JP3724082B2 - サーマルヘッドおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラープリンタ等に好適なサーマルヘッド、および熱画像記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は直接感熱式フルカラープリンタに用いられるシングルラインサーマルヘッド基板の一従来例を示すものである。符号1はアルミナ基板で、このアルミナ基板1の表面の部分グレーズ部5の表面を中心として、薄膜技術やリソグラフィー技術を適用することにより発熱抵抗体2、個別電極3、およびコモン電極4が形成されている。また前記発熱抵抗体2は個別電極3を介してコントロールIC7に接続され、このコントロールICによって駆動されて発熱するようになっている。また前記コントロールIC7はフレキシブルプリント板6を介してプリンタ本体の制御部(図示略)に接続されていて、該制御部から供給されるデータに基づいて前記発熱抵抗体2をON/OFF制御するようになっている。また前記サーマルヘッド基板は両面粘着テープや接着剤などによってヒートシンク8に固定されている。
【0003】
一方、前記サーマルヘッドによって発色させられる感熱紙は、図7のような構造となっている。
すなわち、基材となる紙などの支持体11の表面に、シアン記録層12、マゼンダ記録層13、イエロー記録層14を順次積層し、その表面を耐熱保護層15で覆った構造となっている。前記シアン記録層12は、シアン顕色材16を主体として、その内部にマイクロカプセル17を分散させ、このマイクロカプセル17中に、前記シアン顕色材16と反応してこれを発色させるシアンロイコ染料18を封入した構造となっている。前記マゼンダ記録層13は、カプラー19を主体としてその内部にマイクロカプセル20を分散させ、このマイクロカプセル20中に、前記カプラー10と反応してマゼンダに発色するマゼンダジアゾ染料21を封入した構造となっている。前記イエロー記録層14は、イエローカップリング剤22にイエローマイクロカプセル23を分散させ、このイエローマイクロカプセル23中に、前記イエローカップリング剤22と反応して発色するイエロージアゾ染料24を封入した構造となっている。
【0004】
図9は、このように構成されたフルカラー感熱紙を用いたプリンターの一従来例を示すものである。符号30は用紙トレーであって、この用紙トレー30には、上記構成の感熱紙31が集積されている。これら集積状態の感熱紙31の上方には、この感熱紙の上面に接触して紙面方向(図9の右方向)へ摩擦力を作用させる繰り出しローラ32が設けられ、さらにこの繰り出しローラ32の送り出し方向前方には、ガイドプレート33が設けられていて感熱紙31を上方へ案内するようになっている。前記用紙トレー30の上方には、ローラ34、35、36、37に巻回されたベルト38が設けられている。これらのローラ34ないし37の内、ローラ36は、所定のタイミングで圧着されるローラ39との間で感熱紙31とベルト38とを挟持して図中矢印方向へ送るようになっている。また前記ローラ37はプラテンローラであって、サーマルヘッド25と対向して設けられている。
【0005】
前記ベルト38の外周には、用紙トレー30から送り出された感熱紙31をクランプするクランパ39が設けられており、このクランパ39により感熱紙31を挟持するようになっている。
【0006】
前記サーマルヘッド25より下流側の位置には、それぞれ所定波長の光線を感熱紙31の表面へ照射するYランプ40、Mランプ41が設けられている。なおこれらのランプ40、41の作用の詳細については後述する。これらのランプ40、41よりさらに下流側の位置であって、前記ローラ34の近傍には、このローラ34の周囲で屈曲したベルト38から離れて接線方向へ移動しようとする感熱紙31の先端を挟持して排出する一対の排紙ローラ42、43が設けられている。なお一方の排紙ローラ42の外周にはガイドプレート44が設けられていて、前記排紙ローラ42から送り出された印刷済みの感熱紙31を所定の排紙方向へ案内するようになっている。
【0007】
上記構成のプリンタにおけるカラー印刷の原理を図8および図9により説明する。
ベルト38のクランパ39に先端が挟持された感熱紙31は、プラテンローラ37まで送られる。感熱紙31の先端が前記プラテンローラ37を通過するタイミングで前記サーマルヘッド25が感熱紙25に圧接され、下記a)ないしe)の工程からなる処理が実行される。
a)イエロー記録層14を加熱すると、その内部のイエローカプセル23が熱により軟化し、その内部のイエロージアゾ染料24が透過してイエローカップリング剤22と反応し、発色する(イエロー記録層14におけるハッチング部分)。前記イエロージアゾ染料24の透過量は、図10に示すようにサーマルヘッド25から感熱紙31へ加えられるエネルギー量に比例しており、したがって、加えられるエネルギーによって、図10の特性によるイエローの濃度で発色する。また、マセンダマイクロカプセル20、およびシアンマイクロカプセル17は、いずれもイエローマイクロカプセル17より高い軟化に設定されているので、マセンダ記録層13、およびシアン記録層12が発色することはない。
【0008】
b)感熱紙31の先端がイエロー定着ランプ(Yランプ)40の位置に達すると、このイエロー定着ランプ40を点灯させ、この光によって図8bの処理が行われる。すなわち、未発色のイエロー染料を光で分解して発色能力を喪失させる。イエロー定着ランプ40は、波長420nmにピークを持つ光線によってイエロー染料を分解する。
c)ベルト38を周回させて感熱紙31を再度サーマルヘッド25へ送り、マゼンダ発色を行わせる。具体的には、マゼンダマイクロカプセル20が熱により軟化し、その内部のマゼンダジアゾ染料21がマゼンダカップリング剤19と反応し、発色する(マゼンダ記録層13におけるハッチング部分)。なお、シアンマイクロカプセル17の軟化温度は、前記マゼンダマイクロカプセル20の軟化温度より高く設定されているので、シアン記録層12が発色することはない。また、このマゼンダ染料21の透過量についても、前記イエローの場合と同様に図10に示すサーマルヘッド25から感熱紙31へ加えられるエネルギー量に比例しており、このエネルギー量に応じた濃度で発色する。
【0009】
d)感熱紙31の先端がマゼンダ定着ランプ(Mランプ)41の位置に達すると、マゼンダ定着ランプ41を点灯させ、この光によって図8dの処理が行われる。すなわち、未発色のマゼンダ染料を光で分解して発色能力を喪失させる。マゼンダ定着ランプ41は、波長365nmにピークを持つ光線によってマゼンダ染料を分解する。
e)ベルト38を周回させて感熱紙31を再度サーマルヘッド25へ送り、シアン発色を行わせる。具体的には、シアンマイクロカプセル17が熱により軟化し、その内部のシアンロイコ染料23がシアン顕色剤16と反応し、発色する(シアン記録層12におけるハッチング部分)。
【0010】
上記e)工程によるシアン発色によりフルカラープリントが完結すると、感熱紙31の先端をクランパ39から外し、排紙ローラ42、43の間に送り込んでガイドプレート44に沿って排出する。なお、必要に応じてベルト38を更に周回させ、イエロー定着ランプ40およびマゼンダ定着ランプ41による定着処理をさらに行うようにしてもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記方式のカラープリンタにあっては、各色の発色に必要な通電パルス長(エネルギー)と発色濃度との関係が
イエローのパルス長<マゼンダのパルス長<シアンのパルス長
という関係になっている。(図10参照)
ここで、各色が発色する直前の限界エネルギーをバイアスエネルギーと呼ぶこととすると、Y、M、C各色のバイアスエネルギーは、図10におけるPBY、PBM、PBCとなる。一方、各色について所定の諧調を表すために必要なエネルギーは、図9において、PGY、PGM、PGCで表されており、実際の発色では、PBY+PGY、PBM+PGM、PBC+PGCに対応するパルスがサーマルヘッド25に供給されている。
また、直接感熱方式の場合、図10から明かなように、各パルス間に次の関係が成立する。
PBM≒PBY+PG、PBC≒PBM+PG≒PBY+2PG ……(2)式
【0012】
また、正味プリント時間PTは次式で計算される。
PT={(PBYPG)+(PBMPG)+(PBC+PG)}×ライン数 ……(3)式
なおPTは、3色をプリントするために必要な正味の時間であって、実際のプリントでは用紙の取り込み、排出などの時間が含まれるため、このPTより長時間要することとなる。
したがって、図6に示すサーマルヘッドを用い、図7の感熱紙を用いてフルカラープリントする場合、プリントに要する時間は(3)式により定まり、プリント時間をこれ以上短縮することは不可能である。すなわち、この(3)式に基づき、単位時間あたりのプリント能力が決定されることになる。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、感熱紙の発色に必要なエネルギーが所定の値に設定された条件下で発色に必要なエネルギーを感熱紙に有効に作用させてプリントの所要時間の短縮、および、プリント能力の向上を図ることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、印刷用紙をサーマルヘッド発熱体により加熱することにより発色させるプリンタ装置において、一部を突出して形成した金属基板の突出部をコモン電極として、
前記突出部の両側に前記突出部が露出するように前記基板と一体に形成された部分グレーズを有する金属基板において、前記コモン電極を挟み両側に形成された二列の発熱体例を有するサーマルヘッドを用い、前記印刷用紙の発色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを一つの列の発熱体により与え、この一つの列の発熱体によりバイアスエネルギーが与えられた前記印刷用紙を他の列の発熱体で所定の階調の濃度で発色させるべくエネルギーを与える印刷用紙発色方法であることを特徴とする。
また請求項2は、前記バイアスエネルギーを与える工程において、周囲温度、ライン履歴、隣接ドットの距離の少なくとも一の条件に基づいて補正を行うことを特徴とする。
また請求項3のサーマルヘッドは、金属基板と一体に形成され、部分グレーズ上面に突出させた金属基板の突出部をコモン電極として、該コモン電極を挟み両側に形成された二列の発熱体列を有し、前記印刷用紙の発色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを一の列の発熱体により与え、他の列の発熱体で所定の階調の濃度で発色させるべくエネルギーを与えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中従来例と共通の構成には同一符号を付し、説明を簡略化する。
図1ないし図3は本発明の一実施形態を示すものである。
符号51はステンレス鋼などにより構成された金属基板で、この金属基板51の表面には、ガラスにより絶縁性のグレーズガラス52層が形成されている。前記グレーズガラス層52の一部は盛り上げられていて部分グレーズ53とされ、この部分グレーズ53の途中には、金属性のコモン電極54が埋め込まれて、その先端が部分グレーズ53の上面から露出している。このコモン電極54は、図示の場合前記金属基板51と一体に形成されている。すなわち、金属基板51を構成するステンレス鋼の一部が板状に形成されていて部分グレーズ53の上部に露出し、この露出部分がコモン電極54となっている。なお前記金属基板51には、従来例と同様にヒートシンク8が取り付けられていて、金属基板51の放熱を促進するようになっている。また、通常、金属基板51の裏面にも表面と同様にグレーズガラス層が形成されている。これはグレーズガラスの焼成に際しての金属基板51のそりを防止し、しかも、ヒートシンク8と金属基板51との絶縁のためである。
【0016】
前記部分グレーズ53の表面には、プリンタの各ラインに対応して、薄膜技術あるいは厚膜技術を用いて、多数の抵抗体のパターンが互いに平行に形成され、これらのパターンにおける前記コモン電極54を挟んだ両側の位置が、第1発熱体55と第2発熱体56となっている。前記第1発熱体55の一端は前記コモン電極54に接続され、また他端は、グレーズガラス層52の表面に形成された個別電極57にそれぞれ接続されている。すなわち部分グレーズ53の表面の抵抗体のパターンの中間部分にコモン電極54を接続することにより、このコモン電極54から一端側が第1発熱体55とされ、また、コモン電極54から他端側が第2発熱体56となっている。さらに、前記個別電極57はフレキシブルプリント板58を介して制御回路(図1において図示略)に接続されている。一方、前記第2発熱体56の一端は前記コモン電極54に接続され、また他端は、一括電極59を介してパワートランジスタなどのスイッチング手段(図1において図示略)に接続されている。そして、このスイッチング手段ON/OFFによって前記第2発熱体56がON/OFFされるようになっている。
【0017】
図1のサーマルヘッドを等価回路により示せば図2の通りである。すなわち、第1発熱体55と第2発熱体56とは各ドット毎に直列に接続されていて、第1発熱体55の一端と第2発熱体56の一端との接続点がコモン電極54を介して接地されている。前記第1発熱体55の他端は、個別電極57を介して制御回路(図示例ではコントロールIC)60に接続されている。この制御回路60は、前記各第1発熱体55と電源62との間に介在してこれらを所定の電流で駆動することにより、感熱紙を所定の諧調で発色させる。また第2発熱体56の他端はスイッチングトランジスタ61のコレクタに接続されている。このスイッチングトランジスタ61は、ベースに供給される信号により前記第2抵抗体56を電源63に接続するようになっている。すなわち前記スイッチングトランジスタ61がONとなることにより、第2発熱体56が所定の温度で発熱するようになっている。
【0018】
上記構成のサーマルヘッド70は、図5に示すように、従来のサーマルヘッドと同様にプリンタに取り付けられて使用される。すなわち、プラテンローラ37との間の感熱紙31に所定のエネルギーを与える処理を、ベルト38を走行させながらYMCの各色について繰り返すことにより、各色を所定の諧調で発色させるようになっている。
【0019】
次いで、上記サーマルヘッドによる発色作用を説明する。
まず発色に必要なエネルギーについて説明する。
従来例で説明したように、感熱紙31を所定の濃度で発色させるには、(3)式で示すパルス長が必要とされるが、ここに(2)式の関係を導入すると、
本発明では、上記(4)式における
3(PBY+PG) ……バイアスエネルギー
を第2発熱体56によって与え、
3PG ……諧調エネルギー
を第2発熱体56とは別個の第1発熱体55によって与えることとし、さらにバイアスエネルギーの単位時間あたりの密度を上げることにより、正味プリント時間PTをほぼ各色についての諧調エネルギーを与えるに必要な時間の和とほぼ等しい
PT≒3PG×ライン数 ……(5)
なる時間まで短縮することができる。なお、(5)式で定義される時間は(3)式で定義される時間の1/2ないし1/3となり、プリント時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0020】
各発熱体55、56に加える電圧の例を図3により説明する。
1ライン目に190諧調、2ライン目に64諧調を与えるべくプリントしようとする場合
A)Y色に対して、まず、前記1ドットに相当する距離だけ前の(上流側の)ラインにおいて、第2発熱体56に電圧V2 のプレヒートY色バイアスパルスを加え、次いで、第1発熱体55の1ライン目に190諧調、2ライン目に64諧調の電圧V1 のパルスを加える。
B)C色に対して、まず、前記各ラインの1ラインずつ前のラインにおいて、第2発熱体56に電圧V2 のプレヒートC色バイアスパルスを加える。このプレヒートC色バイアスパルスは、前述の発色原理に基づきC色のバイアスパルスがY色のバイアスパルスより大きいため、Y色の場合より長時間にわたってバイアスパルスが供給される。次いで、第1発熱体55に対して、前記Y色の場合と同様の長さの諧調パルスを加える。すなわち、第2発熱体56においてC色のバイアスエネルギーに対応した大きなエネルギーを供給したので、第1発熱体55において与えるべき諧調パルスの長さは各色とも同様となる。
なおM色については、Y色とC色の中間のバイアスエネルギーが必要とされるため、バイアスパルスの持続時間もこれらの中間の値となるが、このパルス波形の図示は省略する。
【0021】
なお、図示の場合第2発熱体56の長さとコモン電極54の幅との和(=L)を1ドットの長さと同じに設定したことに起因して前記第2発熱体56への電圧の印加を1ドット前の位置で行ったが、前記Lの値を2ドット、3ドット、4ドットあるいはそれ以上のドット数に対応する値とした場合には、それぞれ、2ドット、3ドット、4ドットあるいはそれ以上上流の位置から1ドット前までの複数ラインにまたがってバイアスパルスを加えることができる。また、図示の場合、パルス長(パルスの印加時間)によって各色に必要なバイアスエネルギーを調整するようにしたが、パワートランジスタ61のベース電流を制御して、第2発熱体56の印加電圧を調整することによりバイアスエネルギーを調整するようにしてもよい。
【0022】
図4は本発明の他の実施形態を示すものである。
このサーマルヘッドはいわゆるダブルライン型であって、図1の例で一括電極59に接続されていた第2発熱体56を個別電極71を介して個別に制御回路(図示略)へ接続したものである。この実施形態においては、第1発熱体55おより第2発熱体56をいずれもライン毎に個別に制御することができるから、第1発熱体55、第2発熱体56をバイアスパルス用および諧調パルス用の両方に使用することができる。したがって、第1発熱体55側から第2発熱体56側へ感熱紙が移動する場合、およびその逆方向へ移動する場合のいずれの場合にも前記一実施形態の場合と同様のプレヒートを行ってプリントの所要時間を短縮することができる。すなわち、ダブルライン型のサーマルヘッドに設けられている第1、第2の発熱体のいずれか一方をバイアスエネルギー付与のためのプレヒートに用いる場合にも本発明の技術を適用することができる。
【0023】
なお、本発明の技術は、感熱プリンタ、昇華プリンタ、溶融プリンタなどの各種方式の熱転写プリンタに適用することができるのはもちろんである。また熱転写プリンタで必要とされる周囲温度補正、ライン履歴補正、隣接ドット補正などの各種の補正を行う場合、バイアスエネルギーを付与するためのプレヒートの段階でバイアスパルスのエネルギーを調整することにより行うのが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明で明かなように、本発明は、印刷用紙の移動方向上流側に設けられた一の発熱体とその下流側に設けられれた他の発熱体とによって印刷用紙を加熱しているから、前記一の発熱体によって発色に必要な最小限のエネルギーを印刷用紙に与え、前記他の発熱体によって所定の諧調で発色するためのエネルギーを印刷用紙に与えるようにしたから、一の発熱体によって印刷用紙をプレヒートしておくことにより、他の発熱体から最小限のエネルギーを供給するだけで印刷用紙を所定の濃度で発色させることができ、したがって、印刷に要する時間を短縮してプリンタをスピードアップすることができる。また、他の発熱体に供給すべき電流が少なくて済むから、他の発熱体を駆動する回路として少電流仕様の半導体素子を用いることができ、全体としてサーマルヘッドのコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態におけるサーマルヘッド部分の斜視図である。
【図2】 図1のサーマルヘッドと等価回路の回路図である。
【図3】 駆動電流の波形図である。
【図4】 他の実施形態のサーマルヘッドの側面図である。
【図5】 図1のサーマルヘッドを用いたプリンタの側面図である。
【図6】 一従来例におけるサーマルヘッド部分の斜視図である。
【図7】 感熱紙の構成を示す断面図である。
【図8】 画像形成プロセスの説明図である。
【図9】 一従来例のプリンタの側面図である。
【図10】 発色に用いられるパルス長と発色濃度との関係を示す図表である。
【符号の説明】
31 感熱紙 37 プラテンローラ
38 ベルト 51 金属基板
52 グレーズガラス層 53 部分グレーズ
54 コモン電極 55 第1発熱体
56 第2発熱体 58 個別電極
59 一括電極 60 制御回路
70 サーマルヘッド 71 個別電極
Claims (3)
- 印刷用紙をサーマルヘッド発熱体により加熱することにより発色させるプリンタ装置において、
一部を突出して形成した金属基板の突出部をコモン電極として、
前記突出部の両側に前記突出部が露出するように前記基板と一体に形成された部分グレーズを有する金属基板において、
前記コモン電極を挟み両側に形成された二列の発熱体列を有するサーマルヘッドを用い、
前記印刷用紙の発色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを一つの列の発熱体により与え、
この一つの列の発熱体によりバイアスエネルギーが与えられた前記印刷用紙を他の列の発熱体で所定の階調の濃度で発色させるべくエネルギーを与える印刷用紙発色方法であることを特徴とするサーマルヘッドの制御方法。 - 前記バイアスエネルギーを与える工程において、周囲温度、ライン履歴、隣接ドットの距離の少なくとも一の条件に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッドの制御方法。
- 請求項1に記載の制御方法による印刷用紙発色方法に用いられるサーマルヘッドであって、
金属基板と一体に形成され、部分グレーズ上面に突出させた金属基板の突出部をコモン電極として、
該コモン電極を挟み両側に形成された二列の発熱体列を有し、
前記印刷用紙の発色に最小限必要とされるバイアスエネルギーを一の列の発熱体により与え、
他の列の発熱体で所定の階調の濃度で発色させるべくエネルギーを与えることを特徴とするサーマルヘッド。
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