JPH08109126A - 耐衝撃性腸溶性顆粒剤およびこれを含有する錠剤 - Google Patents

耐衝撃性腸溶性顆粒剤およびこれを含有する錠剤

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JPH08109126A
JPH08109126A JP27073194A JP27073194A JPH08109126A JP H08109126 A JPH08109126 A JP H08109126A JP 27073194 A JP27073194 A JP 27073194A JP 27073194 A JP27073194 A JP 27073194A JP H08109126 A JPH08109126 A JP H08109126A
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enteric coated
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JP27073194A
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Hiroyasu Kokubo
宏恭 小久保
Yuichi Nishiyama
裕一 西山
Rokuji Kimata
六司 木俣
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Amano Enzyme Inc
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、耐衝撃性に優れた腸溶性顆粒
剤及びこれを含有する錠剤を提供することである。 【構成】本発明は、糖質系核粒子に薬物が担持された腸
溶性顆粒剤において、少なくとも2層のコーチング層を
有し、互いに接するコーチング層を形成するフィルムの
軟化温度の差が50℃以上で、この内少なくとも1層が腸
溶コーチング層であることを特徴とする腸溶性顆粒剤及
び該腸溶性顆粒剤を薬物、賦型剤、崩壊剤、結合剤、滑
沢剤等を含む製剤学的に許容される組成と混合し圧縮成
形することを特徴とする腸溶性顆粒剤を含有する錠剤で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖質系核粒子に薬物が
担持された腸溶性顆粒剤において、腸溶層の内側あるい
は外側または両方に腸溶層とは異なるフィルムの軟化温
度を持つコーチング層を有することを特徴とする耐衝撃
性の腸溶性顆粒剤及びこれを含有する錠剤を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】腸溶性コーチングは、酸に弱い薬物の胃
酸からの保護、胃壁に対する刺激、傷害を有する薬物か
らの胃粘膜の保護、或いは、胃溶性の成分と腸溶性の成
分を配合することによる徐放性の付与等の様々な目的で
広く使用されている。
【0003】腸溶性製剤において、近年、生物薬剤学的
な観点から腸溶性錠剤よりも腸溶性顆粒剤の方が胃排出
速度及びBioavailability の個体差が少なく、食事の摂
取の影響が少ないことが報告されており、耐衝撃性を有
する腸溶性顆粒剤は、錠剤等へ製剤的な加工する際に有
効な手段である。
【0004】通常の腸溶性顆粒剤は打錠等の極端な衝撃
を加えた場合、腸溶性被膜に亀裂を生じ、腸溶性製剤と
しての耐酸性が失われてしまうことが多く、その防止に
は、コーチング量を増加させたり、可塑剤を多量に配合
するなどの腸溶性被膜の強度と柔軟性を増加させること
が考えられ、従来の有機溶剤系の腸溶コーチングにおい
ては、重合度の高い腸溶基剤にセラック、ポリエチレン
グリコールを配合する手法(特開平2−174727)が開示
されている。
【0005】又、被覆顆粒剤の耐打錠性を向上させる方
法としては、有機溶媒を含む水溶性高分子または酸可溶
性高分子の保護膜でコーチングする方法(特開平2−537
21)が知られている。
【0006】水系の腸溶コーチングは、既にいくつかの
腸溶基剤で実用化されており、新しい製剤の開発は水系
で行われるケースが増えつつある。水系化における基本
的な技術問題は、水系のラテックスまたは分散液をスプ
レーして腸溶被膜を形成させるため、核となる顆粒また
は錠剤が、耐水性を有していることが好ましい。このた
め、特開昭59−167521に開示されているように、水系腸
溶コーチングを施すに当たって、薬物の水溶性が高いこ
と等の耐水性が不足する場合には、水溶性セルロース誘
導体等でアンダーコートを施すことが知られている。
【0007】なお、又、薬物の安定性が悪く、保存時ま
たは加速試験時に粘着を起こすアスピリン錠剤について
は、安定性良好な製剤を得るためにアンダーコートおよ
びオーバーコートを腸溶層の内側と外側に施す方法(US
P No.4775536)が開示されている。
【0008】腸溶基剤の中で、特にアクリル系のポリマ
ーは、セルロース系と比較して形成される被膜の柔軟性
が不足するため、保存時または輸送時に亀裂が生じ易い
ことが知られている。この防止策として腸溶性の錠剤コ
ーチングにおいて、水溶性セルロース系のアンダーコー
トを施す手法(特公平4−20890)が開示されている。
【0009】しかしながら、これらの錠剤と比較して打
錠を目的とする顆粒剤では、必要とする衝撃強度は著し
く大きい。
【0010】打錠用腸溶性顆粒剤には、単に衝撃強度が
大きいばかりでなく、顆粒剤を錠剤中に均一に含有させ
ることも重要であり、このため顆粒サイズが小さく、そ
の分布が均等な顆粒剤が求められる。この解決策の1つ
として、糖質系の核粒子として白糖のみからなるものを
用いる方法(特開平4−169522)が開示されているが、
しかし、白糖のみからなる核粒子は、強度が高く打錠に
適している反面、水溶性が高く、水系腸溶コーチング時
に白糖が腸溶層に溶け出し、耐酸性を低下させることが
しばしば見られる。しかし、これを改善するために、核
粒子のオーバーコートが有効である点については述べら
れていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】腸溶性顆粒剤の中でも
特に打錠用の腸溶性顆粒剤において、打錠時などにおけ
る耐衝撃性および混合性を満足し、且つ又腸溶基剤の使
用量をより少なくした顆粒剤の開発が切望されていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、糖質系核粒子
に薬物が担持された腸溶性顆粒剤において、腸溶層の内
側あるいは外側または両方に、腸溶層とはフィルムの軟
化温度の差が50℃以上であるコーチングを施すことによ
り、耐衝撃性と混合性の両者を満足させる腸溶性顆粒剤
をより少ない腸溶基剤の使用量で効率よく製造できるこ
とを見いだして本発明を完成させた。
【0013】即ち、本発明は、糖質系核粒子に薬物が担
持された腸溶性顆粒剤において、少なくとも2層のコー
チング層を有し、互いに接するコーチング層を形成する
フィルムの軟化温度の差が50℃以上で、この内少なくと
も1層が腸溶コーチング層であることを特徴とする腸溶
性顆粒剤及び該腸溶性顆粒剤を薬物、賦型剤、崩壊剤、
結合剤、滑沢剤等を含む製剤学的に許容される組成と混
合し圧縮成形することを特徴とする腸溶性顆粒剤を含有
する錠剤である。
【0014】本発明の腸溶コーチング前の核顆粒として
は、通常の混合・攪拌造粒、押出造粒、転動造粒、溶融
造粒などで得られた顆粒が用いられうるが、より好まし
くは、核粒子を用いた転動造粒によって得られた顆粒が
用いられる。この場合の核粒子は糖質系が用いられ、例
えば、市販の白糖製のもの、白糖を主体に澱粉を含有す
るもの、結晶セルロース製のもの、結晶セルロースを主
体に糖類または澱粉類を含有するもの何れか1つまたは
その組み合わせを用いることができる。
【0015】又、錠剤中に本発明によって得られた顆粒
剤を均等に分布させるには、薬物を担持させた後、さら
に2層以上のコーチングを施した最終の腸溶性顆粒剤の
大きさが1mm以下であることが望ましく、核粒子自体の
サイズとしては、400〜600μm が好ましい。1mm以下の
顆粒にすることによって均等な分散性と共に耐衝撃性も
向上するからである。
【0016】腸溶性基剤としては、水系コーチングに使
用されるものならば特に制限はないが、好ましくは、例
えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートサクシネート(HPMCAS)、セルロースアセテート
フタレート(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロー
ス(CMEC)、メタクリル酸−アクリル酸エチルエステル
共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸メチルエステル
共重合体から選ばれた1つまたはその組み合わせであれ
ば良い。さらに好ましくは、HPMCASを用いた水分散系の
コーチングによるものが、コーチング中の団粒化も少な
く収率良く顆粒剤を得ることができる。腸溶層のコーチ
ング量は、担持される薬物の量や薬物の水溶性および賦
型剤の性質などにより影響を受けるが、核粒子の重量に
対して腸溶性基剤の量として概ね15〜50重量%で、十分
な腸溶性が得られる。この量は、通常の顆粒剤のコーチ
ング量と比較して同等である。
【0017】又、これらの腸溶層は、軟化温度の差が50
℃以上である組成のものを2層以上施すこともできる。
【0018】腸溶層以外のコーチング層は、通常フィル
ムコーチングに汎用されるヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C)、メチルセルロース(MC)の何れか1つまたはその
組み合わせを用いることができ、この中ではHPMCがコー
チング時の操作性から好ましい。
【0019】内側あるいは外側または両方の被膜は、核
粒子の重量に対して概ね1〜25重量%コーチングするの
が良く、好ましくは、5〜15重量%である。これらの2
層以上のコーチング層は、互いに接する層間で、フィル
ムの軟化温度の差が50℃以上であることが必須であり、
これ以下では耐衝撃性の向上が小さく効果的ではない。
フィルムの軟化温度は、TMA測定装置を用いて以下の条
件で測定することができる(以下の実施例もこの条件に
従う。)。 装置 :TMA10(セイコー電子工業製) 試験フィルム :10 mm×3 mm×0.1 mm(縦×横×厚
さ) 荷重 :5g 昇温速度 :10℃/min
【0020】このようにして測定されるフィルムの軟化
温度は、ポリマーの種類および可塑剤の配合量により室
温から約170℃前後まで任意に調整することができる。
【0021】腸溶層およびその他のコーチング層に可塑
剤、顔料、タルク等の添加剤を加えることも可能であ
り、コーチングは従来公知のコーチング装置を適用する
ことで製することができる。例えば、流動層コーチング
装置、遠心コーチング装置、攪拌転動型コーチング装
置、攪拌流動層コーチング装置、パンコーチング装置等
が挙げられる。
【0022】本発明が適用される薬物は、特に制限され
るものではなく、一般の腸溶性コーチングが適用される
薬物であればよい。
【0023】又、錠剤化する際に配合成分間で配合禁忌
を生じ、その1成分を腸溶顆粒化する等が考えられる。
これらの2つに同時に該当する薬物としては、例えば、
酸に不安定な酵素を制酸剤を含む錠剤中に含有させたい
場合があげられる。
【0024】更に、本発明の顆粒剤は、通常の錠剤化と
同様に、製剤学的に許容される薬物、賦型剤、崩壊剤、
結合剤、滑沢剤等を配合して製する腸溶性顆粒剤含有錠
剤とすることができる。又、これらの錠剤にフィルムコ
ーチングまたは糖衣コーチングを施すこともできる。
【0025】次に実施例により本発明を、更に詳細に説
明する。なお、実施例中の部数及び%は、重量による。
【0026】
【実施例】
実施例1 <核顆粒の調製>澱粉を含有する糖質系核粒子(商品名
ノンパレル NP−101 32〜42号:フロイント産業製)1
Kgを、遠心コーチング装置(CF−360:フロイント産業
製)に仕込み、バインダーとしてヒドロキシプロピルセ
ルロース(HPC)(HPC EF−G:信越化学工業製)4%水
溶液400gをスプレーしながら、パンクレアチン(日本薬
局方4倍品:天野製薬製)1Kgとコーンスターチ(コー
ンスターチW:日本食品加工製)500gとを混合したもの
を散布して、薬物が担持された核顆粒を得た。これを20
〜42号 で分級しコーチング用の核顆粒2250gを得た。
【0027】<第1層>得られた核顆粒1,5Kgを流動層
コーチング装置(FLO−1:フロイント産業製)に仕込
み、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(TC
−5R:信越化学工業製)45gとタルク(キハラ化成製)2
25gを精製水1230gに溶解したコーチング溶液を給気温度
80℃、35g/minでスプレーして水溶性被覆顆粒1730gを
得た。このこの被膜のTMA測定装置(TMA 10:セイコー
電子工業製)で測定した軟化温度は、150℃であった。
【0028】<第2層(腸溶層)>内側被膜コーチング
に引き続き、前記水溶性被覆顆粒1.5kgを仕込み、腸溶
性基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートサクシネート(HPMCAS)(AS−MF:信越化学工業
製)525g、可塑剤としてクエン酸トリエチル(シトロフ
レックス2:ファイザー製)147g、タルク157.5gを15℃
の精製水4420.5gに分散して調製されたコーチング液を
給気温度80℃、60g/minでスプレーして腸溶コーチング
顆粒を2240g得た。第1層と同様にして測定したこの被
膜の軟化温度は、30℃であった。
【0029】<第3層>腸溶コーチングに引き続き、前
記腸溶コーチング顆粒1.5Kgを仕込み、HPMC(TC−5R)4
5gとタルク45gを精製水1410gに溶解したコーチング溶液
を給気温度80℃、30g/minでスプレーして、さらに16号
(1mm)篩を通過させ、本発明のフィルムの軟化温度の
差が50℃以上である3層のコーチング層を有する腸溶性
顆粒剤1570gを得た。第1層と同様にして測定したこの
被膜の軟化温度は、160℃であった。
【0030】実施例2 実施例1で得られた腸溶性顆粒剤を、スプレードライ乳
糖(Fast−flo:Foremost社製)と以下の組成条件で混
合し打錠した。 組成 本発明の顆粒剤 20 部 スプレードライ乳糖 80 部 ステアリン酸マグネシウム 0.5部 打錠 打錠機 ロータリー打錠機(RT−S15K−35:菊水製作所製) 杵 8 mmφ、6.5 mmR、15本 錠剤サイズ 1錠 200 mg 打錠圧 本圧 1.0t/P 予圧 0.3t/P 回転数 45 rpm
【0031】<腸溶性顆粒剤の評価>実施例1で得られ
た腸溶性顆粒剤および実施例2で得られた錠剤につい
て、日本薬局方の腸溶性製剤の試験および酵素活性(ア
ミラーゼ活性)を測定した結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示されるように、打錠後においても
十分な耐酸性を示した。
【0034】実施例3 実施例1において、第1層を省略する以外は同様にし
て、第2層の皮膜(フィルムの軟化温度:30℃)及び第
3層の被膜(フィルムの軟化温度:160℃)を施すこと
によって、本発明のフィルムの軟化温度の差が50℃以上
である2層のコーチング層を有する腸溶性顆粒剤1570g
を得た。
【0035】実施例4 実施例1において第3層を省略する以外は、同様にして
第1層の皮膜(フィルムの軟化温度:150℃)及び第2
層の被膜(フィルムの軟化温度:30℃)を施すことによ
って、本発明のフィルムの軟化温度の差が50℃以上であ
る2層のコーチングを有する腸溶性顆粒剤1580gを得
た。
【0036】実施例5 実施例3で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0037】実施例6 実施例4で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0038】<腸溶性顆粒剤の評価>実施例3〜6 に
ついて、実施例1,2と同様に腸溶性、耐打錠性を評価
した結果を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】表2に示されるよに、第1層または第3層
被膜を省略した腸溶性顆粒剤においても、十分な耐酸性
を有していた。
【0041】比較例1 実施例1で第1層を省略し、以下同様に腸溶コーチング
を行い、腸溶コーチング顆粒(フィルムの軟化温度:30
℃)2240gを得た。引き続き、前記腸溶コーチング顆粒
1.5Kgを仕込み、HPMC(TTC−5R)45gとポリエチレング
リコール400(日本油脂製)15gとタルク45gを精製水141
0gに溶解したコーチング溶液を給気温度80℃、30g/min
でスプレーして、さらに16号 篩を通過させ、2層のコ
ーチング層を有する腸溶性顆粒剤1580gを得た。実施例
1と同様にして測定したこの第3層のフィルムの軟化温
度は、60℃であった。
【0042】比較例2 比較例1で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0043】<腸溶性顆粒剤の評価>比較例1,2につ
いて、実施例1,2と同様に腸溶性、耐打錠性を評価し
た結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】第3表に示されるように、フィルムの軟化
温度の差が30℃である腸溶性顆粒剤では、打錠後の耐酸
性の低下が見られた。
【0046】実施例7 実施例1で調製した核顆粒を用い、実施例1と同様にし
て、第1層被膜(フィルムの軟化温度:150℃)を施
し、得られた顆粒1.5Kgを実施例1と同一の流動層コー
チング装置に仕込み、腸溶性基剤としてメタクリル酸−
アクリル酸エチル共重合体の水性エマルジョン(L−30D
−55:樋口商会製)を1750g(30%濃度)、可塑剤とし
てクエン酸トリエチル52.5g、タルク157.5gを精製水381
5gに分散して調製されたコーチング液を給気温度80℃、
45g/minでスプレーして腸溶コーチング顆粒(フィルム
の軟化温度:60℃)を2050g得た。
【0047】次いで、実施例1と同様にして、第3層被
膜(フィルムの軟化温度:160℃)を施し、さらに16号
篩を通過させ、本発明のフィルムの軟化温度の差が50℃
以上である3層のコーチングを有する腸溶性顆粒剤1570
gを得た。
【0048】実施例8 実施例7で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0049】<腸溶性顆粒剤の評価>実施例7,8につ
いて、実施例1,2と同様に腸溶性、耐打錠性を評価し
た結果を表4に示した。
【0050】
【表4】
【0051】表4に示されるように、打錠後においても
十分な耐酸性を示した。
【0052】比較例3 核顆粒の調製において、粒子径の大きい糖質系核粒子
(商品名 ノンパレル NP−101 20〜24号:フロイント産
業製)を用いた以外は、全く同様にして薬物が担持され
た核顆粒を得た。これを14 〜24号 で分級しコーチング
用の核顆粒2250gを得た。さらに、実施例1と同様に、
第1層(フィルムの軟化温度:150℃)、第2層(フィ
ルムの軟化温度:30℃)、第3層被膜(フィルムの軟化
温度:160℃)を施し、本発明のフィルムの軟化温度の
差が50℃以上である3層のコーチングを有する腸溶性顆
粒剤1570gを得た。なお本比較例の顆粒剤の大きさは、1
6号(1mm)以上の顆粒剤が80%であった。
【0053】比較例4 比較例3で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0054】<腸溶性顆粒剤の評価>比較例3,4につ
いて、実施例1,2と同様に腸溶性、耐打錠性を評価し
た結果を表5に示した。
【0055】
【表5】
【0056】表5より明らかなように、顆粒剤の大きさ
が1mm以上であると、打錠後の耐酸性が若干低下するこ
とが分かる。
【0057】<混合性の評価>比較例3で得られた顆粒
剤と実施例1で得られた顆粒剤をそれぞれ500gにスプレ
ードライ乳糖2Kgを10LV型混合機を用いて回転数20 rpm
で10分間混合し、さらに滑沢剤としてステアリン酸マグ
ネシウム12.5gを添加し、引き続き1分間混合し、打錠
末とした。これを、実施例2と同様にして、打錠開始1
分後から終了まで3分毎にサンプリングし、錠剤中に含
まれる腸溶性顆粒剤の量を測定した。この結果を表6に
示した。
【0058】
【表6】
【0059】表6より明らかなように、顆粒サイズの大
きい比較例3の顆粒剤を用いた場合は、第5表に示され
るように、顆粒含有量が理論値よりも高く、又、そのバ
ラツキも大きい。これは顆粒の方がスプレードライ乳糖
よりも先に充填される傾向を示しており、顆粒サイズの
小さい本発明の実施例1ではバラツキも小さく良好なこ
とが判る。
【0060】更に、顆粒サイズが1mm以下のものを打錠
して得られる錠剤(実施例2のもの)は、十分耐酸性を
有しているに対し、顆粒サイズが1mm以上のものを打錠
して得られる錠剤(比較例4のもの)は耐酸性において
若干の低下が認められることから明らかなように、耐打
錠性の点からも顆粒サイズの小さい方が優れていること
が分かる。
【0061】実施例9 実施例1で調製した核顆粒1.5Kgを流動層コーチング装
置(FLO−1:フロイント産業製)に仕込み、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)(HP−5
5:信越化学工業製)15gとタルク(キハラ化成製)135g
をエタノール:精製水=8:2混合溶液600gに溶解した
コーチング溶液を給気温度70℃、40g/minでスプレーし
て水溶性被覆顆粒1620gを得た。この被膜のTMA測定装置
(TMA10:セイコー電子工業製)で測定したフィルムの
軟化温度は、120℃であった。得られた第1層の内側被
膜コーチングに引き続き、実施例1同様に第2層腸溶コ
ーチング(フィルムの軟化温度:30℃)と第3層被膜
(フィルムの軟化温度:160℃)を施し、本発明のフィ
ルムの軟化温度の差が50℃以上である3層のコーチング
を有する腸溶性顆粒剤1260gを得た。
【0062】実施例10 実施例9で得られた顆粒剤を実施例2と同様にして打錠
して腸溶性顆粒剤含有錠剤を得た。
【0063】<腸溶性顆粒剤の評価>実施例9,10に
ついて、実施例1,2と同様に腸溶性、耐打錠性を評価
した結果を表7に示した。
【0064】
【表7】
【0065】表7に示されるように、打錠後においても
十分な耐酸性を示した。
【0066】
【発明の効果】耐打錠性のある腸溶性顆粒剤は、酵素等
の酸に対する安定性の悪い薬物を、容易に錠剤化でき、
また、他の配合成分との相互作用から配合することので
きなかった成分を本発明の腸溶性顆粒剤とすることで容
易に配合することができる。さらに、本発明をバルクに
適用すれば、容易に処方検討ができ、自社での造粒顆粒
化、コーチング等の煩雑な検討を省略することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/38 D (72)発明者 西山 裕一 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 木俣 六司 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城屋 敷51 天野製薬株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖質系核粒子に薬物が担持された腸溶性顆
    粒剤において、少なくとも2層のコーチング層を有し、
    互いに接するコーチング層を形成するフィルムの軟化温
    度の差が50℃以上で、この内少なくとも1層が腸溶コー
    チング層であることを特徴とする腸溶性顆粒剤。
  2. 【請求項2】前記顆粒剤の大きさが、直径1.0 mm以下の
    球形である請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  3. 【請求項3】腸溶層が水系コーチングにより施されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  4. 【請求項4】腸溶性基剤がヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメ
    チルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、セ
    ルロースアセテートフタレート(CAP)、カルボシキメ
    チルエチルセルロース(CMEC)、メタクリル酸−アクリ
    ル酸エチルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリ
    ル酸メチルエステル共重合体から選ばれた1つまたはそ
    の組み合わせである請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  5. 【請求項5】腸溶層の重量が薬物を含む核粒子の重量に
    対して腸溶性基剤の量として15〜50%であることを特徴
    とする請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  6. 【請求項6】腸溶層以外のコーチングの重量が、薬物を
    含む核粒子の重量に対して1〜25%であることを特徴と
    する請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  7. 【請求項7】糖質系核粒子に担持させる薬物が酸に対し
    て不安定な酵素類である請求項1記載の腸溶性顆粒剤。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7記載の腸溶性顆粒剤
    を薬物、賦型剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を含む製剤
    学的に許容される組成と混合し圧縮成形することを特徴
    とする腸溶性顆粒剤を含有する錠剤。
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