槽２の底部に設けられた排水
口であり、機外ホース29に接続されている。30は複数の
撹拌突状体31を配設した筒状体であり、脱水かご11の内
周壁の外かご13の上端部より下方の位置に装着されてい
る。第５図は脱水モータ16の電気回路図であり、スイッ
チ32,33により左右反転に駆動を行なわすものである。

次に従来の脱水モータ16による運転方法を第６図を用
いて説明すると、脱水モータ16を休止時間T₁₂（スイッ
チ32,33ともOFF）をはさんでスイッチ32と33を交互にT
₁₁時間オンし、脱水モータ16を反転駆動させていた。

発明が解決しようとする問題点 従来の運転方法による脱水かご11の動きは第６図に示
すように、運転開始直後は時間T₁₁で脱水かご11は回転
数を上昇させ、（回転方向を仮に右回転とする）休止時
間T₁₂では脱水かご11は楕性回転を行ない、次の逆方向
（左回転）への回転駆動させた場合の通電時間T₁₁のう
ち、右回転方向の回転数が零となる間の時間T₁₃は、脱
水モータ16を制止させるブレーキとして作用し、その後
左方向への回転数を上昇させるが、ブレーキ効果に費し
た時間分だけ回転数を上昇される為の通電時間が短くな
り、結果として回転数は上昇しない。その後休止時間T
₁₂では楕性回転を行ない、右回転方向への通電が行なわ
れるが、左方向の回転数が低い分だけ、ブレーキ効果に
費する時間T₁₄は上述の時間T₁₃より短くなり、結果とし
て右方向回転数が上昇することになり、左右の回転数の
差が生じることになる。この現象が短時間のうちに収束
するものであれば問題はないが分散した場合、一方向の
回転数が上昇をし続けると、脱水かご11内で衣類を撹拌
突状体31の作用により洗浄作用をもたらせるため、外か
ご13の上端近傍まで洗濯液が満たされており、すなわち
設定された回転数で遠心力により液面は回転放物面とな
り、その上限を外かご13の上端の位置に設定することに
より円滑な洗濯運転を提供できるものが、回転数の上昇
により外かご13上端より液が溢水してしまうという問題
点を有していた。さらに溢水したことにより、脱水モー
タ16に対する負荷が軽くなるため、さらに一方向だけ回
転数が上昇し洗濯液が激減し、脱水かご11内での洗濯作
用が不可能な状態になってしまう。また、その状態に至
らないまでも、不均一な回転により、良好な洗浄作用が
得られないことになる。また、使用者が不用意に運転中
に上蓋８を開け、蓋スイッチ４による電気的遮断および
ブレーキシュー24による制動が作用し、次に上蓋８を閉
じた時に運転サイクルがどの状態から開始するかによ
り、左右の回転数の不安定が生じ上述の洗濯の不可能な
状態に至ることになる。

本発明は上記問題点に鑑み、左右の回転数を安定さ
せ、洗濯性能を向上させることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は脱水モータの正逆
反転運転開始時または正逆反転制御中に蓋スイッチの動
作を検知しモータが停止した後蓋を閉じ運転を再開した
時における初期運転時間をそれ以降の反転運転間より短
かくし、かつ蓋スイッチの動作を検知すれば初期運転時
間で運転開始する運転方法である。

作 用 上記方法により、正逆反転運転中で左右両方向の回転
数が同等でバランスのとれた回転数に対し、初期運転
で、その回転数に到達する運転時間だけ脱水モータに通
電させ脱水かごを回転させ、その逆回転方向から正逆回
転運転を繰り返すことにより安定した脱水かごの回転が
得られるとともに、蓋スイッチの動作検知により、ブレ
ーキ機構により脱水かごは制動され停止状態にあるが、
再び蓋を閉じて蓋スイッチを閉じた場合には、前述の初
期運転後に正逆反転サイクルに移行するため、常に安定
した脱水かごの回転が得られる。

実施例 以下、本発明の実施例について第１図および第２図を
参照して説明する。なお、洗濯機の全体構成については
前述の従来の技術と同等であるため、その説明を省略す
る。

第１図に示すように、脱水モータ16の駆動部は第５図
に示すスイッチ32,33からなる駆動制御部34と蓋スイッ
チ４による電気回路と上蓋の開閉による蓋スイッチ４の
通電状態を検知する蓋スイッチ検知部35と、駆動制御部
34を制御する制御装置６により構成している。

脱水モータ16の正逆反転サイクルの運転方法は第２図
に示すように、サイクル運転中の脱水モータ16への通電
時間T₂₁のうち脱水かご11の回転を停止させるブレーキ
として作用する通電時間T₂₃を除いた時間T₂₁−T₂₃が脱
水モータ16の回転数を増加させる通電時間であり、この
時間分だけ、正逆反転サイクル運転の初期にT₂₀として
設定し、運転開始時に所定の回転数に到達した後に楕性
運転時間T₂₂から初期の回転方向と逆の正逆反転サイク
ルを繰り返すことにより、設定運転時間中常に安定した
脱水かご11の回転数が得られることになる。また、設定
時間内の正逆反転サイクル途中に上蓋８が開かれると蓋
スイッチ４が電気的に脱水モータ16への通電を遮断する
とともに作動レバー26の運転がブレーキ板25に伝達さ
れ、ブレーキシュー24とブレーキホイール17により脱水
かご11の回転が停止される。この時、蓋スイッチ検知部
35により運転中に上蓋８が開から運転が阻止されたこと
を検知し、再び上蓋８を閉じた場合には、駆動制御部34
によるスイッチ32,33による通電を再開する際には、通
電時間T₂₀からなる初期運転をした後に楕性運転時間T₂₂
から始まる正逆反転サイクルを残りの設定運転時間繰り
返すことができ、上蓋８を開け正逆反転サイクを中断し
ても再び安定した回転数を脱水かご11に与えることがで
きることになる。ここで脱水かごの動きと洗浄機能につ
いて簡単に説明する。二槽式洗濯機の独得の使用方法あ
る分け洗いをする場合、すなわち、一般の洗濯物と区別
していた絹等のデリケートな衣類や女性ファンデーショ
ン等の洗濯ネットに入れて洗濯していた比較的量の少な
い洗濯物を洗濯する場合に有効であり、脱水かご11内で
洗濯できる布量を設定し、その布量を撹拌洗濯できる水
量と脱水かご11の回転数を設定すれば、その回転数に脱
水かご11が達した時の液面は回転放物面となるから、外
かご13の上端の位置をその回転放物面より上方に設定す
ることにより安定した回転数時には溢水の生じない構成
をとることができる。運転時間T₂₀の初期運転時は、脱
水かご11は回転数を増加させ、洗濯物は遠心力により略
筒状体30の周壁付近で撹拌突状体31により回転方向に力
を受ける洗濯液とともに回転を行なう。次に休止時間T
₂₂では脱水かご11は楕性回転を行ない、次の逆方向への
通電時間T₂₁のうち時間T₂₃はブレーキと作用し、この
時、脱水かご11の回転数と慣性で回転する脱水かご11内
の洗濯液および洗濯物との間に速度差を生じ、この結
果、洗濯物は撹拌突状体31にこすられるとともに撹拌突
状体の近傍で生じる渦水流により緩やかな機械的洗浄作
用を受けることができるものである。

なお、本実施例においては運転サイクルにおいて楕性
運転時間T₂₂を設定しているが、これはブレーキ時間T₂₃
を低減するためのものであり、楕性運転時間T₂₂を除
き、脱水モータに正逆反転の連続通電でも同等の洗浄作
用を得ることはできるものである。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、脱
水かご内の洗濯物と洗濯液とを脱水かごの正逆反転運転
により洗浄作用を与える構成のものにおいて、常に安定
した回転数を脱水かごに与えることができ、回転数が不
安定になる洗濯液が溢水してしまい洗浄機能を失うこと
のない良好な運転方法を提供できるものであり、洗濯機
の機構構成を変更することなく制御装置の変更のみで実
現することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における電気回路を示すブロッ
ク図、第２図は同タイムチャートと脱水かごの回転数を
表わした関係図、第３図は洗濯機の脱水側の要部構成
図、第４図は蓋スイッチ部の構成図、第５図は従来の電
気回路図、第６図は従来のタイムチャートと脱水かごの
回転数を表わした関係図である。 ４……蓋スイッチ、６……制御装置、８……上蓋、11…
…脱水かご、22……ブレーキ機構、35……蓋スイッチ検
知部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】脱水かごを正逆反転させる脱水モータの運
   転制御を行う制御装置と、脱水かご上方に回転自在に軸
   支された上蓋の開閉動作と連動するブレーキ機構および
   蓋スイッチと、前記蓋スイッチの動作を検知する蓋スイ
   ッチ検知部を備え、前記制御装置は、脱水モータの正逆
   反転制御を開始した時の最初のモータ運転時間を、それ
   以降の同一長さで正逆反転を繰り返すようにしたモータ
   運転時間より短く設定した洗浄機能付遠心脱水洗濯機の
   運転方法。
2. 【請求項２】制御装置は、正逆反転制御中に蓋スイッチ
   の動作を検知しモータが停止した後蓋を閉じ運転を再開
   した時の最初のモータ運転時間を、それ以降の同一長さ
   で正逆反転を繰り返すようにしたモータ運転時間より短
   く設定した特許請求の範囲第１項記載の洗浄機能付遠心
   脱水洗濯機の運転方法。