JP3448907B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents
ドラム式洗濯機Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドラム式洗濯機に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年のドラム式洗濯機は、その形態がユ
ニット化されていることによってシステム化しやすいと
いう特性から市場で好評を博しつつある。その主要な機
械的内部構造としては、衣類を収容して回転するドラム
と、このドラムを収容して筐体からバネや振動抑制ダン
パー等の適宜な支持手段によって支持されている受け筒
があり、この受け筒に取りつけられたモータの回転を適
宜な回転力伝達手段によってドラムに伝達し、洗濯・す
すぎ・脱水が行われるというものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような構成のドラ
ム式洗濯機は、使用する水が少ないため、洗濯時には衣
類に水が充分しみこむまでに時間を要し、これがために
全体の工程時間が長くなるという問題があった。 【0004】本発明は、上記課題を解決したドラム式洗
濯機を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、ドラム内の水位を検知する水位検知部
と、前記水位検知部の出力より洗濯中の前記ドラム内の
水位が低下したときに補給水を行う補給水実行部と、通
常の洗濯に適した前記ドラムの反転時限で洗濯を実行す
る通常反転実行部と、前記通常反転実行部による洗濯よ
り短時間の反転を繰り返す短時間反転実行部と、前記水
位検知部の出力に基づいて前記補給水実行部の動作を制
御し、かつ洗濯開始時は前記短時間反転実行部を動作さ
せる判断部とを備え、前記判断部は、前記補給水実行部
が所定時間補給水を停止すると前記通常反転実行部を動
作させるようにしたものである。 【0006】 【作用】本発明は上記した構成により、判断部は補給水
実行部の動作状況により、衣類の吸水が充分行われたと
判断できるまでは短時間反転を行って比較的早期に衣類
の吸水を完了させ、それ以降は通常の洗濯に適した反転
を行って洗濯することにより、全体の工程時間短縮を図
ることができるものである。 【0007】 【実施例】図1に本発明のドラム式洗濯機の第一の手段
の実施例の電気回路構成を示す。1は商用電源、2は商
用電源1を直流に整流する整流手段、3は整流手段2の
出力をキャリア周波数20kHzの高周波PWMにより
出力制御を行うチョッピング手段、4はこのチョッピン
グ手段3の出力の電気的極性を切り換える印加極性切り
換え手段、5は整流子モータである。整流子モータ5は
固定子巻線5Aおよび整流子巻線5B、整流子5C・5
D、によって構成される。6は整流子モータ5の回転方
向を切り換えるために固定子巻線5A、整流子巻線5B
の間の接続関係を変えるための回転方向切り換え手段、
7は整流子モータ5の速度を洗濯時と脱水時とで大まか
に変えるための巻線切り換え手段である。8は制御部
で、チョッピング手段3、印加極性切り換え手段4、回
転方向切り換え手段6、巻線切り換え手段7の動作を制
御している。速度制御に関しては、制御部8は整流子モ
ータ5の回転数を別途検知し、これが所定の回転数とな
るようにチョッピング手段3のPWMデューティをフィ
ードバック制御している。 【0008】また、制御部8には印加極性切り換え手段
4の切り換え内容を全工程にわたって記憶している印加
極性履歴記憶手段9を有している。印加極性切り換え手
段4、回転方向切り換え手段6、巻線切り換え手段7
は、それぞれ図に示すようにリレー4A・4B、6A・
6B、7Aによって構成されている。10はフライホイ
ールダイオードで、チョッピング手段3によって断続さ
れる電流を還流させるために設けられている。これらが
整流子モータ5の制御に関する電気的構成である。 【0009】図2に本実施例に示すドラム式洗濯機の断
面図を示す。5は前記した整流子モータ、20は受け
筒、21は衣類を収容して回転するドラムである。ドラ
ム21は受け筒20に収容されて、外部に水が漏れない
構成となっている。22はドラム21に直結されたプー
リー、23は整流子モータ5の回転をプーリー22、即
ちドラム21に伝達するためのベルトである。24は給
水弁、25は給水弁24を通じて給水された水によって
ドラム21内に洗剤を送るための洗剤ケース、26は排
水ポンプである。27Aおよび27Bは受け筒20を筐
体28から吊り下げるバネ、29Aおよび29Bは受け
筒20の振動を抑制するダンパーで、これら27A、2
7B、29A、29Bは受け筒20の支持手段を構成し
ている。 【0010】以上の構成において本発明の第一の手段の
動作を説明する。洗濯工程においては、巻線切り換え手
段7のリレー7Aは図1に示すY側に接続され、低速領
域の回転制御が行われる。 【0011】また脱水工程においては巻線切り換え手段
7のリレー7AはX側に接続され、高速領域での回転制
御が行われる。洗濯中においては、回転方向切り換え手
段6およびチョッピング手段3によって、例えば20秒
間ドラム21が右回転、3秒間の休止後、20秒間ドラ
ム21が左回転となるような動きを繰り返すものとす
る。この時の動きとしては、回転方向切り換え手段6の
リレー6A・6Bがそれぞれ同時にX側、Y側に交互に
接続されることによって、固定子巻線5Aと整流子巻線
5Bによって発生する磁極間の吸引反発の関係を逆転す
ることができ、整流子モータ5を反転させることができ
る。この場合回転方向は、整流子モータ5に印加される
電圧の極性に関わらず、回転方向切り換え手段6がどち
らに接続されているかのみによって決定される。 【0012】脱水工程においては通常機構的な構成条件
により、ドラム21の回転方向は一方向のみ、即ち本実
施例では右回転のみとなるように設計されており、従っ
て回転方向切り換え手段6も例えばX側のみに接続され
ることになる。 【0013】洗濯時においては、回転方向切り換え手段
6によってドラム21の反転時に、整流子5C・5Dに
印加される電気的極性は随時切り換えられているので整
流子5C・5Dの片減りは特に生じることはない。しか
し、脱水時においてはこの極性が固定されることになる
ので、何らかの対策がなければ整流子5C・5Dの片減
りが問題となる。特に脱水時は回転数が高い領域である
ので、その影響は洗濯時よりも顕著となる。 【0014】本発明の第一の手段では、脱水時の整流子
モータ5に対する電圧の印加極性、即ち印加極性切り換
え手段4からどのような極性で出力されているかという
履歴は印加極性履歴記憶手段9で記憶されており、その
結果に応じて制御部8は印加極性切り換え手段4に出力
指令を出している。印加極性切り換え手段4のリレー4
A・4BがX側に接続されているとすると、整流子5C
が正、整流子5Dが負の極性となるが、逆にY側に接続
されると、整流子5Cが負、整流子5Dが正の極性とな
る。前述したように、回転方向を規定するのは回転方向
切り換え手段6のみであり、これらの印加極性切り換え
には影響されない。従って回転方向とは独立して整流子
5C・5Dに対する電圧印加極性を切り換えることがで
きる。このように、印加極正切り換え手段4を適宜なタ
イミングで切り換えてやることによって、回転方向を変
えずに整流子5C・5Dに印加される電気的極性のみを
切り換えることができ、整流子5C・5Dの片減りを防
止することができる。 【0015】具体的な方法としては、中間脱水1回毎に
この極性を切り換える、本脱水の途中で回転数のレベル
に応じて切り換える(例えば回転数と印加時間の積が同
じとなるよう切り換える)、一連の工程毎に切り換える
(洗濯・すすぎ・脱水という連続工程を一単位として切
り換える)等が考えられる。 【0016】また本実施例では、回転方向切り換え手段
6は、固定子巻線5Aの方を固定とし、整流子巻線5B
の方に設けられているが、固定子巻線5A側に設け、整
流子巻線5Bを固定とした回転反転構成においても、若
干手順は異なるが同様の効果を得られることは言うまで
もない。 【0017】次に本発明の第二の手段について説明す
る。図3にその実施例の制御ブロック図を示す。尚、機
構的な構成は図2に示した本発明の第一の手段のものと
同様である。30はドラム内部の水位を検知する水位検
知部、31は洗濯開始を指令する開始指令部、32は判
断部、33は残水処理実行部、34は洗濯工程実行部で
ある。残水処理実行部33は、課題の項で述べたように
排水経路のボールの動きを制御するために排水ポンプ3
5を制御する。洗濯工程実行部34は給水・補給水を行
う給水弁36、ドラムを回転させるモータ37、ドラム
内の水を加熱して温水洗浄を行うためのヒータの動作を
制御する。 【0018】尚、これら開始指令部31、判断部32、
残水処理実行部33、洗濯工程実行部34は具体的には
全体の制御を行う制御部のマイクロコンピュータのプロ
グラムによってその動作が実現されている。 【0019】以上の構成において本実施例の動作を説明
する。使用開始時において、使用者は装置に対して何ら
かの開始設定を行う。これは通常の洗濯開始であって
も、停電からの復帰時で、既に工程の一部が進行してい
る時からでも一般的に同様の手順となる。この時、開始
指令部31によって洗濯の開始が指令されると、判断部
32では水位検知部31によってドラム内部の水位を判
定する。この水位が所定以上であれば、停電時からの復
帰とみなして即刻洗濯工程実行部34に指令を出して洗
濯工程を開始させる。この状態では既に水が満たされて
いるので、補給水以外の給水工程は行われず、ドラム反
転が開始される。 【0020】また検知された水位が所定以下の場合に
は、通常の洗濯開始とみなして残水処理実行部33に指
令を出して残水処理、即ち一定時間排水ポンプ35を動
作後、停止させることによって、ボールを排水経路に押
圧させ、ドラム内と排水経路との間の水の行き来を遮断
させる。 【0021】従来はこのような判断機能がなかったた
め、停電からの復帰時でも残水処理から工程が開始し、
既に洗剤が溶けている水を排出してしまっていた。しか
し本発明の第二の手段によれば、通常の洗濯開始と、停
電復帰時からの中途再開を判別し、中途再開時には無駄
な水や洗剤の機外への排出を防止することができる。 【0022】次に本発明の第三の手段について説明す
る。図4にその実施例の制御ブロック図を示す。尚、機
構的な構成は、本発明の第一の手段の項で述べたものと
同様である。40は水位検知部、41は判断部、42は
通常反転実行部、43は短時間反転実行部、44は補給
水実行部である。これらは洗濯時の動作を制御する制御
部の内容であるが、通常反転実行部42、短時間反転実
行部43はモータ45の動作を制御し、補給水実行部4
4は給水弁46の動作を制御する。また判断部41、通
常反転実行部42、短時間反転実行部43、補給水実行
部44は具体的には制御部のマイクロコンピュータのプ
ログラムによってその動作が実現されている。 【0023】以上の構成において、本実施例の動作を説
明する。洗濯が開始されると給水が行われ、これが所定
の水位に達すると、まず短時間反転実行部42によって
通常の洗濯よりも短時間の反転時限、例えば5秒右回転
2秒停止、5秒左回転2秒停止というサイクルで運転を
開始する。このとき、ドラム内部の衣類は当初は乾いて
おり、ドラム反転によって水が吸収されて行く。従って
工程進行と共に水位は減少して行き、水位検知部40に
よって検知される水位が所定以下のレベルになると判断
部41は補給水実行部44に指令を出して補給水を実行
する。衣類の吸水がほぼ充分な状態になると、この補給
水指令は出されなくなる。 【0024】次に、この補給水指令が所定時間継続して
出されなくなると、判断部41はドラム内部の衣類に充
分吸水が完了したと判断し、以降の洗濯工程について
は、通常反転実行部42に指令を出し、通常の洗濯に適
した反転時限、例えば20秒右回転3秒停止、20秒左
回転3秒停止というサイクルで運転を継続させる。 【0025】一般的に、短時間反転を繰り返す方が洗浄
速度という点では不利であるが、衣類の吸水速度は大き
くなる性質があり、洗濯開始当初にまず衣類への吸水を
早期に完了させ、次に洗濯に適した反転時限で運転する
方が、結果的に全体の工程時間の短縮ができる。 【0026】このように本発明の第三の手段によれば、
洗濯工程を衣類への吸水促進過程と、実際に衣類の汚れ
を取る洗浄過程という具合にフェイズを分割し、それぞ
れ最適なドラム反転時限を用いることにより、全体の工
程時間短縮を図ることができる。 【0027】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、ドラム内
の水位を検知する水位検知部と、前記水位検知部の出力
より洗濯中の前記ドラム内の水位が低下したときに補給
水を行う補給水実行部と、通常の洗濯に適した前記ドラ
ムの反転時限で洗濯を実行する通常反転実行部と、前記
通常反転実行部による洗濯より短時間の反転を繰り返す
短時間反転実行部と、前記水位検知部の出力に基づいて
前記補給水実行部の動作を制御し、かつ洗濯開始時は前
記短時間反転実行部を動作させる判断部とを備え、前記
判断部は、前記補給水実行部が所定時間補給水を停止す
ると前記通常反転 実行部を動作させるようにしたから、
衣類への吸水を早期に完了させることができ、全体の工
程時間を短縮することができる。
る。 【0002】 【従来の技術】近年のドラム式洗濯機は、その形態がユ
ニット化されていることによってシステム化しやすいと
いう特性から市場で好評を博しつつある。その主要な機
械的内部構造としては、衣類を収容して回転するドラム
と、このドラムを収容して筐体からバネや振動抑制ダン
パー等の適宜な支持手段によって支持されている受け筒
があり、この受け筒に取りつけられたモータの回転を適
宜な回転力伝達手段によってドラムに伝達し、洗濯・す
すぎ・脱水が行われるというものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような構成のドラ
ム式洗濯機は、使用する水が少ないため、洗濯時には衣
類に水が充分しみこむまでに時間を要し、これがために
全体の工程時間が長くなるという問題があった。 【0004】本発明は、上記課題を解決したドラム式洗
濯機を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、ドラム内の水位を検知する水位検知部
と、前記水位検知部の出力より洗濯中の前記ドラム内の
水位が低下したときに補給水を行う補給水実行部と、通
常の洗濯に適した前記ドラムの反転時限で洗濯を実行す
る通常反転実行部と、前記通常反転実行部による洗濯よ
り短時間の反転を繰り返す短時間反転実行部と、前記水
位検知部の出力に基づいて前記補給水実行部の動作を制
御し、かつ洗濯開始時は前記短時間反転実行部を動作さ
せる判断部とを備え、前記判断部は、前記補給水実行部
が所定時間補給水を停止すると前記通常反転実行部を動
作させるようにしたものである。 【0006】 【作用】本発明は上記した構成により、判断部は補給水
実行部の動作状況により、衣類の吸水が充分行われたと
判断できるまでは短時間反転を行って比較的早期に衣類
の吸水を完了させ、それ以降は通常の洗濯に適した反転
を行って洗濯することにより、全体の工程時間短縮を図
ることができるものである。 【0007】 【実施例】図1に本発明のドラム式洗濯機の第一の手段
の実施例の電気回路構成を示す。1は商用電源、2は商
用電源1を直流に整流する整流手段、3は整流手段2の
出力をキャリア周波数20kHzの高周波PWMにより
出力制御を行うチョッピング手段、4はこのチョッピン
グ手段3の出力の電気的極性を切り換える印加極性切り
換え手段、5は整流子モータである。整流子モータ5は
固定子巻線5Aおよび整流子巻線5B、整流子5C・5
D、によって構成される。6は整流子モータ5の回転方
向を切り換えるために固定子巻線5A、整流子巻線5B
の間の接続関係を変えるための回転方向切り換え手段、
7は整流子モータ5の速度を洗濯時と脱水時とで大まか
に変えるための巻線切り換え手段である。8は制御部
で、チョッピング手段3、印加極性切り換え手段4、回
転方向切り換え手段6、巻線切り換え手段7の動作を制
御している。速度制御に関しては、制御部8は整流子モ
ータ5の回転数を別途検知し、これが所定の回転数とな
るようにチョッピング手段3のPWMデューティをフィ
ードバック制御している。 【0008】また、制御部8には印加極性切り換え手段
4の切り換え内容を全工程にわたって記憶している印加
極性履歴記憶手段9を有している。印加極性切り換え手
段4、回転方向切り換え手段6、巻線切り換え手段7
は、それぞれ図に示すようにリレー4A・4B、6A・
6B、7Aによって構成されている。10はフライホイ
ールダイオードで、チョッピング手段3によって断続さ
れる電流を還流させるために設けられている。これらが
整流子モータ5の制御に関する電気的構成である。 【0009】図2に本実施例に示すドラム式洗濯機の断
面図を示す。5は前記した整流子モータ、20は受け
筒、21は衣類を収容して回転するドラムである。ドラ
ム21は受け筒20に収容されて、外部に水が漏れない
構成となっている。22はドラム21に直結されたプー
リー、23は整流子モータ5の回転をプーリー22、即
ちドラム21に伝達するためのベルトである。24は給
水弁、25は給水弁24を通じて給水された水によって
ドラム21内に洗剤を送るための洗剤ケース、26は排
水ポンプである。27Aおよび27Bは受け筒20を筐
体28から吊り下げるバネ、29Aおよび29Bは受け
筒20の振動を抑制するダンパーで、これら27A、2
7B、29A、29Bは受け筒20の支持手段を構成し
ている。 【0010】以上の構成において本発明の第一の手段の
動作を説明する。洗濯工程においては、巻線切り換え手
段7のリレー7Aは図1に示すY側に接続され、低速領
域の回転制御が行われる。 【0011】また脱水工程においては巻線切り換え手段
7のリレー7AはX側に接続され、高速領域での回転制
御が行われる。洗濯中においては、回転方向切り換え手
段6およびチョッピング手段3によって、例えば20秒
間ドラム21が右回転、3秒間の休止後、20秒間ドラ
ム21が左回転となるような動きを繰り返すものとす
る。この時の動きとしては、回転方向切り換え手段6の
リレー6A・6Bがそれぞれ同時にX側、Y側に交互に
接続されることによって、固定子巻線5Aと整流子巻線
5Bによって発生する磁極間の吸引反発の関係を逆転す
ることができ、整流子モータ5を反転させることができ
る。この場合回転方向は、整流子モータ5に印加される
電圧の極性に関わらず、回転方向切り換え手段6がどち
らに接続されているかのみによって決定される。 【0012】脱水工程においては通常機構的な構成条件
により、ドラム21の回転方向は一方向のみ、即ち本実
施例では右回転のみとなるように設計されており、従っ
て回転方向切り換え手段6も例えばX側のみに接続され
ることになる。 【0013】洗濯時においては、回転方向切り換え手段
6によってドラム21の反転時に、整流子5C・5Dに
印加される電気的極性は随時切り換えられているので整
流子5C・5Dの片減りは特に生じることはない。しか
し、脱水時においてはこの極性が固定されることになる
ので、何らかの対策がなければ整流子5C・5Dの片減
りが問題となる。特に脱水時は回転数が高い領域である
ので、その影響は洗濯時よりも顕著となる。 【0014】本発明の第一の手段では、脱水時の整流子
モータ5に対する電圧の印加極性、即ち印加極性切り換
え手段4からどのような極性で出力されているかという
履歴は印加極性履歴記憶手段9で記憶されており、その
結果に応じて制御部8は印加極性切り換え手段4に出力
指令を出している。印加極性切り換え手段4のリレー4
A・4BがX側に接続されているとすると、整流子5C
が正、整流子5Dが負の極性となるが、逆にY側に接続
されると、整流子5Cが負、整流子5Dが正の極性とな
る。前述したように、回転方向を規定するのは回転方向
切り換え手段6のみであり、これらの印加極性切り換え
には影響されない。従って回転方向とは独立して整流子
5C・5Dに対する電圧印加極性を切り換えることがで
きる。このように、印加極正切り換え手段4を適宜なタ
イミングで切り換えてやることによって、回転方向を変
えずに整流子5C・5Dに印加される電気的極性のみを
切り換えることができ、整流子5C・5Dの片減りを防
止することができる。 【0015】具体的な方法としては、中間脱水1回毎に
この極性を切り換える、本脱水の途中で回転数のレベル
に応じて切り換える(例えば回転数と印加時間の積が同
じとなるよう切り換える)、一連の工程毎に切り換える
(洗濯・すすぎ・脱水という連続工程を一単位として切
り換える)等が考えられる。 【0016】また本実施例では、回転方向切り換え手段
6は、固定子巻線5Aの方を固定とし、整流子巻線5B
の方に設けられているが、固定子巻線5A側に設け、整
流子巻線5Bを固定とした回転反転構成においても、若
干手順は異なるが同様の効果を得られることは言うまで
もない。 【0017】次に本発明の第二の手段について説明す
る。図3にその実施例の制御ブロック図を示す。尚、機
構的な構成は図2に示した本発明の第一の手段のものと
同様である。30はドラム内部の水位を検知する水位検
知部、31は洗濯開始を指令する開始指令部、32は判
断部、33は残水処理実行部、34は洗濯工程実行部で
ある。残水処理実行部33は、課題の項で述べたように
排水経路のボールの動きを制御するために排水ポンプ3
5を制御する。洗濯工程実行部34は給水・補給水を行
う給水弁36、ドラムを回転させるモータ37、ドラム
内の水を加熱して温水洗浄を行うためのヒータの動作を
制御する。 【0018】尚、これら開始指令部31、判断部32、
残水処理実行部33、洗濯工程実行部34は具体的には
全体の制御を行う制御部のマイクロコンピュータのプロ
グラムによってその動作が実現されている。 【0019】以上の構成において本実施例の動作を説明
する。使用開始時において、使用者は装置に対して何ら
かの開始設定を行う。これは通常の洗濯開始であって
も、停電からの復帰時で、既に工程の一部が進行してい
る時からでも一般的に同様の手順となる。この時、開始
指令部31によって洗濯の開始が指令されると、判断部
32では水位検知部31によってドラム内部の水位を判
定する。この水位が所定以上であれば、停電時からの復
帰とみなして即刻洗濯工程実行部34に指令を出して洗
濯工程を開始させる。この状態では既に水が満たされて
いるので、補給水以外の給水工程は行われず、ドラム反
転が開始される。 【0020】また検知された水位が所定以下の場合に
は、通常の洗濯開始とみなして残水処理実行部33に指
令を出して残水処理、即ち一定時間排水ポンプ35を動
作後、停止させることによって、ボールを排水経路に押
圧させ、ドラム内と排水経路との間の水の行き来を遮断
させる。 【0021】従来はこのような判断機能がなかったた
め、停電からの復帰時でも残水処理から工程が開始し、
既に洗剤が溶けている水を排出してしまっていた。しか
し本発明の第二の手段によれば、通常の洗濯開始と、停
電復帰時からの中途再開を判別し、中途再開時には無駄
な水や洗剤の機外への排出を防止することができる。 【0022】次に本発明の第三の手段について説明す
る。図4にその実施例の制御ブロック図を示す。尚、機
構的な構成は、本発明の第一の手段の項で述べたものと
同様である。40は水位検知部、41は判断部、42は
通常反転実行部、43は短時間反転実行部、44は補給
水実行部である。これらは洗濯時の動作を制御する制御
部の内容であるが、通常反転実行部42、短時間反転実
行部43はモータ45の動作を制御し、補給水実行部4
4は給水弁46の動作を制御する。また判断部41、通
常反転実行部42、短時間反転実行部43、補給水実行
部44は具体的には制御部のマイクロコンピュータのプ
ログラムによってその動作が実現されている。 【0023】以上の構成において、本実施例の動作を説
明する。洗濯が開始されると給水が行われ、これが所定
の水位に達すると、まず短時間反転実行部42によって
通常の洗濯よりも短時間の反転時限、例えば5秒右回転
2秒停止、5秒左回転2秒停止というサイクルで運転を
開始する。このとき、ドラム内部の衣類は当初は乾いて
おり、ドラム反転によって水が吸収されて行く。従って
工程進行と共に水位は減少して行き、水位検知部40に
よって検知される水位が所定以下のレベルになると判断
部41は補給水実行部44に指令を出して補給水を実行
する。衣類の吸水がほぼ充分な状態になると、この補給
水指令は出されなくなる。 【0024】次に、この補給水指令が所定時間継続して
出されなくなると、判断部41はドラム内部の衣類に充
分吸水が完了したと判断し、以降の洗濯工程について
は、通常反転実行部42に指令を出し、通常の洗濯に適
した反転時限、例えば20秒右回転3秒停止、20秒左
回転3秒停止というサイクルで運転を継続させる。 【0025】一般的に、短時間反転を繰り返す方が洗浄
速度という点では不利であるが、衣類の吸水速度は大き
くなる性質があり、洗濯開始当初にまず衣類への吸水を
早期に完了させ、次に洗濯に適した反転時限で運転する
方が、結果的に全体の工程時間の短縮ができる。 【0026】このように本発明の第三の手段によれば、
洗濯工程を衣類への吸水促進過程と、実際に衣類の汚れ
を取る洗浄過程という具合にフェイズを分割し、それぞ
れ最適なドラム反転時限を用いることにより、全体の工
程時間短縮を図ることができる。 【0027】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、ドラム内
の水位を検知する水位検知部と、前記水位検知部の出力
より洗濯中の前記ドラム内の水位が低下したときに補給
水を行う補給水実行部と、通常の洗濯に適した前記ドラ
ムの反転時限で洗濯を実行する通常反転実行部と、前記
通常反転実行部による洗濯より短時間の反転を繰り返す
短時間反転実行部と、前記水位検知部の出力に基づいて
前記補給水実行部の動作を制御し、かつ洗濯開始時は前
記短時間反転実行部を動作させる判断部とを備え、前記
判断部は、前記補給水実行部が所定時間補給水を停止す
ると前記通常反転 実行部を動作させるようにしたから、
衣類への吸水を早期に完了させることができ、全体の工
程時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の手段の実施例を示すドラム式洗
濯機の電気回路構成図 【図2】同ドラム式洗濯機の断面構成図 【図3】本発明の第二の手段の実施例を示すドラム式洗
濯機の制御ブロック図 【図4】本発明の第三の手段の実施例を示すドラム式洗
濯機の制御ブロック図 【符号の説明】 1 商用電源 2 整流手段 3 チョッピング手段 4 印加極性切り換え手段 5 整流子モータ 6 回転方向切り換え手段 8 制御部 9 印加極性履歴記憶手段 30 水位検知部 31 開始司令部 32 判断部 33 残水処理実行部 34 洗濯工程実行部 40 水位検知部 41 判断部 42 通常反転実行部 43 短時間反転実行部 44 補給水実行部
濯機の電気回路構成図 【図2】同ドラム式洗濯機の断面構成図 【図3】本発明の第二の手段の実施例を示すドラム式洗
濯機の制御ブロック図 【図4】本発明の第三の手段の実施例を示すドラム式洗
濯機の制御ブロック図 【符号の説明】 1 商用電源 2 整流手段 3 チョッピング手段 4 印加極性切り換え手段 5 整流子モータ 6 回転方向切り換え手段 8 制御部 9 印加極性履歴記憶手段 30 水位検知部 31 開始司令部 32 判断部 33 残水処理実行部 34 洗濯工程実行部 40 水位検知部 41 判断部 42 通常反転実行部 43 短時間反転実行部 44 補給水実行部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 長久 哲朗
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 平4−90792(JP,A)
特開 昭56−40188(JP,A)
特開 平5−111591(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D06F 1/00 - 51/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ドラム内の水位を検知する水位検知部
と、前記水位検知部の出力より洗濯中の前記ドラム内の
水位が低下したときに補給水を行う補給水実行部と、通
常の洗濯に適した前記ドラムの反転時限で洗濯を実行す
る通常反転実行部と、前記通常反転実行部による洗濯よ
り短時間の反転を繰り返す短時間反転実行部と、前記水
位検知部の出力に基づいて前記補給水実行部の動作を制
御し、かつ洗濯開始時は前記短時間反転実行部を動作さ
せる判断部とを備え、前記判断部は、前記補給水実行部
が所定時間補給水を停止すると前記通常反転実行部を動
作させるようにしたドラム式洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19460093A JP3448907B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | ドラム式洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19460093A JP3448907B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | ドラム式洗濯機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0747189A JPH0747189A (ja) | 1995-02-21 |
JP3448907B2 true JP3448907B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=16327248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19460093A Expired - Fee Related JP3448907B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | ドラム式洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3448907B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105074076B (zh) * | 2013-03-07 | 2017-04-05 | 松下知识产权经营株式会社 | 洗衣机 |
-
1993
- 1993-08-05 JP JP19460093A patent/JP3448907B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0747189A (ja) | 1995-02-21 |
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