JPH10138543A - サーマルヘッドおよびその制御方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその制御方法

Info

Publication number
JPH10138543A
JPH10138543A JP29691096A JP29691096A JPH10138543A JP H10138543 A JPH10138543 A JP H10138543A JP 29691096 A JP29691096 A JP 29691096A JP 29691096 A JP29691096 A JP 29691096A JP H10138543 A JPH10138543 A JP H10138543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
printing paper
thermal head
color
energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29691096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3724082B2 (ja
Inventor
Hayami Sugiyama
早実 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Electric Co Ltd filed Critical Shinko Electric Co Ltd
Priority to JP29691096A priority Critical patent/JP3724082B2/ja
Publication of JPH10138543A publication Critical patent/JPH10138543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3724082B2 publication Critical patent/JP3724082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの駆動電流を減少させプリン
タのスピードアップを図る。 【解決手段】 印刷用紙(31)の移動方向上流側に設
けられた一の発熱体(56)とその下流側に設けられれ
た他の発熱体(55)とによって印刷用紙を加熱するこ
とにより、前記一の発熱体によって発色に必要な最小限
のエネルギーを印刷用紙に与え、前記他の発熱体によっ
て所定の諧調で発色するためのエネルギーを印刷用紙に
与えることができ、他の発熱体に供給すべき電流を減少
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラープリンタ等に
好適なサーマルヘッド、および熱画像記録方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図6は直接感熱式フルカラープリンタに
用いられるシングルラインサーマルヘッド基板の一従来
例を示すものである。符号1はアルミナ基板で、このア
ルミナ基板1の表面の部分グレーズ部5の表面を中心と
して、薄膜技術やリソグラフィー技術を適用することに
より発熱抵抗体2、個別電極3、およびコモン電極4が
形成されている。また前記発熱抵抗体2は個別電極3を
介してコントロールIC7に接続され、このコントロー
ルICによって駆動されて発熱するようになっている。
また前記コントロールIC7はフレキシブルプリント板
6を介してプリンタ本体の制御部(図示略)に接続され
ていて、該制御部から供給されるデータに基づいて前記
発熱抵抗体2をON/OFF制御するようになってい
る。また前記サーマルヘッド基板は両面粘着テープや接
着剤などによってヒートシンク8に固定されている。
【0003】一方、前記サーマルヘッドによって発色さ
せられる感熱紙は、図7のような構造となっている。す
なわち、基材となる紙などの支持体11の表面に、シア
ン記録層12、マゼンダ記録層13、イエロー記録層1
4を順次積層し、その表面を耐熱保護層15で覆った構
造となっている。前記シアン記録層12は、シアン顕色
材16を主体として、その内部にマイクロカプセル17
を分散させ、このマイクロカプセル17中に、前記シア
ン顕色材16と反応してこれを発色させるシアンロイコ
染料18を封入した構造となっている。前記マゼンダ記
録層13は、カプラー19を主体としてその内部にマイ
クロカプセル20を分散させ、このマイクロカプセル2
0中に、前記カプラー10と反応してマゼンダに発色す
るマゼンダジアゾ染料21を封入した構造となってい
る。前記イエロー記録層14は、イエローカップリング
剤22にイエローマイクロカプセル23を分散させ、こ
のイエローマイクロカプセル23中に、前記イエローカ
ップリング剤22と反応して発色するイエロージアゾ染
料24を封入した構造となっている。
【0004】図9は、このように構成されたフルカラー
感熱紙を用いたプリンターの一従来例を示すものであ
る。符号30は用紙トレーであって、この用紙トレー3
0には、上記構成の感熱紙31が集積されている。これ
ら集積状態の感熱紙31の上方には、この感熱紙の上面
に接触して紙面方向(図9の右方向)へ摩擦力を作用さ
せる繰り出しローラ32が設けられ、さらにこの繰り出
しローラ32の送り出し方向前方には、ガイドプレート
33が設けられていて感熱紙31を上方へ案内するよう
になっている。前記用紙トレー30の上方には、ローラ
34、35、36、37に巻回されたベルト38が設け
られている。これらのローラ34ないし37の内、ロー
ラ36は、所定のタイミングで圧着されるローラ39と
の間で感熱紙31とベルト38とを挟持して図中矢印方
向へ送るようになっている。また前記ローラ37はプラ
テンローラであって、サーマルヘッド25と対向して設
けられている。
【0005】前記ベルト38の外周には、用紙トレー3
0から送り出された感熱紙31をクランプするクランパ
39が設けられており、このクランパ39により感熱紙
31を挟持するようになっている。
【0006】前記サーマルヘッド25より下流側の位置
には、それぞれ所定波長の光線を感熱紙31の表面へ照
射するYランプ40、Mランプ41が設けられている。
なおこれらのランプ40、41の作用の詳細については
後述する。これらのランプ40、41よりさらに下流側
の位置であって、前記ローラ34の近傍には、このロー
ラ34の周囲で屈曲したベルト38から離れて接線方向
へ移動しようとする感熱紙31の先端を挟持して排出す
る一対の排紙ローラ42、43が設けられている。なお
一方の排紙ローラ42の外周にはガイドプレート44が
設けられていて、前記排紙ローラ42から送り出された
印刷済みの感熱紙31を所定の排紙方向へ案内するよう
になっている。
【0007】上記構成のプリンタにおけるカラー印刷の
原理を図8および図9により説明する。ベルト38のク
ランパ39に先端が挟持された感熱紙31は、プラテン
ローラ37まで送られる。感熱紙31の先端が前記プラ
テンローラ37を通過するタイミングで前記サーマルヘ
ッド25が感熱紙25に圧接され、下記a)ないしe)
の工程からなる処理が実行される。 a)イエロー記録層14を加熱すると、その内部のイエ
ローカプセル23が熱により軟化し、その内部のイエロ
ージアゾ染料24が透過してイエローカップリング剤2
2と反応し、発色する(イエロー記録層14におけるハ
ッチング部分)。前記イエロージアゾ染料24の透過量
は、図10に示すようにサーマルヘッド25から感熱紙
31へ加えられるエネルギー量に比例しており、したが
って、加えられるエネルギーによって、図10の特性に
よるイエローの濃度で発色する。また、マセンダマイク
ロカプセル20、およびシアンマイクロカプセル17
は、いずれもイエローマイクロカプセル17より高い軟
化に設定されているので、マセンダ記録層13、および
シアン記録層12が発色することはない。
【0008】b)感熱紙31の先端がイエロー定着ラン
プ(Yランプ)40の位置に達すると、このイエロー定
着ランプ40を点灯させ、この光によって図8bの処理
が行われる。すなわち、未発色のイエロー染料を光で分
解して発色能力を喪失させる。イエロー定着ランプ40
は、波長420nmにピークを持つ光線によってイエロ
ー染料を分解する。 c)ベルト38を周回させて感熱紙31を再度サーマル
ヘッド25へ送り、マゼンダ発色を行わせる。具体的に
は、マゼンダマイクロカプセル20が熱により軟化し、
その内部のマゼンダジアゾ染料21がマゼンダカップリ
ング剤19と反応し、発色する(マゼンダ記録層13に
おけるハッチング部分)。なお、シアンマイクロカプセ
ル17の軟化温度は、前記マゼンダマイクロカプセル2
0の軟化温度より高く設定されているので、シアン記録
層12が発色することはない。また、このマゼンダ染料
21の透過量についても、前記イエローの場合と同様に
図10に示すサーマルヘッド25から感熱紙31へ加え
られるエネルギー量に比例しており、このエネルギー量
に応じた濃度で発色する。
【0009】d)感熱紙31の先端がマゼンダ定着ラン
プ(Mランプ)41の位置に達すると、マゼンダ定着ラ
ンプ41を点灯させ、この光によって図8dの処理が行
われる。すなわち、未発色のマゼンダ染料を光で分解し
て発色能力を喪失させる。マゼンダ定着ランプ41は、
波長365nmにピークを持つ光線によってマゼンダ染
料を分解する。 e)ベルト38を周回させて感熱紙31を再度サーマル
ヘッド25へ送り、シアン発色を行わせる。具体的に
は、シアンマイクロカプセル17が熱により軟化し、そ
の内部のシアンロイコ染料23がシアン顕色剤16と反
応し、発色する(シアン記録層12におけるハッチング
部分)。
【0010】上記e)工程によるシアン発色によりフル
カラープリントが完結すると、感熱紙31の先端をクラ
ンパ39から外し、排紙ローラ42、43の間に送り込
んでガイドプレート44に沿って排出する。なお、必要
に応じてベルト38を更に周回させ、イエロー定着ラン
プ40およびマゼンダ定着ランプ41による定着処理を
さらに行うようにしてもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記方式の
カラープリンタにあっては、各色の発色に必要な通電パ
ルス長(エネルギー)と発色濃度との関係がイエローの
パルス長<マゼンダのパルス長<シアンのパルス長とい
う関係になっている。(図10参照) ここで、各色が発色する直前の限界エネルギーをバイア
スエネルギーと呼ぶこととすると、Y、M、C各色のバ
イアスエネルギーは、図10におけるPBY、PBM、PBC
となる。一方、各色について所定の諧調を表すために必
要なエネルギーは、図9において、PGY、PGM、PGCで
表されており、実際の発色では、PBY+PGY、PBM+P
GM、PBC+PGCに対応するパルスがサーマルヘッド25
に供給されている。一般に感熱紙31におけるPGY、P
GM、PGCの最大値はほぼ同一の値となるように物性が調
整されて PGY≒PGM≒PGC≒PG (PG……最大諧調
に対応するパルス長)……(1)式 また、直接感熱方式の場合、図10から明かなように、
各パルス間に次の関係が成立する。 PBM≒PBY+PG、PBC≒PBM+PG≒PBY+2PG ……(2)式
【0012】また、正味プリント時間PTは次式で計算
される。 PT={(PBYPG)+(PBMPG)+(PBC+PG)}×ライン数 ……(3)式 なおPTは、3色をプリントするために必要な正味の時
間であって、実際のプリントでは用紙の取り込み、排出
などの時間が含まれるため、このPTより長時間要する
こととなる。したがって、図6に示すサーマルヘッドを
用い、図7の感熱紙を用いてフルカラープリントする場
合、プリントに要する時間は(3)式により定まり、プ
リント時間をこれ以上短縮することは不可能である。す
なわち、この(3)式に基づき、単位時間あたりのプリ
ント能力が決定されることになる。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、感熱紙の発色に必要なエ
ネルギーが所定の値に設定された条件下で発色に必要な
エネルギーを感熱紙に有効に作用させてプリントの所要
時間の短縮、および、プリント能力の向上を図ることを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のサーマルヘッ
ドは、印刷用紙を発熱体により加熱することにより印刷
用紙を発色させるサーマルヘッドにおいて、前記発熱体
は、発色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを前
記印刷用紙に与える一の発熱体と、この一の発熱体によ
りバイアスエネルギーが与えられた前記印刷用紙を所定
の諧調の濃度で発色させるべくエネルギーを与える他の
発熱体とから構成されたことを特徴とする。かかる構成
によれば、前記他の発熱体を発熱させれば所定の諧調が
得られるから、制御発熱体に供給すべきエネルギーを最
小限とすることができる。請求項2のサーマルヘッド
は、請求項1において、前記印刷用紙の移動方向に沿っ
て、前記一の発熱体を上流側とし、前記他の発熱体を下
流側として、直列に配置したことを特徴とする。かかる
構成によれば、他の発熱体による加熱より前に印刷用紙
にバイアスエネルギーを与えることができる。請求項3
のサーマルヘッドは、請求項2において、基板の表面に
印刷用紙の送り方向に沿って抵抗体の抵抗体のパターン
を形成し、この抵抗体のパターンの両端を除く部分にコ
モン電極を接続し、このコモン電極と前記抵抗体のパタ
ーンの一端部との間を一の発熱体とし、このコモン電極
と前記抵抗体のパターンの他端部との間の他の発熱体と
したことを特徴とする。かかる構成によれば、基板に抵
抗体のパターンを形成する処理によって同時に第1およ
び第2の抵抗体を形成することができる。請求項4のサ
ーマルヘッドは、請求項1ないし3のいずれかにおい
て、前記一の発熱体を駆動する回路は、前記バイアスエ
ネルギーをプリンタの使用条件に応じて補正することを
特徴とする。請求項5のサーマルヘッドは、請求項4に
おいて、前記回路は前記バイアスエネルギーを周囲温度
およびライン履歴の少なくとも一方に基づいて補正する
ことを特徴とする。かかる構成によれば、バイアスエネ
ルギーを与えるためのプレヒート処理とともに必要な補
正を一括して行うことができる。請求項6のサーマルヘ
ッドは、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記印
刷用紙の移動方向に基づき、前記基板表面に形成された
抵抗体のパターンと駆動回路との接続を変更することに
より、この抵抗体のパターンにおける前記一の発熱体の
位置と他の発熱体の位置とが入れ換えられることを特徴
とする。かかる構成によれば、印刷用紙の進行方向にか
かわらずプレヒートおよび所定の諧調での発色を行うこ
とができる。請求項7の方法は、印刷用紙を発熱体によ
り加熱することにより印刷用紙を発色させるサーマルヘ
ッドにおいて、発色に最小限必要とされるバイアスエネ
ルギーを前記印刷用紙に与える工程と、この工程により
バイアスエネルギーが与えられた前記印刷用紙を所定の
諧調の濃度で発色させるべくエネルギーを与える工程と
により前記印刷用紙の所定の印刷を行うことを特徴とす
る。請求項8の方法は、請求項7において、前記バイア
スエネルギーを与える工程において、周囲温度、ライン
履歴、隣接ドットの距離の少なくとも一の条件に基づい
て補正を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。なお、図中従来例と共通の構成には
同一符号を付し、説明を簡略化する。図1ないし図3は
本発明の一実施形態を示すものである。符号51はステ
ンレス鋼などにより構成された金属基板で、この金属基
板51の表面には、ガラスにより絶縁性のグレーズガラ
ス52層が形成されている。前記グレーズガラス層52
の一部は盛り上げられていて部分グレーズ53とされ、
この部分グレーズ53の途中には、金属性のコモン電極
54が埋め込まれて、その先端が部分グレーズ53の上
面から露出している。このコモン電極54は、図示の場
合前記金属基板51と一体に形成されている。すなわ
ち、金属基板51を構成するステンレス鋼の一部が板状
に形成されていて部分グレーズ53の上部に露出し、こ
の露出部分がコモン電極54となっている。なお前記金
属基板51には、従来例と同様にヒートシンク8が取り
付けられていて、金属基板51の放熱を促進するように
なっている。また、通常、金属基板51の裏面にも表面
と同様にグレーズガラス層が形成されている。これはグ
レーズガラスの焼成に際しての金属基板51のそりを防
止し、しかも、ヒートシンク8と金属基板51との絶縁
のためである。
【0016】前記部分グレーズ53の表面には、プリン
タの各ラインに対応して、薄膜技術あるいは厚膜技術を
用いて、多数の抵抗体のパターンが互いに平行に形成さ
れ、これらのパターンにおける前記コモン電極54を挟
んだ両側の位置が、第1発熱体55と第2発熱体56と
なっている。前記第1発熱体55の一端は前記コモン電
極54に接続され、また他端は、グレーズガラス層52
の表面に形成された個別電極57にそれぞれ接続されて
いる。すなわち部分グレーズ53の表面の抵抗体のパタ
ーンの中間部分にコモン電極54を接続することによ
り、このコモン電極54から一端側が第1発熱体55と
され、また、コモン電極54から他端側が第2発熱体5
6となっている。さらに、前記個別電極57はフレキシ
ブルプリント板58を介して制御回路(図1において図
示略)に接続されている。一方、前記第2発熱体56の
一端は前記コモン電極54に接続され、また他端は、一
括電極59を介してパワートランジスタなどのスイッチ
ング手段(図1において図示略)に接続されている。そ
して、このスイッチング手段ON/OFFによって前記
第2発熱体56がON/OFFされるようになってい
る。
【0017】図1のサーマルヘッドを等価回路により示
せば図2の通りである。すなわち、第1発熱体55と第
2発熱体56とは各ドット毎に直列に接続されていて、
第1発熱体55の一端と第2発熱体56の一端との接続
点がコモン電極54を介して接地されている。前記第1
発熱体55の他端は、個別電極57を介して制御回路
(図示例ではコントロールIC)60に接続されてい
る。この制御回路60は、前記各第1発熱体55と電源
62との間に介在してこれらを所定の電流で駆動するこ
とにより、感熱紙を所定の諧調で発色させる。また第2
発熱体56の他端はスイッチングトランジスタ61のコ
レクタに接続されている。このスイッチングトランジス
タ61は、ベースに供給される信号により前記第2抵抗
体56を電源63に接続するようになっている。すなわ
ち前記スイッチングトランジスタ61がONとなること
により、第2発熱体56が所定の温度で発熱するように
なっている。
【0018】上記構成のサーマルヘッド70は、図5に
示すように、従来のサーマルヘッドと同様にプリンタに
取り付けられて使用される。すなわち、プラテンローラ
37との間の感熱紙31に所定のエネルギーを与える処
理を、ベルト38を走行させながらYMCの各色につい
て繰り返すことにより、各色を所定の諧調で発色させる
ようになっている。
【0019】次いで、上記サーマルヘッドによる発色作
用を説明する。まず発色に必要なエネルギーについて説
明する。従来例で説明したように、感熱紙31を所定の
濃度で発色させるには、(3)式で示すパルス長が必要
とされるが、ここに(2)式の関係を導入すると、 PT={(PBY+PG)+(PBM+PG)+(PBC+PG)}×ライン数 ={(PBY+PBM+PBC)+(PG+PG+PG)}×ライン数 ≒{3(PBY+PG)+3PG}×ライン数 ……(4) 本発明では、上記(4)式における 3(PBY+PG) ……バイアスエネルギー を第2発熱体56によって与え、 3PG ……諧調エネルギー を第2発熱体56とは別個の第1発熱体55によって与
えることとし、さらにバイアスエネルギーの単位時間あ
たりの密度を上げることにより、正味プリント時間PT
をほぼ各色についての諧調エネルギーを与えるに必要な
時間の和とほぼ等しい PT≒3PG×ライン数 ……(5) なる時間まで短縮することができる。なお、(5)式で
定義される時間は(3)式で定義される時間の1/2な
いし1/3となり、プリント時間の大幅な短縮を図るこ
とができる。
【0020】各発熱体55、56に加える電圧の例を図
3により説明する。1ライン目に190諧調、2ライン
目に64諧調を与えるべくプリントしようとする場合 A)Y色に対して、まず、前記1ドットに相当する距離
だけ前の(上流側の)ラインにおいて、第2発熱体56
に電圧V2 のプレヒートY色バイアスパルスを加え、次
いで、第1発熱体55の1ライン目に190諧調、2ラ
イン目に64諧調の電圧V1 のパルスを加える。 B)C色に対して、まず、前記各ラインの1ラインずつ
前のラインにおいて、第2発熱体56に電圧V2 のプレ
ヒートC色バイアスパルスを加える。このプレヒートC
色バイアスパルスは、前述の発色原理に基づきC色のバ
イアスパルスがY色のバイアスパルスより大きいため、
Y色の場合より長時間にわたってバイアスパルスが供給
される。次いで、第1発熱体55に対して、前記Y色の
場合と同様の長さの諧調パルスを加える。すなわち、第
2発熱体56においてC色のバイアスエネルギーに対応
した大きなエネルギーを供給したので、第1発熱体55
において与えるべき諧調パルスの長さは各色とも同様と
なる。 なおM色については、Y色とC色の中間のバイアスエネ
ルギーが必要とされるため、バイアスパルスの持続時間
もこれらの中間の値となるが、このパルス波形の図示は
省略する。
【0021】なお、図示の場合第2発熱体56の長さと
コモン電極54の幅との和(=L)を1ドットの長さと
同じに設定したことに起因して前記第2発熱体56への
電圧の印加を1ドット前の位置で行ったが、前記Lの値
を2ドット、3ドット、4ドットあるいはそれ以上のド
ット数に対応する値とした場合には、それぞれ、2ドッ
ト、3ドット、4ドットあるいはそれ以上上流の位置か
ら1ドット前までの複数ラインにまたがってバイアスパ
ルスを加えることができる。また、図示の場合、パルス
長(パルスの印加時間)によって各色に必要なバイアス
エネルギーを調整するようにしたが、パワートランジス
タ61のベース電流を制御して、第2発熱体56の印加
電圧を調整することによりバイアスエネルギーを調整す
るようにしてもよい。
【0022】図4は本発明の他の実施形態を示すもので
ある。このサーマルヘッドはいわゆるダブルライン型で
あって、図1の例で一括電極59に接続されていた第2
発熱体56を個別電極71を介して個別に制御回路(図
示略)へ接続したものである。この実施形態において
は、第1発熱体55おより第2発熱体56をいずれもラ
イン毎に個別に制御することができるから、第1発熱体
55、第2発熱体56をバイアスパルス用および諧調パ
ルス用の両方に使用することができる。したがって、第
1発熱体55側から第2発熱体56側へ感熱紙が移動す
る場合、およびその逆方向へ移動する場合のいずれの場
合にも前記一実施形態の場合と同様のプレヒートを行っ
てプリントの所要時間を短縮することができる。すなわ
ち、ダブルライン型のサーマルヘッドに設けられている
第1、第2の発熱体のいずれか一方をバイアスエネルギ
ー付与のためのプレヒートに用いる場合にも本発明の技
術を適用することができる。
【0023】なお、本発明の技術は、感熱プリンタ、昇
華プリンタ、溶融プリンタなどの各種方式の熱転写プリ
ンタに適用することができるのはもちろんである。また
熱転写プリンタで必要とされる周囲温度補正、ライン履
歴補正、隣接ドット補正などの各種の補正を行う場合、
バイアスエネルギーを付与するためのプレヒートの段階
でバイアスパルスのエネルギーを調整することにより行
うのが望ましい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明かなように、本発明は、
印刷用紙の移動方向上流側に設けられた一の発熱体とそ
の下流側に設けられれた他の発熱体とによって印刷用紙
を加熱しているから、前記一の発熱体によって発色に必
要な最小限のエネルギーを印刷用紙に与え、前記他の発
熱体によって所定の諧調で発色するためのエネルギーを
印刷用紙に与えるようにしたから、一の発熱体によって
印刷用紙をプレヒートしておくことにより、他の発熱体
から最小限のエネルギーを供給するだけで印刷用紙を所
定の濃度で発色させることができ、したがって、印刷に
要する時間を短縮してプリンタをスピードアップするこ
とができる。また、他の発熱体に供給すべき電流が少な
くて済むから、他の発熱体を駆動する回路として少電流
仕様の半導体素子を用いることができ、全体としてサー
マルヘッドのコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態におけるサーマルヘッド部分の斜
視図である。
【図2】 図1のサーマルヘッドと等価回路の回路図で
ある。
【図3】 駆動電流の波形図である。
【図4】 他の実施形態のサーマルヘッドの側面図であ
る。
【図5】 図1のサーマルヘッドを用いたプリンタの側
面図である。
【図6】 一従来例におけるサーマルヘッド部分の斜視
図である。
【図7】 感熱紙の構成を示す断面図である。
【図8】 画像形成プロセスの説明図である。
【図9】 一従来例のプリンタの側面図である。
【図10】 発色に用いられるパルス長と発色濃度との
関係を示す図表である。
【符号の説明】
31 感熱紙 37 プラテンローラ 38 ベルト 51 金属基板 52 グレーズガラス層 53 部分グレーズ 54 コモン電極 55 第1発熱体 56 第2発熱体 58 個別電極 59 一括電極 60 制御回路 70 サーマルヘッド 71 個別電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷用紙を発熱体により加熱することに
    より発色させるプリンタ装置において、前記発熱体は、
    前記印刷用紙の発色に最小限必要とされるバイアスエネ
    ルギーを前記印刷用紙に与える一の発熱体と、この一の
    発熱体によりバイアスエネルギーが与えられた前記印刷
    用紙を所定の諧調の濃度で発色させるべくエネルギーを
    与える他の発熱体とから構成されたことを特徴とするサ
    ーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記印刷用紙の移動方向に沿って、前記
    一の発熱体を上流側とし、前記他の発熱体を下流側とし
    て、直列に配置したことを特徴とする請求項1に記載の
    サーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 基板の表面に印刷用紙の送り方向に沿っ
    て抵抗体のパターンを形成し、この抵抗体のパターンの
    両端を除く部分にコモン電極を接続し、このコモン電極
    と前記抵抗体のパターンの一端部との間を一の発熱体と
    し、このコモン電極と前記抵抗体のパターンの他端部と
    の間を他の発熱体としたことを特徴とする請求項2に記
    載のサーマルヘッド。
  4. 【請求項4】 前記一の発熱体の駆動回路は、前記バイ
    アスエネルギーをプリンタの使用条件に応じて補正する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載
    のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 前記回路は前記バイアスエネルギーを周
    囲温度およびライン履歴の少なくとも一方に基づいて補
    正することを特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記印刷用紙の移動方向に基づき、前記
    基板表面に形成された抵抗体のパターンと駆動回路との
    接続を変更することにより、この抵抗体のパターンにお
    ける前記一の発熱体の位置と他の発熱体の位置とが入れ
    換えられることを特徴とする請求項3ないし5のいずれ
    か一に記載のサーマルヘッド。
  7. 【請求項7】 印刷用紙を発熱体により加熱することに
    より印刷用紙を発色させるサーマルヘッドにおいて、発
    色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを前記印刷
    用紙に与える工程と、この工程によりバイアスエネルギ
    ーが与えられた前記印刷用紙を所定の諧調の濃度で発色
    させるべくエネルギーを与える工程とにより前記印刷用
    紙の所定の印刷を行うことを特徴とするサーマルヘッド
    の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記バイアスエネルギーを与える工程に
    おいて、周囲温度、ライン履歴、隣接ドットの距離の少
    なくとも一の条件に基づいて補正を行うことを特徴とす
    る請求項7に記載のサーマルヘッドの制御方法。
JP29691096A 1996-11-08 1996-11-08 サーマルヘッドおよびその制御方法 Expired - Fee Related JP3724082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29691096A JP3724082B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 サーマルヘッドおよびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29691096A JP3724082B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 サーマルヘッドおよびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10138543A true JPH10138543A (ja) 1998-05-26
JP3724082B2 JP3724082B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=17839755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29691096A Expired - Fee Related JP3724082B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 サーマルヘッドおよびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3724082B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005070683A1 (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Rohm Co., Ltd. サーマルプリントヘッド
US7212222B2 (en) 2004-03-09 2007-05-01 Fujifilm Corporation Thermal head and thermal printer

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005070683A1 (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Rohm Co., Ltd. サーマルプリントヘッド
US7352381B2 (en) 2004-01-26 2008-04-01 Rohm Co., Ltd. Thermal print head
US7212222B2 (en) 2004-03-09 2007-05-01 Fujifilm Corporation Thermal head and thermal printer

Also Published As

Publication number Publication date
JP3724082B2 (ja) 2005-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1036662B1 (en) Color printer and method of feeding paper to the same
US6339444B1 (en) Thermal heat and thermal printer
JP3724082B2 (ja) サーマルヘッドおよびその制御方法
JPS63134261A (ja) 記録装置
JP3231069B2 (ja) サーマルヘッド
JP2002046297A (ja) サーマルヘッド
JPH10138547A (ja) カラープリンタ
JP4114192B2 (ja) 熱転写カラープリンタ
JPH04220360A (ja) サーマルヘッド
JP2502298B2 (ja) 画像記録装置
KR100523273B1 (ko) 서멀헤드용 기판과 서멀헤드 및 이를 이용한 컬러프린터와 프린트 방법
JP2525579B2 (ja) 記録装置
JPH10278328A (ja) サーマルヘッド
JP2525576B2 (ja) 記録装置
JPH10278326A (ja) カラープリンタ
JP3120011B2 (ja) 電子写真記録装置
JP3358865B2 (ja) リライタブル性感熱記録シート用記録装置
JPH0741723B2 (ja) 画像記録装置
JPH08108552A (ja) 光定着型感熱記録装置及びその記録方法
JPS6313762A (ja) 記録装置
JP2002211019A (ja) 感熱プリンタ
JPH08238789A (ja) カラー感熱記録装置
JPH05220990A (ja) 多色感熱記録装置
JPH0199849A (ja) カラーインクジェット記録装置
JPH0569566A (ja) 多色感熱記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050912

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100930

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130930

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees