JPH0810849A - 電気電子部品用板条材及びその製造方法 - Google Patents

電気電子部品用板条材及びその製造方法

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JPH0810849A
JPH0810849A JP14998894A JP14998894A JPH0810849A JP H0810849 A JPH0810849 A JP H0810849A JP 14998894 A JP14998894 A JP 14998894A JP 14998894 A JP14998894 A JP 14998894A JP H0810849 A JPH0810849 A JP H0810849A
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隆 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平坦性が優れ、リードフレームに加工する工
程及びリードフレームに加工した後の熱処理工程におけ
るリードの変形が発生しにくく、リードフレーム材料と
して好適の電気電子部品用板条材を提供する。 【構成】 圧延材10をテンションレベラーに2回通
す。この場合に、第1のテンションレベラー工程におい
ては、圧延材10に加える張力(平均張力)を約15k
gf/mm2 とし伸びが一定になるようにして、圧延材
10の急峻度を1%以下にする。また、第2のテンショ
ンレベラー工程においては、圧延材10に加える張力を
第1のテンションレベラー工程における張力の1/3以
下(例えば、5kgf/mm2 )に設定して、圧延方向
に平行の断面及び直交する断面における厚さ方向の残留
応力分布において、夫々圧縮応力の絶対値と引張応力の
絶対値との和を12kgf/mm2 以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリードフレームの材料と
して好適の電気電子部品用板条材及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ICリードフレーム等の電気電子部品用
の金属又は合金製のテープ、板又は条(以下、板条材と
いう)は、通常、圧延により製造されている。ICリー
ドフレーム用板条材には、ワイヤボンディング工程等で
の不良の発生を回避するために平坦性が要求される。こ
のため、従来、ICリードフレーム用板条材の製造工程
には、圧延により形成された板条材をテンションレベラ
ーに通して歪を矯正する工程が設けられている(特開平
4−94815号)。この場合に、残留応力をより一層
確実に除去するために、テンションレベラー工程の前及
び/又は後に低温焼鈍が実施されることもある。ICリ
ードフレームは、このようにして歪を矯正した板条材を
所定の幅に切断した後、エッチング加工又はスタンピン
グ加工により所定の形状に成形加工することにより製造
されている。なお、最終圧延材からリードフレームに成
形するまでの間には、脱脂、酸洗及び研磨等の処理が適
宜実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法により製造された従来の電気電子部品用板条材に
は、以下に示す問題点がある。図6(a),(b)はい
ずれもIC(集積回路装置)の一部分を示す斜視図であ
る。これらのICは、リードフレームのアイランド部に
半導体チップを搭載し、樹脂等により前記半導体チップ
をモールドすることにより形成される。この場合に、図
6(a)に示すように、アウターリード14がモールド
部13から水平方向に直線状に導出される場合と、図6
(b)に示すように、樹脂モールド部15から導出され
たアウターリード16がクランク状に曲げ成形される場
合とがある。このようなICの製造工程において、従来
の板条材をリードフレームの形状に加工する工程及びリ
ードフレームに加工した後の熱処理工程において、リー
ドフレームが変形し、リード14,16がリードフレー
ムの板厚方向及び板幅方向に変形する。従来、ICのリ
ード14,16の板厚方向のコプラナリティーは20μ
mを超え、板幅方向のコプラナリティーは30μmを超
えていた。なお、コプラナリティーとは、平坦度のこと
であり、板の表面において最も高い部分と、最も低い部
分との高低差である。
【0004】このようなリードの変形は、板条材の残留
応力に起因して発生する。図7は、従来のリードフレー
ム用板条材の圧延方向に平行の断面における厚さ方向の
残留応力分布を示す模式図である。この図7に示すよう
に、板条材11の厚さ方向の中央部に残留する引張応力
(正の値)と、端部に残留する圧縮応力(負の値)との
絶対値の和(A)が大きい。また、これと同様に、従来
の電気電子部品用板条材においては、板厚方向及び圧延
時の板幅方向の残留応力が大きく且つ均一でない。この
ため、板条材の状態では引張応力と圧縮応力とがバラン
スしているため変形は発生しないが、リードフレーム等
に加工する工程及び加工した後の熱処理工程において引
張応力と圧縮応力とのバランスが崩れ、板厚方向及び板
幅方向に変形が発生する。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、残留応力が小さいと共に均一であり、例え
ばリードフレームに加工する工程又はリードフレームに
加工した後の熱処理工程においてリードの変形が発生し
にくい電気電子部品用板条材及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気電子部
品用板条材は、金属又は合金のテープ、板又は条からな
る板条材であって、圧延方向に平行の断面及び直交する
断面における厚さ方向の残留応力分布において、夫々圧
縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和が12kgf
/mm2 以下であることを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る電気電子部品用板条材
の製造方法は、金属又は合金のテープ、板又は条からな
る板条材をテンションレベラーに通し波状の歪の高さを
波のピッチで除して得られる急峻度を1.0%以下にす
る第1のテンションレベラー工程と、この第1のテンシ
ョンレベラー工程終了後の前記板条材を張力を一定に維
持してテンションレベラーに通し、圧延方向に平行の断
面及び直交する断面における厚さ方向の残留応力分布に
おいて、夫々圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との
和を12kgf/mm2 以下にする第2のテンションレ
ベラー工程と、を有することを特徴とする。
【0008】更に、本発明に係る電気電子部品用板条材
の他の製造方法は、金属又は合金のテープ、板又は条か
らなる板条材をテンションレベラーに通す第1のテンシ
ョンレベラー工程と、この第1のテンションレベラー工
程終了後の前記板条材を前記第1のテンションレベラー
工程における張力の1/3以下の張力でテンションレベ
ラーに通し、圧延方向に平行の断面及び直交する断面に
おける厚さ方向の残留応力分布において、夫々圧縮応力
の絶対値と引張応力の絶対値との和を12kgf/mm
2 以下にする第2のテンションレベラー工程と、を有す
ることを特徴とする。
【0009】なお、急峻度は、板条材に生じる波状の歪
の高さを波のピッチで除して得られるものである。具体
的には、図8に示すように、テープ、板又は条からなる
板条材に発生した波状の歪の波底間の距離をL、高さを
Hとした場合に、急峻度=(H/L)×100で表され
る。
【0010】また、本願において厚さ方向の残留応力分
布における圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和
とは、厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の最大
値の絶対値と引張応力の最大値の絶対値との和をいう。
【0011】更に、第1及び第2のテンションレベラー
工程は例えば2台のテンションレベラーにより連続的に
実施してもよく、また個別的に(不連続に)実施しても
よい。
【0012】
【作用】本願発明者等は、テープ、板又は矩形断面をも
つ条材からなる電気電子部品用板条材から形成したリー
ドフレームのリードの変形を抑制すべく種々実験研究を
行った。その結果、例えばリードフレームにおいて、
0.4mmのピッチで配列されるリードのコプラナリテ
ィーを20μm以下にするためには、リードフレームの
圧延方向に平行の断面及び直交する断面における厚さ方
向の残留応力分布において、圧縮応力の絶対値と引張応
力との絶対値との和をいずれも12kgf/mm2 以下
にすることが必要であることが判明した。
【0013】また、本願発明者等は、テンションレベラ
ーによる歪矯正時に板条材に加える張力を低く設定する
と、厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の絶対値
と引張応力の絶対値との和が小さくなるとの知見を得
た。しかし、テンションレベラーに通すときの張力を低
減すると、板条材の歪を矯正することができない。
【0014】そこで、本願の第1の発明方法において
は、先ず、第1のテンションレベラー工程として、板条
材を比較的大きな張力を加えつつテンションレベラーに
通して急峻度を1.0%以下にすることにより、リード
フレーム等の電気電子部品用板条材として要求される平
坦性を確保する。この第1のテンションレベラー工程終
了後の板条材は、平坦性は良好であるものの、その厚さ
方向の応力分布における残留応力が比較的大きい。この
残留応力を低減するために、第2のテンションレベラー
工程として、張力を一定に維持しつつ、板条材をテンシ
ョンレベラーに通す。これにより、残留応力を低減する
ことができ、圧延方向に平行の断面及び直交する断面に
おける厚さ方向の残留応力分布において、夫々圧縮応力
の絶対値と引張応力の絶対値との和を12kgf/mm
2 以下にする。これにより、例えば、リードフレームに
おいて、0.4mmのピッチで配列されたリードのコプ
ラナリティーを20μm以下にすることができる。
【0015】また、本願の第2の発明方法においては、
先ず、第1のテンションレベラー工程において、板条材
を比較的大きな張力を加えつつテンションレベラーに通
して所望の平坦性を確保し、次いで、第2のテンション
レベラー工程において、板条材に第1のテンションレベ
ラー工程における張力の1/3以下の張力を加えつつテ
ンションレベラーに通し、圧延方向に平行の断面及び直
交する断面における厚さ方向の残留応力分布において、
夫々圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和を12
kgf/mm2 以下にする。これにより、例えば板条材
をリードフレームに加工する工程及び加工後の熱処理工
程におけるリードの変形も小さくすることができる。
【0016】上述の第1及び第2の発明方法において、
第1のテンションレベラー工程における張力を大きくす
るほど板条材の急峻度は小さくなるが、張力が大きすぎ
ると第1のテンションレベラー工程後の材料の残留応力
が大きくなって、第2のテンションレベラー工程で残留
応力を小さくするためには第2のテンションレベラー工
程における張力を第1のテンションレベラー工程におけ
る張力の1/3近傍にする必要があり、残留応力を十分
に低減することが難しくなる。このため、第1のテンシ
ョンレベラー工程における張力は9〜25kgf/mm
2 程度とすることが好ましい。また、第2のテンション
レベラー工程における張力を3〜8kgf/mm2 とす
ることにより、より一層確実に残留応力を小さくするこ
とができる。更に、テンションレベラーのワークロール
として小径(16mm以下)のものを使用すると、残留
応力を更に小さくすることができる。
【0017】なお、本発明は、主にリードフレームに使
用されるCu合金を対象としているが、その他の金属又
は合金に適用することもできる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係る電気
電子部品用板条材の製造方法において使用するテンショ
ンレベラーを示す模式図である。このテンションレベラ
ーは、複数本のワークロール1と、第1及び第2の中間
ロール2,3とにより構成されており、ワークロール1
は、図2に示すように、入側のロール1のロール咬み込
み量x1 が大きく、後段のロール1ほどロール咬み込み
量xn が小さくなるように設定している。第1及び第2
の中間ロール2,3は、第1のワークロールの曲げ応力
に対する強度を補強するために設けられている。また、
テンションレベラーの入側及び出側には夫々複数本のロ
ールにより構成されたブライドル部4,5が設けられて
いる。これらのブライドル部4,5の各ロールのテンシ
ョンを調整する等の方法により、ブライドル部4,5間
の被処理材(圧延材10)の張力を調整することができ
るようになっている。
【0019】一方、処理すべき最終圧延材10(例え
ば、Cu合金圧延材)はロール6に巻取られている。圧
延材10はこのロール6から巻解かれて入側ブライドル
部4を構成する各ロール間に掛け渡され、テンションレ
ベラーのワークロール1間を通過し、更に出側ブライド
ル部5を構成する各ロール間に掛け渡された後、巻取ロ
ール7に巻取られるようになっている。
【0020】本実施例においては、先ず、第1のテンシ
ョンレベラー工程として、圧延材10の伸びを一定(例
えば、0.25%又は0.3%)に保って、この圧延材
10をテンションレベラーに通す。この場合に、張力は
変動(振動)するが、平均張力を例えば15kgf/m
2 とする。
【0021】図3は、横軸に板条材に加える張力(ユニ
ットテンション)をとり、縦軸に急峻度をとって、抗張
力が相互に異なる3種類の板条材(A材、B材及びC
材)におけるユニットテンションと急峻度との関係を示
すグラフ図である。なお、A材はB材の約1.5倍の抗
張力を有する板条材であり、C材はB材の約0.5倍の
抗張力を有する板条材である。この図3に示すように板
条材に加える張力を大きくすると、板条材の急峻度は小
さくなる。リードフレームとして使用する場合は、急峻
度を1%以下とする。板条材の抗張力により張力の好ま
しい範囲は異なるが、張力が大きすぎると、第2のテン
ションレベラー工程で残留応力を十分に低減することが
難しくなる。このため、第1のテンションレベラー工程
において板条材(圧延材10)に加える張力は9〜25
kgf/mm2 程度とすることが好ましい。
【0022】次いで、第2のテンションレベラー工程と
して、圧延材10に加える張力を第1のテンションレベ
ラー工程における張力の1/3以下に設定し、張力が一
定となるようにブライドル部4,5を調整して圧延材1
0をテンションレベラーに通す。この場合に、残留応力
を低減することだけを考えると、張力を0とすることが
好ましい。しかし、張力を0とすると、テンションレベ
ラー内で圧延材10の横流れが発生する。このため、横
流れが発生しない程度の最低限の張力を印加することは
必要である。具体的には、第2のテンションレベラー工
程における張力は、3〜8.3kgf/mm2 とするこ
とが好ましい。
【0023】このように、第2のテンションレベラー工
程における張力を第1のテンションレベラー工程におけ
る張力の1/3以下と小さくすることにより、圧延材1
0の厚さ方向の残留応力分布における圧縮応力の絶対値
と引張応力の絶対値との和を小さくすることができる。
【0024】図4は、横軸に第2のテンションレベラー
工程におけるワークロールの直径をとり、縦軸に圧縮応
力の絶対値と引張応力の絶対値との和をとって、両者の
関係を示すグラフ図である。但し、第1のテンションレ
ベラー工程における張力は15kgf/mm2 、ワーク
ロールの直径は16mmであり、第2のテンションレベ
ラー工程における張力は4.5kgf/mm2 である。
また、第1のテンションレベラー工程のみを行った板条
材の圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和は約2
2kgf/mm2 である。この図4から、第2のテンシ
ョンレベラー工程におけるワークロールの直径を16m
m以下とすることにより、圧縮応力の絶対値と引張応力
の絶対値との和を12kgf/mm2 以下とすることが
できることがわかる。
【0025】図5は、このようにして第1及び第2のテ
ンションレベラー工程を経た板条材の圧延方向に平行の
断面における厚さ方向の残留応力分布を示す模式図であ
る。この図5に示すように、本実施例方法により製造し
た板条材11は、圧縮応力及び引張応力がいずれも小さ
い。また、通常、圧延方向に直交する断面においては、
圧延方向に平行な断面に比して残留応力が小さくなる。
このようにして、圧延方向に平行の断面及び直交する断
面において、夫々圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値
との和を12kgf/mm2 以下とすることにより、リ
ードフレームに加工する工程及びリードフレームに加工
した後の熱処理工程におけるリードの変形を抑制するこ
とができる。
【0026】次に、本発明の実施例方法により実際にリ
ードフレーム用板条材を製造し、この板条材から形成し
たリードフレームのリードの板厚方向及び板幅方向の変
形を調べた結果について、従来例及び比較例と比較して
説明する。
【0027】原料材として、Cu合金(Cu−3.2重
量%Ni−0.7重量%Si−1.25重量%Sn−
0.2重量%Zn)からなり、板厚が0.127mmの
薄板を用意した。この薄板を下記表1に示す張力を加え
つつ、実施例1〜4及び比較例1については2回、従来
例1,2については1回だけテンションレベラーに通し
た。この場合に、実施例4の第2のテンションレベラー
工程におけるワークロール径は12mmであり、それ以
外のテンションレベラー工程におけるのワークロール径
はいずれも16mmである。また、従来例2では、テン
ションレベラーを通した後に低温焼鈍(380℃×2時
間)を施した。
【0028】このようにして歪矯正を行った薄板から、
リードフレームを形成した。このリードフレームのリー
ド配列ピッチは0.4mmである。そして、圧延方向
(L)及び圧延方向に直交する方向(幅方向:C)に残
留する残留応力の厚さ方向の分布を調べ、圧縮応力の絶
対値と引張応力の絶対値との和を求めた。即ち、(L)
は、圧延方向に平行の断面における残留応力であり、
(C)は圧延方向に直交する断面における残留応力であ
る。その結果を、表1の残留応力の欄に示す。また、リ
ードの板厚方向及び板幅方向の変形量を3次元工具顕微
鏡にて測定した。その結果も表1に併せて示す。
【0029】
【表1】
【0030】この表1から明らかなように、比較例1及
び従来例1,2はいずれも圧延方向に平行の断面におけ
る残留応力(圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との
和)が14kgf/mm2 以上であり、リードの板厚方
向の変形量が夫々23μm、60μm及び37μmと大
きいのに対し、本発明の実施例においては、圧延方向に
平行の断面及び直交する断面における残留応力がいずれ
も12kgf/mm2以下であり、リードの板厚及び板
幅方向の変形量がいずれも17μm以下と小さい。これ
により、本発明は、リードフレームに使用する電気電子
部品用板条材の製造に極めて有用であることが明らかで
ある。
【0031】なお、上述の実施例1〜4においては、い
ずれもテンションレベラー工程の前及び後に熱処理工程
を有していないが、テンションレベラー工程の前及び/
又は後に熱処理工程を加えてもよい。
【0032】また、本発明に係る電気電子部品用板条材
は前述した銅合金に限定されるものでないことは勿論で
あり、本発明は銅及び銅合金の外に、アルミニウム及び
アルミニウム合金並びに42アロイ等に適用することも
できる。また、第1及び第2のテンションレベラー工程
は、例えば2台のテンションレベラーにより連続的に実
施してもよく、又は、1台のテンションレベラーにより
第1のテンションレベラー工程を実施した後、張力を調
整して前記テンションレベラーにより第2のテンション
レベラー工程を実施してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電気電
子部品用板条材は、圧延方向に平行の断面及び直交する
断面における厚さ方向の残留応力分布において圧縮応力
の絶対値と引張応力の絶対値との和を所定値以下に規制
したから、リードフレームに加工する工程及び加工後の
熱処理工程におけるリードの変形も少ない。
【0034】また、本発明に係る電気電子部品用板条材
の製造方法は、第1のテンションレベラー工程で板条材
の急峻度を1%以下とし、第2のテンションレベラー工
程で前記板条材の圧延方向に平行の断面及び直交する断
面における厚さ方向の残留応力分布において圧縮応力の
絶対値と引張応力の絶対値との和を所定値以下にするか
ら、平坦性が優れていると共に、リードフレームに加工
する工程及びリードフレームに加工した後の熱処理工程
におけるリードの変形も少ない電気電子部品用板条材を
得ることができる。
【0035】更に、本発明の他の電気電子部品用板条材
の製造方法は、板条材を第1及び第2のテンションレベ
ラー工程で夫々テンションレベラーに通し、第2のテン
ションレベラー工程においては第1のテンションレベラ
ー工程における張力の1/3以下の低い張力でテンショ
ンレベラーに通すから、平坦性が優れていると共に、残
留応力を小さくできて、リードフレーム加工する工程及
び加工後の熱処理工程におけるリードの変形が極めて少
ない電気電子部品用板条材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電気電子部品用板条材の
製造方法において使用するテンションレベラーを示す模
式図である。
【図2】テンションレベラーのワークロールの配置を示
す模式図である。
【図3】板条材に加える張力(ユニットテンション)と
急峻度との関係を示すグラフ図である。
【図4】第2のテンションレベラー工程におけるワーク
ロールの直径と残留応力との関係を示すグラフ図であ
る。
【図5】第1及び第2のテンションレベラー工程を経た
板条材の圧延方向に平行の断面における厚さ方向の残留
応力分布を示す図である。
【図6】ICの一部を示す斜視図である。
【図7】従来の電気電子部品用板条材の圧延方向に平行
の断面における厚さ方向の残留応力分布を示す図であ
る。
【図8】急峻度を示す模式図である。
【符号の説明】
1;ワークロール 2,3;中間ロール 4,5;ブライドル部 10;圧延材 11;板条材 13,15;モールド部 14,16;リード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は合金のテープ、板又は条からな
    る板条材であって、圧延方向に平行の断面及び直交する
    断面における厚さ方向の残留応力分布において、夫々圧
    縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との和が12kgf
    /mm2 以下であることを特徴とする電気電子部品用板
    条材。
  2. 【請求項2】 前記金属又は合金はCu合金であること
    を特徴とする請求項1に記載の電気電子部品用板条材。
  3. 【請求項3】 金属又は合金のテープ、板又は条からな
    る板条材をテンションレベラーに通し波状の歪の高さを
    波のピッチで除して得られる急峻度を1.0%以下にす
    る第1のテンションレベラー工程と、この第1のテンシ
    ョンレベラー工程終了後の前記板条材を張力を一定に維
    持してテンションレベラーに通し、圧延方向に平行の断
    面及び直交する断面における厚さ方向の残留応力分布に
    おいて、夫々圧縮応力の絶対値と引張応力の絶対値との
    和を12kgf/mm2 以下にする第2のテンションレ
    ベラー工程と、を有することを特徴とする電気電子部品
    用板条材の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属又は合金のテープ、板又は条からな
    る板条材をテンションレベラーに通す第1のテンション
    レベラー工程と、この第1のテンションレベラー工程終
    了後の前記板条材を前記第1のテンションレベラー工程
    における張力の1/3以下の張力でテンションレベラー
    に通し、圧延方向に平行の断面及び直交する断面におけ
    る厚さ方向の残留応力分布において、夫々圧縮応力の絶
    対値と引張応力の絶対値との和を12kgf/mm2
    下にする第2のテンションレベラー工程と、を有するこ
    とを特徴とする電気電子部品用板条材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のテンションレベラー工程にお
    けるテンションレベラーのワークロール径が16mm以
    下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気
    電子部品用板条材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属又は合金はCu合金であること
    を特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電
    気電子部品用板条材の製造方法。
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