しかしながら、特許文献1に記載される二世帯住宅では、各世帯のプライバシーを確保するため各世帯専用のLDK又はDKの間に共有スペースを設けており、世帯間のコミュニケーションを図るには、各世帯が意識的に共有スペースを使用する必要がある。
また、二世帯住宅は、同居する各世帯間のコミュニケーションをコンセプトに設けられることはあるが、子供と、子供の親及び子供の祖父母と、のコミュニケーションをコンセプトに設けられる二世帯住宅は少ない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、各世帯のプライバシーを確保しつつ、無意識的に各世帯のコミュニケーションを図りやすくし、また、空間の使用方法によって、子供と、子供の親及び子供の祖父母と、のコミュニケーションを図りやすくし且つ季節やシーンによってバリエーション豊かな暮らしができる二世帯住宅を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に掛かる住宅は、上階に、アウトドアリビング、上階ダイニング及び上階キッチンを有する上階LDKと、下階に、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンを有する下階LDKと、を設ける住宅であって、前記上階LDKと、前記下階LDKと、が吹き抜けによって繋がっており、前記インナーリビングに、前記上階LDKに繋がる階段を設けることを特徴とする。
さらに、前記階段から見る前記上階LDKが設けられる方向は、前記階段から見る前記下階LDKが設けられる方向と異なる方向であることを特徴とする。
さらに、前記インナーリビングの前記階段に差し掛かる場所に、下階のフロアレベルより高く床が形成されるステージが設けられていることを特徴とする。
さらに、前記ステージの上方が、前記吹き抜けとなっていることを特徴とする。
さらに、前記インナーリビング、前記下階ダイニング及び前記下階キッチンから目視できる位置に前記階段の出入口及び前記ステージが設けられることを特徴とする。
さらに、前記ステージは机を備え、前記机の、前記インナーリビング、前記下階ダイニング及び前記下階キッチンから目視できる側面に、テレビを取り付ける機構を有することを特徴とする。
さらに、前記下階LDKは、こもり感のある子供の居所を設けており、前記こもり感のある子供の居所は、前記ステージに隣接し、前記インナーリビングの角に突出するように設けられる空間であって、四方を壁に囲われ、前記ステージに面する壁に解放された出入口と、前記インナーリビング、前記下階ダイニング及び前記下階キッチンから、前記インナーリビング及び前記下階ダイニングに設けられる窓を介して目視できる前記こもり感のある子供の居所の壁に開口部と、を設け、当該開口部は、前記窓及び当該開口部を介して、前記インナーリビング、前記下階ダイニング及び前記下階キッチンから、前記こもり感のある子供の居所の内部が一部目視できる位置に設けられることを特徴とする。
さらに、前記こもり感のある子供の居所の床の高さは、前記ステージと同じ高さであることを特徴とする。
本発明に係る住宅によると、上階LDKと、下階LDKと、が階段によって繋がっているため、別世帯が生活するLDKに簡単に移動でき、コミュニケーションが図りやすい。そして、吹き抜けを介して上階LDKと、下階LDKと、の一部が互いに目視可能であり、互いの音を聞くことができるため、例えば、子世帯は子世帯専用LDKでくつろぎながら、親世帯専用LDKの様子を窺うことができ、必要に応じてすぐに親世帯専用LDKへと移動することができる。また、アウトドアリビング及びインナーリビングを二世帯が共有使用することで、普段はインナーリビングで過ごし、天候、季節及び気分によってアウトドアリビングを使用することで、暮らし方にバリエーションを持たせることができる。また、上階LDKと、下階LDKと、が繋がっていることで、アウトドアリビングと、インナーリビングと、の移動が容易であり、アウトドアリビング及びインナーリビングに客人を招き、上下階の空間の広がりを活用した大人数でのホームパーティーが行え、暮らし方にバリエーションを持たせることができる。
さらに、上階LDKと、下階LDKと、が階段を挟んで異なる方向に設けられるため、上階LDKと、下階LDKと、を上下に重ねて設ける住宅に比べ、上階LDKの中心と、下階LDKの中心と、が離れる。これにより、上階LDKでくつろぐ世帯と、下階LDKでくつろぐ世帯と、必要以上に近づけることなくプライバシーが確保される。また、アウトドアリビング及びインナーリビングを二世帯が共有使用する場合は、空間の横の広がりを感じることができ、より開放的にアウトドアリビング及びインナーリビングを使用することができる。
さらに、ステージを設けることで、上階LDKと、下階LDKと、が緩やかにつながる印象を与える。また、上階LDKから階段を使用し下階LDKに降りるとステージに立つことになり、下階LDKを高い目線から目視できる。そのため、下階LDKにいる人を見つけやすくなる。
さらに、上階LDKからは、吹き抜けを介して下階LDKのステージ周辺のみが目視できるため、下階LDKのプライバシーを確保できる。
さらに、ステージは、床が下階のフロアレベルより高く、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンから目視できるため、注目を浴びやすい。よって、イベントやパーティーなどで、下階全体に話しかける場合などに活用することができ、例えば、家庭内での催し物や客人を招いたパーティーでのあいさつなどに活用できる。
さらに、ステージに机を設けることで、ステージをオープンな子供の居所として活用可能にする。ステージは、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンから目視可能で、床が下階のフロアレベルより高いため、ステージにいる子供と、インナーリビング、下階ダイニング又は下階キッチンにいる大人と、の目線が近くなりコミュニケーションが取りやすく、子供がステージに設けた机で勉強及び遊ぶことで、子供は大人が見え安心でき、大人は子供を見守りつつ、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンで作業ができる。また、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンから見えるステージに設けられた机は、テレビ台として見えるため、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンの雰囲気を損なわない。さらに、上階LDK及び下階LDKを行き来するときに、ステージを通過するため、ステージをオープンな子供の居所として活用すると、上階LDK及び下階LDKを行き来する度にオープンな子供の居所にいる子供とコミュニケーションが図れる。そして、オープンな子供の居所の上方が吹き抜けとなっている場合は、上階LDKから吹き抜けを介して、オープンな子供の居所にいる子供を目視できる。
さらに、こもり感のある子供の居所は、子供にとってプライベートな空間であって、気分や、遊び及び学びといった用途によってオープンな子供の居所と、こもり感のある子供の居所と、を使い分けることで、自立心を成長させることができ、こもり感のある子供の居所に設けられる開口部を介して、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンから、こもり感のある子供の居所の一部内部が目視可能であって、こもり感のある子供の居所の出入口から、こもり感のある子供の居所内部の音が聞こえるため、こもり感のある子供の居所にいる子供の様子が分かり、大人は安心してインナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンで作業ができる。また、こもり感のある子供の居所が、勉強道具や遊び道具で乱雑になったとしても、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンからこもり感のある子供の居所の全体は目視できないため、インナーリビング、下階ダイニング及び下階キッチンの雰囲気が損なわれることはない。
さらに、こもり感のある子供の居所の床の高さを、オープンな子供の居所の床の高さと同じにすることで、子供がオープンな子供の居所と、こもり感のある子供の居所と、を行き来することを行い易くし、また、段差に躓き転倒することを防止する。
本発明に係る住宅の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ、図1及び図2に示す方角を基に説明する。本実施形態に係る住宅1は、一階1Fには親世帯が、二階2Fには子供を有する子世帯が、住むことを想定した二世帯住宅であって、図1に示すように、一階1Fは、インナーリビング111、ダイニング112及びキッチン113を同一空間に設けるLDK11と、玄関ホール14と、寝室15と、和室16と、玄関17と、空間181と、洗面所182と、浴室183と、トイレ184と、から構成される。
図1に示すように、玄関17は住宅1の南側から入ることができ、玄関17は北と、東と、に伸びるL字状の土間であり、玄関17の北に伸びる土間の北側にシューズクローク141が設けられる。玄関17の東に伸びる土間の北側と、玄関14の北に伸びる土間の東側と、シューズクローク141の東側と、に隣接してホール14が設けられ、シューズクローク141は、ホール14と、玄関17と、どちらからでも出入りができるようになされている。そして、ホール14の北側に隣接して和室16と、寝室15と、が設けられ、和室16は、一階1Fの北西隅であって、ホール14の北側から出入りができるようになされ、和室16の西側の壁には、掃き出し窓16wが設けられる。寝室15は、和室16の東側に隣接して設けられ、ホール14の北側から出入りができるようになされ、寝室15の南東隅には、南東に突出するウォークインクローゼット151が設けられる。また、ホール14の西側は、LDK11に繋がっている。
図1に示すように、LDK11は、ホール14から西に進んだ位置に設けられ、キッチン113は、一階1Fの北東隅であって、北側の壁には、掃き出し窓11w3が設けられ、東側の壁沿いには、作業机113d、冷蔵庫113fr及び食器棚113sが備えられ、キッチン113の南端から、北側に伸びるアイランド式のキッチン台113tと、キッチン台113tの北側に隣接してパントリー113pと、が設けられ、キッチン台113tと、パントリー113pと、は同じ奥行であり、キッチン台113t及びパントリー113pは、キッチン台113t及びパントリー113pの東側に立ち、西を向いて使用できるように設けられ、キッチン台113t及びパントリー113pの東側及び西側に、同じ幅の南北方向に移動するための動線が確保され、パントリー113pと、掃き出し窓11w3と、の間の東西方向に移動するための動線が確保されるように設けられる。また、掃き出し窓11w3の北側には、洗濯物を干すことを想定したテラス11b2が設けられ、料理及び洗濯の家事動線をキッチン113まわりに集めることで、作業の効率化を図っている。
図1に示すように、ダイニング112は、一階1Fの南東隅であって、キッチン113の南側に隣接して設けられ、南側の壁には、掃き出し窓11w1が設けられ、東側の壁は、キッチン113の東側の壁と同じ壁であって、東側の壁沿いには、食器棚113sが備えられ、キッチン台113tの南側に隣接してダイニングテーブル112tが備えられる。ダイニングテーブル112tは、キッチン台113と同じ奥行であり長尺なテーブルであって、南北方向に長い向きで備えられる。よって、パントリー113p、キッチン台113t及びダイニングテーブル112tは、南北方向に一直線になるようにキッチン113及びダイニング112に備えられ、家事動線を遮らないようになされている。
図1に示すように、インナーリビング111は、ホール14の東側且つキッチン113及びダイニング112の西側に隣接し、インナーリビング111の南西隅が南に突出するように設けられ、インナーリビング111の東側には、リビングテーブル111tと、リビングテーブル111tを囲うように南側及び西側を向いて座るソファー111sと、が備えられ、南側の壁の一部は、ダイニング112の南側の壁と同じ壁であって、掃き出し窓11w1の西側に連続して並ぶように掃き出し窓11w2が設けられ、掃き出し窓11w1及び掃き出し窓11w2の南側の外部空間にはテラス11b1が設けられ、西側の壁沿いには、北に向かって上がることで二階2FのLDK21に繋がる階段12s2が設けられる。階段12s2は、一段目を西に向かって上り、三段目以上を北に向かって上るように形成される回り階段であって、階段12s2の一段目は、ダイニング112の南壁沿いを西に向かって真っすぐ進んだ先に設けられ、LDK11と、LDK21と、の行き来を行いやすくし、子世帯と、親世帯と、のコミュニケーションが図りやすくなされている。
そして、インナーリビング111の階段12s2に差し掛かる場所であり階段12s2の東側に、ステージ12が設けられる。ステージ12の床12fの高さは、一階1Fのフロアレベル11fより高く形成され、ステージ12には、北東隅に南北に長い机12dが備えられ、図3に示すように、ステージ12の上方は、吹き抜け12aで2階2Fのホール26と繋がり、ステージ12の北端且つ机12dの西側と、ステージ12の東端且つ机12dの南側と、には、ステージに上るための2段のステップ12sが設けられ、ステージ12によって、1階1Fと、2階2Fと、の高低差を縮め、LDK11と、LDK21と、が緩やかにつながる印象を与え、一階1Fと二階2Fとの行き来を行いやすくなされている。ステージ12は、インナーリビング111の端に設けられ、床が高く形成されていることから、インナーリビング111、ダイニング112及びキッチン113の全体が見渡せLDK11にいる人を見つけやすくなる。例えば、一階1Fと、二階2Fと、を活用して大人数のホームパーティーの際に、下階LDKいる人の中から探している人をすぐに見つけることができる。また、家庭内での催し物やパーティーでのあいさつなどに活用できる。
図1及び4に示すように、机12dは、東を向いて椅子に座して作業ができるように備えられ、図5に示すように、机12dの南側部分であって西側側面に、椅子を収納するスペース12dcを有し、机12dの南側部分であって東側側面に、テレビ12dtを取り付けるための機構12d1と、収納12d2と、を有し、机12dの北側部分であって東側側面に、収納12d3を有する。机12dをステージ12に載置したとき、椅子を収納するスペース12dcに当たるステージ12の床12fは、上面のみが東側に飛び出すように形成され、ステージ12上に載置される椅子に座して、机12dに着けるようになされており、東側に飛び出した床12fの下に、東側面にフラップ扉12doを備えた収納12d2が設けられ、収納12d2の上であって、椅子を収納するスペース12dcの東側に、テレビ12dtを取り付けるための機構12d1が設けられ、機構12d1によってテレビ12dtが取り付けられる。机12dの北側部分には、内部に棚板12dbを備え、東側面に蝶番12dhによって回動可能に固定される開き戸12ddを備えた収納12d3が設けられる。
図4に示すように、ステージ12に机12dを備えることで、ステージ12をオープンな子供の居所12としても活用できるようになされており、ステージ12は、インナーリビング111、ダイニング112及びキッチン113から目視でき、床が高く形成され、机12dは東を向いて使用できるように載置されているため、
LDK11で作業する大人pは、オープンな子供の居所12にいる子供cを視界に入れやすく、そして、オープンな子供の居所12にいる子供cは、LDK11で作業する大人pを視界に入れやすい。よって、大人pと、子供cと、は、コミュニケーションが図りやすく、オープンな子供の居所12にいる子供cと、LDK11で作業する大人pと、は、互いの存在を認識しつつ、自分の作業を行うことができる。さらに、階段12s2で1階1Fと、2階2Fと、を行き来するたびにオープンな子供の居所12を通ることになり、子供と親、子供と祖父母のコミュニケーションをとる機会が増える。
また、インナーリビング111及びアウトドアリビング211を各世帯専用のリビングとして使用する場合は、子供にとって祖父母である大人世帯が生活するLDK11にオープンな子供の居所12を設けるため、子供と、子供の祖父母と、のコミュニケーションを図りやすくなされ、子供の両親が外出しているときに、子供と、子供の祖父母と、が一緒にLDK11で過ごすことで、子供は一人で寂しい思いをすることはなく、図3に示すように、オープンな子供の居所12はホール26から目視可能であって、LDK21にいる親とのコミュニケーションも図れる。そして、机12dは、インナーリビング111の東側、ダイニング112及びキッチン113から見える側面に、テレビを備えることで、インナーリビング111の東側、ダイニング112及びキッチン113からは、テレビ台として見え、LDK11の雰囲気を損なうことはない。
図1及び図4に示すように、インナーリビング111の南西隅であって南側に突出する空間に、ステージ12の床12fの高さと同じ床の高さであるこもり感のある子供の居所13が設けられ、こもり感のある子供の居所13は東側と、西側と、南側と、北側と、を壁に囲われ、北側の壁には、ステージ12と繋がるドアを備えない開放された出入口13dが設けられ、南側の壁沿いには、収納用の棚13sが備えられ、西側には、リビングクローゼット131が設けられ、東側の壁には、腰窓13wが設けられる。図6に示すように、腰窓13wはキッチン台113t、ダイニングテーブル112t及びソファー111sから、掃き出し窓11w1又は掃き出し窓11w2を介して、目視できる位置であって、さらに、キッチン台113t、ダイニングテーブル112t及びソファー111sから、掃き出し窓11w1又は掃き出し窓11w2と、腰窓13wと、を介してこもり感のある子供の居所13の内部の一部が目視できる位置に設けられる。
壁に囲われたこもり感のある子どもの居所は、子供にとってプライベートな空間であって、オープンな子供の居所12と、こもり感のある子供の居所13と、が隣接し、段差なく出入口12dによって繋がっていることで、子供は気分や、遊び及び学びといった用途によって簡単に使い分けることが可能である。LDK11で作業する大人pは、インナーリビング111の東側、ダイニング112及びキッチン113から、ドアを備えない出入口13dを介して、こもり感のある子供の居所13の内部の一部を見ることができ、掃き出し窓11w1又は掃き出し窓11w2と、腰窓13wと、を介して、こもり感のある子供の居所13の内部の一部を見ることができ、ドアを備えない出入口13dから、こもり感のある子供の居所13の音が聞こえてくることで、こもり感のある子供の居所13の内部の状況を確認することができる。また、こもり感のある子供の居所13には、収納が設けられており、オープンな子供の居所12に広がる子供の勉強道具及び遊び道具を片付けることができ、こもり感のある子供の居所13は、LDK11から全体を見ることができないため、こもり感のある子供の居所13が乱雑であっても、LDK11の雰囲気を損なうことはない。そして、階段12s2で1階1Fと、2階2Fと、を行き来するたびにこもり感のある子供の居所13の入口を横切るため、こもり感のある子供の居所13の内部全体の様子を目視することができる。
図1に示すように、空間181と、洗面所182と、浴室183と、トイレ184と、は、寝室15の東側且つインナーリビング111の北側且つキッチン113の西側に隣接して設けられ、キッチンを形成する西側の壁から空間181に出入りができるようになされ、空間181の南側に隣接してトイレ184が設けられ、空間181の西側に隣接して洗面所182が設けられ、洗面所182の北側に隣接して浴室183が設けられ、空間181からトイレ184と、洗面所182と、に出入りができるようになされ、洗面所182から浴室183に出入りができるようになされる。よって、一階1Fの水回りが空間181によって繋がっており、一階1Fの家事動線が短くなされている。また、玄関14からLDK11に移動する動線、インナーリビング111及びダイニング112からは、トイレ184、洗面所182及び浴室183を横切ることがなく、キッチン113からも空間181を介してトイレ184、洗面所182及び浴室183に繋がっているため、LDKの雰囲気を損なうことがなく、客人を招いても生活感を見られる心配はない。そして、家事動線をキッチン113の北側に集めることで、作業の効率化を図っている。
図2に示すように、二階2Fは、アウトドアリビング211、ダイニング212及びキッチン213を同一空間に設けるLDK21と、寝室27と、部屋28と、部屋29と、ユーティリティールーム24と、サニタリールーム25と、浴室251と、から構成される。
図2に示すように、LDK21は、二階2Fの西側に設けられ、キッチン213は、二階2Fの北西隅に設けられ、キッチン213の西側の壁沿いには、食器や料理器具を収納できる棚21s2が備えられ、北側の壁には、腰窓213w1及び腰窓213w2を設け、北側の壁沿いであって、腰窓213w1及び腰窓213w2の下方に天板を料理作業に利用でき、食器や料理器具を収納できる棚213sが備えられ、キッチン213の南端には、東西方向に長い対面式のキッチン台213tが南を向いて料理できるように設けられ、キッチン台213tの西側を通って、キッチン213と、キッチン213の南側に隣接して設けられるダイニング212と、が行き来できるようになされ、キッチン台213tの北側から東向きに進むと、食品庫23が設けられており、食品庫23の西側の壁には、ドアを備えない出入口が設けられ、キッチン台213tの北側と、食品庫23と、が一直線に出入りができるようになされ、北側の壁沿いには、食品を収納する棚23sが備えられ、南側の壁沿いには、冷蔵庫23frが備えられる。また、キッチン213の天井は、南側に向かって下がる勾配天井となっており、キッチン213の床は、2階2Fのフロアレベルから一段低く形成される。
図2に示すように、ダイニング212は、キッチン213の南側に隣接し、一部を南東に突出するように設けられる。ダイニング212の北端には、キッチン台213tの南側に隣接して、キッチン台213tと同じ幅のカウンター212cが設けられ、カウンター212cの南側にソファー212sが備えられ、ソファー212sで囲むようになされたダイニングテーブル212tが備えられ、西側の壁には、収納棚21s1が備えられ、南側の壁には掃き出し窓212wが設けられる。ダイニング212の南東に突出し形成される空間はホール26であって、ホール26の北側には、サニタリールーム25と通じる出入口が設けられ、東側には、部屋28及び部屋29に通じる通路261と、寝室27との出入口と、が設けられ、ホール26の南側には、一階1Fと繋がる階段12s2が設けられ、階段12s2の東側には、手摺り26hが設けられ、手摺り26hの南側は吹き抜け12aとなっており、図3に示すように、1階1Fのステージ12周辺を見下ろすことができ、LDK11の全体が目視できるわけではないため、LDK11のプライバシーが確保されており、ステージ12からは、ホール26周辺を見上げることができ、LDK21の全体が目視できないため、LDK21のプライバシーが確保される。また、ダイニング212の北側の天井は、キッチン213の天井と同じ北側に向かって下がる勾配天井となっている。
図2に示すように、アウトドアリビング211は、外部空間であって、ダイニング212の南側に隣接し、一部を南東に突出するように設けられ、ダイニング212の掃き出し窓212wから出入りができるようになされている。アウトドアリビング211の西側及び南側には、手摺り211hが設けられ、中央には、リビングテーブル211t及びソファー211sが備えられる。アウトドアリビング211の南東に突出した空間221は、四方を外壁によって囲われ、西側の外壁にはアウトドアリビング211の中央と繋がる出入口が設けられ、北側の外壁には、窓221wが設けられ、窓221wの北側は階段12s2となっており、外部からは見えずに、階段12s2に自然光を取り入れることができ、空間221は、外部からは見えないため洗濯物を干したり、アウトドア用品を収納したりすることができる。また、アウトドアリビング211の天井は、南側に向かって下がる勾配天井となっており、アウトドアリビング211の北端からアウトドアリビング211の中央にかけては、通常の天井に比べ高く形成され、解放感を感じることができ、勾配天井によって、アウトドアリビング211の南端の天井が低くなることで、風雨を遮り、住宅1の外部からの視線を遮断しつつも、手摺り211hを透明素材にすることで見晴らしを確保している。
図1及び図2に示すように、LDK11は、階段12s2から見て東側に設けられ、LDK21は、階段12s2から見て西側に設けられることで、階段12s2によって繋がってはいるが、LDK11と、LDK21と、を必要以上に近づけないことで、各LDKで過ごす世帯のプライバシーを確保している。また、インナーリビング111及びアウトドアリビング211を共有する場合は、インナーリビング111と、アウトドアリビング211と、を移動するときに、空間の横の広がりを感じることができる。また、図1、図2及び図3に示すように、LDK11と、LDK21と、が階段12s2と、吹き抜け12aと、によって繋がり、インナーリビング111から階段12s2を上り、ホール26から数歩西に進むだけでアウトドアリビング211の入り口である掃き出し窓212wに着くため、インナーリビング111と、アウトドアリビング211と、の移動が容易であるため、二世帯がインナーリビング111と、アウトドアリビング211と、を共有し、天気や気分によってインナーリビング111と、アウトドアリビング211と、を使い分けることが簡単にでき、また、インナーリビング111と、アウトドアリビング211と、に客人を招いて縦と、横と、の空間の広がりを活用した大人数のパーティーを開くことが可能である。
図2に示すように、ユーティリティールーム24は、キッチン213の食品庫23の東側に隣接して設けられ、北側の壁沿いには、アイロン台として使用できる机24tが備えられ、南西隅には、洗濯機24lが備えられ、東側の壁沿いには、アメニティーグッズ、タオル及び着替えなどを収納できる棚24sが備えられ、西側の壁には、キッチン213の食品庫23と出入りできるようになされた出入口が設けられ、南側は、サニタリールーム25と出入りができるようになされている。また、ユーティリティールーム24の天井は、北に向かって下がる勾配天井となっており、ユーティリティールーム24の床は、キッチン213の床の高さと同じ高さであって、2階2Fのフロアレベルから一段低く形成される。そして、ユーティリティールーム24の勾配天井には、天窓が設けられる。
図2に示すように、サニタリールーム25は、ユーティリティールーム24の南側且つホール26の北側に隣接して設けられ、サニタリールーム25の西側に隣接して浴室251が設けられ、サニタリールーム25の西側から浴室251と出入りができるようになされている。サニタリールーム25の東側の壁沿いには、洗面台25sが設けられ、北側は、ユーティリティールーム24と出入りができるようになされ、南側は、ホール26と出入りができるようになされ、また、サニタリールーム25の天井は、北に向かって下がる勾配天井となっており、サニタリールーム25の勾配天井には、天窓が設けられる。
図2に示すように、寝室27は、二階2Fの南東隅であって、吹き抜け12aの東側且つ通路261の南側に隣接して設けられ、ホール26の東側から出入りができるようになされ、寝室27の南東隅に、東に突出するようにウォークインクローゼット271が設けられ、西側の壁沿いの南側には、本屋や小物が収納できる棚27sが備えられ、南側の壁の西側にはベンチ窓27wbが設けられ、ベンチ窓27wdに座したまま棚27sに収納された本を取出し読むことができる。そして、南側の壁の東側には、掃き出し窓27wが設けられ、掃き出し窓27w及びベンチ窓27wbの南側には、ベランダ27bが設けられている。また、寝室27のベッドを載置することが想定される北東側の天井は、南側に向かって下がる勾配天井となっており、北側を枕にしてベッドに寝たときに、視界に入る天井が高くようになされている。
図2に示すように、部屋28は二階2Fの北東隅であって、ウォークインクローゼット271の北側に隣接して設けられ、ウォークインクローゼット271の北側及び通路261の東側から出入りができるようになされ、部屋28は書斎や収納に使用できる空間であって、部屋28の北東側の天井は北側に向かって下がる勾配天井となっている。
図2に示すように、部屋29は、部屋28の西側且つ通路261の北側に隣接して設けられる空間291と、空間291から北西に突出するように設けられる空間292と、から構成され、通路261の北側から空間291に出入りができるようになされている。空間292の天井は、北側に向かって下がる勾配天井となっており、空間291を子供部屋とし、空間292を子供のウォークインクローゼットとして使用することや、空間291を作業部屋とし、空間292を物置して使用することができる。
上記はあくまで本発明に係る住宅の一実施形態を示したものであるため、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。