JPH08105221A - 住 宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 住人および客の住宅内における動線をスムー
ズにして、接客や住宅への出入りを効率的に行なうこと
ができる住宅を提供することを目的としている。 【構成】 玄関土間3と居室側土間5とを連続させること
により、住人あるいは客は履き物を脱がずに玄関1から
居室6に移動することができ、また、居室6が、居室側土
間5を介して、住宅の庭または住宅の外側に面している
ので、居室5からすぐに庭または外側に出入りすること
ができるので、動線がスムーズになるとともに、接客や
住宅への出入りを効率的に行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、玄関土間と居室側土間
とを連続させて、住人および客の住宅内における動線
（人の動きを示すもの）をスムーズにした住宅に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、住宅においては、訪問客を玄関
に招き入れ、当該玄関で用を足すか、あるいは玄関から
応接室等の居室内に訪問客を招き入れて接客を行なうよ
うにしている。ところが、近所の親しい住人で比較的頻
繁に住宅に訪れる訪問客の場合、履き物を脱いで住宅に
上がるまでもないが、玄関先では落ち着いて会話をする
ことができない場合が多い。このような場合、客を外側
に面した居室前に住宅の外側から案内して、当該客に居
室前の土間等に腰掛けてもらい、そこで、接客をするよ
うにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
場合、訪問客が玄関に訪れた後、一旦玄関を出て住宅の
外側を回って外側に面する居室前に移動しなければなら
ないので、客の動線がスムーズでないばかりか、居室前
での接客中に降雨があった場合、訪問客に迷惑をかけて
しまうことがある。また、住人が住宅に出入りする場合
も、玄関から出入りするよりむしろ居室から直接出入り
する方が、動線としてスムーズな場合や、住人において
は、履き物を脱がずに玄関から居室に移動して、居室内
に居る他の住人と簡単な会話をして、再び外出したいと
いう場合があるが、従来、このような要望を同時に満た
す住宅はなかった。

【０００４】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、住人および客の住宅内における動線をスムーズにし
て、接客や住宅への出入りを効率的に行なうことができ
る住宅を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１の住宅は、玄関の玄関土間と居室
側の居室側土間とを連続して設け、居室が、前記居室側
土間を介して、住宅の庭または住宅の外側に面している
ものである。

【０００６】請求項２の住宅は、請求項１において、前
記居室側土間の壁に、居室側土間から外側に出入り可能
な扉を設けたものである。

【０００７】請求項３の住宅は、請求項１または２にお
いて、玄関土間と居室との間に目隠し用の家具を設けた
ものである。

【０００８】請求項４の住宅は、請求項１から３のいず
れかにおいて、居室側土間に居室側広縁を接続したもの
である。

【０００９】請求項５の住宅は、請求項１から４のいず
れかにおいて、居室をリビング、食堂、和室のいずれか
にしたものである。

【００１０】

【作用】本発明の請求項１の住宅にあっては、玄関の玄
関土間と居室側の居室側土間とを連続して設けること
で、玄関に招き入れた客を必要に応じて、玄関土間から
居室側土間に招き入れる。よって、訪問客は玄関を出る
ことなく、居室側に移動することができるので、客の動
線がスムーズになる。また、居室が、居室側土間を介し
て、住宅の庭または住宅の外側に面しているので、居室
からすぐに庭または外側に出入りすることができる。

【００１１】さらに、玄関土間と居室側土間とが連続し
ているので、履き物を脱がずに玄関から居室に移動する
ことができ、よって、住人あるいは客の動線がスムーズ
になる。加えて、居室側土間で接客を行なうことによ
り、接客中に降雨があっても訪問客に迷惑をかけること
がない。

【００１２】請求項２の住宅にあっては居室側土間の壁
に、居室側土間から外側に出入り可能な扉を設けること
により、玄関および居室側土間の両方から住宅に出入り
することができ、適宜、住宅への出入りの方向を選択す
ることにより動線がスムーズなもとなる。

【００１３】請求項３の住宅にあっては、玄関土間と居
室との間に設けられた目隠し用の家具によって、玄関土
間側および居室側においては家具として使用しながら、
玄関土間と居室との間の視線を遮断することができ、こ
れにより、玄関土間と居室側土間とを連続して設けて
も、玄関土間から直接居室内が覗かれることがない。

【００１４】請求項４の住宅にあっては、居室側土間に
居室側広縁を接続することにより、玄関土間から居室側
土間を通して直接広縁に移動することができ、この広縁
で簡単な接客を行なう場合においても、動線がスムーズ
なものとなる。

【００１５】請求項５の住宅にあっては、居室をリビン
グ、食堂、和室のいずれかにすることにより、これら居
室から居室側土間を横断して、すぐに庭または外側に出
入りすることができる。また、居室を食堂とすれば、庭
で食事をする際に、食事道具等を簡単に運び出すことが
でき、居室を和室とすれば、和室から庭の自然を眺める
ことができ、和室に自然を取り込んでその雰囲気が豊か
なものとなる。

【００１６】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の住宅の実施例
を説明する。図１は第１実施例を示すもので、図中符号
１は玄関を示す。この玄関１は両開き式の玄関扉２を有
しており、この玄関扉２の内側に玄関土間３が設けら
れ、この玄関土間３の北側に玄関ホール４が設けられて
いる。玄関土間３は玄関ホール４より所定高さだけ低く
形成されている。

【００１７】前記玄関土間３には、東西に延びる居室側
土間５が連続して設けられており、この居室側土間５の
北側には食堂（居室）６が設けられている。この食堂６
は、前記玄関１の東側に隣接するもので、食堂６と玄関
１の玄関土間３との間には目隠し用の家具７が設けら
れ、この家具７によって、食堂６側においては食器棚等
の家具、玄関土間３側においては下駄箱等の家具として
使用しながら、玄関土間３と食堂６との間の視線を遮断
するようになっている。また、食堂６と玄関１のホール
４との間を仕切る壁には、食堂６側においては食器棚８
ａが設けられ、玄関ホール４側においては、下駄箱１０
が設けられている。また、食堂６の中央部にはダイニン
グテーブル１１が設けられ、食堂６の東側にはキッチン
１２が設けられている。なお、キッチン１２と食堂６と
の間には、食器棚８ａが設けられている。

【００１８】前記食堂６と居室側土間５との間には、引
き違い式の扉１３が設けられており、この扉１３によ
り、食堂６と居室側土間５と開閉自在に仕切るようにな
っている。また、居室側土間５の外側を向く壁５ａに
は、居室側土間５から外側に出入り可能な扉１４が設け
られている。この扉１４は両開き式のもので、その両脇
にはめ殺し式の窓１４ａ，１４ａが設けられ、これら窓
１４ａ，１４ａから居室側土間５に採光を確保するよう
になっている。

【００１９】前記居室側土間５の壁５ａの外側には、庭
１５が設けられており、この庭１５には前記扉１４を介
して居室側土間５から出入りできるようになっている。
つまり、玄関土間３から居室側土間５へ移動してきた住
人、客等は、必要に応じて、前記扉１３を開けて食堂６
に入るか、あるいは、扉１４を開けて庭１５に入るよう
な選択ができるようになっている。なお、庭１５には、
簡単なテーブル１６ａと椅子１６ｂが設置されている。

【００２０】また、玄関ホール４の北側には、東西に延
びる廊下１７が設けられており、この廊下１７は、前記
食堂６に通じている。したがって、玄関扉２から入って
きた住人、客等は食堂６に行く場合、履き物を脱いで、
玄関ホール４、廊下１７を移動して、食堂６に行くか、
あるいは、履き物を履いたまま玄関土間３から居室側土
間５を移動して、食堂６の前に行き、そこで、履き物を
脱いで食堂６に上がるかの２通りの選択を行なうことが
きるようになっている。なお、前記廊下１７の玄関側の
突き当たりには、収納部１８が設けられている。

【００２１】上記実施例の住宅では、玄関土間３と居室
側土間５とを連続させているので、玄関１に招き入れた
客を必要に応じて、玄関土間３から居室側土間５に招き
入れることができる。したがって、訪問客は玄関１を出
ることなく、食堂６側に移動することができるので、客
の動線がスムーズになる。特に、家庭をあずかる主婦は
食堂６からキッチン１２近傍に居る場合が多く、また、
近所の主婦を招く場合も食堂６に通すことが多いので、
このような場合に、履き物をはいたままで客をスムーズ
に食堂６に案内することができ、近所付き合い等を円滑
に行なうことができる。また、玄関土間３と居室側土間
５とが連続しているので、履き物を脱がずに玄関１から
食堂６に移動することができ、よって、住人あるいは客
の動線がスムーズになり、さらに、居室側土間５で接客
を行なうことにより、接客中に降雨があっても訪問客に
迷惑をかけることがない。

【００２２】また、居室側土間５から庭１５に出入り可
能な扉１４を設けたので、玄関１および居室側土間５の
両方から住宅に出入りすることができ、適宜、住宅への
出入りの方向を選択することにより動線がスムーズなも
となる。加えて、食堂６が、居室側土間５を介して、庭
１５に面しているので、食堂６からからすぐに庭に出入
りすることができる。特に、庭１５で食事をする際に、
食事道具等を簡単に運び出すことができる。また、食堂
６から庭１５の景観を見ることができるので、この庭１
５の自然を食堂に取り入れることができ、また、居室側
土間５に観用植物を置くことにより、食堂６のインテリ
アの演出に役立てることができる。

【００２３】また、子供を玄関１から出入りさせること
なく、庭１５から扉１４を介して出入りさせるようにす
れば、食堂６近傍に居る母親と子供との出会いの回数が
増加するので、親子の対話の時間を簡単に持つことがで
きる。さらに、玄関土間３と食堂６との間に設けられた
目隠し用の家具７によって、玄関土間３と食堂６との間
の視線を遮断することができ、これにより、玄関土間３
と居室側土間５とを連続して設けても、玄関土間３から
直接食堂６内が覗かれることがない。

【００２４】図２は本発明の住宅の第２実施例を示すも
ので、図中符号２０は玄関を示す。この玄関２０は引き
違い式の玄関扉２１を有しており、この玄関扉２１の内
側に玄関土間２２が設けられ、この玄関土間２２の東側
に玄関ホール２３が設けられている。玄関土間２２は玄
関ホール２３より所定高さだけ低く形成されている。な
お、玄関土間２２の西側の壁には窓２２ａが設けられ、
この窓２２ａから玄関１に採光を確保するようになって
いる。

【００２５】前記玄関土間２２には、南北に延びる居室
側土間２５が連続して設けられており、この居室側土間
２５の東側には和室２６が設けられている。この和室２
６は玄関ホール２３の南側に隣接するもので、該和室２
６内には、その北側に床間２７と押入２８とが隣接して
設けられている。また、和室２６の東側の壁には、片開
き式の引戸２９が設けられ、また、西側の壁には左右一
対の片開き式の引戸３０，３０が設けられている。そし
て、この引戸３０，３０により、和室２６と居室側土間
２５とを開閉自在に仕切るようになっている。

【００２６】また、居室側土間２５の外側を向く壁２５
ａには、居室側土間２５から外側に出入り可能な引戸３
１が設けられている。この引戸３１は引き違い式のもの
で、当該引戸３１から外側に出入りできるようになって
いる。前記和室２６の南側には、東西に延びる広縁（居
室側広縁）３３が設けられており、この広縁３３と和室
２６との間には引き違い式の引戸３４が設けられてい
る。

【００２７】前記広縁３３の南側の壁には引き違い式の
引戸３５が設けられ、また、東側の壁には片開き式の扉
３６が設けられ、これら引戸３５および扉３６から出入
りができるようになっている。また、広縁３３の西側の
端部と、前記居室側土間２５の南側の端部とは接続され
ており、居室側土間２５の南側端部には、広縁３３に上
がるための踏み石３７が設置されている。

【００２８】本実施例の住宅では、前記第１実施例と同
様に、玄関土間２２と居室側土間２５とを連続させてい
るので、玄関１に招き入れた客を必要に応じて、玄関土
間２２から居室側土間２５に招き入れることができる。
したがって、訪問客は玄関２０を出ることなく、和室２
６側に移動することができるので、客の動線がスムーズ
になる。

【００２９】また、居室側土間２５から外側に出入り可
能な引戸３１を設けたので、玄関２０および居室側土間
２５の両方から住宅に出入りすることができ、適宜、住
宅への出入りの方向を選択することにより動線がスムー
ズなもとなる。加えて、和室２６が、居室側土間２５を
介して、外側に面しているので、和室２６６からからす
ぐに外側に出入りすることができる。

【００３０】さらに、居室側土間２５に広縁３３を接続
したので、玄関土間か２２ら居室側土間２５を通して直
接広縁３３に移動することができ、この広縁３３で簡単
な接客を行なう場合においても、動線がスムーズなもの
となる。また、広縁３３には引戸３５および扉３６を設
けたので、この広縁３３から外側に出入りすることがで
きる。

【００３１】なお、上記第２実施例では、居室側土間２
５は外側に面しているが、当該居室側土間２５を庭に面
するようにすれば、和室２６から庭の自然を眺めること
ができ、和室２６に自然を取り込んでその雰囲気が豊か
なものとなる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
の住宅によれば、玄関土間と居室側土間とを連続させて
いるので、玄関に招き入れた客を必要に応じて、玄関土
間から居室側土間に招き入れることができる。したがっ
て、訪問客は玄関を出ることなく、居室側に移動するこ
とができるので、客の動線がスムーズになり、また、住
人あるいは客は履き物を脱がずに玄関から居室に移動す
ることができ、よって、動線がスムーズになる。

【００３３】また、居室が、居室側土間を介して、住宅
の庭または住宅の外側に面しているので、居室からすぐ
に庭または外側に出入りすることができる。さらに、居
室側土間で接客を行なうことにより、接客中に降雨があ
っても訪問客に迷惑をかけることがない。

【００３４】請求項２の住宅によれば、居室側土間の壁
に、居室側土間から外側に出入り可能な扉を設けたの
で、住人あるいは客は玄関および居室側土間の両方から
住宅に出入りすることができる。つまり、適宜、住宅へ
の出入りの方向を選択することができるので、より動線
がスムーズなもとなる。

【００３５】請求項３の住宅によれば、玄関土間と居室
との間に設けられた目隠し用の家具によって、玄関土間
側および居室側においては家具として使用しながら、玄
関土間と居室との間の視線を遮断することができる。し
たがって、玄関土間と居室側土間とを連続して設けて
も、玄関土間から直接居室内が覗かれることがなく、プ
ライバシーを守ことができる。

【００３６】請求項４の住宅によれば、居室側土間に居
室側広縁を接続したので、履き物を脱がずに、玄関土間
から居室側土間を通して直接広縁に移動することがで
き、この広縁で簡単な接客を行なう場合においても、動
線がスムーズなものとなる。

【００３７】請求項５の住宅によれば、居室をリビン
グ、食堂、和室のいずれかにしたので、これら居室から
居室側土間を横断して、すぐに庭または外側に出入りす
ることができる。また、居室を食堂とすれば、庭で食事
をする際に、食事道具等を簡単に運び出すことができ、
居室を和室とすれば、和室から庭の自然を眺めることが
でき、和室に自然を取り込んでその雰囲気が豊かなもの
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の住宅の第１実施例を示すもので、住宅
の要部を示す平面図である。

【図２】本発明の住宅の第１実施例を示すもので、住宅
の要部を示す平面図である。

【符号の説明】

１，２０ 玄関 ３，２２ 玄関土間 ５，２５ 居室側土間 ６ 食堂（居室） １４ 扉 １５ 庭 ２６ 和室（居室） ３１ 引戸 ３３ 広縁

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 玄関の玄関土間と居室側の居室側土間と
   を連続して設け、居室が、前記居室側土間を介して、住
   宅の庭または住宅の外側に面していることを特徴とする
   住宅。
2. 【請求項２】 請求項１記載の住宅において、前記居室
   側土間の壁には、居室側土間から外側に出入り可能な扉
   が設けられていることを特徴とする住宅。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の住宅において、
   玄関土間と居室との間に目隠し用の家具が設けられてい
   ることを特徴とする住宅。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の住宅
   において、居室側土間に居室側広縁が接続されているこ
   とを特徴とする住宅。
5. 【請求項５】 請求項１から４のいずれかに記載の住宅
   において、居室がリビング、食堂、和室のいずれかであ
   ることを特徴とする住宅。