JPH08299660A - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】脱水運転を終了しモータへの通電を停止した脱
水惰性回転中にブレーキをかけるようにした脱水兼用洗
濯機において、構造が簡単で、時間の無駄のない時間差
ブレーキの制御ができ、かつ、ブレーキ機構の耐久性の
低下および異常音の発生を防止する。 【構成】 水槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽を
洗濯兼脱水切替機構を介してモータ５により駆動し、洗
濯兼脱水槽の回転を停止させるブレーキをソレノイド１
５により制御する。制御手段１９は、パワースイッチン
グ手段１８を介してモータ５およびソレノイド１５の動
作を制御し、布量検知手段２１により検知された布量を
数段階に分け、各段階ごとにモータ５への通電を停止し
た脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を設定し、かつ、
布量が多量の方が少量よりブレーキ時回転数を低く設定
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、脱水運転を終了しモー
タへの通電を停止した脱水惰性回転中にブレーキをかけ
るようにした脱水兼用洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の脱水兼用洗濯機では、脱
水運転終了後、モータへの通電を停止してから所定時間
経過後にブレーキをかけるようにしている。このような
時間差ブレーキ制御は、脱水定常運転終了後にモータへ
の通電を停止してモータを惰性回転させ、つまり洗濯兼
脱水切替機構を介して駆動される洗濯兼脱水槽を惰性回
転させて回転を徐々に低下させ、通常は脱水回転停止後
ソレノイドをオフさせてブレーキをかけていた。また、
脱水惰性回転中にブレーキをかけるものでは、布量によ
らず、所定時間後にブレーキをかけたり、所定回転数で
ブレーキをかけたりしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の脱水
兼用洗濯機では、布量はある幅をもって検知されるた
め、幅の上限と下限では惰性運転の時間は変わる。この
ため、布量幅の上限、最も均一な布片寄り条件で、つま
りその布量幅で条件的に最も長い時間で前述の所定時間
Ｔを設定しなければならない。このため、布量幅の下限
の場合は、惰性運転が終わり洗濯兼脱水槽の回転が停止
しているにもかかわらず、決めた所定時間Ｔが経過する
までソレノイドはオフせず次の行程へ進まないため、時
間が無駄になるという問題があった。

【０００４】また、脱水惰性回転中にブレーキをかける
ものでは、布量によらず所定時間後にブレーキをかけて
いるため、布量が多い場合の方が洗濯兼脱水槽の慣性モ
ーメントが大きく、ブレーキ時の回転数が高くなり、ブ
レーキシューがブレーキドラムと擦れるときの発熱量が
多く、ブレーキ機構の耐久性を低下させたり、異常音が
発生したりしていた。さらに、低回転でブレーキをかけ
る場合もあり、洗濯兼脱水槽の慣性力により、水槽が外
枠へ衝突するという問題もあった。

【０００５】また、所定回転数でブレーキをかけた場
合、布量が多い場合の方が洗濯兼脱水槽の慣性エネルギ
が大きくなり、上記と同様に、ブレーキシューがブレー
キドラムと擦れるときの発熱量が多く、ブレーキ機構の
耐久性を低下させたり、異常音が発生したりしていた。
さらに、所定回転数を低回転に設定した場合、洗濯兼脱
水槽の慣性力により、水槽が外枠へ衝突するという問題
もあった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、構造
が簡単で、時間の無駄のない時間差ブレーキの制御がで
きるようにし、かつ、ブレーキ機構の耐久性の低下およ
び異常音の発生を防止することを第１の目的としてい
る。

【０００７】また、ブレーキ時に洗濯兼脱水槽の慣性力
により、水槽が外枠へ衝突し異常音が発生するのを防止
することを第２の目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、水槽内に回転自在に配設した洗濯兼
脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を洗濯兼脱水切替機構を介
して駆動するモータと、前記洗濯兼脱水槽の回転を停止
させるブレーキを制御するソレノイドと、前記洗濯兼脱
水槽の回転数を検知する回転数検知手段と、布量を検知
する布量検知手段と、パワースイッチング手段を介して
前記モータおよびソレノイドの動作を制御する制御手段
とを備え、前記制御手段は、前記布量検知手段により検
知された布量を数段階に分け、各段階ごとにモータへの
通電を停止した脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を設
定し、かつ、布量が多量の方が少量よりブレーキ時回転
数を低く設定したことを第１の課題解決手段としてい
る。

【０００９】また、第２の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段の制御手段は、モータへの通電を停
止した脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を水槽などの
一次振動共振点より高い回転数に設定したことを第２の
課題解決手段としている。

【００１０】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
布量検知手段により検知された布量を数段階に分け、各
段階ごとにモータへの通電を停止した脱水惰性回転中の
ブレーキ時回転数を設定し、かつ、布量が多量の方が少
量よりブレーキ時回転数を低く設定することにより、布
量が多い場合の方が洗濯兼脱水槽の慣性エネルギが大き
くなることがなく、ブレーキシューがブレーキドラムと
擦れるときの発熱量も多くならない。したがって、構造
が簡単で、時間の無駄のない時間差ブレーキの制御がで
き、かつ、ブレーキ機構の耐久性の低下および異常音の
発生を防止することができる。

【００１１】また、第２の課題解決手段により、モータ
への通電を停止した脱水惰性回転中のブレーキ時回転数
を水槽などの一次振動共振点より高い回転数に設定した
ことにより、低回転でブレーキをかけることがなくな
り、したがって、洗濯兼脱水槽の慣性力により水槽が外
枠へ衝突することもなく、異常音の発生を防止すること
ができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１および図２を参
照しながら説明する。

【００１３】図２に示すように、洗濯兼脱水槽１は、中
央底部にパルセータ２を回転自在に配設している。水槽
３は、洗濯兼脱水槽１を内包し、水槽３の外底部には基
板４を固着し、この基板４にモータ５、排水弁６、洗濯
兼脱水切替機構７などを配設し、基板４の外縁部は防振
装置８、吊り棒９を介して外枠１０の上部角隅より垂下
支持されている。外枠１０の上部には、上部カバー１１
を設け、給水弁１２、電源スイッチ１３、制御装置１４
などを配設している。

【００１４】制御装置１４は、図１に示すように、モー
タ５、給水弁１２および排水弁６とブレーキを制御する
ソレノイド１５を接続し、電源スイッチ１３を介して交
流電源１６に接続している。なお、１７はモータ５の進
相コンデンサである。

【００１５】つぎに、制御装置１４の構成を説明する
と、パワースイッチング手段１８は、制御手段１９の出
力によりモータ５、ソレノイド１５、給水弁１２、電源
スイッチ１３などの通電を制御する。水位検知手段２０
は、洗濯兼脱水槽１内の水位を検知するものであり、布
量検知手段２１は、モータ５の惰性回転時の逆起電力よ
り、洗濯兼脱水槽１内の洗濯物の量を検知するものであ
る。また、回転数検知手段２２は、洗濯兼脱水槽１の回
転数を検知するものである。操作手段２３は、使用者が
操作して所望の入力をするものであり、表示手段２４
は、動作状態の表示および各種の報知をするものであ
る。

【００１６】制御手段１９は、操作手段２３、水位検知
手段２０、布量検知手段２１などの出力により、洗濯、
すすぎ、脱水の各行程を逐次制御するとともに、布量検
知手段２１により検知された布量を数段階に分け、各段
階ごとにモータ５への通電を停止した脱水惰性回転中の
ブレーキ時回転数を設定し、かつ、布量が多量の方が少
量よりブレーキ時回転数を低く設定している。

【００１７】上記構成において図３および図４を参照し
ながら動作を説明する、まず、図３のステップ１０１の
洗濯行程において、ステップ１０２で布量検知手段２１
により布量検知を行ない、ステップ１０３で布量が多量
の場合、ステップ１０４でブレーキ時回転数をＮ１に設
定する。ステップ１０５で洗濯行程が終了すると、ステ
ップ１０６で脱水行程に移る。ステップ１０７で行って
いた脱水が終了すると、ステップ１０８でモータ５の電
源だけをオフし、図４の曲線（ａ）に示すように、洗濯
兼脱水槽１は惰性回転を行う。そして、ステップ１０９
で回転数検知手段２７により検知された洗濯兼脱水槽１
の回転数がＮ１になると、ステップ１１０でソレノイド
１５への通電を停止させてブレーキをかける。

【００１８】また、ステップ１１１で布量が中量の場
合、ステップ１１２でブレーキ時回転数をＮ２に設定
し、図４の曲線（ｂ）に示すように、上記同様にステッ
プ１１３〜ステップ１１８を行なう。ステップ１１９で
布量が少量の場合、ステップ１２０でブレーキ時回転数
をＮ３に設定し、図４の曲線（ｃ）に示すように、上記
同様にステップ１２１〜ステップ１２６を行なう。ただ
し、Ｎ１＜Ｎ２＜Ｎ３である。上記実施例では、布量を
３段階に分けたが、複数段階に分けてもよい。

【００１９】したがって、布量が多量の方が少量よりブ
レーキ時回転数を低く設定することにより、布量が多い
場合の方が洗濯兼脱水槽１の慣性エネルギが大きくなる
ことがなく、ブレーキシューがブレーキドラムと擦れる
ときの発熱量も多くならないため、構造が簡単で、時間
の無駄のない時間差ブレーキの制御ができ、かつ、ブレ
ーキ機構の耐久性の低下および、異常音の発生を防止す
ることができる。

【００２０】つぎに、本発明の第２の実施例について説
明する。図１における制御手段１９は、ブレーキ時回転
数を水槽３などの一次振動共振点（１〜２Ｈｚ）Ｎａよ
り高い回転数に設定している。他の構成は上記第１の実
施例と同じである。

【００２１】上記構成において図３を参照しながら動作
を説明すると、ステップ１０４、ステップ１１２、ステ
ップ１２０において、ステップ１０２で布量検知手段２
１で検知した布量に応じてブレーキ時回転数をＮ１、Ｎ
２、Ｎ３を設定しているが、ブレーキ時回転数を水槽３
などの一次振動共振点（１〜２Ｈｚ）Ｎａより高い回転
数に設定している。すなわち、Ｎａ＜Ｎ１＜Ｎ２＜Ｎ３
としている。他の動作は上記第１の実施例と同じであ
る。

【００２２】したがって、モータ５への通電を停止した
脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を水槽３などの一次
振動共振点より高い回転数に設定したことにより、低回
転でブレーキをかけることがなくなり、したがって、洗
濯兼脱水槽１の慣性力により、水槽３が外枠１０へ衝突
することもなく、異常音の発生を防止できる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明は、水槽内に回転自
在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を洗濯
兼脱水切替機構を介して駆動するモータと、前記洗濯兼
脱水槽の回転を停止させるブレーキを制御するソレノイ
ドと、前記洗濯兼脱水槽の回転数を検知する回転数検知
手段と、布量を検知する布量検知手段と、パワースイッ
チング手段を介して前記モータおよびソレノイドの動作
を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記布
量検知手段により検知された布量を数段階に分け、各段
階ごとにモータへの通電を停止した脱水惰性回転中のブ
レーキ時回転数を設定し、かつ、布量が多量の方が少量
よりブレーキ時回転数を低く設定したことにより、布量
が多い場合の方が洗濯兼脱水槽の慣性エネルギが大きく
なることがなく、ブレーキシューがブレーキドラムと擦
れるときの発熱量も多くならない。したがって、構造が
簡単で、時間の無駄のない時間差ブレーキの制御がで
き、かつ、ブレーキ機構の耐久性の低下および異常音の
発生を防止することができる。

【００２４】また、制御手段は、モータへの通電を停止
した脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を水槽などの一
次振動共振点より高い回転数に設定することにより、低
回転でブレーキをかけることがなくなり、したがって、
洗濯兼脱水槽の慣性力により、水槽が外枠へ衝突するこ
ともなく、異常音の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の脱水兼用洗濯機のブロ
ック図

【図２】同脱水兼用洗濯機の断面図

【図３】同脱水兼用洗濯機の動作フローチャート

【図４】同脱水兼用洗濯機の脱水惰性回転時の特性図

【符号の説明】

１ 洗濯兼脱水槽 ３ 水槽 ５ モータ ７ 洗濯兼脱水切替機構 １５ ソレノイド １８ パワースイッチング手段 １９ 制御手段 ２１ 布量検知手段 ２２ 回転数検知手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水
   槽と、前記洗濯兼脱水槽を洗濯兼脱水切替機構を介して
   駆動するモータと、前記洗濯兼脱水槽の回転を停止させ
   るブレーキを制御するソレノイドと、前記洗濯兼脱水槽
   の回転数を検知する回転数検知手段と、布量を検知する
   布量検知手段と、パワースイッチング手段を介して前記
   モータおよびソレノイドの動作を制御する制御手段とを
   備え、前記制御手段は、前記布量検知手段により検知さ
   れた布量を数段階に分け、各段階ごとにモータへの通電
   を停止した脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を設定
   し、かつ、布量が多量の方が少量よりブレーキ時回転数
   を低く設定した脱水兼用洗濯機。
2. 【請求項２】 制御手段は、モータへの通電を停止した
   脱水惰性回転中のブレーキ時回転数を水槽などの一次振
   動共振点より高い回転数に設定した請求項１記載の脱水
   兼用洗濯機。