JPH08108552A - 光定着型感熱記録装置及びその記録方法 - Google Patents

光定着型感熱記録装置及びその記録方法

Info

Publication number
JPH08108552A
JPH08108552A JP6245871A JP24587194A JPH08108552A JP H08108552 A JPH08108552 A JP H08108552A JP 6245871 A JP6245871 A JP 6245871A JP 24587194 A JP24587194 A JP 24587194A JP H08108552 A JPH08108552 A JP H08108552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
heating resistor
fixing
yellow
magenta
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6245871A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Hibino
清司 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP6245871A priority Critical patent/JPH08108552A/ja
Priority to US08/541,486 priority patent/US5864354A/en
Publication of JPH08108552A publication Critical patent/JPH08108552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光定着型のカラー感熱記録紙を用いた感熱記
録装置において、発熱抵抗体と定着ランプを隣接させた
シリアル型サーマルヘッドを用いた場合における印写品
質の劣化を防止することを目的とする。 【構成】 光定着型のカラー感熱記録紙に、発熱抵抗体
により複数種の熱エネルギーを与えて画像を形成する感
熱記録装置に用いられるシリアル型サーマルヘッドにお
いて、定着ランプ5a,5bと、発熱抵抗体を記録紙搬
送方向に対して平行に複数個配置した発熱抵抗体列3と
を、一体に設けると共に、定着ランプ5a,5bの露光
領域の記録紙搬送方向の幅を発熱抵抗体列3の長さより
大きくし、且つ、定着ランプ5a,5bの露光領域の記
録紙の正搬送方向における上流側部の位置が、発熱抵抗
体列3のこの方向の上流側端部の位置より、下流側に位
置するように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加熱によりフルカラ
ー画像を形成可能な光定着型のカラー感熱記録材料を加
熱して画像を形成することができるシリアル型サーマル
ヘッド及びこのサーマルヘッドを使用したファクシミ
リ、プリンタ、ワープロ等に用いられる感熱記録装置の
記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光定着型のカラー感熱記録紙は、加熱す
る熱量に応じて、発色濃度が変化し、発色可能な最小熱
量が各色で異なり、特定の波長を持つ紫外線等の光線或
いは電磁波によって、選択的に各色の定着が可能なもの
であり、従来のインクジェット記録や熱転写記録に対し
て、インクを用いずにフルカラー記録ができる長所を有
する。
【0003】光定着型のカラー感熱記録紙としては、例
えば、特開昭61−40192号公報(B41M 5/
18)等に開示されている。この光定着型の感熱記録紙
は、イエロー発色層とマゼンタ発色層とシアン発色層が
ベースフィルム上に上から順に積層されて構成されてい
る。そして、各発色層の発色可能な最小熱量は、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの順に大きくなっており、イエロ
ー発色層とマゼンタ発色層には、それぞれ異なった特定
の波長域の紫外線が照射されることにより定着される。
また、シアン発色層の定着は行われない。
【0004】この光定着型の感熱記録紙の記録に際して
は、イエローの発色時には、マゼンタ及びシアンが発色
する最小熱量以上の熱量は印加されないので、マゼンタ
及びシアンは発色せず、イエローのみの発色が可能とな
る。イエロー発色後には、イエロー用定着ランプによっ
てイエロー発色層のみの定着が行われる。
【0005】次に、マゼンタの発色時には、シアンが発
色する最小熱量以上の熱量は印加されないので、シアン
は発色しない。すでにイエロー層の定着が行われている
ので、イエローの再発色は再生せず、マゼンタ発色後に
は、マゼンタ用定着ランプによってマゼンタ発色層のみ
の定着が行われる。
【0006】次に、シアンの発色時には、すでにイエロ
ー層とマゼンタ層の定着が行われているので、イエロー
とマゼンタの再発色は発生せず、シアンのみの発色が可
能となる。
【0007】光定着型のカラー感熱記録紙を用いたマル
チヘッドタイプの記録装置が特開平5−24233号公
報(B41J 2/335)等に開示されている。図1
0は、上記の記録装置を示す側面図である。
【0008】この記録装置は、3列の発熱抵抗体51
a、51b、51cを備えており、隣接する発熱抵抗体
51a、51b、51cの間には切り欠き56a、56
bが設けられている。3列の発熱抵抗体51a、51
b、51cは、感熱記録紙60と接する順に発熱温度が
低く設定されており、発熱抵抗体51aがイエロー用、
51bがマゼンタ用、51cがシアン用として用いられ
る。
【0009】各発熱抵抗体51a、51b、51cに
は、個別電極52a、52cと共通電極53a、53
b,53cが接続され、個別電極52a、52cはヘッ
ド駆動回路57に接続されている。なお、発熱抵抗体5
1bの個別電極等の図示は省略している。
【0010】そして、イエロー用発熱抵抗体51aとマ
ゼンタ用発熱抵抗体51bとの間には、イエロー定着ラ
ンプ54aが配置されており、マゼンタ用発熱抵抗体5
1bとシアン用発熱抵抗体51cとの間には、マゼンタ
定着ランプ54bが配置されている。
【0011】感熱記録紙60の露光はヘッドに設けられ
た切り欠き56a,56bを通して行われる。各定着ラ
ンプ54a、54bからの光を感熱記録紙60に効率よ
く集めるためにレンズ58a、58b、59a、59b
が設けられ、さらに該当部分以外に光が照射しないよう
に遮光部材55が設けられている。
【0012】次に、図10を参照してこの記録装置の記
録動作を説明する。感熱記録紙60はヘッド50とプラ
テンローラ(図示せず)に狭持されて搬送される。イエ
ロー用発熱抵抗体51aによってイエロー発色層が発色
し、そしてイエロー定着ランプ54aで定着が行われ
る。次に、マゼンタ用発熱抵抗体51bによってマゼン
タ発色層が発色し、そしてマゼンタ定着ランプ54bで
定着が行われる。最後にシアン用発熱抵抗体51cによ
ってシアン発色層が発色される。
【0013】次に、光定着型のカラー感熱記録紙を用い
たシリアル型サーマルヘッドタイプの記録装置が特開平
5−124352号公報(B41M 5/26)等に開
示されている。図11は、この記録装置の構成を示す斜
視図である。
【0014】シリアルヘッド部61にサーマルヘッド6
2を挟んで、イエロー用定着ランプ63aとマゼンタ用
定着ランプ63bが配置されている。シリアルヘッド部
61がタイミングベルト64の回動により、感熱記録紙
60の幅方向で往復動自在に設けられている。長尺の感
熱記録紙60は、上流側搬送ローラ65a、下流側搬送
ローラ65bと上流側ピンチローラ66a、下流側ピン
チローラ66bにより、シリアルヘッド部61があるプ
リント位置に送られる。感熱記録紙60は、所定の長さ
だけ送られるとカッタ67にて切断される。
【0015】次に、図11を参照してこの記録装置の記
録動作を説明する。
【0016】感熱記録紙60が搬送されるのと並行して
シリアルヘッド部61が感熱記録紙60の搬送方向と垂
直方向に移動しながら印写が行われる。イエロー印写時
には、イエロー用定着ランプ63aが後方になるような
進行方向に、マゼンタ印写時は、マゼンタ用定着ランプ
63bが後方になるような進行方向に、シリアルヘッド
部61は移動する。一行毎に順次イエロー、マゼンタ、
シアンの印写を行う。
【0017】光定着型のカラー感熱記録紙を用いた記録
においては、まだ印写していない領域に定着ランプで露
光されると、その後加熱を行っても発色が起きないとい
う問題が発生する。そこで定着ランプをゴム等のスカー
トで囲み、光を遮断する工夫が提案されている(例え
ば、特開平4−33457号公報(B41J 2/3
2)に詳しい)。
【0018】上述した光定着型のカラー感熱記録紙を用
いた記録装置において、発熱抵抗体と定着ランプを隣接
させたシリアル型サーマルヘッド用いた場合における問
題点を説明する。
【0019】図12(a)〜(i)は、シリアル型サー
マルヘッドの発熱抵抗体列70の長さ(記録幅)と定着
ランプを遮光部材で制限された紙搬送方向における露光
幅71の位置関係を示す。
【0020】図12(a)〜(c)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流端部の位置が、
この方向における露光幅71の上流端部の位置より、こ
の方向の上流にある場合である。この場合、同図線分B
BとDDに囲まれた部分が未定着となり、次色の印写時
にも発色が起こる。
【0021】図12(g)〜(i)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流部の位置が、こ
の方向における露光幅71の上流部の位置より、この方
向の下流側にある場合である。この場合、次行のまだ加
熱発色していない領域の一部である。同図線分BBとD
Dに囲まれた部分が発色前に露光されてしまい、次行の
印写で発色しなくなる。
【0022】図12(d)〜(f)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流端部の位置がこ
の方向における露光幅71の上流端部の位置と同じ場合
である。この場合、上述した問題の発生はないが、発熱
抵抗体列と露光領域の位置を精度良く実現するのは困難
である。また、露光領域の周辺端部は光の漏れもあり、
厳密にこの位置関係を実現するのは困難である。位置関
係が狂った場合には、前述の理由から、記録幅ピッチの
スジが発生すると行った印写品質の劣化が起こる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光定着型の
カラー感熱記録紙を用いた感熱記録装置において、発熱
抵抗体と定着ランプを隣接させたシリアル型サーマルヘ
ッドを用いた場合における印写品質の劣化を解決するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、光定着型のカ
ラー感熱記録紙に、発熱抵抗体により複数種の熱エネル
ギーを与えて画像を形成する感熱記録装置に用いられる
シリアル型サーマルヘッドにおいて、少なくとも1個の
定着ランプと、上記発熱抵抗体を記録紙搬送方向に対し
て平行に複数個配置した発熱抵抗体列とを、一体或いは
連結して設けると共に、上記定着ランプの露光領域の記
録紙搬送方向の幅を上記発熱抵抗体列の長さより大きく
し、且つ、上記定着ランプの露光領域の記録紙の正搬送
方向における上流側部の位置が、上記発熱抵抗体列のこ
の方向の上流側端部の位置より、下流側に位置するよう
に配置したことを特徴とする。
【0025】本発明の感熱記録方法は、1個の発熱抵抗
体と、1個の定着ランプを有する上記のサーマルヘッド
を用いて各色を印写する記録方法において、当該ヘッド
を記録紙搬送方向と交差する方向に走査して、任意の第
i行目のイエローの印写をした後に、以下に述べる送り
量Y1だけ記録紙を逆搬送し、次にマゼンタの印写を行
い、その後、以下の述べる送り量Y2だけ記録紙を逆搬
送し、最後にシアンの印写を行う。そして、第i+1行
目を印写する前に、記録紙を1行分のピッチと第i行目
の行程中に逆搬送した総量(Y1+Y2)を加えた量だ
け正搬送を行う。当該送り量Y1は、イエロー用の定着
ランプの露光幅の記録紙正搬送方向における下流側端部
の位置と、発熱抵抗体列の当該方向下流側端部の位置と
の、当該方向における距離より長く、且つ1行のピッチ
より短い距離である。当該送り量Y2は、マゼンタ用の
定着ランプの露光幅の記録紙正搬送方向における下流側
端部の位置と、発熱抵抗体列の当該方向下流側端部の位
置との、当該方向における距離より長く、且つ1行のピ
ッチより短い距離である。
【0026】また、本発明は、加熱する熱量に応じて、
発色濃度が変化し、発色可能な最小熱量が各色で異な
り、特定の波長を持つ紫外線等の光線或いは電磁波によ
って、選択的に各色の定着が可能な感熱紙に、発熱抵抗
体により複数種の熱エネルギーを与えて画像を形成する
感熱記録装置に用いられるシリアル型サーマルヘッドに
おいて、上記発熱抵抗体を記録紙搬送方向に対して平行
に複数個配置した複数n色用のn列の発熱抵抗体列と、
n−1個の定着ランプとを、一体或いは連結して設ける
と共に、任意のk色目用の定着ランプの露光領域は、ヘ
ッド走査方向において、第k色目用の発熱抵抗体列の位
置と、第k+1色目用の発熱抵抗体列の位置との間に位
置し、且つ任意の第k色目用の定着ランプの露光領域の
記録紙搬送方向における上流端の位置は、この方向にお
いて、第k色目用の発熱抵抗体列の上流端の位置より下
流であって、且つ第k+1色目用の上流端の位置より上
流であることを特徴とする。
【0027】
【作用】まず、第i行目の1行分の第1番目の発色、例
えば、イエローの発色と定着が行われると、露光領域と
発熱抵抗体列の位置関係より、未定着部が発生するが、
これにより次行の未発色部分が先に定着されることは防
止される。
【0028】次に、1行分の第2番目の発色、例えば、
マゼンタの発色と定着を行う。マゼンタが発色する領域
は、第i行及び第i−1行で既にイエロー用定着ランプ
で露光された領域内となるので、イエローの再発色は発
生しない。
【0029】また、マゼンタが発色する領域は、第i行
のイエローの未定着部を含まないため、この未定着部で
のイエローの再発色は発生しない。
【0030】1行目のマゼンタの発色と定着が行われる
と、露光領域と発熱抵抗体列の位置関係より、未定着部
が発生するが、これにより次行の未発色部分が先に定着
されることは防止される。
【0031】そして、第3番目の発色、例えば、シアン
が発色する領域は、第i行及び第i−1行で既にマゼン
タ用及びイエロー用定着ランプで露光された領域内とな
るので、マゼンタ及びイエローの再発色は発生しない。
【0032】また、シアンが発色する領域は第i行のマ
ゼンタ及びイエローの未定着部を含まないため、この未
定着部でのマゼンタ及びイエローの再発色は発生しな
い。
【0033】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエローの未定着部の定着が行われる。また、第i
+1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未
定着部の定着が行われる。紙搬送方向の露光領域の幅
は、発熱抵抗体列の長手方向の幅より長く設定されてい
るので、第i行目の未定着部は、第i+1行目の露光領
域に完全に被われるので定着残りはない。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例につき、図面を参照
して説明する。
【0035】図1は、本発明による光定着型のカラー感
熱記録紙を用いたサーマルヘッドの第1の実施例を示す
下面図であり、複数の発熱抵抗体を一列に配置した発熱
抵抗体列と定着ランプを隣接させたシリアル型サーマル
ヘッドの構造を示している。図2はその側面断面図、図
3は、図1のA−A線断面図である。
【0036】図1ないし図3に示すように、この実施例
のサーマルヘッド10は、アルミニウム等からなるヘッ
ド支持板1、このヘッド支持基板1上に設けられアルミ
ナ等からなるサーマルヘッド基板2、サーマルヘッド基
板2上に複数の発熱抵抗体を1列に配置した感熱記録を
行う発熱抵抗体列3を備える。上記発熱抵抗体列3には
フレキシブルケーブル4から電力が供給される。
【0037】発熱抵抗体列3と、図示しない電極対等は
薄膜技術或いは圧膜技術で形成される。発熱抵抗体の個
数は1行分の印写幅と解像度で決定されるが、ここでは
解像度150dpi、行幅約10mmとして、64個の
発熱抵抗体を使用する。発熱抵抗体列3の制御は、フレ
キシブルケーブル4の先端部に設けられたヘッド駆動用
IC(図示せず)によって、記録信号に応じて行われ
る。
【0038】ヘッド支持板1の発熱抵抗体列3のイエロ
ーの走査方向に対して追従する位置にイエロー定着用の
紫外線ランプ5aが設けられ、この紫外線ランプ5a
は、ピーク波長420nmを持つ。また、ヘッド支持板
1の発熱抵抗体3のマゼンタの走査方向に追従する位置
にマゼンタ定着用の紫外線ランプ5bが設けられ、この
紫外線ランプ5bは、ピーク波長365nmを持つ。こ
れら紫外線ランプ5a,5bには、ランプ電極部9a,
9bを介して電力が供給される。
【0039】両紫外線ランプ5a、5bは、遮光部材6
a,6bによりそれぞれ囲まれ、露光領域が限定されて
いる。遮光のためには、これら遮光部材6a,6bを光
定着型の感熱記録紙7に接触させる必要があるので、表
面が処理されて摩擦を小さくした柔らかなゴムが適して
いる。
【0040】紙搬送方向、即ち、発熱抵抗体列3の長手
方向の遮光部材6a,6bによって制限される露光領域
の幅は、発熱抵抗体列3の長手方向の幅より長く設定さ
れている。また、露光領域の紙の正搬送方向の上流側の
端部の位置は、発熱抵抗体列3の紙の正搬送方向の上流
側の端部の位置より下流となるように、遮光部材6a、
6bが配置されている。
【0041】次に、この実施例のサーマルヘッドを用い
た記録装置の構成を図4および図5を参考に説明する。
【0042】図4は記録装置の要部の側面図、図5は記
録装置の要部の上面図をそれぞれ示している。
【0043】この記録装置は、サーマルヘッド10を挟
んで紙の正搬送方向の上流側に、上流側搬送ローラ11
a及びピンチローラ12aが、下流側に下流側搬送ロー
ラ11b及びピンチローラ12bが設けられている。サ
ーマルヘッド10は、支持板20に取り付けられた平板
プラテンゴム8に押圧され、このサーマルヘッド10と
プラテンゴム8間に送り込まれた光定着型のカラー感熱
記録紙7を発熱抵抗体列3の発熱により発色させ、紫外
線ランプ5a、5bで定着される。
【0044】上記感熱記録紙7は、上下流の搬送ローラ
11a,11bとピンチローラ12a,12bによって
正逆方向に搬送可能である。
【0045】記録は感熱記録紙7を1行ピッチで搬送さ
せながら、サーマルヘッド10を往復動させて行われ
る。
【0046】次に、上記記録装置において、i行目を記
録するところから図6に基づいて説明する。図6は感熱
記録紙7を固定したと想定して、イエロー、マゼンタ、
シアンを印写した時の紙搬送方向における記録幅と露光
領域幅の関係を表す。
【0047】まず、イエローの発色と定着はイエロー用
定着ランプ6aから発熱抵抗体列3に向かう方向にサー
マルヘッド10が走査されて行われる。つまり熱により
発色した後で紫外線により定着を行う。1行分のイエロ
ーの発色と定着が行われると、イエロー用露光領域13
aと発熱抵抗体列3の位置関係より、図6(a)のL1
の部分のみ未定着となる。言い換えれば次行の未発色部
分が先に定着されることは防止される。
【0048】次に、当該感熱記録紙を図6(b)のY1
だけ逆に搬送する。Y1は前述の同図L1より長い距離
で、当然のことながら行ピッチ同図Pより短い距離であ
る。
【0049】その後、マゼンタの発色と定着はマゼンタ
用定着ランプ6bから発熱抵抗体列3に向かう方向にサ
ーマルヘッド10が走査されて行われる。つまり熱によ
り発色した後で紫外線によりイエロー用定着ランプで露
光された領域内となるので、イエローの再発色は発生し
ない。
【0050】また、マゼンタが発色する領域は、第i行
のイエローの未定着部を含まないため、この未定着部で
のイエローの再発色は発生しない。
【0051】1行分のマゼンタの発色と定着が行われる
と、露光領域13bと発熱抵抗体列3の位置関係より、
図6(b)のL2の部分のみ未定着となる。言い換えれ
ば次行の未発色部分が先に定着されることは防止され
る。
【0052】次に、当該感熱記録紙を図6(c)のY2
だけ逆に搬送する。Y2は前述の同図L2より長い距離
で、当然のことながら行ピッチ同図Pより短い距離であ
る。
【0053】その後、シアンの発色はマゼンタ印写と逆
方向にすなわち、イエローの印写と同じ方向にサーマル
ヘッド10が走査されて行われる。シアン発色層は紫外
線による定着は行われない。シアンが発色する領域は、
第i行及び第i−1行で既にマゼンタ及びイエロー用定
着ランプで露光された領域内となるので、マゼンタ及び
イエローの再発色は発生しない。
【0054】また、シアンが発色する領域は、第i行の
マゼンタ及びイエローの未定着部を含まないため、この
未定着部でのマゼンタ及びイエローの再発色は発生しな
い。
【0055】次に、第i+1行目の印写を説明する。感
熱記録紙7は図6(d)のP+Y1+Y2の距離だけ正
搬送される。本行でのイエロー、マゼンタ、シアンの印
写動作は、前述の第i行の場合と同じである。
【0056】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエローの未定着部の定着が行われる。また、第i
+1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未
定着部の定着が行われる。紙搬送方向、即ち発熱抵抗体
列3の長手方向の、遮光部材6a,6bによって制限さ
れる露光領域13a,13bの幅は、発熱抵抗体列3の
長手方向の幅より長く設定されているので、第i行目の
未定着部は、第i+1行目の露光領域に完全に被われる
ので定着残りはない。
【0057】第i行、第i+1行で説明した動作を連続
して行うことで1ページ分のカラー印写ができる。但
し、第1行目ではマゼンタ、シアンの印写データを少な
くして、紙正搬送方向の下流側の最端ラインを揃える必
要があるし、最下行では、イエロー、マゼンタの印写デ
ータを少なくして、紙正搬送方向の上流側の最端ライン
を揃える必要がある。
【0058】次に、この発明の第2の実施例を示す。図
7は、本発明による光定着型のカラー感熱記録紙を用い
たサーマルヘッドの第2の実施例で、3列の発熱抵抗体
列と2個の定着ランプを有するシリアルマルチヘッドを
示す記録部の下面図、図8はその側面断面図である。
【0059】図7及び図8に示すように、この第2の実
施例におけるサーマルヘッド30は、アルミニウム等か
らなるヘッド支持板21、このヘッド支持基板21上に
設けられアルミナ等からなる3個サーマルヘッド基板2
2a、22b、22c、これらサーマルヘッド基板22
a〜22c上にそれぞれ複数の発熱抵抗体を1列に配置
した感熱記録を行う発熱抵抗体列23a〜23c、を備
える。発熱抵抗体列23aは、イエロー用、23bはマ
ゼンタ用、23cはシアン用の発色に用いられる。上記
発熱抵抗体列23a〜23cはフレキシブルケーブル2
4にて、電力が供給される。
【0060】発熱抵抗体列23a〜23cと、前述の実
施例と同様に、図示しない電極対等は薄膜技術或いは圧
膜技術で形成される。発熱抵抗体の個数は1行分の印写
幅と解像度で決定されるが、ここでは解像度150dp
i、行幅約10mmとして、64個の発熱抵抗体を使用
する。発熱抵抗体列23a〜23cの制御は、フレキシ
ブルケーブル24の先端部に設けられたヘッド駆動用I
C(図示せず)によって、記録信号に応じて行われる。
【0061】各発熱抵抗体列23a〜23cはイエロ
ー、マゼンタ、シアンの順に平行に配置される。
【0062】ヘッド支持板21の発熱抵抗体列23aの
イエローの走査方向に対して追従する位置にイエロー定
着用の紫外線ランプ25aが設けられ、この紫外線ラン
プ25aは、ピーク波長420nmを持つ。また、ヘッ
ド支持板21の発熱抵抗体23bのマゼンタの走査方向
に追従する位置にマゼンタ定着用の紫外線ランプ25b
が設けられ、この紫外線ランプ25bは、ピーク波長3
65nmを持つ。
【0063】そして、イエロー用定着ランプ25aはイ
エロー用発熱抵抗体列23aとマゼンタ用発熱抵抗体列
23bとの間に、マゼンタ用定着ランプ25bはマゼン
タ用発熱抵抗体列23cとシアン用発熱抵抗体列との間
に平行に配置される。
【0064】これら紫外線ランプ25a,25bには、
ランプ電極部(図示せず)を介して電力が供給される。
【0065】両紫外線ランプ25a、25bは、遮光部
材26a,26bによりそれぞれ囲まれ、露光領域が限
定されている。遮光のためには、これら遮光部材26
a,26bを光定着型の感熱記録紙7に接触させる必要
があるので、表面が処理されて摩擦を小さくした柔らか
なゴムが適している。なお、紫外線ランプ25a、25
bと遮光部材26a、26b等は第1実施例の図3に示
した構造と同様に構成されている。
【0066】紙搬送方向、即ち発熱抵抗体列23a〜2
3cの長手方向の、遮光部材26a,26bによって制
限される露光領域の幅は、発熱抵抗体列23a〜23c
の長手方向の幅より長く設定されている。
【0067】また、イエロー定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、イエロー発色用の発熱
抵抗体列23aの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0068】また、マゼンタ発色用の発熱抵抗体列23
bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置は、イエロー定
着用の露光領域の紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0069】また、マゼンタ定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ発色用の発熱
抵抗体列23bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0070】また、シアン発色用の発熱抵抗体列23c
の紙正搬送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ定着
用の露光領域の紙正搬送方向の上流側の端部の位置より
下流となるように構成される。
【0071】すなわち、各発熱抵抗体列23a〜23c
と、露光領域(紫外線ランプ25aと25bと遮光部材
26a、26b)は、図9に示すように構成されてい
る。まず、イエロー定着用の露光領域の紙正搬送方向の
上流側の端部の位置は、イエロー発色用の発熱抵抗体列
23aの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よりL1分
下流となるように構成されている。
【0072】また、マゼンタ定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ発色用の発熱
抵抗体列23bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
りL2分下流となるように構成されている。
【0073】そして、イエロー発色用の発熱抵抗体列2
3aよりマゼンタ発色用の発熱抵抗体23bが紙正搬送
方向の上流側の位置よりB1分下流となるように、マゼ
ンタ発色用の発熱抵抗体列23bよりシアン発色用の発
熱抵抗体23cが紙正搬送方向の上流側の位置よりB2
分下流となるように構成されている。
【0074】なお、上記L1,L2は0より大きく1行
ピッチPより小さい値、B1はL1より大きく1行ピッ
チPより小さい値、B2はL2より大きく1行ピッチ同
図Pより小さい値である。
【0075】次に記録動作を説明する。記録装置の構成
は図5に示す第1の実施例と同様であるが、第1の実施
例がサーマルヘッドの3回の走査で1行の記録を行って
いるのに対し、この第2の実施例は1回の走査で1行の
記録を行っている。
【0076】記録は感熱記録紙7を1行ピッチで搬送さ
せながら、サーマルヘッド30を記録紙7渡航さする方
向に走査させて行われる。ここでは第i行目を記録する
ところから図9に基づいて説明する。図9はイエロー、
マゼンタ、シアンの発色領域とイエロー、マゼンタの定
着領域を表す。
【0077】まず、各色の印写はイエロー用発熱抵抗体
列23aからシアン用発熱抵抗体列23cに向かう方向
にサーマルヘッド30が走査されて行われる。つまり熱
により発色した後で紫外線により定着を行う。1行のサ
ーマルヘッド30の走査が行われると、露光領域と発熱
抵抗体列23a,23bの位置関係より、図9のL1の
部分のみイエローが未定着となり、同図のL2の部分の
みマゼンタが未定着となる。言い換えれば、次行の未発
色部分が先に定着されることは防止される。シアンに関
しては紫外線によって定着が起こらないので、次行の未
発色部分が先に定着されることはない。前述したよう
に、L1、L2は0より大きく1行ピッチ同図Pより小
さい値である。
【0078】また、マゼンタ用の発熱抵抗体列23bの
紙正搬送方向の上流側端部の位置は、イエロー用の露光
領域の上流側端部の位置より図9のB1−L1だけ下流
となっているので、マゼンタの発色は、第i行及び第i
−1行で既にイエロー用定着ランプ25aで露光された
領域内となり、前述のイエロー未定着部分にはかからな
いので、イエローの再発色は発生しない。B1はL1よ
り大きく1行ピッチ同図Pより小さい値である。
【0079】同様に、シアン用の発熱抵抗体列23cの
紙正搬送方向の上流側端部の位置は、マゼンタ及びイエ
ロー用の露光領域の上流側端部の位置よりそれぞれ図9
のB2−L2、B1+B2−L1だけ下流となっている
ので、シアンの発色は、第i行及び第i−1行で既にマ
ゼンタ及びイエロー用定着ランプ25a,25bで露光
された領域内となり、前述のマゼンタ及びイエロー未定
着部分にはかからないので、マゼンタ及びイエローの再
発色は発生しない。B2はL2より大きく1行ピッチ同
図Pより小さい値である。
【0080】次に第i+1行目の印写を説明する。当該
感熱記録紙は図23のPの距離だけ正搬送される。本行
でのイエロー、マゼンタ、シアンの印写動作は、前述の
第i行の場合と同じである。
【0081】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエロー未定着部の定着が行われる。また、第i+
1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未定
着部の定着が行われる。紙搬送方向、即ち発熱抵抗体列
23a,23bの長手方向の、遮光部材26a,26b
によって制限される露光領域の幅は、発熱抵抗体列の長
手方向の幅より長く設定されているので、第i行目の未
定着部は、第i+1行目の露光領域に完全に被われるの
で定着残りはない。
【0082】第i行、第i+1行で説明した動作を連続
して行うことで1ページ分のカラー印写ができる。但
し、第1行目ではマゼンタ、シアンの印写データを少な
くして、紙正搬送方向の下流側の最端ラインを揃える必
要があるし、最下行では、イエロー、マゼンタの印写デ
ータを少なくして、紙正搬送方向の上流側の最端ライン
を揃える必要がある。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発色と定着をほぼ同時に行うことができ、トータル的な
印写時間の短縮ができる。また、発熱抵抗体と定着ラン
プを隣接しても、再発色や未定着による印写不良が発生
せず、コンパクトなシリアルヘッドが可能となる。それ
によって装置全体の小型化が可能となる。加えて、露光
領域と発熱抵抗体列との位置精度が悪くとも印写に影響
しないので、ヘッドの組立て生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のサーマルヘッドの下面図
である。
【図2】本発明の第1実施例のサーマルヘッドの側面断
面図である。
【図3】本発明の第1実施例のサーマルヘッドの正面断
面図である。
【図4】本発明の第1実施例の記録装置の要部の側面図
である。
【図5】本発明の第1実施例の記録装置の要部の上面図
である。
【図6】本発明の第1実施例の動作説明図である。
【図7】本発明の第2実施例のサーマルヘッドの下面図
である。
【図8】本発明の第2実施例の記録ヘッドの側面断面図
である。
【図9】本発明の第2実施例の動作説明図である。
【図10】従来のサーマルヘッドの側面図である。
【図11】従来のサーマルヘッドの側面図である。
【図12】従来のサーマルヘッドの発熱抵抗体列と定着
ランプとの位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッド支持板 2 サーマルヘッド基板 3 発熱抵抗体列 4 フレキシブルケーブル 5a イエロー用定着ランプ 5b マゼンタ用定着ランプ 6a イエロー用定着ランプ遮光部材 7 感熱記録紙 10 サーマルヘッド 21 ヘッド支持板 22 サーマルヘッド基板 23a〜23c 発熱抵抗体列 24 フレキシブルケーブル 25a イエロー用定着ランプ 25b マゼンタ用定着ランプ 26a イエロー用定着ランプ遮光部材 26b マゼンタ用定着ランプ遮光部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光定着型感熱記録装置及びその記録方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加熱によりフルカラ
ー画像が形成可能な光定着型のカラー感熱記録材料を用
いて画像を形成することができる光定着型感熱記録装置
及びこの装置を使用したファクシミリ、プリンタ、ワー
プロ等に用いられる感熱記録装置の記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光定着型のカラー感熱記録紙は、加熱す
る熱量に応じて、発色濃度が変化し、発色可能な最小熱
量が各色で異なり、特定の波長を持つ紫外線等の光線或
いは電磁波によって、選択的に各色の定着が可能なもの
であり、従来のインクジェット記録や熱転写記録に対し
て、インクを用いずにフルカラー記録ができる長所を有
する。
【0003】光定着型のカラー感熱記録紙としては、例
えば、特開昭61−40192号公報(B41M 5/
18)等に開示されている。この光定着型の感熱記録紙
は、イエロー発色層とマゼンタ発色層とシアン発色層が
ベースフィルム上に上から順に積層されて構成されてい
る。そして、各発色層の発色可能な最小熱量は、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの順に大きくなっており、イエロ
ー発色層とマゼンタ発色層には、それぞれ異なった特定
の波長域の紫外線が照射されることにより定着される。
また、シアン発色層の定着は行われない。
【0004】この光定着型の感熱記録紙の記録に際して
は、イエローの発色時には、マゼンタ及びシアンが発色
する最小熱量以上の熱量は印加されないので、マゼンタ
及びシアンは発色せず、イエローのみの発色が可能とな
る。イエロー発色後には、イエロー用定着ランプによっ
てイエロー発色層のみの定着が行われる。
【0005】次に、マゼンタの発色時には、シアンが発
色する最小熱量以上の熱量は印加されないので、シアン
は発色しない。すでにイエロー層の定着が行われている
ので、イエローの再発色は再生せず、マゼンタ発色後に
は、マゼンタ用定着ランプによってマゼンタ発色層のみ
の定着が行われる。
【0006】次に、シアンの発色時には、すでにイエロ
ー層とマゼンタ層の定着が行われているので、イエロー
とマゼンタの再発色は発生せず、シアンのみの発色が可
能となる。
【0007】光定着型のカラー感熱記録紙を用いたマル
チヘッドタイプの記録装置が特開平5−24233号公
報(B41J 2/335)等に開示されている。図1
0は、上記の記録装置を示す断面図である。
【0008】この記録装置は、3列の発熱抵抗体51
a、51b、51cを備えており、隣接する発熱抵抗体
51a、51b、51cの間には切り欠き56a、56
bが設けられている。3列の発熱抵抗体51a、51
b、51cは、感熱記録紙60と接する順に発熱温度が
低く設定されており、発熱抵抗体51aがイエロー用、
51bがマゼンタ用、51cがシアン用として用いられ
る。
【0009】各発熱抵抗体51a、51b、51cに
は、個別電極52a、52cと共通電極53a、53
b,53cが接続され、個別電極52a、52cはヘッ
ド駆動回路57に接続されている。なお、発熱抵抗体5
1bの個別電極等の図示は省略している。
【0010】そして、イエロー用発熱抵抗体51aとマ
ゼンタ用発熱抵抗体51bとの間には、イエロー定着ラ
ンプ54aが配置されており、マゼンタ用発熱抵抗体5
1bとシアン用発熱抵抗体51cとの間には、マゼンタ
定着ランプ54bが配置されている。
【0011】感熱記録紙60の露光はヘッドに設けられ
た切り欠き56a,56bを通して行われる。各定着ラ
ンプ54a、54bからの光を感熱記録紙60に効率よ
く集めるためにレンズ58a、58b、59a、59b
が設けられ、さらに該当部分以外に光が照射しないよう
に遮光部材55が設けられている。
【0012】次に、図10を参照してこの記録装置の記
録動作を説明する。感熱記録紙60はヘッド50とプラ
テンローラ(図示せず)に狭持されて搬送される。イエ
ロー用発熱抵抗体51aによってイエロー発色層が発色
し、そしてイエロー定着ランプ54aで定着が行われ
る。次に、マゼンタ用発熱抵抗体51bによってマゼン
タ発色層が発色し、そしてマゼンタ定着ランプ54bで
定着が行われる。最後にシアン用発熱抵抗体51cによ
ってシアン発色層が発色される。
【0013】また、光定着型のカラー感熱記録紙を用い
たシリアル型サーマルヘッドタイプの記録装置が特開平
5−124352号公報(B41M 5/26)等に開
示されている。図11は、この記録装置の構成を示す斜
視図である。
【0014】シリアルヘッド部61にサーマルヘッド6
2を挟んで、イエロー用定着ランプ63aとマゼンタ用
定着ランプ63bが配置されている。シリアルヘッド部
61がタイミングベルト64の回動により、感熱記録紙
60の幅方向で往復動自在に設けられている。長尺の感
熱記録紙60は、上流側搬送ローラ65a、下流側搬送
ローラ65bと上流側ピンチローラ66a、下流側ピン
チローラ66bにより、シリアルヘッド部61があるプ
リント位置に送られる。感熱記録紙60は、所定の長さ
だけ送られるとカッタ67にて切断される。
【0015】次に、図11を参照してこの記録装置の記
録動作を説明する。
【0016】感熱記録紙60が搬送されるのと並行して
シリアルヘッド部61が感熱記録紙60の搬送方向と垂
直方向に移動しながら印写が行われる。イエロー印写時
には、イエロー用定着ランプ63aが後方になるような
進行方向に、マゼンタ印写時は、マゼンタ用定着ランプ
63bが後方になるような進行方向に、シリアルヘッド
部61は移動する。一行毎に順次イエロー、マゼンタ、
シアンの印写を行う。
【0017】光定着型のカラー感熱記録紙を用いた記録
においては、まだ印写していない領域に定着ランプで露
光されると、その後加熱を行っても発色が起きないとい
う問題が発生する。そこで定着ランプをゴム等のスカー
トで囲み、光を遮断する工夫が提案されている(例え
ば、特開平4−33457号公報(B41J 2/3
2)に詳しい)。
【0018】上述した光定着型のカラー感熱記録紙を用
いた記録装置において、発熱抵抗体と定着ランプを隣接
させたシリアル型サーマルヘッド用いた場合における問
題点を説明する。
【0019】図12(a)〜(i)は、シリアル型サー
マルヘッドの発熱抵抗体列70の長さ(記録幅)と定着
ランプを遮光部材で制限された紙搬送方向における露光
幅71の位置関係を示す。
【0020】図12(a)〜(c)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流端部の位置が、
この方向における露光幅71の上流端部の位置より、上
流にある場合である。この場合、同図の線分BBとDD
に囲まれた部分が未定着となり、次色の印写時にも発色
が起こる。
【0021】図12(g)〜(i)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流部の位置が、こ
の方向における露光幅71の上流部の位置より、下流側
にある場合である。この場合、次行のまだ加熱発色して
いない領域まで、露光され定着される。同図の線分BB
とDDに囲まれた部分が発色前に露光されてしまい、次
行の印写で発色しなくなる。
【0022】図12(d)〜(f)は、発熱抵抗体列7
0の記録幅の紙正搬送方向における上流端部の位置がこ
の方向における露光幅71の上流端部の位置と同じ場合
である。この場合、上述した問題の発生はないが、発熱
抵抗体列と露光領域の位置を精度良く実現するのは困難
である。また、露光領域の周辺端部は光の漏れもあり、
厳密にこの位置関係を実現するのは困難である。位置関
係が狂った場合には、前述の理由から、記録幅ピッチの
スジが発生すると行った印写品質の劣化が起こる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光定着型の
カラー感熱記録紙を用いた感熱記録装置において、発熱
抵抗体と定着ランプを隣接させたシリアル型サーマルヘ
ッドを用いた場合における印写品質の劣化を解決するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の光定着型
感熱記録装置は、加熱する熱量に応じて、発色濃度が変
化し、発色可能な最小熱量が各色で異なり、特定の波長
を持つ光線或いは電磁波によって、選択的に各色の定着
が可能な感熱記録紙に、発熱抵抗体により複数種の熱エ
ネルギーを与えてカラー画像を形成する光定着型感熱記
録装置において、上記目的を達成するために、少なくと
も1個の定着ランプと、上記発熱抵抗体を記録紙搬送方
向に対して平行に複数個配置した発熱抵抗体列とを備
え、上記定着ランプの露光領域の記録紙搬送方向の幅を
上記発熱抵抗体列の長さより大きくし、且つ、上記定着
ランプの露光領域の記録紙の正搬送方向における上流側
部の位置が、上記発熱抵抗体列のこの方向の上流側端部
の位置より、下流側に位置するように配置したことを特
徴とする。
【0025】本発明の光定着型感熱記録方法は、加熱す
る熱量に応じて、発色濃度が変化し、発色可能な最小熱
量が各色で異なり、特定の波長を持つ光線或いは電磁波
によって、選択的に各色の定着が可能な感熱記録紙に、
発熱抵抗体により複数種の熱エネルギーを与えてカラー
画像を形成する光定着型感熱記録方法において、少なく
とも1個の定着ランプと、1個の発熱抵抗体とを有する
記録ヘッドを用いて各色を印写する記録方法において、
当該ヘッドを記録紙搬送方向と交差する方向に走査し
て、任意の第i行目のイエローの印写をした後に、以下
に述べる送り量Y1だけ記録紙を逆搬送し、次にマゼン
タの印写を行い、その後、以下の述べる送り量Y2だけ
記録紙を逆搬送し、最後にシアンの印写を行う。そし
て、第i+1行目を印写する前に、記録紙を1行分のピ
ッチと第i行目の行程中に逆搬送した総量(Y1+Y
2)を加えた量だけ正搬送を行う。当該送り量Y1は、
イエロー用の定着ランプの露光幅の記録紙正搬送方向に
おける下流側端部の位置と、発熱抵抗体列の当該方向下
流側端部の位置との、当該方向における距離より長く、
且つ1行のピッチより短い距離である。当該送り量Y2
は、マゼンタ用の定着ランプの露光幅の記録紙正搬送方
向における下流側端部の位置と、発熱抵抗体列の当該方
向下流側端部の位置との、当該方向における距離より長
く、且つ1行のピッチより短い距離である。
【0026】また、本発明の第2の光定着型感熱記録装
置は、加熱する熱量に応じて、発色濃度が変化し、発色
可能な最小熱量が各色で異なり、特定の波長を持つ紫外
線等の光線或いは電磁波によって、選択的に各色の定着
が可能な感熱紙に、発熱抵抗体により複数種の熱エネル
ギーを与えて画像を形成する感熱記録装置において、上
記発熱抵抗体を記録紙搬送方向に対して平行に複数個配
置した複数n色用のn列の発熱抵抗体列と、n−1個の
定着ランプとを、一体或いは連結して設けると共に、任
意のk色目用の定着ランプの露光領域は、ヘッド走査方
向において、第k色目用の発熱抵抗体列の位置と、第k
+1色目用の発熱抵抗体列の位置との間に位置し、且つ
任意の第k色目用の定着ランプの露光領域の記録紙搬送
方向における上流端の位置は、この方向において、第k
色目用の発熱抵抗体列の上流端の位置より下流であっ
て、且つ第k+1色目用の上流端の位置より上流である
ことを特徴とする。
【0027】
【作用】まず、第i行目の1行分の第1番目の発色、例
えば、イエローの発色と定着が行われると、露光領域と
発熱抵抗体列の位置関係より、未定着部が発生するが、
これにより次行の未発色部分が先に定着されることは防
止される。
【0028】次に、1行分の第2番目の発色、例えば、
マゼンタの発色と定着を行う。マゼンタが発色する領域
は、第i行及び第i−1行で既にイエロー用定着ランプ
で露光された領域内となるので、イエローの再発色は発
生しない。
【0029】また、マゼンタが発色する領域は、第i行
のイエローの未定着部を含まないため、この未定着部で
のイエローの再発色は発生しない。
【0030】1行目のマゼンタの発色と定着が行われる
と、露光領域と発熱抵抗体列の位置関係より、未定着部
が発生するが、これにより次行の未発色部分が先に定着
されることは防止される。
【0031】そして、第3番目の発色、例えば、シアン
が発色する領域は、第i行及び第i−1行で既にマゼン
タ用及びイエロー用定着ランプで露光された領域内とな
るので、マゼンタ及びイエローの再発色は発生しない。
【0032】また、シアンが発色する領域は第i行のマ
ゼンタ及びイエローの未定着部を含まないため、この未
定着部でのマゼンタ及びイエローの再発色は発生しな
い。
【0033】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエローの未定着部の定着が行われる。また、第i
+1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未
定着部の定着が行われる。紙搬送方向の露光領域の幅
は、発熱抵抗体列の長手方向の幅より長く設定されてい
るので、第i行目の未定着部は、第i+1行目の露光領
域に完全に被われるので定着残りはない。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例につき、図面を参照
して説明する。
【0035】図1は、本発明の第1の実施例にかかる光
定着型感熱記録装置の主要部であるサーマルヘッドを感
熱記録紙側から臨んだ正面図であり、複数の発熱抵抗体
を一列に配置した発熱抵抗体列と定着ランプを隣接させ
たシリアル型サーマルヘッドの構造を示している。図2
はその側面断面図、図3は、図1のA−A線断面図であ
る。
【0036】図1ないし図3に示すように、この実施例
のサーマルヘッド10は、アルミニウム等からなるヘッ
ド支持板1、このヘッド支持基板1上に設けられアルミ
ナ等からなるサーマルヘッド基板2、サーマルヘッド基
板2上に複数の発熱抵抗体を1列に配置した感熱記録を
行う発熱抵抗体列3を備える。上記発熱抵抗体列3には
フレキシブルケーブル4から電力が供給される。
【0037】発熱抵抗体列3と、図示しない電極対等は
薄膜技術或いは圧膜技術で形成される。発熱抵抗体の個
数は1行分の印写幅と解像度で決定されるが、ここでは
解像度150dpi、行幅約10mmとして、64個の
発熱抵抗体を使用する。発熱抵抗体列3の制御は、フレ
キシブルケーブル4の先端部に設けられたヘッド駆動用
IC(図示せず)によって、記録信号に応じて行われ
る。
【0038】ヘッド支持板1の発熱抵抗体列3のイエロ
ーの走査方向に対して追従する位置にイエロー定着用の
紫外線ランプからなる定着ランプ5aが設けられ、この
定着ランプ5aは、ピーク波長420nmを持つ。ま
た、ヘッド支持板1の発熱抵抗体3のマゼンタの走査方
向に追従する位置にマゼンタ定着用の紫外線ランプから
なる定着ランプ5bが設けられ、この定着ランプ5b
は、ピーク波長365nmを持つ。これら定着ランプ5
a, 5bには、ランプ電極部9a,9bを介して電力が
供給される。
【0039】両定着ランプ5a、5bは、遮光部材6
a,6bによりそれぞれ囲まれ、露光領域が限定されて
いる。遮光のためには、これら遮光部材6a,6bを光
定着型の感熱記録紙7に接触させる必要があるので、表
面が処理されて摩擦を小さくした柔らかなゴムが適して
いる。
【0040】紙搬送方向、即ち、発熱抵抗体列3の長手
方向の遮光部材6a,6bによって制限される露光領域
の幅は、発熱抵抗体列3の長手方向の幅より長く設定さ
れている。また、露光領域の紙の正搬送方向の上流側の
端部の位置は、発熱抵抗体列3の紙の正搬送方向の上流
側の端部の位置より下流となるように、遮光部材6a、
6bが配置されている。そして、図2に示すように、サ
ーマルヘッド10は感熱記録紙7を挟んで平板プラテン
ゴム8に押圧される。
【0041】次に、この実施例のサーマルヘッドを用い
た記録装置の構成を図4および図5を参考に説明する。
【0042】図4は本発明の光定着型記録装置の要部の
側面図、図5は同記録装置の要部の上面図をそれぞれ示
している。
【0043】この記録装置は、サーマルヘッド10を挟
んで紙の正搬送方向の上流側に、上流側搬送ローラ11
a及びピンチローラ12aが、下流側に下流側搬送ロー
ラ11b及びピンチローラ12bが設けられている。サ
ーマルヘッド10は、支持板20に取り付けられた平板
プラテンゴム8に押圧され、このサーマルヘッド10と
プラテンゴム8間に送り込まれた光定着型のカラー感熱
記録紙7を発熱抵抗体列3の発熱により発色させ、定着
ランプ5a、5bで定着する。
【0044】上記感熱記録紙7は、上下流の搬送ローラ
11a,11bとピンチローラ12a,12bによって
正逆方向に搬送可能である。
【0045】記録は感熱記録紙7を1行ピッチで搬送さ
せながら、サーマルヘッド10を往復動させて行われ
る。
【0046】次に、上記記録装置において、i行目を記
録するところから図6に基づいて説明する。図6は感熱
記録紙7を固定したと想定して、イエロー、マゼンタ、
シアンを印写した時の紙搬送方向における記録幅と露光
領域幅の関係を表す。
【0047】まず、イエローの発色と定着はイエロー用
定着ランプ5aから発熱抵抗体列3に向かう方向にサー
マルヘッド10が走査されて行われる。つまり熱により
発色した後で紫外線により定着を行う。1行分のイエロ
ーの発色と定着が行われると、イエロー用露光領域13
aと発熱抵抗体列3の位置関係より、図6(a)のL1
の部分のみ未定着となる。言い換えれば次行の未発色部
分が先に定着されることは防止される。
【0048】次に、当該感熱記録紙を図6(b)のY1
だけ逆に搬送する。Y1は前述の同図L1より長い距離
で、当然のことながら発熱抵抗体列3の長さに相当する
行ピッチPより短い距離である。
【0049】その後、マゼンタの発色と定着はマゼンタ
用定着ランプ5bから発熱抵抗体列3に向かう方向にサ
ーマルヘッド10が走査されて行われる。つまり熱によ
り発色した後で紫外線によりイエロー用定着ランプ5a
で露光された領域内となるので、イエローの再発色は発
生しない。
【0050】また、マゼンタが発色する領域は、第i行
のイエローの未定着部(幅L1の部分)を含まないた
め、この未定着部でのイエローの再発色は発生しない。
【0051】1行分のマゼンタの発色と定着が行われる
と、露光領域13bと発熱抵抗体列3の位置関係より、
図6(b)のL2の部分のみ未定着となる。言い換えれ
ば次行の未発色部分が先に定着されることは防止され
る。
【0052】次に、当該感熱記録紙を図6(c)のY2
だけ逆に搬送する。Y2は前述の同図L2より長い距離
で、当然のことながら行ピッチ同図Pより短い距離であ
る。
【0053】その後、シアンの発色はマゼンタ印写と逆
方向にすなわち、イエローの印写と同じ方向にサーマル
ヘッド10が走査されて行われる。シアン発色層は紫外
線による定着は行われない。シアンが発色する領域は、
第i行及び第i−1行で既にイエロー及びマゼンタ用定
着ランプ5a、5bで露光された領域内となるので、マ
ゼンタ及びイエローの再発色は発生しない。
【0054】また、シアンが発色する領域は、第i行の
マゼンタ及びイエローの未定着部を含まないため、この
未定着部でのマゼンタ及びイエローの再発色は発生しな
い。
【0055】次に、第i+1行目の印写を説明する。感
熱記録紙7は図6(d)のP+Y1+Y2の距離だけ正
搬送される。本行でのイエロー、マゼンタ、シアンの印
写動作は、前述の第i行の場合と同じである。
【0056】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエローの未定着部の定着が行われる。また、第i
+1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未
定着部の定着が行われる。紙搬送方向、即ち発熱抵抗体
列3の長手方向の、遮光部材6a,6bによって制限さ
れる露光領域13a,13bの幅は、発熱抵抗体列3の
長手方向の幅より長く設定されているので、第i行目の
未定着部は、第i+1行目の露光領域に完全に被われる
ので定着残りはない。
【0057】第i行、第i+1行で説明した動作を連続
して行うことで1ページ分のカラー印写ができる。但
し、第1行目ではマゼンタ、シアンの印写データを少な
くして、紙正搬送方向の下流側の最も端のラインを揃え
る必要があるし、最下行では、イエロー、マゼンタの印
写データを少なくして、紙正搬送方向の上流側の最も端
のラインを揃える必要がある。
【0058】次に、この発明の第2の実施例を示す。図
7は、本発明の第2の実施例にかかるによる光定着型感
熱記録装置の主要部であるサーマルヘッドを感熱記録紙
側から臨んだ正面図であり、3列の発熱抵抗体列と2個
の定着ランプを有するシリアルマルチヘッドの構造を示
している。図8はその側面断面図である。
【0059】図7及び図8に示すように、この第2の実
施例におけるサーマルヘッド30は、アルミニウム等か
らなるヘッド支持板21、このヘッド支持基板21上に
設けられアルミナ等からなる3個サーマルヘッド基板2
2a、22b、22c、これらサーマルヘッド基板22
a〜22c上にそれぞれ複数の発熱抵抗体を1列に配置
した感熱記録を行う発熱抵抗体列23a〜23c、を備
える。発熱抵抗体列23aは、イエロー用、23bはマ
ゼンタ用、23cはシアン用の発色に用いられる。上記
発熱抵抗体列23a〜23cはフレキシブルケーブル2
4にて、電力が供給される。
【0060】発熱抵抗体列23a〜23cと、前述の実
施例と同様に、図示しない電極対等は薄膜技術或いは圧
膜技術で形成される。発熱抵抗体の個数は1行分の印写
幅と解像度で決定されるが、ここでは解像度150dp
i、行幅約10mmとして、64個の発熱抵抗体を使用
する。発熱抵抗体列23a〜23cの制御は、フレキシ
ブルケーブル24の先端部に設けられたヘッド駆動用I
C(図示せず)によって、記録信号に応じて行われる。
【0061】各発熱抵抗体列23a〜23cはイエロ
ー、マゼンタ、シアンの順に平行に配置される。
【0062】ヘッド支持板21の発熱抵抗体列23aの
イエローの走査方向に対して追従する位置にイエロー定
着用の紫外線ランプからなる定着ランプ25aが設けら
れ、この定着ランプ25aは、ピーク波長420nmを
持つ。また、ヘッド支持板21の発熱抵抗体23bのマ
ゼンタの走査方向に追従する位置にマゼンタ定着用の紫
外線ランプからなる定着ランプ25bが設けられ、この
定着ランプ25bは、ピーク波長365nmを持つ。
【0063】そして、イエロー用定着ランプ25aはイ
エロー用発熱抵抗体列23aとマゼンタ用発熱抵抗体列
23bとの間に、マゼンタ用定着ランプ25bはマゼン
タ用発熱抵抗体列23cとシアン用発熱抵抗体列との間
に平行に配置される。
【0064】これら両定着ランプ25a、25bには、
ランプ電極部(図示せず)を介して電力が供給される。
【0065】両定着ランプ25a、25bは、遮光部材
26a、26bによりそれぞれ囲まれ、露光領域が限定
されている。遮光のためには、これら遮光部材26a,
26bを光定着型の感熱記録紙7に接触させる必要があ
るので、表面が処理されて摩擦を小さくした柔らかなゴ
ムが適している。なお、定着ランプ25a、25bと遮
光部材26a、26b等は第1実施例の図3に示した構
造と同様に構成されている。
【0066】紙搬送方向、即ち発熱抵抗体列23a〜2
3cの長手方向の、遮光部材26a,26bによって制
限される露光領域の幅は、発熱抵抗体列23a〜23c
の長手方向の幅より長く設定されている。
【0067】また、イエロー定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、イエロー発色用の発熱
抵抗体列23aの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0068】また、マゼンタ発色用の発熱抵抗体列23
bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置は、イエロー定
着用の露光領域の紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0069】また、マゼンタ定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ発色用の発熱
抵抗体列23bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
り下流となるように構成される。
【0070】また、シアン発色用の発熱抵抗体列23c
の紙正搬送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ定着
用の露光領域の紙正搬送方向の上流側の端部の位置より
下流となるように構成される。
【0071】すなわち、各発熱抵抗体列23a〜23c
と、露光領域(定着ランプ25aと25bと遮光部材2
6a、26b)は、図9に示すように構成されている。
まず、イエロー定着用の露光領域の紙正搬送方向の上流
側の端部の位置は、イエロー発色用の発熱抵抗体列23
aの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よりL1分下流
となるように構成されている。
【0072】また、マゼンタ定着用の露光領域の紙正搬
送方向の上流側の端部の位置は、マゼンタ発色用の発熱
抵抗体列23bの紙正搬送方向の上流側の端部の位置よ
りL2分下流となるように構成されている。
【0073】そして、イエロー発色用の発熱抵抗体列2
3aよりマゼンタ発色用の発熱抵抗体23bが紙正搬送
方向の上流側の位置よりB1分下流となるように、マゼ
ンタ発色用の発熱抵抗体列23bよりシアン発色用の発
熱抵抗体23cが紙正搬送方向の上流側の位置よりB2
分下流となるように構成されている。
【0074】なお、上記L1,L2は0より大きく1行
ピッチPより小さい値、B1はL1より大きく1行ピッ
チPより小さい値、B2はL2より大きく1行ピッチ同
図Pより小さい値である。
【0075】次に記録動作を説明する。記録装置の構成
は図5に示す第1の実施例と同様であるが、第1の実施
例がサーマルヘッドの3回の走査で1行の記録を行って
いるのに対し、この第2の実施例は1回の走査で1行の
記録を行っている。
【0076】記録は感熱記録紙7を1行ピッチで搬送さ
せながら、サーマルヘッド30を記録紙7と交差する方
向に走査させて行われる。ここでは第i行目を記録する
ところから図9に基づいて説明する。図9はイエロー、
マゼンタ、シアンの発色領域とイエロー、マゼンタの定
着領域を表す。
【0077】まず、各色の印写はイエロー用発熱抵抗体
列23aからシアン用発熱抵抗体列23cに向かう方向
にサーマルヘッド30が走査されて行われる。つまり熱
により発色した後で紫外線により定着を行う。1行のサ
ーマルヘッド30の走査が行われると、露光領域と発熱
抵抗体列23a,23bの位置関係より、図9のL1の
部分のみイエローが未定着となり、同図のL2の部分の
みマゼンタが未定着となる。言い換えれば、次行の未発
色部分が先に定着されることは防止される。シアンに関
しては紫外線によって定着が起こらないので、次行の未
発色部分が先に定着されることはない。前述したよう
に、L1、L2は0より大きく1行ピッチ同図Pより小
さい値である。
【0078】また、マゼンタ用の発熱抵抗体列23bの
紙正搬送方向の上流側端部の位置は、イエロー用の露光
領域の上流側端部の位置より図9のB1−L1だけ下流
となっているので、マゼンタの発色は、第i行及び第i
−1行で既にイエロー用定着ランプ25aで露光された
領域内となり、前述のイエロー未定着部分にはかからな
いので、イエローの再発色は発生しない。B1はL1よ
り大きく1行ピッチ同図Pより小さい値である。
【0079】同様に、シアン用の発熱抵抗体列23cの
紙正搬送方向の上流側端部の位置は、マゼンタ及びイエ
ロー用の露光領域の上流側端部の位置よりそれぞれ図9
のB2−L2、B1+B2−L1だけ下流となっている
ので、シアンの発色は、第i行及び第i−1行で既にイ
エロー及びマゼンタ用定着ランプ25a,25bで露光
された領域内となり、前述のマゼンタ及びイエロー未定
着部分にはかからないので、イエロー及びマゼンタの再
発色は発生しない。B2はL2より大きく1行ピッチ同
図Pより小さい値である。
【0080】次に第i+1行目の印写を説明する。当該
感熱記録紙は図23のPの距離だけ正搬送される。本行
でのイエロー、マゼンタ、シアンの印写動作は、前述の
第i行の場合と同じである。
【0081】第i+1行目のイエロー定着時には、第i
行のイエロー未定着部の定着が行われる。また、第i+
1行目のマゼンタ定着時には、第i行のマゼンタの未定
着部の定着が行われる。紙搬送方向、即ち発熱抵抗体列
23a,23bの長手方向の、遮光部材26a,26b
によって制限される露光領域の幅は、発熱抵抗体列の長
手方向の幅より長く設定されているので、第i行目の未
定着部は、第i+1行目の露光領域に完全に被われるの
で定着残りはない。
【0082】第i行、第i+1行で説明した動作を連続
して行うことで1ページ分のカラー印写ができる。但
し、第1行目ではマゼンタ、シアンの印写データを少な
くして、紙正搬送方向の下流側の最端ラインを揃える必
要があるし、最下行では、イエロー、マゼンタの印写デ
ータを少なくして、紙正搬送方向の上流側の最端ライン
を揃える必要がある。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発色と定着をほぼ同時に行うことができ、トータル的な
印写時間の短縮ができる。また、発熱抵抗体と定着ラン
プを隣接しても、再発色や未定着による印写不良が発生
せず、コンパクトなシリアルヘッドが可能となる。それ
によって装置全体の小型化が可能となる。加えて、露光
領域と発熱抵抗体列との位置精度が悪くとも印写に影響
しないので、ヘッドの組立て生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光定着型感熱記録
装置の主要部である記録部を感熱記録紙側から臨んだ正
面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の光定着型感熱記録装置
の要部の側面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の光定着型感熱記録装置
の要部の正面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の記録装置の要部の側面
図である。
【図5】本発明の第1の実施例の記録装置の要部の上面
図である。
【図6】本発明の第1の実施例の動作説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例による光定着型感熱記録
装置の主要部である記録部を感熱記録紙側から臨んだ正
面図である。
【図8】本発明の第2実施例の光定着型感熱記録装置の
要部の側面断面図である。
【図9】本発明の第2実施例の動作説明図である。
【図10】従来のマルチヘッドタイプの記録装置を示す
断面図である。
【図11】従来のシリアル型サーマルヘッドタイプの記
録装置を示す斜視図である。
【図12】従来のサーマルヘッドの発熱抵抗体列と定着
ランプとの位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】 1 ヘッド支持板 2 サーマルヘッド基板 3 発熱抵抗体列 4 フレキシブルケーブル 5a イエロー用定着ランプ 5b マゼンタ用定着ランプ 6a イエロー用定着ランプ遮光部材 7 感熱記録紙 10 サーマルヘッド 21 ヘッド支持板 22 サーマルヘッド基板 23a〜23c 発熱抵抗体列 24 フレキシブルケーブル 25a イエロー用定着ランプ 25b マゼンタ用定着ランプ 26a イエロー用定着ランプ遮光部材 26b マゼンタ用定着ランプ遮光部材
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱する熱量に応じて、発色濃度が変化
    し、発色可能な最小熱量が各色で異なり、特定の波長を
    持つ紫外線等の光線或いは電磁波によって、選択的に各
    色の定着が可能な感熱紙に、発熱抵抗体により複数種の
    熱エネルギーを与えて画像を形成する感熱記録装置に用
    いられるシリアル型サーマルヘッドにおいて、少なくと
    も1個の定着ランプと、上記発熱抵抗体を記録紙搬送方
    向に対して平行に複数個配置した発熱抵抗体列とを、一
    体或いは連結して設けると共に、上記定着ランプの露光
    領域の記録紙搬送方向の幅を上記発熱抵抗体列の長さよ
    り大きくし、且つ、上記定着ランプの露光領域の記録紙
    の正搬送方向における上流側部の位置が、上記発熱抵抗
    体列のこの方向の上流側端部の位置より、下流側に位置
    するように配置したことを特徴とするシリアル型サーマ
    ルヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のサーマルヘッドを用い
    て各色を印写する感熱記録方法であって、上記ヘッドを
    記録紙搬送方向と交差する方向に走査して、任意のi番
    目の任意のk色目の印写をした後に、第k色目用の定着
    ランプの露光幅の記録紙正搬送方向における下流側端部
    の位置と、発熱抵抗体列の下流側端部の位置との距離よ
    り長く、且つ1行のピッチより短い距離で、全行に渡り
    第k色目に関しては一定の量である送り量だけ記録紙を
    逆搬送し、同様に第k+1色目の印写を行い、この動作
    を第i行目の全色に渡って行った後、第i+1行目を印
    写する前に、記録紙を1行分のピッチと第i行目の行程
    中に逆搬送した送り量の総量を加えた量だけ正搬送を行
    うことを特徴とする感熱記録方法。
  3. 【請求項3】 加熱する熱量に応じて、発色濃度が変化
    し、発色可能な最小熱量が各色で異なり、特定の波長を
    持つ紫外線等の光線或いは電磁波によって、選択的に各
    色の定着が可能な感熱紙に、発熱抵抗体により複数種の
    熱エネルギーを与えて画像を形成する感熱記録装置に用
    いられるシリアル型サーマルヘッドにおいて、上記発熱
    抵抗体を記録紙搬送方向に対して平行に複数個配置した
    複数n色用のn列の発熱抵抗体列と、n−1個の定着ラ
    ンプとを、一体或いは連結して設けると共に、任意のk
    色目用の定着ランプの露光領域は、ヘッド走査方向にお
    いて、第k色目用の発熱抵抗体列の位置と、第k+1色
    目用の発熱抵抗体列の位置との間に位置し、且つ任意の
    第k色目用の定着ランプの露光領域の記録紙搬送方向に
    おける上流端の位置は、この方向において、第k色目用
    の発熱抵抗体列の上流端の位置より下流であって、且つ
    第k+1色目用の上流端の位置より上流であることを特
    徴とするシリアル型サーマルヘッド。
JP6245871A 1994-10-12 1994-10-12 光定着型感熱記録装置及びその記録方法 Pending JPH08108552A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6245871A JPH08108552A (ja) 1994-10-12 1994-10-12 光定着型感熱記録装置及びその記録方法
US08/541,486 US5864354A (en) 1994-10-12 1995-10-10 UV-fixable thermal recording apparatus and recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6245871A JPH08108552A (ja) 1994-10-12 1994-10-12 光定着型感熱記録装置及びその記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08108552A true JPH08108552A (ja) 1996-04-30

Family

ID=17140055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6245871A Pending JPH08108552A (ja) 1994-10-12 1994-10-12 光定着型感熱記録装置及びその記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08108552A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5216438A (en) Direct color thermal printing method for optically and thermally recording a full-color image on a thermosensitive recording medium
JPH08108552A (ja) 光定着型感熱記録装置及びその記録方法
JP2942680B2 (ja) カラー感熱記録方法
JPH1178090A (ja) 感熱発色プリント方法、サーマルヘッド及びプリンタ
JP2661816B2 (ja) 画像記録方法
JPS63154374A (ja) 画像形成装置
JPH08174876A (ja) カラーサーマルプリント方法
JP2703135B2 (ja) 画像記録方法
JPH0524233A (ja) サーマルヘツド
JPH05261953A (ja) サーマルヘッド
JPH0569566A (ja) 多色感熱記録装置
JPH0516399A (ja) 画像記録方法及び装置
JPH10138543A (ja) サーマルヘッドおよびその制御方法
JPH06218968A (ja) 画像記録装置
JPH04220360A (ja) サーマルヘッド
JPH1058732A (ja) 印写装置のシリアルヘッド駆動装置
JP3724778B2 (ja) カラー感熱プリンタ
JPH0569567A (ja) 画像記録方法及び画像記録装置
JP2647289B2 (ja) 多色感熱記録装置
JP2001054957A (ja) カラー感熱プリンタ
JP2806649B2 (ja) カラー感熱記録方法
JPH0550671A (ja) 多色感熱記録装置
JPH06255180A (ja) 階調画像形成方法
JPH0524246A (ja) 画像記録方法及び画像記録装置
JPS63172673A (ja) カラ−画像記録位置制御方法