JPH08103652A - 白金及び/又はパラジウムの吸着剤並びに回収方法 - Google Patents

白金及び/又はパラジウムの吸着剤並びに回収方法

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JPH08103652A
JPH08103652A JP26839094A JP26839094A JPH08103652A JP H08103652 A JPH08103652 A JP H08103652A JP 26839094 A JP26839094 A JP 26839094A JP 26839094 A JP26839094 A JP 26839094A JP H08103652 A JPH08103652 A JP H08103652A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率良く白金及び/又はパラジウムの吸着及
び溶離が行なえ、また酸に溶解することがなく、工業的
に取り扱いやすい吸着剤及びそれを使った回収方法を提
供する。 【構成】 キトサンのC2 位に結合したアミノ基の一方
が一般式(C=O)CH2 N(CH2 COOH)〔CH
2 CH2 N(CH2 COOH)〕n CH2 CH2N(C
2 COOH)2 で表される(ただしn=0〜2)炭化
水素鎖で置換されている吸着剤。上記吸着剤で白金及び
/又はパラジウムを吸着し、その後溶離液の塩酸濃度を
変化させることにより白金、パラジウムを分離回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貴金属回収技術に係わ
り、白金及び/又はパラジウムを吸着する物質と白金及
びパラジウムを含む溶液から、白金とパラジウムを回収
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キトサンが各種の金属イオンに対して優
れた吸着能を有することは、以前より知られており、分
析化学の分野においてはクロマトグラフィー的な利用が
なされてきた。キトサンはそのままでは、常温において
酢酸や蟻酸などの有機酸に全ての濃度範囲において溶解
する。塩酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸に対して、0.
05〜1.0規定の濃度範囲において溶解する。また硫酸に
は、殆ど溶解しない性質を有する。キトサンを溶解する
性質を有する酸水溶液を用いる場合は、エピクロロヒド
リン等で架橋して樹脂化をおこなう方法があり、本発明
者はこれを応用して、キトサンの酸に溶ける性質を改良
して架橋処理を施したキトサンが白金及びパラジウムの
回収に際して極めて有利に工業化出来ること、架橋処理
を施したキトサンに吸着したパラジウムは強酸性下で溶
離させることが出来ること、架橋処理を施したキトサン
に吸着した白金及びパラジウムの溶離挙動には顕著な差
異があり、パラジウムを選択的に溶離出来ることを提示
した。(化学工学会徳島大会講演予稿集133 (198
9))。
【0003】しかしながら、架橋処理を施したキトサン
は、キトサン中の官能基の一部が架橋に使用されるの
で、飽和吸着量は架橋処理を施すと約40%減少してしま
うこと。パラジウムの溶離に際して溶離率が約70%であ
り、必ずしも高くないこと。白金の溶離は5%程度であ
り、極めて溶離が困難であることなどの問題点があっ
た。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、キトサンを工業的な金
属の分離、回収、精製に利用するところにあり、希少金
属のなかでも極めて高価な白金とパラジウムをより有利
に回収することが出来る貴金属の吸着物質とその回収方
法を提供するところにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明の特徴は、第1
に化1で示されるキトサンのC2 位に結合したアミノ基
の水素原子の一方を(C=O)CH2 N(CH2 COO
H)〔CH2 CH2 N(CH2 COOH)〕n CH2
2 N(CH2 COOH)2 (ただしn=0〜2)で表
されるポリアミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖、
その中でも特に(C=O)CH2 N(CH2 COOH)
CH2 CH2 N(CH2 COOH)CH2CH2 N(C
2 COOH)2 で表される炭化水素鎖で置換した化2
で表されるキトサン誘導体(以後これをDTPA型キト
サンと略称する)が貴金属に対して特異な吸着能、脱着
能を有することを見出したことにある。すなわち工業的
には、キトサンの酸に溶ける性質は極めて使い勝手の悪
い物であり、また架橋処理を施して樹脂化したキトサン
が白金及びパラジウムに対して吸着能の低下をもたらす
ことは公知であった。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】本発明によるキトサン誘導体は、架橋処理
を施していないにもかかわらず、硫酸や 5.5mol/dm3
下の濃度の塩酸水溶液には溶解せず、しかも飽和吸着量
の阻害程度が少ない特徴を有する。
【0009】第2には、本発明によるキトサン誘導体に
吸着した白金の溶離回収が可能であることを見出したこ
とにある。
【0010】第3には、本発明によるキトサン誘導体を
用いた場合には、溶離する際に用いる溶離液の酸濃度の
違いにより、キトサン誘導体に吸着した白金及びパラジ
ウムを選択的に溶離し、分離回収が可能であることを見
出したところにある。
【0011】
【作用】本発明で用いるキトサン誘導体は、キトサンの
2 位に結合したアミノ基を(C=O)CH2 N(CH
2 COOH)〔CH2 CH2 N(CH2 COOH)〕n
CH2 CH2 N(CH2 COOH)2 で表されるポリア
ミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖で置換したもの
である。キトサンのC2 位に結合したアミノ基を(C=
O)CH2 N(CH2 COOH)〔CH2 CH2 N(C
2 COOH)〕n CH2 CH2 N(CH2 COOH)
2 で表されるポリアミノカルボキシル基を有する炭化水
素鎖で置換したものの例として、キトサンのC2 位に結
合したアミノ基に、無水ジエチレントリアミン5酢酸
(無水DTPA)を作用させて得たキトサン誘導体があ
る。本吸着剤は原料のキトサンと無水ジエチレントリア
ミン5酢酸(無水DTPA)とを1:3のモル比で酢酸
とメタノールの混合水溶液中で約12時間、室温で掻き混
ぜることにより容易に合成することができる。本吸着剤
はそのままでは原料のキトサンと同様な平均粒径が 0.5
mm以下の微小な粉体であるが、充填物として利用しやす
いように粒径が数mm程度の粒子に加工することも既存の
技術で可能である。
【0012】本発明方法に用いるキトサン誘導体は、従
来の架橋処理を施したキトサンと異なり、従来キトサン
中に含まれる官能基を損なうことなくアミノ基にポリア
ミノカルボキシアルキル付与をしており、吸着能が低下
するといった問題がおこりにくい。またポリアミノカル
ボキシメチル付与によりパラジウムと白金の飽和吸着容
量が増加するといった新たな特性が付与されている。キ
トサンのC2 位に結合したアミノ基の水素原子の1つを
ポリアミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖で置換し
たキトサン誘導体は、パラジウムを吸着させた後、3〜
5.5mol/dm3 の濃度の塩酸によりパラジウムを溶離回収
することができる。即ち、この濃度範囲の塩酸水溶液を
用いれば1回の回分操作で80%以上のパラジウムを溶離
させることが可能である。これは、従来の架橋処理を施
したキトサンと異なり、キトサンのC2 位に結合したア
ミノ基の水素原子をポリアミノカルボキシル基を有する
炭化水素鎖で置換したキトサン誘導体を用いる効果にほ
かならない。本発明方法により、パラジウムの溶離は、
極めて容易となり、工業的には溶離液が少なくてすみ、
かつ溶離液中のパラジウム濃度を高めることができるな
どの利点がある。
【0013】また溶離液にキトサン誘導体を溶解させる
ことなくパラジウムを回収することができ、かつ溶離後
のキトサン誘導体は再利用が可能となる利点がある。キ
トサンのC2 位に結合したアミノ基の水素原子の1つを
ポリアミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖で置換し
たキトサン誘導体は、白金を吸着させた後、4〜 5.5mo
l/dm3 の濃度の塩酸水溶液により白金を溶離回収するこ
とができる。4.4mol/dm3 の濃度の塩酸溶液では、キト
サン誘導体に吸着した白金のうち約45%を溶離回収する
ことができる。しかし溶離液がこれよりも強酸性になる
と、吸着剤の溶解が起こる。従来の架橋処理を施したキ
トサンに白金を吸着させたものからの溶離は極めて難し
く、1規定以上の塩酸溶液ではキトサンに吸着した白金
のうち約5%程度が溶離するにすぎず、焼却や王水抽出
などの工程を経て回収する方が容易であった。
【0014】しかし本発明方法は、白金の溶離回収を可
能とし、溶離後のキトサン誘導体は再利用が可能となる
利点がある。酸濃度によるパラジウムと白金の溶離率の
差は、パラジウムと白金の分離回収を可能とする。すな
わち、3mol/dm3 以上4mol/dm3 未満の濃度の塩酸でパ
ラジウムのみを溶離した後、白金は4mol/dm3 以上 5.4
mol/dm3 以下の濃度の塩酸で溶離すれば良い。
【0015】
【実施例1】 DTPA型キトサンの合成法。 2容量%の希酢酸水溶液 200mlに5gのキトサンを溶か
し、メタノールを加えて 500mlとした。この溶液に33g
の無水ジエチレントリアミン5酢酸を懸濁させた 100ml
のメタノールを加え、さらにメタノールを加えて 750ml
の溶液とした。室温で一晩撹拌した後、沈殿物をろ過し
0.5Mの苛性ソーダ水溶液で洗浄して未反応のジエチレ
ントリアミン5酢酸を除去した。蒸留水と 0.1規定の硫
酸を流して洗浄を行い、最後に流出液が中性になるまで
蒸留水で洗浄した。真空乾燥を行い、 5.3gの白色粉末
の固体を得た。中和滴定による固体内カルボキシル基の
総量から求めた官能基の導入率は34%であった。
【0016】
【実施例2】 DTPA型キトサンによるパラジウムの吸着ならびに他
の化学修飾キトサンとの比較(塩酸濃度の影響)。 実施例1で合成された吸着剤の50mgを用いて約1mmol/d
m3の濃度のパラジウムを含む様々な濃度の塩酸水溶液を
15mlと30℃に保たれた三角フラスコ中で振り混ぜたとこ
ろ、図1において●で示すような吸着割合と塩酸濃度と
の関係が得られた。比較のための同図にキトサンのC2
位に結合したアミノ基の水素原子に一方をCH2 COO
Hで表されるカルボキシメチル基で置換したことを特徴
とする吸着剤(CM−1キトサン、△で示す)、ならび
にアミノ基の両方の水素原子をカルボキシメチル基で置
換したことを特徴とする吸着剤(CM−2キトサン、□
で示す)による吸着割合も示す。明らかに本発明で合成
されたDTPA型キトサンによる吸着が他の吸着剤に比
較して高濃度の塩酸中からでもパラジウムを吸着できる
ことが判る。
【0017】
【実施例3】 DTPA型キトサンによるパラジウムの吸着(飽和吸着
量)。 実施例1で合成された吸着剤の50mgを用いて様々な濃度
のパラジウムを含む約10mmol/dm3の濃度の塩酸水溶液を
15mlと30℃に保たれた三角フラスコ中で振り混ぜたとこ
ろ、図2に示すようなパラジウムの吸着量と吸着後に水
溶液中に残存しているパラジウムの濃度との関係が得ら
れた。この結果よりDTPA型キトサンに対するパラジ
ウムの飽和吸着量(交換容量)は 2.5mol/kgと求められ
た。原料のキトサンのそれは 2.2mol/kgであり、吸着量
の増大が認められた。
【0018】
【実施例4】 DTPA型キトサンによる白金の吸着ならびに他の化学
修飾キトサンとの比較(塩酸濃度の影響)。 実施例1で合成された吸着剤の50mgを用いて約 0.5mmol
/dm3の濃度の白金を含む様々な濃度の塩酸水溶液を15ml
と30℃に保たれた三角フラスコ中で振り混ぜたところ、
図3において●で示すような吸着割合と塩酸濃度との関
係が得られた。比較のために同図にキトサンのC2 位に
結合したアミノ基の水素原子に一方をCH2 COOHで
表されるカルボキシメチル基で置換したことを特徴とす
る吸着剤(CM−1キトサン、△で示す)、ならびにア
ミノ基の両方の水素原子をカルボキシメチル基で置換し
たことを特徴とする吸着剤(CM−2キトサン、□で示
す)による吸着割合も示す。塩酸濃度が0.03〜1mol/dm
3 の範囲においては他の吸着剤の方が吸着割合は大きい
が、0.01〜0.03mol/dm3 の範囲においては他の吸着剤と
同様にほぼ 100%近い吸着割合になっており、1mol/dm
3 以上の領域においてはDTPA型キトサンの方が吸着
割合は大きい。
【0019】
【実施例5】 DTPA型キトサンによる白金の吸着(飽和吸着量)。 実施例1で合成された吸着剤の50mgを用いて様々な濃度
の白金を含む約10mmol/dm3の濃度の塩酸水溶液を15mlと
30℃に保たれた三角フラスコ中で振り混ぜたところ、図
4に示すような白金の吸着量と吸着後に水溶液中に残存
している白金の濃度との関係が得られた。この結果によ
りDTPA型キトサンに対する白金の飽和吸着量(交換
容量)は 2.2mol/kgと求められた。これに対して原料の
キトサン、キトサンのC2 位に結合したアミノ基の水素
原子の一方をCH2 COOHで表されるカルボキシメチ
ル基で置換したことを特徴とする吸着剤、ならびにアミ
ノ基の両方の水素原子をカルボキシメチル基で置換した
ことを特徴とする吸着剤によるそれはいずれも1.6mol/k
g であり、かなりの吸着量の増大が、認められた。
【0020】
【実施例6】 DTPA型キトサンに吸着した白金とパラジウムの溶
離。 300ppm の濃度のパラジウム又は白金を含む10mmol/dm3
の濃度の塩酸水溶液60mlと 0.3gのDTPA型キトサン
とを振り混ぜて吸着を行なった。吸着後、蒸留水で洗
浄、真空乾燥させたDTPA型キトサン20mgと様々な濃
度の塩酸水溶液15mlとを振り混ぜて金属の脱着を行なっ
た。塩酸濃度とパラジウム又は白金の溶離割合の関係を
図5に示す。パラジウムはすべての濃度において80%程
度が溶離され、白金は 5.3mol/dm3 の濃度の塩酸により
45%が溶離された。なお、上記塩酸濃度範囲でDTPA
型キトサンはまったく、溶解しなかった。これに対し、
キトサンは1mol/dm3 以上の塩酸で溶解してしまい、耐
酸溶解性が大幅に向上している。
【0021】
【実施例7】 白金とパラジウムの吸着分離。 実施例1で合成された吸着剤の50mgを用いて約 0.5mmol
/dm3の濃度の白金と1mmol/dm3の濃度のパラジウムを含
むの濃度が3mol/dm3 の塩酸水溶液を15mlと30℃に保た
れた三角フラスコ中で振り混ぜたところ、パラジウムは
全く吸着されなかったのに対して白金は70%吸着され
た。このように本吸着剤を用いることにより白金をパラ
ジウムに対して選択的に吸着・分離することが可能であ
る。
【0022】
【実施例8】 白金とパラジウムの脱着分離。 300ppm の濃度のパラジウムと同濃度の白金を含む10mmo
l/dm3の濃度の塩酸水溶液15mlと20mgのDTPA型キト
サンとを振り混ぜて吸着を行なった。吸着後、蒸留水で
洗浄、真空乾燥させ、3mol/dm3 濃度の塩酸水溶液15ml
とを振り混ぜて金属の脱着を行なった。パラジウムは80
%程度が溶離されたのにたいして、白金は全く溶離され
なかった。このようにして両者を同時に吸着させ、3〜
4mol/dm3 濃度の塩酸水溶液でパラジウムのみを選択的
に溶離されることにより白金からパラジウムを分離する
ことが可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、酸に溶けるため工業的に利用
しにくかったキトサンを改良したもので、酸に溶解する
ことなく、また飽和吸着量が低下することがないもので
ある。さらに白金の溶離も容易に行なうことができ、工
業的に貴重な白金やパラジウムの効率的回収に役立つも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】DTPA型及びその他の化学修飾キトサンによ
るパラジウムの吸着に対する塩酸濃度の影響を示すグラ
フ。
【図2】DTPA型キトサンによるパラジウム吸着量と
パラジウム濃度の関係を示すグラフ。
【図3】DTPA型及びその他の化学修飾キトサンによ
る白金の吸着に対する塩酸濃度の影響を示すグラフ。
【図4】DTPA型キトサンによる白金吸着量と白金濃
度の関係を示すグラフ。
【図5】白金又はパラジウムを吸着したDTPA型キト
サンからの溶離に対する塩酸濃度の影響を示すグラフ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンのC2 位に結合したアミノ基の
    水素原子の一方が、一般式(C=O)CH2 N(CH2
    COOH)〔CH2 CH2 N(CH2 COOH)〕n
    2 CH2 N(CH2 COOH)2 で表される(ただし
    n=0〜2)ポリアミノカルボキシル基を有する炭化水
    素鎖で置換されていることを特徴とする白金及び/又は
    パラジウムの吸着剤。
  2. 【請求項2】 上記一般式で表されるポリアミノカルボ
    キシル基を有する炭化水素鎖が(C=O)CH2 N(C
    2 COOH)CH2 CH2 N(CH2 COOH)CH
    2 CH2 N(CH2 COOH)2 であることを特徴とす
    る請求項1に記載の白金及び/又はパラジウムの吸着
    剤。
  3. 【請求項3】 白金及び/又はパラジウムを含む溶液に
    キトサンのC2 位に結合したアミノ基の水素原子の一方
    を一般式(C=O)CH2 N(CH2 COOH)〔CH
    2 CH2 N(CH2 COOH)〕n CH2 CH2 N(C
    2 COOH)2 で表される(ただしn=0〜2)ポリ
    アミノカルボキシル基を有する炭化水素鎖で置換した吸
    着剤を添加し、白金及び/又はパラジウムを吸着させて
    回収することを特徴とする白金及び/又はパラジウムの
    回収方法。
  4. 【請求項4】 上記白金及び/又はパラジウムを含む溶
    液が、白金又はパラジウムを含む溶液であり、吸着剤を
    添加するときの溶液中塩酸濃度が白金溶液の場合は0.01
    mol/dm3 以上4mol/dm3 未満であり、パラジウム溶液の
    場合は0.01mol/dm3 以上 2.5mol/dm3 未満であることを
    特徴とする請求項3記載の白金及び/又はパラジウムの
    回収方法。
  5. 【請求項5】 上記白金及び/又はパラジウムを含む溶
    液が、白金及びパラジウムを含む溶液であり、吸着剤を
    添加するときの溶液中塩酸濃度を3mol/dm3以上4mol/d
    m3 未満とし、白金のみを選択的に吸着することを特徴
    とする請求項3記載の白金及び/又はパラジウムの回収
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4記載の白金及び/
    又はパラジウムの回収方法により白金又はパラジウムを
    回収した後、該白金又はパラジウムを吸着した吸着剤に
    さらに、白金を吸着した吸着剤には濃度4mol/dm3 以上
    5.4mol/dm3以下の塩酸溶液を接触させ、パラジウムを
    吸着した吸着剤には濃度3mol/dm3 以上5mol/dm3 以下
    の塩酸溶液を接触させることにより、白金又はパラジウ
    ムを溶離して回収することを特徴とする白金及び/又は
    パラジウムの回収方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の白金及び/又はパラジウ
    ムの回収方法により白金及びパラジウムを回収した後、
    該白金及びパラジウムを吸着した吸着剤に、さらに塩酸
    濃度3mol/dm3 以上4mol/dm3 未満の塩酸溶液を接触さ
    せ、パラジウムを溶離させて回収した後、パラジウムを
    溶離した後の吸着剤を塩酸濃度4mol/dm3 以上 5.4mol/
    dm3 以下の塩酸溶液を接触させ白金を溶離させて回収す
    ることを特徴とする白金及び/又はパラジウムの回収方
    法。
  8. 【請求項8】 上記一般式で表されるポリアミノカルボ
    キシル基を有する炭化水素鎖が(C=O)CH2 N(C
    2 COOH)CH2 CH2 N(CH2 COOH)CH
    2 CH2 N(CH2 COOH)2 であることを特徴とす
    る請求項3、4、5、6又は7記載の白金及び/又はパ
    ラジウムの回収方法。
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