JP5667113B2 - 時限放出製剤用コーティング用組成物、これによりコーティングされた時限放出固形製剤及び時限放出固形製剤の製造方法 - Google Patents

時限放出製剤用コーティング用組成物、これによりコーティングされた時限放出固形製剤及び時限放出固形製剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬物の放出を時限放出化させるコーティング用組成物、これによりコーティングされた固形製剤及び固形製剤の製造方法に関する。
近年、薬物の体内動態や薬理効果に時間依存性があることが明らかになり、薬剤を疾患部位に正確に作用させるために様々な薬物送達方法(ドラッグデリバリーシステム)が提唱されている。経口剤としては、時限放出型製剤、徐放化製剤等が知られている。
このような時限放出型の製剤としては、薬物を含有する芯部を2種類以上のアクリル系ポリマーを水に分散させた液でコーティングして被覆することで、皮膜の溶解pHをコントロールして放出を調整するもの(特許文献1)や、薬物と崩壊剤を含有する芯部を、水不溶性のポリマーを含む分散液でコーティングし、ラグタイムを持たせる方法(特許文献2)及び薬物と崩壊剤を含有する芯部を、無機物質及び水不溶性のポリマーを含む溶液でコーティングし、ラグタイムを持たせる方法(特許文献3)がある。また、糖衣コーティングもラグタイムを持つコーティング方法として知られている。更に、水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材を混合して得られたコーティング溶液用組成物としては、経口持続放出型製剤(特許文献4)、組み合わせ製剤の遅放部のコーティング溶液用組成物(特許文献5)等が挙げられる。
特開平8-143476号公報 特開2009−191034号公報 特開2000‐128779号公報 特表2006−507298号公報 特表2010−505943号公報
しかし、特許文献1に挙げられているような、アクリル系ポリマーを用いる方法は、製剤から薬物が放出を開始する時間を調節するのではなく、溶解される溶液のpHにより溶出を制御するものであるため、胃液等のpHには個体差があるために、体内動態を正確に調整する事が困難であった。また、特許文献2に挙げられているような、水不溶性ポリマーの分散液をコーティングする方法では、均一な皮膜を得ることが困難なため、ラグタイム(薬物を放出しない時間)及びラグタイム後の薬物の放出性を正確に制御することは、きわめて困難であった。更に、ポリマーの溶液ではなくポリマーの分散液を用いてコーティングする方法は、均一な皮膜ができにくいために、安定したラグタイムを得ることが困難であった。また、特許文献3に見られるような無機物質及び水不溶性のポリマーを含む溶液でコーティングする方法は、皮膜に多量の無機物質が必要なため、服用時の食感の悪さや、コーティング作業時の作業性の悪さが懸念されていた。そのため、製造法が簡単で、高度な製剤技術が必要でない時限放出製剤が、強く望まれていた。
一方、特許文献4には、腸溶性基材に細孔形成の目的で5質量%程度の水溶性セルロースエーテルを添加して徐放化させる方法が開示されているが、腸溶性基材の割合が多いために、胃内で速やかに薬物が溶出しない。
また、特許文献5には、遅延性溶出部分に水不溶性ポリマーと腸溶性ポリマーと水溶性ポリマーを添加して、即溶部と組み合わせて製剤化することで遅延性即時放出をさせる方法が開示されているが、水溶性ポリマーの添加量は10質量%程度と少なく、胃内で速やかに薬物が溶出しない。
また、糖衣は、製造直後には安定的なラグタイム・溶出が得られるが、バインダーとして使用されるゼラチンの主成分であるタンパク質が変性し、経時的に溶出が遅延するという問題点があるため、経時的に溶出の変化しないコーティング方法が望まれてきた。
そこで、本発明は、経時変化が無く、固形製剤から薬物を放出しない時間(ラグタイム)の後に、胃内で速やかに薬物を放出することができる時限放出製剤のためのコーティング用組成物、これによりコーティングされた固形製剤、及び固形製剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、経時変化が無く、簡単な方法で、均一な被膜のコーティング用組成物が得られ、ラグタイムの後に胃内で速やかに薬物を放出することができる時限放出製剤を開発することを目的として鋭意研究を重ねた結果、薬物を含む芯部に非イオン性水溶性セルロースエーテル及びセルロース系腸溶性基材を少なくとも含んでなるコーティング用組成物を被覆するだけで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、非イオン性水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材を少なくとも含むコーティング用組成物であって、該非イオン性水溶性セルロースエーテルと該セルロース系腸溶性基材の含有量の質量比が95:5〜65:35であるコーティング用組成物を提供する。また、薬物を含有する芯部と、該芯部を被覆するこのコーティング用組成物とを少なくとも含み、ラグタイムの後に胃内で速やかに該薬物を溶出できる固形製剤、すなわち時限放出製剤を提供する。さらに、薬物を含有する芯部に、このコーティング用組成物を溶媒に溶解した溶液を塗布する工程と、乾燥して該溶媒を除去する工程とを少なくとも含む固形製剤の製造方法を提供する。
本発明によれば、薬物を含む芯部を非イオン性水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材を少なくとも含むコーティング用組成物で被覆することにより、ラグタイムを持った薬物の放出を得ることができ、ラグタイムの後に胃内で薬物を速やかに溶出できる。また、コーティング用組成物の組成及びコーティング量を変えることによりラグタイムを調整する事もできる。更に、ラグタイムの調整により、糖衣の代替としての利用可能である。
実施例1〜3、6及び10の溶出試験の結果を示す。 実施例4〜5及び7〜9の溶出試験の結果を示す。 比較例1〜4の溶出試験の結果を示す。 実施例11〜12の溶出試験の結果を実施例1の溶出試験の結果とともに示す。 比較例5〜7の溶出試験の結果を示す。
本発明の固形製剤は、芯部と、該芯部の外表面を覆う皮膜とから構成される2層構造を採用し、芯部が薬物を含み、皮膜が非イオン性水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材を含む。
非イオン性水溶性セルロースエーテルとしては、メトキシ基が好ましくは19〜32質量%、より好ましくは28〜30質量%及びヒドロキシプロポキシ基が好ましくは4〜12質量%、より好ましくは7〜12質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、メトキシ基が好ましくは27.5〜31.5質量%、より好ましくは28〜31質量%のメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシ基が好ましくは53.4〜77.5質量%、より好ましくは60〜70質量%のヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられるが、被膜成形性の観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。なお、これらの非イオン性水溶性セルロースエーテルは単独又は2種類以上混合しても良い。
これらの置換度は、J.G.Gobler,E.P.Samsel,and G.H.Beaber,Talanta,9,474(1962)に記載されているZeisel−GCによる手法に準じて測定することができ、更には日本食品添加物公定書題8版のメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースに記載されているガスクロマトグラフによる測定方法や日本薬局方15局で規定されているメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースの置換度の測定方法に準拠した方法でも測定できる。
また、非イオン性水溶性セルロースエーテルの20℃における2質量%水溶液の粘度は、好ましくは3〜15mPa・s、更に好ましくは3〜8mPa・sであることが、コーティング溶液の濃度を上げる観点から好ましい。粘度の測定は、JIS K2283−1993に従い、ウベローデ粘度計用いて行う。
セルロース系腸溶性基材としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシアセチルセルロース等が挙げられるが、これらの中でも、溶媒に容易に均一に溶解するヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが特に好ましい。なお、これらのセルロース系腸溶性基材は、単独又は2種類以上を混合しても良い。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの置換基の含有量は、メトキシ基が好ましくは12〜28質量%、より好ましくは20〜26質量%、ヒドロキシプロポキシ基が好ましくは4〜23質量%、より好ましくは5〜10質量%、また、アセチル基が好ましくは2〜16質量%、より好ましくは5〜14質量%、サクシノイル基が2〜20質量%、より好ましくは4〜18質量%である。
更に、サクシノイル基含有量に対するアセチル基含有量の割合は、好ましくは1.25〜5、より好ましくは1.5〜3.5である。 1.25未満では低pH側で溶解してしまうためラグタイムが得られない場合があり、5を超えると疎水性が高くなり、溶解しなくなる場合がある。
コーティング溶液用組成物中に含まれる非イオン性水溶性セルロースエーテルと、セルロース系腸溶性基材の混合質量比としては、95:5〜65:35、好ましく90:10〜70:30である。非イオン性水溶性セルロースエーテルの比率が多いと、ラグタイムが得られず、セルロース系腸溶性基材の混合比率が多いと、ラグタイム後も薬物を放出しないままに、固形製剤が大腸へ到達又は排泄される。
なお、コーティング溶液用組成物は、必要に応じて、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール類、クエン酸トリエチル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、トリアセチン、ジブチルフタレート等が挙げられる。可塑剤としては、クエン酸トリエチル、グリセリン酢酸脂肪酸エステルが好ましい。上記可塑剤は単独でも良いが、2種以上の複数を配合しても良い。
可塑剤の含有量は、例えば、セルロース系腸溶性基材にヒドロキシプロピルメチルセルルースアセテートサクシネート、可塑剤としてクエン酸トリエチルを用いた場合には、クエン酸トリエチルをヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートの100質量部に対して好ましくは20〜35質量部程度とすることができる。
その他、通常、製剤学的に認められる薬物、組成物の分散性を良くする界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)、着色剤、顔料、甘味料等を加えても良い。
本発明に適用される薬物は、経口投与可能な薬物であれば特に限定されるものではない。かかる薬物としては、例えば、化学療法剤、呼吸促進剤、抗悪性腫瘍剤、自律神経用薬剤、精神神経用薬剤、局所麻酔剤、筋弛緩剤、消化器官用薬剤、中毒治療剤、催眠鎮静剤、血管拡張剤、抗脂血剤、滋養強壮変質剤、抗凝血剤、肝臓用薬剤、血糖降下剤、血圧降下剤、大腸炎治療剤、ペプチド、タンパク等が挙げられる。また、苦味等を有する薬物として、抗生物質(例えば、塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、セファクロル、エリスロマイシン)、鎮咳去たん剤(例えば、塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸イソアミニル、リン酸ジメモルファン)、抗ヒスタミン剤(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン)、解熱鎮痛消炎剤(例えば、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン、ケトプロフェン)、強心剤(例えば、塩酸エチレフリン、ジギトキシン)、不整脈治療剤(例えば、塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール)、利尿剤(例えば、カフェイン)、血管拡張剤、抗脂血剤、滋養強壮変質剤、抗凝血剤、肝臓用薬剤、血糖降下剤、血圧降下剤、大腸炎治療剤、気管支拡張剤(例えば、テオフィリン)、抗潰瘍剤(例えば、シメチジン、塩酸ピレンゼピン)、交感神経興奮剤(例えば、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン)、循環器官用剤(例えば、塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム)、脳循環改善剤(例えば、ビンポセチン)、抗不安剤(例えば、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム)、ビタミン剤(例えば、フルスルチアミン、塩酸チアミン、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸、トラネキサム酸)、抗マラリア剤(例えば、塩酸キニーネ)、止潟剤(例えば、塩酸ロペラミド)、向精神剤(例えば、クロルプロマジン)ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)等が挙げられる。
薬物を含有する芯部には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑択剤、凝集防止剤、医薬化合物の溶解補助剤等、通常この分野で常用され得る種々の添加剤を配合してもよい。賦形剤としては、白糖、乳糖、マンニトール、グルコース等の糖類、でんぷん、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられ、結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール類、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、でんぷん等が挙げられる。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース又はその塩、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、結晶セルロース及び結晶セルロース・カルメロースナトリウム等が挙げられる。また、滑択剤、凝集防止剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイダルシリカ、ステアリン酸、ワックス類、硬化油、ポリエチレングリコール類、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。更に、医薬化合物の溶解補助剤としては、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸等が挙げられる。これら添加剤の含有量は、薬剤の種類等に応じて適宜決定することができる。
本発明の固形製剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤等が挙げられる。
これらの芯部表面にコーティングされる被覆量は、芯部の種類、形、大きさ、表面状態、更に芯部中に含まれる薬剤及び添加剤の性質等によって異なるが、おおむね芯部の質量に対して非イオン性水溶性セルロースエーテル及びセルロース系腸溶性基材の合計のコーティング質量として、錠剤の場合、好ましくは3〜100質量%、より好ましくは6〜12質量%であり、細粒剤又は顆粒剤の場合、好ましくは3〜100質量%、より好ましくは15〜30質量%である。 コーティング量が3質量%よりも少ない場合は、十分なラグタイムが得られない場合があり、コーティング量が100質量%を超えると腸内でも皮膜が溶解しきらず、ラグタイム後も薬物を放出しないままに、製剤が大腸へ到達又は排泄される可能性があり好ましくない場合がある。
次に、本発明の固形製剤の製造方法について説明する。
薬物含有芯部に上記コーティング用組成物溶液を塗布する工程において用いられるコーティングの装置は、従来公知の装置を用いることができる。一般的に行われているのはスプレーコーティングであるが、その場合は、パンコーティング装置、ドラムタイプコーティング装置、流動層コーティング装置、撹拌流動コーティング装置を用いて行えばよく、これらの装置に付帯するスプレー装置にはエアースプレー、エアレススプレー、3流体スプレー等いずれをも用いることができる。
コーティング用組成物を溶解する溶媒としては、非イオン性水溶性セルロースエーテル及びセルロース系腸溶性基材のいずれをも溶解する溶媒、例えば1.0〜3.0質量%のアンモニア水溶液、水とエタノールの混合溶液(水とエタノールの好ましい質量比は90:10〜10:90)、水とメタノールの混合溶液(水とメタノールの好ましい質量比は90:10〜10:90)等を選択することが好ましい。例えば、非イオン性水溶性セルロースエーテルとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース系腸溶性基材としてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを使用した場合には、水とエタノールの混合溶媒や、アンモニア溶液を用いることができる。また、非イオン性水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材が共に溶解していれば、更に不溶性の色素等を分散させることは、差し支えない。
本発明のコーティング用組成物溶液を塗布する方法として、例えば上述したコーティング装置を用い、薬物を含有する芯部に、コーティング用組成物を溶媒に溶解した溶液を噴霧等により塗布することが挙げられる。その後、同コーティング装置内で、又は同コーティング装置から取り出して、加熱等により乾燥して溶媒を除去し、固形製剤を製造することができる。
このようにして製造された固形製剤は、第15局日本薬局方の溶出試験において第1液及び精製水中で薬物を放出し始めるまでの時間が、好ましくは試験開始から3分以上120分未満、更に好ましくは5分以上30分未満のラグタイムを示す。コーティング溶液の組成及びコーティング量を変えることにより、適宜所望のラグタイムを得ることができるため、従来経時的溶出変化がみられた糖衣の代替として利用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<実施例1>
リボフラビン(東京田辺製薬社製)2質量部、乳糖(フロイント産業社製ダイラクトースS)90質量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製、ヒドロキシプロピル基置換度11質量%)8質量部、ステアリン酸マグネシウム0.5質量部を粉体混合し、ロータリー打錠機(菊水製作所製Virgo)にて、直径8mm、打錠圧1t、打錠予圧0.3t、回転数20rpm、一錠あたりの重量が200mgとなるように打錠し、リボフラビンを薬物として含有した素錠を作成した。
水溶性セルロースエーテルとして、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)(信越化学工業社製、メトキシ基29質量%、ヒドロキシプロポキシ基10質量%、アセチル基9質量%、サクシノイル基11質量%)を用い、表1に示す処方で、HPMCとHPMCASが質量比90:10になるようにコーティング溶液を作成した。
上記コーティング溶液を用いて下記条件にて、素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行った。
コーティング錠剤の純水での溶出試験を第15局日本薬局方溶出試験法により評価を行った結果を図1に記載した。
溶出試験のサンプリングは、溶出試験開始後1分、3分、5分、7分、10分、20分、30分、60分、90分、120分、150分、180分後に行い、溶出が始まった時間をラグタイムとして求めた。ラグタイムを表1にまとめた。
コーティング条件
装置:通気式パンコーター(内径30cm)
仕込み量:1kg
吸気温度:80℃
排気温度:48〜51℃
吸気エアー量:1m/min
パン回転数:18rpm
スプレー速度:6g/min
スプレーエアー圧:150kPa
<実施例2>
実施例1と同様の方法により得られたコーティング溶液により素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で10質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図1に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例3>
HPMCとHPMCASが質量比70:30になるようにした以外は、実施例1と同様に、コーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で3質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図1に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例4>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてHPMCAS(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、表1に示す処方で、HPMCとHPMCASが質量比90:10になるように、水とエタノールの混合質量比が20:80の混合溶媒によりコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で10質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図2に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例5>
HPMCとHPMCASが質量比70:30になるようにした以外は、実施例4と同様に、コーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図2に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例6>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてHPMCAS(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、表1に示す処方で、HPMCとHPMCASが質量比90:10になるようにし、4質量%水酸化ナトリウム水溶液と精製水を溶媒としてコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で10質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図1に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例7>
水溶性セルロースエーテルとして、メチルセルロース(MC)(信越化学工業社製、メチル基置換度28質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が4.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてHPMCAS(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、表1に示す処方で、MCとHPMCASが質量比90:10になるように、水とエタノールの混合質量比が20:80の混合溶媒によりコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してMCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図2に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例8>
水溶性セルロースエーテルとして、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(日本曹達社製、ヒドロキシポロピル基置換度80質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が4.5mPa・s)、セルロース系腸溶性基材として(HPMCAS)(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、表1に示す処方で、HPCとHPMCASが質量比90:10になるように、水とエタノールの混合質量比が20:80の混合溶媒によりコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図2に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。実施例4と同じ溶出挙動を示した。
<実施例9>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)(信越化学工業社製、メトキシ基置換度6質量%、ヒドロキシポロポキシ基置換度20質量%カルボキシベンゾイル基33質量%)を用い、表1に示す処方で、HPMCとHPMCPが質量比70:30になるように、水とエタノールの混合質量比が20:80の混合溶媒によりコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様に素錠に対してHPMCとHPMCPの合計で10質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図2に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
<実施例10>
実施例1と同様の素錠に対して、実施例1と同様のコーティング溶液により6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の日本薬局方第1液(pH1.2)での溶出試験を第15局日本薬局方溶出試験法により評価を行った結果を図1に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。この結果から、溶出液のpHによってラグタイムは大きく変化しなかった。
<比較例1>
HPMCとHPMCASが98:2になるようにした以外は、実施例1と同様に、コーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図1に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。ラグタイムがなく、溶出した。
<比較例2>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてHPMCAS(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、表1に示す処方で、HPMCとHPMCASが質量比60:40になるようにコーティング溶液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で6質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図3に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
ラグタイムがなく徐放し、胃内において薬物が全量は溶出しなかった。
<比較例3>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、セルロース系腸溶性基材としてHPMCAS(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%、ヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、アセチル基置換度9質量%、サクシノイル基置換度11質量%)を用い、クエン酸トリエチル0.59質量部を添加して、表1に示す処方で、HPMCとHPMCASが質量比70:30になるようにコーティング用水分散液を作成した。
実施例1と同様の方法で素錠に対してHPMCとHPMCASの合計で3質量%までコーティングを行い、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図3に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
実施例3と比較して、溶出試験開始1分後で薬物の溶出が見られ、ラグタイムが得られなかった。
<比較例4>
水溶性セルロースエーテルとして、HPMC(信越化学工業社製、メトキシ基置換度29質量%及びヒドロキシプロポキシ基置換度10質量%、JIS K2283−1993に規定されるウベローで粘度計による20℃における2.0質量%水溶液の粘度が6.0mPa・s)、腸溶性基材としてメタクリル酸コポリマー(Eudragit、メタクリル酸コポリマー固形分30質量%、エボニック)を用い、表1に示す処方で、HPMCとメタクリル酸コポリマーの固形分が質量比90:10になるようにコーティング用水分散液を作成した。
実施例1と同様に素錠に対してHPMCとメタクリル酸コポリマーの固形分の合計で6質量%までコーティングを行った。
実施例1と同様に、コーティング錠剤の純水での溶出試験を日本薬局方溶出試験法により評価を行った結果を図3に記載し、ラグタイムについて表1にまとめた。
実施例1と比較して、溶出試験開始1分後で薬物の溶出が見られ、ラグタイムが得られなかった。
Figure 0005667113
<実施例11〜12>
実施例11として、実施例1により得られたコーティング錠剤を、プラスチックボトルに入れて開栓したまま、40℃、75%RHにて恒温恒湿された湿度調整機能付乾燥機にて1ヶ月間保存した。
実施例12として、実施例11とは別に、実施例1により得られたコーティング錠剤をプラスチックボトルに入れてプラスチックボトルに密栓をして、50℃で恒温された乾燥機にて1ヶ月間保存した。
保存試験を行った2種類のコーティング錠剤を実施例1と同様に、コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図4に示す。いずれも経時的な溶出変化はみられなかった。
<比較例5〜7>
精製白糖66.7質量部、精製水33.3質量部、バインダーとしてアラビアガム2.5質量部、ゼラチン0.6質量部、炭酸カルシウム36.7質量部、タルク30質量部を混合した溶液を60℃に加温して精製白糖を溶解し、コーティング用水分散液を作成した。
下記のコーティング条件に基づいて、実施例1で得られた素錠に対するコーティング層の質量が80質量%増加するまでコーティングを行い、糖衣錠を完成させた。
コーティング条件
装置:通気式パンコーター(内径50cm)
仕込み量:3.5kg
吸気温度:60℃のち40℃
排気温度:48〜51℃
吸気エアー量:2.5m/min
パン回転数:18rpm
スプレーエアー圧:50kPa、60L/min
比較例5として、実施例1と同様に、糖衣コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を図5に示す。比較例6として、得られた糖衣コーティング錠剤をプラスチックボトルに入れて開栓したまま、40℃、75%RHにて恒温恒湿された湿度調整機能付乾燥機にて1ヶ月間保存した。比較例7として、比較例6とは別に、得られた糖衣コーティング錠剤をプラスチックボトルに入れてプラスチックボトルに密栓をして、50℃で恒温された乾燥機にて1ヶ月間保存した。保存試験を行った2種類の糖衣コーティング錠剤を実施例1と同様に、糖衣コーティング錠剤の純水での溶出試験を行った結果を、比較例5の結果とともに図5に示す。
40℃、75%RHの開栓環境下で保存した実施例11の場合も、50℃の恒温密栓環境下で保存した実施例12の場合にも、ラグタイムが保存前と変わらなかったが、比較例6〜7では、保存試験後はラグタイムが変化し、安定性に欠けた。

Claims (4)

  1. 非イオン性水溶性セルロースエーテルとセルロース系腸溶性基材を質量比95:5〜65:35で少なくとも含む時限放出製剤用コーティング用組成物であって、上記非イオン性水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上であり、上記セルロース系腸溶性基材が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートからなる群から選ばれる1種類以上である時限放出製剤用コーティング用組成物
  2. 薬物を含有する芯部と、該芯部を被覆する請求項1に記載の時限放出製剤用コーティング用組成物とを少なくとも含み、ラグタイムの後に胃内で速やかに該薬物を溶出できる時限放出固形製剤。
  3. 薬物を含有する芯部に、請求項1に記載の時限放出製剤用コーティング用組成物を溶媒に溶解した溶液を塗布する工程と、乾燥して該溶媒を除去する工程とを少なくとも含む時限放出固形製剤の製造方法。
  4. 上記溶媒が、アンモニア水溶液である請求項3に記載の時限放出固形製剤の製造方法。
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